あなたの文章、無理して誉めます

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259名無し物書き@推敲中?
あたしははっとして、一番下の引き出しをあさった。
塾のプリントと混ざって、そこに確かにある見慣れたピンク。
忘れたいなんて嘘だった。こんなにもまだ、残っている。
アユが後ろから歩みより、引出しを覗き込んだ。
そこには自分の思いや感情が何一つとして書かれていない、
ただ「新川へ」と書いただけで止めてしまった手紙の山。
アユはもう何も言わず、後ろから手を伸ばして引出しを閉めベッドに戻った。
きっと呆れてるんだろう。
部屋中に二月の風が吹き流れて、
アユがだるそうにメールを打つキーの音だけが響く。

そうだ。
明日、ニイカワに会いに行こう。