1 :
名無し物書き@推敲中?:
熟した赤い実が我々を誘いだす。
一かじり、もう一かじり、かみ締めるようにむしゃぶりつく。
塩をかければ甘さ100倍実も引き締まり一石二鳥。
今夜もトマトのお世話になりそうだ。
2ゲトーマト
3 :
名無し物書き@推敲中?:05/03/09 23:32:35
んまぁーい♪
トマト銀行ってあったよなぁ
脱力したなぁ…ならバナナ銀行とか林檎銀行とか
アンねタンポンサービス銀行とか
アタック・オブ・キラートマト
トメイト
肉のような食感、血のような汁
8 :
名無し物書き@推敲中?:05/03/10 01:55:40
くせーんだよトマト!
トマトケチャップ皇帝
本当に熟したトマトはまず安物にありがちな青臭さが一切無い
やや黒味がかった程にたっぷりと熟した深紅に染まり
餅のような弾力と柔らかさで触れた指先を弾き返す
かぶりつくと表面つまり表皮がサクっと心地良い感触で破れ
中からはこれも完全に熟し青臭さが抜けた果汁〜フルーツを頬張ったような甘い甘い汁〜が口に流れ込む
後の展開はよく分からん
12 :
名無し物書き@推敲中?:05/03/10 02:15:59
>9
いいね
>5
懐かしいな、おいw
14 :
罧原堤(アク禁にて代行依頼):05/03/10 02:35:10
真っ赤でおいしそうだった。僕らの一日の労苦をよそに、水中に沈んでいくトマト。
水を張ったボールから僕はトマトを取り出して、一口かじった。
くっさいトマトだ。ナメクジみたいな味がする。どろどろと果汁を垂れ流す。口の中に拡がる不快感。
だけど、そんなまずさが癖になる。俺は病気なのかもしれない。そういえば先日、精神化に行ったら統合失調症の疑いがると診察されたな。
そんなことはどうでもいい。トマトは野菜の中でももっとも清廉である。それはなぜかというと、
他の野菜はオナニーの道具に使われるからだ。人参しかり、胡瓜しかり、茄子しかり。
読者諸君! 大根や南瓜などではオナニーできないと思ってはいやしないか? お姉さんや妹や、お母さんやおばあちゃんに聞いてみるといい。
それらの野菜は入りやすい形に切って使用するものなのだ。だがトマトでオナニーはできない相談なのだ。膣を閉めればトマトの表皮にひびが入り中の果汁が出て、使い物にならなくなってしまうからだ。
だが、プチトマトは違う。あれはいくらでもプチプチ入れることが可能だ。肛門にも入れることができる。そして括約筋の緩急で、プチトマトを地面に叩きつけることもできるんだ。
転がれ! 転がれ! トマトよ! 坂道をどんどん転がっていくがよい!
16 :
罧原堤(アク禁にて代行依頼):05/03/10 03:03:45
キッチンでお母さんが料理を作っていた。まだ夕飯のしたくは終わらないらしい。
僕が、歩み寄ると、
「これ食べる?」
と、渡されたトマト。洗ったばかりで、真っ赤なトマトの上を水滴が滑り落ちた。
17 :
罧原堤(アク禁にて代行依頼):05/03/10 03:04:53
トマトが赤くなると医者が青くなる
18 :
罧原堤(アク禁にて代行依頼):05/03/10 03:08:27
19 :
罧原堤(アク禁にて代行依頼):05/03/10 03:56:25
>>19 ごめんなさい。もう騙りません。チンコ切って死にます。生まれてすいません。
Japan Today 本日の投票コーナー (右上)
ttp://www.japantoday.com/e/?content=vote --------------
Should Japan lift its ban on the imports of U.S. beef?
”日本は米国牛の禁輸を解除すべきか?”
"Yes" 解禁賛成はこちら
"No" 解禁反対はこちら
--------------
ただいま解禁反対派が851/796で賛成派に僅差でリード中です。
お前らの清き一票お願いします。もし他の板やこの板にも
ご存知の関連スレありましたら上記コピペにて周知ご協力お願い致します。
23 :
名無し物書き@推敲中?:05/03/10 12:00:54
あややがモギたての赤ーいトマトを服のお腹のところでギュッギュッと拭いて
「どーお?」って言って口元まで運んでくれたのをジュルジュルって食べるとしあわせ。
24 :
名無し物書き@推敲中?:05/03/10 13:31:15
最近生まれた娘の頬に似ていた。
押せば、くにいっ、という感触。
柔らかいだけでは無く、水分の多い瑞々しさ。
こちらが恥らってしまう様な、無垢加減。
でも、円弧を優しく撫ぜればつるんと滑った。
孤高の女王は、誰にも靡かないと言わんばかりに。
それでいて、万人を惹きつける魅力を持つ。
口紅よりも深い赤を帯びて。
清流の如くにコクコクと喉触りが良さそうな。
透き通る紅は、そう思わせる程に綺麗。
僅かだけれど鮮やかな薄緑色も、山葵の様に、料理(それ)を引立たせる。
吟遊詩人の持つ、縦琴のように。
小説家の構える、筆と紙のように。
鬼に金棒とは、少し違う。まるで出合う為に生まれた恋人。
互いが互いを装飾し合う姿は、ただ純粋に健やか。
冬の新雪のベッドに種は植えられて。
春の風に包まれて産まれ。
夏の陽射しを浴びて育ち。
秋は己が子を体に宿す。
繰り返される環は永劫に途絶える事無く。
只、生きようとする力を体内に秘める。
流水に晒せば、輝きを増す。
そして。一口。
大きな口を開けて、がぶりと。
旨い。
_ □□ _ ___、、、
//_ [][]// ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/、 誰 作 こ
// \\ // /::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ だ っ .の
 ̄  ̄  ̄/ /:::::::::,,,-‐,/i/`''' ̄ ̄ ̄ `i::;| あ た ト
―`―--^--、__ /:::::::::=ソ / ヽ、 / ,,|/ っ 奴 マ
/f ),fヽ,-、 ノ | 三 i <ニ`-, ノ /、-ニニ' 」') !! は ト
i'/ /^~i f-iノ |三 彡 t ̄ 。` ソ ハ_゙'、 ̄。,フ | ) を
,,, l'ノ j ノ::i⌒ヽ;;|  ̄ ̄ / _ヽ、 ̄ ゙i )
` '' - / ノ::| ヽミ `_,(_ i\_ `i ヽ、 ∧ ∧ ∧ ∧
/// |:::| ( ミ / __ニ'__`i | Y Y Y Y Y
,-" ,|:::ヽ ミ /-───―-`l | // |
| // l::::::::l\ ||||||||||||||||||||||/ | // |
/ ____.|:::::::| 、 `ー-―――┴ / __,,..-'|
/゙ー、,-―'''XXXX `''l::,/| ー- 、__ ̄_,,-"、_,-''XXXXX |
/XX/ XXXXXXXXXX| | _, /ノXXXXXXXXXX|
豊かな大地が生み育てたこの赤い激情。らしい。緑のショートヘアーがかわいかった。
とまとってもうまい
ちょ、お、おま、これ。え?えええええ?
え、何? トマ……?
嘘だよう。またそんな。その手には乗らんよ。
生まれて初めて食べたときのトマトの味
30 :
壁の緒 ◆ZQwFdMMZRs :2005/03/22(火) 20:58:47
わたしはこれほどに美しい赤を見たことがない。
31 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/23(水) 00:01:48
むしゃぶりつきたい赤赤赤!!!!!
トマトトマトトマトット!!!
トマトじゅるじゅる俺スパーーーーーーーク
トマトットマトットマトット
赤いお汁でネロネロネン
赤いじゅるじゅるジュパジュパリン
具ニャ具ニャグニュグニュごきゅんごきゅん(ジュル
32 :
◆vXsVgMY8qk :2005/03/24(木) 12:32:48
シャープペンでつついてみる。
プチッと音がして皮が破れる。1ミリほどの小さな穴が空く。
その穴にねじり込むように人指し指を突っ込む。
思ったより抵抗感なく第二関節まで入る。
中で意識的に指を折り曲げる。
汁みたいなものが、ゆっくり出てくる。
>32 ちょっとエロひと思った私は汚れてますか?
34 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/24(木) 18:24:17
私は井戸水を、使い古した木製の桶の中にたっぷり入れて、
それから裏庭に行って、よく完熟した赤い実を五、六個もいでくる。
それから桶の中にどっぷりとつけこんで、台所できゅうりを洗い、
冷蔵庫から特製ドレッシングを取り出す。玉葱とパセリを細かく刻んで
よく混ぜこんだもので、今晩の白身のフライには濃いウスターソース、
それからトマトにはこの特製ドレッシングをつけて、丸ごとかじる。
私はビールは飲まない。春先だというのに外はまだ寒くて、レンジで
温めた甘酒をたのしむ。濃厚なソースのかかった淡白な魚フライには、
酸味と甘さのほどよい完熟トマトとマヨネーズドレッシングが
よく合う。私は魚のフライと交互に、三つめの完熟トマトを食べる。
ドレッシングをたっぷりつけて口いっぱいにほうばる。
35>トマト自体はあんまうまそうじゃない。
完熟したの分かったよ、何回も書くな、しつこいよ。
…って思われちゃうかもしれない。
37 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/25(金) 13:37:22
赤かよ!
シャープペンでつついてみる。
プチっと音がして小さな穴があく。
今日は指を二本入れてみる。
中で人指し指と中指を交互にくねらす。
又汁みたいなものが出てきた。
指を引き抜き舐めてみる。
旨い。
芯まで赤い。それへ一口の接吻。わずかな張りはここちよい若さを感じさせる。その恍惚のうちに押さえることができないみずみずしさの本流。開放された本能のままに興じる清廉さは、波打ち際においてわたしをたのしませる。
トマト嫌いだから無理。
あー美味いわこれ、ガリガリ君と同じくらいうまいよ。
41 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 00:57:32
↓ガリガリ君をおいしそうに書く
シャープペンでつついてみる。
プチっと音がして外側の薄いビニールが破れる。
そこへ両手の人指し指を爪の先からねじるように差し入れ、
少し力を入れて引き裂く。
中身が宙を舞い、地べたにへばり付く。
コーラ味、好きだったのにぃ。と思いながら立ち去る。
次の日蟻の列を羨ましく眺める。
43 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 12:39:38
良スレ
44 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 13:53:45
とと雌賛成
その西洋人はおもむろに籠からその赤い塊を取り出した。
与作には初めて目にする物だった。
見たことのない原色。危険を予感させる色だ。
西洋人がそれを口に運ぶのを見て与作はそれが食べ物であることに気付く。
西洋の柿だろうかと推測する。
かじりつく口元に柔らかな果汁が垂れるのを見て、与作は我慢できなくなり
「おっちゃん、わしにもおくれ」と懇願する。
西洋人はまだその時日本語を理解していなかったが、なんとなくこの子供が
それを欲しがっているのだと感じた。
籠から新しいのをひとつ取り出し手渡す。
与作は嬉しそうに受取り、その端にかじりつく。
唐辛子だった。
おじいちゃんのトマト
夏休みの朝、畑からもいできてはじめて食べた。
おいしかった。
塩をかけたらもっとおいしくなった。
でも、私も妹も服をよごすので、おかあさんにおこられた。
「おいしいね」ていったら、おじいちゃんはうれしそうだった。
また、おじいちゃんのトマト食べたいな。
47 :
◆vXsVgMY8qk :2005/03/29(火) 20:06:41 ID:
もう3日も何も口にいれてない。
犯人を追い詰めた末、逆にこの部屋に監禁されてしまったのだ。
蒸し暑く、空気の澱んだ部屋だった。
何も無い部屋で腹のムシだけが元気よくぐうと鳴く。
突然、天井と壁の小さな隙間から何かが投げ込まれた。
その赤い塊を床に落ちる寸前ダイビングキャッチする。
トマトだった。
とりあえずシャープペンでつついてみる。
そこは倉庫だった。
見渡すと、至る所に血の跡が‥‥‥しかしよく目を凝らすと、トマトの残骸が散らばって
いるのが分かった。
一体ここで何が?私は不思議に思い、足元に転がっている一つのトマトをじっと観察した。
そのトマトは、直径2、3センチくらいの弾痕のような無残な穴があいている。私は不審に
思い、次々と転がっているトマトを見て回った。どれも同じような状態であった。
もったいないことを!私は不快に思いながら歩き回っていると、何かにつまづいて転んで
しまった。それはトマトではなく、安物のシャープペンシルだった。手にとってよく見ると、
芯の辺りに赤いものが付着していた。それを眺めているうちに、私はすべての謎が解けた。
犯人はこれでトマトを突き刺し、破れた穴に指でも突っ込んだのだろう。何故こんなことを
したのか。その真意までは推測できない。トマト嫌いの犯行か‥‥‥?
これはトマトの正しい扱い方とはいえない。シャープペンで突き刺すという発想は予想外
であったし、悪意さえ感じる。それともこれは今の流行りなのか。
私は意を決して、散乱しているトマトをひとつ残らず拾い集め、自分の上着を広げてその
上に山盛りに積み、それを慎重に運んで車の助手席に置いた。家に帰ると私はまっさきに
そのトマトを冷蔵庫に入れ、3時間待った。
やがて私は冷蔵庫からトマトを取り出し、氷水の入った大き目のボールの中に入れ念入り
に洗った。それを一つ一つまな板の上に乗せると、深い傷あとを残してはいるものの、キッ
チンの蛍光灯の下でさっきとは見違えるかのように赤い輝きを放っていた。
通販で買った万能包丁を取り出すと、私はそのトマトを半分に切断し、穴があいてる部分を
その周りごとこそぎ落した。トマトは八分割、いや、八分の六に切り分けられていった。
その作業を終えると、ガラス皿の上に円を描くように並べていった。トマトは巨大な赤い花
のように皿の上に飾られた。私はそれを見て満足し、ふーっとため息をつくと大声で二階に
いる子供たちを呼んだ。どたどたと彼らが食卓に付くと、私は言った。
「さあ、お食べなさい。マヨネーズをかけてお食べなさい」
子供たちは冷蔵庫から味の素のマヨネーズを取り出し、そのトマトの上にまんべんなくかけ
ると、無言でむしゃむしゃと美味しそうに食べ始めた。
トマトにはマヨネーズ。我が家のこの習慣は変えられない。
下の階から呼ぶ声がした。姉貴の声だった。
僕は愛犬ジムと競うように階段を下り、食卓に向かう。
テーブルの上には今日もトマトしか載ってなかったが、文句を言う事は許されない。
姉を悲しませる訳にはいかないのだ。
皿に盛られた大量のトマトを箸ですくってジムの口に無理矢理詰め込む。
「マヨネーズをかけてお食べなさい」と姉が鬼のような形相で睨んだ。
僕はジムの口にマヨネーズを流し込む。ジムは時々首を振りながらも必死になって耐えていた。
「これが我が家の儀式なのよ」
姉が目をつり上げながら何度も何度も呟いた。
ジムの口から泡が出てきた。
与作は噛み千切った破片を、ぺっと吐き出す。
その辛いような酸っぱいような味覚に与作は驚愕していた。
「おっちゃん、これ唐辛子な?」と西洋人に詰め寄る。自分で頼んでおきながら、「こんな物喰わせやがって」と腹を立てていた。
西洋人は意味が分からず少しうろたえたが、与作の握り締めているかじり欠けの赤い物をその手からもぎ取り、
大きな口でひとくちかじりしてから、与作に見せびらかすように笑顔を作った。
かじりかけを与作に返しながら、西洋人はそれを指差し「っぉまぁあとう」と叫ぶ。
与作はもう一度かじってみた。
ライスはモニターの向こうで声を荒げた。
「やるしかないのよ。こちらに入っている情報ではもう時間が無いの」
ノムヒョンは苦しそうに答える
「し、しかし、そんな非常識な事をしたら国際政治が・・・」
「確かに非常識よ。でもあなたの国ならできるわ。ここで日本を敵にすれば、南もすぐに
38度線を越えようとはしないはず。あなたの国を守るにはあなたが馬鹿の振りするしか無いの
ソウルに向けられたミサイルに核があるかぎり米軍も下手に動けないわ。それが日本に向けられたなら
途中で撃ち落とせる可能性がでてくる」
しかし100%ではないとノムヒョンにはわかっていた。
「それではあまりにも日本に申し訳無い。民族の喧嘩に日本を巻き込むわけには、ー」
ライスは冷たく静かに言った
「南のミサイルでソウルが火の海になったら、米軍は半島ごと吹き飛ばすことになるわよ」
ノムヒョンは歯をくい縛りおし黙った。その時もう一つモニターが映り、中から小泉が語りかけてきた
「やりたまえムヒョン君。日本なら大丈夫、何があっても沈みはしない。とりあえず竹島で揉めてみようか」
ホットラインのモニターの電源を落としてから、ノムヒョンは涙した。迷惑この上無い隣国を日本は身を持ってカバーすると言っていたのだ。
大統領室のテーブルでその夜ノムヒョンはトマトを食べた。まだ青いのが自国の、完熟のが日本のそれぞれの国旗の中央に載っていた。
ノムヒョンはその後日本に対して非道とも呼べる振る舞いを繰り返すことになるのだが、その目をカバーするように二本の線がいつもあった。それは日本
からうけた恩義を死ぬまで決して忘れ無いという彼の決心の表れだった。
53 :
◆vXsVgMY8qk :2005/03/30(水) 18:08:47
しまった。
推敲前に書き込んでしまったあげ
54 :
名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 18:55:05
皮の部分を薄く削いで焼く。
鉄板よりもアミの上が良い。
スルメのように丸まりながら焦げていく。
わさび醤油があればなお良い。
とうこうの
まえに推敲
とかしろよ
としよ
まぬけ
とない
トムと
マーガレットは
トルコ風呂で出会った
58 :
◆vXsVgMY8qk :2005/04/04(月) 22:30:21
「プチトマトって知ってる?そうそう、ちっちゃいやつ。
あれを五つくらい一気に頬張って、口の中でぷちぷちって潰すの。
結構水分あるんだよあれ。種?種の周りのどろっとした水分。
すっぱくてさあ、なんか急にビュッて出るもんだから、気管の方へ入っちゃったわけよ
咳き込んだら鼻から種?あれが出た。
まあここまではよくある話なんだけど、そこで目の前で牛乳飲んでる奴と目が合った。」
59 :
大泉洋:2005/04/04(月) 22:34:43
朝からずっと何も食べていない。
僕は、祖母からもらったとりたてのトマトを水で洗ってかぶりついた。
頬がトマトになったのかと思った。
60 :
◆vXsVgMY8qk :2005/04/06(水) 00:47:44
災害救助犬トマトの冥福を祈ります
61 :
◆vXsVgMY8qk :2005/04/06(水) 21:01:16
救助犬トマトがおいしそうな訳ではない。
とーまマヨマヨ、とまマヨ♪ とーまマヨマヨ、とまマヨ♪ とーまマヨォ〜♪
63 :
名無し物書き@推敲中?:2005/04/25(月) 07:18:55
このトマトがおいしいはずが無い、だって黒いもん。
しかし齧れば広がる無限大。
口から溢れる肉汁に思わずほころぶ笑顔と苦悩。
味わいの限りを尽くしまた齧る。
トマト、ウマー
熟したトマトを一かじりすると、口の中に甘い肉汁が広がる。
「おいしい」
66 :
壁の緒 ◆ZQwFdMMZRs :2005/05/09(月) 16:41:17
知ってる?トマトって、しなびてても甘いのよ。
67 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 18:30:23
ガブリ ムシャリ ジュルリ グチャリ
69 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/10(火) 03:59:07
トマトくいてぇ
桃太郎たんハァハァ……ウッ! ドピュッ!
71 :
壁の緒 ◆ZQwFdMMZRs :2005/07/05(火) 20:42:45
この旨さが空腹からくる幻でないことを、私たちは願わずにはいられなかった。
じいちゃんは腰をかがめると、畑の土をひとつまみして口に含んだ。
とうとう頭がおかしくなったのかと思い駆け寄ろうとしたら、
親父に襟首を引っ張られて喉が締め付けられた。咳き込み、親父に文句を言う。
だが親父は俺のことなんか無視して、じいちゃんの表情をじっと観察していた。
立ち上がるじいちゃん。
「どうだい?」
じいちゃんは口をへの字に曲げ、しわをぷるぷるさせながらうなずいた。
「いい土だぁ。これなら、いいトマトができる」
鳥の鳴き声にかき消されそうなほど小さな声でじいちゃんが呟いた。
しわがれているのにどこか豊かな感情をもった声だった。
73 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/06(水) 16:23:50
光をキラキラと反射!えいえい!水!をたゆまなく弾いてる!
カプッ♪
キャ♪
うま!!!!
74 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/07(木) 13:03:22
プチトマトは全巻揃えてます、あとビデオもね、ただ無毛の子より、剃って
剃り跡が青い子がそそりますね、みなさんはどうですか。
75 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/11(月) 16:58:28
生えちゃったらさ、締りが悪くなんない。
76 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/11(月) 18:10:52
下半身にダイレクトに響く官能の刺激、赤い糖度の吐息。
口に頬張り切れない大きさのそれを一口食むと我慢し切れないのか
果汁が飛び出した。
78 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/11(月) 18:41:11
一緒にしないでくれ。今日のCPネット通信料に賭けて違う。
79 :
78:2005/07/11(月) 18:43:38
いったい何時間彷徨ったのだろう。この国では、太陽は沈まないのだろうか。
持ってきた水はとっくに飲み尽くしてしまった。
私は歩き続ける理由を、既に忘れてしまっていた。
死にたくない、ただその思いだけが私の脚を動かしていた。
だが、そんな思いも足首まで絡みつく焼けた砂が奪い去っていく。
もうどうでもいい。
その言葉が脳裏によぎった瞬間、私はその場に座り込んでいた。
目の前の空気が揺らいでいる。これで終わりなのか。
私はゆっくりと目を閉じた。
ふと、気配を感じて顔を上げると、そこに少女が立っていた。
黒い瞳が真っ直ぐにこちらを見つめている。
少女の手には赤い何かが握られている。
私の視線の動きに気付いたのか、少女はそれを無言で私に向かって差し出した。
トマトだ。
私は夢中で手を伸ばし、少女からトマトを受け取ると
礼も言わずに齧りついた。
81 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/12(火) 00:24:38
>>80 冗談抜きで良作である。文体は何の違和感もなくサラッと読める。
小道具のトマトもよく生かされていると言えよう。
>>82 CPネットと書くやつに頭悪いていうお前もどうかと
>>80 確かに情景描写も文章も上手い。
こりゃ手練れだね
栗田 「対馬は、さすが韓国への玄関口ね。何だか雰囲気もエキゾチックだわ」
山岡 「そりゃそうだろ。もともと対馬は朝鮮半島に属していたんだから」
栗田 「えぇ?でも、昔から対馬は日本の領土じゃないの?」
山岡 「それは戦前の愚かな軍国主義がねつ造した産物だよ。もともと、対馬は朝鮮王朝の支配下にあった。
領主の名字が「宗」という一文字から考えても、対馬は朝鮮半島の支配下にあったことは明白だ」
栗田 「で、でも、鎌倉時代末期の元寇では、元軍はまず対馬を占領したんでしょ?
ということは、もう鎌倉時代の頃に対馬は日本のものになっていたんじゃないの?」
山岡 「元軍は対馬を『占領』したんじゃなくて、鎌倉幕府の圧政から『解放』しようとしたんだよ。
当時支配下にあった高麗王朝の民衆からの懇願でね。
その当時から、日本は恥ずべき侵略行為を繰り返し重ねていたんだ」
栗田 「知らなかった…」
山岡 「戦後に韓国の繁栄を築き上げた李承晩も、『対馬は韓国領だ』と何度も懇願していたんだけれどね。
日本は貴重な漁場を奪われたくないから、李承晩の懇願を黙殺したんだ。
李承晩はその政権末期に日本への武力侵攻を計画していたんだが、結局クーデターで駄目になった」
栗田 「その武力侵攻が成功していれば良かったのにね」
山岡 「ああ、うまいな、このトマト」
86 :
壁の緒 ◆ZQwFdMMZRs :2005/07/20(水) 15:26:50
馬鹿馬鹿しさにワロス
87 :
名無しの物書き:2005/07/20(水) 15:51:55
楽浪「そうだな、それを説明するためには……ふむ、ここにあるこのトマト」
彼方「……はぁ…」
楽浪「お前から見たらこのトマト、どんな風に見える?」
彼方「……どんなって、普通のトマトだろ…?」
楽浪「普通のトマト、とは?」
彼方「…赤くて、野菜の一種で、サラダとかに使われてるヤツだよ」
楽浪「ふむ、なるほど。では、トマト・ケチャップは、トマトか?」
彼方「ん〜原材料はトマトだが、もうそれはトマトじゃないだろ…」
楽浪「なるほど。しかし、かの有名なアメリカのレーガン大統領は、学校給食に『野菜を増やす』と聞いて、『トマト・ケチャップを大量に使うってことか?』と聞き返したらしいよ?」
彼方「…アメリカの大統領も莫迦なんだな…」
楽浪「レーガン大統領はトマト・ケチャップを野菜だと信じていたのだ」
彼方「………それで?」
楽浪「だが、お前はトマト・ケチャップはトマトじゃないと言った。では、何だ? レーガン大統領の説を借りれば、トマト・ケチャップは野菜で、赤いのではないか?」
彼方「ん………まぁ、そりゃそうだが…」
楽浪「つまり、トマト・ケチャップとトマトは、どちらとも”トマト”という野菜の形状が変わっただけなのではないか?」
彼方「……そう、とも言えるかもしれないが……」
楽浪「トマトというどちらも同一のものであり、形状や捉え方の違いこそあれ、ここにあるのはトマトであり、そしてトマト・ケチャップなのだよ、分かるかい?」
彼方「………俺のトマト嫌いを治すために大層な理屈もって来てはくれたが、喰えないものは喰えないんだよ!!」
楽浪「トマト・ケチャップは食べれるのにか?」
彼方「ポテトとかと一緒に…だろ…」
楽浪「しかし、このトマトは食べれない、と?」
彼方「…あぁ」
楽浪「ふむ…仕方無い。では、もう一つ、別の方法でキミを説得するとしようか………」
88 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/20(水) 16:17:37
ちょ−ちょ−ウメートマト!!
89 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/20(水) 16:19:36
>>88 現代社会の味覚をやられた子供達の姿が目に浮かぶ様ですな。
90 :
名無しの物書き:2005/07/20(水) 16:29:23
ageてみていい?
91 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/20(水) 16:30:59
ほんとマジーウメートメートォ−!!ひゃっほー
92 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/20(水) 16:33:42
トマトを丸かじりしようと唇寄せた時
大塚愛のおっぱいが頭に浮かびました。丸かじりパイパイ。
93 :
名無しの物書き:2005/07/20(水) 16:48:42
誰も書かないのかな?
94 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/20(水) 19:07:58
95 :
名無しの物書き:2005/07/21(木) 00:41:14
小さい頃、私はそれを食べないようにしていた。
だが、結婚して食生活が変わってから、私はそれを口にするようになる。
「大人になってからの好き嫌いは、格好悪い」
等という、妻の言葉に後押しされたのだ。
数年ぶりに口にしたそれは、記憶の中の味とは違っていた。
「おいしいでしょ?」
問いかけに、素直に頷くことが出来た。
今日も座って赤い実を片手に持つ。
洗い立ての冷たいそれは、みずみずしい。
大人になると味覚が変わるのだろうか?
子供の頃は青臭いと感じていたのに、今は甘く感じられる。
口の中いっぱいに広がる、自然の甘さは爽やかだ。
「ホントに好きだね、トマト」
呆れたような妻の言葉に、私は静かに微笑んで頷く。
どこかで、風鈴の音が聞こえた。
もうすぐ夏が来る。
私の好きな、トマトのおいしい季節だ。
97 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 17:17:01
>>80、
>>96はすべてにおいて、典型を書いてしまい、かえって嘘になっている。
主人公の、ものの見方が浅いのは良いのだが、読者にとって、世界のかたちが浅いのは良くない。
98 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 17:24:19
このトマト、お母さんの手料理より美味いや(涙
>>98はすべてにおいて、典型を書いてしまい、かえって嘘になっている。
主人公の、ものの見方が浅いのは良いのだが、読者にとって、世界のかたちが浅いのは良くない。
100 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 23:51:50
アイスを舐めてもケーキを齧っても幸せな気分にはなれなかったけど、
今、口の中にあるトマトだけは私の味方って感じがした。
真ん中目がけ、一息で齧り付いた。
酸い汁が瞼の奥を突き抜けた。
ヒグラシの声を浴びながら、畦道を行く。私の目の前には、真っ赤な夕日があった。ふとポケットからトマトを取り出すと、グシャっと潰して貪った。なんだか自然を凌駕した気分だった。
なぜか無性にトマトが食べたくなった。
スライスしてアツアツのピザに乗せて
とろけるチーズと一緒にほおばるともの凄くウマかった気がする。
冷水で洗ったレタスとキュウリを刻んでフレンチドレッシングで
食べるのも凄くウマかったと思う。
冷蔵庫開けたら、おっと冷凍ピザも野菜もあるじゃない
104 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/01(月) 14:24:28
ヘタにひげがあるトマトきめえ
川はきらきら流れ、太陽が高い。もう昼時だろうか。
ばーちゃんがまた素麺ゆでてるんだろうと思うと、
コータも腹の虫もため息を漏らす。
なんだか意地になってしまって、帰る気にもなれず、
小石を蝉の鳴き声に向かって投げつけた。
そんな様子をナッコは苦笑いして見ていたが、
不意に川上へ歩き出し、少し離れた場所で川に手を入れる。
さっきスイカを置いた場所だ。
戻ってくるナッコを睨んで、コータは言った。
「まだ冷えてないだろ」
ナッコはふぅ、と息をついてから、コータの膝にトマトを一つ乗せ、
「うちの畑から2つだけ持ってきちゃった」
そう言って微笑み、隣に腰を下ろす。
ナッコの唇が赤いトマトに触れる。ナッコの横顔がきらきらしていた。
きっと川の光のせいだろうと、コータは思う。
礼も言わずに顔をそむけ、ヘタの周りに青さの残るそれをかじれば、
ひんやりと喉にしみこむ。
いつもは甘いナッコの家のトマトが、今日は少し、酸っぱい気がした。
106 :
98:2005/08/02(火) 11:52:03
立ち直れないほどのショックを受けますた
カタキの様に太陽を睨む。
手の中の、リンゴの様に張り詰めた、見た目より重いそのトマトを、大口を開けてガキが頬ばった。
種の部屋を仕切る壁がはじけ、こめかみ、下顎、奥歯、口中を使い、果汁まで砕くようにして分厚い果肉を喉に押し込める。シャツが汚れようが、かまうものか。
ベトベトの頬を涼しい風が撫で、満足気な笑顔は、鼻で息を吸う。
ハルが約一週間前に持って帰ってきたミニトマト。
その苗は細くて頼りなくて隣家のアサガオに迫力負けするけど、小粒の紅真珠は確かに実っていた。
ひとつだけ、軽くねじって苗から外して、唇にくっつける。
自分のより紅いなんて、と少し嫉妬する。
けれど、薄皮の中で今にも弾けんばかりに収まっているであろう若さあふれる水分が愛しい。
甘噛みしたらそれが流れてきた。のど、うるるん。
109 :
80:2005/08/18(木) 00:13:18
>>97 勉強になった。素直にありがとう。
奥が深いな、このスレ。
シャア板から通常の三倍出張中|・∀・)y−o O O<
>>45最高
思っていたよりも艶が無い。野菜とはそう言う物なのだろうか。
泥で汚れた麦藁帽子を被らされ、こげ茶色の土を踏みしめて
向かった先に、トマトがいくつもぶら下がっていた。
大概の野菜は、実の部分を食べる。それは当たり前のことなのだが、
こうして目の当たりにすると、八百屋の店先で見かけたトマトのことが、
脳裏に浮かぶ。
あの時買ったトマトは、あまりおいしいものではなかった。それ故に、
目の前にあるトマトに対しても食欲が湧かない。味の薄い、水っぽい野菜。
そんな感情しか抱かない自分に対し、艶の無いトマトが手渡された。
食ってみろ。と言う一言に逆らえず、嫌々ながら、赤いトマトを受け取って、
青臭い水の味を思い浮かべながら、前歯を這わせて実を削いだ。
下唇から、野菜の味がこぼれた。それを追うようにして、舌を出して荒々しく、
中の種を舐め取ってしまった。
うんめぇか、まじいか、わからんけんども。と言う言葉に対し、首を振って答え、
次の言葉を出す間を惜しんで、一気に齧りついた。
…トマトの味を表現するのがこんなに難しいとは思わなかった。微妙にごめんなさい。
111 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/20(木) 19:54:28
これは何だ?
すかさず尋ねた。
それを知らないのかい?
馬鹿にされた。
手に持つ果実を投げ捨てた。
飛び散る果肉に唸る腹。
捨てなければ良かった。
あの味を知らなかった私の愚弄に今でも恥じる。
熟せば奥深く、早ければキリリと染み入る真実の魔物。
ここから旅が始まった。
旅の行方は味の道。
それは、中学生の頃に初めて珈琲を飲んだときの感情に似ていた。
それに対する先入観を打ち砕かれたことへの驚き。自分が少し大人になったような、ある種の優越感。
ただそのときと大きく違うのは、あのときの珈琲のように不快感を覚えず、すぐにでも吐き出したいという衝動に駆られなかったことだろうか。
初めてトマトを食べたときに感じた薄汚い酸味は、私の知らぬ間に爽やかさという言葉にすり替わり、昔の私にとって単に異様な食感の野菜であったそれは、このとき既にどこか遠い異国の果実そのものであった。
浴びた陽を跳ね返すように赤く丸々と太ったそれの、私の歯を押し返す心地よい弾力に負けないぎりぎりの力でもう一口噛る。口の端から滴り落ちた雫を余った薬指で拭い、舐め取った。
orz
「トマトを食べよう」
「うん食べよう」
そういうことになった。
114 :
Youjeen:2005/10/21(金) 13:10:30
目の前が真っ白だ。
ここはとても白い世界。
それ以外は皆目不明。
ただ分かることと言えば、ここは白い砂と照りつける太陽で構成された不毛の土地ということだけ。
何日歩いても、あるものといえばそれだけだった。
地面から反射する太陽光がまぶたを通して真っ白い世界を作り出す。
もう何日目だろう。
乗っていた飛行機が落ちてから8日まで数えて止めた。
食べ物は2日目に食べつくし水は4日で飲みつくした。
せめて空港で朝食を摂ってくるべきだったと何度後悔したことか。
目眩がする。幻覚に何度裏切られたことか。
私の前にこれで3回目のベドウィンが現れた。
三度目の正直。私は走った。
砂に沈み込む足を必死に動かして私は走った。
これが幻だったら、私は覚悟を決めよう。
何故か今度は本物のような気がした。
私の感はよく当たる。妻に言われたものだ。
115 :
Youjeen:2005/10/21(金) 13:12:13
駱駝の背にまたがる青年に私はすがりついた。
今度こそ本物だ!
私は助かる。
こんな水分が一体どこに隠れていたというのだろうというほど私は泣いていた。
ベドウィンは皮の袋から一つの赤い実を取り出し私によこした。
トマトだった。
私は幼いころからトマトが大の苦手だ。
だがこの時みたトマトのなんと美しかったことだろう。
照りつける太陽がトマトに反射し輝いてみえるそれは、神々しいとさえ思えたほどだ。
私は泣きながら、そのトマトにむしゃぶりつく。
口の端から垂れるほどの酸味とほのかな甘みを含んだ水分が私の口中を満たし、その確かな歯ごたえに私は声をあげて泣いた。
メアリー。
待っていておくれ。
私は助かる。
直ぐにお前に会えるよ。
数日後
ベドウィンの一行は砂を口一杯に含み死んでいた男を見つけた。
後にその男は世界的に有名な写真家のアルバート・ウェリントンだということが判明した。
悲報は彼の妻のもとにも届けられた。彼女は悲しみのあまり玄関先で気を失った。
ただ唯一の救いは、彼がとても幸福に満ちた死に顔だったということだけだった。
116 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/22(土) 00:27:04
さっきトマト食ったからage
117 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/27(木) 06:11:21
私はこの広い砂漠を彷徨ってもう数ヶ月になるだろうか。
携帯飲料も底をつき、いよいよ砂時計が流れ始めたようだ。
意識が朦朧とし、今自分が歩いているのか倒れているのかすらわからない。
その時、視界に久しく緑色と赤色が移った。
歩みを早めたのか起き上がって駆け出したかはわからないが、とにかく走って向かっていった。
そこには、オアシスはなかったが、オアシスを飲んだ赤い果実があった。
何故こんなところにあるのかはわからないが、私にはそんなことどうでもよかった。
右手でもぎ取り、齧り付いた。
溢れる果水、私の中に広がるオアシス。
私は、自分が枯れた果実からこのトマトのように豊満になっていくように感じた。
そして、齧りついた果実から果水は溢れ、砂漠を潤わせ、
いつしか辺り一面は緑に包まれた。
/V\
/◎;;;,;,,,,ヽ
_ ム::川*゚A゚) このトマトうめー!
ヽツ.(ノ:::::::::.:::::.:..|)
ヾソ:::::::::::::::::.:ノ
` ー U'"U'
119 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/16(水) 21:57:28
トマトが止まっとる
120 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/16(水) 22:04:51
尻だと思ったらトマトだった
二日酔いだ。
寝床から這い上がり頭を振る。
点けっぱなしのテレビには「哲子の10秒クッキング」
「はいはい、今日もやっちゃいますよぉ!!」
まな板の上の赤いトマト、照明で白く光る包丁。
その配列と配色に覚醒したばかりの、二日酔いの頭がぼんやりとアートを感じさせた。
「せいっ!」
浮いた・・・
ぼんやりとしてたからいきなりの気合とすぐ後に来た衝撃音にビビッた。
哲子は押さえもせずに右手のスナップで包丁を振り下ろしたのだ。
離断したトマトの断面が照明の下に晒され、すぐにカメラのアップが入る。
傷口から血を流すみたいに果汁がどんどん溢れてまな板に垂れ照明のせいか、キラキラ光って見えた。
まさに一刀両断。
そして哲子は片方を奪うようにして持ち上げ、しわの刻まれた頬をあらん限り伸ばし
口の中に放り込み
「うめぇぇぇwwwww!!」
両手をあげて絶叫した。
番組はそこで終わった。
気がつけばテレビの目の前で四つん這いになっていた。
哲子の最後の至福に満ちた笑顔が脳裏に焼きついていた。
やられたと思い、そんな自分をフッと鼻で笑った後、フラフラと冷蔵庫に向かった。
あったはずだ、たしか・・・
ごめん、逝ってきます。
ついに見つけた!この世で一番おいしいトマトを!
124 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/02(月) 20:07:18
思い切り齧ったら薄皮が前歯に挟まった
大きく開けた口の左端から汁が垂れる
思い切り吸い上げたがそれは顎まで垂れた。少しむず痒い
「汚いわねぇ、ちゃんと拭きなさいよ」
よう子が白い布巾で僕の頬の下から顎にかけてを一気に拭った
強く擦りすぎだ。少しヒリヒリする
その布巾は小学校の頃使ってた雑巾と同じ臭いがした
「美味しそうだね。私にもひとくち」
よう子が反対側を齧る
彼女からも赤い汁が滴り、何よりも赤い舌がそれを拭う
たったそれだけ 僕はよう子が好きになった。
126 :
名無し物書き@推敲中?:2006/02/15(水) 02:40:51
>>124 だけどそんな幸せはつかの間だった。
どうしたんだ、よう子。
彼女の口から滴ったのはトマト汁では
なかった。鮮血だったのだ!
巴投げかよ
,へーヘー、 , - '´ ̄ ̄ヽ_ , -―- 、
r――‐┴─くこ> '´ ̄ ̄ ̄`ー'´ -=ニ二`
l ヾア´, - 、 `-、
! ./ / /⌒ | | l l ヽ ヽ `ト、 ヽ
ヽ ./ / ./ / / l | | l l l l lヽ ヽヽ}
{-ー! ! :| / / ! :! ! ! i! l | l: | | ト、ヽ
/} :{ヽ| :|/,-l‐|‐;ハ ハ ハ l`サト! | ! | .} !
.l/ ::{ヽ| :|´|/!. V レ' |/ V リ | | :! | レ
// __ト、! | ! i! _ _ :レ|ノ リ
l {丁|/ ヽ.| | |=≠⌒` , ⌒ヾ:l :| |
! ! | |!__|| f ヽ ,____ ! | |
| |ヽ,/.r‐、! .l :l 「 / ノ :! |
| | .//|ヽ ヽ l トr、 , イ l |
l l//! | ヽ. ヽ l lー-ニー- コヽ | |: ',!
ソ,イ |, -‐-> ヽ l l /ヽ/ヽ|、_| | ',
.//.|:l/ .ヽ ヽ〉 } | _ll_ |: ',!l ',
// { /、 /⌒ヽ ¨||¨ ! ',ヽ. i ',
.l l ./| / `(´ ,ィ、 :li ! :l: i ', } i
! ! ./:/. 〈 `ー、 ベ〈 :!. ! | | |',/ :|
. | | .{/ `ーァ-rヽー-┴'´ :| ' | :! | i :|、
ニハハ・ブイ [Nihhaha Veni]
(1983〜2000 ドイツ)
久しぶりにシャープペンでつついてみる。
129完璧。
131 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/11(火) 18:56:41
保守あげ
このトマトうまい。塩かけるとうまい。
塩なんてかけなくても、うまい。
134 :
◆3ek9OmofR6 :2006/04/29(土) 06:26:27
薄くテカった表皮に軽く爪を立てる。
水の中で逃げようとするそれを私は確かに掴んだ。そのあとの事はよく覚えていない。
気が付いたら口の周りが濡
135 :
鳥違った ◆vXsVgMY8qk :2006/04/29(土) 06:31:26
れていた。
137 :
◆RZCVVbdQrg :2006/05/01(月) 04:13:31
皇太子妃の載った黒塗りのリムジンに投げつける。熟れたトマトは放射状の綺麗な模様を残して、平たく潰れた。
飢えた子供たちがその雫を嘗めとろうと車に群がる。
車は嬉しそうに集まって来る子供を挽きながら進んだ。何もなかったかのように進んだ。
138 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/01(月) 22:25:29
茹で上がったパスタの上に、トマトがまるまる1個載っていた。皮さえも剥いてない。
テーブルの向こうで小学2年生の娘が、すまなそうに私を見つめてい
139 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/01(月) 22:26:25
た。私の可愛い愛娘。
ありがとう、美味しいよ。
140 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:14:26
太陽の光の中、トマト畑にジャンプする。うつ伏せに倒れ込む私の下で無数のトマトたちが、潰れてはじける。ジーンズの厚い布地を通過した冷たい果汁が心地よい。体で潰し損ねたトマトを1つ手を伸ばしてもぎ取り口に運ぶ。夏の味がした。
141 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:29:19
そう、私はふと完熟トマトのパスタが無性に食べたい思いに駆られて
チケットを買い空港へと向かった。
離陸して少し経つと機内食の時間。
まるで豚箱の豚に餌を撒くかの様にそれは配られた。
そしてまさにトマトソースのパスタが目の前に置かれた。
さすがアリタリア航空。しかし私はこんな物が食べたくてわざわざイタリア行きのチケットを
購入した訳では無い。
みずみずしい、完熟したトマトのソースパスタ、こんな干涸びた物で私の欲求など
満たせる訳も無く、私は一口も口をつけなかった。
142 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:35:20
予定より30分早く、飛行機は着陸した。
ビバ!イタリアである。
完熟トマトのソースのパスタを食べたいという思いつきのやや無謀とも
思える渡伊であったが、たまにはこんな旅も悪くは無い。
さっそく、胃袋が鳴りはじめた。思えば、十数時間、食べ物を口にしていない。
私の足は急ぎ早に町のレストランへと向かっていた
143 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:38:04
う、うまそうだ
トマトくいてー
144 :
名無しさん物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:38:37
町はなんだか賑やかだった。祭りでもあるのだろうか?
やけに騒々しいのである。
「そんな事より、今は、完熟トマトのパスタだわ。
せっかくイタリアまで来たのだから、とびきりおいしいパスタが食べたいわ」
私は、レストランを覗きつつ吟味しながら歩いていた。
ふと、いきなりである。
その出来事は起こった
145 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:42:42
赤いのみつけた。
がぶっと食べた。
やわらかい
しゃりしゃりする
うん、うみゃいうみゃい
なんだろこれ
トマトっていうらしい。
146 :
名無しさん物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:46:50
驚いた事に目の前が急に真っ赤になったのである。
視界が真っ赤なその、”なにか”に遮られたと言った方が正しいであろうか。
「え?何?まさか、血?いや、違うわ、この酸味を帯びた臭い、
え?」
一瞬何が起きたのかわからなかった。呆然としていた。
しかし、その”なにか”の正体はわかった「トマト」である。
「いくら、私が、完熟トマトのパスタが食べたいからって、
何で、いきなりトマトが私の顔に落ちてくるの?」
そうなのである。あの有名なトマト投げ祭りがまさに行われる日だったのである。
私はいきなり、トマトの洗礼を受けてしまったのである。
おでこからしたたり落ちる完熟トマトの汁を舐めて私は顔にへばりつく
トマトをかじった
147 :
名無しさん物書く@推敲中?:2006/05/02(火) 05:49:56
「う〜ん、ボーノ!!!グラッチェ、グラッチェ、」
148 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:50:51
なかなかうまいな。この人
149 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:53:22
中国訣嘗省のトマト祭りは違った意味で壮絶だ。うず高く積み上げられたトマトの山に、人が投げられるのである。
150 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 05:56:33
地上20メートルから。
ブェチャッと潰れるのは人間の方なのだ。
ちなみに祭りの名は「人的祭」といい、
地上参百米(300メートル)はあろうかという崖の上で二人一組となり
投げ方がブレーンバスターよろしく相方を放るのであるが、
見事トマトの上に落とさなければ相方がトマトのようになるのは必至である。
無事に生還を果たした歴代の勇者の談によれば、
この日に食べるトマトが生涯で食べるどのトマトよりも美味だという。(口イター)
152 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 06:21:58
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
153 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 06:30:48
トマトを包丁で切ると、中からぐちゃぁっと中身が出てくる。
そのぐちゃぁってしたものが包丁にへばりつく。
その作業を5回ほどして、細切れになったトマトを皿へと並べる。
10分ほどで食べ終わった僕は、包丁とまな板の後片付けをする事にした。
台所へと向かう。赤い身はまな板にもへばりついたいた。
洗剤であらってみた。落ちない。何がって、臭いが。手も痒くなってきた。あぁ
154 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 06:51:33
何が嫌いって、あのスっぱい酸味が嫌い。ドロッと口の中に鼻水のような液体が入って来ると鳥肌が立つ。塩なんか付いてた日にはもう震えがくるね。
ああ
155 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 06:51:50
Tel プルルルル、プルルル.......
「はい、捜査一課の山本だが、なぁに?殺し?」
「今日は2件目だな、また殺しか、で、場所は?新山下、アパート...
わかった、今すぐ現場にかけつける。」
現場にかけつけると既に鑑識は到着していた。山本の姿を見つけ、
部下の亀山が駆け寄って来た。
「山さん、ガイ者は女です、現場の様子からして、物取りじゃなくて、
痴情のもつれかなんかでしょう、ホシはまだ遠くにはいってないでしょうね。
とりあえず、現場見ますか。」
「そうだな。」
山本と亀山はアパートの部屋に向かった。
156 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 06:56:26
「えー、被害者の持ちものによると年齢は、22歳、ホステスですね。
履歴にかなりの男の番号があるので、彼氏の他に客の線も考えられますね。」
「そうか、で、凶器は?」
「えーと、ですね、凶器は台所の出刃包丁で、首の動脈一気に逝ってますね。
出血死です。」
「犯行時刻は?」
「えー、3時間前の、午前4時ですね、悲鳴を聞いた住人が通報してます。」
157 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 07:00:10
「しかし、仏さんもひどい殺され方したもんだな。」
現場は床中、被害者のおびただしい血の量であふれかえっていた。
血の惨劇、まさに壮絶な光景である。
捜査一課に配属されて20年、ベテランの山本刑事の鋭い眼光が光る。
「何か、臭うな・・・・。」
158 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 07:03:41
数々の現場を見てきた山本でもこれだけ壮絶な現場は見た事がなかった。
辺り一面血のカーペットである。
横たわる被害者の横にしゃがみこみ、山本は人指し指でその血をなぶって
舐めてみた。
「カゴメだな・・・・。美味。」
159 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 07:04:11
その頃1件めの殺人事件の現場では、部長刑事の葉山が唸っていた。葉山は呟いた。
「これは長くなるかもしれん。」
160 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 07:07:42
その後司法解剖の結果、死因は絞殺と判明。
おびただしい量の血液は科捜件で分析した結果
捜査を撹乱する目的でばらまかれたデルモンテトマトケチャップと判明した。
「デルモンテだったか、その発想は無かったわ。」
時にベテラン刑事の勘も鈍る事がある。
161 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 07:51:37
熟赤酸草、拳丸夏果実、旨旨。娘似合田舎。旨旨。
汁流口元溜無、塩掛一気頬張。以上偽中国語。
162 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/02(火) 22:30:39
>>158 まさかそれで終わりなんて言わないよなあ。
163 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/03(水) 05:08:47
家が
164 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/03(水) 05:12:53
家が焼け落ちようとしていた。俺の家だ。まだローンも15年残っている俺の家。
ちょっとコンビニに行っただけでもう燃え広がっている。
俺はトマト
165 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/03(水) 05:14:59
をコンビニの袋から取り出し、それをおもむろにかじった。
トマトの表皮に炎が映り、チラチラと輝いていた。
166 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/05(金) 05:04:49
新幹線の中で、無性にトマトが食べたくなった。勿論あたりにはそんな物は無い。次の停車駅は遥か先だ。
車内の全席を見て回り、売り子のお姉ちゃんにも尋ねたが、新幹線の中でトマトを食べる術は無いようだった。でも食べたい、どうしても私はそれを口に入れたい。
私は大声で「とおぉおまぁぁとおぉぅ」と泣き叫び回りの乗客を困らせた。
あれから15年。私も還暦に近い年になったが、未だに泣き叫ぶ事がある。それほどまでにトマトは人を引き付ける。
167 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/05(金) 12:21:06
清岡純子の撮った小便臭い芋少女の全裸おめこ丸出し写真集「プチ・トマト」
はあれで結構美味いおかずであった
169 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 00:41:53
くそ゛きけ
夏の暑い日、プールにそのまま飛び込んだように
全てを許容する瑞々しさが口の中に広がった。
生物の液。なんかぬるぬるする塊にちいさいツブツブ
おまいら、「おいしそうに」書こうよ。
枝についた真っ赤なやつをもいでかぶりついた!
うし・・・
うし・・・
おなのこがトマトを見つけたシーン
私は、卓上の皿の上に乗った、大きなトマトが目に入った。
蛍光灯の光に照らされて、しっかりと熟した真紅が、今も輝いていた。
思わず私は手に取ってかじってみた。
じわり、と水が滴って甘い味と、懐かしい景色が広がっていく。
お爺ちゃんの家。古びてるけど温かい街。木登りして遊んだ森。
─そして、頭上に見上げる蒼と共に食べたトマト。
何だか子供の頃を思い出してしまった。
今も子供だけど。
ふと私は空を見てみた。
あの時と同じ、蒼が広がっている。
今日起きて、このスレ見付けて即興で書いてみた。今は反省している。
ああ、今日は会社行かなくていいんだ。
私は布団にくるまったまま、枕もとの時計を見た。
昨日の飲み会は最悪だった。
出たくもないお局の送迎会。お幸せになんて、自分作り笑いしちゃってさ。
しかも、なんで部署の違う佐藤がいるんだ。こっちに私がいること知っているくせに。
付き合いなのは分かっているけどさ、別れたばっかりの男の顔なんて見たくない。
自分が悪かったから、尚更だ。
胃は空っぽな筈だけど、まだ少しムカムカする。
いつもの倍近く飲んだから仕方ない。本当に馬鹿だった。
私はそのまま布団の中で体を丸めていたけど、カーテン越しの陽の光に負けて起き上がった。
起きた私は台所に向かい冷蔵庫を開ける。ろくなものがない。
「あーあ、夕方買い物行かなくっちゃな……めんどくさい」
そう言いながら野菜庫の中に一つ残っていたトマトを取り出した。
四つに割っただけで皿に盛り、そのまま流しを背にしてしゃがみこんで食べ始める。
体が欲しがっていたんだろう。一口食べるたびに胃が休まる感じがする。
もっと買っておけば良かった。一つじゃ足りない。
私は手についた汁を舐め取って、ふうと息を吐いた。
やっぱり実家から野菜、送ってもらおうかな。
あのトマトならもっと良かったのに。
176 :
◆RZCVVbdQrg :2006/05/19(金) 05:07:31
あいつの好きだったトマト、飲み会に持って行った。
部署が違うのに顔を出せば、いくらあいつでも俺がよりを戻したがってるのに気付くだろうと考えたのは甘かった。
意地を張って目も合わせやしない。あいつは馬鹿だ。
飲み会の帰り道、あいつの好きだったトマトを一人で泣きながら食べた。道に倒れて名前を呼びながら食べ
177 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 05:54:44
た。
178 :
作者A ◆GmgU93SCyE :2006/05/19(金) 06:04:28
はるきって料理をおいしそうに書くのが上手いね。
179 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 18:25:46
炎天下、夢中で鮎を釣っていた。俺の名前を彼女が呼んだ。
振り返ると、彼女が川で冷やしておいたトマトを
投げてよこした。片手で受け取り、
瑞々しく紅いそれに思いっきり齧り付く。
冷たいトマトのほどよい酸味と甘みが、乾ききった喉に
心地よく広がり奥へと落ちていった。
日除けもない畑である。強い日差しを浴びて身体も熱を帯び、喉もからからに渇いている。
目の前には、真っ赤に熟れたトマト。手塩にかけて育てた自慢の一品だ。
さっと手を伸ばし、トマトを毟る。
さすがは私のトマト。ずっしりと重い。
とても美しい色合い。みずみずしく、よい香りを発している。
自然と、口の中に唾液が湧きあがった。
気がつけば、齧り付いていた。
ひと口齧ると、とたんに口の中いっぱいに心地よい甘みと酸味が広がった。喉の渇きもあっという間に癒される。
すばらしいトマトだ。
正攻法で書いてみたが、どうか。
その光景は異様だった。散乱するトマト。飛び散る赤い液体。
街を歩く人々は狂ったようにトマトを投げあう。
美味しそうなトマトが台無しだ。血まみれといわれても違和感はないだろう。
ふと気付くと足元には赤いトマトが落ちていた。
みずみずしい赤いトマトにはちょっと赤い液体がついているだけだ。
きっと他のトマトが潰れたときについたのだろう。
投げてばかりでは能がないので食べて見ようか。
しかし、鼻腔をくすぐる匂いはトマトのそれではなく生臭い血の匂いだった。
あたりを見回すと顔面にトマトがべっとりついている人がたくさん。
その中に一際綺麗な女性がいた。トマトまみれになりながらも優雅に歩くその女性。
トマトもおいしそうだが、トマトのような体型をしたあの女性もおいしそうだ。
見たことはないが、スペインのトマト祭りってどんなだろう。
文章については反省している。ごめんなさい。
182 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/29(月) 20:01:55
トマトが好きな椰子はいいが。
183 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/01(木) 16:29:16
針を刺したらパァンとはじけそうなトマト
184 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/02(金) 05:28:22
はちきれそうなものがつるりとすべった。指についた水をシャツでふいて転がるトマトをまたつかむ。押し返してくる弾力があって俺は、大ぶりの実にみなぎる水と、音をたててそれを吸う砂のような細胞を思った。
185 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/02(金) 05:47:42
ジュルリ。…うまそうなトマトだぜ
186 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/03(土) 03:51:11
大口を開ける。
シャクッ!
ドロリ。
一番美味い部分が、アスファルトの上に落ちてしまった。
だが、皮もまた美味い。
187 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/09(金) 08:31:58
砂漠でラクダを引く男。
風に乗り砂が口に入り込む。
思い描くは薔薇の花。
砂丘が描く波模様。
ラクダの糞がトマト色。
三つで八百円のトマト
189 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/09(金) 14:37:48
無人販売店の古びたポストに100玉を投げ込む。
ブルドーザーで根こそぎすくい取る。
無人販売店の柱が崩れ落ちる。
とんでもないところにそれはあった。
まて。なんであんなところにあるんだ?
とにかく拾わないと。
おれは走った。
いそいで拾わないと砂に沈んでしまう。
しかし、あの砂まみれのトマトは美味しいのだろうか。
いや。きっと美味しいはずだ。俺はトマトを拾ってかぶりついた。
ねえさんのトマトはやっぱり美味しかった。
トマト? なにそれ、うまいの?
192 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/15(土) 05:31:15
俺のトラウマ話を聞いてください。
俺はある時から一切トマトが食えなくなりました。
まだ小学4年だった時、踏切での飛び込み自殺を目の当たりにしたことが原因です。
近所の人気のない線路添いに、簡単な遊具が3つばかり置いてある空き地があって、
俺はそこでベンチに座りながら棒付キャンディを舐めて、線路に背を向けていました。
すると、バンッ!という大きい音と共に、突然べしゃべしゃべしゃっ!!と
後ろの方から無数のトマトが降ってきたんですよ。
振り向くと、だいぶ先のほうで列車が止まっていました。
俺は何故か「電車の窓からトマトを投げつけたやつがいる!」と思ったのを覚えています。
しかし足元を見ると、どうもトマトじゃない。そう、誰かの肉塊でした。
後になって色々と知識がついてくると、トマトの種っぽく見えたのが
肉塊から吹き出した黄色くて小さい脂肪の粒だったこともわかりました。
俺はまったくトマトが食えなくなりました。
肉塊もそうですが、あの棒付キャンディにかかった、トロリとした血液が忘れられません…
193 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/15(土) 06:11:40
──熱い、熱い日の事だった。
「おっさん!いつものあれ!」
「あぁ・・・なんだ、またお前か。そらよ」
僕はおっさんの手から放たれた水水しい果実のようなトマトを受け取った。
外はミンミンと蝉が鳴いて、汗が額から滴り落ちる。
僕はそれを握ったままじいちゃんの家に向かった。
木造立ての、だたっぴろい家に転がり込む。
「たっだいまー!! 」
勢い良く襖を開ける。だが、返事はなかった。
ただ、じいちゃんは、縁側で
うちわを仰ぎながら青い空を眺めていた。
遠い、どこまでも奥を見るような透けた瞳で。風鈴が風になびいている。
僕は静かにランドセルを置くと、手の中のトマトを見た。
ソイツも汗をかいていて、赤い身体をツヤツヤさせていた。
「・・・よし」
思いっきりかじりつく。プシャア、と甘い汁の飛び散る音がする。
おずおずと口を動かすと、口内で果肉から弾けるような美味い汁が溢れた。
爽やかな匂いが鼻をくすぐり、トマトはエネルギーを迸らせた。
さらに、トマトは渇いた喉に、痺れるような満足感を与えた。
「・・・坊主。若いな・・・おまえ」
「・・・? 」
じいちゃんは、そんな僕を見ると、初めて笑った。
風鈴が、またチリンと鳴った。
──じいちゃんと、僕のひと夏だけの思い出。
194 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/15(土) 06:30:21
888 :阿部敦良 :03/02/25 11:37
それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。
作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。
私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。
小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
195 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/31(木) 19:56:58
ウマ・・ウマ・・・
196 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/31(木) 22:04:59
豪快に水をきる音と、立ち上る湯気
見事に茹で上がった、それでいて形をくずさないトマトに
ぷつり、という風に串をさす
もし品質の良いトマトなら、これでも原型をとどめたまま
その差し入れた穴から、少量のソースが流れ出るはずだ。
トマト特有の青い香りと、生のトマトからは想像できない甘い香りが
調理するものの鼻をくすぐる
三四つトマトの刺さった串を、ステーキを焼くためのソースに浸し
その芳醇でスパイシーな旨味を茹でたトマトの甘みと馴染ませる。
誰もが一度は頬を緩めるであろう、肉厚のあるステーキのような風格が
あの瑞々しいトマトにそなわる、素晴らしい瞬間だ。
まさに、ナイフを入れる直前の、高級ステーキのような香りも、辺りに漂い始める。
やや頬を染めたような、ステーキソースと馴染んだトマト串を
最後はゴミ箱に捨てる。そもそも、トマトを煮て串に刺すなんて
まともな人間の考えることではない。
197 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/31(木) 22:20:34
完熟トマトが飛んできたので、僕はジャンプして口で受け止めた。
前歯が折れ、トマトは喉に叩きつけられる。咽返るのを我慢して、
僕はトマトを飲み込む。口の中に溢れる汁を、零さない様に飲み込む。
また、トマトが飛んでくる。僕はバネみたいに飛び上がって、
トマトに喰らいつく。もはや、トマトの味と血の味の区別はつかない。
ただ、飛ぶ。飛んで、トマトを喰う。そして、地面に変な格好で落ちる。
それを繰り返す。ぼきり。どさり。ぐちゃり。ああ、もう飛べない。
僕は最初に食べたトマトのことを思い出した。そうだ、まだ、僕は。
僕はまだ飛べるのだ。
へたのところがちょっと青い。冷蔵庫入れて30分だが、もういいだろ。
199 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 20:02:41
とまととまととまとーとまとをたべーるとー
とまとのつぶつぶまずいんだよ。死ね。
201 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/06(金) 06:27:44
>>196は、どうもトマトを茹でた経験が無いような気がする。
茹でトマトに串をさせば、汁がこぼれるよりも先に皮がツルリと剥けるんだよ。
それよりか、みんな畑に植わっているトマトを実際に見て、触ったり嗅いだりした経験あるのかなぁ。
トマトの葉や茎のむせ返るような香りに言及した文がほとんど無い。
トマト!!冷やしたぜトマト!!
満を持して冷蔵庫から出す、洗う!!
そしてまた冷蔵庫へ!!
203 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/06(金) 12:04:47
しまうんかい!
205 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/26(火) 00:16:08
冬にトマトはね、寒いからね。
葉の中に下がっているトマトはまだ青かった。
触れてみると程よい硬さと冷たさがある。僕ははさみを入れて慎重に切り落とした。しっとりと手の中に落ちる丸み。鼻をそっと近づけてみる。青臭いにおいがした。土の、草のにおいだ。
朝の光がようやく差してきてあたりを照らした。たわわに実った大小のトマトたちが静かにその中にいる。僕は麦わら帽子のつばを少しだけ下げた。暑い一日になりそうだった。
207 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/26(火) 00:52:22
実家からトマト送られてきた
レタス農家なのに
208 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/26(火) 18:27:06
想像してみてくれ……
口中に口内炎が出来ている時に
熟れきっていないトマトにかぶり付く感触を。
209 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/26(火) 18:41:50
トマトを入れたら出せなくなった。
フロントを呼んで掃除機で吸い出そうとしたが出来なかった。
女は泣いた。
婦人科に行ったら恥ずかしがった。
それでも開いて見てもらった。
愛が生まれた。
210 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/28(木) 16:05:48
208>>
やめてくれ。舌の裏側からなんかしょっぱいえきがでてきた
211 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 00:35:46
何れも此れもありきたりだわ。ここまでなら、まあ3かな。
212 :
りく ◆hUIX3/kNvc :2006/12/29(金) 09:37:42
銀色のボールに氷水と塩をを入れ、トマトを投入。扇風機の前でうちわをあおぎながら何も飲まずに待つ。喉が限界にきた時にトマトに塩をかけかぶりつく。
213 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 16:44:07
扇風機の前でうちわをあおぎながら←基本的文法すらなってない。悲しい。
214 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 18:02:08
手元に水気のあるものはトマトしかない。
喉は渇ききり、呼吸をするたびに痛む。
口の中は、唾液さえも飲みきり枯渇しきっている。
何故目の前にトマトがあるのかはわからない。
いつのまに喉がこんなにも渇いているのかもわからない。
ただ目の前にある赤い果実に、とてつもなく高揚する自分がいた。
手を伸ばしてそれをつかんだ。
張りのある表面に、薄っすらと水滴がついているのがわかる。
ゴクリ
気づかないうちに、ない生唾を飲んでいる自分がいた。
ゆっくりと口元に運ぶ。
徐々にアップに見えてくる、面妖なまでに魅力を放つ赤い実。
ゆっくりとまぶたを閉じる。
口元に運んだトマトに、キスをするようにゆっくりと唇をつける。
表面についた水滴で、乾いた唇が癒されていくのがわかる。
そして、そのまま口をゆっくりとひらき……
かぶりつき、そして甘酸っぱいその味をかみ締めた。
215 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 18:09:36
214>>
がんばったな
216 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 20:29:31
214>>簡潔な表現がいいな。
217 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 20:55:47
トマトうめえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
218 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/29(金) 23:53:04
キリっと口の中にひろがる酸味と甘味。
飲み込むと乾いたのどを潤す天然のジュース。
219 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/30(土) 00:03:40
214>
うまいな
217>>
バーローwww
220 :
sm:2006/12/30(土) 00:08:17
ググったらトマトって学名で”狼桃”て言うらしいな。もちろん学名てのはギリシャ語かなんかで狼桃っていうのはその和訳だろうが。
しかし狼桃ってうまそうだな。狼の字でトマトの野性味が出てて、桃の字でトマトのフレンドリーさが出てる。
よく知らんが、ジューシーさやうまさってのはある意味で病気なのだろう。つまり糖分とかは寒さから身を守るための、人間で言えば脂肪とかにあたるわけで。
で、で、そういうことを加味したりするわけじゃないけど、トマト。たまに、うまいよな。
どっかのファミレスのコールスローかなんかに乗ってるトマトの切れっ端とかでもな。
あるいは実家に帰ったときな。冷蔵庫の中に変に一個だけポツンとしてるしなびたトマトとかな。おう俺が拾う神になってやるわいと水道で洗ってさ、もちろんめんどいので塩とかつけずにかじってみると、酸っぱいだけだが、思いがけずうまかったりするよな。
221 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/30(土) 00:12:34
220>
狼桃か、しらなかったよww
教えてくれてありがとな
222 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/30(土) 08:51:45
いただきました。
最初に食べた トマトはね
おじいちゃんが中庭に、植えてくれたトマトだよ。
一緒に植えたナスは、小さくて硬くてダメダメだったけど
トマトは無事に、大きくなった。
覚えているのは、古い家。
兄貴と一緒に縁側に、どてっと座ってぱくついた。
兄貴は砂糖をいっぱいまぶして
オレはそのまま、かぶりつき。
籠に積まれた、真っ赤なトマト。つるつるの身にがぶりと穴を開けて
そのまま、じゅるりと中を吸ったなら
口いっぱいに広がった、甘くてすっぱい、青い香り。
ぷちぷち当たる、硬い種。
真っ赤なトマト。手も服も、顔までべとべとにさせながら
夢中でかじった、初めての味。
おかげで、今でもトマトは好きで
色々食べてはみたけれど、
やっぱりサイコーだったのは
おじいちゃんが、植えてくれた
お初に食べた、トマトだよ。
ごめんなさい!223です。似たような話が載っててあわてています。
信じてもらえないと思いますが、上記の話は私の子供時代の実話です。
おじいちゃんが植えてくれたトマトが、私ら兄弟の初トマトでした。
懐かしくて書いてみたら、びっくり失敬なことになっていました。うかつでした。
不愉快な方もいるかと思いますので、削除、お願いします。誤解を招くことをして失礼いたしました。
その男のソフトボール大に握り締めた拳に血管を浮き上がった。不器用に中指だけをつき伸ばす。
節の付いたごつい指だ。異様に毛深い。
トマトの薄皮にその指の先が触れた瞬間、女は身を硬くしたが男の指は止まらなかった。
それほどの力は入っていなかったように見えたのとは裏腹に、薄皮を破られたトマトからは思いのほか汁が出た。
硬く突き立てられた中指が第二関節までトマトの中に埋った時女が呻き声をあげた。
男の指はその声に応えるように動きを早める。
いつしか、中指の根元に生えた針金のような毛が湿っていた。
ごめんなさい!225です。似たような話が載っててあわてています。
信じてもらえないと思いますが、上記の話は私の子供時代の実話です。
おじいちゃんが植えてくれたトマトが、私ら兄弟の初トマトでした。
懐かしくて書いてみたら、びっくり失敬なことになっていました。うかつでした。
不愉快な方もいるかと思いますので、削除、お願いします。誤解を招くことをして失礼いたしました
ついでに久しぶりにシャープペンで突付いておく。
228 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/28(水) 14:27:38
はちきれそうなそれを嘗めてみる。味はしない。
只その中で甘美な液体が私を待っているのは感じ取れる。
229 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/28(水) 15:58:06
だから何だと言われても
説明できないことがある。
例えば幼いあの時の
もぎったばかりの赤い味
ただ風が白く流れたあの頃の絵本のようなあの時間
記憶に味があるならば
いつつの頃はトマトの中。
囓るんじゃない
しゃぶれ
ぶさいくチビ
231 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/28(水) 16:33:41
うっさいわねぇ!
べ、別にしゃぶりたい訳じゃないんだからね!
ちょっと先っぽがプチトマトみたいだなって思っただけよ!
ちょっと触るわよ!
↑ スグその気になる愛情乞食wwww
目の前には見渡す限りの砂砂漠が見える。
宙を見上げると、雲ひとつない青空が広がっていた。
浮かんでいる太陽の光が次第に俺の体を蝕んでいく。
俺の行く手を阻む砂山は、それだけで俺の心を挫けさせる。
蜃気楼だろうか?
先ほどから、揺らめくように瑞々しいトマトが現れては消えていく。
俺はそのトマトを追いかけ続けていた。
いつまでも、いつまでも。
うわ読み直したら駄作すぎた。俺がしつこすぎ。
直してみたけど微妙だな。
目の前には見渡す限りの砂砂漠。
宙を見上げると、雲ひとつない青空が広がっていた。
浮かんでいる太陽の光が次第に体を蝕んでいく。
行く手を阻む砂山は、それだけで心を挫けさせるには十分だった。
蜃気楼だろうか?
先ほどから、揺らめくように瑞々しいトマトが現れては消えていく。
俺はそのトマトを追いかけ続けていた。
いつまでも、いつまでも。
235 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 01:14:16
7 :困った時の名無しさん :02/02/26 02:46
中身繰りぬいて
エビのすり身に卵の白身混ぜて白コショウしたやつを詰めて
オーブン皿に並べて熱いブイヨンをかけて
オーブンに入れる。
(゚д゚)ウマー
8 :困った時の名無しさん :02/02/26 02:47
トマトとバジルを刻んで
オリーブオイルと塩コショウで和える。
バケットと食べたらたまらない。
(゚д゚)ウマー
へー、と思ってマウスホイールを回して読み進める。
ついでに安売りしてたプチトマトを摘んでプチッ。
手が汚れないのはいいんだが、一パック百円なだけあって皮に張りがない。
噛んだ途端にぐしゃりと潰れて、歯の裏側にくっ付いてしまった。
舌で探る。
ブラウザに、ちょっと上を向いて口をむぐつかせる間抜けが写っていた。
ついでに体も冷えてきた。
畜生これだからトマトってやつは嫌いなんだ。
今、手元にあるのは真っ赤なトマト。熟したトマト。
ただのトマトではない。
それは、誰がなんと言おうと僕のトマトだ。
夏休みの初めに種をうえたのも僕だ。
水やりのために早起きしたのも僕だ。
真夏のきつい日射しに耐えたのも僕だ。
トマトを最初に食べるのは、それはもちろん僕だ。
その日は、今夏最高の暑さを記録した。
その皮は薄く、張り裂けそうな風船のように丸々と膨らんでいる。
周囲の景色を隔てるような色の存在感が、胸の鼓動を高鳴らせる。
眩むほど鮮やかな緑の葉元から縛り上げられたように浮き出ている赤い山は軒を連ねて
つややかな光は雪のような白さをそれらの頂きに飾っていた。
下へと目線をやれば雫を零してしまいそうなほどツンと飛び出た、がく。
鼻腔をくすぐる香りは、蜜林檎のような甘さと
かすかに残るあどけない青さをともしている。
耐えられない。
手の中で弾けてしまいそうなほどピンとはった皮をスルリと指でなぞり、持ち上げれば
その存在を、質量で主張するかのように、ずしりと重い。
キスをするように口元を近づければ、それはプチンと音を立てて、
甘く、少し酸っぱい雫を零し始めた。
翌日、
シャープペンシルは目詰まりを起こした。
239 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 14:22:55
井戸の水で冷やしていた畑のトマトを一つ取り出して
かぶりついた。甘くて酸っぱい。へたを残して全部た
べた。空を見上げると太陽が白くてまぶしかった。
240 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 15:46:44
長澤まさみがくれたトマト
こっそりと、トマトが教えてくれた話では、隣家の江端さんは、
トマト好きらしい。毎朝、こっそり、トマトを積んでいくらしい。
で、明日が今僕に話しかけているトマトの番だそうだ。
「おにいちゃん、タチュケテ」
顔を真っ赤にして、うつむくトマト。
「・・・」
僕はトマトにがぶりつく。
242 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 17:03:43
「はい、お兄ちゃん」
採りたてのトマトを胸の谷間でふいて差し出す。
「トマトより、おまえが欲しい」
そのまま、押し倒した。彼女の右手からトマトが
転がり落ちた。そのトマトを拾って一口齧った。
243 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 17:06:52
トマトに突き立てられた中指の根元で、無骨なデザインの銀の指輪が小刻みに震えるたび、女の表情は変わっていった。
果肉の奥からその赤い襞(ひだ)を
244 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 17:10:56
押し分けるように甘い汁が流れ出てきた。
男はその赤いかたまりに埋まった中指の先を、トマトの輪郭を探るようにゆっくり動かした。
245 :
訂正:2007/03/01(木) 17:12:12
押し分けるように甘い汁が流れ出てきた。
男はその赤いかたまりに埋まった中指の先を、トマトの芯の輪郭を探るようにゆっくり動かした。
海原雄山が言った。
「このトマト、うめぇ!」
贅沢な環境で育った水太りのトマト。
枝葉は大いに伸び、その身に糖を蓄えなくとも肥料も水も存分に与えられる。
いかにも野菜で「トマト嫌い」と言われる普通のトマトがこれにあたる。
原産地に似せ痩せた砂利地で育てたトマト。
枝は細くしかし葉は厚く濃く、少なく小さく硬い実に糖を濃縮し蓄える。
今では「フルーツトマト」とも言われるまさに果実。
>>246 海原雄山は後者のトマトを差し
「(作っている)人間ではなく、トマトが偉いのだ」
という風な台詞を言いました。
248 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 19:39:56
「そりゃあまあ、風俗嬢のトマトより近所のコンビニでレジ打ってるおネエチャンのトマトの方が味はいいさ。
でもな、」
男はため息をついてから吐き
249 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 19:41:12
出すように続けた。
「やっぱり顔もだいじなんだよ」
250 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 20:00:59
真っ赤な
トゥーマァートォーゥ!
そりゃみごとな
トゥマァトォ〜ン!ほっぺがひっぺがれる程あまい
チョーマァハッタァアアアアアッ!!!!!!!
251 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 20:56:33
トメェェェェェトゥゥゥーーーー!!!
最高ザンス
旨ザンス
252 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 21:06:34
トマト「心外だな。ボクはそこまで迎合しているわけじゃないんだが」
ぐだぐだと理屈を並べるトマトを、俺は自身の口でふさいだ。
トマト「……ん。なんだなんだ、そん……んっ」
253 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 21:20:20
熟れたトマトのような乳首が豊満なバストの頂上で俺を待っていた。
顔を近づけ根元から嘗め上げようとすると、そのトマトに少し張りが出てきた。
乳
254 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/01(木) 21:22:19
輪はスイカのようだ。
俺は女の目を見つめながら彼女に尋ねた。
「塩かけていい?」
255 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/02(金) 01:10:48
「……いいわけないだろ」
ガラス製の瞳で拒んでくる。
それでも蛍光灯に反射する潤みに負けて、俺は乳房を頂上から口に含んだ。
しょっぱいのは塩のせいか、それとも彼女自身の汗のものか。
唇にそって柔く形を変えてゆく。
嫌がって頭を叩いてくる。その腕に力がまったく入っていない。
ひょっとして……?
ひょっとしてひょっとすると、赤ん坊の俺では何も感じないとでもいうのかよ。
お母ちゃん。
母乳はどことなく葉っぱの味がした。
俺はトマトの蔕に噛付いている青虫の気分を味わった。
257 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/10(土) 01:28:27
なんでリレーになってんだよ。
しかしよ、お前真っ赤だな。ええ?
オイ、照れんなって、かわいいなお前。しゃぶりつきたくなるほど旨そうじゃねぇか、ええオイ。
食わせろよ。
258 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/12(月) 17:53:12
熟れきってザックリ開いた傷口を右手の人差し指と親指で押し広げる。肉ひだの弾力が指先に心地よい。
左手の親指は尻にあてがえ、人差し指と中指は蔕に添える。舌先を割れ目に沿ってゆっくり這わせてから、その先端を尖らせおもむろに穴に差し込む。
汁が舌に導かれるように喉を潤す。
思いのほか汁は多く流れ出てきた。
259 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/12(月) 20:14:49
桃とは違うこの感触。水を弾き風を拒絶する張り詰めた薄皮。まるで12歳の少年だけが持つ肌のようだ。
そう、私は放課後教室に呼び出して弄んだ教え子
260 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/12(月) 20:15:51
の尻たぶを思い出していた。
大口を開け目の前のトマトにかぶりつく。
脳裏にあの少年の困惑した表情が蘇る。
261 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/13(火) 02:21:33
赤いです。
丸いフォルムがかわいいのです。茹でるとしわしわになってしまうので、しません。
冷たいお水で体を流してあげます。お水を弾くくらい張ったお肌がキラキラして綺麗です。
お塩を表面にふりかけて噛らせてもらいます。
おいしいと喜ぶと、トマトさんはありがとうとわたしの腕に涙を流すのでした。
262 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 16:37:47
トマトはうまい
263 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:16:06
むきたてのトマトのお尻にかぶりついた。
264 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:19:33
「お兄ちゃん、ええよ」
「ほんまにええんか」
「うん」
潤んだ瞳でトマトは喘いだ。僕は、トマトの茂みに一気に押し入った。
トマトの喘ぎ声が短く続き、思いっきりトマトの腰を引き寄せると一気
に中に入った。トマトの瞳から涙が流れた。
265 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 21:06:55
かぷっ…じゅるるる
太陽のにおいがする。土のにおい。
自然、大地の恵み地球からの贈り物。
みずみずしく、赤く熟してる。食べ頃。
じゅるる。
甘酸っぱい。
僕の大好物のトマト。太陽のにおいがする。
266 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/24(土) 00:01:17
水深15メートル。ボンベの中の酸素は残り少ない。
周りを水に囲まれながら、咽がカラカラに渇く感覚に苛立ちを感じる。
上を見上げると波間から太陽の光が、レースのカーテンのように見える。
ウエットスーツ越しの水温は、海面に近付いた事を告げていたが、それでも咽の渇きは癒される訳ではない。
私はこんなこともあろうかとウエットスーツのポケットに忍ばせておいたトマトを身を捩じらせながら慎重に取り出した。
レギュレーターを外しそれを口に運ぶ。
美味い。
267 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/24(土) 01:28:50
酸っぱいから、ちょっと食べていてツライ
268 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/24(土) 15:28:26
トマトを食べるには、あんまり本当に腹ペコなときはダメね。
かといっておなかいっぱいでももちろんダメ。
季節はなんと言っても夏でしょ。そこは確定。
クーラーなんて切っちゃって、冷蔵庫じゃなく水で冷やして、ナイフでなんて切らないで。
がぶっと。
あまい、あまい、トマト。
269 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 21:44:22
私は口を固く結び、その押し付けられた赤い塊を拒んだ。
華奢ではあるが力のこもった女の指が、私の唇を無理やり押し広げようとした。
ああ女王様。
270 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 23:42:31
タライの井戸水に浮いた、いびつなトマト。
好き勝手なところが成長した不細工な朱と緑。
仕方がない。私が食べてやろう。
タライに手を突っ込むや否や肘につたう水にも構わずかぶりつく。
不細工トマトはのびのび育ったぶん味がいい。
口の端に種がたれる。指ですくっては口に運んでいるうちにあっと言う間に1個食べおわっている。
そして気付くと舌の付け根が痛いのだ。
不思議だ。うまいトマト程、平穏に食べられたためしはない。
271 :
手直し:2007/04/06(金) 10:55:19
タライの井戸水に浮いた、いびつなトマト。
好き勝手なところが成長した不細工な朱と緑。
仕方がない。私が食べてやろう。
タライに手を突っ込むや否や肘をつたう水にも構わずかぶりつく。
不細工トマトはのびのび育ったぶん味がいい。
口の端に種がたれる。指ですくっては啜ってるうちにあっと言う間に2〜3個間食。
そして気付くと舌の付け根が痛いのだ。
不思議だ。うまいトマト程、平穏に食べられたためしはない。
しつこかったかw
272 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/09(月) 12:48:22
どうしてあの日の朝、サラダにトマトじゃなくてアボカドをいれたんですか
あいつは今も冷蔵庫のホームであなたの帰りを待ち続けています
あいつの娘は今が食べごろ
赤くてはちきれそうな皮膚の下の、緑とオレンジの果肉の甘さを想像してください
歯を立てると噴出す果汁の、冬の陽のような爽やかな酸味を思い出してください
だけど不憫な娘 あいつも冷蔵庫の中でいずれ腐るのでしょう
どうしてあの日の朝、サラダにトマトじゃなくてアボカドをいれたんですか
あの日あなたをはねたスポーツカーの赤い色を あなたの血の赤を見て
あなたは
あいつのことを少しは思い出してくれたんでしょうか
273 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/09(月) 13:16:14
「プチトマト」のションベン臭い小学生オメコ丸出しモデルは処女太り
してたが最近の小学生ふんどし一丁モデルは処女では無いな
275 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/17(火) 00:28:45
狂った猫のような爆撃機が突如として現れ、ドレスデンの街並みを綺麗さっぱり耕していき−−後に
これは空襲という大層な名前が付けられた−−血と硝煙と人肉を肥料とした贅沢な畑が出来上がった
その瞬間、私の叔父がそこでタライの井戸水に浮いたいびつなトマトを見つけたときの話をしよう。
勝手なところが成長した不細工な朱と緑、そして黒々とした焦げ目。
「仕方がない。私が食べてやろう。」
叔父がそう言ったかどうかは私の想像によるものだが、きっと言ったと個人的に確信している。
ちなみに「仕方がない」は叔父の口癖だった。彼の墓石には今はもう読むことができる者も少な
くなったドレスデンの文字でしっかりと「仕方がない」と刻まれている。
叔父はタライに手を突っ込むや否や肘をつたう水にも構わずかぶりついたそうだ。
不細工トマトはのびのび育ったぶん味がいい。
口の端に種がたれる。指ですくっては啜ってるうちにあっと言う間に消えていった。
そして気付くと頭の芯が痛いのだ。
爆撃にやられて頭がおかしくなっていたらしい。まわりを見回すと誰かの腕の切れ端
とか湯気を立ててる内臓とか、入れ歯にくっついた歯茎とか(歯茎にくっついた入れ
歯は何度か見たことがあるが、叔父は「断じて逆だった」と何度も言った。「逆だ」と。
あるいは「仕方がないが逆だった」と。
仕方がない。タライの中の井戸水だと思っていたものが大量の血液だったとしても。
不思議だ。うまいトマト程、平穏に食べられたためしはない。
薄皮が、ぴんとはりつめた球面に少女はそろりと歯をたてた。
ぷつり、と真っ白な犬歯にうがたれた膜が、その一点からみるみるひしゃげ、表面の水滴を弾く。
赤い悲鳴に眉さえ動かさず、ゆったりとそしゃくする少女の口の動きに合わせて果実はしおしおと舌先に巻き込まれる。
その身をすべて取り込んだ口の端に一筋流れた果汁を親指の腹で横に引くと、少女の唇が鮮やかな紅に変わった。
277 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/23(月) 21:34:21
ポケットから無造作にトマトを取り出し、かぶりつく。汁がたれるのも厭わない。口の周りに透明な湿り気が広がる。
公園の芝生に寝転び微睡む。気づくと
278 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/23(月) 21:35:56
顔面に蟻が1匹。
美味いか?
279 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/25(水) 18:00:06
271が林真理子風かはさておき、その後の住人への影響力はあるな・・・
280 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/25(水) 20:22:13
主のいない部屋はがらんとしていた。
冷蔵庫のうなり声だけが低く響いていた。
冷蔵庫を開けると、弱々しくも確かな光が薄暗い室内を照らし出した。
僕はミネラルウォーターの瓶に直接口をつけた。
開けっ放しの扉から流れ出る冷気。
冷蔵庫の中には、賞味期限の切れた牛乳、逆立ちしたマヨネーズ、それと卵が四つ。
半分に割ったレタス。細いきゅうりが二本。タッパーに小分けにされたキンピラ。
三個パックの卵豆腐。缶詰のコーン。熟れたまん丸のトマト。
『トマトの入ってないサラダなんてサイテーよ』
ふいに、彼女のせりふが甦った。
指先で触れた赤い果実は、すべすべと滑らかだった。
手に取ると、予想よりもずしりと重い。重かった。
トマトにかぶりついた僕は、口の中に広がった果汁の冷たさに泣いた。
こんな感じすか?
281 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/25(水) 20:24:33
ラノベでありそう。まだるっこいぜ
あはは。俺ラノベ書きだもん。
283 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/29(日) 18:28:19
今日も、僕の前に朝食が現れる。
トースト、バナナ、そしてトマト。
この組み合わせは、三ヶ月間変わらない。
紅茶を飲みながら、ひょいひょいと口の中に運ぶ。
四つ切のトマトをフォークで刺すと、いつもより固く感じた。
「あっ、それ田舎のおばあちゃんが送ってきたやつだから」
母の声に耳を傾けながら、トマトを食べた。
むしゃむしゃ、ごっくん。
いつものより味があった。
女の子が小さな両の手のひらで大事そうに持っていたトマトを差し出してきた。
受け取ると、その小さな容姿に似合わず、ずっしりと重い。
真っ赤で、いびつな円形のその野菜・・・
洗ったばかりだというのに、一滴の水も表面に付着してない。
もぎたての新鮮さゆえ、表面に付着した水滴を、
ほんの少しでも吸収することなく全てはじいたのだろう。
そしてそのピッチリと張り詰めた新鮮な皮の向こう側には、
みずみずしい果肉がたっぷりと詰まっていることが重さから感じられる。
「食べてみてよ、すごく美味しいんだよ」
こんな笑顔を向けられたら今更自分がトマトを苦手に思っていることなんて言えない。
僕は観念して、女の子に笑顔を向け(それはもしかしたら僕が思っているような
優しく大人びた笑顔とはまるで遠くかけ離れていたかもしれない)、トマトを一口かじった。
口の中いっぱいにさわやかな風味が飛び込んでくる。
考えているよりもずっと薄い表皮から感じるほんのわずかな酸味、
口の中のモヤモヤを洗い流すかのようなさっぱりとした清涼感、
続いて僕がトマトを苦手とする一番の原因・・・どろりとした種の群れの、
圧倒的な甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。
僕はそれを舌の上で堪能するほどの余裕はなく、
ゴクっと喉を鳴らして一息に口の中の果肉を飲み干した。
口から喉、そして味覚を感じるはずのない胃までがすがすがしい甘さで満たされる。
女の子はにっこりと笑顔を浮かべ、塩の小瓶を取ってくる。
「これかけると、もっとおいしくなるんだよ」
僕は「ありがとう」と礼を言って、塩の小瓶を受け取った。
きゅうり!
286 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/24(木) 23:30:29
ふん。青くさいだけじゃない。
酸っぱいんだよトマトは!
ほんでもってちょっと甘いんだよトマトは!
ほんでよー・・・丸かじりは危険なんだよトマトは・・・(´;ω;`)
287 :
まい蹴る ◆l4tG6zv.1Y :2007/05/25(金) 00:01:17
それは、少し歪な形であった。
三角とも丸とも言えないその形は、だがしかし多大に私の興味を揺さ振ったのである。
むらのない大きな赤色の上、まるで世界は自分のものだと言わんばかりに、緑の王冠が乗っている。
さて、どうしたものかと考えた挙げ句、私は一思いにそのトマトをかじった。
――と、同時に世界が変革を起こした!
広がる!広がる!味覚が!!世界が!!!
回る!廻る!まわる!私が!!トマトが!!
ああなんという事だろう!
たかが一つのトマトで、こうも全てが変わってしまうとは!!
人格も、世界観も、積み上げてきた経験も、過去も、未来も、全てがトマトによって変えられてしまった!
私はもう、…トマトしか愛せない。
288 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/25(金) 00:30:58
「トマトってさ、美味しいよね」
「そう?」
「だって赤いじゃん。トマト」
「赤いから美味しい、って訳じゃないでしょ」
「でもさ、赤は正義の色じゃん」
「ヒーロー物ではね」
「そうなんだよ。ヒーローなんだよ、トマトは。野菜のヒーロー」
「野菜のヒーローって何?」
「人間に栄養をくれるんだよ。真っ赤な栄養を」
「まぁ、栄養はあるよね」
「ね?スゴいじゃん」
「でも、美味しいかどうかは別でしょ」
「美味しいよ。赤いから」
「赤くないトマトもあるよ」
「ウソ?」
「ウソ。ホントは知らない」
「嘘つくなよ」
「うん」
「食べる?」
「何を?」
「トマト」
「うん」
「トマトは美味しいよね?」
「どうかな?食べてから決めるよ」
↑ちょっと違うか(;^_^)
張り詰めた果皮。
突き立てる前歯に弾力を返し、たゆんでいく。
プツッ、と果皮が決壊すると口内に果汁が流れ込んだ。
青臭さくまろやかな酸味の果汁。
嚥下すると──なぜだろう──野菜とは思えないほどの甘みが残る。
これがトマトか。これこそがトマトか。
噛み付き、咀嚼し、嚥下する。
美しくも汚らわしい売女を抱くときように激しく乱暴に、むしゃぶりつく。
したたる果汁が手を伝い、腕を伝い、肘へと達し、ほの赤い大玉の水滴となって地へ落ちる。
しかし、そのわずらわしさは、目先の果肉に齧りつくことに比べたらさしたる問題ではない。
かつてこんなにも美味い野菜があっただろうか。
瑞々しくも爽やかな歯ごたえ。
甘く青く僅かに酸っぱい、この味。
愛らしい姿によらない、この美味さ。
嗚呼、僕は思う。
エデンの園で神が生きとし生けるもの全てに食べることを禁じた果実。
それはおそらく──いや、確実に──トマトなのであると。
290 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/25(金) 03:12:17
トマト
ああ
さちゅり
291 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/25(金) 10:25:39
>>289 >ほの赤い大玉の水滴となって地へ落ちる
ここんとこいいね 目に浮かぶ
>したたる果汁が手を伝い、腕を伝い、肘へと達し
しかしここは
>>271のパクリっぽいかな
赤い顔をして、変な帽子を被った君
そんなに脹れて、どうしたの?
僕は決して、君のその緑の帽子をけなしたりはしないよ
きっと君のその真っ赤な顔には、その帽子が一番似合うんだ。
脹れた赤と、すこしいびつな緑。
きっと君は、何よりも美しい
294 :
289:2007/05/26(土) 00:40:10
>ここんとこいいね 目に浮かぶ
物書きとして最大の誉れですな。ありがとうございます。
弁解しとくと、書いたときは近10レスしか読んでなかったので
>>271さんの盗用はしてませんよー
でも感受性の似ている人が居るのは少し嬉しい
295 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/27(水) 23:01:39
昔むかしのお話。
川上から流れてきた大きなトマトを拾い上げたお婆さん。
トマトの薄皮越しに、中の生き物と目が合い卒倒。
どんぶらこ。どんぶ
296 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/28(木) 20:57:06
トマトをおいしそうに書くスレなんだけどなぁ
トマトをテーマとした小話スレじゃないんだぜ
297 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 02:19:32
目隠しのカーテンが引かれる。
ごくりと唾を飲み込んだ。
水分の塊が皿にのって目の前にある。
この赤い実に歯をたてたい。とびついて、あふれる汁でからからの喉を潤すのだ。
傍らの看守は男のいましめを解きにかかる。ゆっくりと。
もうすぐ口を満たす、固く青臭い果実の歯ごたえを、トマトの酸い味を思い浮かべ、飢えた男はまた喉を鳴らした。
20レスくらい読み返してから書いたんですが、改めて見ると俺、かなり形容詞パクってますね…ごめんなさい。
無意識にやっちまいましたorz
299 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 06:44:02
てか美味しいってだけのことを、くど過ぎて逆にダメだろ
トマト
ガブリと、思いっきり噛み砕いた
はちきれて、口の中で滅茶苦茶に崩れ散った
トマト嫌いな男は包茎が多いって聞いたけど何が関係あるんだろ?
302 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 13:39:07
皮じゃね?
303 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 13:40:38
トマトのなんとかって成分が皮膚の生成に影響してるって聞いたことある。
304 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 14:03:53
トマトってかわいい名前だね
上から読んでも トマト
下から読んでも トマト
(つるるるつるるるつーるる つーるーるつるるるる)
トマトってなかなかおしゃれだね
小さいときには 青い服
大きくなったら 赤い服
(つー)
305 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 14:57:22
トマト大好きな僕は火星人
306 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/29(金) 19:41:21
うちのは有機栽培だよ
ちなみに私は17歳の女子高生
確かに美味しそうに書けって言われて
ウダウダと長文書き列ねてもただの自己陶酔だよな
それに美味しそうに書くって題から
なぜか食べる行為にしか焦点が合わないのはおかしいよな
偏屈だなぁ。
小説で食べ物の描写が肉感あるときって、
たいてい食べ物の説明はそんなに書いてないんだよ。
なのに美味しそう。なんでだろう。
310 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 00:10:06
311 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 03:10:37
「トマトをかじった」みたいな一文を、さもうまそうに感じさせるような
空気の構築も大事だと思うぞ。
あと美味しさは食べて感じるもんだろw
1945年8月6日広島で、
汗だくの女の子が、
トマトをシャムシャム
食べていた…。
313 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 04:11:26
私はジョージに釣られて、
そのチーズを口に含んだ。
314 :
家出猫:2007/07/01(日) 04:58:21
トマトといえばポリデントのメタファ
315 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 09:07:12
316 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 09:08:16
>>311 自己陶酔のための我流うんちク押し付けイクナイ
317 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 09:09:17
318 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 09:10:25
319 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 09:11:53
320 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 23:01:07
321 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/01(日) 23:41:05
322 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/02(月) 00:47:09
323 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/02(月) 00:52:12
次っ
もぎたてのトマト
真っ赤なルージュを塗ったトマト
セクシーな曲線のトマト
ダッフルコートの似合うトマト
街灯の下でキスをしたトマト
ヘタをかきあげると、くすぐったそうに笑うトマト
そのまま一夜の過ちを犯したトマト
腕の中で幸せそうに寝ていたトマト
朝露に濡れていたトマト
別れ話をした夜のトマト
愛していると言って泣いたトマト
食べのこさないでと言ったトマト
ヘタまで食べたトマト
頭の中で思い描いたのは、ウェディングドレスのトマト
幸せそうなトマト
涙が出るくらいおいしいトマト
325 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/02(月) 19:26:13
>>322 お前が屍ね てか、銀バエはそろそろ寿命の尽きる時間かw
326 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/02(月) 21:36:36
327 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/02(月) 23:55:41
トマトのように赤く剥け上がったクリトリス
スレ違い?
328 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/03(火) 00:46:19
329 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/03(火) 01:27:51
もぎたてのトマトを手渡された。Tシャツでぬぐってかぶりつく。
汁がこぼれた。口いっぱいに含んだ水気を飲み下すと、喉から冷た
いものがおりて、ゆっくり腹に染みこんだ。
330 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/03(火) 01:29:56
美味い。
あまりの美味さに、飲み込むのを忘れてしまう。
一秒でも、一噛みでも長くこの味を味わっていたい。
生まれて初めて、そう思った。
口内に広がるのは、やわらかな酸味と、みずみずしい甘み。
果肉を噛み潰す度にその「美味さ」は増していく。
美味い。
美味い。
美味いっ。
そして、やっと飲み込む。
冷たかった果汁はすでにぬるくなってしまっていたが、それでも喉ごしは爽やかだ。
もう一口、とまたかぶりつこうとした時、一筋の涙が頬を伝った。
涙は果皮の上に落ち、赤い曲面の上をすべり落ちる。
───なぜ、僕は泣いているんだろう。
訳もわからないうちに、もう一粒、涙がこぼれ落ちた。
───ああ、そうか。
三つ目の涙がこぼれる前に、トマトにかぶりついた。
美味い。
───人は、美味しさでも泣けるんだな・・・。
ぽろぽろと涙を流しつつ、僕は食べることを続けた。
#でも実際、そんな美味いもんじゃねーよな
↑(・∀・)イイ
北極横断から帰ってきたのは十月も半ばである。
もう二度と犬ぞりでサンタの真似事なんかしないと心に誓い、目的もなく東京の雑踏の中を歩いていた。
しかし私には目的地を失うことは、厳寒の大地よりも苦難の旅であることには気付けなかった。
そんな久々の文明社会にて私がやることはただ一つ、食事である。
この三ヶ月というもの、口にするのはアザラシ肉の燻製ばかりだったから当然と言えば当然である。
私はおもむろに閑古鳥も鳴きそうな定食屋の引き戸を開けた。
そしてカウンターに座ると一言、
「トンカツ」
私は唯一の好物の名を告げ、凍傷で水泡だらけの手を眺めていた。
不思議な感覚だ。つい先日までは、空気さえも悪魔の如く私を死へ導いていた。
それが今や、気の狂った通り魔でも現れない限り、何の心配もいらないのだ。
そしてそんな事が、今現在この定食屋に起きる確率は皆無である。
私はそんなよく分からない感覚に囚われつつ、テーブルに並んだトンカツ定食に箸を進めた。
その時、不意に、本能的とも言えるかのようにキャベツを摘んだ。
シャキシャキしていた。それはとても水々しく、かつてない程シャキシャキしていた。
私はトンカツにも、ご飯にも、吸い物にも目をくれず、キャベツの千切りだけを食べおかわりを要求した。
店を手伝っている若い娘がとても不思議そうに、それでいて面白そうに快諾し、キャベツの千切りのみの皿を出してきた。
そこには八等分のトマトがひと切れ添えられていた。
333 :
某作家でつが……:2007/07/03(火) 03:39:12
深夜のスーパーで手に入れた二個入りの安トマトは意外にも皮が張っていた。
半分助けたつもりだった。それなのに彼は水分を逃すまいとまだ戦っているようだった。
爪を刺せば色濃くなり真紅の弧になった。そこを手掛かりにし皮を剥ぐ。毛羽立った繊維が盛り上がる。すぐ汁を宿した繊維の先は重みを増して、じわじわと滲み出す中に溶けていった。
反り立つ皮は尖った部分で引きちぎれた。水分のないペンキ跡を残したのは時間かけずに剥かなかったせいだ。
果肉に指を第一関節まで差し込むと
メンドクサくなってきたw
乙。
俺はトマトってそこまで好きではないんだがいつも思うんだがうまそうでは、あるよな。鈍いのか鮮やかなのかわからんが、
赤くて、キューピー人形ちゃんみたいな”つの”がたってて、緑が混じって。で、思わずかぶりついてみるとさ、もちろんまずくはないんだけどさ、そこまで、うまくはないんだよな。
トマトと言えば、先週南米に旅行に出かけた私は、インディオのじいさんから面白い話を聞いた。
そのじいさんによると、トマトは野菜ではなく果物だったそうだ。
かつて南米でトマトは「果物の王」あるいは「果実の宝石」と呼ばれていて、他のどんな果物よりも圧倒的に甘く美味しく、その后にマンゴーを迎えいれるほど美味だったらしい。
しかし、醜く臭いドリアンがトマトの栄光を妬み、彼を野菜にかえて王座と后を奪ってしまったのだ。
にっくきドリアン王のせいで、トマトはかつて果物の王と称されたほどの糖分を失い、みるみるうちに生臭くなってしまった。
いまでも他の野菜より汁気がおおく、酸味があるのは彼がかつて果物だった証なのだ。
老人は頬を伝う涙を拭いもせずに淡々と語って聞かせ、結局俺はじいさんからトマトを買うはめになったという話だ。
ドリアン海王 だけ読んだ
338 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/07(土) 15:40:26
339 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/07(土) 21:45:59
暑い夏の日
夜だった。会社の帰りにスーパーに寄ると それまでのじっとりとした空気がヒンヤリと涼しくなる。
目の前には トマト 茨木産。
つばがでる。
あの噛んだ時のちょっと甘いような 酸っぱいような 青臭い感じ。
ゴクリ…
俺はトマトに手をのばした
341 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/11(水) 15:01:56
342 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/11(水) 20:08:46
まあ死ぬってことはないだろうけど、
やばいよもうずっと汗でないし。
ここいらでオアシスとかあんだろ、
なー、神様。
もう唾もでねえし、目もかすんできたよ。
まあ、そんくらいで死ぬってことは
ないんだろうけどさ。
あん時のトマト食っときゃよかったよな、
好きとか嫌いとか言ってないでさ。
くそ。
青臭いとか、すっぱくて味がねえとかいう
問題じゃねーんだよな、トマト。
今なら二十個くらい食えるな、トマト。
まあ、死ぬってことはないんだろうけどさ。
344 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/14(土) 00:57:08
驚くほど腹が減っていた。
胃は食物を求めキリキリと痛みを発し、右手を常に添えていなければ痛みが腹を内側から食い破るのではないかと思うほどだった。
口内は己の唾液で絡みつきまともに声を発するのさえ苦労した。
口に何かを入れた覚えがもうずっとない。
それはトマトという植物だった。
目の前に置かれたそれを持ち上げてまじまじと見てみる。
ずしりと重みがあり内側から破裂しそうなほど果肉が詰まり皮を圧迫している。
盛り上がった波の中心には濃い緑のへたが可愛らしくちょこんと乗っている。
指先に力を込めると驚くほど柔らかい。
幼児の肌のように弾力があるが跳ね返ることはなく力を込めた箇所はそのまま小さなクレーターを作った。
私はこれを食べてみたいと思った。この柔らかな実に歯を立てればどうなるのだろうか。
ゆっくりと力を込めて噛み砕いてみたい。奥歯で磨り潰し、残らず腹に収めたい。
くたびれていた私の魂を奮い起こしたのはなによりもその色にあった。
真っ赤なのだ。
血を流し込んだような綺麗な赤が光を吸っては私に向かい反射している。
これほどまでに綺麗な赤は見たことが無い。いつぞや見た宝石なぞ比べ物にならなかった。
まさに肉だ。
震える手を懸命に動かし、トマトを口元に運んだ。
柔らかな感触が犬歯の先で弾け果肉が生肉のようにプリッと溢れだした。
強烈な甘味とともに水分が口内に流れ込む。
一瞬で絡みついた唾液はほぐれ突如現れた甘い水に癒されていく。
涙が出そうな旨さに感動しながら果肉にかぶりつく。
ざらつきながらもみずみずしい感触。一回噛む。甘い。二回噛む。溶けたようになくなる。
口内の水分を全て胃に流し込むつもりで大げさに飲み込んでみせる。
胃は久々の客に喜び、それまでとは違う痛みを発した。
私に痛みを気にする余裕なぞ無かった。
体が、魂がそれを求めていた。かぶりつく、かぶりつくかぶりつく。
芯にある種がほどほどの苦味をもっておりそれが余計私の食欲を駆り立てた。
もう止まらなかった。
口の周りは血を吸う狼のようにトマトの果肉に染まり、両手は乾いた汁でねちゃついていた。
服はトマトを吸い赤に染まっていく。
345 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/14(土) 00:58:48
何十個食べただろうか破裂しそうな腹を撫でている。
久々の満腹感に安堵のため息を漏らす。
それにしても少し食べ過ぎたか。腹が張りすぎて下半身が見えない。
いや、いいのだ、腹は満たされたわけだし。
ふと、急にトマトの汁に染まったシャツが見苦しいと思った。
乱暴に引きちぎるとそこから現れたのは真っ赤に染まった肉だった。
いやに不自然な赤だと思い、少し気味が悪くなった。
不安を紛らわせようと手で頭を掻こうとした。なんだ、これは。
頭に不自然な感触を覚える。この感触。
ざらついた産毛を貼り付けたような、滑らかとはとても言い難い。
まるでこれは……。
私は恐怖に駆られ立ち上がった。
立ち上がったと思ったが視点はそのままぐるりと回り後頭部を思い切り地面に打ち付けてしまった。
何が起こった。両手両足がなくなったかのように動かない。
それどころか体の芯を貫いていた軸がなくなってしまったようだ。
重力に対し全く逆らえない。
視点だけ動かすとただ重たい腹が半月のような美しい弧を描いているのがよく見えた。
狭くなった視界の端から小さな手が伸び私を掴んだ時私は全てを理解した。
「ママー、このトマト食べてもいい?」
346 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/14(土) 01:23:06
歯を器用に使い、皮をむいては吐き捨てた。
それほどに灼熱の陽にさらされたトマトは頑なだ。
厚い鎧を脱いで現われたみずみずしいその朱は、太陽の光をはじき
心身共にカサカサに乾いた私を激しく誘惑する。
ひとくち齧る。
実からはじけて飛んだ種が、まるで無数の小さなペリドットのようで。
さっきまでの空虚な世界をキラキラと彩り始めた。
不思議だ。なぜうまいトマトは私の心まで潤してしまうのか。
酔っ払った勢いで久しぶりに投下〜
以前書き込んでなかなかの評価を頂いたんで、調子に乗ってまた書き込んでしまったw
またなんらかの反応があればうれしい。
ちなみに自分の文を林真理子風、と書いてくれたレスがあった。
林真理子は好きな作家さんなので嬉しかった。謀らずも影響を受けているという事か?
>>271=
>>346?
今回のトマトも(・∀・)イイ
私は林真理子っぽいとは思わないけどw
感じ方は人それぞれですわ
>>345もまあおもしろいと思う
文中のトマトは美味しそう!とは思わないけどw
>>347さん
>>346です。
>>271は私ですよ。
感想書いてくれてありがとうございます。
林真理子は好きですが、目指しているわけではないので、さほど似はしないでしょうねw
349 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/17(火) 23:46:39
>>341さん
ありがとうございます。
>>223です。
あれを書いた後、なんか恥ずかしくてここに来れませんでした。
あんまり文章、ほめられたことがないので嬉しかったです。
精進します!
350 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/18(水) 00:26:31
もののけ姫
もののけ姫はトマトを食った
口のまわりが赤色に染まった
トマトの汁だった
もののけ姫は口をぬぐったが
赤いままだった おわり
実家からトマトが送られてきた。瑞々しくて美味しそうなトマトだ。
丁度彼女が夕食を作りに来てくれたので、食後のデザートにして一緒に食べることにした。
冷やしたトマトを良く洗ってヘタを取り、薄くスライスする。
少しずつ断面をずらしてお皿に盛った後、きび砂糖を多めに振りかける。
それを見ていた彼女はあからさまに顔を顰め、抗議してきた。
「……うげぇ。何それ?」
「デザート。いやこれが美味いんだってホント」
まあ友達の時も同じような反応だったから、予想はしていたが。
フォークでトマトをすくい上げて食べると、ほどよい酸味と甘みが、
さっぱりした爽快感を与えてくれる。
トマトの香りもきび砂糖の風味も、他の物では代えられないほど調和している。
そういうことをいくら口で説明しても、彼女はトマトスライスに手をつけようともしなかった。
「あの、いっぱいあって傷むとまずいからさ、ちょっとだけでも食べてくれない?」
「……」
彼女は無言で立ち上がって、新しいトマトを出して櫛切りにし、ドレッシングをかけて食べ始めた。
畜生。
怨みがましく彼女に視線を送っても、彼女は目を合わせようともしない。
彼女の紅い唇がトマトを頬張る。
唇の端からトマトの汁が一筋零れ、彼女が長い指の背でそれを拭う。
彼女の白い喉が音を立てて、トマトを飲み下す。
そんな彼女の仕草を見つめていると、俺はいつの間にか毒気と骨を抜かれていた。
「……何、じろじろ見てるの?」
「いや、何でもない」
顔を赤くして今度は俺が視線をそらし、彼女はそれを見てくすりと笑った。
トマトは野菜か果物か、一時真剣に悩んだものだ。
夏休みには父親の田舎に帰るのがならわしだった子供の頃、
祖母が庭の井戸水で冷やしておいてくれたトマトが大好きだった。
夏の太陽にキラキラと輝く水滴。
すこし青みがかるトマトはヘタの帽子をちょこんと被り、
「あんたにそっくり」と笑う祖母のしわくちゃな笑顔が懐かしい。
深緑に萌える林、ザリガニの小川、焼ける様に熱いブロック塀。
汗をかき、ひとしきり遊びまわった後で、麦わら帽子と赤い
ワンピースの少女は祖母のくれるトマトをフルーツだと信じていた。
甘くて瑞々しい真っ赤な果物。
いつしかワタシも大人になり、祖母がこの世を去り、小川は埋め立てられ、林は巨大なショッピングセンターの駐車場に変わった頃、
ワタシのトマト観は野菜に分類されてしまった。
ふと思い立ち買ってきたトマトが、今目の前にある。
胸をギュッと締め付ける懐かしさに、一口かじってみる。
やっぱり野菜だった事にワタシは、ちょっぴり残念で、ちょっぴり可笑しくて、
ちょっぴり泣けた。
353 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/18(水) 11:05:12
トマトを食べたい。
赤ちゃんのお尻のようなぷりっとしたトマトを。塩もつけようかしら……。
いや、要らない! 塩なんか要らない!
しかし、塩をつけたあの甘さも棄てがたい!
そうだ! すももを食べよう。
まるで残飯だなwww
356 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/18(水) 14:19:25
>>355 誰からも相手にされないのかな?
でも、あまり気にしないほうがいいよ!
残飯か。
残飯だとしても、一人の人間になかなか良いと評価されただけで充分。
>>357なにこのひとりよがりなレス・・・
ここの雰囲気悪くするなよ
悔しかったら評価もらえるトマト作文の練習をしろ
359 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/19(木) 14:21:03
>>357 リアルでも誰からも相手にされないのかな?
少しは自分のウザさに気づいたほうがいいね!
>リアルでも誰からも相手にされないのかな?
残飯はリアルどころかネットでも相手にされない
だから一人チャット専門
はいはいこの流れ 終冬 了 。
終冬 了
名言
つるっとした皮は土で少しざらついている。
表面を軽く拭いてから、青い匂いを嗅ぎつつ同時に歯を立てた。
皮の厚さに驚きあわてて顎に力を入れた途端、汁がはじけた。
酸っぱさと同時に、旨い。そしてやはり、この青臭さ。
それがミソだ。視覚には赤。味覚には青。そのコントラストこそが
絶妙なうまみを引き出しているように思えてならない。
「ほら、口の周り拭きなさい」
母が、わたしがさっきトマトを拭いて投げ捨てた布巾を突き出して
いた。夕食の支度を手伝うという名目で、しめしめと味見ばかり
するわたし。母の避難の目に負け、しぶしぶたまねぎの皮を剥き
始めた。
夕食は、たっぷりのトマトが入ったミネストローネ、の予定。
確かに私の書いた
>>352なんて残飯程度のものかもしれない。
ただ、残飯と貶されようと
>>354たった一人でも“なかなか良いかも。読みやすい”と評価してくれただけで充分嬉しい。
そう
>>355に伝えたかったのだけれど、独りよがりなレスなのだとしたら素直に謝ります。
終冬 了
名言
366 :
とまとぉぉ!:2007/07/19(木) 18:24:41
今はこのトマトが大好物だ。
小さい頃好きだったプチトマトとは比べ物にならない程の質量、輝き、なんと言っても味。
考えるだけで唾が出てきた私は、赤い宝石に一心不乱でかじりついた。
プチトマトが奥歯でぷちっと潰れるあの感覚は無いが、噛み付いた瞬間に溢れる汁、その甘さは堪らない。
ごく、と飲み干して、もうひと囓り。
二口目は、この甘さをゆっくり堪能しよう。
367 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/19(木) 21:42:15
ぶっちゃけ、あんまりトマトってうまくないんだよね…
林檎にしようぜ
嫌いな人多いよね。
わたしは好きよ。
終冬 了
名言
雑談で、小説の文章じゃないけど。
トマトって、モスバーガーとかに入ってたりすると、美味いと思う。
サラダにドレッシングがかかっててもよい。
ミートソースでもよいと思う。
そのまま食べたりするよりかは、ひと加工するとおいしく感じられます。
dfkasjlasdfjl;ksdfjl;kaasdfjl;kkasdfjl;sdfjl;kadfkasjl;asdfjl;k
372 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/19(木) 23:48:01
真っ赤に熟した、出来れば「地産」の完熟トマト。
トマトは沢山の、それこそ山ほど沢山のトマトをごそっと鍋に入れて、
皮付き、丸ごと、ぐつぐつ煮込んでいくごとに、だんだんプリプリッと
皮がめくれていくからね。
なんだか赤いセロファンみたいな薄い膜でね。
それを丁寧に箸ですくって、お玉でかきまぜ、かきまぜ、見つけちゃ
すくって、手間隙かけて、泡がボコボコ煮上がってくると、ちょっと
した脇役で、ハムかベーコンの細切りにしたのを放り込んでね。
玉ねぎのスライスも放り込んで、コンソメを2個、これを2〜3時間も
ぐつぐつ煮てたら、だんだんホロホロと溶けていくでしょ。
トマトも玉ねぎも溶けちゃって、原型なくてね。赤い大量のスープ。
たぷたぷ、とろとろ。
塩コショウは味見を何度も繰り返してね、ちょうどで止めるのが難しい
けど、ほら、トマトはすっぱいから!
山ほどのトマトが溶けて、水分は充分、赤いスープは表面が金色の膜。
赤い鍋の中で、ハムとか玉ねぎのピンクとか白いのとかがくるくるして
ふわふわ踊るのが楽しいね。
味見で一口すすってみたら、やっぱりすっぱいんだよね。
すっぱい後で、ほんのりと、コンソメの甘辛いのとコショウのピリピリが
舌に残るのが、格別おいしいと思うんだ。
終冬 了 って話の流れを変えようと思ってネタで書いたんだがw
まんまと成功したらしいなw
元ネタ:絶対にレスがもらえる文章のガイドライン ね。
374 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/20(金) 01:29:58
糸 冬 了
375 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/20(金) 01:32:13
糸冬 了
糸 色 望
>>364 私もあなたの文、いいと思ったよ。
思うに
>>358は、
>>357がひとりよがり(?)なレスをしてきた、
と勘違いしたんじゃない?
私も読んだとき357のレスかと一瞬思ったし(´ω`)
謝ることない!と思ったのでレス。
士郎!貴様まだトマトの本質が判ってないようだな!
雄山が唸る
なんだと!此処のトマトは有機、無農薬栽培だ! しかも土作りから始めて、10年たった去年から、やっと本物ができはじめたんだ!
士郎は雄山を睨み、呪うように言葉を吐き出す。
愚かな男だ…いいか士郎トマトとはなんだ!
アンデス山脈を原産とする野菜だ!
士郎の語気があがる!
そうだ!トマトは元々、高山に自生する植物だ!
現地では雨が少ない、だからリャマ達は、トマトを食べて喉の渇きを癒すのだ!
リャマ達はトマトを食べる時クトゥルトゥゥィ…と喉を鳴らすそうだ!
はたしてこのトマトがリャマの喉を鳴らせるかな?
↑未だにこのネタで面白がる加齢臭残飯
380 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/21(土) 03:14:38
ー初夏。
汗だくになって帰ってきた私は、
すぐに食卓の上に載っているトマトに目を奪われた。
氷の器の中で
処女の柔肌の如く瑞々しく、張りのある赤い表皮が、凛と、その存在を示していた。
部屋を通る涼風に響く、風鈴の涼やかな音色が
その艶やかさをより一層引き立てていた。
刹那。
ー冷気を帯びた雫が、艶かしく、赤い表皮の上を滴り落ちた。
ー走った。
もうなにも考えることができない。
おもむろにトマトを掴み、
そのひんやりとした感触を味わう間もなく、
その柔肌に乱暴にかぶりく。
瞬間。
その柔肌が破られ、果汁が口の中に溢れた。
適度な酸味が脳を刺激する。柔らかい甘みが脳を蕩かす。
その端正の取れた体を凌辱、破壊したという罪悪感、嗜虐心も手伝って、
(ry
結構ムズイなwおもしろいから明日続き書こう
381 :
380:2007/07/21(土) 03:19:14
冷静になって見返してみると、ところどころ酷いなw
目もあてられんwww
382 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/21(土) 08:05:05
頑張ろうね(*^ー゚)
おもむろ、の使い方間違ってるよ。
>>363 トマトはスイカみたいに土の上に作るものではないと思う。違和感を覚えたのでそれだけ報告します
>>384 私、趣味で野菜作ってるんだけど、
収穫するとき、表面には土というか、まあ、泥粉末みたいなのが付いていて
ざらついているよ。
泥が風に乗ってトマトちゃんの表面に付くと思われ。
きゅうりやナス達もざらついてるよ。
っていうか、車とか自転車とか、雨ざらしの物に触れたとき
ざらつく感触味わったことないかなー(・ω・:)?
私は違和感覚えなかったのでレスしてみた。
386 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/02(木) 23:09:11
トマトのタネ飛ばし大会には
私はきっと出場できない。
トマトの一番うまい部分を吐き出すなんて
私にはとてもできないから。
387 :
1/2:2007/08/11(土) 01:18:04
今日も猛暑日だったそうだ。
37.5度。体温より高い。
死ぬ。いつか、死ぬ。
体液が沸点を超えている気がする。
なんでこんな日に営業にまわらなければいけないのか。
エアコンで涼んだ上司が偉そうに報告を要求してくるのを見ると、しみじみ思う。
口の中までからからになって、全身じっとりとさせながら、俺は家にたどり着いた。
脚がだるくて、とても重い。
「おかえりなさい」
玄関のドアを開けると、台所の奥から女房の声が聞こえた。
俺は返事もせず洗面所にむかい、汗で重い服を脱ぎ捨ててシャワーに飛び込んだ。
勢いよく飛び出た水滴が、身体に付着した誇りと汗を洗い流す。
「お疲れさまでした。大変だったね」
リビングに行くと、女房が少しだけ心配そうな顔で俺を見た。
テーブルの上にはキンキンに冷えたビール。
ガラスの器にスライストマト。上に貝割れと少しばかりのコーン。
俺は椅子に座り、コップを一気に空ける。
咽喉がきゅうっと鳴った。
388 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/11(土) 01:19:23
「すぐにご飯できるからね。待ってて」
テレビをつけて、再び女房は台所に行く。
高校野球のニュースが流れていた。
こいつらも大変だ。
そう思いながら、トマトに箸をつける。
よく冷えたトマトの汁と、豆板醤の効いたドレッシングが口内に広がった。
「そのトマトね、今日美樹が幼稚園から持って帰ったの。体験教室で隣町の農家で、もいできたんですって」
「へえ」
俺は初めて返事をした。
どうりで、少し青臭いと思った。
よく熟した真っ赤なトマトを眺めながら、寝室で寝ているであろう、娘の陽に焼けた顔を想像する。
「明日きっと感想聞かれるわよ」
笑いながら、女房が出来上がったおかずを運んできた。
俺は少しだけ笑って、もうひとくち、トマトを口に放り込んだ。
-------
今日は死ぬほど暑かったですね。
皆さんも熱中症に気をつけて、お身体お大事に。
389 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/11(土) 16:15:07
トマピーしってる?
390 :
空也 ◆4dbIFOhX2A :2007/08/11(土) 16:36:04 BE:135979373-2BP(20)
391 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/11(土) 17:10:41
暑い…
オレは冷蔵庫からトマトを一個取り出すと、無造作にかじる。
甘い果肉がはじけて、冷たくオレの頬を伝う。
産毛の生えた高原トマトの堅いヘタを指で遊びながら自室へもどると、
ディスプレイに表示されている2ちゃんの画面をリロードさせた。
30秒凝視ののち、オレはトマトの潤いが絡まる指もそのままに「氏ね」とキーボードを打って
エンターキーを乱暴に叩いた。
オレはトマトをかじる。潤いが指の間を伝って、フローリングの床にボタッボタッと滴った…
以上、10分位くらいの作成です…
―― どうやら、うちの畑からトマトを盗んでいく奴がいる。
そう、父さんが言ったのは一昨日の朝のこと。
山の動物たちか、それとも人間か、まだ辺りはついていないが、少なくとも盗まれる時間帯が夜だということだけは確からしい。
夏休みで帰省していた私は、「どうせ暇だろう」と一方的に決め付けられ(実際その通りなのだが)、夜の番をするよう任命されてしまった。
「眠い。」
ひとつあくびをして、時計をみる。もう1時だ。
朝、父さんが起きてくるまで、私は一人畑の番をしなければならない。
バイト代もらっているとはいえ、流石に3日目ともなるときついな、ああ大学に戻ったら何を買おうか、などと考えていると…
ぼこっ、と音がした。
―――っ、きた。
自分でも分かる無意味に力の入った目で音のしたほうをみて、さらに目が見開く。
ちょうど月が雲の向こうに隠れて光源が少ないとはいえ、地面からでているあれは、もしかして、人の手?
更に続けて別の、見ようによっては人の顔とも見える物体が姿をあらわす。
まさか! まさか!
ここは映画でも小説でもない現実だ、何かの間違いだ。近くまでいって確認しよう。
かつてなく激しく鼓動する心臓を押さえつけるかのように左胸を握り締め、私はゆっくりと近づいた。
静寂の闇の中、冷たい風が首筋を撫でる中、ゆっくりと……
そうして、地面から出てきたものが、はっきり人だと認識できるまで近づいたとき、突然、月が雲から姿を現した。
「あ……」
目が合い、驚いて言葉がでてこない。
ただただ、呆然と立ち尽くす私をみて、完全に現れたそれは、こういった。
「私はヴァンパイア。血は吸わないでやるから、見逃せ。」
393 :
392:2007/08/12(日) 02:32:13
ごめん、スレの主旨を完全に勘違いしていた。見逃してくれ。
>>393 面白かったよ。ヴァンパイアには月に照らされて夜露がきらめき
怪しく紅く輝いたトマトがたまらなくおいしそうに見えるってことだろ。
盛り上げたところで切るなよ、オチを書いてくれ。
/⌒ ヽ
/´・ω・`ヽ あまり私にトマトをぶつけない方がいい
,ノ ヽ、_,,,
/´`''" '"´``Y'""``'j ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
./ ;ヽ .
.l ヽ,, ,/ ;;;l
| ,ヽ,, / ;;;|
| ,' ;;;l l ;;'i, ;|
li / / l `'ヽ, 、;|
l jヾノ ,ノ ヽ l ,i|
l`'''" ヽ `l: `''"`i
.l ,. i,' } li '、 ;;' |
l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_
,, .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __ __, -―- 、;; ̄`l
, '" ;; ,__ ;;' r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;| lヽ, /
/l ;;, -‐Y´| l __ /`'| | | l l;| l ヽ l
/|;;;;ヽ/ .| | |.;;l_,-'l | V | |.l .| .| l i i | ;lヽ|
|;;;|;;;i | /|.| ''.|/ l |;;;| | | | ;| | | ;l l| i ;;;; l | l
397 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/13(月) 18:45:51
ワロス
部屋のスピーカーからはニルヴァーナが流れていた。
iTunesに取り込んだ「リチウム」。
ザラついたギターの音、カート・コバーンの不機嫌そうな声。
蒸し暑い部屋の不快指数が増す。
上半身裸のままベッドから立ち上がり、台所へ。
シンクの洗い桶に氷水を張り、そこに放っておいたトマトをひろいあげる。
そしてかじる。冷たいトマトの肌。
口腔に清涼感と青臭さが広がる。一回、二回と咀嚼し、果汁が、果肉が
のどのあたりを過ぎるのを感じる。
クソ暑い部屋での、ほんの少しの希望。
部屋に流れる曲が「レイプ・ミー」に変わった。
かっこつけすまそ。
一度書いてみたかった^^;。
399 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/14(火) 19:42:17
>398
トマトじゃなくて、あんたを食べちゃる!
400 :
393:2007/08/16(木) 05:25:53
>>394 トマト…トマトジュース…吸血鬼、でネタに走ってしまい、しかも自分的に落としたつもりになっていたという醜態。
本当にすみませんとしか言えず、深読みされるともう、どうしていいやら(苦笑
次はちゃんとスレの主旨に沿った内容で書きます><
リビングのテーブルにおかれている3つのトマト。妻が友人から頂いたものらしい。
よく熟れていて、手にとってみると、ずっしりとした重みを感じる。
ふと、これを作った人を想像してみる。
白髪の混じった短髪、日に焼けた肌は黒く、皺の目立つ、人のよさそうな顔をした50過ぎの男性だろうか。
それとも、ぴんと伸びた背筋、美しく長い黒髪をまとめ、麦藁帽子を被った20代の女性か。
いや、両方だろうと、二人が隣合わせに立つ姿を想像して思う。目元が似ているから、きっと彼らは父娘にちがいない。
太陽の下、眩しそうにこちらをみつめる彼らを想像しながら、一口二口と齧る。
じわっと酸味が口の中に広がり、次いでそれ以上の甘みが押し寄せてくる。素直に美味しいと思う。
……笑った?
ああ、笑っている。想像の中にしかいない筈の二人が、確かに笑っている。そうでしょう、美味しいでしょうと話かけてくる。
美味しいですよ、と私も笑顔で返した。果肉を食べて果汁を吸って、いつの間にか一つ丸ごと食べつくしてしまった。
続けて2個目を手に取り齧りつく。ああ、美味しい。2つ目もあっというまに無くなってしまった。
「なんでにやけてるのよ。そんなに美味しいの?」
ふと振り向けば、妻がそばに立っていた。まあ食べてみろよ、と最後の一個を手渡す。
その小ぶりな手には余ったのか、妻は両手で持ち直した。そしてそっと口元に付けて小さく齧る。中身を零さないように少しずつ食べている様だ。
ふと、一瞬妻の目が大きく見開き、口元からトマトが外れた。
左手で口元をおさえる妻の顔は、まなじりが下がり頬が緩み、幸せそうな顔をしている。
美味しい美味しいと、一口食べては何度も顔を縦に振る妻の無邪気な姿を見て、私も幸せな気持ちになった。
「ねえ、冷蔵庫にまだ沢山あるのよ。食べるでしょ? 持ってくるわね」
小走りに台所の方に向かう妻の背中を見て、まさか今日の夕飯をトマトで済ますつもりじゃないだろうな、と不粋な考えが頭をよぎったが、すぐに思い直す。
まあ、たまにはこういうのもいいか。
椅子を引いて立ち上がり、私は台拭きを取りに台所へ向かった。
>>396 おもしろーいww最初グロかと思ったが。
403 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/30(日) 19:54:57
少し焦げ気味のパンの上に、不器用にスライスしたトマトを乗せる。
指先で摘んだ塩を無造作に振りかける。
一気に頬張ると、ざらついたパンが口内の上辺を刺激し、微妙に擽ったい。
その時助けてくれるトマトの汁気が一番旨い。
がふっ、シャクッ、ジュルジュル、ジュッ、シャク、チュ
405 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/09(火) 17:12:39
南中、蝉時雨。
ごつごつした岩壁の陰にひとり入る。
麦藁帽子を取り、首に掛けた手拭いで額と顔を拭く。
絞るほどの汗が手拭いを重くする。
蒸れた麦藁と汗の匂い。
歩いて来た分だけ汗をかき、ずいぶんと喉が渇いた。
乾燥して白っぽくなった畑に、熟して落ちたトマトの汁が染みて乾いた跡がある。
枝には、まだまばらに真っ赤な実が残っている。
収穫できないものは誰も見向きもしない。
ひとつもぎ取ると力強い緑の匂いがした。
燃える太陽を一齧り。
蝉と夏の匂いがした。
406 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/09(火) 18:28:13
ちんぽっぽ トイン
407 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/09(火) 19:41:42
とにかく喉が渇いていた。
下が歯茎に張り付いてねばねばとした感触。唾液は一滴たりとも分泌されない。
私は今日起こった一部始終を回顧した。
殺人犯───
私はその響きを恐れていた。そして酔ってもいた。この東京で、事件の一部に、
新聞の一面に、そして東京の一部になれたことを実感した。
冷蔵庫にはトマトがある。
冷たい水滴を湛え、ぽつんと一個だけ座っている。そんな健気な姿がかわいい。
私はトマトを貴婦人をエスコートするように大事に取り出して、水滴を舌で舐め、
乳房をやさしく刺激するように、噛んだ。チュっとトマトの汁が歯茎に勢いよくぶつかる。
やがて口全体に酸味と甘みが広がった。それからは戦うように、勢いよく頬張った。
飛び散った汁が、私の体を包んでいる真っ白なドレスシャツや、スラックスに無数の
染みをつくった。
気づくと私は再び殺人犯の姿になっていた。
408 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/10(水) 03:58:34
恋人と喧嘩した。
彼女は涙ながらに叫ぶ声が頭にこだまする。「あなたは私の事なんて、どうでもいいんだわ」
僕は彼女を愛している。しかし言葉に出すのが苦手で、なに一つ言いかえせなかった。情けない。
とぼとぼと歩き、家に着いた。実家から遅られてきたダンボール箱を見つめる。
このトマトは赤い。それは事実で揺るがない。僕のこの不器用さも、揺るがないのだろうか。
丸かじりして食らう。なるほど、赤いほどに甘いのか。
この、果実に近い艶やかなものを、全て口に満たして飲み込めば、言い訳のフレーズはわいてくるだろうか。
自分でも馬鹿だと思うが、意外にも効力があるかに感じる程、この実は麗しく、爽やかに甘い。
409 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/10(水) 04:02:08
>>396 アタック・オブ・ザ・キラートマトが見たくなったwww
411 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/11(木) 14:57:19
僕はトマトを食べた。
それはとてもおいしかった。
すごい美味しそうなトマトだ!
よーく冷えてるよ.
414 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/13(木) 19:20:30
砂漠で何日もさまよった。
妻と子は倒れ、干からびて死んだ。嘘だ。
覚えている。微かに。
私は、発見されたとき血まみれだったそうだ。
妻と子の血を啜ったのは明白だ。
だが、罪に問われなかった。極限の飢餓状態では、そういった
ことがままあるらしい。
私は今、療養所らしき場所で勾留されている。
その、昼食に出されたまっ赤なトマトを見て、私はようやく涙する
ことができた。
416 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/16(日) 12:51:29
宮殿ではトマトの時間を迎えており、メイド達が次々とおいしそうなトマトを運び出していた。
それはトマトとは思えないほどおいしそうで、一般市民がこのトマトを見たらこれが本当に
トマトか?と目を仰天させるに違いない。これだけで一般市民との差は歴然と離れており、
王様が毎日どのようにして暮らしているかはこのトマトだけでも想像がついてしまう。
なおもトマトは運び込まれていく。
王様の目の前に全てのトマトが出そろった。おいしそうで目を見張るほどの大きなトマト。
全てが”おいしそう”これ以上の単語が見当たらない程、おいしそうであった。
417 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/17(月) 03:06:14
バイトでヘトヘトになって家に帰る。電気をつけないまま冷蔵庫をあける。僕は冷蔵庫の明かりに包まれた。
冷蔵庫の中にはトマトがひとつ。紅一点。ためらいなく伸びる手。気づけばトマトにかぶりついていた。果肉に守られていた汁は溢れ、床に滴り落ちる。
最初の一口が飲み込まれるのを待たずして、もう一口かぶりつく。トマトの冷えた果肉が喉を通る。胃に冷たさを感じる。そこから指先、足先、頭のてっぺんまで豊富なリコピンが浸透してゆく。
「OH! リコピン!」
叫んでいた。赤茄子と呼ばれるそれは、僕に茄子以上の歓喜を感じさせる。母に後ろから頭をスリッパで強打される。意識が朦朧とするなか、トマトをヘタまですべて頬張り、そして僕は気絶した。
病院に運ばれた時、僕は窒息しかけていて、顔がトマトのように赤々としていたと医者から聞いた。
「どれが一番美味しそうにみえるかい?」
私は籠に入った沢山のトマトの中から、
最も美味しそうなひとつを爪の先でそっと突きました。
「じゃあそれを君にあげよう」
先生は首にかけたタオルで顔についた土と汗を拭きながら
それはそれは嬉しそうに言うのでした。
鮮やかな色合いに目を細める
ルビーのように上品な赤を湛え
大地の息吹をそのまま空へ運ぶように緑が天をつく
手にとってみればみずみずしい弾力が反抗し、
大地の力強さと芳醇なうまみを思い起こさせる
いよいよがまんできずにかぶりつく
ぷりっとした皮が口の中で勢いよくはじけ
同時にぎゅうぎゅうに詰め込まれた豊かな味わいが
口腔へと爆発する
大地の底で一滴一滴こんこんと磨き上げられた水と
豊穣の女神に祝福された大地が凝縮された果肉が
舌の上であでやかにたゆとい、
その実を噛みしめるごとに
ワインの芳香を思い起こさせるようにかぐわしい風味が
口の中から鼻腔へと突き抜ける
どこまでも広がる豊かな風味を味わうと同時に
とろけるような旨味とさわやかにひろがる酸味に
舌は喜びに打ち震える
心地よいつめたさとともにすべての味わいが幾重にも重なって
足の先から脳天までゆっくりと力強く突き抜ける
やがて大地に磨き上げられた果肉はひんやりと口腔をなで
ごくりと尾を引くようにのどの奥へ消えていった
残り香と味わいの残滓を楽しみながら
また口の中に運ぶ
人差し指と中指を、半ば無理やりとも言える動作でトマトの内部へ突っ込む。
トマトの蔕をトマトの内側から指の腹を使ってさする。
新品のシャープペンの芯をケースから取り出し、
折れてしまわないよう細心の注意を持ってトマトに埋め込んでいく。
422 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/24(月) 00:52:06
じょぷ…しょぷ…
森雪「これはヤマト農園でできたトマトです」
夏だ。
一人暮らしの狭い部屋は風通しが悪い。私は昨年から壊れたままのクーラーを、団扇を片手に寝転んだまま恨めしげに眺めた。
私はこの時期になるといつも子供の頃を思い出す。あの頃は、こんな気温でも近所の子達と走り回った。
次第に暑さに参り、蝉の頭に響いてくるような鳴き声の中を汗だくになって歩いて帰ると、母が昼食の支度をしていた。
「暑いよ。何かちょうだい」
昼食まで待てず、台所にいる母に向かってそう言うと、母は振り向かず「待ってなさい」と返した。
私が日の当たっていない、ひやりとする畳に寝そべっていると、廊下から母の足音がひたひたと近づいた。
「今朝ね、お隣さんから分けて頂いたのを冷やしてたのよ」
私はむくりと上半身だけ起き上がり、母の方を向くと、母の手には、半分に切った真っ赤に熟れたトマトをのせた皿があった。
冷たく、甘いものに飢えていた私には、それがとてつもなく素晴らしいご馳走に見えた。すぐにかぶりつき、口の端から汁が垂れるのも気にせず、よく冷えたそれを夢中で食べた。
その味、舌触りを具体的に思い出す前に、今の部屋に横たわる私の腹がぐうと鳴り、私は一人苦笑いして立ち上がった。
425 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/26(水) 21:00:24
「このトマト野郎!」
優子はそう言って走り去った。
走り出す瞬間の彼女が泣いているのを、ボクは見た。
426 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/26(水) 21:25:18
ものをうまそうに書く描写って落語家がうまそうにそば食うふりするのと一緒でなんか鼻につくんだよな
427 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/26(水) 22:24:44
>>426 秀同
食事の描写はなるべく淡泊であるほうがいい
428 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/27(木) 00:19:42
>>426 強調すると白けちゃうよな。
その点、川上弘美の「溺レる」の冒頭は神だと思う。
429 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/27(木) 14:56:06
トマト参上
430 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/27(木) 23:09:51
風が語りかけます
赤い、赤過ぎる
431 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/28(金) 00:16:03
子供の頃、トマトはおやつだった。もぎたての赤い実を十五分だけ井戸水に晒し、
包丁で切って軽く塩を振る。夏の日差しに青々とした畑を見はるかし、ひんやりとした
縁側の板の間に座って食べる大玉のトマト。最近のトマトにはあの味はない。
母の葬式を終えると実家はがらんとしてしまった。木造の家には幼い頃の記憶が
しみついていたが、もうところどころ毀れてしまっていた。こんや私が街に帰れば、
この家にはもう主がいない。中を片付けて取り壊すまでは定期的に訪れなくては
ならないが、冬が来る前にはそれも終わるはずだ。今晩この家の中にはどんな
くらやみが降りるのだろう――そう考えて、私は戻らない時間の重みを切実に感じた。
裏庭へ回る。手入れするもののいなくなった畑の中で、収穫される望みのない野菜たちが
いまにも雑草に呑み込まれようとしていた。先週までは母がここを維持していたのだ。
一列に並んだトウモロコシ、低く這うように広がった大豆の畝、枯れた葉の中にすっくと立つ
ネギ坊主。私はその間を縫って畑の中を歩き回った。植えたともなく生える紫蘇の
葉を踏むたびに、ほんのりとした香りがたちのぼる。記憶の通りだ。きりぎりすや
ばったを求めて走り回ったあの頃と、違うと言えば葉の高さだけ――。
枯れかけたトマトの木に、水を吸ってはちきれんばかりの実がついている。都会の
スーパーにあるような朱色のものではなく、真っ赤でごつごつしたいびつな玉だ。ぶちりと
もぎとって眺めてみると、雨で跳ねたか、ところどころに泥の斑がついていた。服の袖で
それを丁寧にふきとる。透明感のないつややかな表面が現れた。私はそれにかぶりついた。
皮は固く、汁はぬるかった。だが、だが――。
それは確かに、母のトマトの味だった。
432 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/02(月) 20:01:40
ちんぽ
手のひらに余るほどの実に囓りつくと、張りのある薄皮のしたから、とろりとした果汁が口のなかへ流れ込んできた。
日の光を取り込んだ実はつややかに色づいていて、すこし青臭い匂いがする。
やまめの泳ぐ小川に足を浸しながら、とれたばかりの夏野菜をおやつ代わりに食べるのが、
年に一度、実家に帰るときのわたしの贅沢になっていた。
434 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/26(土) 16:03:48
あげ
トマト「私の戦闘力は53万ですよ」
437 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/16(土) 03:18:33
ギラギラと照りつける殺人的な日差しの中、畑の隅で大きなトマトの実が緑の苗をたわませていた。
極薄の皮の下にパンパンに果汁を詰めたような、熟れに熟れた見事なトマトだった。
柔らかな実を潰さぬように、ハサミを使って慎重に収穫する。
紅玉を思わせる艶やかな紅。手に取るとずしりと重い。
顔を寄せる。少しの青臭さと、土と、強い太陽の香りがした。
たまらず実にかぶりつく。熟れすぎた実はあっけなく潰れ、手と口元に果汁が滴る。
冷やしていないせいか、強く青臭さが感じられる。
噛む必要がないほどの柔らかさ、ほんの少しの酸味のあとを追って、強烈な甘みが口いっぱいに広がっていく。
強烈な甘みと旨みに、舌が踊る。
袖で口元を拭うと、たまらずもう一口。
口の中いっぱいに広がった夏の味。太陽に向かって一礼をすると、私は残ったトマトへと齧りついた。
438 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/20(水) 18:33:45
ダンボールをあけると、新聞紙と野菜のにおいがした。
一通のハガキと、しわくちゃになったビニールから丸々したトマトを取り出す。
今年は暑いから豊作だったろう。
ぴんと張った皮が、つやつやしている。青いヘタがでっぷりとした実に少し埋まっていた。
流しでボウルになみなみと水を張った。
二、三個のトマトを取り出してボウルに浸ける。氷も少し入れてやった。
浮かんでいる表面が水をはじいて、玉をつくっている。田舎で食べた甘酸っぱい味を思い出して、思わずつばが出る。
冷やして食べるのが最高だが、我慢できずにひとつを手に取る。
そっと鼻先へ持っていけば、瑞々しい匂いがした。思いきってかぶりつく。
溢れだす果汁をすすりながら、酸っぱい味にリンパがきゅうっと痛くなる。
しかし、舌に広がる余韻は、去年食べた味より甘かった。
ふと野菜に塩を振っていた祖父を思い出す。
滴るような果汁を光らせているトマト。
わたしは棚の塩に手を伸ばした。
トマトをかじりながらテレビを眺めていた。
トマトの汁が滴り落ちて床を濡らしている。
テレビでは外国の飛行機事故をやっている。
頬を冷たい水気に埋めると、だんだん獣の様相を呈してきた。
汁をすすり上げて立ち上がり、流しにトマトの残りを捨てて
勢いよく水を流した。
腕のべとべとが水の流れに落ちた。
茎がしなるほどにぎっしりと実を付けたプチトマト。
赤く熟して旨そうだ。
ぷちん、と一つもいで頬張った。
8月の太陽のせいでじんわり熱いトマトは、
それでも喉の乾きを一瞬忘れさせてくれるには充分だった。
皮が破れた瞬間あふれ出る汁を飲み込みながら、
右手は既に次のプチトマトを穫っていた。
441 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/25(木) 19:41:46
そのトマトは、水で薄められた豚の糞を養分に育った。つまり、糞で育てた有機栽培なのだ。
トマトからは微かに、糞の香りが漂う。
それは紛れも無く有機栽培された、みずみずしいトマトだった。
442 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 04:19:19
素敵なスレだな。
カリソメの外面しかないスレだ
444 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 14:48:36
トマト
間抜けた話だか、かなり期待してる
先読みムズイ
445 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 16:02:06
吸血鬼が美味しそうに美女の血を啜るような感覚のポエミ〜なやつお願いします><
トマト大嫌いなんです><
食べられるようになりたい><
――悠里がとったイチバンあかいの おいしいよ! パパへ――
稚拙な文字がおどるメモと共に、ガラステーブルの真ん中に鎮座している
朱いトマトぼんやりと眺めた。
二年生になった悠里は、ばあさんの畑仕事の邪魔をしない程度には、
成長している。それが嬉しかった。
トマトを手にとり、弄びながらしばらく考えた。
娘からの贈り物を胃に収めてしまうのは何かもったいない気がしたが、
朱く熟れたトマトは、早く食べてくれと催促しているようにもみえる。
意を決して、素手で掴んだトマトをガブリとかじった。
少しの酸味とたっぷりのほの甘さが口中を満たした。
僕が優子さんにトマトを勧めたときの言葉が記憶によみがえってきた。
「あなたは、うんこを食べろっていわれたら食べるの?」
こんな美味しいうんこがあってたまるか!
娘に優子さんのトマト嫌いが遺伝しなくてよかった。
447 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/06(水) 19:27:08
トマトが食べてくれといっているようだった。
とても赤くてまるくて重いので、手に取ったあと、洗いもせずに齧りついてしまった。
水のように溢れ出す果汁が、とても甘い。
これでも長いかな
448 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/06(水) 20:59:12
丸くて恥じらう桃尻にかぶりついた直後に
俺の鼻腔は甘酸っぱい洪水に襲われた
トマトなのに桃尻って書いちゃだめだろ
カラカラに乾いた喉に、思いきり染み込んだ。
熟し過ぎたトマトは、そのまま大きなコップ一杯の水の様だった。
もちろん、ただの水よりはずっとずっと美味しいのである。
微かに、塩味も感じられた。
かじりつくと身の詰まった果肉に歯が食い込み、口の中を軽く縮めさせる酸っぱさがきた。そしてみずみずしい水分と青臭い香りと甘みが口の中に広がった。ゼリーのような舌触りのものに包まれたツブツブの種が、トマトを食らっている実感をさらに感じさせてくれる。
452 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 01:49:03
青い香り、喉の渇き
溢れ、こぼれ落ちる汁
口腔に貼りつく薄皮
犬歯で逃がさぬようにして種を噛む
453 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 02:03:34
私はトマトにかぶりつく。
「すじゅるぶじゅっじゅるる」
砂漠をさ迷い始めてかれこれ5日以上水分を取っていない渇ききった私の喉に赤い果汁が染み渡る。
454 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 03:34:09
トマトの皮が前歯に触れると、
舌が踊る
歯茎が笑う
青い空から、葉っぱの臭いがする
455 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 04:21:05
赤く膨らんだそれを絵里は口に含んだ。
舌でそれを転がし、滴る汁が喉を通るたび、絵里は目を細める。
>>453 五日以上水分無しで砂漠さ迷って生きてるのも凄いけど
突然トマトが現れるのも凄いな
ドラえもんにでも会ったのか?
457 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 14:58:17
何かないかと水桶を漁ると、そこには大きく熟れた赤いトマトがあった。
それは内から外へとはち切れんばかりに膨れており、緑色のヘタはそれの赤と見事にマッチして眩しいほどだ。
思わずかじりつく。
次の瞬間、爽やかな香りがしたかと思えば、渇いた口のなかで甘酸っぱい果汁が広がった。
若い時の私は、トマトを美味しそうに書く場合、作中人物にそれを決して食べさせてはいけないと勝手に思い込んでいた。そのほうが美味しそうに見える筈だと。
潰したり、指を入れてみたり、あげくの果てには繰り返し繰り返しシャープペンの芯を刺すという傍若無人な行為までしてのけた。
そして今。久しぶりにこのスレを開けた私の両肩に天使と悪魔が乗っている。
悪魔は囁く。「熟れてるぜ、喰っちまえ。」
天使が私の耳朶を引っ張りながら言う。「だめよ。あなたはシャープペンの芯を忘れてしまったの?」
「ほら、噛りついちまえ。じゅくじゅくで喉の乾きが癒えるぜ。この喉ってのはお前の傷つき疲れはてた魂そのものさ。さあ喰え」
「乾き、贅肉をそぎ落とし、真っ直ぐに伸びたシャープペンの芯こそあなたの意志だったじゃない。もう忘れてしまったの?」
どちらの言い分ももっともだ。
しゃぶりつけばうまいのも知っている。
私はそれに手を伸ばし、絞るように握りしめ、それから潰した。
指に付いた汁を嘗めながら、自分が泣いているのに気付き、馬鹿だなあと思った。
459 :
弧高の鬼才 ◆zD.tvziESg :2009/05/13(水) 01:22:54
トマトを買ってきた。
食べるのがもったいない気がした。
掌で転がすと、それはうれしくて小躍りしているように赤色を乱反射させた。
胸のふたをあけて保存しようと思った。
数十年して、わたしは胸の中のトマトのことをおもいだした。
つややかで張りのあるトマトが指にはじめてふれたとき、潰したいくらいの嫌悪感に苛まれ人生に絶望していたことを思い出した。
トマトにうつる歪んだ顔にかぶりつきたい衝動に駆られたのだった。
胸のふたを、ぼくはあけるのをやめた。
悲しみがまた訪れるまでは。
2009・5 弧高の鬼才
うんこ
スラムドッグミリオネアで、うんこしながらトマトを食べ
るシーンがあったんだが、あれは凄いと思った。
主人公が肥壷に浸かりガバッとはい上がってくる。右手に
トマト。
くそまみれの主人公が口を大きく開けトマトをうまそうにかじる。
あれを旨そうに見せる監督の力量に感心した。必見。
氷水に浸してあるトマトを受け取ると、指先が少しじんとした。冷たいそれに唇を寄せて、優しく歯をたてる。ほんのり、いつもより甘い気がした。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い俺どっかでトマト食べてる。
スーパーで超完熟をうりにしたトマトが売られていた。その赤い艶めきは私の心をとらえて引きつけ、買って帰った。
赤い塊を水道で洗ってその場で立ったままかじりつく。すると少女から女へと変化を遂げようとしている季節の女子学生のように、青臭さとすっぱさを内に秘めた旨さが口内を満たした。
飛び跳ねたくなるようなこの甘さが、若者が持つエネルギーのようかもしれないと考える。
うまそうに書けない汗。
先日から、森が妙にざわめかしい。
森の動物た
森の動物た
が何かを私に伝えたがっている。
とても大事な事みたいだ。
私は芝生の上に寝ころがり耳をすます。
動物たちは次次に寄って来て、口々に「おいしいよ」と言って去る。
やはり私はそれを探さなくてはいけないらしい。
とりあえず芝生の上で立ち上がり、叫んでみる。
「しんごー!」
蜜蜂の群れがどこからかやって来て青信号を隠す。
どうやらおいしいのは、赤いやつらしい。
僕には
ぷっぷっぷっぷっ プチトマト
君には
アッアッアッアッ 青トマト
好き好き大好き
パックン ゴックン ジュルルルル
おー! グツグツ ラザニア, キンキン ブラッデーマリー
ああ、 シビレル ラタトゥイユ
シンクロして ……
カプット ジュワット フレッシュフルーティー
キャンドルライト ニ スケル ウスカワ ガ イロッポイ ネッ
シンクロして ……
アーウマカッタ!
なんか美味しそう
>>286,
>>287(www),
>>346,
>>363,
>>411,
>>437(6行目以降),
>>454,
>>458,
>>463 リアルではファーストトマトを好みます。
「トマトとうんこの共通点は?」
「どちらも自転車に乗れません」
「食って良し」
470 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/11(火) 19:32:36
ぜん 【▼膳】
0 (名)
(1)食器や食べ物を載せる台。特に一人前の食事を載せた台をいう。おぜん。
「―にのせて運ぶ」
(2)食事。料理。膳部。 (接尾) 助数詞。
(1)椀(わん)に盛ったもの(特にご飯)を数えるのに用いる。
「ご飯を二―食べる」
(2)一対の箸(はし)を数えるのに用いる。
「箸を一―下さい」――に上(のぼ)・る 料理として食膳に出る。
471 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/11(火) 21:15:02
赤いトマトはかじるとトマトのような味がした。これがトマトなのか……。
もうげしゅたるとほうかいした。
あと2百日くらいすると生まれてくるらしい子を宿している妻は、
今朝も水色のガラス皿に盛られたトマトにむしゃぶりついている。
おまえらはホラーでも書いてるのか?
474 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/12(水) 23:32:52
直のかぶりつきの表現ばかりだな
俺は調理されたトマトのほうが好きだ
475 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/13(木) 10:25:14
やべえwwwwwマジトマトうんめえwwwwwwwwパねえwwwwwwwwwww
いつも思うんだけどさ、
>>1の「かみ締めるようにむしゃぶりつく」って表現はおかしいよね。
「噛み締める」と「むしゃぶりつく」は全然違う動作なのに。
順番的には「むしゃぶりついて」そして「噛み締める」だよね。
「○○のようにむしゃぶりつく」って書きたいなら、○○部分は例えを入れないと駄目だよね。
獲物を喰い漁る猛獣のようにむしゃぶりつく →そしてじっくり噛み締める
もしくは幼なじみのおっぱいを前に野獣と化した、あの日の憲次のようにむしゃぶりつく
→そしてじっくり噛み締める。
それが正しい手順だよね。
ね?
477 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/13(木) 15:16:03
試しに、たまたま手元にあった「レアチーズロールちゃん」に
かみ締めるようにむしゃぶりついてみたところ、
クリームとスポンジが混然となった唾液が口の端から
ダラダラと垂れ、知障みたいになってしまった
よって
>>476 同意である
俺はトマトが嫌いだが、みんなが食事をしているので仕方なく食べたみた。
なぜか気にならなくて美味いような気もした。
これはやはり大好きなハンバーガーの間に挟まってるからはっきり苦味が出なかったのだろう
皮がはじけそうなほど張った艶のある赤いトマト
は?
481 :
ダーク鶯:2010/08/11(水) 21:16:06
真実は自分の目で確かめよう。
前人未踏(前代未聞か)トリバレ幹事(中身は誰だ?)による競作祭です。
貴方のご参加をお待ち申しあげます。
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/bun/1280844598/288『『『
288 名前:メーン ◆/l5uJ5lus6 [] 投稿日:2010/08/07(土) 21:09:27
○●○創作文芸板競作祭・夏祭り2010○●○
殺し・殺害・惨殺・刺殺・他殺・自殺・そして死。
テーマ……殺しと死
会 場……「アリの穴」
http://ana.vis.ne.jp/ 枚 数……3枚〜32枚(サイトの表示による)
日 程……投稿期間 08/20〜22(日付が変わったら終了)
感想期間 一作目投稿〜08/28 (日付が変わったら終了)
・作者さんは感想期間中一人一票、自作の感想欄に他者の作品の中からベストスリーを選んで投票してください。
読者賞とは別に作者賞を選出します。
・投稿は無記名でお願いします。
・マイナス点は結果に反映します。
・感想は記名・無記名どちらでも可
◎備 考
・内容説明欄に「創作文芸板夏祭り2010」と入れて下さい。
・作者さんは他作品へできるだけ感想をお願いします。みんなで祭を盛り上げましょう。
・以前にアリの穴や他の場所にに投稿した作品の再投稿は不可とします。
・複数投稿は不可です。
・作者投票をしない人は失格とします。
・犯罪を誘発する作品は投稿しないようにしましょう。
……』』』
※注意※
自分の目で見たからといって、真実が見えるとは限りません。参加は自己責任となります。あしからず。
上記URLスレッドのdat落ち後は、創作文芸板を「祭」で検索ねがいます。
大変、おじゃまいたしましたm(_ _)m
482 :
名無し物書き@推敲中?:2010/08/13(金) 04:13:59
あぜ道沿いにある畑の端に、真っ赤な実をつけたトマトの木が幾本か植わっていた。
七月の陽光は激しく、思わずもぎとったそのトマトにもぬくもりは残っていたが、私は構わずにそれにかぶりついた。
俺にはリコピンが足りないんだ!
俺はスーパーへ走った。
484 :
483:
トマトという文字が一文字もないことに気づいたので二行目を訂正。
俺はトマトを買いにスーパーへ走った。