【タイムマシン】
「私ね、タイムマシンはどんなに科学が発展しても作れないと思うの」
「どうしてそう思うんだい?」
「だって、実際未来から来た人に会ったことは無いでしょう?」
「わからないよ、未来から来た人はその事実を明かしちゃいけないのかもしれない」
「ああ、そうかもしれないわね、きっとタイムパトロールとかがいて……」
夢見がちな奴だ、この際もうちょっと付き合ってやろう。
「でも、君だから明かすよ、僕は未来人なんだ」
「そうなの?」
「ああ、未来に残った君の写真をみて、どうしても会いたくなったんだ」
「タイムパトロールは?」
「今でも追われているんだ、タイムマシンはそのときに壊された」
「じゃあ……」
「ああ、もう僕は未来には帰れない」
「素敵ね、時を越えたロマンス」
「ああ」
「じゃあ、お腹のこの子の名前は未来!男の子でも女の子でも平気な名前よね?」
「……」
僕は、そのときほどタイムマシンが欲しいと思ったときはなかった。