この三語で書け! 即興文ものスレ 第十六期

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 眩い稲光が俺のバイクに直撃したあの日から、俺は変わった。
今の俺は、正義を挫き悪を助けるダーティーヒーロー・雲隠。半分ヤケだ。
 バイクは高いのでそうそう買えない。かといって、働いて収入を得る気もしない。
なので、今日もチャリで通園途中の子供達の群れを襲おう。強襲だ。
 鈴をガチャゴチャ鳴らしまくってガキどもを追う。奴等の泣き叫ぶ声が心地いい。
悦に入っていると、首に衝撃。ラリアットを喰らった。頭から思い切り地面に叩きつけられ、
俺は意識を失った。誰だ、誰が俺にこのような狼藉を……。
 目を覚ますと、深い森の中にいた。目の前には、生まれてすぐに生き別れた母。
間違いない、写真で見たあの女。事故で死んだ親父が美人だったと言っていた――。
「○○――信じなさい、物事を綺麗な眼で見るのです」
「お…母さん、無理だ、俺はあの日からもう何も……何も信じたくない、られない」
「そう……つらかったのね。なら、そこまで無理は言いません。だけど、これだけは誓って。
次に目に映った人だけは信じて、信じて、信じ抜いて。約束ですよ――」
 目を覚ますと、青い空が目の前に広がった。そしてすぐに、女の顔が広がった。
「大丈夫!? でも、あんたが悪いのよ。子供達にいたずらしたりするから……」
 引率している保母か。この女を信じぬけというのか、母よ。
「……よろしく」
「はぁ?」
 とりあえず、信じてみよう。

「祖先」「振興」「乱戦」