ショートショートショートショートショートショート

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昨晩彼氏と喧嘩をした。
鬱々とした気分で電車に乗り込む。カタタン、カタタン、と揺られながら学校に行きたくないナァ、と思う。
(片岡の授業なら代返効くし、どうせこの後は何も授業入れてないし……サボろうかな。)
窓外をぼんやりと眺めながら、昨晩の喧嘩の余波で普段以上にやる気のない私はそんなことを考える。
「次は〜……を出ますと〜……お忘れ物の無いようにお気をつけ下さい」
車掌が独特の節回しでアナウンスをする声が聞こえてくる。
――このまま乗ってれば智之のところに行けるナァ……。
本当は次の駅で降りなければならないのだが、この時点で私の「サボろうかな」は「よし、サボろう」に確定していた。
かくして私は意図的に乗り過ごして、智之の住む駅へと向かった。

半ばインスピレーションで決めた目的地。
駅を降りる人影はまばらで、駅員も何処となく気だるそうな雰囲気である。
――智之びっくりするかなァ。
きっとびっくりするだろう。突然私が会いに来て、「昨日はゴメンね」と謝ったら驚くに違いない。
何せ向こうは、今頃私は学校に行ってると思っているだろうから…・・・。
一人でクスクス笑いながら駅を出ようとして、私はふとあることに気がついた。
「……智之、今学校じゃん」
かくして私は一時間後の電車を待つ羽目になった。