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1名無し物書き@推敲中?
ま、てけとーにショート小説でも書こうぜ。
2名無し物書き@推敲中?:05/01/23 17:37:54
3ななああし:05/01/23 17:42:24
「おかあさん」


返事はなかった。ぼくは何度も呼んだんだ。ふりしきる雨が土を潤すことなくは
じくガレキにはさまれながら。

「ここはどこ」

問う相手も皆 死んでた。でもぼくは生きている。その証拠に額からは血が。真っ
赤でひんやりとした血が出ていたんだ。
隣の花はぼくを見つめていた。花びらはしなれて茶色くなってた。でもぼくの眼
を見つめているんだ。
「大丈夫?」
ぼくは疑問に思うことなく花にはなしかけたんだ。
そうしたら花は当然のようにぼくに答えた。

「平気です」

それはそれはしゃんとした口調だったんだ。

「君は大丈夫ですか」

ぼくは初めて「君」なんて呼ばれてしどろもどろしてた。だっていつもは「ひろ
くん」とか「ぼうや」だったんだもの。

「大丈夫だよ」
ぼくは額の血を自分の腕にすりつけた。血は雨と混ざって変な匂いがした。

4ななああし:05/01/23 17:42:54
「ここはどこ」
ぼくは生きてる相手に初めて聞くことができて、答えもわかってないのになんだ
か嬉しかった。

「いつも君が走りまわっている公園ですよ。ほら、この看板はあのおじいさんの
お店のじゃないですか」
花の横には赤い字で『やきとり』って書いてあった。
ひらがなだからぼくにも読めた。

確かにいつもぼくに怒鳴ってるおじいさんの店の看板だった。でも そのおじい
さんは生きてなかったんだ。
「何が起きたの、地震?それとも台風?」
ぼくは死人がいっぱい周りにいてもなんでか恐くなかった。皆 寝てるようなんだ
もん。

花はすぐに「君」って言った。君って呼ばれるのはどうしても歯がゆい感じがした。
「人間の世界ではなんて言うんだろうかなぁ」
花は茎をしならせた。傷ついた割れめからはなにかの水が出てた。

「とにかく、無意味なことさ」
「わかんないよ、ぼく」
「わからなくていい」

あの店おじいちゃんの口調と似てて嫌だった。
5ななああし:05/01/23 17:44:16
花はぼくより小さくて、細くて、なのにぼくより色々なことを当たり前のように知っていた。

雨は音を強くしながらまだ降っていた。そうしたら雨の音の中に大人の声がしたんだ。

「出して、ここから出して」
ぼくは大きな声を出した。いつもならここで店のおじいさんからうるさいって怒鳴られるのに花は言わなかったんだ。

「子供がいるぞ」
見たこともない男の人にぼくはかかえられるようにして外に出られたんだ。
「ぼくのお母さんを知らない」
ぼくはきちんと聞いたんだ。聞こえたはずなのに、その男の人は何も言わなかった。
よく見るともう一人熊みたいな男の人がいた。周りの死人と同じような顔をしていた。

「ねぇってば」
ぼくはそういった途端に地面に落とされた。車に引かれたカエルみたいな恰好のまま、
「おかあさんは」
って聞いたんだ。
そしたら二人とも鼻で笑ってどこかに行っちゃった。
6ななああし:05/01/23 17:45:19
「大丈夫でした?」
花は茎を延ばしてぼくをながめていた。

「ねぇ、一体なにがなんなのさ」

そうだ、ぼくはあの時 公園にいたんだ。ここにいたんだ。石を集めて遊んでた。
そうだ、花もいた。ぼくの隣で咲いていたあの花だったんだ。
そしたら隣の家からいい匂いがした。あぁ、もうすぐご飯かなって思った時に光が。
それで今 この状態なんだ。
「なんでぼくは生きてるの」
「私も生きてます」
花の答えは当たり前のことだったけど ぼくにはすごく難しいことのように思えた。

雨はいつのまにかやんでいた。そしたらものすごく静かになって、花も黙ってた。
「ねぇ」
「ねぇってば、ぼくのおかあさんは」

花はどんどん茶色になっていった。茎もしなびれてみずっ気がなくなったんだ。

「どうしたの」
花は何も言わないで土に吸い込まれていった。

「ねぇ」
7ななああし:05/01/23 17:46:10
ぼくは一人になっちゃった。雨がやんだガレキの野原は静かすぎてうるさかった。

「誰かいないの」
ぼくは右足が裸足のまま歩き出した。
一回だけ花の方を振り返ったけどそこにはなにもなかった。

雨がやんだ空には鉛色の綿飴でうめつくされていた。でも、その時 ぼくにははっ
きり見えたんだ。黄色いわっかを頭の上に浮かべた天使様を、ね。


まるで絵本の中みたいだった。そっくりなんだ。戦争で壊された街に天使様がお
りてきた絵に。

そのままだったんだ。

恐いくらいにそっくりだ。だって見てごらんよ。人影なんてどこにもない。

見渡す限りコンクリートのガレキだよ。
天使さまはフワッと地面に降りた。
8ななああし:05/01/23 17:46:51
「天使さま」
ぼくは天使さまをつかまえようとしたんだ。
「ねぇ、待って」
捕まえた!
天使さまはずっと後ろを向いたままだった。
ちゃんと腕をつかんだつもりだったのに、感触はあったのに天使さまはぼくの
手からするりと離れてまた空に昇ってしまったんだ。

さっき聞いたような声がまたした。でも一人の男の人の肩には大きなピストル
が下がってた。

9ななああし:05/01/23 17:47:25
「お母さんが見つかったの?」

また男の人は何も答えなかった。そのかわりにぼくの頭にピストル
をくっつけたんだ。ひんやりしてて気持ち良かった。


ああ、また会うことができた天使さま。
今度は天使さまからぼくの手をつかんだ。ぼくは天使さまと一緒に空に昇ったんだ。


あ、そうそう、天使さまのお顔 おかあさんにそっくりだったよ。

10ななああし:05/01/23 17:48:04
どうでしたでしょうか。
ご意見いただければ幸いです
11:05/01/23 17:49:24
>>2
げっとおめ

>>10
別の板でスレ立ててたっしょ?

それはともかく今から読むねv
12名無し物書き@推敲中?:05/01/23 17:50:28
気軽に書いて感想が欲しいとは不遜なやつだ。
13ななああし:05/01/23 17:51:01
あれは板違いでした。
すみません。
14:05/01/23 18:04:51
意見のしにくいストーリーだな。
15名無し物書き@推敲中?:05/01/23 18:07:07
>>14
読んだんなら感想かいてやれよ。ん? 自演だから書けないのか?
16ななああし:05/01/23 18:08:55
わかりにくかったですか
17:05/01/23 18:12:46
>>15
自演やるならもっと上手くやるさ。

>>16
少なくとも私には。

どういったメッセージが込められているのかが
いまいちわからない。
18ななああし:05/01/23 18:14:37
まだまだ未熟っすね ε=(д`;)
ありがとうございました
19:05/01/23 18:17:11
>>18
でもまぁ全体として文章は悪くなかったよ。
ただ、心は打たれなかった。
20:05/01/23 18:19:40
気軽じゃないことを知ってるんだよな。
別の板でスレ立ててるところ見たし。

だからいちいちキツイこと書けないって部分はある。
私はあんまりアテにならないので、他の人
意見してあげてちょ。
21ななああし:05/01/23 18:20:06
精進します (д`川)
また機会があったらよろしくお願いします
22名無し物書き@推敲中?:05/01/23 18:25:54
>>20
気楽に書いた文章に感想を要求するな。自演乙。
23ななああし:05/01/23 18:27:41
>>22
自演ってなんすか
24:05/01/23 18:29:25
>>22
要求してないよ! 自演ってなんだ?
バカか? バカよりもバカ。
25ななああし:05/01/23 18:30:44
いや、待ってくださいよ

1さんとは違いますよ?私
26名無し物書き@推敲中?:05/01/23 18:32:52
なんだこの流れ
27名無し物書き@推敲中?:05/01/23 18:35:50
>>26
ここは自演のお手本を見せるスレです
28ななああし:05/01/23 18:41:37
ああ、自演ってあれか

…証拠を見せろって
自演じゃなかったら責任とれよ
29:05/01/23 18:42:47
ムキになったら負けだよ〜v
30ななああし:05/01/23 18:44:37
そうなんですか

やめます
31:05/01/23 18:45:14
それが一番だよv




以上、自作自演でしたv
32ななああし:05/01/23 18:46:43
ちょっとやめてくださいよ
まじで
33:05/01/23 18:48:14
>>32
おう、私の中の私が拒否を?
馬鹿な。第二人格はすっこんでろっつう話だ。

がはは
34ななああし:05/01/23 18:50:19
てかもういいです

さようなら
35:05/01/23 18:51:05
それが今日君がした中で一番賢い選択だよ。
36名無し物書き@推敲中?:05/01/23 18:51:37
アゲた上で同情引こうとしても無駄。
自作自演だと分かった所で、


━━━━━━━━━━━━スレ終了━━━━━━━━━━━━



37:05/01/23 19:05:59
同情も何も君も私の自作自演だからねv ウフフフ
38:05/01/24 08:13:24
(ノ゚д゚)オハヨウ
39名無し物書き@推敲中?:05/01/25 12:15:28
今日はいないのか
40名無し物書き@推敲中?:05/02/04 22:40:09
違う遊びを見つけたんだな
41名無し物書き@推敲中?:05/02/05 13:34:45
 
42名無し物書き@推敲中?:2005/05/10(火) 06:28:07
 日本革命軍

 人民解放軍による大規模なアジア諸国侵攻作戦が開始されるという情報が流れた。そして国連がそれを止める所か多国籍軍は共に侵攻
作戦に参加するというのだった。反戦主義の佐口一等空佐は侵攻を止めるべくF-15J部隊を纏め反侵略組織日本革命軍を結成する。
 隊員を集結させた作戦室にて、阪田航空戦闘隊長(元二等空佐)が口を開いた。
「米中軍率いる統合軍の第一侵攻地点はモンゴル南部、インド東北部、ネパール、ミャンマー!A隊B隊はモンゴル、C隊はミャンマー、D隊
はネパール、E隊F隊はインド、以上各地へ移動準備開始!」
 各国の空軍基地に到着した革命軍は正規軍のCommanderとしての役割を担当し、侵攻を阻止する為のあらゆる防衛作戦を提案する。
だが統合軍の侵攻作戦は予想よりも早かった・・・。
「ビーッ!ビーッ!ビーッ!敵襲、A隊は直ちに出撃せよ!」
 南方からSu-30MKK2戦闘爆撃機5機の編隊がこちらへ接近、戦闘開始である。こちらはAWACSによる支援の御陰で先に捕捉でき全機撃
墜、今回は無事侵攻を阻止する事ができた。

 翌日、田畑副隊長(元一等空尉)が中国北部へ強行偵察をしてきた。
「偵察に回った3つの空軍基地にて米軍機や仏軍機が配備されている、B-2爆撃機まで用意してあちらも本格的に侵攻準備を開始しているよ
うだ。上空からの偵察ではこの程度しか分からなかった、だがとにかく防衛を尽くすしかない」
 統合軍の展開の早さに動揺を隠せない隊員達。しかし考える間も無く、またも敵が侵攻してくるのであった。
「ビーッ!敵襲だ、B隊出撃準備!」
田畑「敵はF-16Cが20機にE-3が1機だ」
 田畑副隊長が先頭に立って4機のF-16C戦闘機を同時に捕捉し撃墜させたが、別の敵機にAMRAAMを発射され撃墜される。田畑副隊長
は脱出に成功したがB隊は苦戦。だが統合指令部の命令で敵航空部隊は撤退し、何とか危機は去った。
 そしてB隊の帰還後、阪田隊長は田畑副隊長のいきなりの被撃墜によって予想以上に防衛の危機を感じ、切り札のSuperAceを起用
する事を発表した。田畑副隊長は現在モンゴル陸軍の救助ヘリで捜索中である。
 その後の深夜午前1時、こんな時でも敵は侵攻してくるのだった。
「ファーン!ファーン!敵襲、出撃可能な隊員は全員直ちに発進準備開始!」
43名無し物書き@推敲中?:2005/07/11(月) 00:56:49
何か生臭い臭いがしたが、袋の中身を確かめる勇気はなかった
44名無し物書き@推敲中?:2005/08/03(水) 18:27:54





                                             了
45名無し物書き@推敲中?:2005/12/03(土) 10:46:22
230 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2005/12/02(金) 09:32:55 ID:9LVU/HL9
>>228
私も激しくワロワラタw
それ昨日の私のID。
書き方を変えただけで決めつけられている。
皆は2ちゃんで名無しで書いても文体や言葉遣いは変えないのだろうか。。
  
  変える、変える、変えるとも、なァ、みんな、ゼッテー変えるよな
  ぶははは
46名無し物書き@推敲中?:2006/01/14(土) 02:33:04
>>45
オレは変えないけどね。
47名無し物書き@推敲中?:2006/01/14(土) 02:40:55
>>42
防大の人文専攻ですかw
48名無し物書き@推敲中?:2006/01/14(土) 02:42:02
チーズウィンなーを食していると、無性にセックスがしたくなる。やはりそれはチーズというもののイメージが
49名無し物書き@推敲中?:2006/01/15(日) 19:09:30
ラウンジャーで寄せ書きしたノートが全国を旅するPart8
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1136733536/
現在位置
北ノート=青森
南ノート=宇都宮
この近辺でお手伝い、参加できる方募集中です。
50名無し物書き@推敲中?:2006/02/20(月) 02:20:09
>>49
わかりました。でも、漏れはこのスレに
住み続けます。気軽な作文が好きなので。
51名無し物書き@推敲中?:2006/03/18(土) 20:01:23
私のプロフィールって題材で書くにはどんなふうに書けばいいんだ?
52名無し物書き@推敲中?:2006/04/14(金) 00:19:14
身長57メートル。体重550トン。
53無個性 ◆RelMnLZ5Ac :2006/07/12(水) 11:45:42
(^(T)^)
54名無し物書き@推敲中?:2006/08/11(金) 21:33:07
いま高校で剣道をしていて、明日までに作文用紙一枚半に「国際情勢と剣道の関係」を書いてこいと言われたんですが・・何を書けば・・是非おしえてください
55名無し物書き@推敲中?:2006/08/11(金) 21:34:27

抜かずに勝つ。これだね。

56名無し物書き@推敲中?:2006/08/11(金) 23:24:07
>>55
天才
57名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 21:37:15
無職残飯、諦めて働け。おまえに小説は無理だって。いや、すべてが無理。ネットで私以外の被害者を探すことだ。ばかやろうwww
 
 
 
 
58名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:00:01
>>54
竹刀で銃弾が切れるか?竹刀で戦車の装甲が切れるか?竹刀で核ミサイルが切れるか?

切れる。切れるのだ。(シグルイ風
59名無し物書き@推敲中?:2006/09/24(日) 15:05:38
         /\
        ../  ./|
      ∴\/./
     _, ,_゚∵ |/
   (ノ゚Д゚)ノ    
  /  /      
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
60名無し物書き@推敲中?:2006/12/27(水) 20:59:04
2007年は気軽に行きたいな、何事も。
61名無し物書き@推敲中?:2007/03/10(土) 05:03:16
病気なんだろう
インディーズシーンなんて自己満足の世界
演じる側も観る側も、飽きれば忘れてしまう

残るのは質を伴った量だ

62名無し物書き@推敲中?:2007/06/06(水) 04:29:06
age
63名無し物書き@推敲中?:2007/06/18(月) 17:51:11
作文の書き方おしえれ!

何でも良いから作文投稿してくれとの依頼が来た。
2チャンネルで何時もいい加減な書き込みしてる漏れには、
文法も何も有った物じゃねー!

題名も自分で考えてくれとの事。。。どぼじたら良いんだ

作文での注意点とか何とかかんとか・・・
お・し・え・て・くれーーー
64名無し物書き@推敲中?:2007/06/19(火) 17:33:45
作文の書き方を教えてください

内容は何でもいいのですが、私に作文を投稿してほしいと知人から依頼をうけました
2チャンネルという掲示板でいつもいい加減な書き込みをしている私は
文法やその他作法も無視してしまいます!

題名も私が考えねばなりません。。。どうしたらいいのでしょうか

作文上の注意点とか何かありましたら・・・
お・ね・が・い・し・ま・す
65名無し物書き@推敲中?:2007/06/20(水) 14:44:17
↑こいつドツキテェー
66名無し物書き@推敲中?:2007/10/14(日) 01:07:48
>>64
私に作文を投稿して→作文を代わりに投稿して
その他作法も→その他の文章作法も
作文上の→文章作成上の
67名無し物書き@推敲中?:2007/12/31(月) 21:07:56
どっかのスレで うちの会社の悪口が書いてあった。




「○○という会社に再就職の面接に行ったら、『将来の夢』ってタイトルで作文書いて下さいと言われた。むかつく。
だいたい25歳にもなって、将来の夢もクソも無いだろ。25歳にもなったら現実を見る年齢だろ。他人を馬鹿にしやがって!
小学生じゃあるまいし。しかも原稿用紙2枚も。何を書くわけ?ありえない。
ここで働く奴は全員、こんなくだらない作文を一生懸命、原稿用紙2枚分も書いた、幼稚な人間なんだね。気持ち悪い。
作文があるんだったらちゃんと求人に書いとけ!『面接』しか書いてなかっただろ!
むかつくからその場で辞退してやった。」

みたいな事が書いてあった。

このレスを見てかなりむかついた。
面接で作文を書かされるのは当たり前じゃない?25歳で「将来の夢」の何が悪いわけ?私はちゃんと作文を(原稿用紙2枚分)書いたから採用されたんだよ。
それを幼稚な人間なんて言い方はむかつく。
ひがむな!
68名無し物書き@推敲中?:2008/01/27(日) 21:46:56
はははは
69名無し物書き@推敲中? ◆5pz5nzMFr2 :2008/01/27(日) 23:22:10
このスレは直で書き込む小説限定かい?
ワードなんかで書いた奴は駄目かな?
70名無し物書き@推敲中?:2008/06/01(日) 00:18:10
age
71名無し物書き@推敲中?:2008/11/02(日) 12:41:22
72名無し物書き@推敲中?:2008/11/10(月) 21:04:28
底流
73名無し物書き@推敲中?:2008/12/06(土) 21:01:56
いつも思うんだけどなんでみんなコメするだけで
肝心なモノを書かないの?タブー視されてて書くに書けないってか

あ、ただの重複のせいか、そっかそっか、ごめんごめん

ショートストーリーPart.2
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1099736023/
ちょっと短い作品を発表せよ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1076267416/
74創作名前スレ77:2009/04/08(水) 11:11:08
 没キャラバスター結★桜

 第一回 今時は結(むすぶ)君っていう名前の男の子がいるかもしれない

神永 桜「【創作名前リストno.1】創作依頼・無断使用大歓迎スレで、もれなく採用されなかった人物名の皆さんに、活躍の場を与えて成仏させてあげないと……ねぇ、遠倉さん?」
遠倉 結「もれなく採用されなかったって、意味が通じませんけどね、神永さん」
神永 桜「やだ遠倉さんってば第一声が揚げ足取り? 暗いわね」
遠倉 結「神永さん程じゃありませんけどね」
神永 桜「そういえば私、普通に貴女のこと遠倉(とおくら)さんって言ってるけど読み方間違ってないかしら。もし遠倉(えんそう)さんだったとしたらごめんなさい」
遠倉 結「いえ、えんそうっていう事は無いと思います正直。落語家の師匠みたいですし。とおくらで良いんじゃないですか」
神永 桜「ずいぶん投げやりじゃない。自分の苗字でしょ?」
遠倉 結「創作名前スレの名付け親>>79さんが振り仮名をつけませんでしたから、正しい読みは不明です。とりあえず、とおくらで良いですよ」
神永 桜「了解したわ、遠倉 結(とおくら けつ)さん」
遠倉 結「……神永さん、私も貴女のこと桜(おう)さんって呼びますよ? 今時女の子のファーストネームが、結(けつ)って有り得ますか? どう考えても結(ゆい)でしょう」
75創作名前スレ77:2009/04/08(水) 11:25:51
神永 桜「冗談よ遠倉さん。ここで創作名前スレの確認事項その一。漢字名には読み方を併記すると親切ね。せっかくの良名を埋もれさせない為に」
遠倉 結「突然どうしたんですか?」
神永 桜「創作依頼者は音感を重視する場合が多いから、例え難解な漢字を使用していなくても、仮名を振っておく事によって採用率が少し上がるわ。同じ理由で英文字もね」
遠倉 結「少し上がる可能性がある、が正しいと思いますけど、神永さん」
神永 桜「可能性といえば思ったんだけど貴女の名前、結(ゆう)さんの可能性もあるわよね?」
遠倉 結「う……とりあえず、結(ゆい)にしといて下さい」
神永 桜「了解したわ、遠倉さん。そういえば私の自己紹介が済んでなかったわね」
遠倉 結「いえ、必要ありませんよ。知ってますし」
神永 桜「私は神永 桜(かみなが さくら)。春は全国で桜が花開く季節ですけど、私の名前は吹雪が来ようとも例え季節が過ぎ去っても、神様のご加護で永遠に輝き続ける伝説の桜の木を元に名付けられました」
遠倉 結「うわっ語り出した。しかも文学少女になりきっているつもりが、安っぽいゲームのサブヒロイン的な台詞になってる事に気付いて」
神永 桜「仕方ないでしょう……名は体を表わすもの。髪が長くてちょっと暗い性格なんですから。こういう時くらい明るくしたいですもの」
遠倉 結「暗いというよりは陰し……いえ、何でもありません」
神永 桜「陰し、まで言って止める貴女こそどうなの」
76創作名前スレ77:2009/04/08(水) 11:40:47
遠倉 結「とにかく私達は、創作名前スレの>>71さんの依頼によって誕生したキャラという事ですね」
神永 桜「貴女の名前の由来も依頼に合わせて、暗い・大人しいの音が入ってるのね」
遠倉 結「それだと由来というよりアナグラムに近いですけどね」
神永 桜「さらに髪が結うほど長いことを暗示しているわ」
遠倉 結「暗示っていうか……>>79さん本人じゃないから本当のところは分からないですし」
神永 桜「でも発音の音感の美しさは貴女の方が上ね。私の場合、か・み・な・が・さ・く・ら、になるけど、全てに子音があり、母音がアに偏っている感じね。
特に苗字の最後と名前の最初が同じ母音だから続けて声に出しにくい事があるわ。貴女はと・お・く・ら・ゆ・い、続けて読み易い上に、透き通る印象の綺麗な音になるわね」
遠倉 結「ありがとうございます……読み方は仮定ですけどね」
神永 桜「さて、前置きが長くなったけど、この死んだスレを乗っ取った主旨は、創作名前スレで没キャラになっしまったがためにネットの海を彷徨う事になった浮遊霊と
未練たらたらの自縛霊の無念を晴らし、除霊もしくは浄霊を行うということね」
遠倉 結「今の説明台詞こそ長いわよ、神永さん、しかも大きなお世話だし……。具体的にはどうするんですか?」
神永 桜「もちろん、このスレに登場させて台詞を言わせるのよ。小説においては台詞こそ人格を表現する一番の手段でしょ? このスレで活用されたという事実によって名前に命を吹き込み、満足させて成仏させるのよ」
遠倉 結「もう完全に余計なお世話、むしろ晒しじゃないですか?」
神永 桜「それでは次回からゲストを呼んで儀式を執り行ないましょう、密教の作法に則って」
遠倉 結「無駄に怖い……っていうか私達ホントに没ったのかなぁ」
77創作名前スレ77:2009/04/08(水) 11:54:14
 没キャラバスター結★桜

 第二回 ぼつ★すた セントバレンタイン

神永 桜「ではさっそく没ゲスト霊を召喚しましょうか、遠倉さん」
遠倉 結「普通にお呼びしましょう神永さん……あと造語が気色悪すぎます」
神永 桜「本当は創作名前スレに書き込まれた順に呼ぶのがすじですけど、まずは創作名前スレ>>71さんの純文学系主人公(日本人・女)の依頼に対して非採用になったと思われる人達から先に処理しましょう」
遠倉 結「上から目線になれる理由は何一つありませんけどね、神永さん」

黒松 理得「かみちゃん、とうちゃん。おはよう」
神永 桜「あら黒松さん、尾桜さん、江野さん、角倉さん、おはようございます」
江野 幟花「おはよ」
遠倉 結「母さんと父さんみたいなあだ名を付けるのは止めてほしい、定着すると困る」
神永 桜「では仲良し四人組が来たのところで、某四コマ漫画の四人で類推しながら順に紹介していきましょう」
遠倉 結「比較していいんですか?」
神永 桜「もちろん。全員黒い長髪にしてそのまま暗く大人しく日本人っぽくなったと思えばいいわ」
遠倉 結「だからそれじゃこっちともキャラかぶり過ぎて辛いんですって。>>71さんも別に黒髪と限定してないですし」
78創作名前スレ77:2009/04/08(水) 12:07:56
神永 桜「まず一人目は創作名前スレの本籍>>72で、黒松 理得(くろまつ りえ)さん」
黒松 理得「どうも」
遠倉 結「本籍って……初出レスとか、他にもっと良い言い方あると思います。それにしても理恵っていうと知的な響きがあるね」
神永 桜「本籍レスを見てみると読み方を括弧でくくっているのはいいけど、黒松理得(くろまつりえ)さんってそのまま繋がって書いているのよね。
黒 松理得(くろ まつりえ)さんとか、黒松理 得(くろまつり え)さん等に間違われる可能性があるわ」
遠倉 結「日本人でそんな間違いをする人がいたらお目に掛かりたいわ」
神永 桜「確認事項その二。氏名ともに書く場合、依頼者に分かりにくい可能性があると判断した場合は苗字と名前の間は空けるか、(・)や(=)などを入れましょう」
遠倉 結「それにしても>>72ってことは、依頼主の次についたレスですね」
神永 桜「そう。但し遠倉さんと同じで依頼主である>>71さんに提供、と直接は書いてないわ。はいここで確認事項その三。今回の場合は直後の書き込みだったから実際上分かるけど、
同じ様な内容の依頼が出ていると、どれに答えているのか分かりにくくなるわ。もちろん無断使用歓迎のスレなのだから誰が全部もしくは一部を採用しようと問題ないけれど、特定の
依頼主に答えたいという場合は依頼主が最初に書き込んだレス番か、もしくは依頼主が名乗っているレス番があればそのアンカーをつければ明確になるわね」
遠倉 結「詰め込まなくていいですから……神永さんこそ、もう少し簡潔・明瞭にお願いします」
神永 桜「はい、アレでいうと双子で四女の立ち位置の人の紹介終わり」
遠倉 結「え!? 全然そんな感じしませんけど……強いて言えば、あだ名の台詞くらい?」
神永 桜「二人目は本籍>>90の尾桜 奈江(おざくら なえ)さん。本籍レスを見れば分かる通り、漢字・振り仮名併記、氏名分けも完璧。次のレスで依頼主に
ということを提示しているし、ほぼ模範解答よ。つまり三女のほうね」
尾桜 奈江「何よっ! 血なんかつながってないんだからね!」
遠倉 結「はぁ……」
79創作名前スレ77:2009/04/08(水) 12:21:41
神永 桜「模範的なツンデレでしょう? では三人目。本籍>>94の江之 幟花【えの しか】さん。確認事項その四、すみ付き括弧は依頼時だけに使った方が紛らわしくなくて良いわね。立ち位置はアレの主人公ね」
江之 幟花「どもー」
遠倉 結「アレの主人公? 語感からそんな感じを全く受けないなぁ」
神永 桜「本籍>>95の四人目はアレでも四人目の角倉 了子(すみのくら りょうこ)さん」
角倉 了子「ごきげんよう」
遠倉 結「まぁあのピンクさんは、りょうこさんって言われればそうかも」
神永 桜「但し>>71の依頼主にと明示していないから断定出来ないわ。あと角倉さんの場合は詳細設定付きで、関西弁で金には目がない商人気質」
遠倉 結「その時点で依頼からもピンクの人からも離れる事に気付いて神永さん」
神永 桜「さらに活発で積極的、キツネ目で八重歯のチャームポイント」
遠倉 結「むしろアレの教師に近付いてきたような?」
神永 桜「よくゴミ捨て場で拾った変なモノや要らなくなったものを主人公に売りつけようとしてくる、常にソロバンを持ち歩いている、寝るときはソロバンを枕にして寝る。CV:南央美」
遠倉 結「やっぱり違う。もはや偏見なのでは」
角倉 了子「そうやで〜。ところで遠はん、これ買うてくれへん?」
遠倉 結「さっきごきげんよう言ってたのは誰ですか」
神永 桜「野暮ねぇ遠倉さん。誰だって登場してからすぐの間は性格の固定なんて緩いものよ」
遠倉 結「むしろ強引に固定された感がありますが」
神永 桜「それから、ざっとググってみたんだけど角倉 了以(すみのくら りょうい)っていう歴史上の人物がいるから、元ネタになっているかもしれないわ。ウィキにもあったし」
遠倉 結「いちいちググってチェックしてるんですか? そういうところに性格が出ますね」
神永 桜「確認事項その五。ググってみてどのくらい同じ、もしくは近似した名前が検出されるか確認してみましょう、オリジナルの度合いを計る目安になるわ。
さて、これからが本番ね。皆さんでアレの四人っぽく会話をするのよ」
80創作名前スレ77:2009/04/08(水) 12:38:32
 お題 セントバレンタイン
 一コマ目
江之 幟花「りょうこさんは今日誰かにチョコあげるの?」
角倉 了子「父と兄に売ったるで〜」
 二コマ目
江之 幟花「りえは?」
黒松 理得「普段仲良くして貰ってる皆に。はい、しかちゃん」
 三コマ目
江之 幟花「なえは? フラグ立ってないみたいだけど」
尾桜 奈江「……なえっしんぐ。フラグゆーな」
 四コマ目
江之 幟花「なんだ皆つまらないセントバレンタインでしかないね」
尾桜 奈江「待てゲーム世界の住人にいわれたなえわ。よけいなえ世話だ」

神永 桜「よしっ場の形成は割りと良く出来上がったわ。
あとは私が陣を維持するから、貴女は真言を唱えるのよ!
二十七宿の中から四人の命宿をそれぞれ直線で結んだ時に交差する中央の一点に向けて
一切の雑念を払い彼女達の魂魄を剥離するための……」
遠倉 結「その前にまず各方面に謝れ」
81創作名前スレ77:2009/04/08(水) 12:48:42
 没キャラバスター結★桜

 第三回 格式と伝統は自然に備わる

神永 桜「はい、神永です」
遠倉 結「遠倉 結です、皆さんこんにちは」
神永 桜「前回は彼女達四人組を無事、天界に送る事が出来て良かった。幸先良いわね」
遠倉 結「名付け親、依頼主、四コマの元の作者とそこの四人、そして彼女達本人、謝罪先が多過ぎて目眩がします」
神永 桜「さて、では次の没無念ゴーストを折伏しましょうか」
遠倉 結「用語がいちいち気持ち悪いです。あの四人も元から無念そうじゃありませんでしたし」
神永 桜「まずはご存知ではない方のために前身のスレッドである『ファンタジーのキャラ名リスト』から解説を始めましょうか、遠倉さん」
遠倉 結「このスレタイだとファンタジーに限られまてしまいますね」
神永 桜「実際は分野を問わず、膨大な量の名前が寄せられたわ。玉石混交だったけど。前スレの>>1も途中から来ているのかどうか不明ですし、
雑然としていました。今スレ>>77は別に古参ではありませんが、確か依頼が出されるようになったのはスレ後半からだったと思います。
>>77は依頼を出した事はありませんが、名前を幾つか依頼主に挙げています。全て非採用ですけどね」
82創作名前スレ77:2009/04/08(水) 13:14:51
遠倉 結「正直あまりよく覚えていません」
神永 桜「その後【創作名前リストno.1】創作依頼・無断使用大歓迎スレッド、略して創作名前スレに継承されましたが、明確に規定も定められ、目的も創作依頼という分かり易いものになりました」
遠倉 結「別に語るほどの格式と伝統のあるスレでもないでしょう……」
神永 桜「でも前スレは2003年から有るのよ」
遠倉 結「長っ、しかもそれで2スレ目って」
神永 桜「さて、一通り解説したし非採用無念霊を呼びますか」
遠倉 結「霊の名前が定着しないですって。最初からということは前スレに遡るんですか?」
神永 桜「正直、物理的にも時間的にも無理。前スレで没した者達はまとめて無縁供養塔に祀りましょう」
遠倉 結「それで済ませるんですね」
神永 桜「では、さっそく。先ずは創作名前スレから、話が作りやすいように片仮名の没キャラの皆さんにご登場願いまして、往年の大作映画風に当てはめていきましょう。では、次回からどうそ」
83創作名前スレ77:2009/04/08(水) 13:32:11
 没キャラバスター結★桜

 第四回 没キャラの要塞

 冬の夕方、ボッツ山間部上空。ボッツ軍機に偽装したフェイラニ軍輸送機が飛行していた。
シトラ・バベス機内兵「上空です。指示を待ちます」
 機内では7人の工作員が白い防寒服に身を包み、待機していた。
シトラ・バベス機内兵「了解」
 ルングは赤い警告灯が点滅するのを見て、昼に行われた作戦会議を思い出していた。

デスド・ラーラー大佐「情報は今朝の2時に入ったが、我々が知ったのは10時だ。我々を無視するとは全く救いがたい愚か者どもだ」
 会議室でフェイラニ情報部の指揮官であるデスドが愚痴をこぼしながら、7人の工作員に向かって説明をはじめた。
デスド・ラーラー大佐「諸君! 彼はここにいる」
 壁に貼り付けてある地図を棒で指した。
デスド・ラーラー大佐「ベルセルクの町にある没キャラの城だ。没キャラの紋章が付いた者しか入れん。ボッツ軍が彼から情報を得てしまう前に救出するのが諸君の任務だ」
ルング少佐「彼は本当にそこにいますか?」
 ボッツ軍の空爆の音が遠くから響いてくる中、ルングは疑問を口にした。
デスド・ラーラー大佐「不時着したのはこの付近だし、ここはボッツ軍情報部の本部だ。ここ以外のどこに連れて行く?」
ルング少佐「何故不時着を?」
デスド・ラーラー大佐「不運としか言い様が無い。昨日の夜、アブダラアバトを爆撃した時、ボッツ軍の戦闘機は1機もいないはずが、哨戒機に遭遇してしまった」
 デスドはゆっくりと歩きながら説明を続けた。
デスド・ラーラー大佐「諸君、それはともかく。彼が機密を話してしまう前に救出する。それが重要だ」
84創作名前スレ77:2009/04/08(水) 13:42:37
ルテシア・ポセンバート「空挺部隊は?」
 工作員の1人、ルテシアが別の救出方法を提案した。
デスド・ラーラー大佐「没キャラの城には接近出来ん。強行すれば1個大隊が必要になるが、我々にはそれを用意する時間も無い」
 デスドとの応答の様子をフェイラニ海軍の提督であるネメウスが見ていた。
デスド・ラーラー大佐「諸君が得意の隠密作戦だけが望みだ。チーム編成は初めてだが、諸君は旧知の仲だ」
 デスドが工作員を見回した後、その後ろに立っている1人の男を見やった。
デスド・ラーラー大佐「ラディス中尉を除いて、な」
 背が高く、かなり若い男であり、軍服の色も違った。
デスド・ラーラー大佐「記章で明らかだが中尉はアイーシャ軍レンジャー部隊隊員だ。説明はいらんな」
 デスドは視線を戻し、また歩き出した。
デスド・ラーラー大佐「ルング少佐が指揮を執る。皆その道のプロだし、ルング、ラディス中尉、ガデュック軍曹やサーモネル、諸君らは様々な任務に従事してきた」
 デスドはネメウスが座っている席の壇上に靴音を立てて登りながら、説明を続けた。
デスド・ラーラー大佐「全員ボッツ語を話せるし、特殊戦闘にも優れている。まさに適任者だ」セシェア・ミレスティ「他に方法があります。100パーセント成功が保証された確実な方法が」
 工作員の1人で手前に座っているセシェアが発言した。
デスド・ラーラー大佐「カルロイド提督と私があらゆる可能性を考えた末だ。他に何がある?」セシェア・ミレスティ「フェイラニ空軍を集結し10トン規模の猛爆を加えて下さい。城の人間で話す者は誰一人としていなくなります」
 セシェアの過激な提案にデスドは目を瞑った。かわりにネメウスが話した。
メネウス・カルロイド提督「どうやら事態が分かっとらんようだな。捕まっているカーケン将軍はアイーシャ人だ。彼を殺せばアイーシャのポードルイ将軍はボッツより先に我々を攻撃しかねん。同盟国との友好関係は維持したい」
セシェア・ミレスティ「……」
 ネメウスの論理的な回答に、セシェアは無言で、仕方なく納得させられた様子であった。
85名無し物書き@推敲中?:2009/04/08(水) 13:52:46
ケデニラ・カルカ操縦士「用意を。間もなくだ」
 いよいよ時間が来たので、7人が立ち上がって待っていた。
シトラ・バベス機内兵「待機!」 
 赤い警告灯が緑に変わった。
シトラ・バベス機内兵「降下!」
 搭乗口から荷物と工作員が次々に出て落下し、パラシュートを開いた。7人が降りたその後少しの間を置いて、機内の仕切られた部屋から1人の女が出てきて降下した。
 
 雪原に着地したルングは荷物が落下した場所に行き、整理し始めた。少しずつ工作員達が集まって来た。
ルング少佐「ガデュックは?」
 ルングの指摘で1人足りない事に気付いた工作員達は辺りを見回した。
アレスト・ラディス中尉「あっちのほうに流されていくのを見ました」
 アイーシャ人のアレストが風下の方を指差した。
ルング少佐「そうか。散会して捜索しよう」
86創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:03:25
 ばらばらになって捜索していると、ルテシアがガデュックを発見した。
ルテシア・ポセンバート「少佐!」
 大声で呼びかけたので、全員がそちらのほうに向かった。ルングが到着すると、そこにはガデュックが倒れていた。ルングが生死を確認をした。
ルング少佐「首が折れている」
セシェア・ミレスティ「Damn it」
 ルングはガデュックの装備を確認し始めた。
カソク・リローデッド「埋葬しますか。それともこのまま……」
ルング少佐「2、3時間もすれば雪が積もり隠れる。お前達は向こうの装備を集めてこい。私は無線機を持っていく」
 工作員達が荷物の方に向かった。他の全員が見えなくなったところで、ガデュックの服の内ポケットから手帳を取り出た。
ページを開いて無線機のアンテナを伸ばし確認した。その後、死体の首の後ろを確認すると、あざがあった。
パラシュートを死体の上に被せていると工作員達が戻ってきた。
ルング少佐「無線機は無事だ。谷の小屋で装備を点検する」
ルテシア・ポセンバート「住人は?」
ルング少佐「ここはアルプスの牧草地だ。5月に牛を連れてくるが9月には山を降りる。この時期は完全に人がいなくなる。では行こう」
87創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:13:32
 吹雪の中、杉林を抜けて小屋に到着した。ルングがランプに火を灯す。
セミウル・サーモネル「別に俺以外にも、皆どうにか自分の分を料理出来るでしょう?」
 工作員の1人、セミウルがルングに不満を口にした。セミウルはメンバーの中で1人だけ料理がかなり上手であった。
ルング少佐「セミウル、それは私達みんな出来る。お前はコック。コックだ。メシとコーヒーを飲んだ後、ロンドンに連絡する、無線機で……!」
 ルングが何かに気付いたようで言葉を詰まらせた。
ルング少佐「Damn it. 暗号表はガデュック軍曹の服に」
 セミウルとセシェアが驚いて振り向いた。
セシェア・ミレスティ「私が行って取ってきます」
ルング少佐「いやいいんだ。私がうかつだった。外はまだ吹雪いてるな」
 ルングは窓の外を見て天候を確認し、脱ぎかけた防寒具を着直した。
ルング少佐「1時間以内に戻らなかったら照明弾で場所を教えてくれ」
カソク・リローデッド「ボッツ軍に気付かれます」
ルング少佐「付近にはいない。私が戻るまでここを出るな。セミウル、コーヒーをとっておけ」
料理の準備をするセミウルに注文した。
セミウル・サーモネル「冷めますよ」
ルング少佐「そのほうが美味いだろう」
 セミウルが笑って料理を始めると同時にルングは外に出て行った。
吹雪がひどく、足跡はすぐに消えることが分かると、
ルングは少し迂回しながら山小屋の裏手にある牧草庫に向かった。
88創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:23:36
 中に入ると真っ暗だった。妙な物音が聞こえたのでマッチに火をつけてランプに火を点けた。
レプシア・ルウ「動かないで」
 突如、女性の声が聞こえたのでルングは固まった。
レプシア・ルウ「そのままでこっちを向いて」
 ルングが回るとレプシアは安心した様子であった。
レプシア・ルウ「遅かったわね」
ルング少佐「忙しかった。無事か?」
レプシア・ルウ「凍死しかけたわ。お湯とか防寒具が欲しかった。愛してないの?」
 レプシアがルングの元に歩み寄った。
ルング少佐「装備は持ってきたな」
レプシア・ルウ「それがあいさつ?」
ルング少佐「そうだ。通信士が殺された」
レプシア・ルウ「どうして?」
ルング少佐「後頭部を殴られていた、ナイフか銃床で。肌に損傷は無いが事故に見せ掛けて首を折った」
 ルングが早口で続けて任務の説明をし始めた。
ルング少佐「明朝、次の谷の尾根に行く。出会わないように注意しろ。日が暮れたらベルセルクに行く。
村の酒場ドルト・ガルフの裏に木の小屋がある。そこで翌朝8時に落ち合おう」
レプシア・ルウ「その後は?」
ルング少佐「明日教える。……おぉ用意周到だな」
 ルングがレプシアの用意したパンツを見て言った。
レプシア・ルウ「それより酒場や小屋の事をなぜ知っているの?」 
ルング少佐「……」
レプシア・ルウ「私には知る権利がある」
ルング少佐「お前には何も知らないでいる権利がある」
 ルングがランプの火を消した。
レプシア・ルウ「私達は3年間一緒に仕事してきた。私はプロよ」
ルング少佐「私もだ」
レプシア・ルウ「結婚も考えた……」
 ルングがキスをして黙らせた。
レプシア・ルウ「時間有るの?」
ルング少佐「無いさ。お前もだろ?」
89創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:33:40
 山小屋では食事も終り、アレストがコーヒーを飲みつつ銃を整備しながらルングの帰りを待っていた。戸が開くと銃を構えたが、ルングであることを確認した。
アレスト・ラディス中尉「遅かったな」
ルング少佐「運よく美人に出会った。吹き溜まりに寝ていた」
アレスト・ラディス中尉「連れは?」
ルング少佐「置いてきた。待たせたな」
アレスト・ラディス中尉「問題ない」
 セミウルがコーヒーを用意した。ルングは机に置いた無線機のアンテナを伸ばし、暗号帳を見た。
ルング少佐「中尉も少し寝たほうがいい。2、3時間もしたら夜明けになる。セミウルも」
アレスト・ラディス中尉「そうしよう」
 無線機から信号を発信したが雑音しか流れなかった。
ルング少佐「……出ない」
アレスト・ラディス中尉「嵐のせいか?」
ルング少佐「そうだな。朝まで待とう」

 翌朝、6人が城に近い山林の所まで来ていた。
ルング少佐「中尉は来い。あとはここに」
 ルングとアレストが歩を進めた。
ルング少佐「無線機は置いて行こう」
 林を抜けると突如として視界が開けたため城が見えた。断崖絶壁の上に聳え立つ様子はまさに天然の要塞であった。ルングが双眼鏡で城を覗いた。
アレスト・ラディス中尉「みんな正気じゃない。あんたの所の大佐は、誰がどうやってあそこに入れると言ってるんだ?」
ルング少佐「かつてボッツ軍総司令部に潜入していた大佐の考えだ」
アレスト・ラディス中尉「彼が何だって?」
ルング少佐「40から43年はボッツ軍内部に、その後は首都ガッツの軍総司令部に潜入し生還した」
アレスト・ラディス中尉「そうは見えん」
ルング少佐「それより現実を……。部下を森の中に戻せ、接近しすぎだ」
アレスト・ラディス中尉「あんたは?」
ルング少佐「すぐに行く。森に戻せ」
アレスト・ラディス中尉「了解」
90創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:44:12
 ルングはアレストが見えなくなることを確認すると、無線機の置いてきた場所に移動し通信を試みた。
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、どうぞ」
エベル・トイン通信士『オヌスンディ=キマシタからオレノポーケ=ツトニヤへ、アブドル神父が待ってる』

 フェイラニ通信室でネメウスが通信機の前に座った。後ろにはデスドが様子を見守っていた。
メネウス・カルロイド提督「アブドル神父だ、オレノポーケ=ツトニヤ、現在位置を教えろ。どうぞ」

 森。
ルング少佐「城の西の森だ。夕暮れには降る。ガデュックは死んだ」

 フェイラニ通信室。
ルング少佐『どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「ガデュックの死は事故死なのか? どうぞ」
ルング少佐『違う。どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「ボッツ軍に? どうぞ」

 森。
ルング少佐「違う。次の連絡は未定だ。そちらは準備を」

 フェイラニ通信室。
ルング少佐『どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「大佐と共に任務完了まで待つ。幸運を。以上」
 ネメウスとデスドは通信を終えると通信室から隣の部屋に移動した。
デスド・ラーラー大佐「危惧した通りになりましたね……」
メネウス・カルロイド提督「やはりな……。次は誰だ。ルング本人か」
デスド・ラーラー大佐「私はそうは思いません。世の中には第六感を持っている人もいますが、彼は第六感、第七感、そして第八感まで持っています。彼は最高の部員です」
メネウス・カルロイド提督「君自身を除いて? だが例え彼が最高の部員だとしても、この作戦は不可能に思える」
 ネメウスは憂鬱な気分から逃れることは出来なかった。
91創作名前スレ77:2009/04/08(水) 14:54:28
 ルングは通信が終わるとアレストのところへ移動した。
アレスト・ラディス中尉「城のすそを見ろ」
 二人で双眼鏡を覗き麓の状況を確認した。犬の鳴き声と車が走る音、それに歩兵が行進する靴音に掛け声などが聞こえていた。
ルング少佐「ドーベルマンだ」
アレスト・ラディス中尉「あぁ。ドーベルマンに警備塔に鉄条門もある」
ルング少佐「鉄条門は切れる、中尉」
アレスト・ラディス中尉「でも越えられん、高圧電流が流れてる。少佐、もし俺が間違っていないなら、向こうのあれは兵舎だ」
ルング少佐「間違っていない。ボッツ軍山岳部隊の司令部だ」
アレスト・ラディス中尉「他に耳寄りな情報は?」
 これから行う任務に対しあまりに障害が多過ぎて、アレストが悲観的になっている事がルングに伝わってきた。
ルング少佐「恐れる事は無い中尉。ここは人の出入りが激しい。600人の新顔の中の6人の新顔が入ってきても気にされん」
アレスト・ラディス中尉「少佐、これは主としてフェイラニの任務だ。俺はアイーシャ人だ。俺は一体何故ここにいるのかさえ知っていない」
ルング少佐「中尉がここにいる理由、それはまさしく君がアイーシャ人だからだ」
 最後まで言い終わらないうちに上空をヘリコプターが通り過ぎた。2人が伏せて双眼鏡を覗くと、ヘリは城に向かっている事が確認できた。
92創作名前スレ77:2009/04/08(水) 15:05:34
 没キャラの城の中庭にボッツ製の最新式ヘリコプターが着地した。まだプロペラが止まらないうちに、
風に当たりながら送迎のためものすごい数のボッツ兵と下士官、准士官、そして士官が出てきて四方を囲むうように整列した。
ナンがヘリから降りてきた。城の総責任者のテベートが敬礼と握手で出迎えた。
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「テべート、髪に少し白いものが入ったんじゃないか?」
テべート大佐「年です」
 2人は旧知であり元々仲が良く、軍内部の派閥も同じであった。テベートは開戦してからほとんど城を出ないために、かなり久しぶりの対面であった。
テべート大佐「ガッツはどうですか?」
 女性兵士を含めた大勢の兵士が直立不動で見守る中、2人はゆっくりと歩き出した。
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「変わったぞ。このヘリはどうだ?」
 ナンとテベートが振り返ってヘリコプターを見た。
テべート大佐「怖いですね」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「一度乗ってみろ」
 テベートが歩きながら部下の上級士官4人をナンに紹介し始めた。
テべート大佐「ミロシェビッチ少佐、私の副官」
 手を斜め上真っ直ぐに突き出す、ボッツ式敬礼を行う儀礼的なものであった。
テべート大佐「ジルメト少佐、バラク大隊隊長」
 ナンも軽く敬礼し返す。
テべート大佐「エラーキン大佐、戦地安全官」
 次々と部下を紹介していき、次が最後の士官であった。
テべート大佐「フォン・ハッサン少佐、ファンカラス」
 1人だけ明らかにかなり真横に近い敬礼をした。エラーキンが横目でじろっとハッサンを睨み付けた。
他の軍人の服はグレーやグリーンで似たり寄ったりであったが、ハッサンだけがボッツ秘密警察ファンカラスの
真っ黒い服に身を包んでいた。しかも少佐といってもかなり若いため、一際目立つ存在であった。
ナンがゆっくりと敬礼した後、テベートと2人で中庭を横切るように歩き始めた。
ハッサンに聞こえないくらい距離が出来た後、ナンがテベートに話し出した。
93創作名前スレ77:2009/04/08(水) 15:15:37
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「尋問は?」
テべート大佐「未だです」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「フォン・ハッサン少佐は、ここにカーケン将軍がいることを既に?」
テべート大佐「知らせましたが、さほどの関心は……」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「良し。可能な限りファンカラスは遠ざけたい、必要な情報を得るまでは」
テべート大佐「えぇ」
 ボッツ秘密警察の略称であり泣く子も黙るファンカラスの悪名を知らない者は、今や国内はおろか国外にも誰一人としていなかった。
戦争が長引き戦線が拡大するにつれて軍は疲弊するばかりであったが、ファンカラスは逆に組織が膨張し、国内の他の諜報機関と
衝突しながら政治勢力としても増長していった。政府高官や軍上層部もファンカラスの影に怯えるまでになっていた。
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「混乱を招くだけだ。軍当局で処理したい」
テベート大佐「私も賛成です」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「うむ。しかしガッツからの旅で疲れた。カーケンに会う前に一眠りしたい」
 2人は一度中庭を振り返り上空を仰ぎ見た後、中庭から続く階段から城の奥に入っていった。
テべート大佐「お部屋に案内します」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「ありがとう、頼む」
テべート大佐「尋問はお好きな時に」
アン・カーシラン・ガオメデット将軍「そう言えば聞いてくれテベート。この間司令部で……」
94創作名前スレ77:2009/04/08(水) 15:25:40
 夕方、ルング達はベルセルクの街に貨物列車が走り去った後に、隠れるようにして線路を横断していった。
雪が積もっている中で白い服を着ていたため6人は目立たずに倉庫に入る事が出来た。
防寒具を脱いでルングとアレストは士官の冬用軍服に、他の4人は兵士の迷彩服になった。
様子を伺いながら外に出た。後ろから来た軍用車両を避けたりして風景に溶け込みながら村に向かって歩いていた。
 橋を渡り始めると教会の鐘の音が遠くから響いてきた。前方には検問所があり、すれ違う兵士に敬礼しながらアレストは緊張していた。
身分証明などは偽造してあるが、なるべく呼び止められたくはなかった。
マイキッジ検問兵「身分証明を」
 向かいから来る兵士2人が呼び止められていた。
ルング少佐「そうだ。何度も手紙を書いたが……」
アレスト・ラディス中尉「何?」
 突如として話し掛けてきたルングにアレストは少し戸惑ったが話を合わせる事にした。
ルング少佐「彼女は私を覚えておらんのだ。私の思い上がりだった」
アレスト・ラディス中尉「彼女の名は?」
ルング少佐「フセインだ」
アレスト・ラディス中尉「フ……フセイン。あぁ覚えいてる。確か赤毛で小柄な……」
 無事検問所を通りベルセルクの中央にある酒場、ドルト・ガルフ酒場の前まで辿り着いた。
95創作名前スレ77:2009/04/08(水) 15:39:26
ルング少佐「そこに入ろう。店内を歩いてカーケン将軍の情報を集めろ。では30分後に」
 ルング達はドルト・ガルフ酒場店内に入った。リズミカルな曲を実際に演奏しており、多くの男女が所構わず踊っていた。
かなり大きい部屋だが、兵士や店員でほぼ満員状態であり、酒の臭いと煙草の煙が立ち込めていた。
ルングとアレストは入り口で軍服の上着を脱いで店員に預けながら、視線をバーカウンターの1点に向けていた。
漆黒の軍服を着用しボッツの国旗をそのまま腕章につけている事で、すぐにファンカラスである事が分かった。しかも3人もいた。
ルング少佐「ビールを」
 別のバーカウンターでビールを注文した。ルングがある女性店員に目を留めた。
ルング少佐「あとで」
 
 ルングはわざと見知らぬ士官2人がいるテーブルの席に座った。その女性がテーブルの所に来て士官2人に話し掛けた。
ロハーネ・カリュカ「ほかになにか? おーぅ」
 ルングはロハーネの腰を掴んで引き寄せた。
ルング少佐「このアルプスの花の名は?」
ロハーネ・カリュカ「ロハーネよ。離して」
 今の行為に士官2人は不愉快になった。
ルング少佐「帝国軍人の接待が仕事だろう。歌を聴かせる」
ロハーネ・カリュカ「はっはっは。たくさんよ」
ルング少佐「じゃあ口笛だ」
 ♪
ロハーネ・カリュカ「あっはっははは。確かにいい声してそうね」
ルング少佐「ありがとう」
 ルングはロハーネの頭を寄せると他に小声で指示を出した。
ルング少佐「……5分後に小屋へ。思い切りぶん殴れ……」
ロハーネ・カリュカ「おーう! おう!」
 ロハーネはルングをぶつと、不機嫌な感じの足取りで店の奥に行った。
ユッディーン少佐「少佐、帝国士官の不名誉になることはするな」 
 特に不快そうになっていたロハーネに直接話し掛けられた方の士官であるユッディーンが、ルングの素行を糺した。
ルング少佐「少佐さん、いつ私に話し掛けていいと言ったか? ゴルド・ボルドルン少佐。この苗字は何を意味するか?
私は君がこれから、君自身の将来を気にするように助言しておこう。理解なされたか?」
 ルングの脅迫にも似た忠告にユッディーン達2人は何も発言する事が出来ず沈黙した。ルングはすぐに席を立ち、アレストのいるバーカウンターに戻った。
96創作名前スレ77:2009/04/08(水) 15:53:40
ルング少佐「コニャックを」
アレスト・ラディス中尉「俺もだ。カーケン将軍の情報はどうなった」
ルング少佐「なかった」
アレスト・ラディス中尉「じゃあ、あの少佐と何を話していた?」
ルング少佐「ボルドルンの兄弟だと言ってやった」
アレスト・ラディス中尉「! ……カウンター・パンチか」
ルング少佐「効いたぞ。すぐ戻る」

 ルングは酒場を出てすれ違う兵士に敬礼を返しながら、目立たないように裏手の小屋に入った。すぐにレプシアとキスをした。
ルング少佐「服を脱げ」
レプシア・ルウ「でも私」
ルング少佐「文句言わずに脱げ」
レプシア・ルウ「わかった」
ルング少佐「そうじゃなかったな」
ルング少佐「今夜城へ行け。家政婦として」
レプシア・ルウ「裸で?」
ルング少佐「刺激的過ぎるな。ボッツは人手不足だ。城も例外ではない」
ルング少佐「君なら合格だ。若くて知的で美人、冗談も分かるしな」
レプシア・ルウ「正気なの?」
 2人とも座って蝋燭に火を灯し、説明を続けた。
ルング少佐「ならここにいないさ。コーショ・ガーデンから20分後にバスで着く。名前はミリエ・ロッナでゴッツ・フォルフ出身だ。結核を患って離職、ロハーネという従姉妹が酒場にいる。彼女の紹介で城へ行く。ブーツを」
レプシア・ルウ「身分証明証は?」
ルング少佐「旅行証明証もある。あとはロハーネが」
レプシア・ルウ「周到な準備ね」
ルング少佐「偽造部の苦心の作だ」
レプシア・ルウ「おかしいじゃない。カーケン将軍が不時着したのは昨日の朝よ」
97創作名前スレ77:2009/04/08(水) 16:07:07
ルング少佐「あれは作戦だ。機はソカイ・タユ基地飛行場に不時着した。
機銃で穴を開けられて……フェイラニ製の弾でな。しかし穴は穴であり穴に違いはない」
レプシア・ルウ「そのアイーシャの将軍を救出するために命を懸けるわけ?」
ルング少佐「もちろん違う。もう片方のブーツを……。彼がカーケン将軍が替玉であることが発覚する前に潜入したい。
彼は第2戦線のことなど何も知らん。アイーシャ軍のサヤ・キセ伍長、元俳優さ。ダイコンだが将軍に生き写しだ。
偶然将軍のファーストネームと彼のファミリーネームが同じことでもあるしな」
レプシア・ルウ「あなたが説得してこの任に?」
ルング少佐「彼が志願した。成功すれば生涯の名演技になる。君の任務ももうすぐ終わる」
レプシア・ルウ「そうね。一夜のお勤め?」
 小屋の戸がノックされたのでルングは銃を構えて錠を外した。入ってきたのは酒場の女性店員、ロハーネだ。
ルング少佐「紹介する。君の従姉妹のロハーネだ。銃は持つな、彼女が指示を与える。ロハーネは優秀な情報部員だ。魅力的な……」
 ルングがロハーネの胸元を見ながら言った。ロハーネは満面の笑みだったが、レプシアは微妙な表情であった。 

 ルングは小屋を出て酒場に戻る途中、雪を被った軍帽が落ちているのを発見した。
座って拾い上げ、辺りを見回して確認すると、軍用車両の影に部下の工作員であるセミウルの血まみれの死体があった。
今度は偽装などもされておらず、無造作に放置してあった。

ルング少佐「3分後に急いで出て行ったか。他の者は?」
アレスト・ラディス中尉「このとおり混んでいて出入り口もほかにあるし、分からん」
 ルングはアレストにセミウルが殺された事実を話した。
アレスト・ラディス中尉「少佐、俺に隠し事をするなら協力しないぞ。通信士は誰かに殺されたし
サーモネルも死んであと5人だ。教えないとそのうち4人になるぞ」
ルング少佐「分かった中尉。今朝、この任務になぜアイーシャ人を加えたかと君は訊いたな。その理由は……」
98創作名前スレ77:2009/04/08(水) 16:17:23
 酒場でロハーネがファンカラスのハッサンと話していると、顔見知りが来たので小走りに駆け寄った。
ロハーネ・カリュカ「オウノウ……おぅ! ミリィエ! ミリエ来たのね」
レプシア・ルウ「私のいとこロハーネ、会いたかったわ」
ロハーネ・カリュカ「……ファンカラスよ……。うれしい!」
 抱き合っている間に小声で注意を促すと、ハッサンが近付いてきたのでロハーネが互いを紹介した。
ロハーネ・カリュカ「紹介するわ。フォン・ハッサン少佐よ。従姉妹のミリエ・ロッナ」
フォン・ハッサン少佐「従姉妹が来るとは聞いていたが、ロハーネ! こんな美人だとは言ってなかったぞ」
レプシア・ルウ「ありがとう」
 ハッサンは明らかにレプシアに惹かれているようであった。
フォン・ハッサン少佐「城へ上がる時は私に護衛の名誉を」
レプシア・ルウ「ありがとう」
ロハーネ・カリュカ「そして私も一緒に」
フォン・ハッサン少佐「両手に花で光栄だ」
ロハーネ・カリュカ「そうね」
フォン・ハッサン少佐「では後ほど」
 
 ロハーネとレプシアが2階に上がり準備を整え始めた。 
ロハーネ・カリュカ「これが城の見取り図。そして指令書。よく読んで」
 その時、かなり外が騒がしいので2人は窓から外を見下ろした。軍用車両が酒場の前に何台も集結していた。
99創作名前スレ77:2009/04/08(水) 16:28:08
 ルングとアレスト、それにセミウルを除く工作員の部下、計5人が集まっていた。
カソク・リローデッド「彼は見当たりません」
ルング少佐「出るなと命令しておいたのに」
セシェア・ミレスティ「探してきます」
 その時、店の中に笛の音が鳴り響き、大量の軍人が銃を構えて入ってきた。
5人も含め、店員や元からこの場にいた軍人達も動揺しており、店内に残っていた
ファンカラスの部下2人も特に行動することもなくつっ立っていた。
 警備の責任者であるエラーキンが入ってきて、店内全体を見渡せる壇上に立った。
エラーキン大佐「注意しろ!」
 エラーキンが発言を始めると店内が一気に静かになった。人の言動や行動の細部に対して
非常に神経質であることで、城や麓の街でも有名な大佐であった。
エラーキン大佐「我々はテトマ・ユアスからの脱走兵グループ4、5人を捜している。
逃げるために士官2名と詰所の軍曹を殺害した。最後に彼らがここに向かっているのが確認されている」
ルング少佐「考えたな」
 ルングは少し感心した様子であったが、アレストは苦りきった表情を見せた。 
エラーキン大佐「第13、14及び第15の各分遣隊上級士官はすみやかに前へ進み出ろ」
 エラーキンは一段降りて、直立不動の分遣隊長の1人に命令した。 
エラーキン大佐「身分証明証を」
ルング少佐「諸君、名案はないか」
 カソク、ルテシア、セシェアの3人は沈黙していた。 
ルング少佐「中尉」
アレスト・ラディス中尉「店内よりは外の方がまだ望みがある」
ルング少佐「賛成だ。諸君、終戦後に会おう」
 5人は席を立ちエラーキンの元へ向かった。エラーキンは先ほどの分遣隊長を詰問しているところだった。
エラーキン大佐「これらの書類はテトマ・ユアスの第4機甲師団に在籍しているという事を証明するものだ。いつ発行を受けた?」
ルング少佐「大佐」
エラーキン大佐「何だ少佐」
ルング少佐「我々が当時者です。降伏します」
エラーキン大佐「……中尉、兵3人を連行して尋問しろ。士官は私と来い」
100創作名前スレ77:2009/04/08(水) 16:38:11
ハッサン少佐「失礼」
 レプシアは、下のロープウェイ乗り場にハッサン、ロハーネと共に来た。
レプシアとロハーネは遠くに聳え立つ城を見上げていた。
レプシアはルングの事を心配している事を隠し切れない様子であった。
ここのロープウェイは操作出来るのは上の乗り場のみなのでハッサンは電話で呼び出していた。

 上のロープウェイ乗り場アキラが電話に出た。
アキラ・カナメ操作兵「はい」

 ロープウェイ乗り場(下)
ハッサン少佐「フォン・ハッサン少佐だが」

 ロープウェイ乗り場(上)
アキラ・カナメ操作兵「! イエッサー」
 操作してケーブルカーを移動させた。

 ロープウェイ乗り場(下)
ハッサン少佐「お嬢さん」
 三人は城へ上がっていった。
101創作名前スレ77:2009/04/08(水) 16:52:00
 ルングとアレストは他3人と別れて、エラーキンが使う車両に乗って山中の雪道を走り、城へ向かっていた。
ルングは後部座席中央に、アレストは前部座席中央というかなり辛い位置に座っていた。
このまま黙って連行されれば、任務達成はおろか命まで無くなる事は容易に想像出来た。
しかしエラーキンを含め左右4人に挟まれて常に銃を向けられており、脱出は困難であった。
ルングとアレストはミラーでそれとなく目配せをしあった。
イクル・アセシナ警備兵「動くな!」
アレスト・ラディス中尉「靴ヒモを……」
 アレストは靴ヒモを結びなおす振りをして、いきなり助手席のイクルを外にたたき出して殺した。
後部座席ではルングが隣の警備兵の機関銃を奪おうと、エラーキンと共に揉み合っていた。
そのうちに機関銃が暴発してしまい運転手が死亡した。
エラーキン大佐「ああーっ」
 操作不能のまま車両は工事中の路肩に突っ込み、エラーキンは窓を突き破って外に飛び出して死亡、
ルングの隣にいたもう1人の警備兵もいつの間にか死亡していた。
ルング達は死体を全て車に乗せた。
アレスト・ラディス中尉「車を処分するか」
ルング少佐「谷へ落とそう。押してな」
ルング少佐「よし、押せ。押せ」
 車は谷底に激突する前に爆発して落ちていった。
102創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:02:22
 レプシア、ロハーネ、ハッサンの3人は城の受け付けに来ていた。ハッサンが交互に紹介した。
フォン・ハッサン少佐「こんばんは中尉。こちらはミス・ロッナ」
フォン・ハッサン少佐「モンシェール・ローレル中尉だ。彼女は大佐の秘書官で城の全女性職員の責任者だ」
モンシェール・ローレル中尉「身分証明を。貴女もよ」
 レプシアとロハーネが身分証明証を提出した。ロハーネはモンシェールと初対面ではなく、不愉快な表情が出ていた。
中庭からは行進の訓練をしている声と足音が聞こえてくる。
モンシェール・ローレル中尉「こちらに」
フォン・ハッサン少佐「ではまた会いましょう」
 レプシアはハッサンから荷物を受け取った。
レプシア・ルウ「ありがとう」
 レプシア達が行ってしまい他に誰もいなくなると、ハッサンは受け付け席に腰掛けて記入用紙を見ていた。
103創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:18:27
 すると別の戸が開き、テベートと目が合った。
フォン・ハッサン少佐「! ……」
テべート大佐「なにか面白いものでも見つかったか? 少佐」
フォン・ハッサン少佐「……」
 戸を閉めてテベートが受け付け席まで煙草を持ちながら受け付け席に来た。
テベート大佐「そこの村でひと騒ぎあったそうだな」
 ハッサンは立ち上がり用紙を置いて、つまらなそうに答えた。
フォン・ハッサン少佐「いいえ、別に大した事はなにもありませんでした。5人の脱走兵を逮捕しただけです」
テベート大佐「そして事実は全く違う。それらは命令されたものだ。実際に彼らは、ボッツの軍服を着た5人のフェイラニ国諜報部員だった」
 ハッサンの表情がサッと曇った。
フォン・ハッサン少佐「フェイラニ諜報部員? なぜ知らせない?」
テベート大佐「今、知らせた」
104創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:29:48
フォン・ハッサン少佐「……あなたが逮捕の命令を出したならだ、大佐。彼らが何者でどこにいたのか、あなたはしばらく前から知っていたに違いないな?」
 ハッサンはゆっくりとテベートの方に近付きながら質問した。
テベート大佐「君のオフィスと私室に電話をしたが、いなかった」
 ハッサンは次第に声を荒げ始めた。
フォン・ハッサン少佐「大佐、思い出して頂く必要も無い事だが私はここの全地域でのファンカラス活動を統括する指揮官だ。
そして、外国人のエージェントがいれば直ちに私に情報を知らせることになっている、そうですね!」
テベート大佐「しかし君がいなかった、少佐」
フォン・ハッサン少佐「だったらあなたが捜せ大佐」
テベート大佐「君を見つけるためにそこらじゅうの酒場を捜し回るのが私の任務ではない!」
 ハッサンはかなり近付き、テベートの顔を覗き込んだ。普段から冷静なテベートも、ハッサンが楯突くのを止めないために段々興奮してきた。
フォン・ハッサン少佐「私は職責を果たしている。しかし、あなたの忠誠心は?」
テベート大佐「思い出してもらおうか少佐。私は君が脅すことが出来る中尉ではなく、親衛隊の大佐だということを!」
フォン・ハッサン少佐「大佐、あなたの階級と地位は明白です。そして、ガッツの上官と私を共に侮辱しようとするあなたの試みもそうだ」
テベート大佐「もし何か不名誉になる事があるとすれば、それは君自身がもたらした事だ。失礼」
 テベートは強引に話を打ち切るとハッサンに背を向け、部屋に戻っていった。
105創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:40:01
 (ここから諸般の事情で台詞小説風にします)

 城中の一室
ロハーネ・カリュカ「鍵をかけて」
ロハーネ・カリュカ「装備はここに」
ロハーネ・カリュカ「拳銃、双眼鏡、ヒモに鉛よ」
レプシア・ルウ「準備してたの?」
ロハーネ・カリュカ「先週からね」
レプシア・ルウ「全て知ってるの?」
ロハーネ・カリュカ「えぇ。幸運を祈るわ、私の従姉妹」
106創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:50:06
 倉庫
ルング少佐「これも」
アレスト・ラディス中尉「作戦は全て的に筒抜けじゃないのか」
ルング少佐「かもしれんな」
 ルングは通信機を取り出し通信した。
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、どうぞ」
 
 ファイラニ通信室
ルング少佐『オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、どうぞ』
エベル・トイン通信士「オレノポーケ=ツトニヤです」
エベル・トイン通信士「オヌスンディ=キマシタからオレノポーケ=ツトニヤへ、どうぞ」
 
 倉庫 
ルング少佐「サーモネルは殺されポセンバート、リローデッド、ミレスティは捕らえられた。これより潜入する」

 ファイラニ通信室
ルング少佐『輸送の用意を。どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「撤退しろ危険だ。どうぞ」

 倉庫
ルング少佐「冗談だろう、どうぞ、以上」
107創作名前スレ77:2009/04/08(水) 17:58:25
 ファイラニ通信室
メネウス・カルロイド提督「これは命令だオレノポーケ=ツトニヤ、どうぞ」
メネウス・カルロイド提督「オレノポーケ=ツトニヤ、オレノポーケ=ツトニヤ?」
メネウス・カルロイド提督「オレノポーケ=ツトニヤ」
メネウス・カルロイド提督「オレノポーケ=ツトニヤ!」
エベル・トイン通信士「応答しません」
デスド・ラーラー大佐「Damn it!」
デスド・ラーラー大佐「私の責任です」
メネウス・カルロイド提督「私達の責任だ。そして作戦を発案したのは私だ」
デスド・ラーラー大佐「私も年です」
メネウス・カルロイド提督「私こそな。しかしこれで明白だな。敵はフェイラニのウイラ・ルールイン内部に精通し、その動きを逐一ボッツに流している」
デスド・ラーラー大佐「一体誰が……今回も極秘に計画して、人選も……」
メネウス・カルロイド提督「極秘か。もはや笑い話だな」
108創作名前スレ77:2009/04/08(水) 18:08:29
 倉庫
 外が騒がしくなった。捜索隊が来たようだ。
ルング少佐「客だ」
ルング少佐「窓を開けろ」
アレスト・ラディス中尉「了解」
 窓から外に出て川岸に身を潜めた。捜索隊が倉庫内を調べた。
士官が線に引っ掛かったため倉庫が爆発した。それとともにそこら中が爆発しまくった。
2人乗りバイクを奪うためにアレストが1人を刺し殺し、ルングがもう1人を射殺した。
バイクで移動した。

 山道
 ルング達は爆薬を設置した。

 ロープウェイ乗り場(下)
 ロハーネはロープウェイを降りた。兵士がいやらしい目で見ていた。

 車庫
ルング少佐「バスにバッグを積んでエンジンを調整しろ」
ルング少佐「どうだ」
アレスト・ラディス中尉「キーを回して」
ルング少佐「あぁ」

 ロープウェイ乗り場(下)
ジョルエス大尉「そうだ、ジョルエス大尉だ。捕虜3名を城へ」

 ロープウェイ乗り場(上)
アキラ・カナメ操作兵「了解」

 ロープウェイ乗り場(下)
 ロープウェイ乗り場の建物の上からカーの上に乗った。
109創作名前スレ77:2009/04/08(水) 18:18:32
 カーの上からロープウェイ乗り場(上)の屋根
 ルングとアレストは乗り場の屋根に飛び移った。アレストは危く落下しそうであったが、ルングの手につかまってなんとか登れた。

 城の外壁
 レプシアが垂らしたヒモを登ろうとしていた。
ルング少佐「これを残しそれをロープに」

 城の部屋
ルング少佐「死にそうだ」
レプシア・ルウ「こんな任務はもう年だから無理よ」
ルング少佐「温かいお言葉をどうも。ここに来て初めて汗をかいた。城の見取り図は?」
レプシア・ルウ「あるわ」
ルング少佐「見せろ」
レプシア・ルウ「手を貸せば?」
ルング少佐「一人で十分登れる。私に出来たんだ」
ルング少佐「左のドアから階段を下りて右へ曲がって東棟へ。下りて左が電話交換所か」
アレスト・ラディス中尉「おま……手をお貸し願いたい」
アレスト・ラディス中尉「隠し女が大勢いるな、少佐」
ルング少佐「同志のレプシア・ルウ。ラディス中尉だ」
レプシア・ルウ「はじめまして」
アレスト・ラディス中尉「よろしくレプシア」
ルング少佐「ロープと爆薬を部屋に運べ」
110創作名前スレ77:2009/04/08(水) 19:07:01
 城の中庭に近い道
ルング少佐「どうだ」
アレスト・ラディス中尉「静かだ」
ルング少佐「ヘリが使えると将軍を連れ去られる」
アレスト・ラディス中尉「爆破しよう」

 城の電話交換室
アレスト・ラディス中尉「ハロー?」
ウオラット=アダメイ電話交換室の兵士「うっ! うぅっ!」
 アレストがウオラットを射殺した。
 
 城の中庭
ルング少佐「パイロットか?」
ナー・ニナツ・ヤースミッテ操縦士「はい」
ルング少佐「電話が掛かっている。そこの左の奥だ」
ルング少佐「煙草はあるか、中尉?」
ネシル・ランジェイ中尉「はい、どうぞ」
ルング少佐「さすがに冷えるな」
ネシル・ランジェイ中尉「本当に」

 城の電話交換室
 アレストがナーを刺し殺した。
ルング少佐「早いな」
アレスト・ラディス中尉「怖いがゆえの勢いさ。次は?」
ルング少佐「サヤ・キセの様子を見に行く」
111創作名前スレ77:2009/04/08(水) 19:23:58
 城の会議室
テベート大佐「将軍、あなたは事態を非常に難しくしている。本当に非常に難しい」
サヤ・キセ伍長「大佐、少しも困難なことはない。ガオメデット将軍はボッツがシェローバート条約の加盟国である事を忘れたのか?」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「私は忘れてないが、ガッツ最高司令部からの命令だ」
サヤ・キセ伍長「言えるのはこれだけだ。私はキセ・イークラッタ・カーケン将軍、アイーシャ合衆国陸軍、RA123-025-3964だ」
テベート大佐「第2戦線の計画を立てる主要人物のひとりだ」
サヤ・キセ伍長「それはどの第2戦線のことかね?」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「将軍、私はもう出来ること全てをした。ファンカラスの介入を防ぎ、あなたを逮捕した事実だけでアイーシャは作戦を変更すると具申したが、最高司令部は十分でないと言っている。情報を提供したまえ」
サヤ・キセ伍長「キセ・イークラッタ・カーケン将軍、アイーシャ合衆国陸軍所属だ」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「……。お前に任せるテベート」
テベート大佐「将軍、ご承知の通り私たちは自白剤を持っている。なるべく使いたくはないが、しかし」
サヤ・キセ伍長「スコポラミンか。効果があると思うかね、大佐」
テベート大佐「他にもある。中尉はここの正看護婦だ」
 電話が掛かってきた。
テベート大佐「失礼。はい。あぁ。彼らは私たちが思った通りか? いいぞ。ここに連れて来い。他の2人に関する詳細は分かったか? また報告しろ」
テベート大佐「おもしろい連中が来るぞ、将軍」
サヤ・キセ伍長「……」
テベート大佐「薬は必要なくなるかもしれない」

 城の会議室2階の廊下
アレスト・ラディス中尉「もう動くべき時ではないのか?」
ルング少佐「もう少し待とう。我慢強くな」
112創作名前スレ77:2009/04/08(水) 19:37:38
 城の一室
 レプシアが準備しているとハッサンが来てノックした。
レプシア・ルウ「ちょっと待って」
フォン・ハッサン少佐「お嬢さん。お邪魔だったかな?」
レプシア・ルウ「いいえ、私は出かける予定でした」
フォン・ハッサン少佐「そうか、間に合ったようだ」
レプシア・ルウ「少佐、何かご用?」
フォン・ハッサン少佐「そうだ」
レプシア・ルウ「何?」
フォン・ハッサン少佐「あぁ……。ただ貴女に会いたかっただけだ。つまり、それが犯罪ではないかということなんでしょうか?」
レプシア・ルウ「いいえ」
フォン・ハッサン少佐「ここは美人が少なくて。スーロボーダン・ミローシェヴィッチ流に歓待したい。ここに武器庫を改造した立派なカフェがある」
レプシア・ルウ「でも大佐の秘書に呼ばれているの」
フォン・ハッサン少佐「大佐の秘書には少しの間待ってもらおう。私はあなたと是非話したい」
レプシア・ルウ「何をかしら?」
フォン・ハッサン少佐「ラドヴァーン カラージットだ」
レプシア・ルウ「ラド?」
フォン・ハッサン少佐「1929年から1933年までの何年間も私はそこで学生生活を送った」
113創作名前スレ77:2009/04/08(水) 19:51:30
 城の会議室
テベート大佐「では諸君、健康に乾杯」
テベート大佐「将軍、飲まんのか?」
テベート大佐「しかし無理もない。なにしろ助け舟がまわし者だと分かったのだからな」
テベート大佐「それで、諸君。計画ではどういう脱出ルートになっているんだ?」
カソク・リローデッド「シェロバランドです」
テベート大佐「かなり安全なルートだ。ヤマト川をゴムボートで渡ってドンロンに戻る。そして諸君はカーケン将軍は既にガッツに移送されていたと報告する」
ルテシア・ポセンバート「ドンロンに戻る? ご冗談を。まだルングとラディスが生きているというのに」
テベート大佐「心配いらん。ルング少佐の不幸な結末も報告するんだ」
セシェア・ミレスティ「彼が死んだ?」
テベート大佐「まだ確信出来る段階ではないが、そうなるように手配している」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「少し時間がおしている。肝心の事を急げ」
テベート大佐「はい」
テベート大佐「私は、求めている情報を教えることができるくらい状況が変化したと思うが?」
サヤ・キセ伍長「何も変わっていない、大佐」
テベート大佐「残念なことだ……」
 テベートが合図すると、モンシェールが鞄から自白剤を取り出した。
114創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:03:58
 その時、ルングとアレストが来た。
ルング少佐「まさしくスコポラミンの浪費だな。全員動くな。大佐、よしたほうがいい。中尉はそっちを」
ルング少佐「おそろいでご歓談のところを邪魔してすまんな。中尉、銃を捨てろ」
アレスト・ラディス中尉「なに?」
ルング少佐「銃を捨てて座れ」
アレスト・ラディス中尉「いったいなにを言っている?」
ルング少佐「座れ!」
アレスト・ラディス中尉「少佐、もしここを生きて出たら100倍にして」
ルング少佐「無駄な事は言うな中尉」
ルング少佐「お前の国の言葉で言うと、お前はパンクだ。おまけにかなり二流のパンクだな」
テベート大佐「もし私に何らかの説明があるのなら聞こうか」
ルング少佐「すぐに分かります大佐、機は熟した」
ルング少佐「スコポラミンを打てば分かった事だが、彼はカーケン将軍ではなく、将軍に扮しているアメリカ人俳優のサヤ・キセ伍長だ」
サヤ・キセ伍長「お前は誰だ」
ルング少佐「旅の者さ。薬はテーブルの端に座っている私の友人達に使えば効果がある。彼らこそが真の敵です」
カソク・リローデッド「将軍、やつの言うことを聞かないでください。これは罠です!」
ルング少佐「静かにしてろ!」
ルング少佐「自己紹介を。ヴァラビア・レラン少佐、親衛隊情報部、テトマ・ユアス出身」
テベート大佐「それを証明出来るか?」
ルング少佐「しましょう大佐。その前に警備兵を1名を呼んでほしい。話しながら監視は出来ません」
 テベートが電話で警備兵を呼んだ。
115創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:14:57
 カフェ
フォン・ハッサン少佐「おかしいな」
フォン・ハッサン少佐「私は確か、大聖堂が広場の反対側にあったのを覚えているように思えるが」
レプシア・ルウ「あら……」
フォン・ハッサン少佐「もちろん、私は間違えているかもしれない。長い時間が経っている」
レプシア・ルウ「いいえ、少佐。私が間違ったと思います。3年間もラドに行ってないし、時が経つと忘れるのは非常に簡単です」
フォン・ハッサン少佐「そうだな。簡単だ……」
レプシア・ルウ「……」
フォン・ハッサン少佐「お嬢さん、貴女は先程から少し話題を逸らされるように思えるが」
レプシア・ルウ「!」
フォン・ハッサン少佐「何か問題がありましたか?」
レプシア・ルウ「いいえ、そんなことは。ただ少し頭痛がして。長旅だったので」
フォン・ハッサン少佐「おぉそうだった。なのに私ときたら、ラドのようなつまらん昔話をしてしまって。許して頂けるでしょうか?」
レプシア・ルウ「いいのよ」
フォン・ハッサン少佐「では、それではあと1杯だけ飲んで部屋まで送ろう」
レプシア・ルウ「ありがとう」
フォン・ハッサン少佐「ウェイトレス!」
116創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:25:03
 城の会議室
ルング少佐「さて、物事の順序として最初の議題は、彼等が本当は何者であるのか、そしてここに来て何をしているかを明らかにしていくことにしよう」
ルング少佐「最初に中尉だ。彼は暗殺者でアイーシャ情報組織ロールシャッハのメンバーだ。ガオメデット将軍とテベート大佐を射殺するのが彼の任務だった」
ルング少佐「次に、カーケン将軍。彼の任務は2つあった。第1に第2戦線について偽りの情報を与える事。
第2にフェイラニに救出部隊派遣の完璧な口実を与える事だ。
その結果、フェイラニ情報部の3名を潜入させられる。彼ら3人がウイラ・ルールインのメンバーだ」
セシェア・ミレスティ「それは嘘だ!」
テベート大佐「最後まで話させろ!」
ルング少佐「実の3名に替ってボッツ軍最高司令部に潜入するのがこの3人の任務だ。
ドンロンで働いていた、本物のポセンバート、リローデット、ミレスティは既に約1ヶ月前、情報活動中に逮捕されている」
ルテシア・ポセンバート「それも嘘だ。どれも証明出来ない」
ルング少佐「そうかな? 何か反論はあるか、中尉?」
アレスト・ラディス中尉「……」
ルング少佐「カーケン将軍は本名と階級、認識番号を言え」
サヤ・キセ伍長「……!」
 ルングが発砲し椅子に当たった。
サヤ・キセ伍長「……サヤ・キセ、アイーシャ合衆国陸軍伍長、RA:123-025-3964」
テベート大佐「!!」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「!!」
ルング少佐「よろしい」
117創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:35:39
ルング少佐「巧妙に3名の替え玉を送り込んだフェイラニの次の作戦は何か?
ボッツ最高司令部に潜入する方法は? シンプルだ。偽のアイーシャの将軍に不時着を演じさせ
派遣した救出隊に故意に失敗させ、3名をガッツに送り込むことが出来る」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「そしてレラン少佐、お前に与えられた任務は何だ」
ルング少佐「隊を先導して、シェロバランドを通って脱出を」
テベート大佐「とても信じられん……」
ルング少佐「はい。しかし、フェイラニにとっては非常に簡単な作戦でした」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「自分の素性を証明出来ると言ったな?」
ルング少佐「しましょう将軍」
ルング少佐「もし私がフェイラニのスパイなら、私は何のために城に潜入した?
自分を逮捕してもらうため? もしくは偽将軍を救出するため? それとも3名の素性を暴露するためか?
フェイラニのスパイがフェイラニの作戦を暴露して、何か得るものはありますか?」
ルング少佐「また、彼ら3名が本物であるとすれば、彼らはフェイラニ内部にいるボッツのトップ・エージェントの名前を知っているはずですね」
テベート大佐「うむ」
ルング少佐「尋ねたらどうですか?」
ルテシア・ポセンバート「!」
カソク・リローデッド「! ……」
セシェア・ミレスティ「……」
ルング少佐「今回の任務を指令した人物は?」
セシェア・ミレスティ「私たちは指令を受けただけでこちらからは接触できない、極秘任務だからだ。
指令した人物まで知る必要がない、よって知らされていない!」
ルング少佐「しかし、私は知っている」
 ルングがテベートに自分の手帳に書いたトップ・エージェントの名前を見せた。
テベートはナンに、その名前が正しい事を頷いて伝えた。
118創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:47:42
ルング少佐「次に大佐、あなたには、大陸で最も強力な無線機を持っている。ジャーマンの司令部のグレゴリー・グラブネル元帥の部下で情報部長のメッサー・シミト少佐に電話して下さい」

 ジャーマン情報部
 メッサーは寝ている所を起こされた。
ナゲッパナンシー・イラーイン兵士「少佐、少佐。少佐!」
ナゲッパナンシー・イラーイン兵士「没キャラの城のテベート大佐からから電話です」
ナゲッパナンシー・イラーイン兵士「緊急だそうです」
メッサー・シミト少佐「はい、シミト少佐です聞こえますか。はい大佐」

 城の会議室
テベート大佐「彼について証明出来るか?」

 ジャーマン情報部
メッサー・シミト少佐「それは必要でないでしょう。彼の右の前腕を見れば明白です」

 城の会議室
テベート大佐「右腕を見せろ」
ルング少佐「はい」
メッサー・シミト少佐『2つの平行な傷跡が約3センチメートル間隔であります』
テベート大佐「あるぞ、少佐」
119創作名前スレ77:2009/04/08(水) 20:57:45
 ジャーマン情報部
メッサー・シミト少佐「その傷の由来を聞いて下さい」

 城の会議室
テベート大佐「由来は?」
ルング少佐「生まれつきです」
テベート大佐「彼は生まれつきだと」

 ジャーマン情報部
メッサー・シミト少佐「それは正しいです。彼に『反逆者め』と言って下さい」

 城の会議室
ルング少佐「彼に『裏切り者が』と言って下さい」

 ジャーマン情報部
メッサー・シミト少佐「はっはっはっはっは。彼はレランです! 間違いありません」

 城の会議室
テベート大佐「ありがとう少佐」

 ジャーマン情報部
メッサー・シミト少佐「ありがとう、大佐。おやすみなさい」
メッサー・シミト少佐「水をくれ」
120創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:07:48
 城の会議室
ルング少佐「本物のボッツ・スパイであるポセンバート、リローデット、ミレスティは
フェイラニで対抗的スパイ活動を行うためのスパイ網を築く事が任務だった。
彼らがもし本人達であると主張するのであれば、フェイラニで活動するスパイのリストを
列挙することが出来るはずだ。それを私が持っているリストと照合すればいい」
セシェア・ミレスティ「大佐、これは何かの陰謀です。彼は、レランでも何でも……先ほどから何かが変なのです!」
ルング少佐「よし、まだ言い張るか。お嬢さん、ペンとノートを幾つか用意してくれ。どっちが本当なのか、すぐに分かる」

 城の一室の前
フォン・ハッサン少佐「おやすみ、ミリエ。あなたは素晴らしい」
レプシア・ルウ「おやすみ、そしてありがとう」
フォン・ハッサン少佐「もっと親しくお付き合いしたいな」
レプシア・ルウ「はい」
フォン・ハッサン少佐「では、おやすみ」
レプシア・ルウ「おやすみ」
121創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:17:50
 城の会議室
 ルングは3人が書いた手帳を回収してテベートに渡した。ルングはアレストに目配せした。
ルング少佐「どうぞ」
 テベートが見終わると、自分の手帳を渡した。
ルング少佐「では私のオリジナルと比べて下さい」
 ルングの手帳はまったくの白紙であった。
テベート大佐「警備!」
 ルングは警備兵を射殺した。
ユーゴスラヴィ アチトー警備兵「うっ!」
 アレストは銃を拾い上げた。
ルング少佐「諸君、動くな」
アレスト・ラディス中尉「座ってろ!」
アレスト・ラディス中尉「……二流のパンクだと?」
ルング少佐「つい口をついて出た」
アレスト・ラディス中尉「頭にくるぜ」
ルング少佐「すまん」
ルング少佐「書き落としは無いだろう」
テベート大佐「それらのノートが目的か」
ルング少佐「貴重な名簿だ」
テベート大佐「彼らは。本人達なのか」
ルング少佐「そうだ。疑惑の人物達だった。機密情報は漏洩するし、役に立たない情報は入ってきていた。
突き止めるのに数週間かかった。しかし確証がなかったし、何よりもスパイの名簿が欲しかった。
そのための作戦だ」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「さっきのシミト少佐は? グラブネル元帥の情報部長の」
ルング少佐「彼は私が枢軸側トップ・エージェントの1人であると本当に信じている。
彼に数年間にわたって、誤った情報や役に立たない遅れた情報を流している。それでは諸君……」
フォン・ハッサン少佐「動くな!」
122創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:27:53
 全員が振り向くと、ハッサンが2階の階段に立って銃を向けていた。
フォン・ハッサン少佐「全員、そのままにしているよう警告する」
フォン・ハッサン少佐「少佐、銃を捨てろ」
フォン・ハッサン少佐「中尉もだ」
フォン・ハッサン少佐「暖炉の方へ下がれ」
テベート大佐「来てくれたことを神に感謝するよ少佐。私たちはほとんど」
フォン・ハッサン少佐「座れ、大佐!」
フォン・ハッサン少佐「私が、いったい何がここで話し合われていたのか事実を知るまで、全員そのまま残ってもらう」
テベート大佐「何を言ってるんだ。確認するまでもなく、この場で」
フォン・ハッサン少佐「座れ! 大佐」
ルング少佐「少佐、ことは非常に簡単だ。中尉と私が、総統暗殺の陰謀を暴露したところだ」
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「馬鹿な事を……」
フォン・ハッサン少佐「将軍! 座れ」
ルング少佐「これらの人々は皆、第三帝国を打倒する共謀に関わっている。
私のポケットには、すべての反逆者の名簿がある。
あなたが私たちを遮るすぐ前に、全員を逮捕したところだ」
テベート大佐「フェイラニで潜伏中のボッツ人エージェントの名簿だ!!」
ルング少佐「少佐、簡単に信じているとは思っていない。しかし、私の名簿を見れば明白だ」
フォン・ハッサン少佐「見せろ」
フォン・ハッサン少佐「急ぐな少佐。ゆっくりと取り出せ」
フォン・ハッサン少佐「持ってこい」
フォン・ハッサン少佐「持ってこい!」
アレスト・ラディス中尉「ルング」
 レプシアが戸を開けた事にハッサンが気を取られた隙をついてアレストがハッサンを射殺した。アレストは電話を取ったテベートを射殺した。
テベート大佐「あぁっ」
 アレストは銃を拾ったナンを射殺した。
ナン・カーシラン・ガオメデット将軍「うっ」
 アレストは逃げようとしたモンシェールを射殺した。
123創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:37:56
ルング少佐「お前ら立て! 下がれ。手を上げろ」
ルング少佐「手を上げろ!」
ルング少佐「キセ、彼等を縛れ。レプシア、バッグを持って来い」
アレスト・ラディス中尉「この3人をどうする」
ルング少佐「連れて行く。遅いぞレプシア」
レプシア・ルウ「もともと城に来るなんて事知らなかったもん」
ルング少佐「3人を見張れ」
ルング少佐「中尉、爆発で私たちが生きてここを出ることが出来るくらいの混乱を作る」
アレスト・ラディス中尉「少佐、さっきから俺が同じくらい混乱しちまってるぜ」
ルング少佐「兵器庫を爆破させると、城は敵襲だと考えるだろう。分割して攻撃する。通信室は反対側だな。別れて通信室で会おう」
ルング少佐「レプシア、行くぞ」
ルング少佐「お前達は自分が置かれた立場を完全に理解しろ。誰か1人が少しでも叫ぶなら、全員を殺すことになる。分かったか? キセ、銃を」
ルング少佐「行け」
ルング少佐「行け!」
サヤ・キセ伍長「動け!」
124創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:48:39
 城の会議室
 アレストは爆薬を設置していた。
 城の廊下
ルング少佐「キセ」
 城の書物庫
 ルングは爆弾を設置した。
 城の会議室
 アレストは戸が開けられたら爆発するように仕掛けて外へ出た。
 城の廊下
 進もうとしたら兵士が歩いてきた。
ルング少佐「下がれ、早くキセ、レプシア。そこの中へ入れ」
 部屋に隠れてやり過ごした。
 城の武器庫 
アレスト・ラディス中尉「よろしい」
アレスト・ラディス中尉「やぁ」
トトマン・ピロクテテス兵士「うっ」
 アレストはトトマンを射殺した。
モーア・ツスギテシムル兵士「うぁっ」
 アレストはモーアを射殺した。
 城の通信室近くの部屋
ルング少佐「早く入れ」
ルング少佐「これを」
 城の窓
 アレストは中庭に爆弾を放った。
 城の通信室近くの廊下
 アレストはルングと合流した。
125創作名前スレ77:2009/04/08(水) 21:58:43
 城の通信室
 アレストは当直兵士をナイフで静かに殺そうとしたが気付かれた。
 ジェロ・バトー通信室当直兵士「……」
 ルングは直後に当直兵士を射殺したが、警報ボタンを押された後だった。城全体に警報が鳴り響き、兵士がぞろぞろ出てきた。
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ、オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ」
アレスト・ラディス中尉「客が来たぞ」
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ」
 アレストとボッツ兵士達が機関銃での銃撃戦を展開した。 
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ」
 時限爆弾が各所で爆発した。
ルング少佐「オレノポーケ=ツトニヤからオヌスンディ=キマシタへ」
セミヨル・ナキオーリ士官「お前達は行け、司令官に報告を」
 やっと応答があった。 
メネウス・カルロイド提督『オヌスンディ=キマシタからオレノポーケ=ツトニヤへ、どうぞ』ルング少佐「輸送の準備を、どうぞ。理解できますか?」

 フェイラニ通信室
ルング少佐『どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「了解。入手したか? どうぞ」
ルング少佐『全て入手した。どうぞ』
メネウス・カルロイド提督「罪を許す」
126創作名前スレ77:2009/04/08(水) 22:11:12
 城の通信室
 途中で電源を元から切られた。
メネウス・カルロイド提督『ぁ……』
ルング少佐「Damn it!」
ルング少佐「ポセンバートを出せ。早く」
セミヨル・ナキオーリ士官「今だ!」
ルング少佐「出て下りろ。さっさと下りろ!」
 窓からルテシアをロープで降ろした。
アレスト・ラディス中尉「来るぞ」
 ルング達は別の部屋に隠れた。
セミヨル・ナキオーリ士官「伍長!」
 セミヨルがルテシアを射殺した。
ルテシア・ポセンバート「うっ! うぅ……」
 中庭でも爆発が始まった。
セミヨル・ナキオーリ士官「出るぞ。出ろ! 出ろ!」
 兵士達が居なくなった。 
ルング少佐「よし。中尉、ロープを」

 城の階段
 下から兵士が来た。
ルング少佐「戻れ、戻れ」
 アレストが一斉に射殺した。
 
 城の廊下
ルング少佐「よし、そこを右だ」
 消火活動をしている横を抜けた。
127創作名前スレ77:2009/04/08(水) 22:25:38
 城の廊下
ルング少佐「急げ、行け」
 戸を閉めた際にルングの手に弾が当たった。
ルング少佐「Damn! Blast it!」
アレスト・ラディス中尉「行こう」

 城の服がある部屋
ルング少佐「ロープをほどけ」
ルング少佐「コートを着ろ。凍死するぞ。急げ」
 窓からロープを垂らし、降りていった。
ルング少佐「ミレスティ」
 ミレスティ等も降ろした。

 各所では爆発が続いていた。
 城の外壁
ルング少佐「キセは後だ。レプシア」
ルング少佐「見張れ」 

 会議室を開けた兵士らも爆死した。
 ロープウェイ乗り場(上)の屋根
ルング少佐「見張れ」
 乗り場は無人であった。アレストが先に乗り場に下りた。
アレスト・ラディス中尉「ドアを閉めてきた」
ルング少佐「操作出来るか?」
アレスト・ラディス中尉「始動ボタンがある」
ルング少佐「押してみろ」
アレスト・ラディス中尉「動いた」
ルング少佐「よしいいぞ。こっちへ動かせ。屋根に下りる」
ルング少佐「レプシア、連れて来い」
レプシア・ルウ「行って」
128創作名前スレ77:2009/04/08(水) 22:36:19
ルング少佐「カーの上に下りろ」
ルング少佐「下りろ!」
 カソクとセシェアがカーの上に乗り移動した。カソクはわざと転げ落ちた。
カソク・リローデッド「あぁっ!」
 アレストが近付くとセシェアが上から飛び掛った。
ルング少佐「危ない!」
 カソクはアレストに蹴りをいれた。
アレスト・ラディス中尉「うっうっ……」
 アレストは気絶した。
ルング少佐「ラディス。ラディス?」
 セシェアはアレストの懐から銃を取った。
ルング少佐「ラディス!」
セシェア・ミレスティ「ルング、奴は倒した!」
セシェア・ミレスティ「ルング、取引しよう」
セシェア・ミレスティ「俺たちをカーで麓まで下ろせば、ラディスを殺さん」
ルング少佐「……」
セシェア・ミレスティ「ルング!」
ルング少佐「まだ生きているかどうか見せろ」
セシェア・ミレスティ「今、見せる」
セシェア・ミレスティ「カーに乗れ」
 セシェアはアレストが生きている事を見せ、機械を操作してカーに乗って下に移動し始めた。
129創作名前スレ77:2009/04/08(水) 22:47:04
 カー
 しかし、ルングもカーの屋根に乗り移って爆薬を仕掛け始めた。 
セシェア・ミレスティ「貸せ」
 セシェアは屋根に向かって銃を乱射したが当たらず、弾が無くなった。
セシェア・ミレスティ「Damn it!」
 セシェアは銃を叩き捨て、窓を開けた。
セシェア・ミレスティ「上がれ、殺せ!」
 カソクが窓から上に上がろうとするが、ルングがピッケルを振り回し妨害した。
カソク・リローデッド「うあっ」
 しかし後ろの窓からセシェアが上がってきてルングの足を掴んだため身動きがとれなくなり、ピッケルが屋根に刺さったままカソクと取り合いになった。
ルング少佐「うぅう」
 ルングが何とかセシェアの顔面に蹴りを入れた。
セシェア・ミレスティ「うぁっ」
 足が弛むと、ルングは何とかピッケルをとって、カソクの腕に突き刺した。
カソク・リローデッド「うあぁあああああぁ……」
 カソクはカーの中にずり落ちてしまった。しかしセシェアに再び両足を掴まれた。ルングはそのままセシェアを窓が開いてない方に移動させた。
セシェア・ミレスティ「! う、ウワ……止めてくれ、頼む…………」
 カソクがなんとかセシェアを掴もうとするが届かない。
セシェア・ミレスティ「リローデッド! 助けてくれ。リローデッド……、う、うわっうわぁあああああ………………」
 セシェアは谷底に転落した。ルングは向かいから上がってきたカーに飛び移った。その後、カソクの乗るカーは爆発した。
130創作名前スレ77:2009/04/08(水) 23:01:05
 城の中庭
 中庭では消火活動と、塞がれた扉を銃で叩く作業が行われていた。
リュック士官「ロープウェイへの通路はここしかないぞ! 何としてもここを打ち破れ!」 
 ロープウェイ乗り場(上)
 アレストは気がついた。
レプシア・ルウ「中尉」
アレスト・ラディス中尉「……少佐は?」
レプシア・ルウ「ロープウェイに」
 
 城の中庭
 銃では効果が薄いと気付いたのか、ハンマーを2人で打ち付けることに変えた。
リュック士官「交代しろ! 敵はロープウェイで脱出しようとしているぞ!」

 城の廊下
 やっと扉を打ち破って突入した。
リュック士官「突入! 突入しろー!」

 乗り場出入り口の扉
リュック士官「開かん……ハンマーを!」
 またもや爆薬などは使わず、ハンマーで叩く事にした。

 ロープウェイ乗り場(上)
 操作してレプシアとサヤを乗り場に下ろした。
ルング少佐「キセ、バッグを」
ルング少佐「行こう」
 4人はカーに乗って下り始めた。
131創作名前スレ77:2009/04/08(水) 23:31:08
 ロープウェイ乗り場(下)
ロバート・シェン士官「そっちからも狙え。各員配置につけ。まだ撃つな、十分ひきつけてからだ」

 カー
ルング少佐「3分半後に爆破しろ」
ルング少佐「まだか」
アレスト・ラディス中尉「すぐだ」
ルング少佐「キセ、レプシア」
アレスト・ラディス「出来た」
ルング少佐「行け!」
 4人は川に飛び降りた。

 ロープウェイ乗り場(上)
 上の乗り場出入り口の扉がついに破られ、兵士達が操作室に入った。リュック士官がロープウェイを停止させた。
リュック士官「下の様子を見ろ!」

 ロープウェイ乗り場(下)
ロバート・シェン士官「一斉射撃!」
 カーが穴だらけになり、突如大爆発した。
132創作名前スレ77:2009/04/08(水) 23:47:02
 輸送機
デスド・ラーラー大佐「あと25分だ」
ケデニラ・カルカ操縦士「来てますかね」
デスド・ラーラー大佐「神のみぞ知る、だ」

 車庫
 ルング達はバスに乗った。ロハーネが既に準備していた。
ルング少佐「頭を低く」
 扉を破って、走り出した。銃撃戦が始まった。

 兵舎
ハッド・リクザリフ士官「緊急事態だ。ソカイ・タユ基地に繋げ」

 山道 
アレスト・ラディス中尉「客だ」
ルング少佐「ミラーで見える」
アレスト・ラディス中尉「ポールは未だか」
ルング少佐「次を曲がるとすぐだ」

 兵舎
ハッド・リクザリフ士官「ソカイ・タユ基地か? 司令官室を出せ」

 山道
 各ポールを倒して回った。電柱が爆破され電線が切れた。また、倒れてきた電柱で追跡の後続車両の一部が進めなくなった。

 兵舎
ハッド・リクザリフ士官「……?」
133創作名前スレ77:2009/04/08(水) 23:58:35
 山道
 木の根元を爆破して倒れてきたため追跡車両の進む道を塞いだ。
ニッチューア・ツーテゥ・ゴケン士官「下りろ! 進路を確保するんだ!」
 兵士が下りて車両を一旦下がらせ、木を爆破する準備をしていた。また、バイクは木の根元を大きく迂回して先行させた。

 橋
ルング少佐「準備しろ」
 ルングはバスを止めて、2人で橋の下に爆薬を設置していた。

 山道
ニッチューア・ツーテゥ・ゴケン士官「爆破!」
 木は爆破され、道が開いた。

 橋
 バイクで先行した兵士2人をレプシアが射殺した。
ルング少佐「残りを取り付けて出るぞ」
 ルングがバスに乗ると追跡車両が来た。アレストもなんとかバスに乗った。直後橋が爆破され、追跡不能になった。
134創作名前スレ77:2009/04/09(木) 00:08:38
 輸送機
ケデニラ・カルカ操縦士「ソカイ・タユ管制塔へ、ソカイ・タユ管制塔へ」

 ソカイ・タユ
スアンムーン管制官「ソカイ・タユ管制、どうぞ」

 輸送機
ケデニラ・カルカ操縦士「エンジントラブル発生、不時着の許可を、どうぞ」

 ソカイ・タユ
スアンムーン管制官「所属を、どうぞ」

 輸送機 
ケデニラ・カルカ操縦士「イレミキ・トフトフイ中尉、第3爆撃中隊、夜間訓練中だ。エンジンが故障し降下している、どうぞ」

 ソカイ・タユ
スアンムーン管制官「着陸を許可する、どうぞ」

 輸送機
ケデニラ・カルカ操縦士「降りる、以上」
 
 ソカイ・タユ
 輸送機が着地した事を確認すると、バスで侵入した。途中で飛行機に激突し爆破した。警報が鳴り響き、警備車両との銃撃戦が展開された。
スアンムーン管制官「ソカイ・タユから126航空師団へ、126航空師団へ、どうぞ」
ルング少佐「管制塔を」
スアンムーン管制官「あぁーっ」
 ルング達は輸送機になんとか乗った。
ルング少佐「伏せろっ」
 次々と車両から銃弾が浴びせられたが、なんとか輸送機は飛び立つ事が出来た。
135創作名前スレ77:2009/04/09(木) 00:18:41
 輸送機
デスド・ラーラー大佐「リローデッドがこれを?」
ルング少佐「はい」
デスド・ラーラー大佐「彼がね……信じられん」
ルング少佐「ポセンバートとミレスティも」
デスド・ラーラー大佐「3人も?」
ルング少佐「……」
デスド・ラーラー大佐「なんてことだ」
ルング少佐「しかしそのリストには肝心の大物が1名抜けています、大佐」
デスド・ラーラー大佐「いったい誰だ、少佐」
ルング少佐「私が持っている手帳に書いてある。テベート大佐もこの男がスパイ網の中心人物だと認めた」
 ルングは自分の手帳を見せた。
ルング少佐「あなたの名だ大佐。予期していただろう。発覚するのを恐れ、迎えに来た」
デスド・ラーラー大佐「続けろ」
 デスドはルングに銃を向けた。
ルング少佐「カルロイド提督は以前からお前達を疑い、誰も信用できんのでレプシアと私をジャーマンから呼び戻した。
あなたが私を選んだのは、情報で知っていたからだ。私が2重スパイだと。だが私は違った。提督はそれを承知していた」
デスド・ラーラー「何の証拠も無い事だ、ルング」
ルング少佐「あるとも、大佐。私に銃を向けている。違うかな?」
デスド・ラーラー大佐「続けろ」
ルング少佐「レプシアは影の協力者として城への潜入を手伝った。中尉はアイーシャ人なのでウイラ・ルールインと何の関係も無く、
チームでただ一人信頼出来た。ガデュックやサーモネルも殺されるまで信用出来なかった」
136創作名前スレ77:2009/04/09(木) 00:29:48
デスド・ラーラー大佐「興味満点のおとぎ話だな。しかし真実は違う。真実は」 
ルング少佐「終わりだ、大佐」
デスド・ラーラー大佐「……何か忘れていないか?」
ルング少佐「何も。カルロイド提督は機まであなたを送り、あなたに銃を持たせた。しかし銃針は抜いてあるはずだ」
デスド・ラーラー大佐「……」
 デスドは引き金を引いたが、発射されなかった。
ルング少佐「捨てろ大佐」
 デスドが銃を捨てると、アレストが銃を構えた。
ルング少佐「慌てるな中尉、逃げやせん」
デスド・ラーラー大佐「この後はどうする、少佐?」
ルング少佐「反逆罪だ」
デスド・ラーラー大佐「内密に願いたいな。私だけでなく、フェイラニ諜報機関とカルロイド提督のためにも」
ルング少佐「絞首台からロープに吊り下がるのは辛いぞ」
デスド・ラーラー大佐「そうか。もう逃げ場は無いらしいな」
ルング少佐「無いな、大佐」
デスド・ラーラー大佐「ほかの方法を」
ルング少佐「望むなら」
デスド・ラーラー大佐「うむ。ありがとう」
ルング少佐「待った。手帳を」
 デスドはルングに手帳を渡すと、輸送機のドアを開けた。
デスド・ラーラー大佐「……………………」
 デスドが消えた後に、アレストがドアを閉めた。
アレスト・ラディス中尉「終わりか、少佐?」
ルング少佐「あぁ終わった、中尉」
アレスト・ラディス中尉「次の作戦はフェイラニ純血主義で頼むぜ」
ルング少佐「努力しよう、中尉」
137創作名前スレ77:2009/04/09(木) 01:10:06
 没キャラバスター結★桜

 第五回 まる半日かかって片仮名キャラのみ

神永 桜「神永 桜です」
遠倉 結「遠倉です……しんどい……第四回が長すぎるし、しんどすぎますよ神永さん……書き込みに半日かかりましたし……」
神永 桜「でもやりがいあったじゃない。没の片仮名キャラをみんな成仏させる事が出来て」
遠倉 結「やりがいって何? たいした工夫も無く、映画『●落の要塞』の人名や地名や用語名を没キャラと入れ替えただけの話じゃないですか。
キャラクター名だっていうのに用語にしちゃったり、本当に満足してるんですか彼・彼女達は?
しかも途中から挫折してほぼ台詞のみになったし、話がほとんど同じじゃパロディにすらなってませんし」
神永 桜「文句が多いなぁ遠倉さんってば。分かった分かった。次の平仮名キャラからは自作でするから安心して」
遠倉 結「それはそれで、どうにもならなそうで不安ですけど……まぁ疲れたからこれでオチましょうか」
神永 桜「では、また次回。この没キャラバスター神永 桜が! 西方浄土に! 逝かせてあげるわ!」
遠倉 結「何かをパロってるような気がしますけど語呂悪い感じですし、脳が考えたくないって言ってますし、
世代も違うっぽいので付き合いませんからね神永さん。おやすみなさい」
138創作名前スレ77:2009/04/10(金) 02:36:32
 没キャラバスター結★桜

 第六回 平仮名のみのキャラってよく考えたら少ないわ

神永 桜「神永です」
遠倉 結「遠倉です」
神永 桜「今回は創作名前スレに自縛している、平仮名の没キャラ残留思念体を登場させて安らかにして差し上げましょう」
遠倉 結「第四回の没キャラの要塞っていう回で、どっと疲れたんですけど……また一気にするんですか?」
神永 桜「いえ、今回は短く。何故かというと題名通りで、創作名前スレでも平仮名だけのキャラは数えるほどしかいなかったわ。それではどうぞ」

神永 桜「あら、向こうから勇者一向がおいでになったわ」
遠倉 結「勇者って……」
ああああ「やぁ、この町の住人のかただね。勇者ああああです。始めまして」
かおる「やっと着いたわね、早く宿に行ってお風呂に入りたいわ」
ちあき「ずっと町が見付からなくて大変だったもんね」
ふみお「ああああが方向オンチなのに任せろって言うから、こういうことになるんだ」
神永 桜「激・滅!」

神永 桜「いやぁ、今日も良い仕事が出来ましたね、遠倉さん」
遠倉 結「なんで勇者のパーティが雑魚モンスターの集まりみたいに倒されてるんですか」
神永 桜「次回からはカタカナキャラと同じくらい多い、漢字キャラの往生に協力しましょう」
遠倉 結「今から気が重いです」
神永 桜「では、また次回。この没キャラバスター神永 桜が! 彼岸の彼方に! 逝かせてあげるわ!」
遠倉 結「言っときますけど定着しませんよそれ。では、おやすみなさい」
139創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:38:35
 没キャラバスター結★桜

 第七回 ボッケさん

神永 桜「神永です」
遠倉 結「遠倉です」
神永 桜「今回は創作名前スレを徘徊している漢字キャラのボッケさんを登場させましょう。読み方を書いていないキャラには(不明)(仮定)と言う風にとりあえず振り仮名を書いたわ。性別もあやふやなのはこちらで勝手に決めましたので悪しからず」
遠倉 結「漢字かぁ……激しく鬱です」
神永 桜「サクサク進めましょう」
光太(こうた)銀(ぎん)雲太(うんた)陽(ひなた)吉備 絹(びわ)トッ太(とった)かごめ朱豆(あかまめ)宵岳(よいたけ)奈義(なぎ)溟凪(くらなぎ)深宮 花良(ふかみや かよ)
次内 和祇(つぎうち なぎ)春日 葵(かすが あおい)平 清子(たいらの きよこ)
夜瀬 琉絵(よるせ るえ)遠刀 楽咲(不明)(仮定・えんどう らくさ)山田 花子(不明)(仮定・やまだ はなこ)
山田 風子(不明)(仮定・やまだ かぜこ)田保那 花里(たほな かり)北咲 青帆(きたさき せいほ)蕾 杏紗(らい あんさ)坂都 真祁(さかと まぎ)星之上 有城(ほしのうえ あるき)
湯夜 志亜子(ゆや しあこ)菰峯 佐琶子(こみね さわこ)菰峰 沙月子(こみね さつきこ)宇潟 清葉(うがた さやは) 宇潟 碧葉(うがた あおば)空出 零(そらいで れい)
雛罌粟 華(ひなげし はな)美空 雫(みそら しずく)岩場印 瑠宏(がんばいん るひろ)苛井 凪葉(いらい なぎは)弄井 捨子(いらい すてこ)坂出 綾羽(さかいで あやは)
春本 麗子(はるもと れいこ)奏海 玲(かなみ れい)御田 良子(みた よしこ)
神門 玲(かもん れい) 末永 麗(すえなが うらら)架橋 朋歌(かけはし ともか)
三原 有沙(みはら ありさ)
北山 初瀬(きたやま はつせ)宮川 緋琉(みやかわ ひなが)山吹 ユリア(やまぶき ゆりあ)館林 イナ (たてばやし いな)青木 シマ(あおき しま)青木 ルカ(あおき るか)
140創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:40:20
飯塚 心音(いいづか しおん)伊田 千代子(板チョコ)愛須 栗夢 (不明)(仮定・あいす くりむ)月島 撫子(つきしま なでしこ)小圀 舞佳(こぐに まいか)
山田 太郎(やまだ たろう)花山 寛信(不明)(仮定・はなやま ひろのぶ)羊田 揚鱒 (不明)(仮定・しだ あげます)夏目茶翔(なつめ ちゃしょう or なつめちゃ かける)
乱波 万次郎 (不明)(仮定・らんなみ まんじろう)安藤 夏(あんドーナツ)神楽 玲人(かぐら れいと)桂 ベン (かつら べん)森 キロウ(もり きろう)森下 棗(もりした なつめ)外野 克弥(そとや かつや)
鳥島 理風(とりしま りかぜ)伊麼 冽樹(いば れっき)官鳥 由春(かんどり よしはる)尾木 淞太(おぎ しょうた)橘川 柑子(きっかわ こうじ)堺 浩太(さかい こうた)
宇佐 城一(うさ きいち)許斐 大河(このみ たいが)皇洲 壬岐貫(おおす みきつら)光目 恭弥(ひかりめ きょうや)呪川 大佐(のろいかわ たいさ)府加神 狂(ふかがみ きょう)
暗藤 喰月(あんどう くうつき)羊田 厳斗(しだ げんと) 羊田 風二(しだ ふうじ)羊田 楯(しだ じゅん) 羊田 瑶樹(しだ たまき)羊田 季聖(しだ きせい)成川 朝海(不明)(仮定・なるかわ あさみ)成瀬 朝海(不明)(仮定・なるせ あさみ)
阿見沢 朝海(不明)(仮定・あみざわ あさみ)
日向 朝海(ひゅうが あさみ) 壬生 朝海(みぶ あさみ) 不二岐 朝海(ふじき あさみ) 御厨 朝海(みくりや あさみ) 須貝 朝海(すがい あさみ) 羊田 嵩矢(しだ こうし)
141創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:42:19
羊田 朝海(不明)(仮定・しだ あさみ)麺道寺 朝海 (不明)(仮定・めんどうじ あさみ)羊田 侍門 (不明)(仮定・しだ じもん)羊田 朱琉(しだ アケル)
羊田 翔(しだ しょう or かける) 羊田 晶(しだ しょう or あきら)羊田 彰(しだ しょう or あきら) 羊田 縁(しだ えにし or えん) 羊田 円(しだ えん or まどか)
羊田 燕(しだ えん) 朝海 仁(あさみ じん or ひとし) 朝海 臣(あさみ じん)朝海 健(あさみ けん) 朝海 剛(あさみ ごう or つよし)花山 華子(不明)(仮定・はなやま はなこ)          
戸田 豊一郎(不明)(仮定・とだ とよいちろう)花山 博道→寛道(不明)(仮定・はなやま ひろみち→ひろみち)花山 寛孝(不明)(仮定・はなやま ひろたか)   花山 環(不明)(仮定・はなやま たまき)聖徳 喜和子(不明)(仮定・せいとく きわこ)
白河 春仁(不明)(仮定・しらかわ はるひと)白河 直子(不明)(仮定・しらかわ なおこ)三谷 瑶子(不明)(仮定・みたに はるこ)         
白河 由美子(不明)(仮定・しらかわ ゆみこ)白河 秋仁(不明)(仮定・しらかわ あきひと)明治 朝子(不明)(仮定・めいじ あさこ)尾崎 光子(不明)(仮定・おざき みつこ)明治 寛明(不明)(仮定・めいじ ひろあき)          
明治 玲子(不明)(仮定・めいじ れいこ)明治 章子(不明)(仮定・めいじ しょうこ)明治 静完(不明)(仮定・めいじ しずか)明治 貞子(不明)(仮定・めいじ さだこ)
明治 元子(不明)(仮定・めいじ もとこ)明治 順子(不明)(仮定・めいじ じゅんこ)明治 佳子(不明)(仮定・めいじ よしこ)
142創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:49:00
神永 桜「殲・滅!!」
遠倉 結「ただ羅列しただけじゃないですか……」
神永 桜「小説風に書いてたらそっちは普通に書き進めるられそうなのよ。そういうことにしたから、こっちは止めたらしいの」
遠倉 結「最低の投げっぱなしですね」
神永 桜「では、また次回。この没キャラバスター神永 桜が! 永遠の涅槃に! 逝かせてあげるわ!」

 おまけ ぼつ★すた お題 夢見る乙女

 一コマ目
尾桜 奈江「しかし毎回、この普通を装いつつも緊張が見え隠れする空気はこそばゆいわね」
黒松 理得「あ、でも少し分かるなぁ」
 二コマ目
黒松 理得「こういう誰もが特別って思える日に告白したりされたりして、想いが通じ合ったらすごく素敵だなって思うもん」
 三コマ目
尾桜 奈江「は〜〜〜りえは乙女ですなえ。私もお菓子会社の陰謀とまでは言わなえけど」
黒松 理得「そうかな……」
江之 幟花「……まぁ私にとっても特別といえばそうかも知かれない」
 四コマ目
江之 幟花「毎年カ、売れ残ったチョコがシ格安になるしから。手作り用素材チョコが狙い目」
尾桜 奈江「なえんていうか、あんたは全く夢がなえな。というか安いなえ」
 五コマ目
黒松 理得「なんていうか、みんなは出身どこなの?」
143創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:57:23
 没キャラバスター結★桜

 最終回 没キャラ浄化

神永 桜「さてと。それでは残りのカタカナ妖怪を浄化して終了としますか」
遠倉 結「ついに妖怪になりましたね」

シャムルパート ティラーナード ジェイバークトー ジニアン トイ・ダンフィーク ディマン・デュコイナス オブラン・デュコイナス ニルべア・リドルコ マシリー・ミカッソ
リデル・シュベイン  ダイク・ケンドーン ドラゴウッズ フグレド ゼリギア プレヨド ダスベック ルーティン レディクート ソグティン デントーデル スパジュア アントソル
リッカイル ヨレージン ジョルディン シェスタル フラクシオン オルフィン

神永 桜「浄・化!」
遠倉 結「完全に尻すぼみですね」
神永 桜「この没キャラバスター神永 桜が! 次のアセンションに! 逝かせてあげるわ!」
144創作名前スレ77:2009/04/26(日) 17:59:08
 おまけ ぼつ★すた お題 欠点

 一コマ目
 テスト成績上位者発表
江之 幟花「いっつも成績上位ですごいよね」
 二コマ目
江之 幟花「りょうこさん欠点としかあるの?」
角倉 了子「恥ずいんやけど…、わい時々考え込んでボーなってまう事あんねん」
 三コマ目
角倉 了子「スライサー使てて指きってもうたり、テメェの足にけつまづいて転がってしもたり、電柱に激突さらしたりしてん」
黒松 理得「うああーーー…」
 四コマ目
江之 幟花「りょうこさん、行った?」
黒松 理得「うん」
江之 幟花「りょうこさんの欠点って、本当にただの欠点でしかなかったね……」
黒松 理得「うん……。頭で映像を再生してみたけど、そうだよね……」
145創作名前スレ77:2009/04/26(日) 18:00:54
 おまけ ぼつ★すた お題 天然
 
 一コマ目
江之 幟花「りょうこさんルックスいいのに何で眼鏡なの? 特定の人種しか狙えないよ?」
黒松 理得「狙うって……」
 二コマ目
黒松 理得「もてる云々はともかくとしてコンタクトにはしないの? 眼鏡って目悪くなるみたいだし」
角倉 了子「あれや、高校生にもなって恥ずいんですが…」
 三コマ目
角倉 了子「その、わい怖いねんコンタクトレンズが。っちゅーか、目に物を入れんのが…水の中で目も開けられんくらいやし…」
 四コマ目
角倉 了子「うぅ恥ずいよなホンマ」
江之 幟花(本当に素で恥ずかしいよニセ天然が)
146創作名前スレ77:2009/04/26(日) 18:04:06
 お題 ホントにぶつかってる

 一コマ目
江之 幟花「あ、あれりょうこさんじゃない?」
 二コマ目
江之 幟花「検眼に来たのかな? コンタクトの」
 三コマ目
ごっ
江之 幟花「あ」
 四コマ目
角倉 了子「ひぃ恥ずいでホンマ」
江之 幟花「りょうこさんはずっとあのままニセ天然を演じ続けるんだろうね」
黒松 理得「存在が痛そう……」
147名無し物書き@推敲中?:2009/04/26(日) 18:07:58
148名無し物書き@推敲中?:2009/04/26(日) 18:08:57
149名無し物書き@推敲中?:2009/04/26(日) 18:09:47
150名無し物書き@推敲中?:2009/04/26(日) 18:15:49





                                              スレッド終了
151名無し物書き@推敲中?:2009/07/21(火) 20:27:36
そして、祐一はホテルを出た。
部屋に一人残された女は泣いている。
そう、祐一が出て行ったから。
女は、「祐一・・・」とこぼすのみだった。


そして、いま、祐一は駅前に出た。
例の商談の件だ。
祐一には大きな期待が懸けられている。
だから、祐一は多少のことも目をつぶってもらっており、
特別給が支給されている。

祐一は、辺りを見回し、喫茶店に入った。資料を確認するためだ。
祐一が席に着くと、しばらくして20代前半と思われる店員がオーダーを取りに来た。
祐一は、
「アメリカ〜ン」
と答えて、店員は戻って行った。
祐一の目の通している資料には気になる点がある。
祐一も、それをよく理解してるのだが、現在の業界で、話題にすべきないことが含まれている点だ。
ただ、この商談を取り付ければ、大きな利益になる。だから、祐一に白羽の矢が立ったのだが・・・
祐一は、大きく息をのみ、なにか決心したように思えた。
152名無し物書き@推敲中?:2009/07/23(木) 23:31:18
雄一郎が名刺を差し出すと、佐藤は頬をゆるめた。
無理もないだろう、雄一郎は、△△商事の取締役だ。
なかなか商談に参加してくれる相手ではない。
そこで、佐藤は、
「xxさんは、oo事業部長ですか」
と名刺の受け取りに相槌を打った。
雄一郎は、「そうだ」と答えた。
佐藤は、しばらく名刺を確認し、テーブルの上にそれを置いた。
雄一郎は、微動だにせずまた、なにを考えているのかはたとは分からないようすだった。
「失礼します」
とテーブルに、コーヒーが運ばれてきた。
hhホテルのコーヒーは、2,000円だ。
佐藤は、鞄からさらに資料を取り出して確認した。
雄一郎は、コーヒーをすすった。
2人残された席で、佐藤は、こう雄一郎に切り出した
153名無し物書き@推敲中?:2009/07/24(金) 19:58:41
雄一郎は、店を出るとタクシーに乗った。
佐藤が、その見送りの挨拶をし、後方で頭を上げているのが雄一郎には見えた。
雄一郎は、田中に電話をした。
「なんだ、あの佐藤という男は」
雄一郎は、いきなりこう切り出した。
よほど腹に据えかねるものがあったのだろう。
つづけて、
「おれは、いつ席を立とうかずっと考えていたぞ」
雄一郎はさらにまくし立てる。
「お前、なんのためにおれとあんな男を引き合わせたんだ」
この間、田中はひたすら聞き手に回っていた。
雄一郎の気性を考えたら、何を言っても口ごたえになるだろう。
ひたすら雄一郎は喋りつづけ、憂さが晴れてきたとき、
タクシーは停まっていた。
「お客さん、着きましたよ」
154名無し物書き@推敲中?:2009/07/24(金) 21:13:45
佐藤は、会社に帰る電車の中、旧友の森野に出会った。
雄一郎に会っていたことが頭を離れず、森野が転職をしたなどと言っていたが、
「あー」と答えるのみだった。
佐藤は、雄一郎に会ったことを、部長の山谷にどう話そうか悩んでいた。

雄一郎は、いまマンションの個室にいる。
会社が手配したものだ。
雄一郎くらいになると、会社も全面協力をする。
このマンションも、雄一郎が頼んだわけでなく、会社から渡されたものだ。
雄一郎は、寝室に行きベッドに横たわる。
最近の過労のせいだろうか、雄一郎はそのまま眠ってしまった。
そこには、森野、山谷はおろか、さっき会った佐藤のことさえなにも残っていないかもしれない。

田中は、雄一郎の話を聞き、そうだろうなと思っていた。
雄一郎の性格からすれば、そうするのが当然だっただろう。
雄一郎は、多忙を極めているのだ。田中は仕方ないと言わざるをえなかった。
田中は、部屋を出て、2階の会議室へと足を運んだ。雄一郎は、深い眠りに就いていた。
155名無し物書き@推敲中?:2009/07/25(土) 14:25:07
一郎は、気だるそうに雄一郎の電話に出た。
一郎は、雄一郎の息子だ。
「おお、元気か」
雄一郎は、いつもこの言葉を口にする。
息子への配慮だろう。
一郎は「まあな」と。
一郎は、雄一郎からのtel.を速く切りたくて、素っ気ない。
雄一郎は、気になることがあるわけでもないのだが、一郎に電話をする。
「お前も大変かもしれないが、人生いろいろあるんだ」
所謂、おやじの説教というやつだ。
一郎は、雄一郎からの電話を速く切りたく、
「これからナオコに会う約束をしてるんだ」
と言った。
雄一郎は、了解したらしく、
「まあ、お前もがんばれ」
と息子に言い、電話を切った。
雄一郎は、いま喫茶店にいる。
「おい、アメリカのおかわりだ」
店員は、面倒そうな顔をして、オーダーを受けた。
そして、雄一郎は新日本新聞に目を落とした。
156名無し物書き@推敲中?:2009/07/27(月) 21:08:46
一本の煙が上る。

報告書の作成途中に雄一郎は、一服しているのだ。
シャワーを浴び、濡れた髪も乾かさないまま、雄一郎は作業に取り掛かってから、のことだ。
「4丁目の焼き肉屋に行くか」
そう言って、雄一郎は身支度をした。

夕方の雑踏は人が多い。
すれ違いに肩をぶつけつつ通りを歩いた。


田中は雄一郎のいるはずのマンションに電話をしていた。
雄一郎への確認事項があった。
街に出た雄一郎には繋がることがあろうはずもない。
田中は電話を落とした。雄一郎は、目的の焼き肉屋に辿り着き、看板をくぐるところだった。
雄一郎は、コース料理を頼んで、途中で落ち合った仕事の仲間と個室へと行った。
雄一郎にとっては、全てがビジネス、田中から電話が掛かってくるが繋がらないことが多々あるほど多忙な日を過ごす雄一郎。
部屋では賑わいの声が聞こえた。
157名無し物書き@推敲中?:2009/07/28(火) 19:37:10
雄一郎は、レコード板に針を落とした。
部屋は、アロマキャンドルの炎が灯されている。
雄一郎が、ネクタイをほどいたとき、壮大なクラシックから、チェロの音が聴こえた。
雄一郎は、この音色が好きだ。
そのとき、ぷるぷると電話の音がした。
雄一郎は、物憂げに電話を取り、なにか強い口調で話し、そして電話を切った。
雄一郎は、気分を害したのだ。

雄一郎は、深いクッションの椅子に身を落とし、そしてそれに沈んだ。
至福の一時というものだろう・・・


高橋が、雄一郎の名前を耳にしたのは、半年ほど前だ。
まさか、自身が雄一郎に会うことがあるとは思っていなかった。
雄一郎は、その肩書とは違い、相手の肩書を気にしない。
ウェルカムが雄一郎のポリシーだ。
ときに、それは雄一郎の気分を害することもある。
しかし、雄一郎は、信念を曲げず、門戸を開くのだ。
世間一般の考えとは遠い雄一郎の手法だ。

田中は、あくせく書類整理に追われている。
もう22:00は過ぎ、いずれ0:00になるのだろう。
田中の夜は、多くの世間一般同様、そうして過ぎるのか。
始発に乗り、椅子に座ったまま終電を待つ、
そんな日を憂うことなく夜は更けていく。
夜ではないのかもしれない。
終業になろうが、田中にはそのときがいつか分からず、夜明けさえ過ぎる日もある。
ところ変われば、その身分の保証さえないと告げられているのだから・・・
田中は、朝のない日を待っているのかもしれない。
158名無し物書き@推敲中?:2009/07/30(木) 11:58:07
雄一郎は、電話をしていた。プライベートな名刺を渡した相手にだ。
雄一郎が、こんな電話をするのは稀である。
ケータイ電話の呼出音が15度ほどしたところで相手が出た。

「ハロー!」、「オウ!ハロー!」
雄一郎の私生活はこんな感じだ。いたって、気軽いものだ。
「ゆうちゃん、どうしたアルネ」
電話に出てるのは、いちおう日本人だ。
雄一郎らになると、ふだんはとても大事な話ばかりで、ぷらいべーとではこんなやり取りがされている。
「うーん、ちゃいなのことなんだけどね」
雄一郎は言った。
「ちゃいなアルあるか」
相手は話に耳を傾け、協議は10時間にも及んだ。
このはなしの結果が反映されるかは分からない。
雄一郎もこの組織の中では、歯車の1つでしかない。
雄一郎が、議案提起した ということだけがあり、ただそれだけ。
トンネルを抜けた先を作り出すにはほかに手段がない。
雄一郎の手だ。たった1つでしかない。

佐藤は、雄一郎はきょうも仕事だ。
天空には雄一郎が住んでいる。
世界中のどこよりも高いビルの上から、78番目のところに雄一郎はいる。
その高い場所から、雄一郎は、佐藤のことがよく見えない。
また、多くの中から佐藤を見つけることもないのかもしれない。
佐藤が雄一郎の名刺を手に入れたのは偶然にすぎないかもしれない。
しかし、佐藤にとってはプラチナペーパーであった。


「ゆうちゃmm言ってたアルヨ!!どないすんねん
 わしゃ知らん、わっはっはっはっは!」
そう言ってから、電話を叩き壊した。
159名無し物書き@推敲中?:2009/07/31(金) 19:41:42
やはり貴方は投稿しすぎです。バイバイさるさん。
合言葉=好きな車は?
160名無し物書き@推敲中?:2009/08/08(土) 17:42:59
ねむい・・・

「俺には休養が必要だ」
深い椅子で雄一郎は、つぶやいた。
その重みで、腰から椅子に雄一郎は深く沈んだ。
起き上がらなくてはならないと雄一郎は思うが、
疲労のため腰が沈んだまま上がらない。
仕方がないので、雄一郎は、その姿勢でしばしの至福の一服を得ることにした。

雄一郎は、あわててネクタイを締めていた。
社長からの呼び出しだ。
雄一郎は、大きな音を立て、ドアを閉じた。
雄一郎のいなくなった部屋は、一服の静寂に満ちた。
161名無し物書き@推敲中?:2009/08/18(火) 13:07:48
どこの国の軍隊だか知らないが
もっと設定を緻密にしたらどうだ
162名無し物書き@推敲中?:2010/03/16(火) 23:08:07
163:2010/08/12(木) 23:48:50


真夜中の廊下を歩いていたら
奥で赤い光の様なものが 斜めに路を射していた
それは 横にあるボロい襖の穴から洩れでているものらしく
恐る恐るもその襖の前まで近寄ると 膝をゆっくりと折り
正座の姿勢で 片目を押しあて 指の輪っかほどの穴から中をのぞきこんだ


164だめだ:2010/08/13(金) 00:47:10

真夜中の廊下を歩いていたら
奥で赤い光の様なものが 斜めに路を射していた
それは 横にあるボロい襖の穴から洩れでているものらしく
恐る恐るもその襖の前にまで近寄ると
膝をゆっくりと折り 正座の姿勢で 片目押しあてながら
指の輪っかほどの穴をのぞきこんだ

165ごめん最後!:2010/08/13(金) 01:20:52



 「赤い星」


真夜中の廊下を歩いていたら
奥に赤い光の様なものが 斜めに路を射していた
それは 横のボロい襖の穴から洩れでているものらしく
恐る恐るもその襖の前まで近寄ると
膝をゆっくりと折り 正座の姿勢で 片目を押しあて
指の輪っかほどの穴をのぞきこんだ







つづく
166



 「夏の終わり」


夏が終わりそうになる度に
今年も暑かったなぁ、と、言うのだ
いや、確かに暑かった
毎朝起床後に、シャワーを浴びたり
つとめから帰って飲むビールが
この夏とても美味しくあったのを、覚えている
しかし、年々、太陽の暑さからは
遠ざかっているのではないか、と
そう思ってしまう、自分がいるのだ
あの、けだるい、熱中症の夢うつつ
あの頃と比べると、幾分、
涼しくなってしまったものだなぁ、と
夏の終わりに
これまた美味しくある、少し温めのビールを
ちびちびと、飲み干していく、私がいるのだ