少年は生まれてから15年間、ずっと車椅子生活だった。
「これはもぅ一生あるけないでしょう」
何度も何度も繰り返し、絶望という言葉が頭の中をよぎっていた。
「僕はここに生まれた。そしてこれからどこへ行くんだろう……」
その瞬間、言いようのない空しさと怒りがこみ上げてきた。
それは燃え上がる炎のように、止める術が無かった。
「死んでやる。もはや死ぬしか道はない。」
少年は気がつくと、病院の屋上にいた。
何も未練はない。さらば。
ガシャという網の音を残して、少年は飛び込んだ。
すべての視界が逆さまになった時、
何か釈然としない思いが込み上げてきた。
「あれっ! 俺どうやって立ったんだ? 」