今回の芥川賞について、小説家志望はどう思うの?

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354名無し物書き@推敲中?
>>352
↓かな? 他板から拾ってきた。

「変化したのは受け手側」
19〜20歳の女性作家が三人同時にノミネート、そして金原・綿矢両氏の同時受賞が決まった。芥川賞の長い歴史の中でも
はじめてのケースだったから、メディアが浮き足立つのも無理はない。だけど、先に言っておこう。これをもって「話題づく
り先行だ」と眉をひそめた人も「文学の水準が下がった証拠」と嘆いた人も差別的な偏見にとらわれている。三十代の男性作
家が三人同時にノミネート(なんてことは過去にいくらでもあった)だったら堅実な選択だとでも思った? それは「文学は
大人/男子の専有物」と思い込んでる証拠でしょう。だいたい女性作家の活躍は、昨日今日、突然はじまったわけではない。
八十年代に林真理子、・・・・・・(女流作家羅列・略)・・・・・・といった経緯をみれば、現在の文学界はすでに女性作家でもってい
るといってもいいほどだ。ここ数年、大きな文学賞の受賞者に女性が目立つとしたら「優秀な女性作家が増えた」のではなく
「彼女達の作品を理解する(誤解や幻想がまじっているにしても)中高年の文学者が増えた」からだと私は思う。十代〜二十
代前半でデビューし、いまも第一線に立つ女性作家は少なくない。かつての芥川賞にはそれを評価するセンスがなかっただけ
の話。変化したのは受け入れる側。今回の結果もその意味ではごく自然な流れ。「若い/女子」だからといって甘くみちゃだ
めです。

朝日新聞 平成16年1月16日 文芸評論家 斉藤美奈子