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久しぶりにうPしようかな。

【転機】
 ありふれた雑談と喧騒に、うんざりしながらN氏は、酎ハイを飲み干した。
 実は、一人身に辛さを感じるというのもある。
 無愛想な顔で「お勘定」と吐き棄てるように呟き、店員の「ありがとうございました。またお願いします」と言う声も聞かぬうちに店を出た。
 N氏は、終電の満員電車に揉まれそして家に帰る。毎日同じ事の繰返しだ。
 いつもの様に満員の車内に乗りこみ眠りにつく。
 ぼさぼさの髪に不精髭。傍から見れば人生を棄てたように見える。自分でもどうにかこの日常を打破しなければと思った事もあったが、いかんせん対して見栄えもよくないし地位も貯金もある訳で無し
一生結婚などしないんだろうなと諦めているのだった。

 「あれ、鍵掛けてなかったかな。まあいいか」と、N氏は、家の中に入り玄関先でスーツを脱ぎ始める。
 「おかえりなさい」目の前に、見知らぬ女性がいた。
 N氏は、脱ぎかけたズボンを慌てて引き上げる。
 「す、すいませんうち間違えました」N氏は、目の前にいる美しい色白の女性と目を会わせぬ様にして、靴を履き外に出ていこうとした。
 「いえ、あなたのうちですよ。Nさん」N氏は、それもそうだと思い返す。
 「な、なんですか。あなたは」
 「私、ずっとここにいました。やっとあなたとお話できる様になって嬉しいです」
 「はて、いやもう十二時も過ぎてますし……お帰りください。私ももう寝ますから」
 「――いえ、もうあなたは永遠の眠りについてますから」
 つけっぱなしのTVからニュースの声が聞こえる。
 「本日、十一時O急電鉄A線で衝突事故がありました。生存者は、いない模様です……」