住人のみなさんにネタを貰いつつ、小説書いてみたいんだけど。
ファンタジー系って以外、何も決めてないです。
ここの住人じゃないけど
2ゲトッ
3 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/20 23:48:46
主人公とヒロインは従姉弟同士にしてくれ。
草の香りがけむる湿地帯で、俺は目を覚ました。
口の中が土っぽい。ペッペッ、と口の中の泥を吐き出す。
とりあえず口をすすぎたい。
立ち上がろうとすると、全身に激痛が走り、俺は再び地面に倒れ込む。
よく体を眺めてみれば、全身泥だらけ。あちこちに切り傷があった。
何故、俺はこんな姿に・・・?
ゆっくりと、痛みをこらえながら立ち上がる。
そして自分の状況について考えた。
しかし思い当たらない。
そもそも、ここはどこなんだ?
周囲を見渡し、続いて彼は重大な事実に気付いた。
・・・俺はいったい、誰なんだ!?
主人公はボディーチェンジでカエルになってるって設定で。
>>3 従兄弟ですかい。
まあ、その辺はおいおい進めていく上で。
<テンプレ>
名前:
性別:
年齢:
職業:
性格:
口調:
【容姿】
【その他設定】
【プロフィール】
↑とりあえずこんな感じでキャラ募集。
その他、国名・地域名なんかもお願い。
ただし採用は俺の独断と偏見で決めるので、よろしく。
8 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/20 23:56:07
そもそも、なんで権と魔法なんだよ。
流行らないぞ、いまどき。
>>5 トード使い?
とりあえず寝ます。
またそのうち現れます。
10 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/20 23:59:42
名前:アドルフ
性別: 男
年齢: 18
職業: 画家見習い
性格: 理想家
口調: 我が○○は世界イチイイイー!
【容姿】 色白で細身の青年。
やわらかい髪を自然に横分けにしている。
【その他設定】
【プロフィール】
11 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/21 00:53:23
とりあえず俺が書くわ。
丁度、賞に応募用の原稿書きたかったし。
12 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/21 01:00:18
いまどきは魔法を使えて殴れるのがファンシーだ。
名前: ピエール
性別: 男
年齢: 28
職業: 連邦税理士
性格: 理論派、キザ
【容姿】 金髪碧眼の美青年。
やわらかい髪を自然にパーマにしている。
【その他設定】
幼いころからの英才教育により魔法が使える。
幼いころからの英才教育により拳法が使える。
【プロフィール】
血液型はO型。母は銀行員。父は雑貨店の店長。
13 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/21 01:27:34
>>12 お前は天然パーマって言葉も知らないのか?
ひどい駄スレだなw
名前: ステステ
性別: 男
年齢: 20
職業: 放浪者
性格: ドジ 頭悪い いつもニコニコ
【容姿】 くしゃくしゃの黒髪 アホ面
【その他設定】
宿屋の養子だったが宿屋が焼けてからは放浪の身に
忘れた頃に登場して周りに迷惑を振りまく
放浪者だけあって度胸と愛嬌は良い
【プロフィール】
天涯孤独の身
16 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/21 01:56:43
>>13知っているんだが、まあ、いいや
名前: マキシマ
性別: 男
年齢: 37
職業: 傭兵
性格: 豪放磊落
口調: 俺様系
【容姿】 革鎧にマッチョ。いわゆるオヤジ顔
唇に傷があり、ぽつぽつとヒゲのある浅黒い顔
やわらかい髪を自然に短髪にしている。
【その他設定】
愛用のハンティングソードだけを頼みに大陸を渡り歩く旅の傭兵。
設定では主人公のピンチを助け、最終的に伝説の幼女をかばって死ぬ
必殺技はハンティングソードをフルスイングしながら回転して敵を切り刻む
技名:マキシマムジェラシー
【プロフィール】
料理と裁縫が趣味。以外にも都会っ子。B型
17 :
本文2:04/09/21 21:23:40
太陽が西に傾きかけていた。
繁る葉に陽光は遮られ、もはや森の中は夜といってもいい。
男はただひたすらに歩き続けていた。
歩き始めて、およそ1時間余り。
足を進めるたびに、体がギシギシと鳴るようだった。肩口の傷が最も痛む。
それほど深い傷ではなかったが、傷口が擦れ合うたびに、脳髄まで響くような痛みが走る。
男は左肩を抑えながら、ヨロヨロと今にも倒れそうな足取りで進んでいった。
できることなら、このまま倒れてしまいたい。
しかし、その行動が死を意味していることは明らかだった。
やがて、さらに半時間も経過した頃、男は木々や獣の音に混じって聞こえるわずかな馬の蹄音を聞く。
男の足が止まった。思わずその場に両膝をつくと、彼は周囲を見渡した。
西の夕陽が、森の中にわずかな光をもたらしている。半ば闇に染まった世界。
姿は見えないが、その蹄の音は確実に大きくなってきている。
「・・・ぅあ!」
「おい」と叫ぼうとしたが、彼の喉はかすれ、声になっていなかった。
本能の命ずるまま男は立ち上がり、そしていくらか早足で音の方向へと歩んでゆく。
18 :
本文3:04/09/21 21:24:27
助かるかもしれないという、わずかな希望。もはや痛みもそれほど感じない。必死だった。
だが、彼の強烈な願いほど、体は思うように動いてはくれない。
突如視界が大きく回る。転倒してしまった彼は、草むらにうつ伏せに倒れた。
起き上がろうとするが、今度は思うように体が動かない。
蹄の音はすぐそこまで迫っていた。
「助けてくれッ!」
しぼり出すような声。
いや、声というよりは悲鳴といったほうがいいか。
ともかく、幸運にもその声が馬を止めた。
「・・・誰かいるのか?」と、野太い男の声が返ってきた。
「こッ、ここだ・・・」
上半身を起こし、右手で付近の草をガサガサッ・・・と揺らす。
やがて足音が近付き、大きな黒い影が姿を現した。そして顔をズイッと近付ける。
短髪に無精ヒゲをたくわえた、厳ついオヤジ顔。
唇の左端から頬へと、一本の古傷が走っている。いかにも戦士風の男だった。
その戦士は彼の顔を見て、いくらか驚きの表情を浮かべた。
そして、そのまま沈黙する。
「た、助けてくれ・・・」彼はかすれた声で繰り返した。
じっと彼の顔を見つめていた戦士はやがてボソッと言う。
「生きていたのか・・・」
様々なネタ、ありがとうございます。
とりあえず
>>16をネタ元にしたキャラを出しました。
設定はいくらか変えるつもりですが。
>>16さん、ありがとうです。
では、またそのうち現れます。
小説作法は?
21 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/22 02:06:57
姫が魔王にさらわれて
少年が剣や魔法を覚えながら
姫を助けに行くっていうのはどうだろうか。
すごくない ?
いっつも思うんだが、「剣と魔法の世界」の「剣」って特別世界を構成する要素ではないと思う。
何も知らない日本人が言いたいこと言ってるな。
ぐあ、本当に参考にされるとは…
まあなんだ、頑張って
>>23夢のある世界ってことなんじゃないの?
ファンタジー=幻想=剣と魔法=勇者
武力の構成要素だよ。
剣(物理)と魔法(非物理?)
室伏兄貴が異世界に飛ばされる物語。
兄貴が訪れた国は戦力に乏しく、既に城も陥落していた。
奪われた城を取り戻さなければ国家の滅亡は決定的。
そんな状況を見かねたナイスガイ室伏が立ち上がった!
攻城戦において、兄貴のハンマー投擲が大活躍!
兄貴に教育されたハンマー投げ部隊がついに城を奪還。
1よ、このアイディアを使うことを許す。
28 :
本文4:04/09/22 23:19:48
まるで自分を知っているかのようなその言葉に、男はしばし沈黙した。
だが、よく考えてみる。自分は記憶を失っているのだ。
過去の自分を知っている人間がいてもおかしくはない。
「俺を・・・知っているのか?」
今度はその戦士が驚き、沈黙する番であった。
眉間にしわを寄せ、疑うかのような表情で彼を見やる。
「何を言っている?」
「わからないんだ。何も・・・、何も覚えていない。思い出せない」
「馬鹿な、からかっているのか? そんな状況じゃねえぞ」
「だから教えてくれ。俺はいったい、誰なんだ!?」
真剣な男の顔に、戦士も戸惑いを隠しえなかった。
やがて戦士はフゥとため息をひとつ。そして言う。
「とりあえず、馬に乗れ」
「すまん、体が・・・動かん。それより答えてくれ、俺はいったい・・・」
「さっきも言ったがなぁ、そんな状況じゃ・・・ねぇんだ、よッ!!」
29 :
本文5:04/09/22 23:21:47
居合抜き。
目にも留まらぬ速さで、戦士は腰の剣を一閃させた。
その軌道は男の頭上数センチ。風圧が頭皮を駆け抜ける。
背後でザッ・・・という鋭い音が響いた。
そして肩から股間へと、何者かの生首が転がる。
「うぃあッ・・・!」
とっさに男は飛び退いたが、今度は背後にある残された胴体が覆い被さってきた。
またもや言葉にならない悲鳴を上げ、彼は前方へと駆け出す。
そのまま近くの大木に抱き付いた。
「何だよ、動けるじゃねぇか」
戦士はカラカラと能天気に笑い、そして馬へと戻ってゆく。
「来いよ、取り残されたくなかったらな」
「お、おい、待て・・・!」痛みも忘れ、彼は駆け出す。
「マキシマ」
「・・・?」
「俺の名だ。覚えておけ」
そう言うと、戦士は颯爽と馬に飛び乗った。
>16さん
若干設定等変更するつもりですが、使わせてもらいます。
唇の傷というのにものすごく惹かれました。
とりあえずは頑張りまふ。
>>27さん
室伏兄貴はともかく、ハンマー投げで城壁を崩すってのはすげぇイイと思った。
応用して使えるようならマジで使ってみたいっす。dクス!
引き続きネタ募集中。
>>7のテンプレでキャラお願いします。
国名、地名なんかもお願い。
文章構成のアドバイスなんかも頼みます。
当面の間は頑張るつもりですんで。暇なら付きあってやってくだはい。
名前: たくと
性別: だんすぃ
年齢: 17歳
職業: ピアニスト
性格: 病的なイタズラ好き
口調: 知性的だが甘ったるい
【容姿】
色白でベビーフェイス。
【その他設定】
こいつを好きになる奴と嫌いになる奴の差が激しい
【プロフィール】
普通にジャパニーズ。天才のようなヘンタイのような。
人を精神的に威圧するのが得意。
34 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/23 02:32:42
いや、物語の進め方的には嫌いではない。
頑張って欲しい。
ってもネタも思い浮かばんな…
>>1 おまいはこのキャラを動かしきれるかな?
名前: ドーラ
性別: じょすぃ
年齢: 14歳
職業: 魔法騎兵
性格: エロい
口調: 軽い
【容姿】
ロングヘアで赤い髪。漆黒のフルアーマーで馬に乗り
身長の倍ある槍と東洋の鉄さえ斬れる剣を携える。
普段もマントとライトアーマーに鉄さえ斬れる剣という
格好で町を練り歩く。だけど美少女。
【その他設定】
女好き。女なのに。
【プロフィール】
代々大魔術士を輩出する家系に生まれやはり魔法の才を生まれ持つが
活発な性格で剣術を極め最年少の12歳で突撃騎兵(竜騎兵)に抜擢される。
その後親衛隊所属の魔法騎兵として戦果を挙げ、メリージ王国に八人いる
黄金竜の称号を持つ騎士の一人となっている。
ちなみに俺は無理だ(ぉ 設定を壮大にしすぎて収拾がつかな・・・orz
主人公でも脇役でも敵でもヒロインでも
好きに使え を書き忘れた・・・orz
ジャンダ・ヌルクのおでましだ!焼き殺せ!
>>35 俺なら使いたいとすら思わないが、
>>1ならなんとかできるはずだ。
トラップが発動した。
スレのレベルは1下がった。
アメンオサのおでましだ!この屑どもを焼き払え!
他人の作ったキャラでもけろりと自分のモノのように動かせるかねえ?
名前:狩ヶ崎 零夢(かりがさき れむ)
性別:女
年齢:永遠に十九歳
職業:殺し屋
性格:淡白。食うことと遊ぶことと寝ることが好き。
口調:「腹減ったあ」
国籍:中国もしくはそれに似た場所
地名:九龍城もしくはそれに似た場所
【容姿】
都市迷彩のつもりなのか白と黒の幾何学模様が描かれたローブを
まとっている。武器は九節鞭。
【その他設定】
相手の感覚に侵入し、操作する能力を持っている。例えば幻覚や
幻聴を見せたり、架空の熱や痛みを感じさせる。その他の感覚も。
調子がいいときは相手を一発で廃人にすることもできるが、自分
に術をかけることはできない。
【プロフィール】
元々は夢売り(眠っている人に好きな夢を見せてくれる人ね)だった
のだが、なんらかの理由で(お前のセンスが問われるぜ。
>>1)殺し屋
に転向。夢売りとしての能力を活かして殺し屋稼業に手を染めているが
気分屋なので自分が嫌いな仕事はどんなに金を積まれても請けない。
っとか。え? 東洋人ってダメ? 世界観崩れる?
名前:1
性別:男
年齢:29歳独身
職業:無職
性格:夢見がち・他力本願。
口調:「小説書いてみたいんだけど」
【容姿】
痩せ型だが腹回りは贅肉がたまっている。
無精髭。目だけが爛々としている
【その他設定】
30年前からタイムスリップしてきたので、今でもラノベのトレンドは剣と魔法だと思っている。
【プロフィール】
そんなの本人にきいてくださいよ
43 :
本文6:04/09/23 21:08:24
頬に熱を感じた。
目を開けると、強烈な日差しが視界になだれ込む。
ウッとうめきとっさに目を閉じた男、今度はゆっくりと目を見開く。
そこに映る風景は、昨日と変わらぬ森の中であった。
眠ったのか、気絶したのか定かではないが、昨夜はあのまま馬上で意識を失ったようだ。
やはり記憶は戻っていない。額を抑え、前髪をかき上げつつ、周囲を見やる。
すぐそばに、日差しを浴びながら寝転ぶマキシマが目に入った。
「起きたのか」マキシマが小さく語りかける。
目の下に隈を作り、いくらか憔悴した顔で、彼は上体を起こす。
腰の皮袋に手を入れると、数枚の干し肉を取り出し、それを投げてよこした。
「食べておけ」
干し肉を拾い上げる。
空腹だった。確かに空腹なのだが・・・
しばしそれを見つめ、申し訳なさそうに言う。
「できれば水も・・・」
「ねぇよ」
「そうか」
「どうしても欲しいんなら、そいつらの血でもすするこったな」
44 :
本文6:04/09/23 21:09:08
マキシマの指差す方向、そこには折り重なる3つの死体があった。
いずれも黒装束。いかにも暗殺者風のそれら。
それを見て絶句する男。いくらなんでも死者の血をすする気はない。
「いい気なもんだぜ。昨夜あれだけの立ち回りをしたってのに、気付きもしねぇ」
「す、すまん・・・」
「まあいいさ。下手に起きて騒ぎ立てられても迷惑なだけだ」
フフッと小さく笑うと、マキシマは再び寝転がる。
「もうすぐ味方がこの森に入る筈だ。そいつらなら水も持っている。それまで我慢しな」
男は無言のまま、干し肉の一端を噛み千切る。
半ば唾液も枯れた口では、それすら少々もてあました。
ひたすら噛み、一気に飲み込む。何とか喉を通ったが、ゴホッと小さくむせた。
しばらく干し肉を恨めしそうに見つめる。やがて彼はマキシマに問うた。
「そういえば、何も聞いていない。俺はいったい誰なんだ? それとも教えられない事情があるのか?」
ゴロリと寝返りを打ち、こちらを見るマキシマ。
いかにも面倒くさそうに彼は言った。
45 :
本文8:04/09/23 21:09:37
「別に、そんな事情はねぇよ。あんたの名前はアドルフだ」
「アドルフ・・・」
その言葉をかみしめる。
しかし、特別な思いは何もこみ上げず、記憶に影響を与えることもなかった。
「付け加えりゃ、あんたはこの国の王子様だな」
「何!?」
サラリと告白された重大事実に、アドルフは言葉を失った。
その頃、別の場所では、森の中を疾走する数十の騎馬隊があった。
一列縦隊を取り、流れる水流のように切り拓かれた道を駆け抜ける。
先頭を走るのは、甲冑に身を固める大男だった。
「ジャンダ将軍、少し速度を落としてくだされ。これでは後続の歩兵隊が付いて来れませぬ!」
後ろに続く騎馬兵がそう叫ぶ。しかし、ジャンダと呼ばれた男はそのままの速度で走り続けた。
「何を言うか。大物がこの森に潜んでいるやもしれぬのだ。
奴の首を取れば、恩賞は欲するままぞ。中央の軍権を握ることも夢ではないッ!」
ガハハハという、豪快な笑い声が森に響き渡った。
>>32>>35>>41>>42 そのまま使うのは難しいっていうか不可能、すまん。
参考にしたいと思う。ありがとう!
ちなみに成功する気はないんだが、まずい点などがあれば教えて欲しい。
>>37名前、使わせていただきました。
『立ち上がろうとすると、全身に激痛が走り、俺は再び地面に倒れ込む。』
まずここからおかしい。
『立ち上がろうとしたら、全身に激痛が走ったので、俺は再び地面に倒れ込んだ。』
『立ち上がろうとしたそのとき、俺の全身に激痛が走った。再び地面に倒れこむ。』
『立ち上がろうとすると、全身に激痛が走って、俺は再び地面に倒れ込んでしまった。』
他にもざっと読んだが、現在形を多用しすぎ。
基本は「俺は〜した。」「〜だった。」
「〜する。」は臨場感を出すための技法だから多用するとヘン。
けっこう主観かもしれないけどね〜
>>48 なるほど、基本は過去形で、臨場感は現在形ね。
てか、今までそんなこと考えて書いたことなかったよ。
よく読み返してみて、何か単調だな〜って感じてたのはそれかな?
今度から気を付けて書いてみます。ありがとう!
まだまだあるぞ。
最初は
「草の香りがけむる湿地帯で、俺は目を覚ました。」
で始まってる。これは地の文が一人称「俺」だから、いわゆる一人称小説の始まり方だ。
ところが次では
「男はただひたすらに歩き続けていた。」
で、
「だが、彼の強烈な願いほど、体は思うように動いてはくれない。」
だ。
これは地の文はナレーションだから、三人称小説。
というふうに、誰が語り手なのかだ途中ですれ違ってる。
技巧的な実験でなければ、これは致命的だぞ。
語り手なのかだ
↓
語り手なのかが
とりあえず
「うぃあッ・・・!」
はワロタ。
そうさのう、後アクションシーンで擬音語や擬態語を多く用いすぎることに気をつけなされ。
>>18を見ると「〜と」が3つもアル。これくらいは許容範囲だけど、漏れもよくやるから。
>48殿
おお、さらに指摘いただいたとは、dクス。
一人称、三人称の件については、あれは狙ってやってみた。
文章1はプロローグみたいなものとして書いたのよ。2からが本章みたいな感じで。
一人称のほうがテンポがいいし、読み手に状況がわかりやすく伝わるかなぁとか思ったんだ。
こーいうのって小説の世界ではタブー? あるいは読んでておかしいかな?
あと、擬音・擬態については完全に俺の技量不足でした。
何も考えず書いてた。確かに多用しすぎだわな。気をつけます。
ところで、質問なんだが、
一人称小説の場合で、主人公がいない場面ってどーやって書くの?
そーいう場面は作らないものなのか。あるいは別の人物の主観で書くのか。
教えて、偉い人。
そこだけ3人称にするとか。普通は書かないもんだと思うが。
>>53 一人称のデメリットがそれなんだよ。
基本的に主人公のいない部分は存在しない。なぜなら読み手は主人公から話をきいている風なのだから。
逆にタメ口で友人に語りかけるように書くことができるので細かい情緒の描写なんかは一人称のほうがやりやすかったり、
ライトな印象を与えることが可能であったりする。
ときたま、幕間とかエピローグなんかに三人称を持ち込んだのもあるが、
同じ章の中にあるのはどうだろう。たぶん読者は気にならないが無意識的に違和感を覚えるかも。
だから、実際本にしたときにたとえば本文1と本文2の間にタイトルが入ると違和感がなくなる。
56 :
本文9:04/09/24 20:39:18
空は暗雲に包まれ、ぽつり、ぽつりと雨が降り出していた。
メリージ王国の首都スレーベル。
王宮のテラスに立つのは初老の男性。彼は空を見上げ「雨か」と一言つぶやいた。
切れ長の目、こけた頬、口の周りを整えられた髭が覆っている。
一部の特権階級のみが使用できる紫の色。
その官衣をまとったこの男は、この国の文官の頂点に立つ、宰相ルドスであった。
風向きが変わり、テラスへと吹き込む微量の雨粒。
雨に濡れることを意にも介せず、ルドスは遠くの山々をひたすら眺めていた。
昨夜、王都から百名の刺客を各地に放った。
百名のうち、6名が今だに帰還していない。
その中の4名は、南西方面へ向けた者たちであった。
やがて、ルドスの前へひとりの文官が歩み寄ってきた。
その若い文官は彼の横に立ち、そっと耳打ちをする。
「そうか」と答えるルドスの口元が、わずかに歪んだ。
どうも権力者というものは、高い場所が好きらしい。
王都スレーベルの中央部に建つ、ひときわ巨大な建物。トラフ王宮。
その王宮の、最上層部に玉座の間はあった。
ルドスが一礼をして、そこに入室する。
玉座を中央に、2名の人物が彼を出迎えた。
大司教マルチン。
占星大師アメンサ。
これに宰相ルドス。さらに現在空位である大将軍を加えたものを四相と呼ぶ。
国王の直下に位置する、この国の最高権力者たちであった。
しかし肝心の玉座には誰も座ってはいない。座るべき者が、現在この国には存在していないのだ。
ルドスが彼らの脇に並ぶと、マルチンがでっぷりと肉で埋まった首を小さく振った。
それが合図であるかのように、正面にある荘厳な扉がゆっくりと開かれる。
ほどなく兵士に両脇を抱えられた、いかにも高貴そうな若者が、彼らの前に引き出された。
やわらかい金髪を自然にパーマにしている、色白で細身の青年。
はおったマントには、黄金で刺繍された獅子の紋章が輝いていた。王族の証である。
しかし、そのマントも薄汚れ、その末端には枯葉の破片と思われるものが無数こびり付いていた。
何も発せず、恨めしそうにただ3人を見やる青年。
彼の名はピエル。先王の遺児の中では、最も年長の28歳。
後継者の筆頭ともてはやされていたその面影は、今やどこにも垣間見ることはできなかった。
>>54-55 なるほどね。普通は書かないのか。
一人称って、書き易いようで結構ハイレベルなんだね。
文章構成も単調になりやすいような感じもするし。俺にゃ無理だorz
教えて君で申し訳ないんだが、次は場面の切り替えについてご教授くだされ。
例えば、8→9。テラスから玉座の間へと移行したんだが、何か個人的にしっくりこない・・・。
改善の余地アリ? もっと上手いやり方あります?
恨みが五分で、怯えが五分。
そんなピエルの表情を見て、マルチンは満足げに笑った。
「いやはや、何とも惨めな御姿ですなぁ・・・」
「・・・ッ、この反逆者どもめッ!」
「何と、その御言葉は心外です。反逆者は貴方ではないですか。
恐れ多くも、先王のご遺志に背いたのですから」
「でたらめだッ、全部でたらめに決まっている!
父上があんな小僧を後継にする筈がない。貴様ら、謀ったのであろう!」
それまで沈黙を保っていたアメンサが口を開いた。
禿げ上がった頭、深いシワの刻まれた顔が不気味に動く。
「お言葉ながら、後継者は占いにより導き出され、先王もその結果を承諾なされた。
証拠として先王の証文もござる。確か貴方も閲覧された筈ですが・・・」
その外見に似合わぬ、意外なほどしっかりとした重々しい声であった。
ルドスはひたすら沈黙し、観察するような眼差しを彼らに向けている。
ピエルは「だから、それは・・・」と、どもるばかりであった。
「ともかく、貴方は反乱の挙兵をなされた。国家への反逆です。
心苦しいのですが、国に楯突く以上、死罪はまぬがれませんな」
「し、死罪? この、私がか!?」
冷水を浴びせられたが如く、ピエルの顔が瞬時に青ざめた。
口をパクパクと動かしつつ、憐れなほど動揺を顕わにしている。
王族としてのプライドと、生への渇望が心の中で葛藤しているのだ。
沈黙の中、マルチンが壇上からピエルの元へ降り立つ。
細い目をさらに細め、優しげな表情を作りながらピエルを覗き込んだ。
「私も先王に御厚恩を賜わった身、あなた様を辱めるような真似は本意ではないのですよ・・・」
真っ青な顔。体を小刻みに震わせながら、マルチンに顔を向ける。目線が重なった。
一息ほどの沈黙。ひとつ、マルチンが頷くと、ピエルは遂に折れた。
「み、認める・・・」
「そうですか」
「何も言わぬ。誰であろうと玉座に据えるがよい。だッ、だから・・・」
「ええ、神の名において告げましょう。貴方の反逆罪は許されました」
「そ、そうか・・・」
媚びるような、情けない笑顔が浮かんだ。
「ならば、ならば、多くは望まぬ。王都近郊のいち領主でよい。
封じてくれれば、新王を支持しよう。いや、あまり国政に関与せぬほうがいいか」
「お待ちなさい。確かに反逆罪は許されました。ですが、貴方にはもうひとつの罪があります」
「・・・な、何を言っている」
「あなたの体に流れる、先王の血。それ自体が罪なのですよ」
「・・・!?」
きっとピエルは、暗闇の中に一筋の光明を見たに違いない。
しかし、光を与えた当の本人であるマルチンが、再びそれを遮ってしまった。
再び訪れた暗黒は、以前のそれよりも、ずっと暗く深く感じたに違いない。
ピエルは両肘を床につき、頭を抱えて「夢だ、これは夢だ」などと小さくつぶやいている。
「お連れしなさい」
マルチンが指示をすると、両脇の兵士はピエルの腕を掴み、扉へと誘導していく。
もはや抵抗する意思もなく、ピエルは危なっかしい足取りで、素直にそれに従った。
それを見送り、壇上へと戻ってくるマルチン。
その表情には恍惚とよべるべきものが浮かんでいた。
それを見て、ルドスは『下種め・・・』と心の中でマルチンをなじった。
この日、王宮の一室にて、ピエルの断罪がおこなわれた。
椅子に縛り付けられ、身動きを取れなくされた彼は、手首・首筋・両足それらの血管を切られ、血を流し尽くして死んだ。
そして遺体は人知れず、王都郊外を流れる河へ遺棄された。
マルチンの言葉どおり、彼は己の血を流し尽くした後、自由を得ることとなったのである。
ひとまずage
64 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/27 02:50:58
ちょっと期待。age
がんがって完結させてくれ。少し期待してるぞ1。
大海をひっくり返したような、どしゃ降りの雨が降り注いでいた。
体の芯を震わせるような轟音。それとともに輝く稲光は、時に陽光よりも明るく大地を照らし出した。
どこからともなく吹く風。木々のざわめき。そして雨と稲妻。
それらの演出が相乗効果を現し、何とも不気味なハーモニーを奏でる。
まるで生きながら魔界に足を踏み入れてしまったような、そんな錯覚をアドルフは覚えていた。
轟音。そしてまた光る。
目線の先にある巨体の騎士が鮮明に浮かび上がった。
全身をくまなく覆う甲冑。二本角の兜。
その顔はフェイスガードで隠れているため、表情は読めない。
体はマキシマよりもふた周りほど大きかった。さながら熊、といったところか。
宰相ルドスの命により、王都南西方面の探索に出たジャンダ将軍である。
「ハハ、ハハハハ、今日は実に良い日だ」
甲冑の擦れ合う、わずかな金属音を立てながらジャンダは笑った。その背後には5名の騎士が従っている。
森に入った時よりも数が減っているのは、分岐点がある都度その数を分けたためだ。
「ご苦労なこった。近衛兵団の将軍様が森の探索とはねェ」
抜き身の剣をブラブラさせながら、マキシマは馬鹿にしたように笑う。
「ほざけ、狂犬が」と、ジャンダはそれを一蹴し、さらに続けた。
「まあ、ピエルでないのが残念ではあるが、大物に変わりはない・・・。
どうですかな、アドルフ殿下。大人しく従うならば、手荒な真似はいたしませぬが」
一瞬の間を置いて、アドルフは我に返った。
アドルフという名前に、まだ実感がない。自分が事の当事者であることが信じられない。
アドルフはすがるような目でマキシマを見たが、彼は「好きにしなよ」と突き放す。
混乱していた。何が何だか、どうなっているのか、まるで飲み込めない。
しかし、漠然と理解できることはあった。
この甲冑の男は敵であり、マキシマは少なからず味方に近い、ということである。
「たッ、助けてくれ!」その言葉に、マキシマは満足そうな笑みを浮かべる。
「そうかい、じゃあそうしよう。ただし、自分の身は自分で守るんだぜッ!」
言い終わらぬうちに、マキシマは腰の短剣をアドルフへと投げてよこす。
アドルフの足元、そこの泥濘に吸い込まれるかの如く、綺麗に短剣が突き立った。
すでにマキシマはジャンダへ向かい走り出している。
甲高い金属音とともに、ぱっと火花が散った。
疾風の一撃を、戦斧で受け止めるジャンダ。
天空を割るように稲妻が走った。ひときわ大きな轟音、今度は近い。
一瞬の光に固まる二人のシルエット。
互いの武器を打ち交わすマキシマとジャンダ。
それはまるで、英雄劇の一幕を見ているかのようだった。
>>64-65ありがd
とりあえず、行けるとこまで行くつもり。
少しだけ期待しながら、生温かく見守ってくだされば幸いです。
>>7テンプレでのキャラも、暇だったら作ってください。
>>35>>41あたりは若干変更して出すつもり。
それではまた。
69 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/27 20:42:30
おもしろそうと思うよ。
でもピエルあっさり死んじゃってもったいない。
アドルフ採用かよ!
>一瞬の光に固まる二人のシルエット。
>互いの武器を打ち交わすマキシマとジャンダ。
体言止めは下手に使うと、違和感を与える上に悪文になりやすいので注意せよ。
体言止めに限らず、特殊な表現法はここぞ!と言うときにだけ使うのがベター。
とりあえず、読みやすい文章、自然な文章を書くように心がけてみてはどうだろう。
名前:カタリーナ・デ・アセンシオン
性別:女
年齢:17
職業:傭兵
性格:即物的かつ刹那的だが人情家。つまりラテン的。
口調:かなり男口調
【容姿】
赤毛の長髪。
【その他設定】
小器用でおおよその武器は扱える。好戦的だが逃げ足も速い
【プロフィール】
南国の貧民の生まれで、幼少時から実戦を経験している。
見かけによらず信心深く、現在は教会に雇われている。
なんか国家的な話っぽいので傭兵キャラを一人。
名前:デリク・エイムス
性別:♂
年齢:42
職業:武官
性格:実直
口調:断定形
【容姿】
大柄で頭は短く刈り込み、紺のマントをいつも羽織っている。
昔の戦傷から左目の視力が極端に弱く、いつもあらぬところをみている(斜視)。
【その他設定】
古いタイプのオヤジ。
忠誠心にあふれ国家を第一の君主とするが、謀殺されて死んでしまうタイプ。
バカ正直で型にはまった思考しかできず、喜んで殉死しようとするような国粋的性格。
【プロフィール】
低い身分の出身だったが、馬丁から身を起こし、数々の功績により武官職を任命される。
仇敵を倒した際にその妻を娶った。結構な美人でおとなしい性格の妻で、寵愛している。
>>69 ありがとう!
国の状況を説明する上で、あーいうシーンも必要かなぁ、とか思って。
なりゆきで殺しちゃいました。
>>70名前だけです。主人公っぽくない?
>>71 おお、助言さんくす!
なるほど、体言止めですか。そーいう技法もあるのね。感謝!
一応、読みやすいように書いてたつもりなんだが、まだまだのようでorz
次からは気を付けます。
>>72 わかりやすくて良いキャラっすね!
動かしやすそうです。感謝!
できれば戦士系の男もひとりほすぃ・・・
>>73 いつの間にか、個人的に大好きなキャラが書き込まれてるし。
そーいう忠節オヤジ、いいっすよね〜。ありがとうございます!
名前:オシップ・ヒースティング
性別:野郎
年齢:24
職業:職業兵士
性格:ライト
口調:タメ口
【容姿】
ブラウンの髪の毛にそばかすのある頬。
彫りが深い顔つき。
【その他設定】
冗談好き。軽口ばかり叩いていてなかなか他人に相手にしてもらえない。
悪戯を好みトラブルメーカーである。しかし本人に悪気はなく、根はいい奴。
剣術の腕は相当立つ。下品なわりに、美人の前に出るとどもってしまう。
【プロフィール】
実家のチーズ屋を継がされそうになってあわてて軍に入隊。
名剣士であった部隊長に素質を見込まれマンツーマンで指導を受ける。
部隊長の「不審な事故死」以降、自主的に修行を重ね、今では軍内に彼の右に出る剣使いは少ない。
兵士仲間と賭け事に興じたり深夜の街に繰り出したりしたことが発覚して、何回も罰を受けている。
魔法使いが少ないな
名前:エレアノーラ(エレン)・マクディメンス
性別:女
年齢:19
職業:魔法屋・魔法使い
性格:根暗・引っ込み思案
口調:セリフの頭に「……」がつく。ボソボソ喋り。
【容姿】
いつもローブを深く被っていて俯き加減なので表情がよくわからない。
実は色白で腰までとどくブロンドヘアーの、端正な顔つきの美少女なのだが、
極度の恥ずかしがり屋で、人前でローブを脱ぐ事が無いため、ほとんど誰も知らない。
【その他設定】
根暗でいじけやすく、人の輪に入っていけない。
ただ、自分の得意な魔術・呪術の分野の話題を振るとマシンガンのように喋るので、手に負えない。
密かに城下の剣士(
>>76)のファンで、人知れずいろいろなファングッズを無駄にこしらえている。
【プロフィール】
零落した魔法使い一族の末裔だった母方の祖母から魔術の手ほどきを受け、どんどん知識を吸収して成長した。
自立した後は城下町の一角を借りて、魔法のかかった品物を販売して生計を立てている。
でも本当は精製魔術より実践魔術(攻撃を行う魔術)のほうが得意。
仕事の傍らで実践魔術の研究を進め、魔法学会でちょくちょく発表している。
研究の一環と称して、山で不審火を起こしたり町中の猫を全て黒猫にしたり(犯人はバレてはいない)、物騒なトコロも。
78 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/28 07:11:17
人だけなの?剣、魔法、世界観、文化、
そういうのは決まってるのかな?
悪いが読む気がおこらん。
だれか、1レスくらいの長さに要約してくれ
打つ、払う、突く、そしてまた打つ。
怒涛の如きマキシマの攻撃を、すべて戦斧で受け止めるジャンダ。
時折、その攻撃の隙を突いて、ジャンダの強烈な一打がマキシマを見舞う。
どれほど打ち合ったか。時間にすればわずかなものだが。
腕はほぼ互角。このままでは埒があかないと、マキシマは大きく飛び退いて間合いを取った。
ジャンダはそれを追尾することもなく、立ち止まったままで大きく深呼吸をしている。
打ち注ぐ雨と遠い雷鳴。しばらく時が止まったかのように情景が固まる。
「貴様らッ、何をしているッ!?」
突然、ジャンダの叱責が飛んだ。膠着を破るかのように、森を駆け抜ける怒声。
まるで金縛りから解かれるように、それまで固まっていた騎士たちの体がビクリと波打った。
慌てて剣を抜き放つも、その後は互いに顔を見合わせ、再び固まる。
騎士たちは、二人の凄まじい一騎打ちを見せつけられ、半ば怖気づいてしまっていた。
王軍一万騎。
メリージ王国の建国時に、首都スレーベルに置かれた近衛兵団の呼称である。
しかし領土が拡大し、王都が外敵の脅威に晒されることがなくなると、その有様も変わってくる。
人数は削減され、現在の実数は5千に届かない。
また、国王の親征が途絶えて久しい現在、彼らは実戦に投入されることもなく、
その内部は貴族の子弟や王宮の空きポスト待ちの若手官僚といった軟弱者たちで固められていた。
しかし皮肉なことに『王軍一万騎』という言葉は、屈強な軍隊の代名詞として現在に残っている。
ジャンダの背後で戸惑う若い騎士たち。
彼らにしてみれば、アドルフの発見は幸運というより、むしろ不幸であった。
適当に検索を済ませ、さっさと王都に帰って暖かい風呂と飯にありつきたい。そんな考えで彼らは来たのだから。
正直、王家の後継者争いなど、どうでもいい。日々の安息が得られるならば、玉座に猿が座っても彼らは文句を言うまい。
軍隊というよりは、半官僚ともいうべき近衛兵団。その内部では、そういった考え方が蔓延している。
そんな彼らの様子に、ジャンダの怒りは爆発寸前となっていた。
(何をしに来たのだ、貴様らは!?)
マキシマを注視しつつ、再び怒声を発せんと息を吸う。
その瞬間、空がまばゆく輝き、そして耳をつんざく咆哮が轟いた。
神の鉄槌とも呼ぶべき雷が、容赦なく大木を引き裂く。そして大地が振動した。
わずか一瞬、ジャンダの意識が飛んだ。そして気付く。
いない。目の前にいたマキシマの姿がない。
視界の片隅を走る影、咄嗟にその方向を見やる。
ジャンダを中心として弧を描くように、マキシマが疾走していた。
ひとりの騎士を目標に、マキシマは駆ける。
「うわぁ」という情けない声。騎士は剣を振り上げたが、それを振り下ろせないまま喉を貫かれた。
強引に剣を抜き取り、新たな標的へと向かう。次は一合だけ打ち合った。
たった一合で、宙に舞い上げられる騎士の剣。
そして横殴りに斬撃が叩き付けられた。気味の悪い音を立てながら、その兜ごと騎士の頭部が無残に歪む。
三人目は震えながらも、マキシマに向けて剣を構えている。
逃げ出さないのは、まがりなりにも騎士、といったところか。
すぐに決めてやるさ、とマキシマは駆け出す。
だがそこで、弾丸のように突進してくる、ジャンダの姿を視界に捉えた。
繰り出される戦斧を、とっさに剣で受ける。
しかし体勢が不十分。その勢いを受け、マキシマは吹き飛ばされた。
泥濘の中を転がる。立ち上がった時、彼の姿は半ば泥人形と化していた。
(さすがに欲張りすぎたか・・・)顔面の泥を拭いながら、彼はわずかに自嘲した。
こんばんわ。少々酔っ払って書いたので、文章にミスがないか不安。
>>76-77ありがとうございます!
オシップはもうすぐ出そうと思ってるキャラにかなり近いので、そこで出そうかと。
設定なんかもなるべく>76に近づけられるよう努力いたします。
>>78 すみません、まるで決まってません。
良いアイデアがあれば、助力きぼんぬ。
今のところ、脳内で構想されてるのは・・・
世界観は昔のヨーロッパ。はい、ベタですが。
力関係は、剣>魔法(戦争の主力は剣。魔法の力は弱く、補助的なもの)
てか、魔法どーしよう。もしかしたら、魔法ナシってことになっちゃうかも。
でも、スレタイがアレだからなぁ。出さなくちゃマズイよね・・・。
>>79 すまん。駄文で申し訳ない。
名前:アスガルド
性別:男
年齢:26
職業:屯田兵
性格:穏やかであるが、仕事に対しては生真面目で忍耐強い
口調:騎士特有の固い言葉遣い「苦労をかかる」「このまま終えられようものか」
【容姿】この地方特有の青い髪に青い目をしている
普段は農耕に適した服装だが、戦闘時には全身武装の青い甲冑(古王国の正式兵装)に身を包む
【その他設定】
古王国の騎士団は魔王制圧圏の最接近領区に存在していたこともあり、その全てが非常に優秀であった。
様様な攻撃魔法も回復魔法も中級に達しており、武技はそれ以上を求められ、魔王圏から進入してくる魔物に対して、弱点を的確に見ぬき、それを突くことが求められた。
アスガルドは騎士受勲式の式典最中に古王国が滅亡したため正式な騎士としては認められていないが、入隊試験はパスしているため上記の事柄は修めている。
【プロフィール】
魔王の制圧領域に接していた古王国ベリュンヒルドは魔王の気まぐれにより長い間存在しつづけていたが、その気まぐれにより11年前滅びた。
現在では凶悪な魔物が跳梁跋扈し、統率された軍隊や熟練した冒険者でさえ支配圏での活動は困難を極める。
魔王は基本的に人がかなう相手ではなく、古よりその存在に人は存亡の危機に幾度も直面していた。
アスガルドは後退した人間生存可能域にかつての国民等と作った村で開墾しながら、王都奪回を夢見る。
>>83 北欧神話ですか
で、1はどういうキャラ(あるいはそのほかの文化や魔法やら)が今入用なのん?
>>83 ウホッ、いいキャラ!アスガルドっていい響き。
キャラというよりは地名を想像しちゃいますね、何となく。
元ネタは北欧神話っすか。すみません、勉強不足で僕はわかりません。
>>84 う〜む、キャラでいうと、あとは貴族の領主様とか、参謀系の頭脳派かな?
設定とか、ちょいとここらで整理してみます。また後ほど。
【キャラストック】
戦士♂:
>>73・
>>76・
>>83 戦士♀:
>>35・
>>72 魔法♀:
>>41・
>>77 ネタ系:
>>15・
>>32・
>>42 【世界観】
メリージ王国
首都:スレーベル(王宮名トラフ)
国王:現在はいない
王族の紋章:金色の獅子
宰相(ルドス)、大将軍(空位)、大司教(マルチン)、占星大師(アメンサ)
上記は四相と呼ばれ、国王直下に属している。
近衛兵団(通称:王軍一万騎)
所属将軍:ジャンダ
国王直属の軍隊。弱い。
国王の遺児
ピエル(長男):処刑済み
アドルフ(?):主人公
??(末弟?):ルドスらが支持
アスガルドとかそーいう、別の意味を強く持っちゃってる名前を使うのはもう古いです。
古いとは思わんが、アスガルドは北欧神話における世界の名前だろ?人名にした事に深い意味を感じれんな。
【文章作成の注意】
基本は過去形(〜した、〜だった)
臨場感は現在形(〜する)
擬音語、擬態語は控えめに。
体言止めは乱用を控えること。
特殊技法は勝負所に使うべし。
読みやすい文章、自然な文章を心掛ける。
・・・こんなとこかな?
抜けてるものがあれば、教えてください。
>>87-88 いや、でもせっかく考えてくれたんだから、出そうと思うよ。
世界は島国にして、国内の様子に絞って書くべきか。
あるいは、大陸の一部で、周辺諸国との外交も交えるべか。
物語の方向性は、RPG風にいくか。あるいは戦記物でいくか。
その辺で迷ってます。
何か助言があればきぼんぬ。
>>87-88 いや、普通の人北欧神話とか知らないから。
こういうのに神話とかこだわらないほうがいいよ。
うん。
面白ければいいんだから。
普通の人じゃないのか………ショボーン
せいぜいがゼウスとかギリシャ神話で、よければミカエルとかガブリエルとかキリスト教圏の織天使くらいなものだろう?
一般の認識との齟齬を理解してないと駄目だぜおい
熾天使だろ!そしてミカエルは力天……
ハッ!
ソウカ、コウイウトコロデ ツッコメルカラ イッパンジン ジャナイノカ……
普通にしてんしって変換してもでなかったんだもん
どやって出すんだよ。
……
単語登録(ボソッ
>>90 大陸の一部な。
RPGとか戦記は、キャラに重点おいて柔軟にやれ
よくやるよ
つーか、アスガルドはゲーム名で知ってるやつも多いだろ。
そーいう微妙な市民権を得ている言葉ってのは控えたほうがいいかなぁ〜って。
気にしない人は気にしないけどね.
盗賊の名前にダガーとか。騎士の名前はランスロット。とかね
重複くらいはいいよ。
あっちは設定先行、こっちは創作先行。やり方が違うし、お互いの経過を見ていくのも楽しいかと思われ
うわ。めんどくそう
「こやつの相手はワシがするッ、貴様らは奴を捕らえよ!」
残った三人の騎士に向かい、ジャンダが咆えた。奴とは無論アドルフのことである。
その命に従い、すぐさま動き出す騎士たち。
この化け物のような戦士を相手にするよりは、あの軟弱そうな若者の方が何倍もマシだった。
当のアドルフは木陰に佇み、事の成り行きをひたすら見守っている。
彼としては、マキシマが敵全員を討ち果たすことに期待を寄せていたのだが、どうもそれは適わぬらしい。
あの二本角の騎士は、予想以上に手強いようだ。
先程の間に、逃げ出そうと思えばそれもできた。
しかしそれをしなかったのは、マキシマと離れてしまうことに一抹の不安を感じたからである。
泥をはねながら、迫り来る3人の騎士。
アドルフは覚悟を決め、反対方向へと駆け出した。
充分な睡眠と、マキシマに貰った干し肉が、彼の体力をいくらか回復させていた。
身軽なアドルフと、重い甲冑をまとった騎士たち。その走力は今のところほぼ互角。
木々の合間を縫うように走るアドルフを、騎士たちは必死で追いかけた。
「ええい、別れて奴を囲むのだ!」息を弾ませながら、一人の騎士が叫ぶ。
このまま3人一緒に追いかけるのは、いかにも不効率であると気付いたらしい。
しかし彼らの連携はいまひとつであった。
いびつな三角形を作りながらアドルフを囲もうとするも、彼はその死角を突いて包囲を抜け出す。
そんなやり取りが何度か続いた。
相変わらず、雨はしきりに降り続いていたが、雷鳴は聞こえなくなっていた。
息を切らせてアドルフは走る。向こうで聞こえる金属音は、マキシマとジャンダが戦っているものだろう。
そんな中で、アドルフは体に鎖が巻き付いてくるような、ずっしりとした倦怠感を徐々に感じ始めていた。
追いかける三人の騎士のうち、二人は既にグロッキー状態だった。
だが、残る一人の騎士。こいつはなかなか体力があるようだ。
アドルフは段々と縮まってゆく距離を意識し始める。
背後を振り返ると、先程よりも近い場所に、走り来る騎士の姿が見えた。
このままでは追い付かれる、そう思ったアドルフは、不意に反転し騎士へと向き直った。
その行動は騎士としても予想外のものだった。彼は走りながら考える。
アドルフを殺してしまっていいのか。それとも、生きて捕縛するべきなのか。
騎士から繰り出される中途半端な打ち。それを短剣で受け止めるアドルフ。
そのまま制圧しようと考えたのであろう。騎士はアドルフへと圧し掛かってきた。
転倒し、泥の中を転げ回る二人。
やがてそれは、騎士がマウントを取る形で停止した。
短剣を持つ手は、騎士の右手で封じられている。
もう片方の手でアドルフの顔を地面に押し付けながら、騎士は叫んだ。
「大人しくしなされ!」
それに従う道理はない。アドルフは必死でもがいたが、体にうまく力が入らない。
手首をひねられ、握った短剣が地面に落ちる。
もう駄目だ・・・、そう思った時、まるで魔法がかかったように騎士の圧力がフッと消えた。
顔面を覆った騎士の手を払い解く。
馬乗りになった騎士のフェイスガードから、ゴポッと血が噴出するのが見えた。
そのまま騎士は横に倒れ、その背後にある人物を顕わにする。
アドルフは視線を上げ、その人物を見やった。
ブラウンの髪は雨に濡れ、その頭部にぴったりとくっついている。
彫りの深い顔立ち。その頬には若干のそばかすがあった。
視線が合うと、その若者はくったくのない笑みを浮かべ、アドルフに言う。
「水もしたたるイイ男、なんてね」
恐らく冗談のつもりなのだろうが、アドルフには理解できなかった。
しばらく男を見上げたまま、行動を停止させるアドルフ。
男の髪の毛からは、確かに水がしたたっていた。
>ゼウス、ミカエル、ガブリエル
その辺は知ってる。名前だけだが・・・
>>97 りょーかいっ!大陸の一部の方向で。
キャラに重点おいて柔軟に・・・。
すまん、柔軟って、何を柔軟にやればいい?
>アスガルド
アレフガルドを思い出した。もしかして、元ネタ?
>>100 おもしろそうなサイトっすね。
これからちょっくら目を通してみます。
てぃむぽ
1ぃ・・
ちょっとなまけてるんじゃないのか?
す、すまん・・・orz
怠けてはない。昨日も文章の手直しにかなり時間使った。
もしかしたら改悪されてしまったかもしれんが・・・。
今日、宮部先生のICO買ってきた。
さっき読み始めたんだけど、すげーなぁって感じたよ。
この人の作品って初めてなんだけど、読みやすいね。
男の名前はリチャード。あの伝説の国王だ。
「小僧、立ち去れ。ココはお前のような若僧の来る場所ではない」
「なめるな!」
アドルフは例え相手がリチャードであろうともひるむことなく剣を抜いて突っ込む。
リチャードは不敵に笑う。アドルフの剣が横に払われる。火花が散った。
リチャードも剣を抜いて防いだのだ。
「とうーっ」
アドルフはジャンプした。驚いたことに目の前にリチャードの姿がある。
「ふふふ。遅いぞ」
リチャードはフェシッングの教師でもしているかのように余裕だ。
「くそー」
アドルフはイライラする。
「そろそろ終わりにさせてもらうぞ」
リチャードは剣を振るった。ドスンと当たる。
アドルフは地面に大きく伸びる。片手を上げて、まるで「ハイルヒットラー」、とでも
叫んでいるようだ。
三人の騎士たちは目を覚まして、アドルフを小突きはじめた。
「やめろ!」
リチャードが怒った。さすが伝説の王だ。闘う上での礼儀作法を知っている。
闘って破れた相手には情けをかける。
「けっ!気取った王様だよ」
「ホントだ。ホントだ」
騎士たちはリチャードを悪く言う。
「ホラよ」
リチャードは金貨の袋を投げ出した。
「ひゃっほー」
騎士たちは大喜びだ。やはり流れ者の騎士など、雇うべきではなかった、とリチャードは心の中で呟いた。
>>111 そんなにこまめに切らなくても、もう少し長い文でもだいじょうぶだよ。
つうか、長すぎる場合は書きこむ時に教えてくれる。(経験者 汗)
リチャードは取り合えず、アドルフを隠れ家に連れこむ。
リチャードは始めから、アドルフを殺すつもりなど無かった。
なぜなら、アドルフはリチャードの息子だったからだ。
「ジャンダの奴が追ってくる。急げ!」
リチャードは三人の騎士たちに命令をした。リチャードはジャンダを憎んでいた。
なぜなら、彼の裏切りにより王の地位を奪われたからだ。
「はっ!御意に!」
騎士たちは急いだ。
王は雨に濡れたブラウンの髪をなびかせながら、馬を走らせた。
「なんなんだ???ここは?」
アドルフは目を覚まして叫んだ。ここはリチャード王の隠れ家、ブラン城だ。
しかし、懐かしい気分もする。当たり前だ。ここはアドルフが生まれ育った場所だ。
「お目覚めのようね」
謎の女が現れた。女はドレスを脱いだ。
「な、なにをする?」
アドルフはあせった。
「ふふ。剣の腕だけじゃなくて、女にも未熟なようね」
女は馬鹿にするようにアドルフを見た。
「なんだと?」
アドルフはかっとなった。
「これはそなたの真面目さを試しただけじゃ。この任務は真面目な男でないとつとまらん」
「任務だと?」
「そうだ」
突然、リチャードが現れた。
うう。物語はともかく、言語圏くらいは押さえて欲しい。
リチャード・・・イギリス、アドルフ・・ドイツ
でも、まあ、日本人がエリカ(恵理華)とかジョージ(譲二)って名前つけるようなものか・・・
じゃましてスマン。つづけてくれ。
>114
「リチャード登場」と山場を迎えて次回に残す展開がイイ!
>>115 世間一般のファンタジー小説でも一緒だろ。
言語圏なんて意識してないし。語感だけで。
言語圏?がばらばらだと語感もばらばらになるなりよ。
とはいっても、あんまりカッチリ考えるのもよくないけどね。
もはや動かなくなった騎士の死体をどかし、アドルフは立ち上がった。
「でもまあ、良かった良かった。てっきり死んだもんだと思ってたからね」
肩をポンポンと叩きながら、男が笑う。
どうやらこの男は自分のことを知っているようだ。
苦笑いを浮かべながら「ああ・・・」と、曖昧な返事をする。
告げるべきか、記憶をなくしたことを。アドルフは戸惑った。
しかし、彼のそんな胸中などお構いなしに、男はしゃべり続けている。
はっきり言って、会話を切り出す間がない。
「ああ、もしかしたら怒ってるのかな? でもさあ、こっちも大変だったんだよ。
夜は暗殺者に襲われるし、はっきり言ってほとんど寝れなかったよ!
さっきだってさぁ、追っ手に追いかけられて大変大変。何とか撒いたけど。
だからね、ちょっと遅れたくらいで怒るのは筋違いだと思うんだ。
辛かったのはそっちだけじゃないんだよ。いや、マジで。あれ、聞いてる?」
男はいったん話を止め、愛嬌のある顔でアドルフを覗き込んだ。
もしかしたら無言でいることを、怒っているように取られたのかもしれない。
「ああ、いや、俺は別に・・・」
怒っていない、と続けようとしたが、それを遮るように男の口が回転し始める。
「でも、すごいね。もう、ボロボロだね。満身創痍ってやつかな?
実は僕もやられちゃったんだよ。ほら、ここ。見て見て」
右腕を出す。確かにそこには切り傷があった。
てか、これくらいの傷、子供でも作るだろ。アドルフはそう思った。
「追っ手に出遭った時にさ、奴ら弓を放ってきて。凄かったよ、百本くらい?
剣で防ごうと思ったんだけど、一本だけ避けきれなかったんだ。
あ、ちゃちい傷だと思ったでしょ。でもね、ずっとヒリヒリしてるんだ。
多分あれ、毒が塗ってあったんだよ。おかしいもん、こんなにヒリヒリするなんて」
もはや真面目に聞く気はなかった。
疲労感とは別の、何かドッとした疲れを感じ始めている。
もういいよ、怒ってないから。早く解放してくれ。
そこで、木々の向こうから女性の声が響いてきた。
「お〜い、オシップ。そっちは大丈夫か!?」
男はクルリと首を回転させ「は〜い、大丈夫だよん」と、明るい声で返す。
どうやらこの男の名は、オシップというらしい。
だが、その名を聞いても特別感じるところはない。
本当に俺はこいつと知り合いだったのか、と不思議な気分にとらわれる。
でもまあ、解放されて良かった。アドルフは、ため息をひとつ吐いて声のした方向を眺めた。
>>111-114 予想できない展開、面白かったです。
礼儀としてそこから続けるべきかと考えましたが、
すみません。そこからどう展開させればいいか思いつかない・・・
よろしければ続けてください。何気に任務の内容が気になるし。
>言語圏
全く考えてないです。てか、学が足りんので無理・・・。
114-115はこのスレを連作スレと勘違いしてる。
ファンタジーものって人物名でセンスが分かるんだよ。
>123
それは同人レベルであって、ある程度いけばハイセンスが当たり前では。
この板は同人レベルだろ?(平均するとな
木々の間を抜け、先程の場所へと戻る。ジャンダの姿はもうなかった。
地べたに座り込み、凝った肩をほぐすように揉んでいるマキシマ。
それとは別に、立ったままこちらを見つめる女性がいた。
小麦色の肌に均整のとれた体、赤い長髪を後ろで結んでいる。
切れ長の釣り目が少々きつそうな印象を与えているが、全体的に見ればそれなりの美人であろう。
「無事だったのか」
無表情に告げる彼女の顔に、アドルフはわずかな落胆の色を見た。
「そっちも無事だったようだね。あのでっかいオジサンは?」
「逃げられた」
「そうなんだ。敵に背後を見せるとは、騎士道の風上にも置けない奴だね。
でも、さすがにマキシマとカタリーナが相手じゃきつかったのかな」
「昨日のあたしらは逃げっぱなしだったけどな」
「僕らは騎士じゃないじゃないか」
「それもそうだが、あんたの華麗な逃げっぷりは正直、見てて恥ずかしかったよ。
女のあたしを残して逃走するんだからな。男として恥ずかしくないのかい?」
「まあ、カタリーナは半分男みたいなもんだし」
「何ィ?」
カタリーナと呼ばれた女性が、突如として顔を豹変させる。
彼女は凄まじい形相でオシップを睨みつけた。
慌てた様子でオシップは首を90度曲げ、アドルフに言った。
「でも、アドが無事で良かったよ」
「アド?」思わず聞き返す。
「お前のことだよ。アドルフだからアド。愛称ってやつだ」
少し離れた場所から、マキシマの声が響いた。彼はさらに続ける。
「そいつなぁ、どこで頭を打ったか知らねぇが、記憶をなくしてやがる。
全て忘れちまったみてぇだ。俺たちのことも、自分のことも、ぜ〜んぶ」
視線がアドルフに集まった。
「す、すまん・・・」
漠然とした罪悪感に襲われ、彼は思わず謝った。
それを見て、オシップとカタリーナは目を丸くさせて驚いた。
まるで得体の知れないモノを見るような目で、彼を見つめる。
やがて、震える声でオシップがつぶやいた。
「ア、アドが、謝った・・・!」
同人って小説もあったんだ。漫画だけかと思ってた・・・。
いやあの……、元々同人というのは漫画が後なんです……。
130 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/05 05:11:54
期待age
131 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/05 12:36:01
剣でまゆ毛を剃り落とすシーンが受けに受けて
百万部突破!
あと、魔法は光速で鼻毛を飛ばして敵を貫く
「アド、大丈夫かい? 熱でもあるんじゃないの?」
オシップはアドルフの額に手を当て、心配そうに聞いてきた。
「いや、だから、さっきマキシマが記憶喪失だって言ったろ」
背後からカタリーナの、的確なツッコミが入る。
「わかった、これドッキリでしょ! 僕らを騙そうとしてるんだ!」
「そんな一文の得にもならねーこと、俺ぁしねえよ」
今度はマキシマがツッコミを入れる。
それでもオシップは、信じられないといった様子で、ひたすらアドルフの顔を見続けた。
「どきな」
不機嫌そうなカタリーナが、オシップを跳ね除けて進み出てきた。
「これでわかる」そう言うと、彼女はアドルフの頬に、強烈な平手打ちを喰らわす。
小気味良い音とともに、アドルフの姿勢が崩れた。
雨は小降りになっていたが、以前に増して強い風が吹き荒んでいる。
ごうごうと空が叫ぶ中、彼らは沈黙してアドルフの動向を見守った。
頬を抑えたアドルフは、呆然とした顔でカタリーナを見据え「な、何故・・・?」とつぶやいた。
「どうやら本当のようだね。
以前のあんたなら、あたしに殴りかかってる筈だ」
「そうだね、殴りかからないまでも、
一族郎党皆殺しだーとか、火あぶりの刑にしてやるーとか、それくらいの台詞は吐くよね」
以前の自分はどういう人間だったのだろう。アドルフはそれを聞き、不安をおぼえた。
「漫才はその辺にしとけ。ここから逃げるぞ」
気付けば2頭の馬を引いたマキシマが、彼らの元へ歩み寄ってきている。
「騎士が残してった馬だ。アド、お前はこいつに乗りな」
マキシマから、一本の手綱を渡される。
「アド、これはね、馬っていう動物だよ。人間を乗せて走ってくれるんだ。とても速・・・」
説明するオシップを、マキシマが蹴飛ばした。
「それくらい、こいつだってわかってるよ!」
「何だよ、さっき全部忘れたって言ったじゃないか。せっかく僕が親切に・・・」
「ほっとけ、行くぞ」
マキシマとカタリーナが馬に乗る。アドルフもそれに従った。
ひとりブツブツ文句を言っていたオシップも、それを見て慌てて自分の馬に駆け寄った。
「ちょっと、待ってよ。薄情な人たちだなぁ・・・。
あ、ジョニー、駄目だよ。そんな怪しい草を食べちゃ。お腹こわすよ」
木の葉の舞う森を、ひたすらに駆け抜ける4つの騎影。
やがて森を抜けた先には、暗雲ただよう真っ黒な空が広がっていた。
>>129 すみません、失言だったかも。ご指摘ありがとうございます。
>>130 さんくす。がんばります!
>>131 マジであるなら読んでみたい。
てか、ある意味その発想はすごいと思う。
135 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/09 12:58:57
止まったか・・・まあ一応age
136 :
ちょっとキャラ作ってみた。:04/10/09 15:45:48
名前:ラスティール=ストウィズマン(ラスティ)
性別:男
年齢:16
職業:宿屋『烈華亭』の主人(親父)の代理(子)
性格:宿の仕事は几帳面。しかし、仕事をしていないときはやる気ゼロ。全くのゼロ。
口調:
「あー。また今月も赤字だー。せっかく爪に火を点す感じで支出を切り詰めたのに……。
だいたいどうして僕が親父の宿を経営しなきゃならないんだよ……はぁ」
「えーと、この見るからにジメジメしててカビ臭くて暗くて狭くて嫌な感じのココは一体どこ?
……えーと、もしかして……僕ってゴブリンとかに『さらわれちゃった』 ……とか?
あははははははあはははは……はは……は……駄目だ。不幸すぎる。なんか泣けてきた」
「その日を平和に暮らせればいいって思ってたんだ。
一生冒険しないで宿の番をして、冒険の話を聞きながら暮らしてもいいかなって
そう思ってた。
みんなお前のせいだからな!こんなに楽しいのはきっとお前のせいだ!」
137 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/09 15:48:01
【容姿】
茶色の髪。髪質は柔らかい。童顔。瞳の色は深い青緑。エプロンの着用などのせいで
頻繁に女に間違えられるため、大きなコンプレックスを抱えている。
あんまり「女」とか「烈華亭のヒロイン」とか「結婚してくれ」とか言うと怒るので注意。
念願の黒字化が叶うたびになぜかトラブルに巻き込まれ、宿から離れてしまう。
帰ってきた時宿の経営が散々たる状況になっていることは言うまでもない。
【その他設定】
親父が宿の仕事そっちのけで冒険に行ってしまうため、しかたなくやっていた宿の経営。
結果、交渉手腕と経営手腕がメキメキ向上してしまった。
街の商人の間では、「不景気なのになんで潰れないんだ?」「ぶっちゃけありえなくね?」
「頼むから私の商店の奴を教育してくれ」「ほらご覧、あれが街の名物 『潰れずの宿』 だよ」
などと色々と噂になっている。「いつか風評被害で訴えてやるーっ!」 by ラスティ
【プロフィール】
ええと、、、何から話せばいいかな?父が烈華亭の主人をやっているんですが、
実際はやっていないんです。で、僕が代理で経営してます。この仕事を始めたころは
裏のネットワークとか良く知らなかったんですが、最近はなんか色々ややこしいみたいです。
組織再編っていうんですか?まあ、僕は仕事の張り紙を張り出すだけなんですけど。
そういや先月新しいお客さんが増えて、少しだけ黒字になったんです。名前は何て言ったっけなー?
冒険?行ったことないですよ。宿とかありますし。ほらそこ!酒盗まない!!!
寒い
俺は随分前からそう思ってたがな
140 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/14 22:07:21
>>138-139 あーあ。なんでもう少し我慢できないのかな
1は、本文30くらいからものすごく面白くなるのに。マジで。
格好いいじゃないか
続きマダー?
145 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/17 19:25:43
1は?
「てめぇっ、すかした態度とりやがって…もう我慢できねぇ! 立てっ! ぶった切ってやる!」
こぶしを叩きつける音、椅子の転がる音、それから鞘から剣が抜かれる音が聞こえたのは、
ちょうどカウンターで一杯目を飲み終えたときだった。
酒の席のつまらない喧嘩だろう、と振り返ると案の定、大柄な男がひとりの剣士らしき男に詰め寄っている。
酔ってちょっかいを出したところ、冷然と無視されたかなにかでわめいている、といったところか。
「ふざけんじゃねぇぜっ。てめぇが何様かしらねぇがな! 戦争が終わってこっち、仕事にもあぶれてむしゃくしゃしてんだ!
何とかいえよ! てめえっ、仕官の口があったからっていい気になってんじゃねぇぜ!」
男の怒号ともいえる言いがかりに、剣士は動じない。ただ、涼やかに言うだけだった。
「仕官できないのは、お前の能力不足でというだけのことだ。わたしがどんな仕事につこうが関係はないだろう?」
あまりにも冷たい言いように、男の思考が一瞬だけ停止したようだった。しかしすぐに男の体が震えた。相当、頭に来ているようだった。
手にした剣を握りしめたのが、ここからでもすぐにわかった。
剣士もさすがに立ち上がり、自らの剣に手をかける。
「やるのか? なんなら、私の仕官の口を奪ってみるか? この『見えざる剣』と呼ばれた、私から?」
剣士の口からこぼれた言葉が酒場を駆け巡った。見てみぬふりをしていた客すら思わず振り返る。
わたしももちろん驚いた。まさか、『見えざる剣』とは。 先の戦争で、恐ろしく速い剣さばきを武器に成り上がった英傑の名だ。
戦死した、という噂が、事実として認識されていたが、まさか再び見えることになるとは思わなかった。<続く?>
あれ? なんで書き終わって見直すと大丈夫なのに、
修正不可になるとポロポロとほころびが見つかるんだろう?
お? 新作か?
149 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/20 14:12:46
新作age
イ`ヽ、:::::::::::::`:ヽ-、_lllllllllllllllllllll`、
__,―'´lllll|lllllllll`ヽ、:::::::::::::;;;;;;`ヽ、_lllllllllllll|
`l ‐-、_lllllllllll|、lllllllllllll`、;;;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;ll`|lllllllllll`l
`|l|ll|lll`ヽ、llllヽll'‐'´⌒`、llllllllllllll;;lllllll|ニ、lllll|
|l|ll|lllllllli'´ ̄´ `、llllllllllllllllllll|,-、`|llll|
|l|ll|llllllll| , _,.‐ |ll,、l,lllllllllll|‐ 、/lll/
|lト、lllllllll`ー、_ ヽ`-',=iフ.|l|`l|`|l|、l/ー' /llll`l
|| ヽllト、lll`F|  ̄´. || ||ll|llノ i‐' ‐、lll|
ll `ヽ、`ヽ| l l/ | |l||/ `l |`i、
| `ー `し_ ー / |l/ / / 人`、
\_, -‐― /_, -、'`< ノ llllヽ、
┌‐────┐ ,.‐∧―- / `l `ヽ`ヽ、ノllllll\-、
│ ミツルギ | /llllll/llll`、___,/ | | `ヽ ヽllllllllll`ヽ
├───‐─┴────────────────────────
│剣を抜けっ!!御剣怜侍、いざまいる。
└─────────────────────────────‐
151 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/20 23:25:38
プリントアウトして赤ペンでチェックしていかないと案外わからないもんだよ。
それより連載ペース遅いよ。
<続き>
酒場がまたいつもの喧騒を取り戻す。『見えざる剣』の名に恐れをなした男が去ったあとは、件の剣士は静かに杯を傾けているだけだ。
私は少なからず、彼に憤りを感じていた。先ほどの男ではないが、私もまた戦争が終結してからというもの、まとまった仕事にありつけないでいたからだ。
私がこの酒場へ来たのは、その憂さを晴らすためだったのである。そしてそれは、決まりかけていた口を蹴られた怒りを静めるためでもあった。
そういえば、雇い主になるはずだった貴族が言っていた。
”そなたのような下賎の者ではない、本物の勇者を見つけたでな。そなたに用はないのだ”、と。
酒の勢いがなかったとは言えない。わたしは剣士のもとへと足を向けていた。
「『見えざる件』殿。つかぬことを伺うが、先ほどの男が言っていた仕官の口、というのは、もしやフィンブレン候家ではありませんか?」
こちらの問いに対して剣士は微笑みながら、その通りだ、と答えた。上品な笑みだ。貴族受けするのも良くわかる。
「度量の狭いことを言うようだが、その口は先に私のものになるはずだった。こちらも食わねばならない身」
剣士はいぶかしむように聞いている。だが察しはいいようで、傍らにおいていた剣を寄せていた。
「…どうだろう? ひとつ摂り返させはもらえないだろうか?」
私の提案は、一介の剣士としての心を揺さぶるものであったらしい。
「いいでしょう。…ただし」
剣士の言葉が切れると同時に、風が頬をなでた。そして、殺気こそこもってはいなかったが、剣の切っ先が私の喉元を照らしていた。
「…ただし、命の保証はできませんよ?」 <続くのか?>
ちうか、ウチは紙におこさないとダメなんだよね。それこそ赤ペンね。
連載っていっても、即興で書いてるからなぁ……
読んでる人いるのかわからないけど、たぶんウチの文章は苦手な人もいるかも。つーか、魔法出すの忘れたし…
154 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/21 01:56:44
まあ誤字とかはそれほど気にしない。
新作age
もう少し面白ければなぁ…
まぁ、
>>1からの流れの中では、まともなのがやっときたって感じもするけどな
店を出ると、物見遊山な酔客たちが我々を取り囲みはじめた。
そして改めて私は剣士と向かい合う。お互いに10歩ほどの距離だ。どちらも剣は抜いてある。
決闘の作法どおりに礼を交わす。
私は再び剣を鞘に収めた。相手が速い剣さばきを武器に掲げるというのなら、こちらもまた速さには自信がある。
抜刀での早撃ち。相手もこちらの意を察したのか、やはり剣を収めた。
少しずつ間合いを詰める。野次馬たちもいつのまにか固唾を飲んで見守っていた。静かな、それでいて張り詰めたような空気があたりに満たされる。
「……なんならあなたが先に抜いてもかまわないけど?」
余裕の笑みを浮かべながら剣士が言った。しかし、私は答えない。見えない間合いをはかるだけだ。
時間の流れを感じないほどに、なめるように距離を詰める。
互いに、大きく2歩といったところで動きを止めた。
剣士の呼吸が聞こえる。ゆっくりと吸い、静かに吐き出す。吸って…吐き… 吸って…吐き… 吸って…吐く、その瞬間。
右手が、まるで何かに弾かれるように動く。
そして。剣閃がきらめいた。それから、高い金属音と、わずかながら血しぶきが上がる。
肩口と腕の傷。傍らに落ちた、抜かれることのなかった剣。見えない太刀筋を追うように見つめながら、剣士が倒れた。
「…これで、返してもらうぞ? 仕事と、ついでに…一度捨てた名を」
刃についた血のりを拭いながら、私は言った。そして、腕には懐かしい感覚がいつまでも残っていた…… <おしまい>
教訓:
簡単でもいいのでプロットは組んだほうがよさそうだ。
推敲はちゃんとしたほうがよさそうだ。(PCの画面じゃダメみたい>わっしはね)
5レスくらいにしたらよかった…
さ! 次は誰か魔法を書こうよ!!
159 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/21 20:14:15
新作age
お。新作age
と、思ったら、完結してやがる…
けっこう読み応えあるじゃねぇぇえぇぇぇぇヵか!
つーか、魔法ないじゃん。剣客浪漫譚じゃん。
162 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/21 23:03:24
どのスレでもやってることはほぼ同等で退屈な板だな
そういうことだ。
164 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/21 23:30:21
まあたかだか二、三人で必死で切り盛りしてるにしては
よくやってる方だな。もう少し頑張ればちょっとは楽しめる板になるだろう
正直言って、見えない剣のほうが
>>4からの本文シリーズより読める代物だな。
本文もけっこうすきなんだが、こう広がるだけで…ってかんじでさ。
見えない剣は
>>1じゃないみたいだな
166 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/22 00:33:27
名前:サヨキング(愛称よっきゅん)
性別: 不明
年齢: 子供あつかいされないぐらい大人
職業: 環境意識の高いプロ市民
性格: 無抵抗主義者
口調:
「よくわからんが、俺ならば非武装無抵抗で殺されるね」
「平和平和平和理想理想理想心心心わかりあいわかりあいわかりあい
話し合い話し合い話し合い……、お前ら、これで心が温まっただろう?」
「地球が泣いているのに、なぜ、お前たちは争う?」
【容姿】
人々を安心させる
【その他設定】
平和な地球のカリスマ仮免許を持っている
【プロフィール】
地球の危機を何度も救った。
遠い別の銀河系の星の人々から
「私たちの世界にも、是非とも、あなたの非武装無抵抗を伝えてください」
とマジに誘われていて、色々と迷っている。
フ…
次も誰か早く書いてくれ
169 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/23 14:36:28
続き希望age
続きって何の?
名前:スライム
性別:雌雄同体
年齢:不明、年を重ねるごとに巨大になる
職業:モンスター
性格:エロい
口調:ぶるるん…★ ぷるるん…♪ ブチュン…!!
【容姿】
半透明のゲル状
【その他設定】
9ゴールド 5経験値
【プロフィール】
序盤に出くわすモンスターの一匹であったが
今は変態金持ちのペットである
172 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/25 15:46:31
【魔法設定】
↓だれかよろ
【不倫属性ヒール】
嫉妬に狂った妻や愛人に刺されたときにかけると、
一定の体力を回復させることができる。
ただ、銃で頭を撃ち抜かれた場合は効力なし。
「あんた、裏切ったわね」
旦那の不倫がばれた。
鬼の形相をした奥さんが旦那に出刃包丁を振りかざす。
「堪忍や。もう二度とせえへんから」
「もう二度とって、これで何度目なのよ。死ね、死ね、死ね」
ザクザクザク。
まるで一年戦争の開始を想わせる、派手で豪快な勢いで、
奥さん、旦那を刺しまくり。
175 :
174続き:04/10/25 21:58:23
奥さんの荒れっぷりを、年を経た巨大なスライムは
じっと見つめていた。
そいつは、この家のペットだった。
性格はエロい。
旦那が奥さんに刺されているのも、何かの新しいプレイ
だと勘違いしていた。
だから、殺人が行われようとしているのに、いっこうに
警察に電話したりしなかった。
旦那の生命はまさに、風前の灯火。
そこに、いきなり、
「不倫属性ヒール」
という爽やかな地球市民の声が響きわたった。
嫉妬に狂った妻や愛人に刺されたときにかけると、
一定の体力を回復させることができるという、なか
なかストライク・ゾーンの狭い魔法だが、この場合
には見事に成功。
旦那は息を吹き返した。
「どこのどなたか知りませんが、わしの命を救ってえや。
おかあちゃんに殺されてまう」
そう言いながら、旦那、必死になって、地球市民の背後に
隠れようとする。
ぶち切れた奥さんは、
「あんたね、その男、かばうつもりだったら、
あたし、まとめて、あんたも殺すよ」
と血まみれの包丁をさげて吠えた。
「よくわからんが、俺ならば非武装無抵抗で殺されるね」
地球市民は言った。
人々を安心させるような容姿の持ち主だ。
それを聞いて、奥さんはびっくり。
「そのセリフ……、あんた、もしかして、よっきゅん?」
178 :
177続き:04/10/25 22:13:43
まるで日本海の不審船のごとく、突然に夫婦の屋敷に
乱入してきた地球市民の正体は、平和な地球のカリスマ
仮免許を有するサヨキング(愛称よっきゅん)だった。
その平和の呼びかけは、地球の危機を何度も救った
伝説の英雄である。
最近は、神も悪魔も精霊王も、彼のことを、尊敬するべき
人物のトップにあげているようだ。
環境意識の高いプロ市民でもあるよっきゅんは言った。
「平和平和平和理想理想理想心心心わかりあいわかりあいわかりあい
話し合い話し合い話し合い……、お前ら、これで心が温まっただろう?
地球が泣いているのに、なぜ、お前たちは争う?」
179 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/25 22:19:27
奥さんはバラリと包丁を投げ出し、
「やはり武力による解決は何もうまない。話し合いとわかりあいで
物事を解決するべきなのですね?」
それを聞いて、旦那は大喜び。
「爽やかサヨクだ。明日は赤化統一だ♪」
左がかることで、サヨキングは夫婦の危機を救い、悠然と屋敷を
後にした。
ぶるるん…★ ぷるるん…♪ ブチュン…!!
よっきゅんの活躍をたたえるスライムの歌が高らかに響き渡っていた。
(終わり)
180 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/25 23:44:44
なんといえばいいのか……おつかれさま
181 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/28 20:27:58
新作は?
拙者の愚作でよければ
ノシ みんなきいてー
魔法のネタだしを工夫できないかなあって思うんだが。
魔法ネタ出すとき属性とか効果とか書くだろ。でも、ありがちな火地風水とか攻撃系防御系じゃワンパターンだべ。
たくさん出てくると火だけでも似たり寄ったりで収拾が着かなくなるみたいなことになりそうだし。
だから、魔法の時代区分を設定してバリエーションを持たせるのはどうだろう。
例えば、古典派の魔法は純粋な自然現象の再現を目的として構成され、新古典派では自然現象の制御を目指し
現代に至ると新古典以前の複雑な術式から簡略に定型化された、誰にでも使える魔法が普及し
次の時代の魔法と目される新鋭派では効率と生産性or破壊力を求める工業的志向のロジカルな魔法・・・
つまり古典派=暗黒時代のヨロパ、新古典派=ルネッサンス頃のヨロパ、現代=近世ヨロパ、新鋭派=近代みたいな。
バリバリの優等生なら現代魔術のエキスパート、名家の跡継ぎなら新古典、天才なら新鋭派、マニアックなアホは古典
その他古代魔法とか秘伝の儀式etc.
これにありがちな火地風水とか攻撃系回復系補助系基礎応用その他を混ぜていけば
シンプルに厚み出せるんじゃないか?
まあ、少なからずこういう設定は見るし今更って感じだけど老婆心ながら。
他にも地政学や宗教、流派なんかで設定してもいいだろうけど、リアルタイムで書いてる1に負担が大きいと思うので
取りあえずシンプル且つ自由度の高い設定基準として提案させて欲しい。
アイデア言いっぱなしでなんだが俺は明日仕事なので寝ます。魔法ネタそのものはHPに余裕があるときにorz
リアルタイムで書いてる1って……
奴はもう逃げたよ
ありがちの枠を出ないな
今更その程度のアイデアでなにをする気なんだ
186 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/29 13:03:09
がんばれがんばれ超がんばれ
1タンはもう逃げたのか・・・日付見ないから気づかなかった。1タンカムバーック。。。
>>185 ふーん。ありがちなのか知らなかった。俺の剣と魔法時間はFF6で止まってるからなあ。近頃はモー娘。に(ry
本当は、魔法ネタ使うなら沢山必要になるからそういう整理の仕方したらいいんじゃないかなあって
感じだったんだけど上手く伝わんなかったらしい。ありがちなんて言葉つかったからか?ああん言葉って難しい。
1タン結構好きだったけどな。俺が雑食なだけか?何にせよがんがれ1タン。
しょせんゲームの枠にとどまってるからそんななんだよな
ファイアーボールとかな。
どうせなら黄金の夜明けでも調べて、近代火器の代用品とは違った形で魔法を扱ってみてはどうかな。
占星術やタロットで敵味方の運勢を調べたり、錬金術が哲学を含んだ化学として社会に受け入れられてたり。
>>188 しょせんで悪かったなハゲ。
>>189 俺は西洋占星術を最近始めた初心者だが、魔法に結びつけたことは無かったなー。
日本で戦国時代に敵に誕生日を知られないよう隠してたという話は聞いたことあるけど。
確かに手軽?魔法が現実にあったら色々違うよな。勉強不足だわ俺。
それにしても、『ファイヤーボールは近代火気の代用品』とわ。(・∀・)イイ!表現でちょっと目からうろこ。
191 :
名無し物書き@推敲中?:04/10/31 15:12:49
いいから続き書け
日が暮れようとしている。
旅人たちは今宵の宿を求めて通りを行きかう。
居並ぶ宿屋の煙突からは夕餉の煙が漂い、
下男が河に水を汲みに行く姿が見える。
ここは大エリミアの南東に位置する中都市、フィレム。
この地域一帯を支配している辺境候が、大エリミアの覇者たるエリミア帝国の帝都リヴェールへと、
年に一度の謁見に向かう道路の中程にフィレムは存在しており、
フィレムは代々の辺境候に宿泊地として利用され、発展を遂げた。
なので、フィレムには大エリミアの一般的な都市よりも宿屋の数が多く、
一般の旅人たちも、晩にはフィレムに辿り着くように旅程を組むことが多かった。
ところが。
「ウチはダメだね。ネズミだって泊められやしないよ」
宿屋の主人は手をひらひらさせて青年を追い払った。
これでもう七軒目である。
宿屋の多いことで知られるフィレムの街であるが、どういうわけか今日は満員の宿が多い。
「ついてねえなあ、ったく……」
夜風に体を震わせながら、青年は街の目抜き通りを先へ進んだ。
長剣を帯び、重そうな荷物を背負う青年は、名前をセロンと言う。
地方都市の商人から荷物を受け取り、帝都近郊の大商人の下へ運んだり、
その逆をしたりする、いわゆる運び屋稼業と呼ばれる仕事にセロンはありついていた。
とはいっても、セロンは見知ったコネだけで仕事をするフリーのお気楽な運び屋なので、
その風体は放浪する吟遊詩人と大して変わらず、ギルドにも参加していない。
なので、セロンは今、とても困っていた。
ギルドが発行する手形があれば、最悪の場合でも、ギルドと契約している宿で一夜を明かすことができるのだが、
そんな手形など、ギルドにも入っていないセロンのような「なんちゃって運び屋」には手に入るはずもない物なのだ。
「ちっ、なんで今日に限ってどこもかしこも空いてねーんだよ。『旅籠都市』フィレムのクセに」
そんなことをうそぶくセロンであるが、このままでは確実に野宿コースである。
もちろん旅の途中、近くに都市がなくて野宿するハメになる事なんて多々あることなのだが、
旅の途中で野宿するのと、宿が空いていないが為に街で野宿するのでは気分が大いに違う。
「ま、街壁の中側なら野獣は出ないし、ゴロ野宿よりマシかなあ」
セロンは頭を掻きながらそう呟き、夜空を見上げた。
雲間にはぽっかりと綺麗な満月が浮かんでいる。月が綺麗なのは夜が冷える証拠だ。
よく耳を澄ますと、月の輝きに誘われた犬の遠吠えがそこかしこから聞こえる。野獣は居ないものの、野犬が大勢棲んでいそうである。
「……ダメモトでもいいから、宿屋全部回ってみるかな」
「ムリムリ。今日に限っちゃあ部屋はおろか馬屋も満員だよ。帰ってくんな」
八軒目。
「当亭はギルドの証明書の有る方しか運び屋は泊めておりませんの。お気の毒ですわ」
九軒目。
次でもう十軒目になる。とうとう町を横断して町外れまで来てしまった。
セロンは注意深く町並みを見回した。むこうの一角に「烈華亭」という名の看板が見える。
「烈華亭」などという豪快な名前とは裏腹に、いたって普通の木造二階建ての宿屋のようだが、もちろんそれで十分だ。
フィレムの宿屋はこれで最後だろう。いくらフィレムの街といえども、そろそろ宿屋も品切れである。
陽はとっくに落ちているし、大エリミアの常識では戸を叩くのも憚られる時間ではあるが、セロンは最後の望みをかけて戸を押した。
「ごめんくださーい」
暖かい玄関。そこは予想していた通り、一番オーソドックスな形式の宿屋だった。
こういう宿屋は、一般の少し裕福な家と大して変わらない間取りをしていて、唯一入り口の風景だけが若干異なる。
通常、屋敷の主が来客を迎える玄関には、少々広い空間にちょっとした置物などが置いてあるものだが、
宿屋の入り口にはその空間を占拠するような大きな番台が置いてあるのだ。
主が客を歓迎するのは屋敷も宿屋も同様である。
セロンの見たところ、番台の前で宿屋の主は客と話し込んでいるようだ。相手はどうやら宿泊客のようである。
薄緑色のローブを被り、どこか薄暗いオーラの漂う客は、こちらに背を向けて小太りの親父と指で何かを示しあっているようだ。
何をやっているのかと思ってセロンが近づこうとすると、どうやら会話は終わったらしく、客は硬貨を数枚番台の上に差し出し、親父は指で二階の吹き抜けの隅にある部屋を指差した。
(やった、ここなら空いてるか……!)
セロンはため息をつき、胸を撫で下ろした。
ちなみに、番台の親父が鍵を渡すことはない。一般の宿屋には未だ鍵のような上等なものは流通していないからだ。
もちろん帝都の高級ホテルなどには、全部屋に頑丈な錠がついている。それも開錠が容易な器械錠ではない。
専門家がいわゆる「非接触型魔述錠」と呼ぶもので、カード型の鍵に埋め込まれた魔珪石と、扉に埋め込まれた魔珪石の両方に入っている情報が一致すると、自動的にロックが解除されるという、最新式のものが設置されているのだ。
扉の前でカードをかざすだけで施錠も開錠もできるという優れモノな上に、魔珪石に情報を埋め込むには特殊な技術が必要なので、信頼性は抜群である。
もちろんそんな高級な鍵は設置するだけでこの手の民宿など店ごと数軒も買ってしまえるほどの値段であって、
これしきの宿屋の客は、自分の身は自分で守るという大原則のもと、鍵の無い部屋で寝込む訳だ。
その鍵についての薀蓄は、今後起きるイベントに何か関係あるの?
前提条件として
「これしきの宿屋の客は、自分の身は自分で守るという大原則のもと、鍵の無い部屋で寝込む訳だ」
を説明するだけでは、済ませられない理由があるとか?
逆に珍しく鍵が掛かる宿で、今後イベントが起こるなら必要だけれど。
「おい、ボウズ。こんな夜半に何の用だ?」
主人の怪訝な問いかけの声で、セロンは我に返った。
「ああ! えーと、一泊二日。部屋は何処でもいいから。あと、飯。腹が減った」
「ああ、惜しいね! さっきの奴で全員埋まっちまったよ。もうこの時間じゃどこも泊めてくれないとは思うけど、気の毒にな」
──万事休す。セロンは天を仰いだ。
「馬小屋は!? 馬小屋でいいから泊めてくれよ!」
「バカ言っちゃいけねえよ。ウチは馬小屋なんて上等なモン持ってねーし」
「馬小屋がだめならここでもいいからさ。なんなら便所でもいいって。野犬とおいはぎがうろつく寒空よか百倍マシだ。なっ、頼む!」
セロンが両手を合わせて主人に懇願する。が、主人はつれなく首を振って、
「悪いが諦めてくれよ。なあに、お前さんは旅人じゃないのか? 野宿ぐらい慣れたもんだろうが」
「旅人相手に商売してる奴の言うコトかよ、それが……。まあ、しゃあねえや。おとなしくそこらへんでゴロ寝するよ。じゃあな」
ようやく諦めをつけたセロンは、床に唾を吐きかけて戸に手をかける。
「ウチの前で野宿すんじゃねーぞ! 迷惑だから」
「わーってるって、うるせえな。あばよ」
戸を開けると、外から冷たい空気が吹き込んできた。
「あーっ、親父! いつのまに番台占領してるんだよ!」
高い怒鳴り声が聞こえた。セロンが振り向く。
「ん? おお、ラスティなあ、今日は大繁盛だぞ」
隣の部屋から駆け込んできた人影。口ぶりとは裏腹に、しなやかな栗色の髪を頂いた、いかにも華奢な体つきをしていて、
エプロンがよく似合っている。どうやらここの宿屋の人間のようだ。
「なんの気まぐれか知らないけど、番台に勝手に乗らないでよ。ねえ」
「ラスティ、誰に向かって口をきいとるんだ? 俺はお前の父親、かつこの烈火亭の主人なんだぞ」
「烈『華』亭、でしょ。自分でつけた名前を忘れるような主人なんて主人じゃないよ」
「そんなものは些事に過ぎん。ともかくお前はあくまでも烈華亭の主人代理であって、主人ではないのだ。
俺以上にデカイ面は──ん? まだいたのかボウズ」
↑は4でした。
>>195 (現段階では意味が不明な)「魔述」や「魔珪石」が存在すること、さらにその使用方法の一例を示すのが目的ですが、
魔述錠じたいも後になってから関係あるはずです。たぶん。
登場予定
>>136 >>77(作品に合うように改変しますが、実は作ったのも自分なので)
(
>>41?)
(
>>35?)
魔法物を書けとのことなので、基本的に魔法ならぬ「魔述」が中心になる予定。
魔術に関する知識もろくにない奴が書くエセ魔法物で、「見えざる剣」のクオリティには全然及ばないと思いますが、
なにとぞなにとぞ。
ィィョーィィョー
でも35はやめとけ
>>198 DBばりに強そうだしな。世界観ぶち壊し。
親父の視線がこちらに移った。ラスティも視線を転じ、
「お客さん、どうしたんですか? こんな時間に外出?」
と不思議そうに尋ねる。しかしセロンが説明しようとするより先に親父が、
「ああ、こいつ宿無しでよ。どうしてもウチに泊めてくれって言ってきやがんの。バカだよな」
「バカは親父だよ! 思い出してよ、ここは宿屋なんだよ! お客泊めないで誰を泊めるのさ!」
「でもなラスティ、今夜はどういうわけかウチも満員御礼なんだよ」
親父の反駁するセリフにラスティはがっくり肩を落とし、
「『どういうわけか』って文句が通用するほど普段は人がいないのが悲しい……でも、えーと、旅の人」
「セロンだ。セロン・アセット」
「セロンさん。部屋がいっぱいとなると、どうしようもないです……申し訳ないですけど」
ラスティは心配そうにセロンを見た。見ず知らずの旅人を心配してくれる所を見るに、たおやかな外見にぴったりの心優しい性格をしているようだ。
セロンはふと気になって、ラスティに聞いてみた。
「ところで、なんで今日はこんなに宿泊客が多いんだ? フィレムくらい宿屋の多い街でもあふれる位にまで宿泊客が来るなんて、尋常じゃねーぞ」
ラスティは即答して、
「いや、ときどきあるんですよ。たいていの場合、幾つかの要因が重なるのが原因みたいなんですが、今日みたいに客がたくさん入る日が出てくるんです。
最大の要因は、ほら、いまリヴェールで見本市が開催されてるでしょ? それの客がたくさん泊まってるみたいですよ」
「ああ、俺はちょうどその帝都見本市に出す品物を運んでる最中なんだ。届け指定日は一週間先だから、だいぶ余裕あるんだけどね」
敬語の台詞回しに違和感が。
接客用語の原則は敬語・簡潔さ・明瞭さ。
敬語が使えない奴は論外だし、くどい話し方にお客さんが疲れるのも問題。
さらに自分の意図を間違いなく相手に伝えられなければ客商売は勤まらない。
ましてや、ダメ親父の代わりに宿屋を立派に経営しているよく出来た息子なら
多少くだけているにせよ、接客はきちんと出来てなければ、リアリティーがない。
友達じゃないんだから『ですか』を略すな
ex.お客さん、どうしました?こんな時間にお出掛けですか?
旅の人言うな。ドラクエじゃないんだから
ex.・・・・・・でも、えーと、旅のお客さん
〜となると、は当てが外れたときの言葉。自分が経営する宿屋の話で使う言葉じゃない
ex.セロンさん。部屋が満室ですので、ウチではお泊めできません。申し訳ないですけど
要因?原因?何が入って出てくるって?俺、頭わりいからもっとわかりやすく言ってくれ。
ex.あー、時々あるんですよ。大体は偶然が重なるみたいで、今日みたいにお客さんたくさん入ってきたり
するんです。でも、今回はリヴェールで開催される見本市のお客さんがたくさん泊まってらっしゃるようですよ
粗野な言葉遣いが演出なら襟を正した言葉遣いも演出のうちだ。設定に沿うような適切な演出をしる。
したいけど知らなくて出来ない、なら勉強しろ。勉強すれば必ず必要な知識は身につく。
自分が知らないことを知らないままおざなりにしてると、作者の底の浅さが透けて見えるぞ。
いきなり全鯖落ちてびっくりしました。
>>201 ご指摘どうも。
酒喰らいながら適当に書き流してたんで、敬語なんてぜんぜん気にしてませんでした。
一部分、私の意図を述べさせていただきます。
・「ですか」を略した
テンポの問題(これは
>>201さんの示されたexでも問題ありませんが)と、
烈華亭が、フィレムの街においてかなり下のランクの宿屋に入り、多分にアットホームな雰囲気があることを示す為、
さらにラスティがセロンについて、「だいたい同年齢か、それ以下」と判断したということを示す為です。
もしラスティがまともな客しか泊めないランクの宿屋(客が酒を盗んだりはしない)にいる、熟練した接客技術を持つ店員だと設定されていたら、
まず「お客さん」は使いませんよね。
「お客様、どうされましたか? ……こんな時間に外出なさるのですか?」
「如何なさいましたか、お客様? こんな時間にお出かけですか?」
ぐらいのことは言うと思います。
・旅の人
これは完全に脊髄反射で書いてしまいました。ドラクエですね。
ドラクエの世界内だけでしか使えない言葉なのかどうかは不明ですが、他作品を連想させる言い回しは興冷めでしょうから以後注意します。
また書いてしまうかもしれませんけれど。
・〜となると
1 セロンがやってきたとき、ラスティは食堂にいた
2 玄関に行くと、親父のセリフから、親父が客を追い払おうとしていることがわかる
親父の日々の態度を見るに、親父は不当な理由でセロンを追い払おうとしている、とラスティは推測している
3 親父に抗議すると、客を追い払おうとしている理由が「満員」という真っ当な理由であることがわかった
4 (セロンを泊めるべきだと考えていたが、推測していた不当な理由ではなく、)部屋がいっぱい(という真っ当な理由である)となると、(泊めたくても)泊められない
自分で経営している宿屋ですが、ラスティが食堂に居る間に満員になったので、彼はそのことを知らなかったわけです。
「〜となると」を使うに十分な状況と思うのですが、どうでしょうか?
・「幾つかの要因が重なるのが原因」
こりゃ悪文ですね、見るからに。お恥ずかしい限りです。
『要因:物事がおきた主要な原因』
とありますから、語義的に反しているようです。
こんなミスならたくさんあると思います。
・「客が入る」
「客の入りが悪い」から連想して書いた言葉です。
「いらっしゃる」「ご利用される」を使わず、宿泊客をモノのように見なした言い回しなのは、「ですか」と同じ理由です。
どんなもんでしょうか。
なにしろ私も頭わりいのでツッコミをちゃんと解してないかもしれません。
おっしゃってるような勉強を具体的に何処ですればいいのかも全く分かりませんし。
最後に、こんな長いレスを書いていると本文を書く時間がなくなってしまうので
ある程度はお手柔らかに願います……。
誰も書かないので、お慰みまでに書いているという程度のものですから。
簡単に言えば語彙を増やせということだ。
たくさん本読んでれば、同じ意味の事が色んな表現をされているのに気づくはずだ。
そういうものを自分の引き出しの中に溜めていけば、豊かな表現の基礎となっていく。
越えられない壁だと思ってしまうものの大半は、自分の不勉強に過ぎない場合が多い。
小説でも色んなジャンルや時代、小説以外の教養書や学術書に詩集とかetc色んなもん嫁。
ちなみにお勧めは日本経済新聞社から出てる『私の履歴書』。日経の文化面に載ってるシリーズ。
本にもなってる(しょぼい図書館だと無いかも)から超嫁。
あと、どんなレスするかはそいつの自由で、長文レスに必ず長文返す必要はないぞ。乙。
そうやって編集さんともとディベートするかい?しばらく見ていたけれど、言い訳ばかりだよ。
>>205 まあまあ。恋の病と馬鹿につける薬はないし。この二つには俺もてこ(ry
207 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/05 22:06:24
いいからかけおまえらもかけどんどんかけ
208 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/05 22:08:09
209 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/05 22:19:15
>>207 設定を出せ。
思いっきり頭の悪そうなやつ。
王様に呼び出され魔王を退治せよと命令される。
しかしはした金しか貰えず旅は難航。
やがて王様によからぬ思いを抱く。
リヴェールの帝都見本市とは、大エリミア最大の商業見本市のことで、年に二回、三週間のあいだ開催される。その規模たるや、誰もが瞠目すること間違いなしの大きさである。
帝都の大商人を筆頭にして、大エリミアじゅうの商人が大声を張り上げて商品を売りさばく。
品には、安値の雑貨から、高級装飾品、用途すら分からない巨大な魔珪石まで、値段が付けられる物ならなんでも並ぶ。
そこに取引商や富豪が雇った買い付け人がドッと押し寄せるのだ。動く金額をあわせれば一国の城など軽く買えるという。
それに帝都見本市は帝都リヴェールにおける一種のお祭りのようなものでもあるので、その熱気は規模にもまして凄まじい。
異様な雰囲気の市街地を会場めがけて殺到する人々の群れを見て、田舎から出てきた旅人が「帝都で反乱が起こった」と勘違いしたのもうなずける話である。
もちろん見本市で動くのは商人だけではない。開催期間中は周辺産業──例えば宿泊、飲食、あるいは輸送業──にとっても客が増える時期となる。
「まあ、あれだ。帝都見本市の客が多いことが一つだろ。もう一つ思い当たるのは、帝国の査察使がリヴェールに帰る途中で、
今フィレムに泊まってるということかね。ベイリーとかいう帝国の官吏が代表していて、本隊は『ライオネル・ホテル』を貸切で利用してる」
ラスティは父親の言葉に続いて、
「他の宿屋も数軒借り上げているところを見ると、かなり大勢でやってきたようですね。今まで辺境国の方に行ってたみたいですけど、何かあったんでしょうか」
と言っては頭をぽりぽりと掻いている。セロンは、
「さあなあ。査察使の思惑なんてもんは、一市民が知りうる事じゃないからな。……それでだ。何とか泊めてもらえない?」
「困りましたねえ……何回頼まれたって、部屋が無いことには、泊めようがありませんから」
「そこをなんとか! 皿洗いとか掃除とかなら、宿の仕事を手伝ってもいいしさ、頼む!」
ラスティはしばらく首をかしげていたが、ポンと手を打って言った。
「そうだ。それならお客さんの誰かに相部屋を御願いしてみましょうか?」
「今の時間からか? 多分誰もいいとは言ってくれないと思うぞ」
親父は顔をしかめて唸るが、セロンはラスティを拝みに拝み倒して、
「頼む! 相部屋でも、いや廊下でも十分だから泊めてくれ!」
下んない事だが揚げ足取り。
国語の授業で「ここではきものをぬいでください」という笑い話を聞いたこと無いか?
ここで、はきものを を
ここでは、きものを と勘違いして着物を脱いだ話だ。だが、これが案外笑えなかったりする。
>>そこに取引商や富豪が雇った買い付け人が
取引商や、富豪が雇った買い付け人 と
取引商や富豪が雇った、買い付け人 では全然違う。
これを勘違いして「この世界の取引商は自分で来ないのかよ」的なツッコミをする香具師が居るかも知れんな。
事実俺はツッコミかけた。未遂。
こういうのも一つ二つなら笑って済ませられるけど、全体を通していくつも出てくるとその文章は読みにくくなる。
いくら良い筋書きでも台無しだ。
プロだろうが卵だろうが、物書きは言葉が命。そういうことに普通の数倍、気を使え。
私の履歴書は良い記事ですね。
語彙の勉強になるとは思えませんが、大成した人間がいかなる艱難辛苦を舐めてきたかが良くわかります。
本になっているとは知りませんでした。今度買うことにします。
あと日経なら、一面左上のテーマ特集記事がなかなかユニークで私は好きです。
本はたいてい読みます。
SFと時代小説が今自分の中ではトレンドなんですが、純文学や海外の名作、経済小説、ミステリー、現代小説も結構読みますね。
どんなものをさして教養書と仰っているのか分かりませんけれど、かなり無節操に読み漁るほうだと自分では思っているのですが……
学術書では、SFが好きなこともあって理なら脳科学や人工知能、文なら心理学や哲学関係の本をよく読んでいます。
海外の詩はなかなか味があるものも多いと思います。ただ日本の詩は体質に合わないみたいです。
語彙量は自分では図ることのできないものなので、どこらへんが稚拙な描写なのか具体的に指摘してもらえれば助かります。
この際ですからばんばん指摘してやってください。
>>212 初歩的なトコロですね。
やっぱり基本どおりに一日寝かせてから、次の日に紙に印刷して校正というふうにしないと、客観的な修正ができませんね。
載せるペースは落ちると思いますけど……
このスレッド、良心的な編集者が居るな。
>>213 >語彙の勉強になるとは思えませんが
お前は何語で小説を書いてる?日本語だろ?精神論じゃないが語彙は読めば読むだけ増える。
学校でしたりさせられたりするだけでなく、自分で発見したり研究したりするのも勉強だ。心しる。
関係ないが、俺が見た私の履歴書は全集の分厚い本が何十冊もある奴ですごい威圧感があったな。
あれを買うのか!?と一瞬思ったがググったら千なんぼとかで切り売りしてんのな。初めて知った。
216 :
追伸:04/11/06 01:31:11
まあ、無理すんな。
図書館ならタダ
俺も書いていいですか?
完結した小説を、一本も書き上げたことないくらいの素人なんだけども
>>210 魔王を退治しようと思ったら、はした金しか王様よこしやがらねえ。
あいつ、わざとイジワルしてる?
小学生のときもこういうことがあったな。
そうかΣ( ̄□ ̄;)←ひらめきLV10
奴は俺に恋しているに違いない。
ウッホ、そういえば、あの王様、いいケツしていたな。
ぶちこみてえ。
とりあえず、城にUターンして押し倒してみよう。
冷静に考えてみれば、苦労して魔王を倒してほうびもらうより、
王様の愛人になった方が、稼ぎが良さそうだ。
俺って相変わらず冴えているぜ。
ごたくはいいからはやくかけいますぐかけはりーあっぷ
>>218 >完結した小説を、一本も書き上げたことないくらいの素人なんだけども
えーと、どこからツッコミ入れるかな。
>完結 :(一連の仕事が)完全に終わること。「連載小説が──」
完結は普通、長篇の一つの物語が完結した、という意味で使うので
おそらくお前が言っている小品の作品に対して使う言葉ではない。
>一本も書き上げたことないくらいの
げたことないくらいの、てひらがなつづきすぎ。よみにくくなるのでてきどにかんじをいれろ。
&ことないくらい→こともないくらい、というふうにするとぶんしょうぜんたいにひんがでる。
>なんだけども
1レス内の短さで文体変えるな。最初は敬語で始めただろ?
>俺も書いていいですか?
どうぞご自由に。気付いた事や感じたことは、率直にレスさせて頂きますので、よろしく。がんがれ。
というか、俺も書いて良い?人の事ばっか言ってたら書きたくなって来た。ていうか書いた。
>>35使ったんだけど、設定全然別物になっちゃった。世界観全然違うかも知んないんだけど、良い?
>>222 複数人が掲載するなら、掲載文の名前欄にタイトルを入れておかないと紛らわしくなりますね。
そうしませんか?
>>223 タイトルか。そうだな、ちょっと着けるぐらい大した手間でもないし。
長編書く香具師はつけるって事で良いんじゃない?
但し、短編でタイトルマンドクセの香具師なら『無題1』『小品2』見たいな感じでもいいと思う。
各自判断して、なるべく付けること推奨ぐらいでOK?
晴れている。清清しく青く雲も無い空の下で、白い城郭の威風を掲げる町は
今日もそこそこに賑わっている。ヴォルツ王国はいつもと変わらぬ朝を迎えて
いた。
うあぁーっ、いい空ーっ。と叫んで伸びをしたい衝動を堪えながら、まるで
隙の無い表情は崩さない。真紅のマントの威厳を損なわせぬ様、どんな瞬間
でも気は抜けない。およそ百年ほど前に常備軍が編成されてから、軍人とは躾
の行き届いた犬の様に振舞わなければならなくなったが、高級将官ともなると
王族か名家の御曹司様の如く、日々の生活の子細に至るまで風格と気品を保っ
ていなければならない。周囲の人間も又、こちらの風格と気品に相応しい礼儀
で接してくるのだが、舶来の磁器か何かを扱う様な丁寧さが、ガラスの窓に小
石を擦り付けた音のような、言い様も無く不快な時がある。
ふと、町の喧騒に目が向く。野菜の番をしながら居眠りをしている露店の
おばちゃん。石の敷き詰められた地面に小石で模様を描いてる子供達。親方の
お使いなのか包みを抱えて急ぎ足の少年。彼が帽子屋で親方らしき人物に怒鳴
られてるのを見たことがある。そして、視線の先はある一点を捉え、突然そこ
で留まる。眼光は鋭く研ぎ澄まされ、最早そこに穏やかさは無い。
少女だ。麻のワンピースの裾に入った二本の青い線は気紛れな少女を追いか
けて奔走し、肩先より少し長い袖から飛び出た白い肘はまだ大人になりきれな
い幼さを隠せないでいる。活発そうな彼女の茶色い髪は短く、目は髪より濃い
色をしている。よく笑う子だ。
あまり長く見つめ過ぎたのか、流石に少女は気配を感じて視線が指してくる
方へ振り向いた。そして馬上の騎士と目が合う。
視線の主は何らの気まずさも見せず、少女に優しい微笑を返す。
彼の騎士が微笑んだのを見て、少女は屈託の無い笑顔を見せ、照れた様に
突然走り去ってしまった。少女の後姿を角が曲がるまで見届けると、高潔な
騎士の爽やかさは霧の様に失せ、優しい微笑みは只、にやついているだけの
顔になってしまった。風格など、どこ吹く風である。
「ドーラさん」
突然名前を呼ばれた騎士は、心臓に死の一撃を受けたように血の気が引く
心地がした。この緩んだ顔を見られた相手が悪ければ、本当に死の一撃を喰ら
いかねない。
「はい、」
なんでしょうかと、言い損ねた言葉さえ威厳の欠片も無いのだが、辞句を
選ぶどころではない。先走った言葉の後で恐る恐る声の主を見下ろす。
「お久しゅう。えらい、嬉しそうな顔してはりますなあ。何ぞ好い事でも
ありはったん?」
声の主は、国中で知らぬものは無い天下の旅籠『竜宿』の女将、葵だった。
天下を名乗る威勢に劣らず、大陸中に竜宿の名は轟き、宿泊客は常連客の富豪
から一生に一度の旅道楽を楽しむ庶民まで様々である。
気の抜けてるドーラを目聡く見つけて声をかけてくる内で五回に四回はこの
名輔を取り仕切る葵であるが、とにかく五回に一回を恐れたドーラはひとまず
ホッとした。
「ええ、まあ。今日は空が晴れてるから、つい気が抜けちゃって」
ましてや、葵と居る時は余計に気が抜ける。ドーラは葵の前では無表情な顔
を見た事が無い。いつでも自然に微笑んでいる。
「せやねえ。こんなに好いお天気さかいに、ウチも仕事が手につきません
わ」
葵が笑うのにつられてドーラも笑ってしまうが、葵が相手なら誰に見られて
も責められまい。ドーラが知る限りで仏頂面を保っていられるのは山羊の閣下
だけだろう。だが、葵があの堅物と相対しても、少しも動じることは無い気が
する。穏やかさの裏に潜む、葵の底知れない何物かをドーラはその物腰に垣間
見てしまう。だが、たかが世間話するのに一々緊張するわけでもない。
「任務があるんで、これで」
「ご苦労さんです。あんじょうおすごしやす」
「おおきにー」
微笑む葵に見送られてから再び襟を正したドーラは今朝の緊急招集の報告を
思い出していた。
──メリージ王国で反乱が起り、王位第一後継者のピエル皇太子が処刑され
た模様。反乱は全軍に及び、官僚の長である四相のいずれかが首謀者であると
見られ、他の四相も積極的に関与していると思われる。
重大な事件だった。詳細は全力を挙げて調査していると言っていたが、最終
報告書が上がってきたとして、重要な部分はさして違わないだろう。
反乱が成功した。この平和なご時世で野心を持つのは天下に覇を唱える事
などでなく、政治の腐敗による内政の失敗、内幕で起る権力闘争のなれの果て
か未熟な虚栄心を満たす為か。そういえばメリージ王家のいい噂は聞いた事が
無い。メリクルシア王国の向こう側にある国なので、差して気にも留めていな
かったが、こういう事を平和呆けと言うのか。各国の軍隊が制式化されてから
甚大な被害が出る様になったのを嫌って、どの国も戦争を避ける外交に力を入れる
ようになっていた。疑心暗鬼の中での平和外交だったのでバラバラの同盟や
盟約が入り組んでしまったが、百年前はそれが平和への架け橋になり、以後は
儀礼的に各々継続していたり、中には永年条約にしてしまっている所さえある。
今後は只の形式的な紙切れではなくなるだろう。特にメリージと何らかの
繋がりがある国は、近い将来戦火に呑まれることを避け得ない。メリージの
軍門に下り汚名の錦を掲げるか、道義を重んじ大国メリージに戦いを挑むか。
メリクルシアが我が国と盟友であるのは僥倖だった。メリクルシアと軍事協同
してメリージの西進を阻めるからだ。だが、両国の側面から進軍されたらどう
する?味方だけが鉄壁の布陣を強いても周囲を征服されれば明らかに不利だ。
メリクルシアの他に我が国の盟友は海と我が国の間にある海商国家ノヴァ
リスがある。小国ではないが、当面の脅威には役に立つまい。ともかく今は
盟約を一つでも多くの国と結び、メリージの侵攻に備えるべきだろう。それで
メリージの勢いを封じることが出来なければ、反乱はそのまま国家の戦争へと
姿を変え、戦乱となって長期化する。
ヴァルツ軍は周辺国の中で、百年間の平和に比較的耐えて兵の練度を維持
してきた。それはある程度までなら他国を安心させられるだろうが、メリージ
の軍隊も侮れない。しかも、既に一度は『作戦』を経ている軍隊だ。一度とは
いえ、差は大きい。だからと言って、戦いを避けることはままならないだろう。
山羊の閣下──ダーウィン・ドロレス・フォン・シルヴァニア――は既に動
いているだろう。今朝の報告も全てではあるまい。あの御仁のすることだから。
まあ、それで全て済むなら山羊様々々な訳だけど。
それにしても、部下の連中にはどう言おう。今日から訓練の日程を増やすって
言った時は怪しんでたし。噂も流れてくるだろうし、まさか戦争するんですか?
なんて聞かれたら困る。こっちが聞きたい、なんて言う訳にもいかないしなー。
あー。もういや。だるい。やめた。その時はその時でしょー。
抜き打ち巡回という名の散歩を終え、城門をくぐった瞬間に少しため息をつ
いた。わざわざ気の抜けない街中をライトアーマー着込んで馬に乗って回って
くるのは、城の中で居るよりずっとマシだったからだ。黄金竜の称号を持つ彼女
には一応の地位として親衛隊の小隊長を任命されている。他国では名誉職と化
している所もあるが、ヴァルツは代々シルヴァニア家の当主が司令長官を拝命し
歴任している。先代より受け継ぐ気風は弛む事が無いらしく、いまでもヴァルツ
軍が精強を保つ所以となっている。そのための訓練は過酷を極め、法術系の兵科
に所属するものは地位の上下無く一定量の訓練を消化しなければならない。一番
楽なのは普通科の下級兵士辺りだが、そこでも能力があるとされれば所属を変え
られるし、いつまでも二等一等じゃ見くびられるので安穏としていられない。
結果として軍隊の中に安らぎは見出せないことになる。
小隊長の彼女には自分の訓練の他に隊の訓練の監督、演習の際の指揮、それら
に伴う計画・作戦立案、事務、経理の決裁etc.死ぬほど忙しい。小隊長になって
いい事など何も無い。
だから、巡回と称して町へ出るのである。毅然とした態度で堂々としていれば
町の人はサボりに来てるなんて露とも知らないのでむしろ評判が良い。有能な
副官達が仕事をあらかた片した後にこっそり忍び込めば何も言われない。だが、
調子に乗りすぎて怒鳴られたことがある。それから頻度は少し減らした。つもり。
今日はそんなに忙しくないから大丈夫なはずだ。私だって遠慮してるんだし。
と、思っていたが、大丈夫ではないらしい。
馬屋の近くまで来た時、殺気ではないにせよ緊張を漲らせた気配が三つある
のに気づいた。城の中でこういう連中に出くわすとすれば彼らしか居ないが
今日は特に逃げて貰っては困るのらしい。まあ、用件はおそらく一つしかない。
そうなると、いつもみたいに逃げ切るわけには行かない。寧ろ、手間が省けた
といった気分だ。
「隊長、捜しましたよ」
最初に口火を切ったのは我らが親衛隊第7小隊副官のライオネル少佐だった。
「そう。・・・用件の察しは付くけど、私のほうから言うわけにはいかない
から、単刀直入にいってくれるかしら」
腹の探り合いは嫌いだ。そういう性格を少佐以下小隊の全員が知っているので
大して驚く風でもなく、少佐は本題に入った。
「メリージで反乱が起きた、というのは本当ですか?」
ドーラの目が険しくなる。そこまで知られていて何を隠そうというのか。起きた
と言うだけで、成功した事までは知らない筈だが、それもいずれ伝わってくる話で
隠す意味は無い。そもそも、その反乱がいつ起きたのか、それさえドーラは知ら
ない。山羊の閣下がする事だ。数日経ってから知らされたという事も十分考えら
れる。それならいっその事、知らない、で白を切り通すか?あながち間違いでも
ないだろう。だが、結局それも一時の事。他言無用とは言われているが、しかし。
ライオネルは後悔の念が滲み出してくるのを感じていた。上官を問い詰めるなど
仮にも軍人がすることではない。不安を募らせる部下に冷徹に接し切れなかった
自分の甘さに悔恨を抱くと同時に、聡明で勝気なこの少女が、そんな事は知らない
などと一蹴してくれればどれだけ良いだろう。いずれにせよ部下達の不安は消えず
自分が貧乏くじを引かずに済むかどうかというだけの話なのだが。
数刻が経つ。ドーラはため息を吐き、少し俯いて口を開いた。
「そういえば今朝の会議で、その件については調査中であり、一切の他言無用。
って山羊さんが言ってたけど、それかな?半分寝ながら聞いてたけど、大した事
言ってなかったかなー」
殆ど呟きに近い、風にかき消される程の声だ。俯いてるので遠目からは只突っ
立ってる様にしか見えない。だが、3人には十分聞こえた。それが、ドーラの最大
限の譲歩だった。それから、顔を上げると上官の顔で毅然として言った。
「答える義務は無いわ。各自持ち場に就きなさい」
そのまま歩き去る彼女を、3人はそのまま見送った。不満げに敬礼して見せたのは
白々しい芝居の真の意味を理解したからである。誰が見ているか知れないからはっきり
は言えなかったのだ。
戦争は、避けられない。──それが、ドーラの見解だった。
ドーラ・マース・フォン・カルティエ。彼女はヴォルツの歴史に名を残す名将と
して、語り継がれる。。その生まれついた才能故ではなく、一人の人間として
時の流れに身を投じた故によって。
──to be continue.
読みました。ずっしりとした風格が漂っていて良いですね。
いろいろ突っ込みたいポイントもあったのですが、あれほどの観察眼をお持ちならば
自分でお気づきになるでしょうし、アラの探し合いになるもの何なので、自粛しておきます……
>>233 むしろ突っ込んでくれた方が楽で(ry
むしろアラ探してk(ry
人のを批評するのは簡単だが、自分のは書くときと見るときで視点があまり変わらないので
言われないと逆に不安。ろくに校正してないから、そう思うのも無理はないが。
俺は下んないことでも鬼の首取ったように言うので適度にスルーしる。
*「清清しく青く雲も無い空の下で」は修飾構造が混乱しています。「清清しく」が何処に掛かるのか不明瞭。
あと、「いちいち」は「一々」となっているのに、「すがすがしい」が「清々しい」ではないのはちょっと違和感。
*前半、叙事表現には短文が多いのに、説明文はかなりの長さの物が多く、バランスが悪い。
逆接になるところなど、節目で改行するだけでも読みやすくなる。
*「視線が指してくる」→「視線が差してくる」(ex.眼差し) ひらがなで良いかと。
*「辞句」→「字句」 誤植。
*「気の抜けてる」→「気の抜けている」 雰囲気と会わない表現。
*「名輔」→「名舗」 誤植。
*「天下に覇を唱える事」→「天下に覇を唱える為」にしないと変。
*「さして違わない」となっているのに四行下では「差して気にも〜」
*「儀礼的に各々継続してい『たり』」と「中には〜」を並列にするのなら、
「中には永年条約にしたりしてしまっている所さえある。」でなければならない。いわゆる「たりたりの法則」
*「そう。・・・用件の察しは」→「そう。……用件の察しは」 リーダの使い方が間違っている。
*「。。」→「。」 タイプミス?
*「──to be continue.」→「──to be continued.」 continueは動詞。
前半に顕著ですが、情景描写文は一文がかなり短いのに、説明文は文が非常に長いですね。
逆接している所をはじめ、話題が転換する部分で改行するだけでもだいぶ見やすくなると思います。
最も目についたのは、現在形の乱用です。体言止め(こちらも散見された)と現在形は
ここぞというスパイスですから、冒頭から使いまくるのは賢明とはいえません。
特に、アクションシーンのある小説の場合には厳重に気をつける必要があります。
あと、これは三点リーダや「たりたり」と並んで重要な点ですけれど、
疑問符、感嘆符の後ろには基本的に一スペース空けておくのが通例です。
ためしに手元の本を見て確かめてみてください。
とまあ、こんな事になるから書きたくなかったのですが……
一部箇条書きと下のコメントがダブっていますがご容赦を。
あと、これは私の主観的感想かもしれませんが、
文全体の雰囲気付けがふらふらしている感じがします。
地の文に持ってきたモノローグのような雰囲気と、「僥倖」なんて言葉遣いをする文の雰囲気とが混ざっているためだと思います。
>>235 校正乙。文法の時間寝てた俺には一生自力で気づけそうもないことばかりだ。まじthanks.
だが。・・・・・・どこだー!w
ex.
>>225 L1 *「清清しく青く雲も無い空の下で」は修飾構造が(ry
の様に場所を指定すると読みやすくなる。ダメ出ししといて貰ってこんな事言うのもなんだが。
>>236 キャラ設定にあわせた演出。の積もり。
少女でエリート軍人という設定だが、いくら異なる二面性を持つ同一人物でも
ピクニックに行く感覚で演習の予定立てたり、命のやり取りしに行く感覚で服を買いに行ったりは普通しないはず。
言葉遣いも一緒で、私生活でラッキーな事があったときは「ラッキー」と言って自然な場面と
軍事作戦に従事してるときにラッキーなことがあっても「ラッキー」とは言えない場面がある。
だから、ぶらぶら街を散歩してる場面と軍事動向について考えてる場面では意図的に文体変えてみた。
二つの文体が混じってると感じたなら技術的には成功したと思う。が、実験的過ぎたかも。
・は中黒といいます
外人のファストネームとファミリネームの中に入れたりします。
…は点々といいます。
業界用語は三点リーダです。
無音に……と二つ続きで使います。
文章表現としてとっぴな使い方も結構ですが、素人はやめたほうが良いでしょう。
「分かりました。とりあえず聞いて回ってみますね」
ラスティはそう告げると早速二階の客室へと上がっていった。
捨てる神あれば拾う神あり、地獄で仏とはこの事だろう。
──それに比べて目の前の中年男ときたら。
「なんとまあ、諦めの悪い男だな。別にいいじゃねえか、野宿ぐらい」
そう言って親父は自分の宿屋の床に唾を吐き捨てた。
「あいつの世話好きは今に始まったことじゃねえけどよ、なんでそこまで優しいかねえ……。そう思わねえか、ボウズよ?」
「ボウズじゃねえって。セロンだってば。……ていうかさ、宿屋の主人なら普通、旅人には親切にするもんだろうが」
「わからねえな。俺のモットーは『人に厳しく、自分に優しく』だから」
「最低の部類に入る人間だな、そりゃ」
「誰だってそうだろ? 人に言わねえだけで」
親父は懐から煙草を一本取り出して咥えた後に、
「マッチがねえや。おい、火よこせ」
「ああ、ほらよ」
セロンが放り投げたマッチを片手でキャッチして、親父はうまそうに煙草を吸い始めた。
「ところで、お前さんが帝都見本市に持っていくとか言ってた例の荷物ってのは、いったい何なんだ?」
親父は好奇心いっぱいの様子で、セロンの背負った皮袋を凝視している。
「知らねえ。品を吟味してから受けるか受けないか決めるような運び屋なんて食っていけねえし、だいたいその荷には鍵がかかってんだよ」
「なるほどなるほど。見せろ」
「嫌だね。傷がついちゃったら俺の責任になるし。箱と鍵だけでもかなりの額みたいだぞ」
親父は片眉を上げて、
「というと、魔述錠かなにか、か」
「たぶんな。鍵穴が無い錠前なんて、俺は初めて見たよ」
「そいつはまた、魔述錠の中でも珍しい奴だな。ますますもって見たくなったぞ、俺」
執拗に見せろと迫る親父にうんざりしていたら、ちょうどラスティが二階から降りてきた。親父は振り向いて、
「お、ラスティ。どうだった? やっぱり駄目だったろ?」
「いいえ、なんとか一人、許可してくれたお客さんが」
「やった!」
セロンは思わず飛び上がりたい衝動にかられた。
>文章表現としてとっぴな使い方も結構ですが、素人はやめたほうが良いでしょう。
俺のことを言ってるならもう手遅れだ。 地道に恥かいていくしか道は無いw
>>239 L1 俺が客の立場なら「とりあえず」とか言って欲しくないな。コンビニでバイトしてたけど
柄の悪い客ほどそういう言葉遣いに絡んでくる。間違いない。
ex.分かりました。相部屋にして下さるお客さんがいないか聞いてきますんで。
親父がいい性格してて萌えだなw
242 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/07 19:13:39
こいつキモイ
何故そんなに偉そうなんだ
>>242 誰が偉いって?俺は少なくとも偉い奴ではないがな。
何が不満なのか書いてないからわからんが、気に食わないのは言葉遣いか?
具体的に言ってくれりゃ改めるけど、どうして欲しいの?
ローランド諸国。東のマルワ湾と西のコスタリカ海に挟まれ、北はイザク
運河から南はアスラン砂漠までの、二つの大陸を結ぶ場所に位置している。
メリージとオケアノス王国の南の国境にある、メリージ山脈をはじめとした
起伏の多い地形である。
ローランド諸国は十の国家からなり、それぞれは山々に分断された平地を
覆う形で国土を有している。海に面しているのはマテリア、エルランド、ノ
ヴァリス、ヘパイストシア、オケアノスの五国で、運河に接するのはオケア
ノス、マテリア。砂漠に沿って海から湾を横断するように存在するのがヘパ
イストシアである。そして内陸部には、フランサス、オニキシス、メリージ
メリクルシア、ヴァルツが存在する。
今、ローランド諸国には戦乱の予兆が顕われ、各国の緊張が高まっている。
その火種となっているのが、反乱が起きたメリージである。
ルドスを始めとする3人の四相が共謀して挙兵し、第一王位継承者のピエ
ルを捕らえた後処刑した。その他の王位継承者の消息は不明だが、ルドスら
がその内の一人を王座に着かせ、傀儡政権を立てようとする動きがあるとい
う。軍備を増強する兆候も見られ、諸国は警戒を強めている。
ローランド諸国は歴史的に見て重大な問題を抱えている。百年前に戦乱が
終息に向かう際、各国はいくつかの同盟や協定を結んだ。未だに情勢が流動
的で、互いを牽制する目的も多分に含んでいたので、ローランド諸国の平和
は複雑を極める外交地図の上に基礎を得る事になる。だが、それでも平和は
平和である。内政が安定し交易が活発に行われるようになると複雑な外交
地図は難解な学術文書へと姿を変え、その文面や解釈は要職に就かんとする
学徒達の間で細々と語り継がれるだけになった。だが、それは今や昔の話で
ある。
ある訳無いじゃない、とは流石に言えない。誰もがみんな自分みたいに目
を通すだけで魔方陣を暗記できる訳ではない。まして百年前のカビの生えた
外交文書なんか試験のために暗記するぐらいで、軍隊に入ってからおさらい
させられるなんて夢にも思わなかっただろう。事実、自分でも詳しい事まで
は思い出せず、昨夜は昔のノートを探していたぐらいだ。しかし、それも今
この瞬間に無駄になってしまったらしい。山羊閣下の親切さには涙が出る。
ここは王宮内にある王国軍本営の一室。各部隊の小隊長以上が召集されて
現在の国際情勢と今後の懸案についての司令が説明をしている。ドーラは
既知の情報については自分で調べてしまったので、知ってることは聞き流し
つつ物思いに耽っていた。
小隊長ぐらいになれば、誰と戦い、何処で戦い、いつ戦い、どうやって
戦うか、は把握していなければならない。何で戦うか、は要するに自分の
兵科の事で、末端の兵士でも知らない訳はないし、何故戦うかは外交上の
つまり、偉いさんの考える事なので我々が知る必要はない。
誰と、何処で、いつ、どうやって、は即ち、敵、作戦地、開始時間、戦術
に対応する。作戦地は地形と拠点からの距離で、敵は兵科と規模と数に質
開始時間はいつからなのか、場合によってはいつまでか。戦術は二つ以上の
部隊がどう連携するか。
開始時間と戦術は作戦部隊の指揮官が適当に決めるが、誰が敵で何処で
戦うかは教えてもらわないと困る。軍隊は命令が下れば絶対服従だが命令が
無い時はボーっとしてるのが仕事だ。確かに実際に戦争をするのは軍隊だが
結局、戦争を始めたり終わらせたりを決めるのは王様や大臣なんかのお偉い
さんだ。
確かあれは、幹部候補生の頃だった。自分の能力に絶対の自信を持ち隙
あらば単独行動を取っていた。作戦会議など、味方がどう動くのか知る場所
でしかなかった。数字としては部隊は演習で高い成績を残していたが、私は
部隊から明らかに孤立していた。そんな時、当時の小隊長に呼び出されて身
勝手さを窘めて何か言っていたが、それは申し訳ない事に忘れてしまった。
だが、その後ついでの様に語っていた話は今でも覚えている。
軍隊は外国へ戦いをしに行く所で、戦いとは武器や魔法で暴れて勝った方
が勝ち、ぐらいにしか考えてなかった。ましてや、法術系の兵科で最も前線
に近く難関なのが竜騎兵だ、これは面白そうだ。という理由だけで入った私
は、戦争を始めるのが軍隊の仕事ではない、という話の意味をすぐには理解
出来なかったし、意味を理解したところで実感はまだ無かった。
あの頃はまだ軍人じゃなかったなー。昔は若かった。私も年を取ったな。
ドーラは一瞬、年相応の顔になったが、議題が情勢の経緯から現状の報告
に移ると、幼い表情は欠片も無くなっていた。
247 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/07 20:18:26
言葉づかいよりお前自己中だよ
>>221=お前か?ただのレスなのにいちゃもんつけてる。調子乗りすぎ
ついでに痛すぎ(ryとか萌えwとか今時
だまって書いてろよ
読んでるのはお前だけじゃないって
ROMってる奴に目ざわり。お前
たいした間違いでもないのにでしゃばんな
オケアノス、エルランド、ヘパイストシアを除く諸国は終戦時の条約や協
定が、現在も発効している。
最も早く締結されたのは、メリクルシアーヴァルツーノヴァリスの三国
連合である。メリクルシアはメリージ、オニキシスと、ヴァルツはオニキシ
ス、ノヴァリスはエルランドと敵対していた。ヴァルツの主導で実現したこ
の連合によりメリクルシアは東のメリージ、ノヴァリスは北のエルランドへ
の前線の戦力を強化し、ヴァルツはオニキシスがメリクルシアと結んで東
から侵攻してくる可能性を完全に絶ち、オニキシスの侵攻を完全に阻んだ。
当時オケアノスと敵対していたメリージはフランサスと不戦条約を結んで
軍隊の通行権を得てオケアノスの首都を射程距離に収め、外交の主導権を
握って停戦を実現させた。
小国フランサスはオケアノス―メリージの停戦が実現した直後にマテリア
オニキシスと三国同盟を結んでオケアノスを牽制。マテリア、オニキシスに
とってもメリージとオケアノスの西進を防ぐのに不可欠だったので、互いに
利害は一致していた事になり、フランサスは巧みな外交で自国を守り通した。
以上は百年前に締結された条約協定の内、現在も発効している物の概要で
ある。
「・・・・・・で、何か不明なことはあるだろうか」
>>247 うるせー馬鹿。(ryとかwは否定すんな。萌えは正直悪かった。
それと、気づいたら細かい事でも言うべきだと思うがな。
何か気になることがあっても黙ってるんじゃ
知り合いに見せても気を使ってること見え見えの感想言われんのと一緒で
あんま意味が無い。だからこういう所に投稿するんじゃない?
だから俺は言うよ。言われたくない人が言うなって言ったら言わないけど。
作品だけ集めたきゃお前が保管庫でも作ればいいだろ?
251 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/07 20:47:05
でもやる気あると見せかけて仕切りたいだけじゃんお前
それでも
>>221は調子乗ってるだろ
これから出すと言ってた奴にその態度は何だよ。お前何様なわけ?
偉そうな口たたくほどうまいかお前の?
最悪その他人を馬鹿にした態度をやめろ。キモイ
まあ俺もめざわりになるから、レスやめる
気が向いたらなんか書くか・・・・
>>251 ああ、
>>221は忘れてた。調子乗ってたな俺。218ごめん。
馬鹿にした態度は自分で気づいて無かった。気をつけるわ。
仕切る奴が居れば、絡む奴も出る。
つまらんプチ・アナーキストだな、こんなチマイ事で反権力かよ。
>ryとかw
文字だけだと感情表現として必要だという人もいますが、自分はカチンときます。
笑)も多用すると気に入りません。
爆)がある文章は読みません。
萌も使う文章には気をつけましょう。
誰しもが同じ考えではありませんが、このような考えの人もいるということを踏まえ、文章を書くと良いと思われます。
>それと、気づいたら細かい事でも言うべきだと思うがな。
これは大事。
>>254 そんな事言われたら使いたくなる。積極的に使いたくなるな。
なるんだが、同じスレ見てる縁だし自粛するか。
でも、100レスぐらい経って新しい奴が使ってたらどうすんだろ。
そんなんでスレ荒れなきゃいいが。
なんだか荒れてるみたいですね……
具体的な言葉遣いに可否を下すのはトラブルの元になると思います。
売り言葉に買い言葉にならないよう、挑発的な言葉遣いをしないよう心がけるのなら、それでいいのでは……
まあ、切磋琢磨するのは良い事ですけど、熱い言葉遣いの指摘も、受け取る側にしてみれば
押し付けのように感じるものです。正直私もカチンとくる方です。
できれば、一人の人に命令形で指摘されるより、複数人から指摘してもらったほうが安心はします。甘っちょろい話ですが。
「そうか。運が良かったな、ボウズ。ラスティ、俺はもう寝るから、後は頼んだぞ」
「はいはい。……さて。烈華亭へようこそ、セロンさん」
ラスティは両手を広げて言った。
「この宿屋の主人代理、ラスティール=ストウィズマンとして、歓迎させていただきます。お疲れでしょうし、すぐに案内させていただきましょうか?」
「ああ。本当に助かったよ、ラスティ。ありがとう」
ラスティは二階につながる階段に足をかけた。セロンも後をついていく。
「いえいえ。宿屋は客を泊めるのが仕事ですからね。当たり前のことですよ。
そうだ、お代は半分でいいですよ。相部屋ですし、相手にも半額返しておきます」
「本当にいいのか? ……親父とはえらい違いだ。俺はあんたの心遣いに癒されたよ。いやあ、まさに今を生きる聖人だね。
あんたの将来の旦那が羨ましいぞ、俺は」
その時だった。言葉の限りを尽くして誉めそやすセロンの言葉に、ラスティの後姿がピクッ、と反応した。
「将来の……旦那?」
「そうだよ。こんなに気立てのいい女なんて、俺の村には居なかったね。言葉遣いにもっと艶があれば、もう文句無しだ」
「……女? 誰がですか?」
「そりゃ、あんたに決まってるだろ」
ラスティは階段の途中で足を止めたまま、微かに震える声で、
「僕の名前をご存知ですか?」
「え、さっき言ってたじゃないか。たしかラスティール・ストウィズ──あ」
セロンは思い当たった。
ラスティは「ラスティリア」でも「ラスティーヌ」でもなく、「ラスティール」なのだ。
「ラスティール」は男の名前である。
さらにセロンは、つい今しがたラスティが自分のことを「僕」と呼んだことにも気が付いた。
ということは……出てくる答は一つしかない。
セロンは脂汗を流しながら、おそるおそる、
「……男?」
「ええ、そうですとも」
ラスティは厳しい表情のまま肯定した。
>>256 >挑発的な言葉遣いをしないよう心がけるのなら
そういうもんか。
意味さえ伝わりゃ何でもいいと思ってたんだが。なれなれしいって事だろうか?
インターネットの弊害に毒されてるって奴かもしれんな。顔が見えない相手がなんたらとか。
でも、敬語って何か嫌。ネットの向こうに、えなりかずきが座ってそうに思えてならない。
だから、逆に敬語は避けてたね。スレの雰囲気にもよるんだが。
じじむさいサイトとか女多そうなサイトは危険な目にあった。
逆に現実で初対面の相手なら、普通に敬語だけど。よく知らないのに「よお」とか言えないし。
来る奴も定着し始めたみたいだし、言葉遣い改めるわ。今後ともよろしく。
>>257 「・・・・・・」を多用しすぎではないでしょうか。「、」でよかったり文章表現で間に合うよな箇所が
幾つかあると思います。
L2. *父親に声をかけてからセロンに挨拶しているのなら、台詞を二つに分けたほうがいいと
思います。
ex.L2-L5.「はいはい」
父親を軽くあしらってから、ラスティはかしこまってこちらを向いた。
「さて。烈華亭へようこそ、セロンさん」
ラスティは両手を広げて言った。
L9. *ため息の表現ならば、言語表現でした方が文章にリアリティが出るのではないでしょうか。
ex1.L9-L10.「本当にいいのか?」
思わずため息をついたセロンは嬉しさの余り、調子に乗って続ける。
*もしくは、セロンの父親への当て付けを含んでるという演出ならL11を工夫できると思います。
ex2.L11.さりげなく親父の悪口を言いながらも、言葉の限りを尽くして誉めそやしているセロンの・・・・・・
L14. *L12の後の次のラスティの台詞で、又間を空けていますが、ラスティが怒っている時にこれでは
この部分の掛け合いが間延びし過ぎるように感じます。
ex.「女。誰がですか?」
L26. *L25の文を「、」で止めずに普通に書けば、充分間を感じると思います。
ex.L25-26.セロンは脂汗を流しながら、おそるおそる、きいてみた。
「男?」
私の好みもだいぶ入ってますので、一人の主観的な意見として軽く読み流してください。
文章の雰囲気は真似したつもりですが、出来てないかもしれません。ご容赦を。
季節は秋を迎え、近頃は涼しくて過ごしやすい。今日は涼しすぎるきらいも
あるが。
ライオネル・フォン・カルミス少佐は辻馬車に揺られながら、雨に煙る王都
の空を何となく見上げていた。今日は連日の演習で、溜まりに溜まっていた事
務を片付けるために、隊長以下数人の士官が登城することになっている。
普通、実務的な事は王宮では行われない。元々は軍の本営として建造された
建物で、堅固さと可視性の低さを重用視した構造は人が長い間過ごすのに、あ
まり適していない。80年前の改築で少しは見栄えが良くなったが、不必要な
広さは更に増した。
しかし、それでも国政の中枢であり、国王一家が生活している場所である。
要職に就く高官達も、王宮に取次ぎの為の執務室を持ち(それでも一月に一度
来るか来ないか、だが)、重要な政務は王宮で執り仕切られている。そこで出
た決定は、王宮にある各部門の本部へ送られ、各部門は決定を元に命令や伝達
事項を記した文書を作成し、担当の者が持ち帰って自邸で事務を行う。出来上
がった書類の大部分は又、王宮へ送られ各部署が受け取って処理する。
これが通常の事務の流れである。特に緊急の場合でなければ急いで処理する
必要も無いので、個人の裁量で適宜処理していくわけだが、とは言え、いつ迄
もやらない訳にはいかない。数日でも放って置くと、大理石でも切り出して来
たような白い塊が、自分の机を占拠する事になる。
大理石ほど重くないにせよ、これを自宅へ持って帰るのは大事である。大抵
は同僚に泣きついて手伝ってもらう事にもなるので、自然王宮に詰めて事務を
行う事になる。だから、たまたま王宮に来た時にどこかの部署の出入りが多け
れば、そういう事だと考えて間違いない。
だが今日は、と言うより、ここ最近は何処の部署も出入りが多い。激しいと
言ってもいい位だ。メリージの反乱の仔細が公然の秘密となった今では、不思
議な事でもない。
毎年行われる春の謝肉祭の時も大体はこんな感じだ。再び春を迎えたことを
喜び次の一年の息災を願う前に、溜まった仕事を片付けてしまうのだ。だが、
すれ違い追い越していく人々の顔は只険しく、忙しい事を楽しんですらいる謝
肉祭前日とは、雰囲気が全く違う。
殺伐とした回廊を抜けて、軍本営に入る。ここでも人の林を抜けて二階に上
がり、今週で二回目の訪問となる第7小隊詰所のドアを開いた。
「おや。隊長がこんな朝早くに詰所にいるとは、珍しい事もあるんですね」
入ってくるなり失礼極まりない挨拶をしてきたのは、金髪眼鏡の副官ライオ
ネルである。ドーラの署名をしていた手が思わず止まる。
「あれ、リオじゃない。部屋に入った時に居なかったからトイレにでも行っ
てるもんだと思ってたけど、もしかして今来たの?珍しい事もあるもんだわ」
「珍しい事があるのも、最近は珍しくないようでしてね。この間の隊長の珍
しい言葉が一番驚きましたね」
外套を脱いだライオネルは椅子を引きながら言う。この間の回りくどい態度
をなじっているのか。
「さて、何のことかしらね」
「この間のミーティングで山羊閣下の事をシルヴァニア元帥閣下と呼んでい
たのにはビックリしましたよ。遂にあの隊長が軍人の矜持とやらに目覚めたの
かって、一日中その話で持ちきりでした」
ドーラは余りの下らなさに頭を抱えた。最高司令官の名を普通に言って何が
おかしい。
「あのねえ。私はどんな風に思われてるわけ?」
それだけ言うのが精一杯のドーラを見て、リオは口に拳を当てて笑っている。
こんな馬鹿だが、小隊では有能な副官として勤めている。そうでなければ叩き
出してやりたいと、たまに思う。
下らない話で盛り上がっていると、ドアが開いた。
「おはようございます」
「おはようクリス。こんな朝早くから来てくれて助かるわ」
「いいえ。これも仕事ですから」
「あれー。俺にはそんな優しい台詞無かったんじゃないですか?」
「あんたにゃないわよ。調子乗るな」
ドーラ達が掛け合いをしてる間に外套を脱いだクリスは、隊長席に出来上が
っている塔の一本を自分の席に持って行って書類を整理し始めた。それにつら
れるように二人も机の上にある白い塔に手をつけ始める。リオはまず自分の塔
を始末しなければドーラに加勢できない。
各自が書類に掛かり始めてから、一刻が経つ頃、ライオネルはもう一人此処
に居るべき人物の事を考えていた。間違いなく、来ると言っていた。だから来
るだろう、いつもの時間に。
ドーラの方を見遣る。別に機嫌が悪そうではないが、飽きている。単調な仕
事が飽きるのは誰でも一緒だが、言ってもドーラは子供だ。大人と比べて単調
さに耐えるのには、大きな苦痛を伴う。増してや、書類の多さも通常の比で無
いので、手を止めることなく黙々とこなしている。もし、自分が同じ立場なら
──ここらで、憂さの一つでも晴らしたいところだな。
恐らく奴は、ドーラの格好の餌食だろう。ドーラは奴を就任当日に滅多打ち
にして以来、盾持ちの様に奴を扱っている。憂さ晴らしの相手としてこいつ程
に遠慮のいらない相手は小隊に居ない。そういう奴が、早朝出勤してきた上官
3人を差し置いて定時に出勤してきたとなれば、ドーラは放って置くまい。
俺とクリスは奴とは同窓の仲だから、今更責める気にもならない。が、俺の
方では庇ってやる気は無い。奴の運命はクリスに委ねることにしよう。
……やはり魔昌石の値が上がってきているな。戦争を見越した商人が買い占
めているらしいが。
ライオネルは悪友の直近の運命を案じるのを止め、経理の書類に意識を集中
する。最早、何を思案しても手遅れだからだ。
下手くそなバラードが廊下から響いてくる。昨日非番だった下士官は、前々
から楽しみにしていた気に入りの歌姫の独唱会に行ったらしい。自分が大幅に
遅刻しているなどとは夢にも思っていない様だ。
ドーラのため息。ライオネルの懸念は現実のものとなりつつある。憐れな兵
士は、死地へと続く運命の扉を、勢いよく開いた。
「おっはようごさいまーす!皆さんお早いことで。流石に、兵は拙速が命って
かー?ガハハハハハ!」
「そうね。アンタは戦場じゃ間違いなく死んでるわね」
「ハハハ、そうっすね。死んでるって……え?」
初弾命中。飛んできた冷たい言葉と不自然に爽やかな笑顔に、彼は笑顔を凍
り付かせて立ちすくむ。
彼は不可解な事態に置かれ、縋るような視線をライオネルに向ける。ライオ
ネルは一瞬見返してから、司令室の一角を顎で指してやった。
封緘をつけて仕分けされた書類の束。削り取られた塔のなれの果てだ。それ
らは今や山を形作っていて、3人も居ると云えども、今しがたに出来る山では
ない。自分の状況を悟った下士官は、再び同僚に目線を送る。
ライオネルは事務に没頭していた。お前の立場を知らせてやったのが、せめ
てもの情けだ。そう言わんばかりである。
クリスはまるで無関心だ。まるで子供の喧嘩の様にでも考えてるのだろう。
ライオネルよりも、取り付く島が無い。
ドーラは何故か伸びをしたり、腕を回したりして、体をほぐしている。
危険だ。非常に危険な状況だ。だが、ここで背中を向ければ状況は致命的な
方向へ傾く。何としても踏み留まらなければならない。ドーラは首を思いっき
り振ってから、居住まいを正した。来る。シェーンは思わず身構える。
「シェーン・マルチダ・ゴールドマン中尉」
「はいっ」
「随分と優雅なご出勤ね。それとも、何か事情でもあるの?」
「いや、これはその、何と言うかその」
「その、何と言うか、は私が聞いているのよ。ゴールドマン中尉」
小隊長直々の尋問は容赦なくシェーンを責め立てる。その瞳は陰鬱な光を湛
えながらも笑顔は崩れない。表情はまさしく憲兵隊のそれだ。候補生の頃に色
々問題を起こしていたドーラは見慣れているに違いないだろうが、普通の人間
には十分恐怖を感じさせる。
生まれついた天性と自由奔放な性格で周囲と迎合する事無く衝突し、様々な
修羅場をくぐってきたドーラ。努力しなかった訳ではないが人並みの人生を送
ってきたシェーン。その差は時間の量だけでは埋められないほどの開きがある。
子供じみてるし、実際子供だ。だが、この子供が数十人の兵士を率いる才覚
を既に持っている。それが、この時代に生まれたのは幸か不幸か。
ドーラではないが、ライオネルも少しくたびれていた。その上に、部屋の端
と端で審問の真似事をされていては気が散ることこの上ない。クリスが席を立
つ。茶でも淹れてくる積もりらしい。このまま休憩になりそうだ。ライオネル
は席を立ち、窓辺から城下の町を眺めた。王都は雨に打たれ、今日も穏やかな
営みを続けている。
朝の喧騒の中で、気怠く微睡む子供の様に、穏やかに。
>>267 うん。不評だったから自分で使ってみた。
ひょっとしてスレイヤーズとか好き?
昔読んでた。策略とか魔法の薀蓄とか好きだわ。
なんで不評だったか考えてみた?
>>271 薄々は感じていたが遂に言われたな。
・ありきたりな設定
・洗練されてないもってまわった文体
・キャラ付けの甘さ
・雰囲気の伝わらない状況の叙述
・全体的な雑さ
・etc.
ありきたりな設定はともかく他が致命的杉。
どんなネタでもこんなんじゃ書き切る所じゃ無いわ。
・本文以外の態度
……考えたくない。
戦乱の傷が色濃く残る草原に冬のかわいた風が通り過ぎた。
草原のあちこちには墓標のように折れた武器が突き刺さっている。
まるで、ここで討ち取られたあるじの墓標であるかのようだ。
「もぅ、ワシも、これで終りか・・・」
騎士の鎧をまとった老兵がため息をついてつぶやいた。
もうすぐ敵の掃討部隊が生き残り兵の止めを刺しに来るだろう。
老兵の名は舞鳳。世に轟く親衛隊の隊長である。
だが、その姿はいまは見る影も無い。全身鎧は傷が無いところを見つけるのが
難しいくらいに痛めつけられ、すでに面当てを無くした頭部からはおびただしい
血が今も流れ続けている。
「もう、親衛隊の、意味も、ないか・・・」 唇を歪ませた。
横たわった彼の視線の先にあるのは、王が住まうにふさわしい白亜の宮城だ。
だが、その城のあちこちからは醜く煙がたなびいている。
まだ戦いは続いているようだが、陥落も時間の問題だった。
幾多の戦いを経験してきた舞鳳には趨勢がたやすく読み取れる。
もう、この国は終りだ。蛮族に油断したわれわれの運命は絶望しかない。
舞鳳はせめて掃討部隊の刃を受けるまでは、穏やかに風景を眺めていようと思った。
小隊規模の足音と骨肉を断つ音が耳に届く。
舞鳳の予想どおり、蛮族が死にきっていない者を始末しにやってきた。
まだ使える片目で窺うと、奴らは倒れた人間を機械的に突き刺ながらこちらに向かってくる。
戦利品をあさるその姿はハイエナを連想させた。
やがて小隊は瀕死で倒れている舞鳳のすぐそばまでやってきた。
「・・・ムネンッ」 食いしばった歯の間からおもわず言葉がもれる。
舞鳳は空に自由にはばたくカラスを最後に認め――
老兵に止めを刺そうとした蛮族は驚きで退いた。
老兵が横たわるそばの空中から、小さな黒い球が現れたのだ。
球は急激に大きくなってゆき、同時に周囲に稲妻を放つ。
小さな稲妻に撃たれて覚醒したのか、老兵が慌てて転がりよけた。
直後に凄まじい嵐のような稲妻が吹き荒れる。と、球が爆発的に膨張し、そして消えた。
驚きに麻痺した焦点を元に戻す。そこには、裸の男が一人、片手をつき腰をかがめた
状態の姿をあらわした。地面はまるで膨張した球に飲み込まれたかのように円形状の
断面図を見せていた。
不用な他部族は滅ぼすのみ。掃討部隊の全員は瞬時にそう認識する。
裸で武器を持っていなさそうでも、他民族は絶滅対象だ。
いっせいに部隊全員が男に剣を振るう。絶妙のコンビネーション攻撃。
次の瞬間、何かが空を切った。と思ったときには小隊はすべて地に臥していた。
ことごとく頭を割られて。
舞鳳は血が目に入ってしまったおかげで霞む目をこすり、
状況を把しようとした。
なにか不思議な方法で現れて敵一個小隊を瞬殺したモノ。
いったいこの男は天の使いか、それとも・・・・・・
男は混乱の極みにあるようだ。蛮族を倒してからずっと
「夢?」 「ここは?」 「この惨状は?」 などと支離滅裂な言葉を発している。
とにかく礼を言うことにしよう。舞鳳は向き直って
「ありがとう。恩人の名を聞かせてはくれまいか?」 と口にした。
その言葉で我に返ったのか、男はハッとしてこちらへ振り返った。
端正な顔とかわいく引き締まった肉体。手にはなぜかヒモつきの鋼球。
戦闘に興奮したのか、上気した顔色が色っぽい。
戦闘に興奮したのか、鋭く屹立する男性自身。
「私が室伏です。コンゴトモヨロシク・・・・・・」 恥じらい気味に挨拶する。
舞鳳にはその姿がストライクだった。
年甲斐もなくムクムクと何かが頭をもたげてくる。
衝動的に室伏へ誘いをかけた。
「ウホッ!いい男! や ら な い か ?」
・・・今は亡き
>>27にひさぐ・・・・・・
途中からオカシクナターヨ!! ウワァァァァァアアア〜〜〜〜〜ァン!!
>>272 >ありきたりな設定はともかく
一番悪いのがその設定。
設定読んだだけで本文読む気なくす。
それだけ最低の設定。
>>278 詳しい話を聞かせてもらっても良いですかね、先生?w
あ〜チミはその設定でいいよ。
うん。
がんばれ!
つまり人間性か。
ネット投稿は辛いよな。
作品の評価に「
>>278に
>>279のようなコメントしか返せない人間性」が前提として加味される。
おまえバカじゃね?
283 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/20 22:34:17
>>281 中高生が最初に書くのはファンタジーが多いため、
ファンタジー書きさんはだいたい平均年齢が低い。
だから、人間性というよりは、若さだろうな。
あれだ、チミにも覚えがあるでしょう。そんな言い方しなさんな。
もし、いい年したおっさんだったらどうしよう……
ありきたりの設定でも、書く奴が巧けりゃそれなりに面白いものが出来る。
話の構成とか、演出とか、魅せ方とかで。
設定がありきたり、って読んだ奴に思われてしまうっつー事は、
これらが弱いって事なんだろな。
ありきたりな設定で、面白いと思わせるには技量が必要なんだな。
俺もせいぜい精進しようっと。
>272
商業作家を目指すのであれば、構成を工夫したり巧みに描写するのは当然だし、文体や語り口にも一工夫必要だ。
ライトノベルなら、魅力的なキャラクターに、軽妙な掛け合いをやらせなくてはいけない。
ハッキリ言えば「書く奴が巧くても使い古された話」は新しくは成らない、在り来たりでは無い設定にしなくては。
例えばそのファンタジーの舞台は、中世ヨーロッパをモチーフにしている様だが、別の地方に変えてみてはどうだろう?
古代中国はそろそろ拙いだろうが、アラビア圏などはどうだ?或いは思いきってアフリカや東南アジアでも良い。
もちろん>35のドーラを使って見たかったのかも知れないが、名前を変えてラクダに乗せるだけで、ずいぶんと雰囲気が変わるのでは無いかな。
賞とるときには、ありきたりの設定だと
インパクトに欠けるから、ますます難しいよなあ。
差別化を図らなきゃ
闘わなきゃ
現実と
>戦乱の傷が色濃く残る草原に冬のかわいた風が通り過ぎた。
>草原のあちこちには墓標のように折れた武器が突き刺さっている。
>まるで、ここで討ち取られたあるじの墓標であるかのようだ。
折れた武器が だけじゃちょっとわかりにくくないかい。
2〜3行目の比喩が重なってるのは、どちらかに絞ったほうがよくないかい。
まず書いてみるって考え方は悪くないと思います。
書いてみて気が付く事も沢山あるのさきっと。
と、本を読むのが好きなだけのおっさんが書いてみたりして【壁】)) サッ....
戦闘を歩いていた兵士が、小さな悲鳴と共に膝を付き、続いて痙攣を起こした。
慌てて駆け寄る同僚が、気遣わしげに掛ける声も聞こえていない様子だ。トラップに
掛かったのだろう。炸裂火球で無かったのは幸いだったが、カーツの勢力圏も間近
だというのに負傷者を出したのは痛い。
待て、様子がおかしい。
「離れろランス!クリーンはもう駄目だ」
クソ!ベトコンの呪詛魔法壷だ。中央に毒塗りのスパイクを備えた蟲毒の壷を
通り道に仕掛け、踏み抜いた犠牲者を殺傷すると共にアンデットに変える悪質な罠。
引っ掛かって死ぬのは一人とは限らない、アンデットと成った犠牲者は手当たり
次第に回りの生者に襲いかかるのだ。一瞬前まで戦友だった「物」が敵と成って
襲いかかって来る恐怖と嫌悪感。この罠は敵の肉体以上に精神にダメージを与える。
そう、俺自身もC∴I∴A魔法局員の口車に乗った事を後悔し始めていた。
しまったぁ!いきなり推敲ミスを!
ファンタジーというより軍事ものだな。
地獄の黙示録!
295 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/28 01:02:06
いいぞ、ベイベー!
296 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/28 01:19:32
そんなありがちじゃダメじゃない?
在り来たりのファンタジー?戦記?
1916年、ユスポフ公爵の暗殺計画を生き延びたグリゴリー=エフィモヴィッチ=
ラスプーチンは、ニコライ2世の後ろ盾の元に反対派貴族を粛正し、アレクセイの即位と
共に摂政の座に着き、後に無血革命によって農奴を解放した。
そこまでは良い、どうせ他人の国だ。しかしラスプーチンの後を次いだアレイスター=
クロウリーは、ロシア正教の独自解釈による教讃革命を、過去のドグマのしがらみと批判し
純然たる意志に基づく魔術をケイオス=マジックと定めて、そのエイワス信仰を世界に
広げようとした。
幸いにも西ヨーロッパへの浸透は成らなかった。師マクレガー=メイザースとは反りが
合わなかった獣も、その妻モイラには従順だったのだ(横恋慕でもしていたのか?)
しかし代わりに、その飢えた目を東に向けた結果、中国では紅幇率いる毛沢東が中国を
支配し、ここインドシナ半島でもケイオス=マジックが既在のドグマ=マジックの呪術圏
(スペルバウンド)を塗り替えようとしていた。
本格的な開戦に反対していたケネディが呪殺されると、フリーメーソンのメンバー
ジョンソン大統領はトンキン湾事件を口実に戦局を拡大し、東西の代理呪術戦が始まった。
そういう歴史伝奇ものは俺は好きだが
剣と魔法ものとはちょっと違わないか
ウーン……そうかも知れない。
剣だとどうしてもリアリティが出せないので、M16(マジック16)アサルト・ボウや、
AK(アカシャカスタム)47同士の戦いになってしまうし。因みに上記の呪詛魔法壷は
ブードゥー・トラップと呼ぶ事にしてる。
しかし書き込み少ないなあ
途中からですし、拙いですが・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・いかにも」
男はそう呟くと、だらりと垂らしていた左拳を目の前に掲げて見せた。
先ほど、こちらがナイフで受け止めたからだろう。男の拳からは血がしたたり落ちていた。
だが、そんなことは大して問題ではないと言わんばかりに男は淡々と続けてくる。
「この大陸に数多く存在する異能の力。そのどれもが禁忌として畏れられていた中で、
まさに、最強の一つと謳われた[力]を、私の一族は保有していた。」
掲げていた拳を見つめて、まるでそれが、真に尊きものだ、とでも言う様な口調で男は語る。
「名を“崩しの拳”、という。この世に存在する、ありとあらゆるカタチあるもの全て。崩し、砕き、破壊する。」
聞いたことはあった。異端技能“魔拳”に分類される、人類が持ちうる力のなかで、恐らく最も[破壊的]な禁忌。
「―――そうかい。・・・これまで何人の人間が、あんたのその拳の破壊対象になったんだろうなあ。」
ぼやき、同時に目の前の男に意識を集中させる。
「正確な数は不明だ。[仕事]を終えると、破壊した標的に関する記憶が一切消えてしまうのだよ。これは、
この[力]を使うことによる一種の“罰”のようなものだと感じているのだが、なにぶんはっきりしない。」
男は本気で解らないといった顔をしている。
「とにかく、[組織]はあんたみたいに著名な職業的暗殺者さんを雇ってまで、俺を消したいってことかい。」
「そういうことになるな。私も依頼を受けたからには、[仕事]として処理させて貰うが・・・」
男の顔が変化する。具体的にどう、とは説明しづらい。が、その表情の奥にある感情は容易に見て取れた。喜。
男は、心底喜んでいるようにみえる。
「先ほどのあの動きは、なんだ?私は今まで人間を相手に初撃で破壊し損ねたことは無い・・ハズだ。
標的のことは記憶から消えても、それらとの戦闘の記憶は決して消え去ることはない。その膨大な情報の中に
今まで無かったことが、起こった・・・。」
喋っている途中から、男はだんだんと口調が早くなる。
「・・興味深い、実に興味深いぞ、黒魔術師。貴様のような強者が稀にいる。だからこそ、私は、破壊を、生業とする。」
一言一言、噛みしめるようにして告げてくる。同時に、一言ごとに男の殺意が高まっていくのを、一誠は感じ取っていた。
圧倒的な圧力に飲まれそうになる。が、そんな自分とは別の何者か、はっきりと絶望的だと言えるこの状況でもなお、
(奴を殺せ。有無を言わさずコロセ。お前には“ソレ”が可能だ、殺せ)・・・そんなことをいちいちいってくれやがる何者かが、いる。
(奴を・・恐らく、大陸最強の暗殺技能者、“悪霊”ゼルレイ=ヴァンガスト。そんな真性の化けモンを相手に、まともな闘い方じゃだめだ。
多分、いや確実に奴の力は俺を越えてる。確かに、絶望的だといえる差がある。けど―――)
―――コロセ・・・
ゼルレイの目が徐々に細められていく。ケモノの眼。狙う者の視線を嫌というほど感じる。だが。
―――コロセ・・!
ゴキッ、ベキィッ。魔拳があげる鈍い関節音は、獲物を前にした大型肉食動物のそれに似ている。確信する。自分はあのケモノに補食される。だが。
―――コロセッ!!
自分でも驚愕するぐらいの速度で魔術図式は完成した。眼前の暗殺者を見据える。
(奴を殺す。遠距離からの最大出力の魔術によって根元から消失させる!)
敵との距離は二十数メートル。魔術を用いる自分と、拳による打撃を用いる奴とでは、圧倒的にこちらが有利なハズ。一誠は、編み上げた図式を世界に
展開した。そして、あと一言、呪文を叫べば発動というところまできて―――
標的の姿が消えた。
「なっ!?」
コラ!
1.「・・・」「―――」の正式な作法は「…」を二つ繋げる、「途中からですし、拙いですが……」が正しい。
2.そもそも乱用しては成らない、それだけで文章力が不足と見なされる。
何でも良いから読者に連想させるのはただの手抜き、出来るだけ描写するのが小説というものだ。
3.どちらかに統一する事、書き分けたって工夫してる事には成らない。
それは「手の抜き方」を工夫しているに過ぎない。
なんか魔法である必然性がないような気がするけど、
ライトノベルの魔法ってのはそういうもんなんだろうな
307 :
林原提出 ◆sgx1Jy1glk :04/12/02 03:37:49
>>306 純文学作家に分類されているスティーブンソンもそういう執筆方法だよ。
彼、曰く、「腰にサーベルをぶら下げていればそれでもう立派な海賊なんだ」
>307
論点が違うんじゃ無いかな? >306は「崩しの拳」を漫画やライトノベルのキャラクターが使う「特殊能力」と見なしてるのだと思うが。
それを敢えて「魔法」として扱う理由が判らないという事だろう。
>>305 こんにちは。もっと教えを請いたくなったので(無理矢理)続きを書きました。
もともとみなさんに触発されて勢いだけで書いてしまったので、自分でも世界観がよく分かりません……。←(使い方あってますか?)スミマセン。
こんなんで意見が聞きたいなんてずうずうしいと思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
――――――――――――――――――――――――
「なっ!?」
完全にゼルレイを見失う。同時に、前方からまっすぐに、こちらを貫かんばかりに放たれていた殺気が
自分を包囲するように変化していることに気づき、一誠は焦燥を覚えた。
なんとか殺意の元をたどろうとしても、一瞬、視界に黒い影の様なものがみえるだけでその位置を特定できない。
(これは……魔術でも異能の力でもない。特別ななにかじゃない、ただ“速い”んだ ――人でありながら、その限界を越えてなお自我を保ち
存在し続ける“悪霊”――そういうことか、くそっ!)
光源は月の淡い光のみ。そんな闇の中を、それよりも濃い漆黒が飛び交っている。
(このままではマズイ――)と、
気配が完全に消える。
心臓が早鐘のように鳴る、否、実際は一拍鳴っただけだろう。痛みを感じるぐらい強く、ドクンと。探る。全神経を寄せ集め、感覚の糸を伸ばす。
今や、一誠の視界は周囲360度を完璧に捉えていた。が、いない。暗殺者の姿がドコにもない。
―――この間ほぼ半秒、その一瞬ですべてを理解する。
(そこかッ!)
上空を見上げる。月を背景に、凄まじい高さから、こちらに向かって落下してくる影があった。
「ッシャアアアアアァァァッ!!」
「貫けエェェ!!」
獣の雄叫びを上げながら襲い来るそれに対し、一誠は左掌を向け叫んだ。ほとばしる閃光が視界を埋め尽くし、夜空の闇をかき消し
真っ直ぐに疾走していく。白光が突き進んでいく先に標的がいる。それは、そいつの“消滅”を意味した。が、男が輝きに飲まれようとしたその時、
(なんだ?)
違和感を覚える。コレでは奴を殺せない。最大の力で魔術を放った。敵は為す術もなくこの世から消えさる――ハズなのに。
(ハズ、なのに!)
魔術の光は、男にとどく前に消えた。正確には、男がかざした拳に触れんとした時、突如として、消えた。魔術師として誇れる一撃だったと
確信をもって言える、非の打ちどころのない完璧な魔術構成だった。だが。
(奴はその、構成自体を“破壊”しやがったのか!)
咄嗟にその場から飛び退く。暗殺者が魔拳を振り上げる。そして、着地と同時にその拳を地面に叩きつけた。
ズドン!という豪音のあと、大量の粉塵が舞う。足元が大きく揺らぎ、一誠が一瞬体勢を崩しそうになった、刹那。
砂煙を裂いて、黒い塊が飛び出してくる。塊は素早い挙動で一誠の胸部に拳を押し当てた。そのときになって、ようやく気付く。
(死ぬ――)
衝撃は意外なほど小さかった。自分の体が後方の空間へ引き寄せられたのかと感じるほど、“打たれた”という感覚はなかった。ただ、どうしようもなく
気分が悪い。臓物が喉からひり出されようとしているのか――多分そうなのだろう。鮮血が舞う。体の一カ所が、すごく、痛い。そこを打たれたのか。奴の、魔拳で。
ドサッ。体が地面に打ちつけられ、そこで意識が戻る。そのことにまず驚く。自分はあれを受けたはずだ。“崩しの拳”を。それは、ヒトの体など
造作もなく砕くだろう。砕かれて、二度と目覚めない。なのに、自分の体はどこも傷ついていない。ただ、体の一カ所が、すごく――
「痛っ、あ、頭が、割れる!」
思わずうめく。激痛が脳に直接響いてくる。気が狂いそうだった。まるで、檻から出ようと暴れる獣のごとく、その痛みはいっそう激しいものとなっていった。 と、
格闘ものの小説にしたほうが…
「貴様、何をした?」
その声を聞くことを耳が拒んだ。
(だってそいつは俺を殺した。頭が痛い。吐き気がするんだ。その声を聞くと。)
「何を、した?」
なおも声は続けてくる。不意に、発せられた言葉の中に、怒りと、恐怖の入り交じった感情があることに気付いた。
(ダマ、レ)
頭の痛みは極限に達しつつあった。これ以上、この声を聞き続けていれば、自分は……
「何をしたと訊いているっ!」
うずくまろうとしていた体を無理に起し、声の元を睨みつける。黒装束、額ににじむ脂汗、白髪混じりの黒髪、血に染まった暗殺者。そして、理解する。
自分の体を捕らえたはずの、暗殺者の魔拳。それが消えている。問答無用に、左肩から先がなくなっている。男が身にまとう黒服は今や、馬鹿げた悪夢のごとく
吹き出ている血によって、紅に染まりつつある。―――唐突に、頭痛が消えた。告げる。
「簡単なことさ。ちぎった。それだけだ。」
自分の右手に握られていたモノ、魔拳、元はそう呼ばれていた肉塊を、つまらないモノでも見るような目で一瞥し、投げ捨てる。と、同時に一言呟く。消えろ、と。
肉塊は一瞬にして白い炎に包まれ、地面に落ちる前に消え失せた。
「これで、また一つ禁忌が無に還ったって訳だ。」
知らず、ククッと乾いた笑いがこぼれる。
「化け物め……」
ほとばしる鮮血を止めもせず――止められないだろうが――暗殺者が唸る。明らかに致命傷を負っているはずの肉体に介せず、
発する殺気はさらに強まったように感じる。
(だが、恐くない。奴が死につつあるから? 違う)
男が、熱に浮かされたような口調でこちらに語りかけてきた。
「先ほどまでとは比べ物にならない、その禍々しい氣は、なんだ?。いや、それだけではない。」
見つめてくる視線と、こちらの視線とが重なり合う。その時、はっきりと、男が息をのむのを感じた。
「その“眼”だ。青い、いや限りなく蒼いその瞳、真に美しく、……そして恐ろしい。」
微かに、男の声は震えていた。
「貴様のソレは、我が長より伝え聞いている。だが、ソレが今ここに在るはずがない。その力を継承する最も古き一族、奴らは先の“狩り”によって――」
「“幻狼”。我が一族に伝わる禁忌であり、歴代の長に与えられる二つ名でもある。」
男の言葉に割り込むようにして呟く。その瞬間、男は驚愕に目を見開いた。
「馬鹿なっ、ありえん!貴様がもし、あのいまいましい“源祖”どもの生き残りだとして、なぜこのような片田舎で、つまらん生き様を晒しているのだ!」
激しく語気を荒げて男がまくし立てる。それとは対照的に、静かに告げる。
「それは、我が宿主の人生だ。いっかいの黒魔術師にすぎん宿主だが、なぜだか常日頃災難に見舞われる。」
つい旧来の口調にもどりながら、一誠、己が宿主に降りかかってきた“災難”のことを思い出す。本当に、なぜにこの男はここまで不運なのだろう。それは
哀れみを通り越してもはやほほえましいとさえ思えた。その最たる物が、大陸最強の暗殺者の襲撃とは……。
「とにかく、我が宿主は、ぬしらの飼い主に追われる筋合いはない。故に失せよ。下らん腕一本と命、失うのはぬしの自由だが」と、
「ふ、ふふ」
男が震えだした。いや、先ほどから震えてはいたのだが、その“震え”の種類が変わる。
「? おい――」
「ふわぁっはははぁあぁはははっはは!!なんという幸運!」
闇夜に、絶叫に近い笑い声が響く。
「どうやってその者に取り憑いたかは知らんが、本当に貴様が奴らの最後の生き残りだとわな!いや“生き”残りとは言えんか。クク」
笑いと歓喜。男は続ける。
「そのような脆弱な肉体を器としたことが貴様の運の尽きだ。貴様を殺しその眼を、“幻狼”を頂く!」
「……」
こちらが何も言わず、ただ淡々とその光景を眺めていたからだろう。男の言葉の温度が下がる。
「侮るなよ、我が一族に伝わる“崩しの拳”は、本来利き腕にのみ宿る。だがな」
暗殺者が、残った右の腕をこれ見よがしに掲げる。
「いかなるものにも、例外は存在する。由緒ある我等が“鬼璃族”。その中でも、私は選ばれた者なのだ!」
暗殺者の殺気が、今までで最も強くほとばしる。ダンッと地面を蹴る音が聞こえた。
「その眼を、よこせェェェッ!!」
とりあえず、ここまで書きました
>>316 ありがとうございます。確かに主旨とずれてましたね。
小説を書くなんて(ついでに2chへの書き込みも)初めてのくせに、衝動的に書きたいことがわき出て来ちゃいまして。反省しますね。
でも、紹介して下さったスレなら、自分の書きたいことを、それこそ本能の赴くまま書けると思います。
あ、その前に基本的なことからですよね。
感想を聞かせて頂けたこと感謝します。感謝ついでといってはなんですが、
描写、特に「戦闘描写」が素晴らしい小説を教えて頂けないでしょうか。
拙い私の技術向上のために、どうか手を貸して下さい。
>>最後に、それは週間ジャンプ連載中の「ナルト」を劣化コピーしたものだ。
一捻り加えて、例えば”魔拳”使いは思い切って両手とも失う事にして見よう。
反撃は蹴りにしてみる、ただしこれでさえ「魁!男塾」が十年前に通り過ぎた道だ。
なんのアドバイスにもなってないと思うよそれ。両手とも失うとか、反撃は蹴りに、とかそういうのを聞きたいんじゃないと思うけど。少なくともそれは彼(彼女?)が自分の頭で決めることだろうに。
できれば小説名も教えて頂けると幸いです…
>>322 心情を簡潔に語ることで日々繰り返される
人生のささやかな戦いを鮮やかに描き出してるのが秀逸
>>323 戦闘描写のある小説って時代物しか読まないしなー。
取り敢えず漫画の方が分かり易くて良いだろう。
1.守村大「あいしてる」「パラダイス」
最初は戦後恋愛もの、その子供が主人公に成って学園不良物となり、いつの間にかボクシング物に成る。
このボクシング物が感動的かつ秀逸。「パラダイス」は現在連載中で、更にボクシングに焦点を絞っている。
2.森川ジョージ「はじめの一歩」「六三四の剣」「ロン(龍)」
言わずと知れたボクシング物の傑作。ボクシング物としては、上の「あいしてる」「パラダイス」とベスト3を
争うだろう。
3.村上もとか「ヘヴィ」
ボクシングものとしては今一。剣道を描いた力作」「六三四の剣」の方が、格闘技の描写は上だと思う。
他に拳法が出てくる「ロン(龍)」も有るが、こちらはストーリー重視。
4.藤原芳秀+松田隆智「拳児」
中国拳法全般について知りたければこれが一番。繰り返すが中国拳法では一番。
5.蛭田達也「コータローまかりとおる」
ギャク漫画だが、格闘技全般を巧みに描写している。スピーディーかつアクロバチックな映像ならこれ。
6. 川原正敏「修羅の門」「修羅の刻」
主人公はみな同じ人間か?と思うほどキャラの書き分けが出来無いが、格闘漫画としてはベスト3に入るかも。
7.板垣恵介「グラップラー刃牙(バキ)」「板垣恵介の激闘達人烈伝」
筋肉描いたら世界一。著者の板垣恵介は自衛隊の空挺主神で、格闘技も相当こなす人。
「板垣恵介の激闘達人烈伝」は漫画では無いが、その著者が達人達にインタビュー(一部対戦も)を試みたもの。
「板垣恵介の格闘士列伝(グラップラー)」も漫画では無いが、著者が筋肉への思い入れを書いたもの。
8.猿渡哲也「高校鉄拳伝タフ」
画力では一番では無いか?オリジナル関節技のリアリティー溢れる描写も見事。しかしそれ以上に、比喩表現に
見るべき物が有る。ボクサーのパンチを交通事故に例えて、車の対衝撃テストを描いたりする。
9.橋本以蔵「軍鶏(シャモ)」
格闘技よりも主人公の暗い情念が印象に残る作品だが……
これで板違いを終えよう。
ジャンルも違うんだよな、いい加減にスレを移るべきだろう。
上げるのは規則破りだったり、ルール違反だったり、マナー違反だったり、
アンモラルだったり、犯罪だったりするのかな? でなきゃ別に構わないだろ。
ところでこのスレの住人に確認しておきたいのだが、そもそも「剣と魔法」
とはどういったジャンルを示しているのかな? 「コナン・シリーズ」の様な
ヒロイック・ファンタジー? 指輪物語の様なエピック・ファンタジー?
「ドラゴンランス」の様な、ゲーム設定を流用したライト・ファンタジー
まではOKか?
>>328 > 上げるのは規則破りだったり、ルール違反だったり、マナー違反だったり、
>アンモラルだったり、犯罪だったり
327の何をどう見たらそんな大袈裟な話になるんだyo。
ネチケな発言をする一方で無意味にスレをあげてるのは言行不一致じゃないのかって話だ。
>剣と魔法
簡潔なテーマだからOKの範囲は広いだろ。
例に挙げてるような奴はOKじゃない?
あんまり厳しくしないでいいと思うよ。
ただまー、日本で剣と魔法書くっていうとライトノベル以外
ありえないよね。特に新人は。
むしろラノベは電撃系列が主流だったりする
剣と魔法はソードワールドの専売特許になっちゃってるよ。
もう日の目を見ることはないかもねぇ。
何故急に書き込みが無くなったんだ?
>>332 そーなのかねぇ。じゃー1が帰還するまで、誰かSWの小説でも書けばいいんじゃね?
というわけでキャラ晒し。使ってくれ
名前: ランド・ホウリー
性別: 男
年齢: 17
職業: 家出少年(実家は貴族階級)
性格: 臆病だが切れると怖い
口調: 僕
【容姿】
追い詰められた子犬のような目をしている。痩せ型で猫背気味
綺麗な黒髪を無造作に伸ばしっぱなし。死人のように青白い肌(暗い部屋に長らく引き篭もっていたから)
よくよく見れば目鼻立ちは綺麗なのだが、本人は無頓着
【その他設定】
乳母の死とその後の家族環境の変化から、部屋に引き篭もるようになり、一人で剣術に打ち込んでいた。
部屋を出たものの家族と衝突、その経緯で嫡男である兄を殺傷し、家を飛び出し冒険者稼業へ
家から持ち出した名剣(銀製、必要筋力−5のバスタード・ソード)を後生大事に抱えており、寝るときも離さない
【プロフィール】
ファイター2LV セージ1LV
剣は兎も角、魔法はどうも魔法っぽくないよな、ラノベだと。異世界の変わった技術でしかない。
年寄りといわれようが、ゲド戦記みたいに雰囲気たっぷりなのが、“魔法らしい”と思うのだけれども。
そういうのは卓ゲー・スレに書き込んだら?
ていうか1は帰ってこないだろ。
廃墟。
じゃあとりあえず冒頭を作ってやる。
突然俺は、歓声がぴったりと止んでいることに気が付いた。
受け取ったメダルの鈍い銀色を見つめ続けて呆然としていた俺は、どうやらあたりの様子がおかしいことにずっと気が付かなかったらしい。
我に返って、俺は自分の置かれている状況を確認しようとした。
……どこだ、ここは?
鬱蒼とした緑。柔らかい土。
世界中の人々が浴びせる歓声は掻き消え、どこからか不気味な鳥の低い鳴き声が聞こえてくるばかりだ。
頭がぐるぐる回っている。俺は自分に問いかけた。
俺は表彰台の二番目に立っていたのではないのか?
残念そうな父や、関係者の視線に苦しんでいたのではないのか?
──そもそも、俺はアテネにいたのじゃないのか?!
「おお……!」
背後から呻くような声がした。
髭をもじゃもじゃに伸ばし、長い白眉で眼光がうかがえないような風采の老人がそこに立っていた。
俺はますます混乱する。こんなヨボヨボの爺さんが森の中で一人で何をしているのだ?
「おお、おお……。……おお!」
爺さんはただ感嘆の声を漏らすだけで、あとは俺のことをじろじろ見ている。
「あの、失礼ですが」
俺は質問してから気づいた。全く分からないが、確率から考えてここはギリシャである可能性の方が高いのではないだろうか。
日本語で質問したところでまったく意味がないだろう。とりあえず英語で……
「やはり王女様の言っておられたとおりだ。異形の方、いと尊き方! どうかわが国の窮状を助けてくだされ」
驚いたことに相手は日本語だった。しかし会話の内容は日本人の一般的会話とはだいぶ異なる。
まるで何かの芝居か小説のセリフじゃないか。そもそも日本に王女様はいない。
アタマのおかしい爺さんなのか? 顔のインパクトで気づかなかったが、服装もヘンな感じだし。
「王女は仰った。『まもなく、敵を打ち倒し、この国を救い給う異形の救世主が、この地の東に降り立ちます。そのものは我々の見たことのない武器を右手に携えていることでしょう』と。
さあ、その右手の武器をこの爺に見せてくだされ」
そう爺さんに言われて初めて、俺は右手に愛用の競技用ハンマーを握り締めていることに気づいた。
じゃあ、後は頼んだ。
ソード&ソーサリー
つまり「剣」と魔法な(藁
>>338 浅い知識をひけらかしてる馬鹿発見。
「SOPHISTES」でググって勉強してこい。
おいおいだれか勇者ムロブシ伝説続き書けよ
お前さんが自分で書きなよ……って言うか茶々入れたかっただけだろ。
続きを書く気にはならないが、コンセプトとしては面白いと思うぞ。
誰か書くなら読んでみる気にはさせる。
少なくとも自演マンセーは、つまらない上に読んでいて見苦しいとおもうな。
俺にはさっぱりわからんのだが
自演て何処で判断してんだよおまいら。
莫迦にしか見えないIDが表示されていますから
っで、勇者室伏の冒険はどうなった?
近代5種は過酷な教義だ。
それも肉体的な過酷さでだけではは無い、技術的・経済的過酷さが加わる。一日に
射撃(エア・ピストル)、フェンシング(エペ)、水泳(200m)、馬術(障害)、
ランニング(3,000m)の全く異なる科目をこなすこの競技は、在る意味でデカスロン
以上に人間の限界に挑む行為だと言えるだろう。その過酷さは、アジアでトップクラスの
日本が、アトランタ、シドニー、アテネと12年連続で出場権を得られなかった事からも
伺いしれるだろう。
そして経済的な過酷さとは主に馬術を指す。競馬のサラブレット同様に、競技用の馬は
金が掛かるのだ。日本馬術連盟で選考絡みの不祥事が起きたのも、そうした事と無縁では無い。
そして最後の難関はエアピストル。日本国内では僅か500人にしか所持が認められず、
結果として近代5種の選手は、肉体、技術、経済力、500人の最大公約数に留まる。
僅か数十人に。
簡単にオリンピックに行けると、浅はかな夢を見て選手と成った自分を恨みながら、
俺はTVから目を背け、畳に寝ころんだ。
父親は一流商社の重役を務め、親戚一同もまあ上流階級、そうした環境にあって俺は
期待はずれの次男坊。2流の大学を出て2流の会社に勤めるか、親の七光りを背負って
同じ会社に入るかといった矢先に、選手への道が開けた時は確かに野望も持っていた。
自分の力で自分の証を立てる、ひょっとしたら歴史に名を残せるのではないかと。
馬術の経験こ少なかったが、競馬と異なり早さより正確さを要求される障害は、騎手と
馬との一体感こそが要求される。イマーキュレット・イーグルとは直ぐに仲良くなれた、
その意味では、俺は持ち馬に恵まれていたと言えるだろう。ある意味では初ねて得た、
心を預けられる友人だったと言えるだろう。或いはその甘さが、彼を失う結果に繋がった
のかもかも知れない。
あの時の大転倒、他の馬まで巻き添えにした痛恨の失敗。甘い気持ちでやったあの
レースは、訓練ですら無い騎手友達同士の軽い遊びだった。再起不能の傷を負った彼は、
薬殺処分にせざるを得なかったのだ。気を失う前に聞いた最後の嘶きは、別れの言葉
だったのだろうか。あの倒れた芝生の、小雨に濡れた冷たさと草の匂いは生涯忘れない。
草の匂い、畳では無い。枕にしていた腕を伸ばしてまさぐってみれば、それは乾いた
芝生の感覚。俺は夢を見ているのだろうか? 夢ならばイマーキュレット・イーグルに
再び会えるかも知れない。懐かしの親友に。或いは俺を恨んでいるかも知れないが、
それでも構わない、俺は一言謝りたかった。
興奮した馬の嘶きまで聞こえて来た、目を開けさえすれば彼に会えるのだ。すぐそこに。
「ぐぇ!」
唐突に腹を踏まれて、慌てて畳みの上を転が……では無い、草の上だ。部屋の蛍光灯に
してはやけに明るい。まだ半覚醒状態のまま辺りを見渡すと、真上に女性の顔が有った。
美しい、しかしやけに遠い。ようやく視点が定まってくると、それが馬上に有るためだと
判かった、さっき俺を踏みつけたやつだ。見渡すと古風なコスプレをした男達が、矢張り
馬に乗って俺を囲み、理解出来無い言葉で囁きあっている。
おかしいな、オリンピックに向けて、NOVAで英会話を勉強したのに。いや待て、
そもそも俺は自分の部屋でTVを見ていた筈だ。軽くパニックに陥った俺は、慌てて
立ち上がりかけたが、女の操る馬に体当たりされて、再び芝生に転がった。
「そなたは何者じゃ? ここで何をしておる?」
今度は意味が判る。女の声が、というよりも意志が伝わってくる奇妙な感覚に驚く。
女の隣りには底意地の悪そうなガンダルフが居る、いやサルーマンの方が似合うか。
つまりフード付きのバスローブ見たいな服を纏って、手に杖を握った髪も髭も真っ白な、
絵に描いた様な魔術師姿の老人。なら周りのコスプレイヤーどもは、姫君お付きの騎士
だろうか? 鎧こそ身につけていないが、腰に剣を下げ楯を背負っている。緊張しつつも
無駄な力を抜いたその姿勢は、フェンシングのアンギャルド(構え)を連想させる。
「質問に答えよ、それとも何か考え事か? 下手な言い訳は身の為に成らぬぞ」
こちらは正に高貴なお姫様。それも馬術のお披露目で、身体にフィットした白キュロットに
黒いショージャケットを着た、バリバリの正装。くっきりと見える下半身のラインが……
「嫌らしい目で見るでない!」
「ゴッ御免。エッえ〜と貴方は?」
強烈な意志を叩き付けられ、取り敢えず謝る。物音に気が付いて見渡すと、騎士達が険悪な
表情で腰の剣に手を添えている。そんなに怒る事は無いだろう、アンタ等だって同じ様に
考えた事が有る癖に。いや、だから怒るのかな? 憧れの君にみだらな目を向けおって!
といったところか。という事は、彼女は独身かも知れないな。
「質問に対して質問に答えるのか? 良かろう、こちらから先に名乗るとしよう」
彼女は傲然と豊かな胸を張り……イテッまた転がされた、調子に乗るなよ馬! 心が
読めるのかこいつ……深呼吸すると誇らかに名乗りを上げた。
「私は、アルプレヒ=ザヴァリシュ僭主=グリュンハイムが娘、コーネリアス=
ザヴァリシュ=ローゼンベルガーだ」
長い、長いよ姫様。
「次はそなたの番だ、そなたは何処の何者か? ここで何をしている?」
「いっいや〜何をってその……昼寝を」
しまった、こんなとぼけた返答に満足する訳が無い。誤魔化されたと思ったか、
それとも馬鹿にされたと感じたか、コーネリアスは眉根を寄せて鼻を鳴らした。
取り敢えず現状を把握すれば、俺は部屋のTVでアテネ・オリンピックを見ながら凹み、
うたた寝している内にバイストン・ウェル辺りに跳ばされてしまったらしい。と言う事は、
俺は聖戦士か何かで、この世界に何らかの変化をもたらすべく召還されたという事になる。
少しだけ自信を回復したおかげで、冷静さも戻って来た。我ながら単純なものだ。
さて、どう応えたものだろう。自分の立場がハッキリしない以上、適当に取り繕った方が
良いのかも知れないが、連中の出で立ちは明らかにただのハイキングや遠出では無い。
目的を持ってここに来たと考えて良さそうだ。と言う事はその目的とは俺の事で、向こうは
俺の出現を予知していた可能性が高い。それにこのお姫様と話が出来るのは、どうやらあの
魔術師の仕業だ。本当に心が読めたりするなら、嘘を付かず正直に話した方が無難だろう。
「俺、いや私の名は翔月昴と言います。ここへ来た理由は、自分でも判りません。確かつい
さっきまでは自分の部屋に居たのですが、気が付けばここに居ました」
ようやくお姫様は満足そうに頷いた。
「どうやら嘘は申しておりません、信じて宜しいかと」
魔術師のじじいがそう補足した。
「じじいでは無い。わしはギルベルト=アーレルスマイヤー、察しておる通り僭主にお仕え
しておる宮廷魔術師じゃ」
このじじい……じゃないおじいさん、本当に心を読んでやがった! っと言う事は?
「その通り。朴占により、この地に我が国を救う者が現れると知り、こうして来た訳だが
……そなたはいかにも頼り無さそうじゃのう。したが、どうやら自覚も有るようじゃし、
どうやらそなたに間違いは無かろう」
そりゃ無いよじいさん、あんたが俺をここに呼んだんだろ?
「いや、そなたを呼んだのはこの世界そのもの。この世界の混乱が次空に歪みを作り、
その歪みがそなたの世界とこの世界とに狭間を作り上げた」
言葉に出さなくても意志が通じるとは便利なものだ、しかし、どうやらお姫様はかやの外に
置かれて、少々ご機嫌斜めらしい。
「奇跡使い(ミラクルマン)の話は胡散臭いし、理解出来ぬであろう? それにそなたの話も
もっと詳しく聞きたい、城へ戻るとしよう」
どうやら、当面の疑いは晴れたらしい。俺だって自分に起きた事を詳しく知りたい、この国や
世界の事情も把握しなくては成らない。それに、こんな美人とお近づきに成って歓待を受けるなら
願ってもいない……
「この者を城へと引っ立てぃ!」
「ナッ何だってぇ〜?」
夢見心地は一辺に吹き飛んだ、お姫様は少々ご機嫌斜めらしい。
お姫様のこうした態度には、慣れっこに成っているのだろ。騎士達は苦笑いしながらも、
俺をぞんざいに縛り上げると、予め準備していたらしい空馬に乗せた。一人の騎士が手綱を
握って誘導し、魔術師とコーネリアスは俺の左に付く。他の騎士達は三人を囲むようにして、
城へと出発した。
他にする事も無いので、連中をよく観察する事にした。騎士達は一見すると正装に見えるが、
よく見ると肩や肘、膝にパットを縫い付けてあり、簡単な防具に仕立てた服を着ている。胸や
腹の質感からすると、中に何か板を入れているらしい。頭には面覆い(バイザー)の付いた
ヘルメット、兜と言うほどモノモノしくは無いが、剣や落馬から身を守るには充分だ。背中に
ポリバケツの蓋ほども有る丸い楯を吊り、腰にはロングソードと短剣を下げている。
隣りのコーネリアスに目を向けて見ると、意外にも狐じみた横顔をしているのに気が付いた。
スラリとした鼻梁と、突き出た口蓋は、細いおとがいと危ういバランスを取って異形の美を
作っている。しかしそれ以上に、赤みがかった金髪から突き出る、先の尖った耳が狐の印象を
強調している。
その向こうを進む魔術師の顔は、フードに隠れてよく見えないが、眉の上の骨が突き出て
大きな鼻をしている事を除けば、全体的に似ていた。彫りが深くクドクドしい顔は、髪の色を
除けばTVで見た原始人を連想させる。
俺は慌てて、周りを囲む騎士達の顔を確認した。バイザーに隠れて良く見えないが、どうやら
一般的なコーカソイド、つまり白人らしいのは間違いない。ただし髪や目の色は、いわゆる
金髪碧眼では無い。
もう一度コーネリアスの顔を盗み見したが、こんどは気が付かれてしまった。彼女は魔術師との
話を止めて、俺を睨み付けた。
「嫌らしい目で見るでないと、先も申したであろう?」
これ以上怒らせるのは得策では無い、それに俺はやましい事を考えていた訳でも無い。
「別に嫌らしい目などしてませんよ、ただ姫君のお顔に見とれてしまいまして。それに、その
口、っじゃ無いお耳は?」
コーネリアスの柳眉が30°の角度につり上がる。拙い! 火に油を注いでしまった。
「口? 犬面とでも申したいのか?」
やけに優しい口調で、柔らかい笑みを浮かべるのが尚更怖い。第一目は全然笑っていない。
「メッ滅相もない。いや確かに些か変わっていますが、大変お美しいですよ。何と言いましょうか、
人では無く妖精の様な美しさに見とれてしまって」
まあ嘘では無い。それに尖った耳と言えば、ファンタジーの定番、森の妖精エルフの事を指し、
エルフと言えば美形の事だ。
「実際に血を引いているからな」
お姫様ようやく機嫌を直して、今度こそ優しい笑みを浮かべてくれた。良かった良かった。
話は益々ファンタジー地味て来た、この分では悪の魔王が作った魔法の指輪を、火山に捨てに
行かされる羽目に成りかねない。何と言うか、魔法の国に召還された選ばれた勇者は、正義の
軍勢を率いて悪の軍勢と戦ったり、ランボーの様な冒険の末に高い塔に閉じ込められたお姫様を
救い出したりするものだと思っていた。正直に言えば、冒険とロマンスに、少し期待もしていた。
チビでデブのお供と二人きりで、辛く苦しく、帰る宛の無い旅に出るのは願い下げだ。
しかも実際は、正義の軍勢に”引っ立てられ”てお城に連行されお姫様”に”閉じ込められる
羽目に成りそうだ。せめて見晴らしの良い”高い塔”だったら良いのだが、これが狭くて暗い
地下牢だったら目も当てられない。
「何を考えておる?」
コーネリアの声で我に返る。
「ちょっと考え事を、言葉をまとめていました」
取り敢えず地下牢……では無い、高い塔の事は忘れる事にして、彼女の先ほどの言葉を
問い質してみる事にした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「妖精の血を引いていると仰いましたね、つまりこの国には妖精が住んでいると言う事ですね」
ギルベルトのじいさんが笑い出す。
「そなたが思い浮かべる妖精の概念と、わしらが言うところの妖精とは、微妙に異なるがの」
コーネリアスは、俺と爺さんが話し易い様に、併走していた馬をやや下げた。
「と言いますと?」
「妖精と言っても、別に神秘の存在という訳では無い。単にそうした生き物と言うだけよ」
済みません、行数確認の為の「−−」を消し忘れました。
「見ての通り、わしと姫は”森の呪歌の民”の血を引いておる。とは言っても、そう呼んで
いるのはこの国の民と本人達位で、一般には”小狗頭(ピルトダウン)”とか、或いは
”大狗頭(ネアンドゥ)”と一纏めに”狗頭鬼(イダルツ)”等と呼ばれておるな」
俺の馬の手綱を引いている騎士が振り向いて、コーネリアスに向かって何か語りかけた。
「私は気にしてはいない。だが心遣いには感謝する、有り難うヴォルフラム」
どうやら人種差別はこの世界でも有るらしい。もっとも肌の色や身体能力の、微妙な違い
だけでは無く、身体の作りもかなり異なる様だ。今ようやく気が付いた事だが、コーネリアスや
ギルベルトの言葉使いは微妙に舌足らずに聞こえる。あの独特の付き出た口で、人間の言葉を
喋るのには限界が有るのだろう。
しかし妖精が単なる亜人類だとすれば、一つ疑問が残る。
「しかし貴方方が、こうして私と会話出来るのは魔法に依るものなのでしょう?」
ギルベルトは頷いた
「確かに私は魔法を使えるが、これは生まれつきの才能と修行の賜で、人間であろうと
ネアンドゥであろうと同じ事よ」
生まれついての才能。超能力とやらの事だろうか? しかし人間やもう一つの種族でも同じ
と言う事は、必ずしもある種族に特有の物では無いらしい。
「粗暴で愚かなネアンドゥルに、魔法など使いこなせるものか」
コーネリアスは、美しい顔をしかめて毒づいた。
心理描写ばかりで、状況や風景の描写が無いじゃないか。
冒頭で、主人公はTVで何を見ていたか(ずっと後でアテネ・オリンピックと判る)
主人公の転送先は? 草原なのか、芝生の生えた丘か、ひょっとしてどこかの庭先か。
面白いな。このスレで一番好みだ。
長くても読むのに全く苦痛を感じない。
申し訳ありません、また間違えました。
本来の設定では”小狗頭”が”イダルツ”で、二つの種族を総称した”狗頭鬼”が
”ピルトダウン”です。これは、絶滅した現代人類の亜種”ホモ・サピエンス・
イダルツ”に由来します。同様に”大狗頭(ネアンドゥ)”は、人類とは別種の
”ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)”をモチーフに
書いて行きます。なお”ピルトダウン”はより原始的な”捏造”原人の事です。
>358
ご指摘ごもっとも。ライトノベルを念頭に、キャラクターの心理や、キャラ同士の
掛け合いを重視した為、その他の描写がお座なりになってしまいました。今後は気を
付けます。
行きたいと思います。
>359
まあライトノベルですから。ただ我ながら文が荒削りで、誤字が多いのが情けない。
荒削りで良いから、最後まで続けてほしい。
この手合いの作品は最後まで投稿されないでフェードアウトするパターンが多いからね
「お言葉ですが、わしはネアンドゥの血も引いておりますぞ」
ギルベルトが窘める。
「済まぬ。侮辱する気は無かった、許して欲しい」
「もとより侮辱とは思いませんが、ネアンドゥは粗暴ではあっても、決して愚かでは
有りませんぞ、侮っては成りません」
川のせせらぎが聞こえて来る。俺は気不味い沈黙に耐えかねて、口を挟む事にした。
「その……お城はまだ遠いのかな? これ解いて欲しいんだけれど」
と頼みながら、解けて少し自由になった手で、ロープを指し示す。自由と言っても
二の腕と胴体は縛られたままで、どうにか肘から先を動かせる程度だ、肩がこる。
「その先の橋を渡り、森を抜ければ丘が有る。そこからなら城も街も一望出来よう。
いましばらく辛抱せよ」
コーネリアスは一瞬感謝の眼差しを送って、話を合わせてくれた。何となく彼らを
好きに成った気がした。とは言え、草原に流れる川は狭くてもかなり深そうだし、
橋は丈夫そうだがやや狭い。自由に馬を操って良いなら、これ位の流れは飛び越え
させるのも可能だろう、競馬の水濠障害は3mを越えるのだ。しかし、縛られたままで
川に落ちたら、ちょっと面倒な事になる。
「逃げる気がないのは判るでしょう? もう半分解けてる様なものだし。それにほら、
手綱が短くて、ヴォルフラムはやり難そうだよ」
「それもそうじゃな」
コーネリアスは素直に頷いて、目を細めて微笑んだ。だんだんうち解けて来たのが、
少しだけ嬉しい。
「ヴォルフラム、こ奴を縛り直して、手綱を付け替えよ」
彼女の目は、今や狐と言うより悪戯好きな猫の様、したり顔でほくそ笑むと、そっぽを
向いて離れてしまった。ヴォルフラムが馬を寄せて、何事か小声で語り掛けてきた。
「調子に乗るからだよ」
不思議な事にちゃんと意味が判る。どうやら俺にも魔法の才能が有ったらしい。橋は
もう目の前だ。
お、進んでる。頑張れ。
でも、僭主って…他国人とか、自国の人間が陰口で呼称することはあっても、自称したり
係累縁者が自己紹介の時に引き合いに出すのはちと違う気がするのは気のせいかしら。
僭主とはいわゆる正統な国王では無く、貴族と民衆の対立を利用して指導者の立場に
付いた者の事で、歴史上ではしばしな民主共和制の過渡期に現れます。面白いことに、
違法、若しくは違法に立場にも係わらず、民衆の関心を買うために(民衆にとっての)
善政をしくことが多いのです。もちろん無能な人間には勤まりません。
最初は僭王にする積もりでしたが(実際に公的には僭王です)向こう気の強い
コーネリアスは敢えて”僭主の娘”と名乗りたがります。日本の中世で言う”悪党”
に通じるものが有りますね。
さすがに少し腹が立った。ロープが解けた隙に逃げてしまおうか、などと子供っぽい
空想を弄んだが、騎士達はすかさず周りを囲んでしまう。どうも俺に好意を持ってない
様子だ。考えて見れば、運命に選ばれた男(俺の事だ)を必要と言う事は、裏返して
見ればこの騎士達が必要とされていない、そこまで行かずとも宛てに出来無いと言う事だ。
或いはコーネリアスのつっけんどんな態度も、騎士達におもんばかっているせいなのかも
知れない。じっさい彼らの忠勤は見上げたもので、コーネリアスが橋を渡る前に、素早く
数人が先に渡って警護に就いている。彼女が何も命じなくてもだ。
「余りきつくするで無いぞ」
ギルベルトが仲裁してくれた、まあ俺を仲間に入れろと言いだした本人だし。いやこの場合
”召し抱える”と言った方が適切なのだろう。誰に? アルプレヒ=ザヴァリシュ僭主に?
それともあのコーネリアスに?
ふと気になって向こうを見ると、彼女とお供の騎士達は川を挟んでこちらを眺めて待っている、
その向こうの森影から……毛皮をまとい重そうな斧や棍棒を手にした、見るからに野蛮な原始人
といった姿の一団がこちらに迫っていた。
「コーネリアス! 後ろだ」
叫んだ途端、後ろの騎士に殴られた。別に暴れた訳では無い、それとも姫を呼び捨てにしたのが
拙かったのだろうか? まさかひょっとして、あれはお城から来たお迎えなのか?
「姫様、敵の待ち伏せです! ネアンドゥがこんな町の傍まで」
そんな訳無いか。俺は妙に冷静な気分だったが、ギルベルトは慌てている。最初に振り向いた
コーネリアスが、馬首を返して敵に対峙した。次に警護の騎士達が剣を抜く、背の楯を取る余裕は
無さそうだ。ギルベルトが杖をかざして橋に向かい、こちらの騎士達も武装を整える。俺を見ていた
せいで対応が遅れていし、敵も統率が取れている。こちらが気が付かない様、鬨の声も上げずに
無言で突撃して来たのがその証拠だ。タイミングも絶妙で、コーネリアスが孤立化した絶好の
チャンスを見事に突いている。確かに愚かな連中には出来無い事だ、俺は最初に感じた原始人の
印象を頭から追いやった。
鉈で薪を割る様な音。警護の一人が剣で棍棒の一撃を受け止めたが、態勢を大きく崩してしまう。
すかさずもう一人のネアンドゥが、斧の刃を鉤の様に使って引きずり落とした。騎士は落ちながらも
剣のグリップで殴りつけ、なんとか敵を付き放つ。デカイ! 彼が立ち上がったお陰で、並んだ敵の
巨体がハッキリと判った。全員が2m近い、少なくとも190cmは有るだろう。体重も100kgを
下るまい。ネアンドゥは鎧こそ身に付けていないが、こちらの騎士達も軽装だ。そして奴等の重武器は
楯無しで受け止められる様な物では無い。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
武器も楯も無い俺は、せめて足手まといに成るまいと、橋を挟んで見守るしか無い。
その橋を渡り始めたルベルトの姿が、突然暗くなった。違う! 何かの影だ。
それは巨大な鶏であり、馬並みの頭にオウムを思わせるを持ち、短い翼をばさばさと
必死に羽ばたかせて飛ぶ仕草は滑稽な程だ。いわゆる飛べない鳥だ、羽は跳躍の補助に
使っているだけだろう、森から橋までずいぶん頑張ったものだ。
それはファイナル・ファンタジーのチョコボであり、飛ぶよりも素早く走る方が得意
であり、逞しい足は矢張りオウムの様に物を掴めるらしく、ギルベルトの頭を……
「ギルベルトォ〜!」
ぼんやりしている場合では無い、しかし俺が叫ぶよりも、ギルベルトが避ける方が
早かった。辛くも鉤爪をかわすと、馬から飛び降りる。チョコボの足は空を切ったが、
見事に馬の上に着地した。
固い布を無理矢理裂くような、そして丈夫な割り箸を一生懸命折る様な、初めて聞く
音が聞こえて来た。それは肉を引き裂き骨を砕く音であり、馬が絶命する音であり、
猛禽が獲物を襲う音だった。そう、それは最早チョコボなどでは無く、二足歩行の恐鳥
だった。
「橋を押さえられた!」
またしてもヴォルフラムの言葉が理解できた。鳥が叫ぶ!
「ギ、ギルァーバルァター!」
鳥では無い、その上に跨るネアンドゥの男だ。毛皮の上に金属の胸当てを付け、腰の
ベルトには物騒な幅広の剣、右手には槍を逆手に持っている。昔TVで見たダチョウ・
ロデオを連想させるが、恐鳥に跨る姿は遙かに巧みで真剣その物だ。短距離とは言え、
まさか上に人を乗せたまま飛んだとは。俺がイマーキュレット・イーグルを駆っても、
ここまで見事な跳躍は出来まい、しかもネアンデゥの男は鞍も鐙も使っていない。
男はギルベルトに槍を突きつけ、何か言っている。こちらの騎士達が駆け寄るが、
狭い橋では倒れた馬とギルベルトが邪魔で、助けに入れない。ましてやコーネリアス達を
救いに行くのは絶望的だ。敵に囲まれてなお気丈であった彼女が、悲痛な声を漏らした。
邪魔に成るから黙って見ている、などと言ってる場合では無い。知り合ったばかりの
友人が殺されようとしている。何かを成し遂げ様としては失敗し、自分の無力と閉塞感に
打ち拉がれ続けた俺の人生が、またしても何かを失おうとしている。それも、あの見事な
跳躍によって。
何か出来無いのか? 俺に出来る事は無いのか? 焦燥に駆られて辺りを見渡し、興奮して
暴れる馬の揺れで、ようやく自分も馬に乗っている事に気が付いた。手綱も自由に使える、
縛られてもいない。
慣れていない馬を操る事に不安を感じたが、こいつは少なくとも臆病では無い様だ。
はやる心をなだめながら、軽く左右に走らせてみる。障害を試して見たかったが、ぶっつけ
本番しか無さそうだ。
「これを頼む!」
ヴォルフラムにロープの端を預けると、俺はもう一方の端を持って馬を後退させた。
ヴォルフラムは怪訝そうな顔でこちらを振り返ったが、ロープを握る仕草を見せると、
頷いて握り直した。俺の意図は分からなくても、一応任せてくれるらしい。
障害には騎手の腕は勿論、馬にも熟練が、そして両者の一体感が必要となる。初めて
乗る、それもどうやら去勢されていない勘気の強い軍馬で、果たして3mの川を飛び
越せるだろうか? 救いが有るとすれば騎士達とは馬種が違う様で、幾分小柄で軽い
事だ。
「中山競馬場は3.7m、イギリスにゃ5mの大水濠が有るんだ。それに比べりゃ!」
自分と馬に言い聞かせて助走に入った。加速、そして川辺に差し掛かり……馬は
急停止し、前足を上げて竿立ちに成った! 俺を振り落とそうとロデオの様に暴れる、
こんな無茶な騎手には従え無いと。モンゴルの遊牧民が、野性馬に跨って躾ける
風景を思い出した。暫く耐え続ければ「こいつには敵わない」と悟ったかの様に
大人しくなり、以後は飼い馬とする事も出来る、しかし今はそんな時間は無い。
一か八か、その前にもう一つ、一か八か。やむを得ず、ロープをムチ代わりに
使って鼻面を軽く打つ。場合によっては更に狂乱し兼ねない、或いは逆に萎縮して
次の川越えを失敗し兼ねないが仕方が無い。
俺の意図を悟って、警護の騎士達は時間稼ぎに入った。馬の前肩で体当たりさせて、
敵を蹴散らす、馬当てと呼ばれる戦法。もはや剣は振り回さず、棒術の様に両手に
持って敵の武器を受ける事に専念している。小手を付けてるとは言え、手が切れない
ものだろうかと心配に成る。いや、先ずこっちが先だ。
再び助走を付けると、こんどこそ馬は跳躍してくれた、ただし斜めに! うなじが
逆立ち、背に冷たい汗がながれた。柵や濠を飛び越える時、馬が嫌がり避けるとこうなる。
これが競技なら減点や失速、酷くても落馬で済むが、今は誰かの命が掛かっている。
一秒に満たない跳躍時間がスローモーションと成り、橋の上でギルベルトが目を
閉じるのが見えた。恐鳥の戦士は、惚けた顔でこちらを振り向き、次に馬鹿にした様な
薄笑いえと変えた。鐙に立って腰を浮かべ、股で鞍をを締めて着地に備える。
僅かに足りな……足りた! 後ろ足が川に落ちかけたが、辛くも蹄を掻けて対岸に
よじ登る。ロープも話していない。
「ヴォルフラム!」
呼びかけると、唖然とした顔の彼が、賞賛の笑みを浮かべた。ロープを張り川を
併走して見せると、ようやく彼もこちらの意図が分かったらしい。川を挟んで並行に
走り、張りつめたロープで進路上の全てを薙ぎ払う。恐鳥の戦士は、もはや笑って
いない。怒りの咆哮を上げて、槍先でロープを切ろうとするが、持ち帰る間は与え無い。
いかに猛禽じみた鳥でも足は2本、こちらは4本×2。バランスを崩し、それでも鳥を
跳躍させて逃れようと足掻いたが、足を引っかけて川に転落していった。
引っ越しの為、しばらく筆を休めます。
このスレはスバルの冒険待ちなのか?
ひっこしいつまでかかってんだ?
豪快に書き逃げしていいスレはここですか?
申し訳有りません、電話回線を引いたばかりで、まだADSLも無いのです。
私の専用スレでは有りませんし、タートル・イヤーで生きている事は、ご容赦下さい。
構想は練っているのですが、某所で紹介を受けた「異次元騎士カズマ」が無茶苦茶かぶって鬱に成りました(かっ仮性だ、この位……)
携帯より哀を込めて
お前の哀しかと受け取った
保守
勇者室伏の城割は、どうなったんだ、提案者?
春休み上げ
>>336の続き。ライトに。
手元にのこったハンマーは、俺をますます混乱させる原因になった。
理屈で考えてみる。まず、気がついたら森の中にいたこと。たぶんボーッと
したまま彷徨っていた俺が、自分で間違って迷い込んだのだろう。あるいは、
何かの目的でこの森に分け入ったところ、予想しない事件に巻き込まれて
記憶喪失に陥ったのかもしれない。理由は精神的に俺がおかしくなったことに
すればいくらでも出来そうだ。
だが、いくら理由を考え出してもこいつだけは納得できない。俺の手にある
ハンマーとこの爺さんだ。
まず、ハンマーは競技に使用するものであって、裏返せば競技以外に
使用するものではない。マヌケなスポ根漫画じゃあるまいし、自分の愛するハンマーと
一緒に寝食を共にするなんて趣味も俺にはない。
ということは、俺はハンマーを引っさげて会場を誰にも咎められることなく抜け出た上に、
どこともつかない森の中に入り込んで言った事になる。宿舎にも帰らずに、だ。
そして爺さん。この爺さんは何者なのだろうか? なにか面白い戯言を口にしていた
気がするが、以降は俺を導くようにして歩きつづけるだけで、一言も喋らない。
森に居ついた、いわゆる頭が面白い人なのだろうか? にしても、その格好は
常識からかけ離れている。まるで原始人のように、伸びるものは何でも伸びるままに
しておいた、そんな感じの髪と髭。その不潔そうな毛と対照的に、泥にも草汁にも汚れていない、
鮮やかな、というよりはむしろどぎついバイオレットの布。布は、首元から脛の辺りまで
だらりと垂れ下がって、この爺さんの体躯を隠している。アンデスに住む人が着けているような、
布一枚の服(あれは何と言うんだったか、俺は知らない)を想像してもらえればいい。
とにかく、そんな変な格好はないだろう。伊達や酔狂でもなかなか難しい。やっぱり何かの
芝居か、俺を慰めるための趣向なのだろうか? だとしたら、俺は気を利かせて、
文句を言わずにただ黙ってついていったほうがいいことになる。
ここまで爺さんについていきながら道々考えてきたのだが、いきなり爺さんが口を開いた。
「ここを抜ければ、もうすこしで御座いますゆえ」
またまた時代がかった喋り方だ。爺さんの老成したしゃがれ声があいまって、
ただのおかしい人だという安易な考えを俺はますます信じられなくなってきた。
爺さんが指ししめす前方。そこには、縦横に木の根が這いつくばっている岩肌と、
その中央に穿たれた小さなトンネルがあった。
「ここを通れって言うの?」
俺は非現実的なシチュエーションのせいか、ついつい敬語を使わずに爺さんに訊いてしまった。
だが爺さんは特に気に障った表情もみせず、ただコクリとうなずく。
「この先はちと小競り合いがございましてな。この爺めが先導いたしますが、
覚悟だけは先になさるよう」
爺さんはそんな物騒なことを言うとトンネルに入った。
覚悟も何も……と思いながら、結局は前に進まなければ何も解決しない、と
諦めた俺が仕方なくあとに続く。爺さんはもともと身体が小さいようだし、
背も曲がっているから楽々トンネルをくぐっていくが、俺には無理そうだ。
俺はこれでも187センチだ。海外の選手と比べれば大したことはない身長かもしれないが、
このトンネルには大きすぎる体ということに違いはない。俺は砲丸を胸に抱え、のれんをくぐるように
背をかがめてトンネルに入った。
中は自然の岩穴なのだろうか、人工的な壁面はまったく見られない。
爺さんも俺も明かりがないのに、中は薄明かりに包まれている。
短いトンネルなのだろうか、それともどこかに照明があるのだろうか?
答えはすぐにわかった。顔面に水が滴りおちてきたので上を見上げたからだ。
天井は薄い岩盤らしく、あちこちに穴が開いていて、そこから光と水が漏れているのだ。
気をつけないと、いきなり崩れ落ちてくるかもしれないな……そんなことを考えながら歩き続けること
しばらく。前から今度は人工の照明の明かりが見えてきた。といっても電球ではない。
赤々と燃える松明だ。なるほど、ここらへんから天井の穴はなくなってきているし、
何もなければ真っ暗で歩けない。だからここだけ松明が焚かれているのだろう。
しかし、ちょっと待てよ。明かりがない、つまり空気の通り道が後ろにしかないのに、ここで
火を焚いても大丈夫なのだろうか? ほら、二酸化炭素とか、煙とかがヤバそうだ。
「何を考えておいでか? 早くこちらへ」
むこうから響いてくる爺さんの声で俺はどうでもいい思考から引き戻された。
いつのまにか俺は立ち止まっていたらしい。俺はいそいで爺さんの声のするほうへ歩きだした。
爺さんの奇妙なシルエットが、松明の明かりで浮き上がって見える。
急ぎ歩きでようやく爺さんに追いついた、そのとき。俺はその事に気づいた。
「……行き止まりだ」
松明は行く手を阻む岩肌の両脇に掲げられていた。真ん中にはずっしりとした一枚岩があるばかりで、
横に逸れるような道も見当たらない。
しかし爺さんは、俺の当惑した顔を見て、すこしばかり得意な声で言った。
「これでは先に進めないとお考えでありましょう? いやいや」
爺さんは行く手を阻む岩肌を、その節くれだった手の甲で叩いた。
「これは当世きっての名工、マイズン・ノーが作った代物でしてな。一見頑強な岩のように
しか見えませぬ。が──」
爺さんは両脇の小さな松明に近寄ると、それぞれを壁から引き剥がした。
保守
つまらん
385 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/07(日) 19:26:41
夏休みだねぇ・・・
ファンタジー書きたいけど、ネタがわからんちん
書きたいものがないのに
書きたいという気持ちはあるのか
>>386 シチュエーションを書いてみたら?
例えば戦闘シーンだけ書いてみるとか。
389 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/14(日) 19:55:55
科学ぶってるライトファンタジーの作者って、ニュートン力学も知らないよな
390 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/11(日) 12:28:06
誤読
391 :
無名草子さん:2005/10/08(土) 11:06:39
i
敵の惑星魔法がドガーンと来たところへ、宇宙魔法をズガーンってやるシチュエーション。
メテオフォールとか無理があるよな。
科学の代わりに魔法が発達した世界と、科学と魔法が共存している世界。
ライトノベルで書くなら、どちらが良い(読者受けする)のだろうか?
また魔法の設定はオリジナルが良いか?
気功・仙術、密教、神道、黄金の夜明け団の資料を集めるか?
395 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/03(木) 14:22:17
一般読者にとってライトノベルは、表現分野としてはマンガの次に位置してる。
魔法と科学というと少し前ハガレンがヒットしたけど
ああいうのでいいんじゃね?とか投げやりに答えてみる。
ラノベ書きはお約束を綺麗に踏襲しているので、個性を出したり差別化したりが難しいんだな。
そら、ラノベの宿命だと思う。
ある種、血液型占いにどっぷりはまり込んで世の中を見ているような
自分の個性をいつも探しているような、そんな心もとなさがある。
>>394 絵がよければ、どっちでも一般受けします。
今月号のスニーカーに書いてあった「トリニィティ・ブラッド」のキャッチ・フレーズが『ノイエ・バロック・オペラ』
絵師の技量と功績を正しく評価してるとすべきか、小説家の存在意義を頭から否定してるとするべきか。
作者が死んでも作品は、作中のアンデットのように生き続ける様は、後者のような気がしてならない。
このスレまだあったのか、しかも細々と続いてる模様
>>12とか書いたの俺だけど、未だに残ってるのは恥ずかしいなw
まあ作品自体は停滞してしまってるのかな。
399 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/20(火) 12:16:06
u
400 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/31(土) 22:56:13
勇者はズン
まー族の中ボスは五郎と高橋と小泉
ラスボスがフシハラ
あげてみる
設定迷ってる人にどうぞ。主役が覚えられる魔法はザオリクとアレイズのみ。
そんなところで迷ってるんじゃないとオモフ
404 :
名無し物書き@推敲中?:2006/02/11(土) 04:52:23
>>402 ザオリクとアレイズ、双子にしてもいいでスか。
入れ替わりのトリックが使えるじゃない。
405 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/07(火) 12:44:15
、致命的
406 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/26(日) 22:16:37
詐欺?
407 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 09:57:48
ネタ思い付いたんだけど、投下していいのかな
どうぞ。
409 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 17:41:19
兄貴あげ
410 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/17(土) 01:06:26
意味のない過疎あげ
かめはめ波に別の名前をいくら付けてもかめはめ波。
とだけ、俺は言いたい。
412 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/11(火) 23:04:02
俺が今日思いついたネタ
偉大な魔道士が大昔に死闘の末結界で封印した魔神アモン。
その魔物が再び永い眠りから目覚めようとしていた。
魔道士の一人娘エヴァは長老から自分の運命と使命を知らされる。
魔神を再び封印するには他に4人の魔道士の力が必要だ。
その魔道士を探して仲間と冒険の旅に出る。
413 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/11(火) 23:32:50
いいんじゃない。受賞出来て、売れればさあ。売れれば文句ないよ。
売れないから切り捨てられるだから。どんな作品でも売れれば、出版社も編集も絶対に見捨てない。
売れればいいんだよ。にしても、それは難しいプロットだな。
キャラでもっていくしかないな。その手の話は昔からある。
どれだけ人物が立っているか、受け入れられるかが問題。
415 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/12(水) 01:03:07
>>412 堅苦しいのはやだな。
ゼロの使い魔みたいなのがいい
416 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/12(水) 21:29:44
どうでもいい
418 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/20(木) 17:41:35
ファンタジー世界の国や村の名前が思い浮かばない
>>1に聞いてみたい
2chで募集してまともな流れになると思っていたのかと
デスノートみたいにアイテム一個で引っ張れ。
永遠の命を齎す聖なる火とか。
421 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/17(木) 23:17:33
今思いついたんだが、ネクロマンシーとかどうよ。
主人公が死霊使い。これは斬新だ。加えてグロい。
憲兵とか政府の犬とかそういうウザい敵が現れたら
有象無象のゾンビが物量と耐久力で薙ぎ倒す。
技とか術とか関係無しに内臓を食い破られる哀れな敵。
で、おもむろに死霊として復活させられる。
やられてくやしいけど反逆できない。禁呪だから。
しかも主人公とかすごい傲慢。もう老獪なんてもんじゃない。
超悪辣。畜生以下の扱いとか平気だし。さらに無敵。
もう止めらんない。政府が平気で賄賂とか渡してくる。
賄賂なんて街宣右翼でも貰えないよ、最近。
そんな悪夢の体現に突っかかってくる冒険者超馬鹿すぎ。
もっと狂え。超狂え。
423 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/19(土) 00:55:15
今思いついたんだがサマナーどうよ。
魔法の力で神の獣を召還。召還獣に命令出して敵を攻撃。
まあ、召還獣出してそれにメテオ撃たせてるみたいな?
回りくどいウィザードだと思ってくださいよ。
この手のやつはまだ出てないはず。
え? ペルソナ? Dクラ?
召喚士主人公は普通にいそうじゃね
425 :
名無し物書き@推敲中?::2006/09/10(日) 10:42:29
普通
426 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 15:37:30
アスペルガー残飯主催
自 動 保 守 ス ク リ プ ト 祭 り 開 催 中 !
427 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/21(土) 02:31:41
>>420 異世界に行ける鏡を手に入れた少年の冒険とか
作家なんて何億といるんだから、ネタ被りなんて気にしていたら何も書けないぞ。
展開で勝負さ。
429 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/04(木) 19:58:32
>>427 その設定、飽きられてるんじゃね?
一ひねり欲しいよね。
430 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/05(金) 18:59:40
伝説の剣…
興奮すると先端が充血してザーメンを発射する恐るべき必殺技があるのだ
これで数々のメス豚を調教し孕ましてきた恐るべき伝説の武器
どう?
それはそれで、既にありきたりの感が
現代に残る鬼の子孫が超能力で世界を滅亡させる話を考えたんだが
(古事記風)、だめかな。
↑ごめん。やっぱ、あと一ヒネリして自分で書く
434 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/12(金) 02:17:00
435 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/12(金) 20:52:24
ある日、世界中の人々が魔法を使えるようになるんだ。
舞台は現代なんだけどな。そこに、魔法が入り込んじゃうんだ。
メガンテって魔法だけなんだけどな。
436 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/12(金) 21:27:50 BE:375894454-2BP(0)
否定的になるが、まずファンタジーというジャンルが古いと思ったりする。
なんかもう色々ありすぎてすべてがありきたりのような気がしてならない。
…………ファンタジー好きな人スマソorz
437 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/13(土) 00:13:18
古くてもいいんだけど、みんなが同じことをやってるのがイタイと思う。
だから、お腹一杯もう食えない状態になっちゃう。
支えてるのは、はじめて活字(物語)に触れる若年層なんかな?
>>437 やっぱ「法術大隊、砲魔術打撃戦準備!!!」というノリでいかないとダメか?
数十人がかりで砲弾加速させてレールガン発射したりすんの。
440 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/15(月) 23:36:47
魔法を使うたびに友人が一人ずつ消える(いけにえ)になる…はどう?
441 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/15(月) 23:41:31
うんこを媒体に魔法を遣う。
ちんこでもまむこでもいいけどさ。
>>430 似たようなの、どこかの四コマで見た事があるなあ。
魔王「そ・それは…!妹を妊娠させた者だけが持てる伝説の剣!」
味方からも石投げられる勇者ってのw
>>439 つ「ブラックロッド」(古橋秀之)
機甲折伏隊(ガンボーズ)は凄いぞ。
>>439 魔法で発射したらレールガンじゃない
…と思ったが、待てよ
魔法で通電しているのか!
444 :
名無し物書き@推敲中?:2007/02/13(火) 16:48:21
「それはきっと恋ですね」
木で作られている家の一室で目が覚めた俺への第一声は、それだった。
何言っているんだこの女は。
――確かに、この女はとても綺麗だ。流れる金髪も、その細すぎず太すぎず、
まるでグラビアアイドルの様なスタイルも……は?
グラビアアイドルって、なんだ?
「どうしました?」
「いや……えっと」
会社の同僚だったタナカ……カズモト……シライ……ウメハラ……
誰だ、思い出せない?
いや、カイシャってなんだ。なんの暗号だ。
「ちょっと、どうしたんですか?」
俺の妻は、子供は――いや、俺にそんなのがいたのだろうか。
『このまま黄泉の国に落ちてみますか? きっとそこは、楽しい世界がまってますよ。色々な、意味で』
お前は、誰だ。
445 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/10(土) 12:25:38
鉞担いだ娘さんが、激烈なバトルを展開する。
毛唐は超燃えなのだが、日本ではどうか。
とてもとても饅頭が好きで。
ある日突然、饅頭を召還できるようになってしまった。
この力を役立てる事は出来ないだろうか?
そう思い立ち貧しい国へ。そして飢えた子供達に饅頭を与える日々を送る。
その一方で、店頭や工場から饅頭が消える事件が相次ぎ、一部業界を騒がせていた。
「リアルまんじゅう恐い」
ザルツカヴィ、石造りの家が多い大きな町だ。
一行は民家の軒下を素早く通って町の門を覗いた、夜なのに衛兵がいる。
門近くから少し奥まった民家からカーンカーンと音がした。キラは窓から中を覗いた「ミスリルを加工してる」その脇の家も覗いて「こっちもだよ」。
ふとライアスの袖を誰かが引っ張った、見ると子供である。「おじさん達、よそ者なんでしょ?こんな所にいたらつかまっちゃうよ。パパが家に来いって」少年は二軒の民家からさらに奥まった木造のみすぼらしい民家に一行を案内した。
「ようこそ!レジスタンスへ」五十代くらいの中年の男が何人かの荒くれ者と酒盛りをしていた。「あんたらアルフェスタからのスパイだろ?」男は言った。
「なぜそう思う?」ライアスは男に聞いた
「俺はジャック、漁師でね、夕方あんたらが小舟で来るのを見ちまったんだよ」。
キラは退屈している、猫は人前で喋ってはいけないからだ。ケネスは山で石切りの仕事をしているいかつい若者と仲良くつるんで酒を酌み交わしている。サイは疲れてエィミーにもたれかかっている。
一行はささやかなご馳走をもてなされた。ロイはサイの皿に食事を乗せた。キラもやっとおこぼれにありつけた。
「この国の庶民は重税に耐え兼ねて戦争に荷担する奴等がほとんどさ、ミスリルを加工している家を見ただろ?」ジャックは言う
「戦争だと?16年前に終結したはずだ」ライアスが返す。「いや、戦争だ。奴等機会を狙ってるのさ。
449 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/28(水) 19:29:36
>>447>>448 拉致された友人と隣国の様子を探るため、鎖国をしている国の町に潜入しました。
レジスタンスに出会えたのはいいけど
どうやってお城に潜入したらいいでしょうか?
ちなみに主人公は猫でメンバーは6人です。
レールガンの原理がわかってないおまえら
451 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/29(木) 12:34:12
超伝導
452 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/29(木) 12:50:10
営業部長でいいよ主人公。
パーティメンバーは部下。
営業のためにエクアドルに行ってそこでカルティストに異世界へ飛ばされるんだ。
出現したモンスターに名刺渡そうとした部下が一人拉致られたり。
453 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/30(金) 21:46:32
ライアスは差し出されたコップを手にし、その中身を飲んだ。
(…に、苦い。なんだこれは)
ライアスは咄嗟にコップを放り出した。コップはテーブルの縁でバランスを崩し、そのまま床の上に
落下するとその中身をぶちまけた。
同時にライアスの視界が奇妙に歪む。そして地に足が着いていないかのように体が揺らいだ。足が
ふらつき倒れそうになったライアスはテーブルに縋りついた…意識が混濁してゆく。
「き、貴様ら飲み物に何を入れやがった…?」
ライアスは喘ぐ息の中で振り絞るようにそう叫んだ。ジャックの名乗った太鼓腹の髭面男は黄ばん
だ歯を剥き出しにしてニヤニヤ笑う。そして肉の腐ったような匂いの口臭を吐きながらライアスに
向かって言った。
「あんた、アルフェスタのスパイなんだろぉ?聞きたいことが山ほどあるんだよぉ」
ニヤリと笑うジャック。ライアスは耐えられなくなり床に両手を付いた。このまま気絶してしまい
そうだった。最後の力を振り絞って懐の中の短剣を探り、上を見上げた。
するとライアスを囲むようにして連中が集まってきた。ケネスと名乗るイボだらけの毛むくじゃら男
、キラと名乗るアミラーゼ欠食児童、ロイと名乗ったゴリラに似た婦人、サイという知的障害児…彼ら
は一様に嘲笑うようにライアスを見下ろしている…まるでこれから楽しいことが始まるかのように。
そしてライアスは意識を失い、床の上に崩れるように倒れた。
気がつくとライアスは両手両脚を鉄の鎖で縛り付けられ、全裸で巨大なテーブルの上に横たえられていた。
まだ睡眠薬の効果が残っているらしく、意識ははっきりしない。また体もだるく動きが鈍い。
薄暗い部屋は全て石積みの壁に覆われ、所々に燃え盛る松明が掛けられている。また古い工作用具や農具
などがそこいらじゅうに散乱しており、どこかかび臭い。
ライアスは軽く頭を振りながら周囲を見渡した。その瞬間、彼の肩や脇辺りにいたゴキブリたちが一斉に
ワラワラと動き出し、テーブルの天板の裏に急いで隠れた。
454 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/30(金) 21:47:10
「…起きたニダ?」
突然背後から声を掛けられた。ライアスは声のする方向に振り向いた。
ぼやけた視界の中に、先ほどのジャックがいた。樽の蓋の上に足を組んで座り込み、髭を弄りながらライアス
を見ていた。そしてその傍らにはイボだらけの巨漢、ケネスが立っている。
「お前の名前はライアス…変な名前だな。西葛西のハローワークでもそう名乗っているニカ?」
ジャックはニヤニヤと笑いながら言った。そして懐からシガレットケースを取り出すとそこからダビドフを一本
取り出して口に咥えた。横に控えたケネスは荒い息を弾ませながらライターを着火し、ダビドフの先端に火をつ
ける。大きく煙を吸い込み、天井に向かって盛大に吐き出したあと、ジャックは再び向き直った。
「ファンタジー小説家を目指しているんだって?絵に書いたようなアスペルガー残飯だなwお前にゃ無理だよ」
そういうとジャックはゲタゲタと笑った。するとそれに追従するように傍らのケネスも笑った。気管や口腔に畸形
があるせいか、その笑い声はフゴフゴといった下水管の中でなにか詰まったような声だった。
「仕事もせずにそんな戯言抜かす阿呆なんてロクな奴がいねえ…そうだよな、ケネス」
「ふごごっ!そのとおりニダ!」
一体何が起こっているのか…ライアスは恐怖のあまり少し失禁してしまった。
「…さてケネス。そろそろお仕置きの時間ニダ。皆を呼んでこい」
ジャックがケネスに命じた。するとケネスはいきなりベルトの外し、汚らしいズボンを下ろそうとする。
「馬鹿っ!ケネス、お楽しみはもうちょっと後だよ!とっとと皆を呼んで来い!」
ジャックはケネスの頭を引っ叩きながら怒鳴りつけ、ケネスを出口へと押しやった。
ケネスは少し怯えながらも、嬉々として木戸を飛び出し、階段を駆け上がっていった。
「…そう、お楽しみはこれからニダ、ライアス君」
455 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/30(金) 21:47:52
「うごおっ!ぐおおおっ!」
獣のように咆哮しながらケネスは腰を突き出した。全裸のケネスの肉体は全身のアチコチにケロイド
の肉腫が浮き上がり、その幾つかが破れて赤黒い膿が流れ出している。汗と交じり合ったそれは凸凹
の肌を伝いテーブルの天板の上に滴り落ちる。
テーブルの上でライアスは四つん這いにさせられ、ケネスに肛門を犯されていた。ケネスの畸形じみた
節くれだった肉茎がライアスの未開発の肛門に深々とねじ込まれ、ケネスの腰が突き出されるたびに
ライアスの直腸内部で暴れる。
「うぎゃーっ!」
ライアスは叫んだ。凄まじい激痛がライアスの肛門を貫く。ケネスの畸形巨根の攻撃に耐え切れなくな
ったライアスの肛門括約筋は遂に引き千切れ、直腸下部から大量の鮮血が吹き出した。肛門を溢れたその
鮮血はライアスの腿を伝い、やはりテーブルの上に血溜まりをつくる。
「どうだケネスっ!この馬鹿の肛門の具合はっ!」
ジャックは大笑いしながら叫んだ。ケネスは応えるように「フゴウっ!フゴッ!」とけたたましい叫び声を
上げた。血まみれの狂宴に興奮したキラがいきなり自分の衣服を脱ぎ去るとジャックの股間に顔を埋める。
そして隆々と勃起したジャックの一物をズボンの裾から引っ張り出すと、それを丁寧にフェラチオし始めた。
ジャックはキラの頭を軽く撫でながらさらに深く咥え込まそうと自分の股間に押し付ける。
狭い地下室は今や淫獣達の放つ強烈な体臭に満ち溢れ、息苦しいほどであった。
「うごおっ、ふごおっ!…ああっ!」
ケネスは最後に、ライアスの尻に思いっきり腰をたたきつけた。そしてそのままの姿勢で腰を痙攣させると
搾り出すような喘ぎ声を放った…絶頂に達したのだ。
それと同時にライアスの肛門の中に大量の精液が放たれた。
黄ばんだ白濁液のそれは、ライアス自身の血と交じり合って肛門からあふれ出し、ライアスの太ももを伝った。
456 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/30(金) 21:48:31
その後、何度もケネスの愛玩具にされたライアスは力なくテーブルの上に横たわっていた。
ぼやける目線の先では天井から吊り下げられた鉄のフックが揺れていた。ケネスの圧倒的な
体力の前に完全に消耗しきったライアスはもはや立ち上がる気力すらなかった。
「よし、そろそろだな」
ジャックはそういうと傍らにあった道具箱をあけた。なにやらガチャガチャと金属音を
響かせながら中を探る。そして取り出したのは…巨大な肉きり包丁だった。
「ウホーッ!ウリナラマンセー!」
周囲から歓声が響いた。
(…一体何が始まるんだ?)
薄れゆく意識の中でライアスはおののいた。しかしこの苦境から脱しようとする力は尽きていた。
ライアスの思いを察したかのようにジャックはライアスに近づくと、その顔を覗きこんで言った。
「もうわかっているよな?…お前はこれから我々の夕食のおかずになるんだよ!」
「ウキャーハッハッハッ!」
周りの連中が大騒ぎする、ケネスなどはあまりにも騒ぎすぎたためにジャックに軽く小突かれたく
らいだ。
信じられない一言を聞いたライアス、一瞬にして意識が戻った。そして何とか逃げようと体を捩る。
しかし周囲にいた屍喰鬼達は素早く反応し、ライアスの両腕両脚を押さえ込んだ。
テーブルの上に身動きが取れないライアス。暴れようともがくが強靭な力で押さえつけられてまるで
抜けられない…そして、ああそして。
457 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/30(金) 21:49:06
ライアスの目の前に肉きり包丁が掲げられた。その切っ先は松明の明かりを反射してギラリと光った。
「ひいっ!」
情けない悲鳴を上げたライアス。汗が額を流れ、息が揚がる。そして心臓の鼓動はかつて無いほど
早まった。
ジャックは一方の手をライアスの胸に当てた。そして
「ほう…心臓がこんなに元気だとは。さぞかし旨いのだろうなぁ」
「ニダッ!ニダッ!ニダッ!」
ライアスの四肢を押さえつける連中が喜んで叫んだ。
そしてジャックはゆっくりと切っ先をライアスの鳩尾に当てた。ライアスの目を睨みつけながら。そして
一度大きく笑うと、切っ先でゆっくりとライアスの腹を裂いた。
「ウガッ!ギャーッ!」
ライアスは白目を剥きながら絶叫した。そしてその間もジャックの包丁はライアスの腹を捌き、小腸を丁寧
に引っ張り出した。しごきながら中身を抜き取ると水洗いし、天井のフックに小腸を掛けた…むろんソーセ
ージにする為だ。また、肝臓も取り出され、臭みを取るためにジンジャーのオニオンを加えて塩茹でにされた。
心臓の肉は軽くボイルした後、丁寧にスライスされて小皿に盛られた。
肉は全て捌かれ、残った骨は大で煮られてスープの材料となった。
そして残った残骸は豚のえさにされた。
458 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 00:47:49
大魔道士の一人娘エヴァは街一番の電波娘であった。
今日も今日とて学校にも行かず、市営住宅の自室で一人ファンタジー妄想に耽っていると台所で
朝食の準備をしていた母親が声を掛けてきた。
「エヴァちゃん。今日、学校はどうしたの?」
ベッドの上で寝巻きのまま横たわり、モンスター相手の魔法の必殺技を駆使していたエヴァは突然
跳ね起きた。そして
「うっせーんだよ、ババアッ!」
と叫ぶと、少し黄ばんだミッキーマウスの柄のクッションを扉に向かって投げつけた。
クッションはボウンッと鈍い音を響かせて扉板に当たり、そのまま床へと落下した。
午前9時。普通の学生ならばとっくに学校に言って一時限目の授業を受けているころだ。
しかしエヴァはもう長いこと学校には言っていない。そう、彼女にとって学校とは、世俗
のレベルの低い雑魚キャラ連中と付き合わなければならない穢れた場所なのだ。
「電波系ブス」「ブサイク魔法少女」「キチガイ醜女」
など数々の罵声を浴びたエヴァは何時しか学校へ登校しなくなり、自室の狭いベッドの上で
無限に広がるファンタジーワールドで冒険の旅を続けるようになった。
相棒は美貌の剣士ヘイドレク。
他のスレ
http://book4.2ch.net/test/read.cgi/bun/1173952440/で散々カマを掘られ肉便器 と罵られたアスペルガー残飯の剣士だった。
二人は登校拒否ファンタジー世界で何故か甦った魔神アモンと名乗る汚い大人達や教師、ス
クールカウンセラーやいじめをしてくる同級生達を封じるために四人の大魔法使いと名乗る
ニート、作家志望のフリーター、コスプレマニアのブサイク、そしてカルト教団信者を探し
て旅を続けていたのだ。
地下鉄にサリンを撒いて穢れた世の中を浄化するために…
459 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 00:48:50
「…あなた、将来どうするの!このまま学校行かないで一体どうやって暮らしていくのっ!」
エヴァの前で母親が泣き崩れた。つい先ほど学校の担任教師の谷口から出席を促す電話がかかって
きたのだ。散々呼びかける母親の声に対し、ヒステリックな喚きで応えたエヴァは、涙ぐみながら
布団に潜り込んで耳を塞いだ。
つらい現実…学校じゃ誰も私のことを判ってくれない。今、世界は魔神アモンの復活により危機に
瀕しているのに、誰もがみんな浮かれて勉強に励んだり、部活でスポーツに汗を流したり、バンド
組んだり、恋愛に励んでいたりしている…そんなのおかしい!
泣き崩れる母親をよそに、エヴァは再び身勝手な自分の夢の中に入り込んだ。
そこは辛い「現実」の邪魔が入り込まない世界…そこでは彼女は美しい魔法使いの娘であり、そして
美貌の剣士ヘイドレク(
http://book4.2ch.net/test/read.cgi/bun/1173952440/参照)と共に、荒涼
とした大地を歩みだした。
魔法使いは一体どこにいるんだろうか?
そして彼女の将来は一体どうなるのか?
アスペルガー残飯の末期は如何に!
460 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 01:05:53
一方のヘイドレク、今日も散々だった。
ファンタジー作家で食い詰めた彼は一念発起して西葛西のハローワークに出向き、数多く並ぶ求人票
を一つ一つチェックしていた。
(な、ない。何にもないよ…)
ヘイドレクは落胆した。自分は天才ファンタジー作家としてこれから世の中に出てゆくはずだ。少し
くらいの重労働になら耐えられるとそう踏んだのだったが…
「派遣登録、工場内軽作業、日給6500円ですね」
担当係官の一言で決まったのは、ベルトコンベアの上に流れる何かの機器にネジを差し込む仕事だった。
工場へい向かうヘイドレク。自分はファンタジー世界では最強の剣士であり、世界を蝕む魔神アモンと
地獄の軍団たちという派遣会社や工場、政府与党や経団連、官僚、そして自分のファンタジー作家の才能
を認めない出版社の編集者たち…彼らを倒すべく美貌の女魔術師エヴァと旅を続けているのに。
工場に着いたヘイドレクは朝礼でライン長の演説を聞いた。第三四半期納期が迫って次期には生産調整が
行われる見込みなので、今回が現製品の最終生産となり、以降ラインは縮小して人員整理が始まる、という
ことだった。
何のことかさっぱりわからないヘイドレクは、朝礼後、ラインの担当部署につくと首を捻りながら作業を
始めた…心はファンタジー世界に飛んでいたのだが。
そしてたった今、ファンタジー世界で魔術師エヴァと共に砂漠に住むリザードモンスターを打ち破って
経験値と345ゼニーの金をゲットしたのだ。
「ヘイドレク君、真面目に仕事してくれないか?」
終業時間直後にライン長から口頭で注意を受けたヘイドレクは、会社から派遣会社に連絡が行き、査定審査
でマイナスポイントが加算されて日給が300円減らされた。
461 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 01:15:49
「ボク、妖精と話せるんだよ…」
明くる日、ヘイドレクは同じラインに並んで仕事をするフリーター崩れのDQNに自慢げに言った。
「へえ、本当かよ…」
周りの連中は面倒臭そうに答えた。生産調整で毎日ラインに並ぶ単純労働作業員の数が入れ替わるの
に一々こんな電波馬鹿と親しくしようとする奴はいなかった。
…休憩時間、ヘイドレクは中庭でパック牛乳を飲みながら妖精と話をした。
妖精はヘイドレクの耳元で囁く。
(ライン長のオヤジがお前のケツを狙っているぞ、ヘイドレク!アイツはホモだからな。お前の
形のいいケツを眺めてうっとりとしてたぜ!)
そういうと妖精はニヤリと笑った。
「…な、何だって!ゆ、許せない、あの野郎!」
ヘイドレクは怒りに震え、立ち上がった。そして傍らに落ちていた鉄パイプを掴んだ。
…一時間後、ヘイドレクはライン長を鉄パイプで殴り重傷を負わせた。
そして周りの工員達に取り押さえられながら半狂乱になって
「妖精が教えてくれたんだ!妖精がボクに教えてくれただよ!」
と、叫んでいた。
警察病院で、ヘイドレクは乖離性人格障害と診断された。
そして再びヘイドレクは眠りに落ち、ファンタジー世界で待つ魔法使いエヴァと共に冒険の旅に
出かけた。
462 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 18:25:11
「ねえ、エヴァ。あなた受験はどうするの?」
夕食を食べに部屋から出てきたエヴァに母親は突然尋ねた。
エヴァはふてくされた顔をして椅子に座ると、母親を無視して飯を食べ始めた。
今日の夕食は鯵のフライにホウレン草のゴマ和え、そして筑前煮にコロッケ。また糞マズイ和食
系のものばかりだ。太りすぎのエヴァを気にした母親の愛情を、エヴァが察することはなかった。
ガツガツと乱暴に白米をかっ込みながら、一応好物のコロッケを口に放り込むエヴァ。筑前煮の
中からなんとか喰える鶏肉とこんにゃく、そして油揚げだけを選んで食べる。人参とか椎茸とか
なんて人間の食い物じゃねえよ、とエヴァは一瞬思った。
「ねえ、エヴァ聞いてる?もうそろそろ受験のこと考えなきゃ…何時までも部屋で一人引き籠って
居てもだめでしょ」
母親はもう一度聞いてきた。その表情は真摯なものであった。エヴァの将来を真剣に考えた末に色々
動いていたのだ。母親のショッピングバックからは進学塾の入塾パンフレットが数冊覗く。
”さあ、この春から始めよう、志望校へ一直線!”
”能力別クラス55段階…キミに合ったカリキュラムで第一志望を目指す”
パンフレットには派手な宣伝文句が並ぶ。受験…そう、もうエヴァはそんな年齢なのだ。何時までも
安穏と自宅の一室に引きこもって大魔術師の娘なんて妄想に耽っているヒマなんか無くなってきてい
るのだ。学校に行く、進学する、そして社会に出て自立する…そういった”現実”に向かって動きだ
す、そういう時期にさしかかっているのだ。
「うっせーんだよっ、ババアッ!どうだっていいじゃんかよっ!」
突然エヴァはブチ切れた。そして食卓の上を両手でなぎ払った。ガシャーンッとけたたましい物音を
立てて料理や皿が床に飛び散った。
床に散乱した料理を見つめたエヴァは一瞬、自分のしてしまったことに驚愕した。しかし今更テンシ
ョンを落とせない、エヴァは憤然とした表情を取り戻すと椅子を思いっきり蹴りつけながらドタドタ
足音を踏み鳴らし自室へと駆け戻った。
台所から母親のシクシク泣く泣き声が聞こえるなか、エヴァはベッドに潜り込み再びファンタジーの妄想
に耽りだした…そこでは彼女は、美しい魔法使いの娘なのだ。
463 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 18:50:47
朝五時…漫画喫茶の狭いブースの中で目覚めたヘイドレクは登録した人材派遣会社に連絡を取ろうと
ケータイを取り出した。今日の仕事は未だ未定。昨日は港湾地域でのガラ運びに何とかありつき、日
給7500円をげっとしたヘイドレクはグロッキーになりながらも食い扶持が確保できて一安心だった。
昨日の肉体作業のせいか、まだ体の方々が痛む。今日は少し楽な仕事がいいな、とヘイドレクは思い、
ケータイの電源を入れた。
「えっ?」
ケータイが反応しない。液晶画面はまるで無反応のままだ。ヘイドレクは焦ってもう一度電源を入れ
る…やはり駄目だ。
「まさか、充電が切れたのかな?」
ヘイドレクはそう思い、荷物の中から充電器を探し出した。そして少しもつれる手で充電器を壁際の
コンセントに差込み、ケータイをそこに設置した。
(早く連絡入れないと、今日の仕事にありつけないよ…)
ヘイドレクは焦った。作家志望という以外に何の取り得も無く、期間工として派遣された工場で
事もあろうにライン長を鉄棒で殴るという事件までしでかしたヘイドレクは完全な負け組みだった。
日雇い派遣にまで落ちぶれ、何時しかファンタジー作家になるという夢は薄れていった。仕事に疲
れ、狭い漫画喫茶のブースで丸まって蹲っている時間、その時だけは彼は幸福であった。そこでは
ヘイドレクはファンタジー世界の剣士であり、美女の魔法使いエヴァと共に偉大なる賢者を捜し求
める旅を続けているのだ。黒鉄の巨剣を古い巨大なドラゴンや醜悪なモンスターを相手に勇敢に戦
う自分…。
「あれ、どうしてだろ?…まさか、まさか!」
ケータイは全く反応しない。充電中であることを表すインジケーターは完全に無反応であった。ヘイド
レクは何度も何度もケータイを充電器に嵌めなおした。が、一向にケータイは反応しない。
「そ、そんなあぁ」
ヘイドレクは遂に悟った。ケータイが壊れていることを。日雇い派遣の今、ケータイは命綱であり、こ
れが無くてはマトモに仕事にありつけないのだ。
さあ、どうするヘイドレク!
464 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/31(土) 21:14:16
廃墟となった巨大な聖堂が佇む魔の森…剣士ヘイドレクと魔導士エヴァは緊張した。
ここには近隣一体を恐怖に陥れるネクロマンシーの使い手メガンテが住む場所だ。
「…物凄い死臭がするわ」
エヴァは手で鼻を覆いながら顔を顰めた。泡立つ沼から立ち昇る瘴気が辺りを霞ませ、
まだ昼過ぎというのに辺りは薄暗い。日の光の差し込まぬ鬱蒼とした木立の中を歩く
二人に向かって、黒々とした羽虫が生血を啜ろうとブンブン付きまとう。ヘイドレク
は押し黙ったまま、森の奥に佇む聖堂を見た。…遥か昔、この辺りに古代文明を築いた
高等種族が残した遺跡の一つだ。有史以前に怒った”セルザウの七日間戦争”によって
滅び去った種族…彼らの残したグリモワールが現在にも細々と受け継がれ、魔術として
生き残っているのだ。ヘイドレクは頬に集る羽虫を手の平で軽く払いのけ、
「ゆくぞ、エヴァ」
と声を掛けた。そして聖堂の巨大な鉄の扉に向けて早足で歩き出した。
「…残念ですがヘイドレクさん、当社ではこれ以上ヘイドレクさんに仕事を斡旋できま
せん。」
電話口から届く言葉に一瞬我を失うヘイドレク。もう仕事の斡旋ができない、その言葉
の意味を何度も反芻しながら公衆電話の受話器を握り締めた。
「ど、どういうことなんですか!昨日はケータイが故障してしまっただけで、決して
サボタージュの意図があったわけじゃないんです!」
ヘイドレクは必死に弁解した。が、人材派遣会社の斡旋担当者は冷静に答えた。
「そうではないんです、ヘイドレクさん。貴方の派遣先での勤務態度について複数の会社
から苦情が寄せられておりまして、当社としてもこれ以上貴方を派遣いたしますと、社の
信頼を損ねるような事態になりかねないと、そういう上の判断でして…今後のご健闘をお
祈りいたします」
電話はそこで切られた。
受話器を握り締めたまま立ち尽くすヘイドレク…滂沱の涙を流すヘイドレクを、駅前を行
きかう人々は少し怪訝に見つめながら足早に駆け抜けて行った。
465 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/01(日) 03:12:51
「どいてっ!ヘイドレクッ!」
エヴァはラピスラズリの埋め込まれた紋章を掲げ、メガンテの前に立ちはだかった。死霊たちの
波状攻撃を全て一人で受け止めたヘイドレクは血と泥に塗れながら肩で息をして喘いでいる。
しかし石床に散らばった死霊たちの腐肉はネクロマンシーの秘術によって再びゾンビとして甦り、
傍らに落ちた古い錆びた鉄剣を手にするとヘイドレクたちに襲い掛かった。
「糞っ!」
ヘイドレクは叫ぶと剣を握りしめ、立ち上がった。そして死霊たちが殺到する礼拝堂の中を単身
切り込んで行った。薄暗い地下礼拝堂の中で昇天できぬ呪われし魂たちが唸り声を上げて飛び交
い、毒気の籠った瘴気を撒き散らす。その真っ只中をヘイドレクは巨剣を振るい駆け抜けていっ
た。ヘイドレクの剣が空を切るたびに切っ先から鋭い光を放ち、死霊の腐肉を引き千切ってゆく。
エヴァは呼吸を整えて目を瞑った。そして紋章を握り締めると静かな口調でゆっくりと呪文を
唱え始めた。
「アライヘラベチ・ウ・トラミケデラムシ・トロミケ…」
聖霊を召喚すべき神聖魔法の秘術である。エヴァの祖父である大魔導士アカベラに教わった闇
を浄化する中級魔法の一つだ。同時に彼女の掲げたラピスラズリが青い輝きを放った。薄暗い
地下聖堂の中でそれは朽ちかけた礼拝堂の石積みの壁を照らし出す。そしてエヴァは呪文の最
後の文句を叫んだ!
466 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/01(日) 03:13:51
「ウラハライ・ムー!」
そう叫んだ彼女は、机の上に置いてあった筆箱を掴むと虚空に掲げた。
「…どうしたのですか、エヴァさん」
塾の講師が板書を止めてエヴァの方を振り返った。黒板に書き連ねられた二次関数の解の
求め方に関する計算式が青っぽい蛍光灯に照らされている。それは、地下聖堂の朽ちた壁
に描かれた複雑なアラベスク調文様と同様、彼女には全く理解不能なものだった。
エヴァはハッと我に返り、周囲を見渡した。すると同じ教室で授業を受けている他の生徒
達が不思議そうな顔でエヴァの方を見ていた…ある者は唖然とし、別のある者は笑いを堪
えながら。
エヴァは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして、そのまま俯いた。
そんな彼女に向かって
「エヴァさん、貴方、自分の成績がどうであるかわかってるんですか?やる気が無いのは
結構ですが、授業の進行を邪魔するならば出て行ってもらえますか…」
塾講師は冷たく言い放った。
エヴァは少し涙ぐみながら俯き続けた。
(誰も…誰も私のことをわかってくれない。こんな世の中、腐りきっている!)
そう嘆きながらエヴァは、塾の教室の机に広げてあるノートをジッと見続けた。
そこには、ラピスラズリの紋章を掲げた魔導士エヴァの姿が下手糞なタッチで描かれていた。
467 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/01(日) 05:11:28
「おいブスッ!ウラハライ・ムーって何だよ!」
塾の教室から出て帰ろうとするエヴァに向かって同じクラスの男子生徒が声を掛けてきた。エヴァは
その声に反応し、一瞬立ち止まった。しかし振り返らずにそのまま再び歩き出した。
(男なんて穢れてる。女のことを性の道具にしか見ない…最低な奴らよ!)
エヴァは階段を下りてゆく。早く家に帰ってまたあの世界での冒険を続けるんだ…そういう思いが
彼女の足を早めた。
突然、階段の上から爆笑する声が聞こえた。反射的にエヴァは振り返る。するとそこには先ほどの
男子生徒が他の生徒達と共にこちらを指差してはらを抱えて笑っていた。
「あの女、なんか宇宙から電波届いてるんだぜっ!」「何だよあの”ウラヘラレラ・ムー”
ってよぉ!」「ちげーよ!ウラスジナメナメ・ムーだよぉ!」
口々に嘲笑う声が飛び交う。同じクラスの女生徒もクスクスと笑いながらこちらを伺う。その目には
哀れみと、そして嘲りに満ちていた。エヴァは階段の踊り場で上の連中を見ながら立ち竦んだ。
(低俗な奴ら……)
心の中でそう毒づいた。そしてエヴァはビルの出口に向かって駆け出した。
ビルの出入り口の扉を乱暴に開け放ち、駅前のアーケード通りを全力で駆け抜けた。目に溢れた涙
が向かい風によって流れ出し、頬を流れる。道行く通行人達は怪訝そうにエヴァを見つめるが、構
わずに全力で駆け抜けた。悔しかった。悲しかった。あんな低俗な連中に自分の高尚な想像の世界
が解ってたまるか、そう彼女は思った。
自宅に戻ったエヴァは出迎えに来た母親を無視し、そのまま自室に駆け込むとドアに鍵を掛けた。
荷物を手荒く壁に向かって放り出すとベッドに飛び込んだ。そして泣いた。
「どうしたの、エヴァちゃん!…一体何があったのっ!エヴァちゃん此処開けなさい!」
母親がドア越しに声を掛ける。エヴァは枕を掴むと
「うっせーんだよっ!糞ババアッ!」
と怒鳴り、枕を思いっきりドアに投げつけた。そしてそのまま布団に突っ伏すと声を上げて泣き出した。
窓から差し込む月明かりがエヴァの背中を静かに照らす。
468 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/01(日) 05:51:43
一方、同じ月明かりの下でヘイドレクもまた苦悶していた。派遣登録拒否の通知を受けたヘイド
レクは殆ど有り金も持たずにふらふらとさ迷い歩き、葛西臨海公園近辺まで来てしまっていた。
(…俺、これからどうなるんだろう)
ヘイドレクの心を包むのは最早不安ではなく、恐怖と絶望であった。ファンタジー作家を目指し
て日々原稿用紙に向かって文章を書き連ねていた日々も既に遠く過ぎ去り、今は単なる無職の浮
浪者として一日の糧を漁る日々である。自分の人生の何処が間違っていたのだろうか、そう自問
自答したヘイドレクはヨタヨタと公園内に入り込むと、手近にあったベンチに座り、うな垂れた。
ポケットの中に残ったラークのボックスからくしゃくしゃにひん曲がったタバコを一本取り出し
100円ライターで火をつける。そして思いっきり煙を肺の奥まで吸い込み、夜空に向けて吐き
出した。満月の光がヘイドレクの顔を照らす。その蒼い輝きが冷たくヘイドレクの心を貫いた。
しばし満月を見上げていたヘイドレクの目に、うっすらと涙が満ちてきた。
(結局、世の中なんて俺にとっては地獄以外の何者でもないんだな…)
ヘイドレクはそう思い、上を見上げたまますすり泣いた。
「…おいっ!何してんだよテメエ!」
突然ヘイドレクの背後から恫喝するような声がした。ヘイドレクは少し慌てて顔を下げると、声
のした方向に振り向いた。
そこには数人の若者が立っていた。派手なBB系の身なりをした連中が、三白眼を剥いてヘイド
レクを睨みつけている。
彼らは薄ら笑いを浮かべながらヘイドレクに近づいてきた。そしてヘイドレクの周囲を囲むよう
にぐるりと立つと、真正面に立ったバンダナ男がニヤニヤしながらヘイドレクの顔を覗いた。
「何、テメエ。 泣いてんのぉ!」
おどけたような口調でそういうといきなり大声で笑い出した。それと同時に周りの仲間も嘲るよ
うに笑い出した。
ヘイドレクは緊張し、身構えた。
469 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/01(日) 05:55:31
「なあ、テメエもはってん場に覗きやりにきたんだろぉ!それともホモ兄さんの愛が欲しくて肛門を
疼かせながらノコノコ歩き回ってたんかぁ!」
再び爆笑。腹を抱えて笑い転げる連中を見てヘイドレクは表情を引き締めた。
(こんな低俗な連中に嘗められてたまるかよっ!)
ヘイドレクは歯を食いしばった。そしてスクッと立ち上がった。
「おっ」
連中は立ち上がったヘイドレクを睨みながら少し引いた。そして全員が身構えた。ヘイドレクは彼ら
の目を合わさないように少し周囲を見渡すと、ゆっくりと歩き出した。
「待てよテメエ、逃げるんじゃねえよ…」
先ほどのバンダナ男がヘイドレクの肩を掴んだ。ヘイドレクはとっさに男の手を振りほどいた。
(こんな連中、相手にしてられるかっ!)
そう思ったものの、内心彼らに恐怖していた。狙われている、そう察したからだ。
「テメエッ!逃げんじゃねえよっ!」
バンダナ男はそう叫ぶと、いきなりヘイドレクの肩を掴み、輪の中に引き戻した。バランスを
崩したヘイドレクは足をもつれさせ、その場に倒れこんだ。
「この糞ホモ野郎がぁ!嘗めたマネしやがってぇ!」
彼らの一人がいきなりヘイドレクの腹を蹴り上げた。
数分後、暴行を受けたヘイドレクはその場に倒れ伏した。彼らの一人がヘイドレクのジーンズ
のポケットを探り財布を取り出す。弱々しい抵抗を試みたヘイドレクであったが、顔面に一発
パンチを食らい仰向けに横たわった。
「…ケッ!なんだよ、コイツこれしか持ってねえぜっ!」「だっせーっ!」
彼らはそう口々に言うと、倒れて泣くヘイドレクを笑いながら軽く蹴り飛ばしてその場から歩み
去っていった。唇から血を流して倒れるヘイドレク…彼の目線の先には先ほどと変わらぬ蒼い月
が中空で煌々と輝いていた。
そして彼は眠気に襲われ、再び想像のファンタジー世界へと落下していった。
470 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 02:53:34
城下町を過ぎて、西の森へ向かう。森の左手を迂回すると、その先はコリンという名
の野原へと繋がっている。穏やかでない書状を送りつけられた人物が、朝も明けぬ内から
コリンヶ原に足を向けていた。
軍礼服に黒く飾りのない外套を羽織っている。膝の下まで届く幅広の外套の内から、右
の腰に無骨な拵えの鞘に無骨な柄の収まっているのが風の気まぐれに垣間見えた。
特に呼び習わされる名前もない森を横目に、その頭を巡るのは差出人の事ばかりである。
――マリア・イザベル・フォン・リヒテンシュタイン。差出人の名前である。
マリア・イザベルという名は珍しくもない。その後ろに続くフォン・リヒテンシュタインと
続いていたのが、穏やかでない上に只事でなかった。王家の麾下にあって王領全土を統治する
十七の本領主家。リヒテンシュタイン家は代々当主が、十七本領主家中で第八位の格式にあたる
アイズリー公爵位を拝領する家柄であり、初代当主が国王陛下から直々にリヒテンシュタインの
姓を賜って以来、その血統に連なる者だけが名乗る事を赦されている。そのリヒテンシュタイン
の姓を騙るという事は死に値する大罪であり、王国の権威を犯した者は一族郎党と共に断罪されるであろう。
だが、無闇に公にもできない。差出人が真正なリヒテンシュタインの某氏であれば、
今度は宛名人とされた彼の騎士が公爵位の面目を潰したとして糾弾されかねない。穏やかで
ない書状とは、決闘状である。
『我が王国の名誉たる騎士、――殿。月が半ば欠けて後に来たる夜明けの前にコリンの原へ
来られたし。我は剣携えて貴殿を待つ。夜の明ける迄、此の次第内密にされたし。
マリア・イザベル――・・・』
471 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 02:57:21
優雅な筆致で書かれていて、決闘状にしては簡潔極まる。剣を携えて待つのであるから
呑気な用件でないのは明らかだが、非難や怨嗟を匂わせる文面は欠片もなく、内密に決闘を
挑むと考えるのも不自然さを感じさせた。決闘とは、自らの名誉や潔白を世に知らしめる為に
行われるのが普通である。さもなくば色恋沙汰に逆恨みというのもあるが、そんな心当たりは
全く無かった。秘密裏に暗殺されるほどの事情も地位もやはり無い。
差出人がリヒテンシュタインの姓を騙ったのであれば、どんな事情にせよ斬って仕舞いである。
相手が数人掛りならば火術で焼き捨てる事は造作なく、更に多勢なら派手に雷撃を呼び起こしても
いい。城下から守備隊が駆け付けるにもそう遠い場所ではない。だが、こちらを知って名指しした
以上はそのような武勇を知らない筈はないから、相手には何らかの謀略に巻き込み利用する企図が
あるのかもしれない。
一番厄介なのは、差出人が本物のリヒテンシュタイン家の某氏である場合だが、それは考えたく
もなかった。何を考えているのか分からないのが貴族という人種である。一士官に過ぎない分際が、
例え逆恨みでも本領主家などに疎まれれば王国でまともな生活は望めない。
貴族を狙った強盗や辻斬りの方が遥かにましだと、奇妙な期待と切願が入り混ざった気持ちで
森の脇を抜けると、遂にコリンヶ原の端に至った。
遮る物の何も無い野原の真ん中に、件の差出人と思われる人物が二名立っていた。待つ側にも
待たれる側にも一目で相手を見出せる絶好の位置である。野原の端と中央で、一人と二人が互いの姿を
認めたのは同時だった。昇りつつある太陽の明るみに翳る月光がなお、人物達の形姿を照らしていた。
長い金髪の若い女と中年の男である。いずれも巡礼騎士の様な格好なので華奢でこそ無いが、下郎の類には
決して無い風格が遠目に見て取れた。どうやら、『斬って仕舞い』とはならない雲行きである。
472 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:01:41
暗い水色だった空は明るさを増して、流れる雲は薄い橙色の天蓋に照らされて影の濃淡で彩られていく。
夜が朝に変わる頃には、決まって風が吹く。
風に促される様に再び騎士が歩み始めると、歩む先に佇む二人は互いに目も交わさずに歩んで向かって来た。
一人と二人はある距離まで近づくと歩みを止めた。中年の男は若い女の左手を庇うように少し前で立った。
「お手紙を読んで頂いたのですね。こんな所まで御足労頂いて有難い限りですわ」
「私の素性をご存知なら、お互い挨拶は必要ないでしょう。用件を伺いましょう」
女は微笑さえ浮かべて、思ったよりへりくだった口を利いた。高慢な物言いでもされれば、きっと剣を抜いていただろう。
逆に高慢な物言いで切り返した。
男はむしろ女の方を伺うように、目を横に向けた。間を置いて、女は言い放った。慇懃だが、今度は限りなく高慢であった。
「あなたがどの様な方でいらっしゃるのか、一目見てみたいと思ってお呼び致しましたの。用件はもう済みましたわ」
用件はまだ済んでいない。理由までは知れないが、騎士は恐らく正しいであろう真の用件を察した。
女は口を閉じても、まだ騎士の眼光から視線を逸らさなかった。騎士の眼差しは突然和らいだ。
「ご用件はもうお済みになったのか。どうやら、首尾よく運んだようですな。それは良かった」
そう言うと騎士は笑い声を上げて、世辞の様な事を言った。
「左様であれば、私がコリンヶ原に参上した用件も無事に片付けられそうですよ」
左手が鞘を掴んだ。
「本領主家の名を騙った不穏な書状を送り付けた上、国王陛下の礎となるべき騎士を己が好奇を満たさんが為に煩わせる
二重の大罪を犯した無頼の輩を孤身穿鑿し、今まさに眼前に捕らえたる彼の罪人を王家の名の元に討ち取って後、その首級を
王府官憲に引き渡すべく我参じたる次第なり」
騎士は激するでもなく淡々と口上を唱えだした。その間、女は無言のままに睨みつけさえもした。
473 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:05:00
「待たれ、我らは真正の――」
「貴殿等の身分など知る必要は無い。遺骸であっても貴殿等の身元を語る事はできるのだからな」
供連れらしき男が初めて口を開いたが、騎士は遮って容赦なく言い捨てた。
「仮に貴殿等が真正な本領主家の一族であったならば、我が軽挙によって我ら一族郎党に至るまで断罪されるであろう。
しかし、貴殿等が本領主家を騙ったのであれば王国に対する大いなる反逆であり、信じて愚挙を看過すれば臣民の序列は
即ち乱れ、引いては王国全土を覆う大きな災いとなろう。紋章官ならぬ騎士の身なればこそ、私には貴殿等を斬るより他に
使命に違わぬ途は無いのだ。神妙に為さるがいい」
口上を終えると、騎士は剣を抜き放った。正面から四歩近づけば手前の男が間合いに入るが、女の方も剣を抜き放とうと
していた。前後を相手に挟まれて渡り合うのは至難である。右から素早く回り込んで男を間に挟む形にすれば、少なくとも
背後の一撃を警戒する必要は無い。狙い通りに女は視界から隠れた。男の間合いに踏み込み、横薙ぎに斬り抜く。筈だった。
男は全く想像し得ない行動をとった。剣を手にかけるどころか、騎士に背を向けて剣を引き抜こうとする女を押さえ込んだのだ。
騎士が左から回り込もうとしているのに気づくと、強引に女を引き回して自分が騎士の正面になるようにした。
「放せ、無礼な!言わせておけば放言、侮辱も甚だしい、果てには反逆などと言い立てて私を斬るのが使命だと!」
男は暴れる女を抑えながらも、背が常に騎士に向いているように踏み止まっていた。騎士は構えかけただけの姿勢で
呆然とした。
「待たれい、待たれ、待たれぇ!」
女がひとしきり暴れてくたびれた頃、男は誰へともなく叫びだした。待つも何も、騎士の方ではとっくに気をそがれていた。
「聞いてくだされ、騎士殿。騎士殿と、騎士殿と我々は思い違いをしていたのだ」
「思い違いですって!?よくもまあ、そんな出任せをぬけぬけと・・・」
激昂して再び暴れだした女が落ち着くまで、騎士は所在無く様子を眺めていた。
474 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:12:55
澄み切った空の青は四方に聳える山稜まで行き渡り、大地の鮮やかな緑が目に心地よかった。
女は遂に男を突き放したが、立っている気力も失せた様で地面にへたり込んでそのまま伏してしまった。
男も膝を折って座り込んだが、やはり女と騎士の間を占めていた。騎士は男に近寄ると、同じように座り込む。
剣はもうずっと前に鞘に収まっていた。男は騎士の正面に向き直ると、核心から話を始めた。
「騎士殿は我々を本領主家の者であるとは信じ難いと申されたが、我々は確かに本領主家の人間ではないのでござる」
そう言って、外套の中から貴族家の当主が日常で持ち歩く略章を示した。円形の金属板の表側には金星の象徴が
あしらわれている。
「申し遅れたが、それがしはルノートル公領のカール領主代家当主、ガストラ・ルドー・フォン・カールでござる。
あれは私の養女のエリス・ルドー、遠縁の親戚が没落した時に引き取って養子としたのでござる」
エリスという名であるという女が顔を向けた。何か驚いた様子に見えたが、疲労の色が濃くてよくわからない。
「しかし、騎士殿に手紙を差し向けたのは我々ではござらんのだ。実は娘には手紙のやり取りを通じて
恋仲となった相手がござり、娘が待っていた相手はその恋人なのでござるよ。手紙でわざわざ家格を偽る理由などござらん」
「・・・それで?」
「騎士殿が受け取った書状は別の何者か差し向けたのでござろう。今日の夜明け前にここで待ち合わせをした約束は
二つあったのでござる。然るに我等の待ち人は来ず、貴殿を呼び付けた人物も来ず、我々は互いを相手を取り違えたのでござるよ」
そう言うとカールは大胆にも、手に持っていた略章を騎士の手にねじ込んだ。索しても無意味であるが、男の話は明らかにでたらめで、普通なら話にもならない。
475 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:17:23
「この略章こそは今この場にある全ての証左でござる。是非ともこれを騎士殿が改めて、我々が潔白である事を信じて頂きたい」
つまりカールが言っているのは、待ち合わせの相手が違っていた事にすれば、エリス嬢が騎士を侮辱する道理も、騎士がエリス嬢を
斬る道理も、相手が違っているから通らなくなるし必要も無くなる、という理屈である。
騎士は考え込んでしまった。そもそもの真の目的は、何か公然にしたくない理由――恐らくはエリスと称する女の
発意によるのだろう――で騎士を試したかったのだろう。カールはエリス嬢の養父などではなく、護衛として供をしていたに過ぎない。
エリス嬢より低格の身分であるのは、邂逅してからの一部始終が物語っていた。略章をためつすがめつしたが、
確かに偽物には見えなかった。ならば、エリス嬢は領主代家より高格の人物の筈である。しかも、息女の護衛を領主代家の当主が
直々に仰せ仕るのであるから余程の家柄なのであろう。素性を詮索しても無意味であるが、男の話は明らかにでたらめで、普通なら話にもならない。
だが、街道も畑も無いコリンヶ原の真ん中で、誰かがやり取りを聞いていた訳でも無い。三者が申し合わせて『そういう事にしておく』のであれば、
この場は収まる。お互いに――少なくとも居合わせた内の二名は、穏便な形での決着を望んでいた。
だが、しかし。『そういう事にしておく』にせよ、斬る斬らないの丁々発止を今しがたまでやっていたのである。相互の不信はきわまっていた。
カールが自ら率先して略章を差し出したのは、今の状況を了解した上で速やかに騎士の疑念を和らげたい一心からであろう。
もはや疑うつもりでもなかったが、仮にこの略章が本物であれば、他人に一時託すだけでも重罪である。裏を返せば、こちらの素性が
明らかに知れていなければ、到底こんな真似はしないのである。そうであればこそ、無下には出来なかった。
カールの後ろを伺うと、エリス嬢もカールの向こう側からこちらを伺っていた。地に手の平を突こうとしているエリス嬢が
再び立ち上がる前に、騎士は観客の無い舞台に上がる覚悟を決めた。騎士は仰々しく立ち上がり、わざと大声で始めた。
476 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:20:15
「誓って潔白であるというのであれば、この略章は私が預かろう。よろしいな?」
カールは騎士の無茶な要求に驚いて思わず立ち上がるとしばし逡巡した、振りをしてからやはり不自然な程の大声で応えた。
「いいでしょう。騎士殿に信頼していただけないならば略章など何の意味もござらんのだ」
騎士はカールの豪胆な態度に感動すると威儀を正して尊敬の念に動かされた、風にしてみせた。
「いずれ貴殿の潔白が明らかになれば、私はこの略章を携えて今日の無礼を詫びに参るでしょう」
カールは騎士のせめてもの礼儀を払おうという計らいを察して恐縮した、大袈裟に。
「詫びるのは私のほうでござる。騎士殿の有難い御深慮には、あらゆる言葉を尽くしても言い得ない次第にて面目も無い」
騎士はカールの謝辞を聞き届けた。何か別の誰かの声が聞こえた気がしたが、風の音だと思う事にしておいた。
「私はこれにて失礼する。沙汰は一両日中に必ず」
騎士は踵を返して走っていった。カールは騎士が視界から消えるまでのその後姿を見届けた。
「今の馬鹿馬鹿しい茶番で、私にあてこすりをなさったお積りですか?御父様」
騎士が去って安堵していたカールは突然の声に驚いて振り向くとそのまま凍りついた、心の底から。
477 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:22:49
王都の一日は平穏の内に過ぎていった。空は暮れ時の色彩を帯び始めた。
仕事を終えた人々が帰路に着く頃、とある貴族の屋敷に書状が届けられた。それは首府での所用の為に逗留していた客人に宛てられていた。
何の変哲も無い封書の封緘には、馴染みの無い刻印が押されていた。受け取った人物は不審に思い、封を切って書状を取り出した。
『エスタージュ伯ガストラ・ルドー・フォン・カール殿 互いに相知らぬに付け軽輩より貴伯に書状送り付けたる無礼承知仕り候といえども、
僭越ながら至急御知らせしたき次第ござ候にて書状御届け仕り候。本日、貴伯の御物と思しき物品拾得致し、貴伯に御心当たりあらば
件の品御届けしたき候。しかして拙者の心得違いにて貴伯に紛失の御心当たりなかりしなれば、然るべき処置にて御上届けたき候次第、
先ずは貴伯に伺候致したき候。些事に御煩い願う事御容赦願いたき候。 ディルタイ無城公隷下――・・・』
差出人の名前に目を留めた。全く面識の無い騎士からの手紙であった。・・・という事に、なっている。
何を拾ったかは書いておらず、普通ならば心当たりがあっても無視するような用件だ。
騎士はこちらの身元を確かめる為にわざわざこんな文面にしたのだろう。日も暮れぬ内に思い付いたにしては、なかなかの考えである。
まして、ルノートル公領は王都から遠い。ルノートル公が王都にあがる際には王家より拝領した屋敷に滞在するのが常であるが、
その配下は王都に上る事があっても、どこに宿泊するかまでは定まっていない。王都の何処かにいるとは確信見当をつけていたにせよ、
逗留先まで突き止める手際にも伯は感心した。
エスタージュ伯は筆をとった。騎士への返書である。
478 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:24:47
太陽が中天を過ぎて西に傾きつつある頃、エスタージュ伯を訪ねる者があった。『伯の御物を拾得した』騎士である。
騎士と伯は形式通りの挨拶を交わしてしばし雑談し、騎士は羊皮紙に包んだ『御物』を引き渡した。伯は羊皮紙の中身を
改めると形式通りに感謝を述べ、騎士は形式通りに返礼して帰ろうとした。伯は、何事か思い出したかの様に慌てて騎士を引き止めた。
「ところで、その、何と言うか、我輩はもう一つ失せ物の心当たりが――・・・」
「私が拾得致したのは、それ限りで御座います。それでは失礼致します」
騎士は慇懃に言い捨てて、部屋を辞して行った。
伯は騎士を引き止め損ねて思わず地団太を踏んだ。略章など捨てても取り返すべき、あの『エリス嬢の書状』は返されていないのだ。
伯は略章を床に叩き付けて、乱暴に椅子に腰掛けた。若造にしてやられた苦渋の色が顔中に広がっていた。
どうしてくれよう。やはり、闇討ちを掛けてでも――
「いかがなされた、カール殿」
突然声を掛けられた伯は椅子を蹴って立ち上がった。振り向くとそこにいたのは、騎士であった。
騎士には違いないが、以前からこの屋敷に出入りしている、伯の良く知った若者である。伯はため息をついた。
「いや、何も無いが。何か用でござるか」
若者は、伯の様子を心配そうにしながらも窓に近づいて行った。
「用という程でもないのですがね。珍しい方が伯を訪ねて来られていたので気になったのですよ」
「君がそんなに詮索深いとは知らなんだな」
伯が不機嫌そうに言った。若者は言い訳をするように慌ててしゃべった。
「私はあの方を良く存じていましてね。ですが、伯と知り合いであるとは思わなかったので、珍しいといったのですよ」
そう言えばそうだったな、と伯は口を突いて出そうになった言葉をつぐんだ。伯は咳払いをした。
「私の失せ物を拾って届けてくれたのだ。君は良く知っていると言ったが、どういう事だ?」
「あの方は私の所属する第七中隊の隊長なのですよ。私より若いが、とても有能ですよ」
ほお、と伯は感嘆して見せた。
「君が話していた女隊長か。野心深い事だな」
479 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:29:47
会話が何となく途切れる。若者は机の上に何かを包んでいたらしい紙切れに目を留めた。中には何か書いてある。若者は思わず吹き出した。
「何がおかしいんだ」
伯の声が荒い。とにかく一人になりたい気分であった。
「見て御覧なさい。伯への届け物を持ち歩くのに、自分宛の手紙を包み紙にしたらしい。やりそうな事だ」
若者が伸ばした包み紙を見て、伯は驚愕した。慌ててひったくって、書面を改めた。若者は伯の豹変を不思議そうにしている。
「何だ、決闘状ではないか。随分縁起の悪いもので届けてくれたものだな」
ばつが悪そうに、伯は言い捨てた。
「決闘状なら、あの方はちり紙にするほど持っているでしょうよ。人の恨みを買いやすい気性ですからな」
伯はランプで紙に火を灯してそのまま暖炉に放り込むと、若者がどこまで読んだのかが気になった。
「ところで、挑戦した人物は勝ったと思うかね」
「さあ。もし勝っているなら、あの方は伯の失せ物を届ける事は出来なかったでしょうがね」
どうやら、差出人の事は気がつかなかったらしい。さすがに差出人の名前が自分の許婚とあらば、今の言葉にならなかった筈だ。
火は包み紙を覆いつつあった。若者がまた何かに気がついて身を屈めた。
「今度は何だ。血塗りの短剣でも落ちていたのか」
伯は若者の言葉を先取りして言った。
「いえ、今しがた私も誰かの失せ物を拾いましてな。これは伯の物では御座いませんか?」
若者は伯の略章を手にしていた。
「君は素直な物言いが出来ないのかね。初めて会った時にはこんな人物だと思わなかったよ」
伯は受け取りながら言った。
「よく言われますよ」
「もちろん君の隊長にも言われたのだろうな」
「ええ、もちろん」
480 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:32:47
皮肉に気づかなかったかどうかは怪しい。この若者が聡いのか痴れるのか伯は未だに図りかねていた。並んで立つ姿がなまじ美麗だった
ばかりに、伯はとんでもない仲人の役を安請合いしてしまったのではないかと、後悔しないでもない。
だが、公から直に頼むと申し付けられれば断り様も無かったし、その時は断る理由も無い様に思えた。それが今回のこの騒ぎである。
当事者である筈の花婿は何も知らずに呑気なもので、この花婿が無性に愛しいらしい花嫁の初心さはなお度し難い。私も一度は
それぐらいに乞われてみたいものだと、思わずため息が出た。
まあ、良かろう。取りあえずの失せ物は取り戻したのだから、良かろう。
伯はそういった風に自分を納得させると、若者に今日は疲れたから急用でなければ後日にして欲しいと申し渡して退出させた。
窓を見やると、空の半ばまで覆っていた緋い色は地平の端を照らすばかりであった。正門へ続く道を一台の馬車が駆けていった。
騎士を待ち受ける為に、わざわざこの日の用事は断っていた。今日ほど緊張したのはいつ以来であったであろうか。
伯は一瞬頭を巡らせた後に、自嘲の笑みを漏らした。まだ月も替わらぬ内ではないか、この老いぼれが。
思えば、縁談の場で二人が最初に対面した以前から、事は始まっていたのかも知れない。
481 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:44:09
当代アイズリー公爵の最初の息女として生まれついたマリー・イザベル・フォン・リヒテンシュタインは何の因果か武芸を好み、
その上際立って優れた素質に恵まれた。それが災いしたのか、マリーは武勇と併せて恵まれた自らの類まれな容姿などは歯牙にも
かけず、年頃になっても縁談など一顧だにせずに武術兵学の修練に明け暮れていた。女武者が勇名を馳せる事も珍しくなくなった
時勢も相まって、マリーを名家に嫁がせる方策はことごとく無為になる中、妹達が次々と婚礼を結んでいった。
ある時、姉を憚って縁談を断ろうとした一人の妹に、マリーが激昂して一喝したという。
「立身出世の望みも持たぬ平凡な女の身であるお前が、一生をこの家で無為に送るより他にどのような有様があるというのだ。
修道院に入る積もりでもないのならば、まずはこの私を地に叩き伏してから物を言うがいい!」
妹が姉を心配する一念からの決意を、マリーは父が娘にする様に一蹴した。結局その妹は縁談がまとまって嫁いでいったが、
同時に長女マリーに王侯貴族との婚礼を取り計らおうとする家中の目論見も水泡に帰した。それは何も本領主家の面目の為だけに
行われてきただけではなく、娘の婚礼にさえ面目を掛けざるを得ない家柄の、貴族流儀の親心でもあった。
虚栄虚飾の宿命に生きる貴族にとって、全ての面で高貴であると認められる事が即ち渡世の手段であり、幸福な将来を約束する
最良の途であった。
良家に嫁がせる事によってマリーの将来を拓いてやる途が閉ざされた今、マリーの父親であるリヒテンシュタイン公爵は決断を
下した。本人がそこまでして武官としての立身を切望するのである。ならばその望み、叶えさせてやろうではないか。
482 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:46:22
リヒテンシュタイン家の総意が決すると、全ては矢が放たれたような速さで動いた。本人が否といえばどうにもならない縁談とは違い、
軍隊での立身出世は権力が大いに物を言った。野心深い人物が立身出世する王道として、高格の人物と懇意になる事は願ってもない僥倖である。
ましてや父親がアイズリー公爵である。本人の思惑とはかけはなれて、数ヶ月で全てが整った。
マリーが軍に志願してから最初に受け取った辞令は、エステア公隷下王室近衛隊第六騎兵隊への隊長としての配属を命ずるものであった。
我が腕のみを頼みにして世に出るつもりでいたマリーは、このあからさまな父親の工作に直談判で抗議したが、父親は実の娘のマリーに対して
アイズリー公爵家の牙を以って応えた。
「この仕儀が不満とあらば、貴様に武勇で身を立てる機会は今生あるまい」
この言葉に、マリーが否を唱える余地は無かったという。
配属されてみれば、そこはやはり軍隊である。まして隊長というのであれば、一人武勇に誉れ高いと言っても通用しない。閲兵に訓練、
経理官や庶務官らが上げてくる書類の査収決裁、近衛隊内での会議や懇談、上申に訓令など、こなさなければならない仕事は幾らでもあった。
辞令を受けた時の屈辱は、忙殺の内に葬り去られていった。
「私が副官を務める女隊長は叩き上げという奴でしてね。家柄が低いのに中隊長まで成り上がったんですよ」
伯の見た所では、確かに『叩き上げ』という言葉に反応した。その時は不思議に思っただけであったが、今から考えれば納得がいく。
家柄に恵まれて騎兵隊長という地位を得た自分と、同じ若さで実力だけを頼みに立身する中隊長を引き比べたのであろう。
配下の数もそう変わらないし、ディルタイ無城公隷下の中隊長ならば同格と言っていい。
今日び軍でも女性将官などは、多くは無いが珍しくも無い。縁談がまとまった相手というだけで、その相手が副官を務める女隊長に
決闘状めいた書状を送りつけるとは考えにくい。
483 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:52:51
恐らくは、その境遇に『嫉妬』したのであろう。近衛隊騎兵隊長という過酷な職を立派に勤め上げながら、家柄という影を断ち切れないでいる
マリーには、自ら前途を切り拓いたその女隊長が心底妬ましく思えたのだ。それと同時に、御仕着せの地位が今の自分に相応しいのかという
我が身に募る不信を晴らす為には、渡り合うに相応しい好敵手をずっと求めていたに違いない。
『月が半ば欠ける』前の日に偶然行き会った伯にマリーが口を滑らしさえしなければ、伯が無理矢理に同道する事は無かったろうし、
そうであればきっとマリーはあの場で剣を抜き放った筈である。そうして勝とうが負けようが、マリーに待つのは隊長職からの転落か
三泉の底への転落か、いずれかにしろ闇であったろう。誰にとっても僥倖であった。
あの日から今日に至るまで、仲人という立場を活用して『何か不調法があっては』を殺し文句に、貴賎に関わらず礼儀を尽くして探り回った。
聞かれた方は懇願する仲人の気苦労に同情してか、気安く話をしてくれた。もちろん『ここだけの話』という常套句をいつでも聞いた。
無論、伯の方でも『ここだけの話』にして貰うのを望んでいたが。
武勇に優れるといっても所詮は女だ。惚れた執心が生む疑心暗鬼に駆られた末の暴挙だと決め込んでいた伯は、マリーが騎士として抱く
高い誇りを、思いもかけず見せ付けられた。仲人顔に詮索して辿り着いた真相は月並みさでこそ同様であったが、意味は全く違っていたのだ。
マリーと平行して花婿の事も調べたが、こちらは殆ど謎だけが残った。確かに無領守護家の家柄には違いないのだが、数年前までは家柄どころか、
城下でささやかな店を構える商人の息子に過ぎなかったのだ。経緯は全く分からなかった。いくらマリーに男の気配が全く無いからと言って、
こんな人物との縁談に応じた公爵家の考えも解し難い。仮にも領主代の当主が調べ得るその素性を知らない訳が無いし、ましてや仕官させておいてから
この縁談である。これが伯の息女へ持ちかけられた縁談ならば、即座に断ったであろう。伯は詮索を打ち切った。領主代如きを風に舞う塵に等しくする位の、
大きな何かが動いた気配を感じ取ったのである。下手をすれば系譜ごと消されかねない。
484 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 03:56:53
それはそれとして、マリーは存外に例の変わり者を気に入った様子で、来る月には婚約の儀を取り交わす事になった。女とはわからないものである。
伯には予感があった。呑気な花婿を仲立ちにして、二つの宿命が動き出した事を。
その宿命がどのように推移するのか、占星術師でもない伯には知り難かったが、将来においては明らかになるのであろう。
伯は騎士を呼び付けた筆を執り、何事か書き始めた。誰に読ませるつもりも無かったが、カール家が百年存続した後には必ず誰かがこれを読むであろう。
明朝早くに用事を抱えていながら、筆の動きは止まる所を知らない。
天蓋は既に漆黒で覆われていた。月の出ない今宵は闇夜である。流れる雲から垣間見える微かな星光だけが、地上を照らしていた。
485 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:39:35
「ここが地獄だよ諸君!」
ダンテ伯爵は言った。そして古びたフロックコートからステッキを突き出して裾をはだけ、胸毛が密生
した地肌が露わにした。そこから覗く弛緩した肉体は荒縄で亀甲縛りに縛られている。そう、このよう
な状況にもかかわらずダンテ伯爵はSM放置プレイを楽しんでいるのだ。なんたる余裕!なんという変
態なのか!
「そんなことはないっ!俺たちがいる限りこの世界はまだ終わっちゃいないんだ!」
少年探偵団の斉藤団長は言った。副団長の美佐も叫んだ。
「そうよダンテ伯爵!あなたみたいな真性の変態なんかに、この美しい世界をわたすものですか!」
美佐の紺色のスカートの裾が風にたなびく。すると捲れたスカートの下から水色の毛糸のパンツが現れ、
地獄の業火に照らし出された。
「…ほう、美佐よ。なかなかカワユいパンツを履いておるのう…」
ダンテ伯爵は少しニヤケながら美佐に言った。美佐はハッと気付くと「いや〜ん!」と言いながらスカ
ートの裾を両手で押さえ、その場にペタンと座り込んでしまった。両手で顔を覆って泣き出す美佐。そ
のとき少年団員の渡辺くんは思わず美佐のスカートの中を覗こうとしたが残念ながら見ることが出来な
かった。
(チィッ!)
渡辺少年は舌打ちをした。渡辺少年は密かに少年探偵団のヒロイン美佐に恋をしていたのだ。しかし美
佐は団長の斉藤少年といい仲であり、普段から他の団員達に見せ付けるようにいちゃついている。渡辺
少年は二人を、いつも嫉妬と羨望の眼差しで見つめていた。…しかし渡辺少年の美佐への想いは絶ちが
たく、毎晩自分が彼女とイチャつく妄想で憶えたてのオナニーに励んでいた。そして濃厚なザーメンを
発射しながら美佐をモノにしたいと思った。美佐の発達した乳房を鷲掴みにしてモミモミしたいと激し
く熱望した。しかし現実は厳しい。小林少年は団員のなかで最も地味な少年でしかなく、普段美佐から
は軽蔑まじりの一瞥を向けられるのが関の山だった。
486 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:40:39
「…ゆ、ゆるさないぞダンテ伯爵!よくも、よくも美佐ちゃんを泣かせたな!」
しゃがんで泣く美佐の横に立つ斉藤団長がダンテ伯爵に向かって叫んだ。そして少年団支給の秘密武
器であるソードステッキを抜き払った。…むろんこれは銃刀法に違反するが、愛と正義のためなら少
々の脱法も許されるとカルト的狂信で信じ込んだ少年団員たちは一切意に介さなかった。
「うおおおっ!」
斉藤団長は叫びながらダンテ伯爵に向かって突進した。ソードステッキの刃が地獄の業火に照らし出さ
れてギラリと光った。
ダンテ伯爵笑った。笑いながら黒マントをヒラリと翻すと軽やかに宙を舞った。そして硫黄の噴煙を噴
出する溶岩石の上を跳ね回って避けた。
「はははっ!斉藤団長よ!そんな程度の攻撃で私が倒せると思ったのかね!」
「く、くそ〜!」
斉藤団長は尚もダンテ伯爵に向かってゆく。
…それを後ろから渡辺少年は薄笑いを浮かべて眺めた。
(もうすぐだよ斉藤くん。ボクがキミ達のお弁当に密かに盛った睡眠薬が効いてくるのは…)
渡辺少年は斉藤団長が倒れるのを今か今かと待った。…そう、渡辺少年は裏切り者なのだ。
…美佐に対する歪んだ情欲をもち美佐のヌードを想像しながら毎晩のように覚えたてのオナニーに励ん
でいた渡辺少年のもとへある日、ダンテ伯爵が訪れた。
「…俺こと地獄の変態ダンテ伯爵に協力してくれれば、お前に愛しの美佐をくれてやろう…」
ダンテ伯爵は渡辺少年にそう申し出た。オナニー途中の勃起したペニスを右手で握りながら渡辺少年は悩んだ。
(…ダンテ伯爵はこの世を破滅させようと企む人類史上最高の極悪人だ。しかし、俺はどうしても美佐をこの
腕で抱きたい!…)
苦悶する渡辺少年を微笑みながら見下ろすダンテ伯爵。
「少年団を裏切り、俺こと地獄の変態ダンテ伯爵に協力すれば地獄の変態軍団に迎えてやる。そうすれば、この
世が崩壊した後の新世界において支配者の一員になれるぞ!」
ダンテ伯爵は渡辺少年に囁いた。このまま少年探偵団にいてもずっとうだつの上がらない生活を続けていかなけ
ればならない、そう渡辺少年は想像して絶望感を覚えた。
(…このままずっと虐げられる生活を続けるくらいなら、いっそのこと…)
そして渡辺少年は悪魔に魂を売ったのだった。
487 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:47:34
「…う、うぐっ!」
急に斉藤団長がよろめいた。
「ど、どうしたのダーリン!」
美佐は叫んだ。美佐の言った”ダーリン”という言葉に渡辺少年の嫉妬心が思わず疼いた。
(…これが成功すれば美佐を小林の野郎から奪い取れる…)
そう思うと耐えられた。そして回りのメンバー達と一緒に心配するフリを続けた。すると
周りのメンバー達も徐々に薬が回ってきたらしく、次々によろめき膝をついた。
(…やったぜ!…)
思わず渡辺少年は心の中で叫んだ。一瞬ダンテ伯爵の方を見た。ダンテ伯爵は良くやった、
という感じで笑い顔を浮かべている。渡辺少年は微笑み返した。
(そう、これで美佐は俺の女だ!)
少年団員のみんなが意識を失って倒れる中で、渡辺少年は喜びのあまり遂に声を出して笑い出した。
…美佐は暗い部屋の中で目を覚ました。床も壁も天井も重い巨石で作られた部屋だった。
(どこ、ここは?まさか私達、捕まって閉じ込められたのかしら…?)
美佐は思った。そして不安になった。周りのみんなが居ない!それに…
「斉藤君、どこ!どこにいるの!」
「…斉藤は死んだよ」
いきなり背後から声を掛けられた。驚いた美佐は反射的に向かい合う壁際まで飛び跳ねて逃げた。
そして声のする方に向き直った。
「誰!そこにいるのは誰よ!」
美佐は叫んだ。その声は恐怖に震え上ずっている。窓から差し込む地獄の月明かりが独房を照らし
出す。そしてその明かりの向こうにある部屋の四隅の暗がりになにやら人影が蠢くのを認めた。
「誰よ!出てきなさいよ!」
美佐は叫ぶ。すると今まで座っていたその人影はゆっくりと立ち上がった。そしてゆっくりとした
足取りで美佐のいる方へと歩みだす。そして窓の月明かりに照らされる独房の中央の辺りで立ち止
まった。…渡辺少年だった。
488 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:50:20
「わ、渡辺君じゃない。どうしてあなたがここに?…そ、それよりも斉藤君が死んだってどういう
ことよ!」
しかし渡辺少年はその質問に答えず無言だった。その顔にいやらしい笑顔を浮かべている。そして
血走った目が美佐の肉体を嘗め回すように動いた。
「…な、なによ渡辺君。ど、どうしたのよ。…な、なんのつもりなの?」
不審をおぼえた美佐は壁に背中がつくまで後ずさった。一方渡辺君は美佐の身体を無遠慮に見なが
らさらに歩みる。
そして今まで陰になって見えなかった渡辺少年の下半身が月明かりの中に現れた…その下半身は丸
裸で、股間から勃起したペニスが隆々と突き立っていた。
「ひっ!きゃあー!」
美佐は叫んだ。叫んで壁際にへたり込んでしまった。逃げようと尻込みしたが、狭い監獄のなかで
直ぐに逃げ場を失ってしまう。歩み寄る渡辺少年は遂に、美佐の手首を掴んだ。
「ほら、美佐ちゃん見てごらんよボクのちんちん。凄いでしょ」
渡辺少年は自分のペニスを右手で握ると、美佐の前に突き出すように向けた。驚きと恐怖のあまり
声も出せない美佐は、何とか視線を逸らそうとする。しかし渡辺少年は左手で美佐の横面を掴むと
強引に自分のペニスの方へ美佐の顔を向かせた。
「ボクねえ、美佐ちゃん。勉強も運動も苦手だし、みてくれもこんなで女の子にはさっぱり人気は
無いんだけど…少年団の仲間の中で一番おちんちんが大きかったんだよ、美佐ちゃん見てごらん?
…ほら、見るんだよっ!」
渡辺少年は怒鳴った。美佐は悲鳴を上げる。そして振り絞るように言った。
「き、気持ち悪いわっ!ち、近寄らないでよ変態!あ、あんたなんか斉藤君に比べたら全然よ!」
叫ぶ美佐の表情を見下ろしながら、渡辺少年は微笑んだ。そして静かな口調で言った。
「…だから、斉藤はもう死んだって言ったじゃん、美佐ちゃん。それよりも早くセックスしようよ。
多分斉藤団長より俺のちんこのほうがいいって思うようになるよ…」
489 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:54:40
そういうと渡辺少年は、嫌がる美佐に圧し掛かった。そして嫌がる美佐を体全体で押さえつ
けて上着を剥ぎ、スカートをまくった。抵抗して暴れる美佐の太ももが、渡辺少年の勃起し
たチンコに当たる。亀頭の表皮はそのたびに太ももの滑らかな肌の感触を感じ取った。…渡
辺少年は射精しそうなくらいの快感を覚えた。
(…遂に美佐とエッチが出来るぜ…)
渡辺少年は笑った。泣きながら抵抗する美佐を押さえつけながらゲラゲラ笑った。
渡辺少年は美佐の股間をまさぐった。すると思わぬ感触が指先に伝わった。…毛糸?まさか
美佐は毛糸のパンツを履いているのか!渡辺少年は思わず美佐の顔を見た。恥ずかしそうに
顔を赤らめ美佐は目を背ける。そして美佐は暴れて抵抗しながら履き捨てるように言った。
「…わ、私は冷え性なの!も、文句あるの!それより止めなさいっ!パパに言いつけるからね!」
しかし既に毛糸のパンツの真ん中はしっとりと濡れてきていた。渡辺少年はさらに指先を毛糸のパ
ンツの上からしごく。すると必死の閉じようとしていた美佐の両モモが一瞬痙攣するように強張り
同時に
「ああっ!」
と鋭い喘ぎ声を上げた。
「美佐ちゃん…感じてるんだね」
「そ、そんなわけないでしょ!ふ、ふざけないで!…あっあうっ!」
渡辺少年の指先が毛糸のパンツの裾から中へ入り、とても敏感な溝を撫でると思わず美佐は喘いだ。
そして見る見るうちに抵抗する力が弱まった。
「ほらやっぱり。美佐ちゃんて結構エッチなんだね。」
渡辺少年がそう言って笑うと、美佐は悔しそうに顔を横に背けた。
「…美佐ちゃん。ほら、これを握ってごらん?」
渡辺少年は抵抗を止めた美佐に言った。そして美佐の右手首を掴むと自分のペニスまで運び、少し
強引に手の平を開かせると自分の巨根を握らせた。
「…えっ?」
美佐は一瞬、虚を突かれたように身を強張らせた。そしてもう一度渡辺少年のペニスを握り返した。
「こ、こんなに…こんなに大きい…」
「だから言ったろ。俺のチンチンは少年団で一番でかかったって。…しかもこれが、これから美佐
ちゃんのモノになるんだよ」
美佐は背けていた顔を起こし、渡辺少年の股間をまじまじと見つめた。
490 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 05:56:05
(…信じられない!)
美佐は思った。密集する陰毛の中から、なにか別の生物であるかのような巨大な茎がそそり
立っていた。ちょっとした握りこぶしほどもある亀頭はパンパンに充血し、赤黒く鈍い光を
放っている。ゴツゴツと節くれだったパイプは、まるで古木の根のようだ。しかもその表面
にはグロテスクなほどに静脈が浮き上がり、渡辺少年が荒く息をするたびにビクンビクンと
脈打つ。そしてなおも怒張してゆくそれは握っている美佐の手に抗するように硬直して力ん
でゆく。…美佐は思わずその巨大な肉茎に魅入ってしまった。
「す、凄い…」
美佐は思わず生唾を飲み込んだ。そして思わず肉茎をギュッと力強く握ってしまった。
「そ、そんなに握ったら、もうガマンできなくなっちゃうよ美佐ちゃん」
渡辺少年が呻いた。美佐は思わず
「ご、ごめんなさい!」
と言って、掴んでいた右手を引っ込めた。
「美佐ちゃん。美佐ちゃんの大事なところも見せてよ。僕ばっかりでずるいよ…」
渡辺少年の言葉に促され、美佐は恥ずかしそうに両モモを広げた。既に毛糸のパンツは剥ぎ
取られ下半身は丸裸だ。渡辺少年の好奇の目線に戸惑いながらも、美佐は自分の秘部を晒した。
…生々しいピンク色の秘肉が月明かりの中に晒された。うっすらと生え揃った恥毛には彼女
自身の愛液が滴って、輝きを放っている。
「き、綺麗だよ美佐ちゃん。凄いよ!」
渡辺少年は興奮するように叫ぶと、むしゃぶりつくように美佐の秘肉に舌を這わせた。
「ああっ!」
美佐は身体を捩って喘いだ。渡辺少年の舌が美佐の溝をさらい、美佐の身体の奥から溢れ出る
熱い液を掬い取る。舌先のざらつく感触が美佐の敏感な粘膜を苛め、益々美佐を昂ぶらせた。
ジュルジュルと粘液質の音が監獄内に響き、それを美佐の喘ぎがそれを掻き消す。
491 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 06:11:28
渡辺少年の舌先が美佐の蜜壺の入り口辺りをなぞった。すでにグシュグシュに濡れた蜜壺は
さらに愛液を溢れさせて、遂には監獄の石床を濡らした。
「そろそろ良いかい?」
渡辺少年は美佐に言った。美佐は恥ずかしそうに顔を背けて目を瞑った。それを無言の了承
と理解した渡辺少年は、美佐の唇に自身の唇を重ね、一度微笑んだ。そして力なく両脚を広
げる美佐の腰を引き寄せると、一気に自身の巨根を美佐の蜜壺へ突入させた。
「ひ、ひぎいっ!」
挿入と同時に美佐は悲鳴を上げた。それと同時に背中を大きく逸らした。丸みを帯びた大きな
両乳房が重力に抗うように弾んだ。上向きの乳首が月明かりの中で渡辺少年の視界を過ぎる。
渡辺少年は美佐の子宮を思い切り突き上げながら、美佐のその乳首を口に含んだ。そしてそれ
を舌先で乱暴に転がす。
「ああっ!す、凄い、裂けちゃう!ああっ!」
美佐は狂ったように叫ぶ。そして渡辺少年に縋りついて自ら腰をグラインドさせた。渡辺少年
が奥深く突き進むほどに美佐の肉穴はギュウギュウ締め付けを増す。粘膜の熱い襞が渡辺少年
の巨根に絡みつき亀頭のカリの敏感な辺りをくすぐるように刺激した。
492 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/05(木) 06:12:11
「はあっ!凄いよ美佐ちゃん!…こ、こんなに凄いなんて思わなかったよ!」
渡辺少年は美佐の乳房をしゃぶりながら叫んだ。
腰を大きく振りかぶり、美佐の尻に向かって叩きつけるようにペニスを突き出す。床の上の美佐
はそのたびに甲高い叫びを上げる。…歓喜の叫びだった。何度目かの突き出しで美佐は絶頂に達
した。しかし渡辺少年はそれだけでは美佐を許さず、さらに敏感な粘膜を苛めた。
「ひぃっ!も、もう駄目ぇ!こ、壊れちゃうよっ!」
美佐は訴える。しかし同時に渡辺少年に抱きつくと両脚で渡辺少年の腰を締め付け、その巨根を
さらに奥へと誘う。滴る愛液、締め付ける括約筋、絡みつく蜜壺の襞、すでに子宮の奥壁にまで
到達した渡辺少年の亀頭は、さらにその奥壁さえも突き破ろうと暴れた。そしてそのころには渡
辺少年も限界だった。
「い、イクよ美佐ちゃん!もう、ボクも駄目だぁ…あうっ!」
一瞬渡辺少年は動きを止めた。そして前立腺のさらに奥辺りから、熱いモノが湧き上がるのを感
じた。尿道を伝ったそれは遂に尿道の先端から迸り、美佐の子宮の奥底に向かって思いっきり吐
き出された。
493 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:37:12
ドーラが見知らぬ女騎士の挑戦を受けてから、月が替わった。滑稽な顛末に終ったが、これ以上の
面倒事にはならないと見て、詮索もしないまま日々を送っていた。名家の息女であれば紋章院の名鑑
を調べればそういう名前の人物が実在するかまでは分かるが、それが件の女騎士かどうかまでは知り
様がない。手間を掛けてまで面倒を長引かせる事も無かろうと、捨て置くことにした。
いつもと変わらない日常の中で忘れ去ろうとしていた頃、ちょっとした事件が起こった。もっとも、
剣を交えるなどと物騒な話ではない。
494 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:38:13
ライオネル・フォン・カルミス中佐。ディルタイ無城公隷下親衛大隊第七中隊副隊長の任務に就く
守護家出身の騎士である。彼の上官である中隊長のカルティエ大佐ことドーラは、ライオネルが来る
十三夜月を迎える宵に婚約の儀を行うと聞いて、素直に驚いた。
ライオネルの年齢を考えれば遅すぎる位で、子供の一人や二人いてもおかしくない。ましてや彼は
守護家の家柄である。貴族と称して憚りのない家柄の嫡男に今まで縁談が舞い込まない筈も無かったが、
彼を良く知る者達は、彼の性格に原因があると踏んでいた。
早い話が変人なのである。理想に熱狂しやすい性質で、軍に入隊したのは貴族の義務として当然だと
本気で言い張る始末である。ドーラは、彼を副官として頼らなければならない事を、人生最大の不幸だと
神を呪った事さえあった。
扱い方を知った今でこそ、彼が副官として有能であるとは認めていたが、それ以外には道化の素質が
ある事ぐらいしか褒める処を思いつかない。顔は良いし、立ち振る舞いも颯爽としたものである。後は
奇矯な言動さえ無ければ、これ以上の副官を望むべくは無いと信じたであろう。
「それで、婚約の儀に私を招待したいという訳ね」
婚約の儀は、貴族同士の婚姻において行われる事実上の披露宴である。その後に教会で取仕切られる
婚姻の儀式は、双方の近親以外は何者もその場に立ち会う事を許されないので、第三者が見届けないの
をいい事に、一方的な婚約の破棄を通告する者もいた。その為に大々的に婚約を宣伝する事で、婚約を
事実婚としてしまおうとする思惑が背景にあった。婚約の破棄を何よりの恥として忌む貴族が生み出した
風習とも言える。確かに、貴族同士で結ばれた婚約が破棄されたと言う話は聞いたことが無いが、今度は
婚約にこぎつけるまでの苦労が大きくなったと言わていれる。
495 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:38:45
「初めての縁談だったので緊張しましたよ。さすがに最初で最後になるとは思いませんでしたがね」
ドーラはライオネルの言葉に耳を疑ったが、どうせ話も聞かずに逃げ回ってきたのだろうとすぐに
結論付けた。
ドーラにもすでに縁談の申し込みが幾らかある。軍務の多忙を盾にして退けてはいるが、母親が実に
熱心な攻勢を掛けてくる。時には中隊の内の誰かを縁談の相手として持ってきた事があった。同じ隊
ならいくら軍務があっても構わないだろうと考えたらしい。その時は母親相手に軍の秩序を守る苦労と
苦労について一晩かけて講義をさせられる羽目になった。散々喋らされた果てに、母親は突然卓に頭を
打ち付けてそのまま寝てしまった。同じ卓で家族は朝食を済ませ、各々の役務に出かけていった。ドーラが
帰宅した時には同じ場所で呆けていたので、一日中捨て置かれたらしかった。
「まあ招待を断る理由は無いわ。めでたい事でもあるしね」
「ありがとうございます。招待状は後日に」
ドーラの素っ気無い返事を聞くと、リオは足早に士官室を出て行った。どうやら、この部屋にいる
人物で招待を受けたのはドーラが最後だったらしい。ドーラが士官室に入った時に全員が居揃っていた
ので、他の者を先に済ませたのだろう。ああまで渡世に通じないといっそすがすがしい。
「招待状が別だって?どんな玉の輿にのったんだよあいつは」
扉が完全に閉まってから、シェーンが話題の口火を切った。
「確かに返事を聞いてから招待状を出すなんて仰々しいわね」
496 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:39:22
領主代ぐらいでもあれば、招待状を送る前に内々の意向を伺う事がある。名家同士の婚約の儀では
招待客も格式が高いので、祝宴もそれなりになる。招待客同士で険悪な関係の者がいれば宴会中で行き
会わないように配慮しなければならなかったり、婚約披露の段での席次も考えなければならない。低い
家柄でも高い役職についている者などもあるので、両家の裁量で決めかねる場合にはわざわざ王府まで
伺候する場合さえある。
「リオの事だ。浮かれて気取ってるだけだろ?」
ドーラが手の甲を振って応える。
「それはないわよ。見栄なんか張るほど気の利く奴じゃないわ」
「それもそうだな。案外、相手は本領主家の御令嬢だったりしてな」
「だとしたら、その本領主家は没落するわね。やっぱり顔かしら」
「だろうな。初対面の相手にだけは受けが良いんだ。花嫁も余程のうぶなんだぜ」
本人の居ない所で言い放題だが、もし居合わせればさらに悲惨になる。
『陰口と文句は一度で聞こえる様に言え。もちろん本人に面と向かってだ』
ドーラが着任してから最初の訓示である。以来、第七中隊の標語となって隊旗に刺繍されている。
やはり道化役が居なければ盛り上がらない。一通りこきおろした後は興も冷めて、筆が走る音と
時折紙がめくれる音だけが部屋に響いた。
497 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:39:55
数日後、ドーラが役務を終えて帰宅すると母親が待ち構えていた。また縁談の話かと思ったが、少し
様子が違った。無言のままドーラを引き連れて居間に入ると、そこに座れという。ドーラが座るか座ら
ないかの内に、母親は立ったままで話を始めた。
「今日ね、本領主家の御使いの方が訪ねて来られたのよ」
本領主家、という言葉を思いかけぬ所で聞いて、内心肝が冷えた。
「へえ。母さんはずいぶん顔が広いのね」
「馬鹿をおっしゃい。あなた宛の手紙を寄越してくださったのよ」
そういって母親は一通の封書を差し出した。金箔の蔓に緑青の葉をあしらった蔓紋に縁取られた封筒
には、開けられた跡は無かった。
「呼んで御覧なさい」
母親は沈痛な面持ちで言った。まるで、読んでいないのに内容を知っているかのようである。
ドーラは平静を保ちながら封を開けて書状を取り出すと、母親の目の前で通読した。
どうみても招待状である。婚姻の儀式に先立って催す祝宴に招待したい旨が形式通りの文面で書かれて
いる。花婿はリオだった。
「何でも、本領主家の娘さんが守護家に嫁入りするって話じゃない。その娘さんもあなたと同じ隊長さん
なんですってね」
ドーラが一通り読み終えたのを見計らって、母親が口を開いた。ドーラは、これから母親が何を言わんと
しているのかの大体を察した。女が隊長職に就いているからと言って結婚できないわけではない、あなたも
観念して縁談の事を真剣に考えなさい。そんな所である。
498 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:40:55
予想通りの説教が終わった頃には、もう寝るだけの時分になっていた。パン越しに手掴みにした
残り物の肉を齧りながら、ドーラは寝室にたどり着いた。
母親が封書の中身を知っていたのも何の事は無い、招待状を携えてきた使者が手紙を渡す際に中身と
同じ事を言ったのだ。使者の口が軽いといった話ではなく、祝宴を催す時の仕方である。
それにしても、とドーラは招待状を読み返してみた。リオが本領主家の花嫁を迎えるのは、今更どうでも
良かった。問題はその花嫁と仲人の名前である。
マリー・イザベル・フォン・リヒテンシュタイン。前の月にドーラをコリンヶ原に呼び出した差出人と
同じ名前である。しかも、母親の話では近衛隊の騎兵隊長だという。内密の用事で騎士のなりをして
領主代家の当主を供に連れて歩いてもおかしくはない。
そして仲人はガストラ・ルドー・フォン・カール。領主代家の当主である。
どうやら、リオがとんでもない婚礼を結んでくれたようだ。きっと本人は何も知らないのだから、性質が
悪い。
ドーラは考えるのを止めた。どうせその日になれば嫌でもマリーと引き合わされる事になるだろう。その
人物が件の騎士かどうか、その時には分かる。何しろ顔も隠していなかったのだから、見間違え様が無い。
招待状を机に放り出すと、軍服を脱いで寝巻きに着替えだした。
499 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:42:55
【韓国】アルゼンチンの英雄、マラドーナは韓国系だった。[10/13]
「神の手ゴール」「5人抜きゴール」…これらは86年のW杯メキシコ大会対英国戦でマラドーナが見
せたサッカー史に残るスーパーゴールである。そしてこのアルゼンチンの国民的英雄でありサッカー史
上最高の選手が、先ほど韓国系であることが判明した。
ソウル大人類学研究所、李日伯教授らの研究グループによると、マラドーナの父方のルーツを辿ると李
氏朝鮮の特使として派遣された朴同南特使に行き当たるという。朴同南は京畿道の地方農家の出身で苦
学の末に科挙試験に合格した苦労人である。そして日帝より100年早く近代化と欧米との交流を訴え
ていた人物だった。自身も英語やスペイン語などを習得し欧米諸国の情報の蒐集に務めた。
朝鮮通信士として徳川幕府に李氏朝鮮への臣下の礼を迫った朴同南はその後、フィリピンでスペイン人
ラウル ・パボンの知己を得、同時に欧米諸国の世界制覇の野望を知るに至る。そして朴は、欧米侵略に
対応するため南米諸国の独立支援及び国交樹立を目指すべきだと主張する。勅許を得た朴はインド洋経
由で大西洋を越え1886年、南米のモンテビデオに降り立つ。
「全ては植民地支配からの脱却のため」と主張した朴の主張は、モンロー宣言に沸き立つクリオーリョ
の心を奮い立たせ、独立運動に影響を与えた。その後朴は南米に留まり現地でイタリア系の女性を娶る。
そして彼の八代目の子孫に当たるのがマラドーナ氏だという。李日伯教授は、「東アジアで日帝よりも
早く欧州の事情を感得し、不当な植民地支配からの開放のために生涯を捧げた朴同南は日帝に蹂躙され
た朝鮮の近代史の中で異彩を放つ」と彼を高く評価し「朝鮮民族の優秀さを20世紀最高の祭典で見事
に体現した朴の子孫マラドーナ氏は朝鮮民族の不屈な精神を受け継いだ英雄だ」と強い口調で語った。
日帝の植民地支配を受け、激しく抵抗した朝鮮民族の苦難と、フォークランド紛争でイングランドに侵
略されながらも最高の舞台で最高のプレイをしたマラドーナ。朝鮮民族の気高き魂はこのような形で脈
々と受け継がれていたのだ。
(SouthEast Korea report/趙日明 報道部記者)
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news2/1167575403/
500 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:44:34
500
501 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/08(日) 21:49:44
ライオネル・フォン・カルミス中佐は乗馬ズボンを下ろして勃起したチンコを握った。
シコシコシコシコシコシコシコシコ!
シュッシュッシュッシュッシュッ!
マリー・イザベル・フォン・リヒテンシュタインのヴァギナはすでにヌレヌレだった。
「早くぅ〜!早く私をイジメテぇ〜!」
マリー・イザベル・フォン・リヒテンシュタインは自ら股間をまさぐりながら喘いだ。
502 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/09(月) 01:06:42
>501
エロネタは真面目に書けよ。
503 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/11(金) 18:42:53
ヲタのヲタによるヲタのための閉じた世界
それがファンタジー
何も発展はしない
実社会じゃ使えない無駄な知識を無駄に詰め込んで無駄に浪費している
とっとと社会に出ろ!
>>503 社会に出てますが何か?
ファンタジーの知識って実社会ではまじで使えない。
占星術ぐらい。使えるのは。
それも占いできる位に勉強したらって話だけど。
505 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/16(土) 18:09:05
エターなる晒しage
506 :
名無し物書き@推敲中?:2007/06/20(水) 01:35:02
ここはネタ提供のスレじゃなかったのか?
気持ちの悪いオタの家に
ある日突然家事万能の女神が現れ
一生尽くすことを約束
しかし女神は突然豹変
気持ち悪いヲタをピンヒールで踏みつけ薔薇ムチで引っ叩くと
「貴様みたいな気持ち悪い豚は一生奴隷だ、とっとと自分の糞をお食べ!」
そう怒鳴り、さらに両手両脚を電動ノコで切断。芋虫になったヲタを宙吊りにすると
ゲラゲラ笑いながらヲタの包茎ちんこをヤスリで削り始めた。
ヲタは泣きながら勃起し、そのまま何度も激しく射精する。
痛いからではない、気持ちが良かったからだ。
何度も何度も射精し、そのたびに女神様に罵倒されたヲタはいつしか意識を失った。
510 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/10(月) 20:46:51
511 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 00:49:11
あげ
512 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 07:34:53
あげ
513 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 09:47:54
地面とゴツゴツした岩のみからなる荒野が、ただひたすら続く。
空は蒼く、澄み渡っていて、鳥が上空を気持ち良さそうに飛んでいるのが見えた。
視野を戻した。
地平線を見たのは、生まれて初めてだと思う。
その場でぐるっと回ってみた。相変わらず荒野しか見えなかった。
思わず失笑した。頭がおかしくなったわけではなかった。いや、もしこの目に映る風景が幻覚の物だとしたら、頭がおかしくなっているのだろう。
「…果てしないな」
ボソッと呟いた。
別に、広大な荒野を縦断しよう等という大志を抱いたことはなかったはずだ。
道であると予想される、若干轍の様な物が残っている道を踏み締める。
もう、何時間歩いたことだろうか。
喉が渇く。腹も減る。足が痛い。疲れる。太陽が俺を照り焼きにするかのように、見つめている。
もう、倒れ伏したかった。
「……いや、だめだろこんなところで死んじゃ」
歩き続けなければ、死んでしまうような気がした。一刻も早く街を見つけなければならなかった。もうすぐ、体力の限界が近づいていた。
余計な体力の消耗を防ぐため、ただ黙々と歩く。
取り敢えず、現状を把握したかった。
少なくとも、俺は普通の高校生だったはずだ。こんなリアルドラクエをやるような特殊な人間ではない。
そのはずなのに、気付いたら荒野のど真ん中で突っ伏していたのだ。
確か、自室で明日の宿題をしていたはずだ。しかもまだやり終えてない。まずい。その宿題は現国の金杉から出されたものだ。忘れたら、命がない。
「…いや、この状況を説明すれば或は…」
すぐに撤回する。可哀相な人間と思われたくない。
「…やべえ。自分疲れてるな」
無駄な思考を破棄した。
ただ、自分の両足に全神経を集中させる。
取り敢えず、宿を探すことに脳内議会は議案を可決させた。
宿に着いてから、じっくり考えることにした。
状況を把握するための情報がほしかった。
514 :
本文2:2007/09/11(火) 11:53:03
領土北部に位置するコーカサス砂漠のど真ん中にコーカサス城が聳えていた。
砂漠最大のオアシスを懐に抱き、城下街も砂漠を渡る商人達の休憩所として栄えている。
コーカサス城の守将はラスカ・クルシス。文武共に優れた気高き女武将だ。
城の頂上にラスカは佇んでいた。
軍服を風に靡かせながら、鋭い眼光は砂漠の一点を凝視していた。
昨夜、部下から不審な光の柱が砂漠に現れたと、報告があった。ラスカは現れた方向を睨んでいる。
その表情は終始厳しいものだった。
コーカサス城を抱えるクルシス国は、大陸オリエントに存在する三国のうち、一番小さな国だ。その他に、最大国のディザイア国、ユナイ国が存在する。
クルシス国は北に天険ブリックス山脈、南東に大河クオークを抱えているため、敵国からの侵略は間逃れてきた。しかし、前の大戦でクオーク河のライン城、フロウ城をユナイ城に奪われたため、事態は緊迫していた。
そんな時の謎の光柱である。
ラスカは直感的にディザイアの侵略だと思った。
しかし、夜が明けても音沙汰が無い。
魔法による攻撃だとも考え、魔法障壁を展開させていたが、なにも起こらなかった。
515 :
本文3:2007/09/11(火) 11:54:18
朝になり、ラスカは斥候を砂漠に放った。
日が天上に達したが、指令室からの伝令が届いてないことから、まだ斥候は何も発見していなかった。
「唯の光だったらいいんだけど…油断は出来ないわ」
突然、屋上へと繋がる扉が勢いよく開け放たれた。
息を切らせた伝令が、勢いよく現れた。
「…ラスカ中将。報告が…あります」
ラスカは伝令の方を向く。
「なんだ?斥候からなにかあったか」
「光の正体はわからかったらしいのですが、少年が行き倒れていたと」
「行き倒れの少年?そんなの捨て置け。欲しいのは光の情報だ」
ラスカは落胆する。行き倒れの少年がいたなどと報告されたのだ。斥候の再教育が必要なのかと胃が痛くなってきたような表情をした。
「いえ、唯の少年ではありません。…見たことも無い服を着ているとのことです」
「見たことの無い服?その者の出身は?」
「気を失っている様で、現在こちらに運んでる様です。それと、荷物は何も持っていなかった様です」
「装備無しで砂漠にいたのか?」
はい、と伝令は返事をする。
ラスカはしばし考えた。今時装備無しで砂漠にいる者等聞いたことが無かったからだ。砂漠は野獣も多い。
「その者を牢にぶち込め。そしてありったけの情報を引き出せ。以上だ」
伝令は復唱した後、駆けていった。
ラスカは一人物思いに耽っていたが、踵を返して扉へと向かう。
面倒臭そうな表情をしながら、城内へと向かった。
516 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 14:22:23
長「取り敢えず、まずは落ち着こう」
長谷河芳樹が提案した。
人工的に中身を切り抜いたかのような、漆黒の岩肌で囲まれた部屋に一同はいた。
照明は部屋の中央にあるテーブルの上の蝋燭一本のみ。ひどく薄暗かった。
一同はテーブルを囲むようにして座っていた。
田「ここ…どこなのかな?」
田宮秋絵がか細い声を発する。
上「わからない。神絵の家で騒いでたら、気がついたらここにいた、位しかわかってないな」
上原和久が答える。
嶺「なんか、ゲームの様なところだね〜」
嶺岸真里絵が脳天気な声を出す。
栗「そうだね。いかにもな雰囲気が出てるよね」
栗山武が苦笑しながら答える。
神「ん〜そうだね、出口が見当たらないし」
神絵弘が岩壁をぐるっと見渡し、立ち上がって壁に向かって歩いていく。
霧「ちょっと、弘勝手にうごかないの」
霧嶺が諭したが、神絵は適当にあしらった。
神「すっごい滑らかだよ、この壁は。意図的に磨かないと、こんなに滑らかにはならないよ。この部屋は何かの儀式に使うんじゃないかな?」
指を壁に当て、つつつっと滑らしていった。
長「…出口が無いのはわかった。だが、入口も無いってことだよな。じゃあ、どうやって俺達はここに入ったんだ?」
部屋はほぼ正方形で、広さは約畳十二枚分ほど。小規模な儀式なら執り行うことが出来る。
全員が黙ってしまった。
神「ん?」
神絵が何かに反応する。
カチリと、微かだがはっきりとした音が響いた。
上「どうしたんだ、神絵」
神「いや、なんかボタンみたいな物があってさ、ちょっと触っただけなのに押しちゃったんだよね」
長「はあ?なにやってんだよおまえ。取り敢えず戻ってこい」
517 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 14:23:04
本文4です
518 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/11(火) 14:56:47
マイケル・ムアコックのエルリックを思わず、読み返してしまったよ
るんるん
520 :
本文5:2007/09/12(水) 10:04:54
神絵が振り向こうとした瞬間。
霧「弘!」
神絵がスイッチと言って押したものから光線が放たれ、神絵の体を貫通。壁の中央にあるスイッチから、テーブルの上を通過して反対側の壁へと光線は通過した。
神「……ん?」
光が当たっている胸の中心に手を当てる。そして、体をねじるようにして後ろを見た。
神「…なんだ?」
一歩、横へ移動する。光線は相変わらず反対側の壁を照らしていた。
栗「え?何…なんだこの光は」
嶺「…神絵君の体を…貫通したね」
各々が状況を飲み込もうとする。
霧「弘、大丈夫?」
霧嶺が心配そうに神絵の胸に手を当てる。穴は空いていないようだった。
上「お、おい。壁が…」
上原が光の当たっている壁を指差した。
光が当たっている壁の両面が、少しずつ変化し始める。その光は、光が当たっている部分から少しずつ図形を描くように、壁を這っていく。段々、そのスピードが速くなる。
光は魔法陣を壁全体に描こうとしている。一同はなにが起ころうとしているのかわからず、但うろたえるばかり。勿論、光が描き出そうとしている物を一同が知るよしも無い。
光は音も無く部屋の壁いっぱいに魔法陣を描ききった。魔法陣から発せられる光によって、先程とは打って変わって蛍光灯に照らされた部屋の様に明るくなっている。
光の線は最後にテーブルに集まり、テーブル全体を輝かせた。
長「終わった…のか?」
恐る恐る、状況を把握し始めた。
部屋の壁はライトアップされている。光が這っている場所以外はすべて黒。部屋に装飾具は一切無い。
521 :
本文6:2007/09/12(水) 10:06:42
テーブルが、音も立てずに少しずつ浮き上がる。
それにいち早く霧嶺が気付いた。
一同がテーブルを凝視した。
テーブルはお構いなしに、ゆっくりと上昇していく。やがて、神絵の目線の位置まで上昇した。テーブルの上の蝋燭は未だに燃え続けていた。
蝋燭が突然目を覆うほどの強烈な光を発した。
神「…っ。……なんだ?これ」
各々の前に、中に浮いた状態で魔法具が現れた。
嶺「すっごい、浮いてるよこれ」
栗「こっ、これはいよいよゲームらしく…」
長「…うわ〜。もう、何なんだよこれは。現状把握できね〜よ」
長谷河の前には二本の剣。二刀流専用の剣だ。上原の前には一刀流専用の剣。田宮、嶺岸、霧嶺の前には杖。栗山の前には弓。神絵の前には本。
各々、物珍しそうに眺めている。
田「…これ、取れってことかな」
怖ず怖ずと、田宮が目の前に浮遊する杖へと手を延ばす。箒でも握るかのように、すんなりと杖を掴んだ。ある程度の重さがあるのだろう。一瞬杖を落としそうになるが、ゆっくりと引き寄せた。
各々、目の前の物を握る。
神「…なんか、俺のハズレっぽいな…」
パラパラと本をめくりながら呟いた。
本には文字一つとして写っていなかった。漆黒の革で装丁された白紙の本と、一本のペンのみが神絵が手にした魔法具だ。
ゆっくりと、テーブルが下りていく。そして、ゆっくりと、スイッチがあった壁の真ん中に亀裂の様な光の筋が走り、ゆっくりと左右に開いていく。
テーブルが静かに床に降りたとき、なかったはずの出入口が姿を表した。
522 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/13(木) 14:19:38
あげ
523 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/13(木) 22:19:03
もう誰も書かないのか?
524 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/14(金) 14:57:47
あげ
525 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/15(土) 15:00:51
誰か書いてくれ
526 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/15(土) 18:09:43
↑
527 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/17(月) 16:01:42
あげ
528 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/19(水) 21:44:00
あげ
529 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/22(土) 22:21:42
あげ
530 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/22(土) 23:15:41
「剣と魔法」じゃないけど、デスノートネタでこんなのを考えた。
死神の世界では、五人の死神があるゲームを行うことにした。
それは、五人の死神がそれぞれ一冊のデスノートを持って人間の世界に行き、
自分たちがこれは、と思う人間にデスノートを渡して、
その中の誰が「世界の王」になるかを競うものである。
五人の死神が降り立ったのは、人間の歴史で第一次世界大戦と呼ばれる時代だった。
その中の一人「リューク」は、一人のドイツ人傷病兵にデスノートを渡してた。
彼の名は「アドルフ・ヒットラー」。後のドイツ第三帝国総統である。
・・・このネタで小説を書ける自信のある人は、このネタを使ってもかまいませんよ。
531 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/22(土) 23:17:57
「剣と魔法」じゃないけど、デスノートネタでこんなのを考えた。
死神の世界では、五人の死神があるゲームを行うことにした。
それは、五人の死神がそれぞれ一冊のデスノートを持って人間の世界に行き、
自分たちがこれは、と思う人間にデスノートを渡して、
その中の誰が「世界の王」になるかを競うものである。
五人の死神が降り立ったのは、人間の歴史で第一次世界大戦と呼ばれる時代だった。
その中の一人「リューク」は、一人のドイツ人傷病兵にデスノートを渡してた。
彼の名は「アドルフ・ヒットラー」。後のドイツ第三帝国総統である。
・・・このネタで小説を書ける自信のある人は、このネタを使ってもかまいませんよ。
532 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/23(日) 19:21:42
脅迫犯は警察に引き渡す
馬鹿ミラ、おまえは踊らせる
覚悟するんだな。慈悲は見せない
533 :
名無し物書き@推敲中?:2007/09/26(水) 12:16:40
534 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/04(木) 23:12:23
あげ
535 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/21(日) 15:25:46
あげ
536 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/23(火) 02:40:23
だから言っただろ?
537 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/20(火) 17:27:52
つーか誰か書き込もうよ
538 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/30(金) 00:07:07
あげようじゃないか
539 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/22(土) 19:44:16
「剣と魔法が出てくる小説なんてありきたりなんですよ」
喫茶店で出合い頭に言われるにしては、あまりにもひどい言葉。それは僕が
一番聞きたくないと思っていた言葉だった。
ライトノベルに出会って、作家になろうと決めた時から、僕は剣と魔法の世界に
憧れていた。主人公は剣の達人、仲間は魔法の使い手、そして狡賢い盗賊。
でも。小説は、ライトノベルは、売るために書かれる。同じ作風の作家は
二人も要らない。ましてや、何千人もの読み手が妄想する程度の、底の浅い
ファンタジーなど、掃いて捨てるほど応募されてくる。
需要と供給。神の見えざる手が、僕の人生の行く手を阻んでいた。
「だめ、ですかね」 「だめですね」
地の文を挟む暇もないくらいの鮮やかな即答だった。僕は人目も気にせず
天を見上げ、照明がまぶしかったのでついでに目もつぶった。現在がリアル系の
夢の延長であると思い込みたい。
「そこでオーバーリアクションしつつリアル系の夢の延長だと思い込もうと
しても、だめなものはだめです」
彼の言葉で我に返った僕は、そうですか、と言った。僕の夢は叶わなかった。
ならば、もうこんな世界に未練など無い。壊してしまおう。
僕はぐいと右腕を突き出し、早口で『火球』の呪文の詠唱を開始した。店内の
空気圧が目に見えて変化し、グラスの水が沸騰し、全ての客が違和感に
振り返る。だが、もう遅い。僕の魔力は解き放たれ、喫茶店は一瞬にして
火炎と爆風に包まれ――なかった。
「だから、見飽きてるんですよ。『火球』の呪文なんて」
僕の小説をレビューしてくれた彼は、僕のちょっとした悪ふざけを、無言で
打ち消してしまっていた。あまりにも完璧な対抗呪文すぎて、もはやぐうの
音も出ない。
「おとなしく諦めて、あなたの才能を生かせる仕事につくことですよ」
はぁ。僕が相談しに行くといつもこれだ。やっぱり、最初から無理な話なんだろうか。
本物の魔法使いの僕が、ファンタジー小説家としてデビューするなんて。
540 :
のり:2007/12/23(日) 20:04:36
こんにちは、のりです。中学2年生です。これから、よろしくお願います。
541 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/03(土) 10:31:00
ふんたろぴれ
542 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/03(土) 12:42:40
こんにちわw
借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi
借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi
借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi
借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi 借金まみれのブ男Hi
543 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/03(土) 13:18:55
>>539 そんな魔法の使い手だったら、作家なんかになる必要ないだろ。
セロみたいにマジシャンにでもなってテレビで稼げよ。w
>>543 ふつう、作家しかできないから作家になるわけじゃないけどなw
作家になりたいから作家になるんだけどなw
マジレスしていいか?
俺さぁ…全くこの話を書いてるんだが!
やっぱ今時、剣と魔法のファンタジーなんざ相手にされんのかな…。
マジレス――つうか、何を言ってるのかサッパリわからん。
547 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/08(木) 00:05:32
このスレ見てると悲しくなるのは私だけか。
548 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/08(木) 00:32:22
スレタイにある「剣と魔法」(Sword and Sorcery)って
フリッツライバーが言い始めたジャンルの括りなんだが
このスレの住人の殆どは「凶運の都ランクマー」とか読んだ事ないんだろうな。
有名どころのコナンやゾンガーでさえ読んでない奴多そうだし
読んで損はない、だが読むのが必須なわけでもない。
ぶっちゃけどうでもいい。
拳と魔法の俺が通りますよ〜
>>550 お。同じだ。
アクション重視にもできて良いよね。
まあ、俺のはハガレンのパクリっていうか・・・
出てくる魔法使い、ほとんどアームストロング(弟)みたいなのばっかだけど・・・
>>107はイライラさせられるけど、悪さしてるわけじゃなかろうに
こっちから迷惑行為なんてするなよ
誤爆った
554 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/14(水) 21:32:01
555 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/15(木) 23:12:18
今のチベット問題をモデルにさー、ファンタジー小説とか
RPGみたいなのできそうじゃね?
帝国(中国)が力を増してって、
主人公の国(日本)の国王か大臣(チンパン)は
帝国の人間がすり変わってて、水面下で日本を乗っ取ろうとしてて
いつもお祈り(セーブ)に行ってる教会(草加)は
じつは帝国とつながってたとか。
で、コトの発端は、ローレシアに助けを求めに来た
ムーンブルクの兵士=チベットの僧侶
=(聖火リレーで逮捕されたタシイさん?)とかそんな感じで。
ベタだけど面白いのできそうじゃね?
剣と魔法をどこで出すの?
557 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/15(木) 23:21:34
あ、そんでさヒロインは帝国(中国娘)の人間なの。
記憶とか失っちゃってる系で。
中国人と日本人が外見上似てるのと同じで、ヒロインも
主人公達と同じ髪の色だったりしてわかんないんだけど
物語が進むと記憶が戻って、じつは帝国の人間だって分かる。
で、帝国の洗脳もあって主人公達と別れるんだけど、
最後は洗脳も解けて主人公達の所に戻ってくるとかさ。
558 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/15(木) 23:25:12
>>556 えーと、敵は帝国がつくり出したモンスターとか
洗脳された帝国の兵士(中国人留学生)で、
それと戦う時に魔法とか剣つかえばいんじゃね?
国の名前とか全部ファンタジーっぽく変えてさ。
せっかくだから五輪もなんか取り入れたら面白そうだけど。
559 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/15(木) 23:44:01
でさ、でさ、しつこくてごめん。
蒼龍=風=ミャンマーのサイクロン
白虎=地=四川の地震
玄武=水=名前忘れたけど地震でやばくなったダムが決壊
とかそんな感じで、もう神様も怒ってるよっていう。
なんかまとまりそうでまとまらんわ。
なるほど。
帝国対通商連合の覇権争いによる宇宙戦争に、
ついには神まで巻き込まれてしまうんですね?
了解です。
そこでライトセーバーやフォースという、
剣と魔法ですか?
素晴らしいです。拍手喝采に違いありません。
561 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/16(金) 01:00:47
あーまた浮かんだわ。
帝国がモンスター作ってるって言ったけど
そうじゃなく、モンスターは環境汚染の副産物なのよ
だから四聖獣が怒るのにつながってて。
で、環境汚染は帝国だけじゃないから他の国にも
モンスターはもちろん出るけど弱い。
環境汚染の強い帝国(ラストステージ)はモンスターも強い。
と。
で、俺もしや暴走してる?
とりあえず寝るわ。
そして寝てる間にパクられて大ヒットして
のそのそと起きてきた
>>561が凹むんですね
563 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/16(金) 01:09:31
あーいいよ俺文才ないし。
上手くまとめてくれる誰かがいれば嬉しいや
じゃ、ほんとに寝るわ。
おやすみのし
>>561 環境汚染の副産物で現われたモンスター
環境汚染に怒り心頭で災害を起こす四聖獣
それだと四聖獣の怒りをおさめるる事がメインになりそうだな。
まあ、倒す事になるでもいいが、そうしないと災害は静まらない。
ただ、そのパターンはゲームや小説で使い古されている。
四聖獣と関連づけてる時点で、どっかで聞いた設定でしかないぞ。
565 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/16(金) 02:30:35
腹が減るわ目が冴えるわで眠れませーん。
>>564 いや、あくまでもメイン目的は打倒帝国(中国民主化)で
四聖獣については、天災の前に人は無力なのとおなじで、
しずめる事も味方にして何する訳でもないっていう。
ただ四聖獣もちょっとは人に警告くらいしないと出す意味ないし、
環境破壊しまくって調子乗りすぎじゃね?とか言わせてさ。
で、その天災で物語は「転」を迎える。
天災の混乱に乗じて帝国に侵入するとか仲間が死ぬとか、そんな感じ。
天安門事件も入れたら、帝国での協力者も出て来そうじゃね?
過去に革命が失敗(天安門)したが、
生き残りのレジスタンスがいて主人公を助ける、と。
レジスタンスのリーダーはヒロインの父とかいいかも(ベタだな)
ネタを考えたところでどうせベタなのしか浮かばないんだったら
黙っておとなしく文章力や構成力を勉強したりたくさん本を読んだりして
地力を鍛えた方がいいんジャマイカ。
なんて空気読まないマジレスでした。
KY上等!
>>564 の言う通り。四聖獣がメインになりそう。
そうなると敵が多すぎて話が見えん。
四聖獣なんて出さなくても良いだろ。
国家転覆とかいう現実味の大きい話に神を交えちゃアウトだと俺は思う。
568 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/17(土) 02:05:44
そうか、つめこみすぎもアレだよな。
四聖獣はナシで、ただの天災にした方が良いか
ベタなのは、今まさに世界で起こってる出来事が元だから
あえてベタな設定で良いかなと思ったんだよね
むしろ逆にこんなベタに当てはまるような事が
起こってる世の中が、笑えるんだけどw
汚染で現われたモンスターを倒すのか
帝国を倒すのか、四聖獣を倒すのかと3つの難関がある。
ゲームなんかだと、汚染モンスター編→四聖獣編→帝国編と
いいぐあいにフローチャートを組めそうだが、まあ
個人で小説なら、なんか捻るか減らすかじゃないと懐広げすぎな感じか。
ベタはベタでもいいとは思うけども。
問題は必ず解決しなくても(できなくても)良いんじゃないかなあ。
ナウシカだって腐海をなくそうとか蟲を倒そうとしてないし
ナウシカの場合は、自己犠牲の上に民を救うってのがテーマだし。まあ、漫画は知らんが。
解決する必要はないけど、テーマ次第だよね。
汚染されて、汚染自体をどうにかするのではなくて、汚染大陸の中でで出来る行動がテーマ
ならいいと思う。
ただ、それだとやはり、四聖獣の存在がネックになってくるなあ。
>>569の書いてるとおりだな。
3つの難関を一気に出してしまうのはな…話がややこしいな。
それと天災に乗じて侵略するというのはダメだと思うのは俺だけか?
逆に帝国に天災を仕掛けられて(地震発生装置かなんかで)、
侵略されたところから仕返すなら納得できるが。
自国で地震が起きても民を助けない帝国、
→それを見て洗脳が解ける帝国の人達
とかで天災利用は?(使うなら物語終盤か)
実際そうじゃん、中国もww
>>573 >>572のように地震発生装置を使っていた設定なら、帝国を倒す事で災害は治まり大団円だが
洗脳が解けて帝国を倒すだけだと、結局は災害自体はどうにもならない。
単に怠慢な国を立て直すだけの話しになって、災害自体は蛇足にしかすぎなくなる。
だから帝国と災害の間に何か関連性を持たせるなどして、
災害を治める→悪い帝国の心が変る。
帝国を倒す→災害が治まる。
などがいいって事にはなる。一例ではあるけど。
そんな直接的な感情をぶつけるようになったらファンタジーはウンコになるな
576 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/25(日) 13:35:57
577 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/10(木) 13:48:57
シナー なんかねたにー なりそうー
578 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/02(土) 09:39:43
あ
579 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/02(土) 10:19:37
ここ見る文にはためになるわぁ
580 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/02(土) 11:50:25
世界に五つの本がある。その本を手にした者は強力な力を手に入れるという。
本の表紙には、色と巻数のみが記載されている。赤、青、黄、緑、黒。
赤は炎の力を。青は水の力を。黄は大地の力を。緑は風の力を。黒は闇の力を。
本にはルールがある。読んでから一年以内にすべての本を集めなければ、この世に
存在していなかった事にされる。主人公は涙を流しながらその本を手にしていた。
何故泣いていたのか、何故本を持っていたのかはわからない。大事な人が主人公の目の前で
消えたのだが、いなかったことになり主人公は思い出せない。そして主人公は本を読んでしまう。
そこから物語は始まる。
581 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/02(土) 22:00:25
>>580 なんというどうでもいい話だ、あらすじから読む気失くす。
>>580 強大な力を手に入れて大事な人を取り戻すんですね。わかります。
僕は本を持っていた 青色の革をした美しい本
一年前から持っていた とても重くて分厚かった
滑らかで冷たい感じ まるで初めて持った様な
不思議な手触りに驚いて 僕は本を取り落とした
ある時から旅を始めた 青色の本を手に入れてから
一人でずっと歩いてきた 色んな町を訪れた
覚悟はしてきた筈さ 時間は一年しかないのだと
でも僕は消えていない なのに何か失った気がする
記憶の中で何かが無い 僕には出来ないことを僕がした
触るなと手を打たれたあの日 誰が僕の手を叩いた?
どうしてこの本が怖いんだろう?
僕は今誰かを知った 青色の本を手に入れたからだ
一年前から歩いてきた とても辛くて楽しかった
切なくて優しい感じ まるで初めて会った様な
奇麗な思い出が懐かしくて 僕の目から涙が零れた
この時から旅を始めた 青色の本を手に入れてから
二人でずっと歩いてきた 色んな町を訪れた
誰も知る人はいない 君の天使はそこさとからかわれた
でも僕は知っているよ なのに何も思い出せない
世界の中で誰かがいない 青色の本が僕から奪った
眩しくて目に焼きつく背中 誰が僕の目を奪った?
どうしてこの僕が憎いんだろう?
四色の色 忌まわしい青色の友連れ
ひどく美しい虹 薄汚れたケープには及ばない
黒い本の男がいた 僕の両肩を抱きしめて言った
俺も誰かを忘れている気がしていたんだ
狂っちまったのだと 独りが堪えちまったのだと
顔も知らない親友を見捨てた罪悪感に堪えかねて
旅をやめちまったのだと 嗚咽交じりにやっと呻いた
有難う 僕もです 別れた跡を訃せが追った
僕は今全てを知った 青色の本だけをずっと見てた
一年前から傍で見てた とても辛くて楽しかった
本になってしまったけれど ずっとあなたの傍にいれた
これより主上は世界の王 望み給うは世界の定め
僕は今全てを失った 青色の本を手に入れたからだ
果てない前から狂っている 宝物のふりをした猛毒
お前が最も忌み嫌う 相応しい仕方で滅べ
神殿の全ては霧となり消え 大地は花と花であふれた
僕は本を持っていた 青色の革をした美しい本
ずっと前から持っていた とても重くて分厚かった
滑らかで冷たい感じ 開いてみると白紙だった
不思議な手触りに驚いて 僕の目から涙が零れた
ここではヒロイックファンタジー(剣と魔法)小説を真剣に書いていいのだろうか?
私は中世系の英雄物語が好きなんだが
586 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/25(土) 15:06:13
あ
このスレ定期的に保守されるNE!
588 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/03(月) 21:31:38
俺の書いた物が設定で『ゼロの使い魔』と被っているものだとずーっと思っていた
最近になって、実際に読んでみて思った
ゼロ魔の魔法設定ってほぼ皆無じゃんwww
火系の魔法ファイヤーボール
これしか見当たらん罠w
ひょっとすると、設定でも内容でも『ゼロ魔』は上回れるかもしれん
589 :
おたっきー:2008/11/06(木) 21:19:07
暇なんで脳内に浮かんだ物語をカキコします。時間が有れば読んでやって下さい。
あらすじ
物語は主人公の乗っていた飛行機が墜落するところから始まる。
その事故の影響で彼は、異世界に迷い込んでしまう。
そして彼は、自分に今迄なかった能力が身についているのに気が付く。
自分のイメージした物が具象化できるようになっているのだ。
その能力を使いもとの世界に戻ろうと眼前に立ちふさがるモンスターを
倒し奮闘する。
590 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/06(木) 21:31:26
普通と逆に考えるんだ。
仲間のパーティーと魔法使いを倒すたびの途中、
勇者は姑息な罠に陥り、時空の隙間に飲み込まれてしまうんだ。
すなわち歴史も時代も違う平行した異世界だ。
そして地面に投げ出されてなんとか起き上がった勇者の目の前に
機械の化け物が突進してくる。
「うぁぁぁああああ!!!!」
キキー!!!!
「バッキャロー!!轢き殺されてぇのか?!!」
トラックの運ちゃんがどなりちらして走り去っていった。
このプロットの出だしをやるから続きを書け。
591 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/06(木) 21:32:31
さすがに 剣と魔法ものの時代は そろそろ終わるだろうよ
いつまで現在を追ってるんだか
古いよ
592 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/06(木) 23:07:22
>剣と魔法ものの時代は そろそろ終わる
終わると思われる物こそ再評価される
そして、新たな時代を作る
剣と魔法なんて大昔から書かれてきたジャンルだぜ?
そのままつぶれたものも 一山あるけどな!
594 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 14:46:50
たぶん
ふむ。
DWJ ふむ
沼の人
599 :
名無し物書き@推敲中?:2009/07/22(水) 15:06:18
妖淫鎧
なんだかきになる
600 :
名無し物書き@推敲中?:2010/02/04(木) 11:46:51
しまった
そして
テンプレとアイデアの境目ってなんだろう