またお前は騙されたわけだが

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276名無し物書き@推敲中?
俺の学生時代のあだ名は『電波』。そしてあの娘は俺の彼女の山口さんだ。出会った瞬間、俺が名づけた。
まだ一度も言葉を交わしたことはない。しかし俺は毎日のように精子を彼女にかけてやる。
彼女もテレパシーかサイコキネシスか何かでそれを感じ取ってるに違いない。ハァハァ。
そういうわけで俺はいつものように彼女の後をつけてホイホイ、公園のトイレにやってきたのである。
「おい山田!」
誰かに話しかけられた。
しかし誰が話しかけるであろうか。
俺に友達なんていたっけ?
まぁいい、振り向けば答が見えてくる。
「ぉぉ」
見知らぬ男がいる。誰だコイツ。
「あのどなたさまですか?」
「あぁ忘れたのか俺のこと?」
ガッ。 殴られた。痛い。ジンジン。痛い。泣きたい。目元は涙が浮かぶ。
男なら泣くな―。泣いてたまるか―。グッとこらえる。
「俺だよ。俺、山根だよ! 忘れたのかよ。あんなに愛し合ったのに!」
何だよそれ―。
「ちょっと来い!」
手をひかれトイレにホイホイつれこまれる。
何がどうなったのだろう。俺の名前は山田ではないし。そもそもこんな男知らない。
男は俺の目をジっと見る。
男の体つきはたいしたことなかったが殴打の恐怖であろうか、体が竦む。
男はズボンとパンツをつかみ同時におろす。男は股の間には恐怖の片鱗が元気に起立している。
『思い出させてやるよ!』
そう言うと俺のズボンとパンツをつかみおろす。
ズボンのボタンが飛び散る。
ズシ。  ズシ。   ズン!      ギッ  ギッ   痛ッ!ズン。ズン。ズン。ズン。ズン。 『アーッ!』
まるで俺の声ではないかのようなか弱き絶叫がトイレに響きわたる。
男は満足したようで俺に撫でた声で喋りかける。
『思い出してくれたかい?』
277名無し物書き@推敲中?:2007/02/03(土) 20:36:27
「いいえ・・・・」
思い出せるハズなどない。こんな男、知らない。
『やれやれ困ったちゃんだな。いつもあんなプレイしてんのに、この前なんか俺にメイド服着せながら滅茶苦茶にしやがったくせに忘れたのかい? スクール水着着せられた時はどうしようかと思っちまったぜ!まぁアレはアレでいいもんだな。ワッハッハ!』
・・・・。男の話を聞くたびに妙な感覚を覚える。何かがひっかっかる。
『俺の名前は山根だぜ?いつも山口って間違って呼んでるだろ?だから今日は分からなかったのか。アッハッハ!そうかそうか!』
妙な感覚の正体がつかめた。山口、彼女の名前である。
そうか―。俺のテレパシーは彼女に伝わらずこの男に間違って届いていのか。
そしてこの男は俺の愛を受け止めてここまで。こんな強引にッ!
男と目があった。照れ屋なのかスッっと目を背ける。かわいい奴じゃないか。
男のおでこにチュッとキスマークをつけてやった。
「これでおあいこな!」
男は照れ笑いをしている。あの強引さもこの恥ずかしがりやな性格の裏返しなのかもしれない。
『なぁ兄貴って呼んでいいかい?』
男が提案をする。俺はそれを承諾する。ふふっっと微笑み合う俺と男。
『ちょっと。何やってるのよ!』
トイレで愛し合う俺たちを呼び止めるように女が乱入してきた。バシッ。女が俺の頬を叩く。
山口である。俺の彼女だ。いや元彼女だ。今の俺にはこんな素晴らしい彼氏がいるではないか。そうだろ山根くん!
「もう馬鹿! いつもあんなプレイやこんなプレイさせてるくせに、何でこんな男作っちゃうの! この浮気者!」
どうやら彼女にも俺の愛が届いていたらしい。
もう一度俺の頬を叩こうとする彼女、しかしその手をガシッっと俺の彼氏が止める。
『俺の兄貴に何しとんだ』
そこに、さっきまでの可愛い笑顔の彼はいなかった。
いたのは――俺のケツの純潔を奪った、愛の戦士山根である。
『待ちなさい』
そこに割ってはいったのは謎の老人。
老人は俺たちは選ばれた戦士でガーゴイルを倒すべく魔界にむかう運命にあると揶揄す。
かくして俺たち三人は魔界に向かう。
魔界には12人のガーゴイルの使途等山ほどいたが三人の力で乗り越えた。
ガーゴイルを倒した俺たち三人は友情や恋愛感情を超えた何かを手に入れた。言葉にできない何かを―。