【名言・格言・箴言・諺・台詞】二言目

このエントリーをはてなブックマークに追加
171名無し物書き@推敲中?
 その身において、ソレが全て。至る限界は、各々の持つ身体的な限界に等しい。つまり、カラダ/存在を有するだけで限界を持つ事になる。
 即ち、有限であるゆえの、限界の有限。
 世界とは、自分の体を通して己に取り込む情報によってのみ確立される、自己認知の限界である。
 
 ならば、体を持たなければどうなるだろう。
 ―― 「無」である存在。

 肉体は、死ねばそこで終わりだし、精神もそこでついえるだろう。
 それは、儚い夢にも似ている。
 一夜限りの舞台。糸を付けられて踊らされている事にさえ気付かなければ、永遠に信じていたであろう夢。
 しかし、夢であるからして、いつかは覚めてしまう。
 目が覚めてしまえば、昨日の夢のことを思い出すことは無い。余程色濃い夢で無いならばの話だが。

 記憶は、時とともに磨耗し、完璧な「無」に向かって疾走する。
 そいつが生きたという記憶、そいつが居たという記憶、そいつは誰だったのかという記憶。そして、自分は誰だったかという記憶。

 しかし、記録は永遠に消えない。
 限りなく「無」に近づくが、決してゼロになる事はない。
 たった一夜限りの夢だとしても、その夢の中では、ソレがジブンの生きた世界である事には変わりは無いのだから――


[Magic Drive]  ブレイキング・マインド より