深夜、閑静な住宅街の平和は一台の自動車によって破られた。
その車はリズムを付けてクラクションを鳴らし、家々の間を猛烈なスピードで走り回った。
人々は皆「ああ、このあたりには来たことが無かったのになあ」と布団の中で溜息をついた。
車が四週目にさしかかろうという時、ある家から一人の男が飛び出し、発砲した。
弾はタイヤに穴を開け、車は耳障りな音を響かせて旋回しながら電信柱にぶつかり、止まった。
車の中からは一人の男がふらふらと出てきて、駆けつけた警官と発砲した男に言った。
「車のブレーキが利かなくなってしまって、なんとか衝突は免れようとハンドルを切っていたのですが、
危ないところでした。本当に有り難う御座います。」
警官はそれを聞いて、
「それは災難でしたね。ご無事で何よりです。しかし、あんな風にクラクションを鳴らしていたら
遊びでやっていると勘違いされますよ。ところで、そちらの方はどうして、
この方がブレーキが利かず困っておられると分かったのですか?」
「はい、この方はクラクションでモールス信号のSOSを打っておられたので・・・」
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アリの穴に一度投稿したけれども秋の大掃除に被ってしまい削除されたもの(つд`)