366 :
プラスチック人形:
「………私よ」
「どうして! 何でよ! 何でそんなことしたのよ!」
「憎かったのよ! あんたとカズが一緒に居るのが!」
「だからって…」
「うるさい」包丁を振った。
死体は二体に増えた。
外から帰り、電気を付ける。暑い。早くクーラーをつけたい。夏の暑さに乗って、生臭さが鼻をつく。
ミチヨが立っていた。
その前に横たわる………カズ!?
「いやあああ!」
生臭さの源は、彼だった。分厚い血溜まりに浸かって、虚ろな目で私を見ている。
「誰! 誰がカズを殺したの!?」
ミチヨが、口を開いた。