軽い気持ちで読み進んでいって結構びっくりしてるんだけど。
三人称一元って、内面描写が可能な対象をひとりに固定することなんじゃないの?
地の文での説明を神の視点とか言ってて正直驚いた。
神の視点ってひとつのパラグラフの中に、ふたり以上の内面描写があることを
指すと思うんだが。(この辺、俺が間違ってたらスマソ)
三人称で、微動だにせずカメラ固定して、地の文でもカメラ向けられたひとりの
認知していることしか書けないって、それじゃ三人称の意味ないよ。
もちろん意味もなくカメラの撮影対象がフラフラする文なんか読みたくないけど。
あと、一段落中にふたり以上の内面描写ってほんとに必要?
必要ならよほどの小説だけど、たいがいは描写で何とかできると思うよ。
神の視点。っていうのはそもそもはベンヤミンとかサルトルとかが使っていたようだけど、
要するに作者の視点を指しているんです。
バーミンガム大学で教鞭をとっていたデイヴィッド・ロッジは「神のような高みからすべてを
見渡す全知の視点」とも言っています。
更に彼は「小説において語り手の視点を誰に設定するかがなぜ重要なのかと言えば、その設定が
作品に対する読者の感情的、倫理的反応を根本的に左右してしまうからである」と教えているわけですよ。
『ライ麦畑』がもしホールデン少年の視点から語られなかったとしたら、あれほど読者の共感は呼ばなかっただろう。
と。そういうことを考えてみるのが重要なんであって、そこから離れて文法的にどうのこうの
と言うだけでは本質から離れた世迷言でしかないと思いますよ。
読者の心を掴むための視点の重要性なんですから。
>>630 に同意。
>>628 前半の文意は同意だけど、「本当に必要」かどうかは小説の表現法を語る上で
必要ないと思った。
632 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/12(日) 23:51:11
エロは定まってない事が多々有る
633 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/19(日) 15:11:20
フランスの名作文学とか普通にころころ変わるんだがw
634 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/19(日) 16:26:18
問題は、混乱するほど視点の変化がないのにもかかわらず、
評価基準として採用されている所。
作者も「安全パイ」として一人称視点を採用する所。
まさに減点主義日本万歳。
635 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/17(水) 18:08:38
定まっていないと読んでて気持ち悪いんだが……
636 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/18(木) 23:40:37
読んでいて気持ち悪くなるのは、視点というよりただ文章が肌に合わないだけでは
637 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/13(日) 10:25:00
age
確かに視点が変わると違和感があるのは否めない。
だがそれはあくまでも一意見であり、誰かがそう言ったから、そうしたからと言ってそれに従う義務も義理も無い。
結局は読む人の自由なのだから。
書きたいように書くのが一番だな。
自分と言う読者が納得すればそれでいいんじゃね。
639 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/14(月) 08:42:24
読者に混乱させないための方法の一つだから
読者が混乱しないかぎりは視点は不安定でも構わないのでは?
とか言いつつ
俺は普段、一人称小説しか書かないから、三人称やらすと視点が小説として軸がブレている状態になる
そろそろ結論出そうぜ
視点を固定する事が重要なんじゃない
視点の動かし方が重要なんだと
>>639 そういうことだと思う
結局のところ読者が分かれば問題ない
でも視点がころころ変わって読者が分かりやすい文章なんて滅多にない
だから視点は統一するべき
ってのは分かってるんだけど
いざ書き出すとAさんの気持ちもBさんの気持ちも読んでる人に伝えたくなる
Aさんが怒りの感情で言ったことをBさんは悲しい気持ちで受け止めた場合
このぐらい怒っててこのぐらい悲しかったっていうのを表現したくても
でもそれって誰視点なの?みたいな
「〜のような表情で」ぐらいなら書いてもいいと思うんだけど
三人称で登場人物の心理描写をどこまで書いていいものかがよくわからない
表現方法わからないやつが
重要じゃないからという理由で
視点の表現をサボりたいだけ
643 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/02(日) 15:12:27
神の視点は話長くできるからいいね!
視点は、直接示されないが、行間や文脈のなかに現われるもののひとつ。当然、行間や
文脈は整理されているほど読みやすい。文脈を整理できるひとは、比較的うまく
視点の移行をこなせるが、ヘボがやるとぐだぐだ感がいっぱいになる。
そんだけ。
645 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/03(月) 19:00:35
新人賞の場合、いくら「視点の移動」を上手くやっても、下読みがナナメ読み
もしくは冒頭数枚しか読まなければ、作者の意図は伝わらず、「視点がブレてる」
とバッサリやられ、一次も通過しない・・・って気がする。
「視点移動」をテクニックとして使う場合は、ネタばらしになるけど、やはり
梗概にきっちり書いておくべきなのかな?
というか、「新人賞の取り方」のノウハウ本でよく言われているように、
新人賞では、視点移動や主人公の入れ替えなど、いわゆる脚色部分での細工を
するのは危険なのかな?
646 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/10(月) 20:09:53
>>627 >目を見れば頭の向こう側まで透けて見えるようなマンガみたいな人間しか出てこない現代小説に本当にうんざり。
これはもう、書き方の問題とは別だろうね。
ただ俺も現代小説――しかも売れているのに限って食傷気味というか、ありがちな登場人物ばかりが出てくるのにはうんざり。
良い奴と悪い奴で簡単に分けられるはずがないのに、まるでドラマ化漫画の影響か、
とにかく判りやすくて、しかもありがちなキャラ設定ばかりに凝った話が多いよ。
文体自体も、ブロガーかWEB小説に投稿してる人より、ちょっとましなレベルだし。
647 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/10(月) 22:38:45
ハードボイルドの流行作家なんかはかなりいい加減。デビュー作で
なければ大目に見られるね。デビュー作の場合は、ガチで固定しないと
ダメだ。これ、持込で採用された小説だそうだが、やはりものすごく
読み易い。
「全壊判定」朝日新聞
648 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/11(火) 02:03:06
人称重視の作家に
フランス モーリヤックがいる
テレーズデスケルーとかの。遠藤周作が翻訳してたので
たぶん新人のときに出版社で教科書になったのではなかろうか
彼は一人称で書いて3人称に書き直す。そのとき芸術が宿る、といっているが
正直意味わからない。謙遜ではなくてね。
649 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/11(火) 11:21:17
主語を明確にして、3人称+神視線で書いちゃう方が楽かも知れない。
下手に一人称にすると、思わぬところで齟齬が起きることになる。
650 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/11(火) 20:55:21
「河上には、まだそれを発見できていなかった」
これってどうなん?
A:科白。
藤本は、鼻糞をほじりながら、
「河上には、まだそれを発見できていなかった」と言った。
B:神視点。
死体には深さ十六センチの刺し傷があった。けれども川上には、
まだそれを発見できていなかった。
C:回想。
川上はあることに気付いて、天を仰いだ。あのとき、川上には、
まだそれを発見できていなかった。
つまり、それだけじゃ分からない。
>>652 やはり気持ち悪い
「河上は、まだそれを発見できていなかった」なら、気持ち悪くない
「に」を省いたわけだな。
「に」には、特に河上は、というニュアンスがあるから、これを挟むことに
よって、他のやつらは発見してるんだけど、あるいは発見してる奴がいる
んだけど、ということを、さりげなく匂わせることができる。
逆に云うと、「に」の部分が空回りするとくどく感じる。
それが気持悪さの原因だろう。
河上「は」だけでも限定のニュアンスがあるから「に」は不要
連投スマソ
「河上には」と「(まだそれを)発見できていなかった」とがチグハグなところが
気持ち悪さの原因だと思う
「河上には発見できなかった」なら気持ち悪くない
657 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/12(水) 16:50:30
いやぁ、試すようでゴメンなさい。
とある新聞小説の一節から持ってきて、少し変えてみたんだけど、皆さんさすがです。
これは神視点で書かれた部分です。名前だけ河上に換えていますが、原文は下記の通り。
「彼は不思議に思ったが、母と娘であることには違いないのだから、
どこか重要な共通点を持っているはずだと考えて、いったいそれは何なのかを
それとなく観察したのである。だが、河上には、まだそれを発見出来なかった」
658 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/12(水) 16:54:27
ついでに、川端康成の「虹」から。少年とは木村のことです。
旧仮名遣いでこんな風に書かれると、ぐぎゃあって本を投げ出したくなる……
「あの利口な綾子でさえ木村を怖がって、銀子を近づけまいとしているらしいのは、
やはりこの少年は藤子などに見透かされる甘さではないのだろうか」
>>657 新聞小説に突っ込むなと言われるかもしれないが、
「だが、河上には、まだそれを発見出来なかった」が美しい日本語だとは思わないな
間違いとは言わないが、お手本とも思えない
「だが、河上には、まだそれを」が念を押すような重さであるのに対して
「発見出来なかった」が軽く感じる
>>658 最後の「甘さではないのだろうか」の「か」が不要に感じる
これは時代の差ってやつかな
660 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/15(土) 16:29:43
661 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/15(土) 21:51:40
「覚えが麗しくなる」
バカ売れし、有名な賞を取った小説に書かれていたこの表現。
どうなん?
「覚え」には、他人から思われていること、つまり他人からの印象、という
意味がある。また「麗しい」には精神的・形的に優れている、美しいという
意味のほかに、人と人との間柄が良好であることを言う。むつまじいとか。
印象がよくなるとか、親密に思われるという意味で、普通に通る。ただ、
二つの単語は慣用句的に別々の言葉と並べられることが多いから、
違和感を覚えるかもしれないが、全然間違いではない。
>>661 前後の文によっておかしいかおかしくないか変わる
664 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/16(日) 18:27:13
「覚えがめでたい」
覚え: C目上の人の信任・信頼。寵愛ちょうあい。「重役の─がめでたい」
めでたい: (2)結構だ。立派だ。すばらしい。「社長の覚えが―・い」
つまり「寵愛がすばらしい」。
麗しい:@人の容貌ようぼうや声、挙動などが美しくつややかであるさま
Aあり方が望ましく、理想的であるさま。うつくしい。「─友情」
B《「ご機嫌─」の形で》気分が極めてよい。快適である
『覚えが麗しい』じゃあ、「寵愛が美しい」ってならない?
いや、それよりなにより、意味が通じそうだからってあってるとは限らんでしょ。
『詰めが甘い』を『詰めが緩い』なんて言わないのと同じでさ。
>いや、それよりなにより、意味が通じそうだからってあってるとは限らんでしょ。
ここは同意だけど
>『覚えが麗しい』じゃあ、「寵愛が美しい」ってならない?
これはちょっと乱暴かも
意味は通じそうだけど、普通は言わない言い方だから、
特に理由も無く『覚えが麗しい』と書いたとしたら、ただ読みにくいだけの表現になる
作者に何か意図があって『覚えが麗しい』と書き、それによって何らかの効果が得られているなら
小説の表現としては間違いではないんじゃないかな
…ところでこの話題って視点に関係あるの?w
「意味が通じそう」という考え方に驚く。通じるか通じないかのどちらかだ。
単語に複数の意味があるなら、とうぜん、文脈に照らし合わせて一番適切な
ものが入る。わざわざ通らないものを選ぶのはちょっと意地悪だろう。
>>663の云うとおり、文脈を見ないとあとはなんともいえない。
……と、俺は思います。
667 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/16(日) 22:34:32
>>666のダミアン君は、
>『詰めが甘い』を『詰めが緩い』なんて言わないのと同じ
についてはどう思う? 通じるから後者でも良いと言っていたら、
まともな世界じゃ笑われるし、日本語が滅茶苦茶になると思うけど。
ちなみに実際の作品では下記の通りに使われてる。
「病院長の覚えが麗しくなると言うご褒美は、実は俺にとっては全然魅力がない」
ついでにもう一例。
「俺は自己紹介をするたびに、公平と名付けた親をこっそりなじる」
これだって、心の中で名付け親に対して不平を言いたいが為に書いたんだろうけど、
"こっそり"を付けたから心の中で言うことにはならないし、
だいたい"なじる"って、傍にいる相手に詰問することでしょ?
覚えが麗しいもそうだけど、なんだかイメージとしてはあってそうだから書いてみたという、
そんな感じがするんだけど。
でもこれがこのミス大賞を受賞してるんだから、
版元も、読む側の日本語も、かなりおかしくなってるんだろうと思うけど。
たぶん文章観が違うんだ。そんだけだ。
自分
>>663,665だけど、
「覚えが麗しい」が一人称で自分のことについての表現だということにびっくりだ
うん。それはおかしいw
まぁでも国語の教科書に載ったわけじゃないから、嘆くほどじゃないかな
>>669 このスレのテーマに巧いこと話を戻したなw
せっかく戻ったところ済まないんだが、
>>650 河上には、まだそれ「が」発見できていなかった。
は、どーなん?
672 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/18(火) 14:59:47
ラストで思わぬどんでん返しですね。わかります^^
「いったいそれは何なのかを それとなく観察したのである。
だが、河上は、まだそれを発見出来ていなかった」
>>652 のBって、神視点なのかな?
>>628 が言うように、内面描写が可能な対象を二人以上に設定することを神視点というなら、
死体のような物体に関して、三人称の河上が知らないことを書いたとしても、神視点には
ならないことになるよね。
程度問題なのだろうか。
>>652のBのようなことをやらない文章って、あまりないんじゃね?
たとえば、お互いを全く知らないAとBの出会いの描写で、
Aの視点で書いているのに、
「Aは、大学教授のBに道を尋ねた」とか書いただけで、神視点になるのか?
676 :
名無し物書き@推敲中?:2010/05/20(木) 21:40:14
>>675 「A視点+神視点」だったら神視点として
>>652は成り立ちそう。
でも一人称で、Aの視点で書いているなら、
「立ち話していて解ったのだが、Bは大学教授らしい」って書くしかない。
677 :
名無し物書き@推敲中?:
age