僕達はみんなそろって外に出た。外にはDQNが監視の為に
椅子に座っていたのでそれからちょっと離れた地べたに腰を
かけた。鈴木さんどうなってるんだろうなぁ なんて思いながら
地面に生えた草をなにげなく手で抜きながら考えていた。
鈴木と女がいるその小屋は、かなり古い木造建築で、掘っ立て
小屋と言ってもいいようなものだった。1つ窓が付いていてあとは
ドアが1つあるだけだ。その窓はちょうど僕からやや見えない位置に
ついていて、しかも鉄格子も備え付けられているから中からも外からも出入り
しようがない。
僕は中をのぞいてみたいという好奇心からかわからないが、無意識に
そっちの窓のある方に歩いていった。一歩一歩慎重に音が出ないように
足を進めた。すると黒い服を着た男が
窓のところにいた。一瞬男が何をしているのかわからなかった。
そこの場所は人がいる様な場所でなくしかも監視のDQNは普段から1人で
あと一人、人がいる事なんてまずなかったからだ。
窓の縁に手をつき屈んだ様な格好で窓の中をその男は覗いていた。
僕がたちどまってみているのに気づいたのか、男はこちらをパッと
振り返った。小柄でサングラスをしていて上下黒のスーツだった。
「た・・田代さん」