この三語で書け! 即興文ものスレ 第十四段

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 隣人はおかしい。どこかおかしい。
 いや、表向きはどうということのないサラリーマンなのだが…律儀に挨拶も返すし。でも…
 なんというのか…体に纏っている「匂い」が、違う――
 
 俺は、いけないことだと知りつつも、隣人の家を覗き込んだ。深夜4時のことだ。
 すると、異様なモノが目に飛び込んできた。
 床一面に染み渡っている真っ赤な液体。
 匂う…あの「匂い」だ!隣人の体から発していた匂いはこれだったのか……これは…血。
 奇声が発せられた。その方向に目をやる。
 包丁を自分の体に突き刺す隣人の姿。
 彼の体が脈打つたびに、真っ赤な鮮血が飛び出る。床に落ちる。
 痛いだろう。しかし、彼の顔はどうだ!?満面の笑みではないか!!?
 その時、俺は忌みながらも理解した。痛みは彼にとって快感なのだと――
 俺は徐にその場を後にした。

 もうアイツには関わらねえ……!!

次は「娘」「サイレン」「ランゲージ」
196律儀−痛み−隣人:03/10/04 22:02
 隣りに村山さんが越してきてから三週間がたった。引越しの挨拶に来たのは夫人村
山だけだった。都心のマンション住まいで今どき律儀なことだと真紀子は驚いた。なん
でも、夫が仙台に単身赴任していてる夫と、この春から大学に通うようになった息子の
三人家族らしい。
 村山家は生ゴミの量が異常に多い。息子の姿もほとんど見かけたこともなく、ふだん
は夫人ひとりでいるはずなのにと不思議に思い、「お引越しって後片付けが大変ですわ
ねぇ」と声をかけてみた。そういえば、運び込まれた大型冷蔵庫はまるで業務用のよう
に大きかった。真紀子は、この間テレビでみた「買い物がやめられない女」というのを
思い出していた。食べもしないのに食料を大量に買い、賞味期限がきれないうちにどん
どん捨てて、しょっちゅう買い足す。つまり、買い物衝動をただ満させればよいという一種
病気だ。山村さんの家の経済状態は決して悪くはなさそうだったし、家計に響いて痛い
ということでもないのだろう。
 ある日、真紀子の家のポストに『隣人の距離』という本が入れられていた。それは、し
じゅう監視をしてゴミ漁りをしていた主婦が、何者かによって殺されたという推理小説で、
「今度の隣人も、またゴミだ。私はゴミを見ると粉々にしたくなるのだ」で始まっていた。
197196:03/10/04 22:04
今みたら、「痛み」が「痛い」になってしまいました。
スルーしてください。
198196:03/10/04 22:07
>>196
しかも、「夫人」と「村山」がひっくり返っているし(;_;)
なんてデリカシーの無い国なんだろう。
国の平穏を守るはずの警察のはずが、大きな音量でサイレンを鳴らしている。
とりあえず静かな街並は守ってほしいものだ。
だが今、私がボディーランゲージを駆使して目の前の厳つい警官とコミュニケーションをとっているのは、サイレンのせいではない。
まったく、何てことだ。英語は勉強しておくべきだった。
今になって後悔の念にさいなまれる。
きっと今の私の顔を見たらとても情けない顔になっているだろう。
相手がアジア人の顔など見分けられないのがせめてもの救いだ。

「ガアル、ガール。ア、リトル。」
自分を指差し、その後、腰の高さを示す。
私の娘だ。
――私の娘はこの国ではこれだけしか特徴が無いのか。

結局伝わらなかった。

とりあえず大使館に連絡するしか次にする事は思い浮かばなかった。
ハア、――なぜこんな事に。
――私が目を離さなければ
肩が重い、それに首も締め付けられるように苦しい。
体全体が――そう、子供でも背負っているかのように重い。
私は、私の背中を指し笑う警官どもを思いっきり睨み、次へ行く場所へ向かった。

次は「フジ」「織田雄二」「警官」で