何をどう読むのか。何をどう書くのか。音読や模写はそれについて
何かを伝えようとしているのだが、ある程度体験をしないと、その
意図するところが伝わらない。
「とりあえず」というような態度では書けるようにはならない。
求道の精神で何かの課題を自分に課して、日々少しでも前進するように
精進しないことには、上達はない。
最初の出会いが肝心でそのとき見落としてしまうと永久に理解できない
こともある。
たとえばインドに行くのに取り巻きを大勢連れて行く。何人もの人と連れ
立っていくなら多くのものを見落とすだろう。
たった一人で不安や恐怖と戦いながら旅をしたなら、感性は全開して、
見るもの聴くものが新鮮に心に響いてくる。出会うときに出会うべき
方法で出会わないと、取り返しが付かない。
書くと言う行為がまだみずみずしく、恐ろしく、そして冒険である時に
「とりあえず」書き散らしてしまうのは、取り返しの付かない愚かなことだ。