サザエさん一家のパロディ、なんでもいいから書いてくれ〜
2 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/06 15:37
山崎(^^)しか来ないスレがまた立った。
3 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/06 15:42
( ´D`) このスレは我々が乗っ取りますた。他人が使っちゃだめれす。
( ´ Д `) んあ
設定。
愛とあさ美は妖精の国に住んでいる。
二人を含め町の人の多くは光などしか扱えない。
攻撃的なものを扱える者は特別扱いされ、日々訓練される代わりに高水準の暮らしを保障される。
ツンクは炎の妖精。最近町を○○から救った勇者だが、急に町の破壊を始めた。
愛は視力は7.0。
ストーリー
ある日町を歩いてくだらない話をしていた愛とあさ美。
突然火の玉のかけらがあさ美を吹き飛ばした。
愛はびびって家に帰ろうとするが、そこにもうすでに家はなかった。
それをみて愛は怒り、つんくのところへ突っ込んでいく。
(中略)
愛は死を感じ、親友や家族を殺された悔しさから涙を流した。
つんくの体の炎が消え、つんくは死んだ。
(そのままつんくを倒したことに浮かれて、気づいたら町中みんな死んでてあさ美も自殺ってのもありかなぁ…
悪趣味すぎるかw)
彼女の羽はもはや普段の半分も機能していなかった。
羽だけではない。体中のあちこちに傷を作っていた。
それでも彼女は立ち上がった。
家族のため、親友のため、そして全ての妖精たちのため。
そいつが現れた時、愛は親友であるあさ美と、憧れの男性についての話で盛り上がっていた。
やれガクトだ反町だキムタクだとやたらと名前を並べるあさ美に、愛はつっこもうとしていた。
それは叶わなかった。
愛が口を開きかけた瞬間、空から降ってきた火の玉があさ美を飲み込んだのだ。
状況が飲み込めず、上を仰ぐと、指先に炎の塊を作った人間と目が合った。
とっさに愛は地面を蹴って左に転がる。
次の瞬間、愛のいたところに火の玉がぶつかり、地面を揺らした。
あたりに砂煙が舞い視界が奪われた。
愛は混乱しながら、猛スピードで羽ばたき、そこから逃げ出し自宅へ向かった。
が、そこにもう街はなかった。あちこち地面が凹んでいて、さっきのヤツの仕業だとわかる。
愛の中で何かが一気に膨らみ、さっきいた所に踵返しした。
ヤツのことについては大体見当がついている。
大昔、度々世界を救った勇者だが、ある日突然、今のように凶行を繰り返すようになり、
泣く泣くみんなでどこかに封印したのだと言う。
その封印がそろそろ解けるのではと噂しているのを愛も聞いたことがある。
たしか名前はツンクだったか。
愛の目がツンクを捉えた。
堂々とした態度で廃墟と化した街を闊歩している。
愛は、彼には無い視力8.0の目でツンクを観察した。
髪は金色で、逆立っている。
サングラスをかけ、細い眉に、はっきりとした輪郭が、特徴と言えば特徴だった。
赤っぽいTシャツに色のあせたジーパンを穿いている。
怒りに身を任せ、ありったけのスピードでツンクに体当たりを試みた。
しかしあっけなくツンクにかわされる。
そもそも愛は光の妖精だ。
相手にダメージを与える技など知らない。
ツンクはこの世界で数少ない火を操れる人間だ。
愛はそのまま上昇した。
羽の無いツンクは飛ぶことは出来ない。
愛は体からまばゆい光を発した。
その状態のまま、ツンクに急降下し、
顔に思い切り頭突きを食らわせた。
ツンクが吹っ飛んでよろけている隙に、落ちている石を拾って思い切り投げつけた。
顔を抑えていた手に命中した。
愛が喜んだのもつかの間、壊れたサングラスを投げ捨て、スイカほどの火の玉を投げつけてくる。
スピードが早く、愛は肩に火傷を負った。
体勢を立て直して見渡すと、ツンクの姿が無かった。
次の瞬間、背中に思いっきり蹴りを食らう。
倒れこんだところに馬乗りになられ、何度も顔を殴られた。
指先の炎で、体中に根性焼きのような火傷を作られた。
愛は、飛んでくる拳に向かって、逆に額を思い切りぶつけた。
少しめまいを感じながら見ると、ダメージは僅かしか与えられなかったようだ。
と、次の瞬間、ずっともがいていた愛の手が抜けて自由になった。
殴ろうにも振りかぶれず、ツンクの服の襟をつかんで引き寄せた。
彼はあっけなく愛の横に倒れこむ。
自殺の方向でひとつ(*´д`*)ハァハァ
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
七等星おったら返事しる
なーにー?
サザエさん書くぞな。
続きはー?
てかほかのネタはー?
てか連絡しるー?
>>13 サザエさん書くの?
僕にはなんとも…
やい!七等星返事しる!
んじゃ、邪魔にならない程度にお邪魔しまつ。
なんで漏れなんだよー。漏れに拒否する権利なんてないから
かまわずがんがん書いて下さいー。
今からちょっと短編のネタ考えてみよう…
設定 リアル・藤本一人称
ストーリー
藤本が一人の仕事の帰り道、石川から携帯に電話がかかってくる。
とると震える声で「人を殺した」と言う(台詞から始まるのがイイかも)。
藤本は急いで石川の言った神社へ行く。
見覚えのある石川の元彼氏が死んで倒れている。
ふたりとも車の免許もなく、死体は動かせない。
ふたりでホームセンターへ行き、スコップを買う。
帰り道雨がふり出し、傘をコンビニで買う。
で、神社の中でもひときわ大きな桜の木の下に死体を埋める。
終わり。
リアル 五期主人公
主人公の父親が誰かに暴行したとして? 逮捕される。
主人公、マスコミにおっかけまわされる。
学校にまでマスコミがくる。
思わずカメラに暴言を吐く。
いっせいにバッシングされる。
うーん…これはダメぽ…。マスコミの取材にキレる娘。が書きたかったんだけどね。
てーか漏れらは別のスレに移動しるか。
うにょ?
いなくなっちゃた・・・
邪魔なんて全然おもってないのに〜
むしろ寂しいじゃんかよ・・・。
コソーリ。
サザエさんまだー チンチン
はい、今から書かせていただきまつ。
明日にはupしますが、ここのスレタイ通りに、ものごっつい暗くてくどいサザエさん。
読むの嫌んなる内容なので、お目汚しになります・・・。
ただ、なにげに書いてみたかったんだけど、小説って書いたこともなかったりたり。
期待アゲ
27 :
名無し物書き@推敲中?:03/09/11 22:12
∧∧
⊂(・∀・)つ-、 <期待してるよ。
/// /_/:::::/
|:::|/⊂ヽノ|:::| /」
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
/______/ | |
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(´ω`)ニャンポコー(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω`)ニャニャニャニャニャニャニャニャンポコー
29 :
名無し物書き@推敲中?:04/01/05 01:24
/
30 :
名無し物書き@推敲中?:04/01/06 11:44
最近ワカメのため息が多くなった。
ずっと同じ部屋で生活していればそのくらいは分かる。
だが、理由は毎日顔を付き合わせていても分かるもんじゃない。
「おにいちゃん」と言いかけた言葉はいつもそこで終わる。
気にはなるが、聞きはしない。
それが俺に出来る唯一の優しさだから。
誰か続きプリーズ。
などとカツオは思った。
その頃だった。
波平はようやく、伊佐坂の家を訪れる決意を固めた。隣の家なのに、道のりを気が遠くなるほど長く感じた。
「ああ、ようこそ・・・」
伊佐坂は快く歓迎した。波平は表情を石のように固めたままだった。勧められるままに客間の椅子に座った。ただならぬ気配はもちろん伊佐坂も気付いていた。
「ワカメは、もうそろそろ気付いているかもしれません」
波平は切り出した。伊佐坂は一言、
「そうですか・・・」
と。それ以外に話題も見つけられず、二人は黙って向かい合っていた。やがて、伊佐坂はゆっくり立ち上がって言った。
「ねえ、磯野さん・・・私たちはどうして、こんなに卑怯なんでしょう?」
誰か続きどうぞ。
32 :
あげ屋さん ◆P1AWcg9OTs :04/02/06 20:56
(・∀・)age!
33 :
名無し物書き@推敲中?:04/02/07 12:23
寮スレage
カツオとワカメの近親相姦。
35 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/09 20:03
誰か最初から書いてください。
「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人、か」
青年、磯野タラオはそう呟くと無表情に職安を後にした。これでもう
半年ほどだろうか、この徒労と嘆息ばかりの職安通いは。最早職探し
当初のように一喜一憂することすら無い。彼にはただの日課である。
タラオは今年二十五歳。前職を人間関係で辞め、失業手当はもう間
もなく打ち切られようとしていた。彼の背中には疲労感が影のように
まとわりつく。
冒頭、タラオの言葉は古来より、よく聞かれるものである。幼年、
童子達の中で輝かしい程の英才であった者が、年を取るにつれて群衆
に混じる只の一大人になってしまうのは度々耳にすることである。
誰もがモーツァルトの如くはいかないようだ。
タラオは帰り道を何をするでもなく歩いた。夕方の街並みには様々
な人々が行き交う。仕事帰りのサラリーマン、二三人連れの学生。仲
睦まじい恋人達。皆が楽しそうに、しっかりとした足取りで歩く。
タラオはそんな人混みの中で一人、力無い歩み。彼には周りの談笑
や笑顔がひどく鬱陶しいものに感じられた。小さく舌打ち。
タラオに話しかけるものなど一人もいない。そして彼が話しかける
べき人もこの雑多な群衆の中にだれ一人いない。
ふと、母子とすれちがった。様子のよい上品な母親と才気に満ち、
いかにも賢そうな子供。子供は学校での今日一日を母に伝えているの
だろう、コロコロと朗らかな笑い声を上げていた。母は柔らかな表情
で子供の述べることを優しく聴いている。
そんな情景を眺めるタラオに往年の記憶がよぎる。
(――ねえ、タラちゃん今からお出かけなんだけど留守番できる?)
(ハイ、一人でもおるすばんできるです。もし電話かかってきたら、
お名前と用件をきいておくです)
(あ〜ら、タラちゃん偉いわねえ! ……それに比べてカツオときた
ら。ねえ、カツオ)
(姉さんひどいや! 僕でもちゃんとできるよ)
(どうだか?)
様々な記憶が巡る。それら一つ一つにはみな暖かい笑顔が満ちてい
る。その中心には皆に愛された子供、磯野タラオの姿が。幼児にして
丁寧語を極めたと称され、子供とは思えない気配りができる子と言わ
れた彼自身の在りし日の姿が。
しかし、今の彼はただの無職の男に過ぎない。恋人も無く、友達す
らいないただの落伍者の男でしかない。
タラオは溜息をつく。
夕暮れの街並みの中、幸せそうな母子の情景は見る人の心を温かく
させるだろう。しかし、群衆の中で磯野タラオは一瞬柔らかな記憶を
思い起こさせられた後、今現実の自分自身を尚更自覚させられて、た
だ寂寥感にかられるだけであった。
彼にとって全ては過去のことなのだ。
そして、そんな街並みの中のことである。
昔、親しみ合った波野イクラと再会したのは。この二人の再会が後
に日本中を震撼させる事件の幕開けとなった。
……事件の全ては、ここから始まる。
つーことで誰か続きヨロシク。リレーしてくれ。
それと訂正。磯野タラオ→フグタ タラオが正解だった。スマン。
じゃあ、頼んだぞ。
41 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:03
42 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:15
「もしかして、タラオ君か?」
磯野タラオはふいに声を掛けられて振り向いた。
どこかで見たことがある顔の青年が立っている。ブランド物の
スーツに身を包んだ彼は、よく見ると三年前に行方不明になった
はずの波野イクラだった。
「イ、イクラ君?」
「覚えててくれたんだぁ。嬉しいなあ」
波野イクラは相好を崩した。
43 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:17
↑ やべ、改行ミスった。
44 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/09 23:16
タラオはイクラに誘われるまま、路地裏の雑居
ビルに入っていった。
エレベーターが壊れているので、薄暗くて細い
階段を二人で縦に並んで上がっていく。
「ねえ、いったいどこに行くんだい?」
タラオはとうとう不安に耐えられなくなって、
前を進むイクラに聞いた。
イクラは何も答えずに、黙々と階段を上がっていく。
続きは?
「タ、タエコさん!?」
タラオは驚愕した。雑居ビルの一室、そこにはあのタエコの姿があった。久
方ぶりに見るタエコ。もう年は三十も後半か。しかし、変わらず美しい。
そして、タラオが驚いたのは――。
タエコは生まれたままの全身にただ一枚、男物Yシャツを身につけていた。
豊満な胸がシャツをはちきれんばかりにさせている。LLサイズのシャツは股
下の女自身を僅かに覆い、袖からは指先が少し出るばかり。
さらには。胸元に、小さな突起が二つ。真っ白なシャツの上からもはっき
りと窺えた。
「タラオさん……」
タエコは突然の訪問客に驚き、さらに訪問客の正体に動転した。頬をじんわ
りと赤く染め、指先を胸元、股間に回して我が身、我が姿に恥じ入る。Yシ
ャツ、胸元の生地が胸圧に悲鳴を上げた。
「どうだい、タラオ君。良い眺めじゃないか?」イクラは笑った。
タラオは訳も分からずタエコを見やり、さらにイクラへと視線を右
往左往させる。その瞳には怖れの色を帯び、そして救いすらも求める
ものに思えた。
「イクラ君、これは」
なんとか口に出来た言葉は震える。冷たい汗が額を流れる。鼓動は高
く天を貫き、一転急降下深海、海溝をどこまでも潜る。膝が笑った。
タエコは俯いて何も答えようとしない。肝心のイクラも笑みを浮か
べるばかり。その表情には奇妙な無機質感漂う。
それは言葉にしづらいが強いて言うならば、笑顔のままお気に入り
のぬいぐるみを踏みつけ、引きちぎる子供のようだ。
意味は有るようで、無い。何故と問われても子供本人にも答えられ
はすまい。憎むが故に首を捻るのではなく、引き裂くために引き裂く
だけのこと。
↓ go!!
タラオは身の危険を感じた。余裕を見せようと胸ポケットからタバコを取り出し、
火をつけながら、部屋を出ようとした。が、イクラが立ちふさがった。
「待てよ。逃げるのか?」
タラオは無言でイクラの横を通り抜けようとした。
イクラがタラオを殴った。イクラはこめかみを狙って拳を繰り出した。殺すつもりだった。タラオの態度にムカついたのだ。
「やめて! イクラさん!」
イクラはタエコをねめつけた。「これは僕とタラオの問題です口出ししないで下さい」イクラが言った。
タエコは黙り込む。
タラオは唇から出た血を袖でぬぐった。タラオはおびえきっている。
「なに不思議そうな眼で見つめてんだよ。なんか言いたいことがあるならはっきり言えよ」
ドドスコドドスコー♪イクラの携帯が鳴った。着メロはイクラの好きなトランスだ。
「はい、波野です。・・・ああ仕事は順調だよ」
イクラはタラオの頭を靴でいじりながら、
「それより、来いよ。・・・・・・ああ。そのビルだ。面白いぜ。変な奴がきてんだよ。あはは。・・・え? それは着てからのお楽しみさ。爆笑だぜ。早く来いよ。ははは。
・・・・・・しつこいなあ、タラオだよタラオ。ほらカツオっていただろ、あいつの甥の。あはははは、な、笑えるだろ? あはははははは、待ってるぜ、ははは」
イクラは半笑いでタラオを見下ろし、「タラオ君おもしろいことしようか? まずはタエコ君の排泄物の匂いを嗅いでもらうよ」
僕の知っているイクラ君は口下手だったのに。なぜこんな饒舌家に変貌を遂げているのか。タラオの頭はパニくっていた。
50 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/19 19:49
「イクラ君、楽しそうだね」
男とも女とも判別できない声だった。しかし、イクラには声の主が解るらしくその目には怯えの色があった。
「じ…甚六さん。どうしてここが」
「イクラ君。友達は選んだほうが良いよ。君と朝倉がここに客を引っ張り込んでタイコさんとSEXさせて稼いでいることは知ってるよ。朝倉は僕の忠実な犬だから」
タラオは甚六を見て言葉を失った。半そでのポロシャツから覗く両腕には隙間が無いほどのタトゥーが施され、顔は覆面に覆われていた。
「う…嘘です。甚六さんは僕が小学校に入った年に最期の受験に失敗して、自殺したです」焦りのため幼児の時の言葉になりながらタラオは呟いた。
「タラちゃんか懐かしいなぁ。僕は生きていたんだよ。ほらここを見てごらん」
甚六は覆面の額に刺繍された『J』の文字を指差した。
「そっそれは…準レギュラーにだけ許される名前のイニシャル!?」
51 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/19 20:05
「そう、このイニシャルがあれば僕は甚六として認識される。たとえば…声優が変わってもね。さてと…イクラ!!」
甚六が吠えるとイクラは直立不動になり
「はい!!先生」と叫んだ。
「お客さんに自分の趣味を押し付けるなっていつも言ってんだろぅ!コラァ!!」
「しかし…先生こいつは客じゃぁ…」
「君はいつから僕に口答えするようになったのかな?君のパパが僕の妹に手を出して、お金、払わないで逃げちゃったよね。いいよ。口答えしても。でもねそれは借金払ってからにしてよ。君のママが稼がないから今…4億円位になってるよ払える?」
「甚六さん。もう勘弁してください…私。私」
泣きながら懇願するタイコに一瞥をくれた甚六は
「あのね。お婆さん、僕ロリコンだからあなたに泣かれても気持ち悪いだけなんだ。速くお客さんにサービスしてよ。イクラ君、ママの躾ぐらいちゃんとしてよ。ふぅ。暑いからこれ取るよ」
甚六はだるそうに覆面を取った。甚六の素顔を見て、タラオは息を呑んだ。
52 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/19 21:56
「どうだい。タラちゃん、いい顔になっただろう」
顔中に刻まれた無数の傷、それは傷の中に顔のパーツが存在している様だった。表情筋にまで達する傷も多いのか本人は笑っているつもりでも、その顔は不気味としか言い表せなかった。
「僕は自殺したわけじゃないよ。親爺を殺さなきゃならない理由ができて身を隠したいんだよ。それより、タラちゃん楽しんでよ」
甚六はショートピースに火をつけると、美味そうに煙を吐きながらタラオにそう言った。
「甚六さん。一つ確認させてください。親爺は…ノリスケは嵌められたんじゃないんですか?だっておかしいですよ、伊佐坂先生の原稿が遅れてそれを待っていた親爺が、ウキエさんを姦っちゃうなんて話がおかしいです。
その後甚六さんが絡んでくるのもおかしいじゃないですか」
「おいおい変なこと言うなよ。確かに親爺は原稿がやばくなると妹を使って編集の人をたらしこんでたよ。
でも君のパパが妹をレイプしたのは本当だよ。僕がそのことを知ってるのは妹とは連絡を取ってたから。可哀相にウキエは泣いてたよ。『お兄ちゃん。ワタシ死にたい』って。それにお前だってママにこんな商売させて結構いい目見てるんだろ?
今まで儲けた金はいいからタラちゃんにサービスしろよ」
甚六の言うとおり、イクラはこの仕事で一千万近く貯めこんでいた。タイコ以外にも女を抱え、金を稼ぎこの界隈の裏ボス、タラオの祖父磯野波平を倒すことを夢見ていた。その為ならどんな屈辱や苦渋にも耐えると心に誓っていた。
「すいませんでした、甚六さん。今からやらせます。母さんいつものように」
「はい」タイコはタラオの前に跪きスラックスのジッパーを下ろした。
「まっ、待って僕にはリカが。彼女のリカがいるんだ。こんなことできない、やめて、やめて」
タラオが口走った『リカ』という言葉にイクラは唇を歪めこう言った。
「リカ?あいつは去年からオレのところで働いてるぜ。お前が会社辞めたからワタシが稼がないといけないって言ってたぜ。あいつ稼ぐし締まりも良いしお前には勿体ない女だな」
53 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/22 21:35
つ づ き は ま だ か ?
54 :
御待たせしました:04/04/23 05:45
「どうゆうことですか?リカが働いてる?締りがいい?ま、まさか?」
タラオは完全に混乱していた。だが去年の暮れあたりから、リカの化粧やファッションが派手になっていることが気にはなっていた。
「どうも、こうもねーよ。オレのところで働くってことは客取ってるってこと。ウリだよ、ウリ。お客さんには粗末なもの提供できないから、オレと朝倉が味見したってことだよ。アイツ初めてイッタって言ってたぜ、ククク」
イクラは気持ちよさそうに語るとタラオのほうを見やり「こんな婆あよりリカのほうがいいか?なんなら呼ぶぜ」
タラオはその言葉には答えられずにいた。彼の頭の中では日曜日午後6時30分の光景が走馬灯のように浮かんでいた。
『タラちゃん。イクラちゃん。いっしょに遊びましょう』
リカの声が聞こえる。タラオとイクラは嬉しそうにその声の方へ走っていく。
『リカちゃん、待ってくださーい』『バブー』
『あの頃は楽しかったです』完全に現実逃避の世界に入っていたタラオを、股間に走る快感が現実へと引き戻した。
「タ、タイコさん!?」タイコはタラオの股間に頭を埋め、その貧弱な男性自身にむしゃぶりついていた。
「ハハハ、いい眺めだ。タラちゃん気持ち良いかい?」
「母さん、まだイカせるなよ」
甚六とイクラの目が見守る中でタラオはタイコの口中で果てた。
「うわっ、早っ。それにちっちゃっ。これじゃリカも満足できないはずだ」
イクラは下卑た微笑を浮かべてタラオの方を見やった。タラオは効果音とともに自分の身体が小さくなる錯覚に襲われた。
「タラちゃん若いんだからまだやれるだろ?今度はちゃんと下でイってよ。それともリカちゃんがいい?」
タラオはそれには答えず、再び現実逃避していた。
『ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃん、カツオ兄ちゃん、ワカメ姉ちゃん。僕は悪い子じゃないです。早くて小さいのは遺伝です。パパは大きいのに、おじいちゃんやカツオ兄ちゃんは小さいです』
「ちっ、目ぇ覚まさせてやる。…おう。リカ、お客さんだ。場所は朝倉と3Pした場所だよ。うん、元海山商事のビルだ…30分だな分かった。速く来いよ」
イクラは携帯をしまうと現実逃避中のタラオの頭を小突いた。
「おい、リカが来るぞ。お前らのプライベート見せてもらうぜ、こうなったら金はいらねーよ。愛のあるSEX見せてくれよ」
『…リカが来る?愛のあるSEX?僕は本当にリカを愛しているのか?…分からない、15の時リカと初めてした時、僕は彼女を愛していた。でも今はどうだ?』
「おい!いつまでぼーっとしてんだ!!」イクラの怒号はタラオの耳には届かなかった。
『今の僕はリカを愛していない。僕が好きなのは好きな時にやらせてくれて、お小遣いを呉れるリカが好きなだけだ。…最低だ、人間の屑だ。彼女が来たら一緒に逃げよう。そして許してもらえなくても謝ろう、そして一からやり直そう』
「タラちゃんは動揺してるみたいだね。タイコさん、もう一度咥えてやってよ」
タイコは甚六の言葉に頷くと再びタラオのそれに舌を這わせた。
「タラちゃん…気持ちいい?おばさんのフェラチオ気持ちいい?」
タイコは熟女独特のテクニックでタラオを攻め立てるが、タラオのそれは無反応だった。
甚六が「つまんないね」と言いかけたとき、ドアが開いた。
「お楽しみのところ邪魔するよ」
部屋に入ってきたのはロマンスグレーの男と、唇が異常に腫れ上がった男だった。
「マスオ、穴子。貴様らどうしてココが判った」
二人はイクラの問いには答えず。マスオはマリファナを吹かし、穴子はリップクリームを一度に3本使い切った。
「ドン波平ご自慢の暗殺隊か…この傷の恨み晴らさせてもらおうかな」
甚六は呟くとホルスターからトカレフを抜き出しタラオのこめかみに突きつけた。
「人質が効くとは思えないけどね。一応」
「もちろん無駄だよ。私たちの任務は君とイクラ君を捕縛すること。タラオは死体で持ち帰ってもいいって言われているから」
マスオは息子の窮地にへらへら笑いながら答えた。
「嘗めるなジジイ」
イクラは懐からダイナマイトを取り出し、左手にはライターを握った。
「俺と甚六さんが死んだらやばいんだろ。どけよ道をあけろ。?!」
イクラの左手に激痛が走った。「キャー。イクラ!!」タイコの悲痛な叫び。イクラの左手は手首から穴子のピアノ線で切断された。
「穴子君。素早いね。甚六君、ピストルくらいで私たちに勝てるかな」マスオはへらへら笑いを止めず手首の関節をほぐし始めた。
マスオさん、やばいね。
「甚六君。その玩具しまわないと手足千切ってダルマにするよ」
マスオの目に妖しい光が宿る。甚六の脳裏に十年前、マスオと闘った時何もできず顔を切刻まれた記憶が甦る。
『俺がこの男に勝つ方法はあるのか。奴が使う妙な拳法あれさえ封じれば』
マスオに対する恐怖から、口の渇きを覚えながら甚六は自らを奮い立たせた。
「やってやるよ。十年前の僕じゃない」
甚六がトカレフの銃口を、マスオに向けようとした時だった。
「鬼。鬼畜。許さない、イクラをこんな目にあわせて。ワタシはあんたたちを許さない」
タイコがイクラの持っていたダイナマイトとライターを手にマスオと穴子を睨みつけた。
「フゲタクン。ヤバイ、コノオンナ、ホンキダ」
マスオと穴子にできた一瞬のスキ。甚六は見逃さなかった。
「イクラ、立てるか?逃げるぞ」
甚六はイクラに肩を貸し、窓ガラスを突き破りビルの3階から飛び降りた。
「…ニガラレタカ。ワレワレモニゲルゾ。ソシテヤツラヲオウ、フグタクンイソゲ」
タイコがダイナマイトに火を点けると同時に、穴子が放心したままのタラオを担ぎ上げ3人は甚六が突き破った窓から飛び降りた。
「車を用意していたか」
飛び降りた先に甚六たちの姿は無く、イクラのものと思われる血痕がガードレールの辺りで途切れていた。
次の瞬間、衝撃音と共にビルは3階から火を吹いた。
「フグタクン。イチド、ドンニホウコクシヨウ」
マスオは穴子の提案に頷きBMWの後部座席へタラオを乱暴に投げ入れた。
「リカを締め上げれば何か解るかもしれないな」
BMWの運転席に乗り込んだマスオは呟いた。
朝日ヶ丘。この平和でほのぼのとしたベッドタウンが、金と暴力が支配する町になって15年の歳月が流れた
きっかけを作ったのは4人の男。花沢不動産社長、三河屋店長、伊佐坂難物。そしてこの3人を裏で操った磯野波平。
「磯野さん。この町を仕切りませんか?」
波平にそう持ちかけたのは、小説に行き詰まっていた伊佐坂だった。
「伊佐坂先生。どういうことでしょうか?」
怪訝な顔をする波平の杯に酒を注ぎながら伊佐坂は答えた。
「私、最近ほのぼの小説が書けなくなりまして。せっくす&ばいおれんすを書いているんですが、これを実行したいと思いまして」
「面白いとは思いますが。上手くいかないでしょう」
伊佐坂のプライドを傷つけないよう、波平はやんわりと断った。しかし、伊佐坂はそれには気付かず。
「大丈夫です。すでに花沢さんと三河屋さんは協力を承諾しています。花沢さんは売春街を作り、三河屋さんは裏で麻薬を取り扱う。そして、磯野さんがボスになり私が磯野さんをサポートする。どうです、いいアイデアでしょう」
伊佐坂の眼は完全にイっていた。波平は自問自答する
『わしは今まで平凡に生きてきた。これからも平凡に生きていこうと思っている。だが、伊佐坂さんの申し出が魅力的に感じるのは何故だ。わしの中の餓狼が疼いている』
波平はハイライトに火をつけ再び考えた。
『わしの中の餓えた狼。こやつはわしの身を滅ぼすかも知れん。だが、魚介類一家などと陰口を叩かれる生活にも飽きた。今、天国か地獄どちらに行くかは分からないがバスが来た。このバスに乗ってみるか?』
「伊佐坂さん、分かりました。やりましょう。その話乗りました」
その後、伊佐坂の計画は面白いように当り、異を唱える者たちを処断しながら波平たちは組織を成長させていった。
飢狼伝説かYOw
サウスタウンと化すのかこの町はw
マスオ、穴子そしてデクノボーと化したタラオを乗せBMWは通称「城」と呼ばれる波平の事務所へ向かっていた。
「タラオ、城に行くのは久しぶりだろう。ドン…いやお祖父ちゃんもお前に会いたがっているぞ」
マスオはタラオに話し掛けるがタラオは呆けたようにあらぬほうを向いていた。
「フッ。無視するのか、まあいいだろう。お祖父ちゃんの前でもそんな態度でいられるかな。さてと、もう着くぞ」
「城」その呼称は決して大げさなものではなかった。その建物は辺りを睥睨するようにそびえ立っていた。
「マスオ様、穴子様。ドンがお待ちかねで御座います。謁見の間へどうぞ」
執事の中島に先導され3人は謁見の間へ向かった。謁見の間で待っていた磯野波平からは周りを威圧するような「氣」を発していた。
「甚六とイクラを取り逃がしたか。まあ良い、暫らく泳がせておけ」
波平の立居振舞や言葉には古の帝王の様な風格があった。
「申し訳ありません」
「ドン、コノアトワレラハドノヨウニウゴケバイイノデショウカ」
穴子の問いかけに波平は。
「貴様らは暫らく待機しておけ。カツオを動かした」
と答えた。穴子は顔色を失ったが、マスオは表情を変えなかった。
「ドン、ナゼチョウホウタイヲ?」
「穴子君、控えろ。諜報隊が動いたということは、甚六に繋がる不平分子が居るという事だ」
マスオが穴子を諭すと波平は苦笑した。
「マスオくん、流石に切れるな。これは君とカツオの後継者争いでもあるのだ。黒幕の首はこのレースに大きな影響を与える。ククク、楽しみだな」
波平はそこで言葉を止め、タラオのほうを見やった。
「タラちゃん久しぶりだな。お祖父ちゃんだよ」
波平は満面の笑みを浮かべた。だが、その眼は笑っていなかった。
怖すぎる。
タラオは相変わらず無反応だった。波平は笑顔のまま続けた。
「おやおや、ご機嫌斜めかな?タラちゃんもうすぐリカちゃんとママがここに来るよ。そんな顔してると二人に嫌われるよ」
波平の「リカちゃん」という言葉にタラオは我に帰った。
「?!リカがここに来る?母さんと一緒に?お願いです、彼女にリカに危害を加えないで下さい。お願いします」
母サザエの恐ろしさを熟知しているタラオは波平に懇願した。その眼に涙を湛えて。
「まったく。女の名を聞いただけで正気に変えるとは。ドン、いや御父さんタラオには躾をやり直す必要がありますな」
マスオが得意のへらへら笑いをしながら波平にいう。波平も笑顔のまま。
「マスオ君、そういった教育は母親の仕事だろう。ここでサザエを待とうではないか」
サザエが到着するまでの時間は2時間ほどかかった。しかしタラオにとってそれは非常に短く感じられた。
「父さん。このアマが逃げたり抵抗したりするから遅くなっちゃった。歩け!!コラ!!!」
サザエはリカを引きずるように連れてきた。リカの顔には無数の青あざが浮かんでいた。
「タラオ…捕まっちゃった。ごめんね、ワタシの所為で君まで捕まって。もう二人でこの町から出て行くこともむりだね」
「リカ…悪いのは僕だ。僕が会社を辞めたから、あんな辛い仕事を」
「!!、タラオ、知ってたの?イクラに会ったの?」
物語が昼メロのような展開になりそうになったが。サザエがそれを阻む。
「なに昼メロやってんだよ。吐けよこのクソアマ、イクラと甚六はどこだよ」
「知らない、ワタシが知ってるのはイクラのケータイとメルアドくらいよ」
タラオはサザエからリカを庇おうとサザエの前に立ちはだかる。
「母さん。もう止めて、僕たちは何も知らないんだ、僕たちのことはほっといてくれ」
「五月蝿い!!あんたみたいなのが私の子供だなんて信じられない。この女が大事なら二人で死ねよ。できないんなら、私が死なせてやるよ」
サザエの怒号が響いた。タラオに恐怖心は無かった。
「母さん、僕は最低の人間なんだ。殺されてもいいよ」
タラオの言葉に反応してサザエは長ドスを構える。
「待て。サザエ」
波平の声だった。
「この二人には聞きたいことがある。投獄せよ」
タラオとリカは鎖で縛られ地下牢へ連行された。
「バブー」 「おっ、イクラなんだい。絵本を読んで欲しいのか?」
「ハーイ」 「むかし、むかし…」 「本当にイクラはパパが大好きなのね」
タイコとノリスケの笑顔四つの眼が自分を暖かく見守っている。その風景が不意に消えた。「夢か」イクラは呟いた。同時に左手首に痛みを覚えた。
「目を覚ましたかイクラ」
そこには甚六と白衣を着た女が立っていた。
「甚六さん…その人は?まっまさかウキエさん!?」
「久しぶりね。イクラちゃん」
白衣を着たウキエ。彼女の美しさにイクラは息を呑んだ。それが甚六たちには焦りを感じているように見えたらしく、ウキエは微笑みながら言った。
「心配しないで、イクラちゃん。あなたのお父さんのことには裏があったの。それにあなたに責任はないわ」
「説明が必要なようだな」
甚六はポケットからショートピースを取り出し火をつけながら語った。
「お前の左手はどうにか繋がった。でも元通りになるかは分からん」
イクラはギプスの中に左手の感触を感じ取った。
「ウキエさんがこれを?」
「ええ。これでも医師免許は持ってるから。でも、今は…。兄さん、一本頂戴」
甚六はウキエにショートピースを一本差し出すと続けた。
「それから、お前のオヤジのことだが。あれは俺のオヤジ、難物が一服盛ったのが真相のようだ。強烈な媚薬だ、お前の言うとおりノリスケさんは嵌められたんだ」
「甚六さん。なんで今まで隠していたんですか」
イクラは語気を荒らげた。甚六の傷だらけの顔が詫びているように見えた。
「…すまない。お前とタイコさんには本当に申し訳ないことをした。俺には磯野グループを倒す為に金が必要なんだ。だが今日お前と俺たちの目標が同じモノだと分かった。虫のいい話なのは十分承知だ、イクラ俺たちに力を貸してくれ」
イクラは甚六の変化に気付いていた。甚六は心を開いた相手にしか「俺」という単語を使わないことに。
「しばらく、考えさせてください。心の整理がまだ…」
「かまわないよイクラ。俺もお前にとっては許せない相手の一人だろう。決心がついたら教えてくれ。その時はお前に殺されても構わない。でもその時は図々しいと思うだろうが、ウキエに力を貸してやってくれ」
甚六の言葉が本心からのモノなのかは分からなかった。しかし、イクラの心にその言葉が響いたことは紛れも無い事実だった。
66 :
名無し物書き@推敲中?:04/04/28 03:10
たぶんねぇ、今年の新潮、もう決まってるよ
タラオとリカが地下牢に投獄された頃。カツオは朝倉と会っていた。
「カツオさん、こんなに貰っていいんすか。すげー、200はあるよ」
カツオは以前から朝倉とはつながっていた。朝倉を使い、イクラにつながる不平分子を芋づる式に捕らる腹だったのだ。
「まずは、お前の知っていることを話してもらう。アトのことは指示する。それまでは余計な動きはするな」
カツオは朝倉の頭の悪さが嫌いだったが、そんな心情はおくびにも出さなかった。
「俺の知ってることなんてぜんぜん大したことないっすよ。イクラの商売は甚六のバックアップがあって。それからアイツは甚六に内緒でお袋さんにウリをやらせてたことぐらいっす」
「大したことあるかないかは俺が決める。お前は俺の質問に答え、指示に従え」
カツオは苛立ちを隠せずに言った。朝倉はカツオの苛立ちを理解できずにいた。
「すんません。でもホント大したことじゃないっすよ」
朝倉の話す情報を聞きながらカツオは『馬鹿と会話するのは疲れる』と考えながら頭の中で情報を取捨選択していた。
「分かった。あとは、俺の指示を待て。余計なことをしたら……殺す」
カツオは朝倉に釘をさし次の一手を考えていた。
自宅へ向かう車中でカツオは朝倉から渡された顧客名簿に目を通していた。
「……面白い名前があるな」
ハンドルを握るのは、中島ほど有名ではないが、カツオの友人橋本だった。
「磯野。どんな名前があるんだ?」
橋本はカツオの部下、中島は波平の執事であったが。他に人がいないときは昔どおりに接してくれとカツオに言われていた。
「ふっふっふ。三河屋と三郎が下手な偽名を使ってるんだ。この仕事には今のところ関係ないが…」
「傑作だな。上手くいけばマスオ派の幹部を追い落とせるな。磯野も花沢と結婚したりして苦労しているもんな」
橋本の言葉にカツオは苦笑しながら答えた。
「あの親子は昔から俺に目を付けていたからな。花沢の親父が元気なうちは火遊びも我慢しないといけないしな」
アクセルを踏み込みながら橋本が尋ねた。
「三河屋の方は俺が調べようか?」
カツオは暫らく考えたあと。
「そうだな。俺は甚六たちの影を追わないといけないからな。橋本、そっちは任せた」
「了解。ところで磯野……」
二人の会話は昔の友人や共通の知人の話題となり。車は花沢不動産が娘夫婦の為に用意した高級マンションへ向かっていった。
「……寒い。……暗い。……僕とリカが何をしたんだ?こんなところに閉じ込めるなんて」
「城」の地下にある地下牢。タラオとリカが独房に入れられてどのくらいの時間が経過しただろう。いまだ尋問は始められていない。タラオはこれから始まるであろう恐怖に怯え、またもや現実逃避を始めようとしていた。
ここ人少ないね。
あと、もっとエロ描写を所望します。
中島ほど有名ではないが、っつーフレーズにワラタw
何気に結構面白いぞ、これw
「僕は悪い子じゃないです。それなのに、パパもママもお祖父ちゃんも僕に意地悪するです。どうしてですか」
現実逃避を始め、あらぬことを呟いていたタラオ。その目の前に、屈強な男たちを従えたワカメが現れた。
「タラちゃん。出なさい」
ワカメは優しく語りかける。しかしタラオの耳にその言葉は届かない。男たちがタラオを立たせ、ワカメを先頭にある部屋へと連行していった。
部屋の中では穴子が女に口唇奉仕をさせていた。
「キサマノコイビトガキタゾ」
穴子は女の髪の毛を掴み、タラオのほうを向かせた。その女、リカはタラオを見やったが。すぐ興味なさそうに視線を外し、再び穴子の男根にむしゃぶりついた。
「リ、リカ?!何をしてるんだ。やめろ、やめるんだ」
リカを見るとタラオは現実に引き戻され、叫んだ。しかしリカにその叫びは届かず、貪るように穴子のそれをしゃぶり続ける。
「タラちゃん。残念ね、リカちゃんはあなたより穴子さんの方が好きみたいね」
「コノオンナ、オマエニハモッタイナイ。オレノ11ニンメノアイジンニシテヤロウ」
ワカメと穴子の言葉、そしてリカの行動がタラオに衝撃をあたえる。タラオはショックでその場に座り込んだ。穴子のモノをのどの奥まで咥え込み舌を這わせるリカに穴子が語りかける。
「イレテホシイカ?」
穴子の言葉にリカは咥えたまま激しく頷く。
「ヨシ。タテ、シリヲコッチニムケロ」
いい意味で最悪だな。
リカは穴子に向かって臀部を突き出す。穴子はリカのショーツを乱暴にずり下ろすと秘所に指を突っ込んだ。
「ホウ、モウズブヌレダナ。マチキレナイカ?ホシイカ?」
「穴子様、もう我慢できません。入れてください、ワタシをメチャクチャにしてください」
懇願するリカの顔はタラオが見たことの無いものだった。そのうっとりとした表情に、タラオは股間を熱くしながら叫んだ。
「リカ!!お願いだやめてくれ。どうして、僕たちは愛し合ってるんじゃないのか!!」
タラオの叫びにリカは中指を立てた。
「寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ。あんたに近づいたのは、あんたが波平様の孫だからよ。でもあんた波平様に見放されてるじゃない。ふざけんなこの短小」
リカはそこまで一気に言うと今度は口調を変えて穴子に懇願した。
「穴子様。早く早く入れてくださいませ」
「まったく。下品な女ね。穴子さん、どうするの?」
ワカメが見下したように言う。穴子はそれには答えず、一気にリカを貫いた。
「ああん!!すごい、穴子様。こ、こんなの初めて」
穴子に貫かれリカは歓喜の声をあげる。ワカメは笑い、タラオは絶望の中またもや現実逃避に入った。
「リカちゃん。僕は悪い子じゃないです。人よりちっちゃいだけです。もう止めてください。僕はどうすればいいですか……」
タラオの現実逃避から10分以上が経過した時、穴子は絶頂に近づいていた。
「ナカニダスゾ。ウンガヨケレバオレノコヲミゴモル……」
「穴子様、出してください。ワタシの中に……ああ!!出して!!」
リカの絶叫と共に穴子はリカの体内に放出した。タラオは現実逃避をしながらもオスとしての敗北感にさいなまれた。
穴子とリカの行為が終わった時、タラオの中で何かが弾けた。
「貴様ら……僕が何をしたんだ。僕の全てを奪わないと気が済まないのか?」
タラオはワカメに飛びつこうとするが。ワカメ親衛隊がそれをあっさりと阻む。
「…オロカナ、キサマガフグタクンノムスコデ、ドンノマゴトハシンジラレンナ」
穴子はまだ勢いを保つ肉棒を、リカの口中に突っ込みながら呟く。
「タラちゃん。あなたが一族の面汚しだから私たちが再教育してあげてるのよ。感謝するならともかく、文句を言うなんてどういうつもりなの」
ワカメは子供を諭すような口調でひどいことを言った。
「オット。ジョウズダナリカ。モウイチドヤルカ」
リカの口中で勢いを取り戻した穴子は好色な笑みを浮かべた。リカは頷き、タラオは再び屈辱にまみれた。
『城』からそう遠くない場所にフグ田家はあった。かつて、平和な時代に磯野家があった場所だ。
「まったく。タラオはどうしてあんな風になっちゃたのかしら」
ワイルドターキーをラッパ飲みしながらサザエが呟く。ビールを飲んでいたマスオはそれに答える。
「昔から甘い男になるとは思っていたが。あの甘さは私の予想以上だな」
フグ田夫婦が晩酌をしている部屋に若い男が入ってきた。
「父さん、母さん。兄さんが捕まったようだね」
「海老蔵か。まったく、兄弟でこれほど違うとはな」
入ってきた若い男。フグ田海老蔵はタラオの5歳下の弟で、今は磯野家の顧問弁護士になる為、国立大学の法学部に通っていた。
「僕と兄さんを比べないでくれよ。あの男を兄だなんて思いたくもないよ」
海老蔵は吐き捨てるように言うとちゃぶ台の一角に座った。サザエは一本目のワイルドターキーを飲み干すと海老蔵に言った。
「海老蔵。あんたワカメの手伝いをする気は無い?」
「兄さんの再教育だね。……いいよ。明日ワカメ叔母さんのところに行くよ」
マスオにビールを注いでもらいながら海老蔵は眼に妖しい光をたたえて言った。
穴子はなんでカタコト?
>>75 穴子はあの唇を見るに、アフリカの血が入っていると判断し、カタコトにした。
この設定は今後のストーリー展開に影響しないので、今回答えさせてもらう。
海老蔵が生まれた日。この日が転落の始まりだった、とタラオは感じていた。磯野家のアイドル、その地位は海老蔵に取って代わられ、今まで許されていた行動も「お兄ちゃんでしょ」の一言で禁止された。
「皆、海老蔵ばっかり可愛がるです。皆嫌いです」
家族からの愛、それを当たり前のモノとして享受していたタラオにとって、その愛が海老蔵に向けられることは我慢できなかった。
「僕はいい子です。それなのに皆は僕のこと嫌いになったです。全部海老蔵が悪いです」
タラオが海老蔵に殺意を抱いたのは7歳の時だった。海老蔵を殺そうとその首を絞めた。
「何をしてるんだ。タラオ、やめろ、やめるんだ」
マスオに止められたタラオは、なおもその首を絞めようとするが、抵抗は無駄だった。
「何故、こんなことを」
マスオの問いかけにタラオは答えられず、その日初めてマスオに殴られた。そして、この日からタラオの現実逃避が始まった。
「海老蔵君。久しぶりね」
「ワカメ叔母さん。ご無沙汰してます」
サザエに依頼された翌日、海老蔵は早朝から『城』に来ていた。昔から兄弟仲の悪かった海老蔵にとって、タラオへの拷問は楽しみで仕方が無かった。
「叔母さん。馬鹿兄貴は?」
「地下牢にいるわ。昨日は傑作だったのよ。海老蔵君、今日はもっと面白くなるわよ」
ワカメは笑みを浮かべながら、海老蔵を地下牢へと誘った。
「もうなにもいらないです。だからここから出してください」
地下牢でタラオは現実逃避を続けながら呟いていた。
「相変わらず現実逃避か。成長しないな。目ぇ覚ませ、馬鹿兄貴」
海老蔵の声にタラオは反応し現実に引き戻された。
「え、海老蔵……」
そこまで言うとタラオは絶句した。
「久しぶりだな。18年前にお前に絞められた首がまだ痛む時があるんだよ」
「僕のことはほっといてくれ。ワカメ叔母さん、僕をここから出してくれ。もう、リカはあきらめるし、磯野家とも縁を切るからお願いだ」
タラオの言葉にワカメは苦笑し、海老蔵は舌打ちをした。
「まだ分かんねーのか、てめーは。いいか、てめーは一族の面汚しなんだよ。本来なら殺すところだが、お爺様の寛大な措置で再教育を受けるだけでいいんだよ。寝言こいてんじゃねーよ、このドアホウが」
海老蔵は苛立ちを隠せなかった。だが、内心はタラオに苛烈な拷問ができると鼻歌を歌い、スキップをしたい心境だった。
「タラちゃん。リカちゃんばっかりSEXするのはずるいよね」
ワカメは満面の笑みをたたえて言った。
「さっき、海老蔵君にもそのことを言ったらあなたにもSEXさせてあげようって言ってくれたのよ」
ワカメが指を鳴らすとワカメ親衛隊の屈強な男が現れた。
「彼はハマグリ(仮)っていうんだけど。本格派のホモなの。すごく仕事ができるから、ご褒美をあげなきゃって叔母さん思っていたのよ」
ワカメは慈母のような笑顔で言葉を続ける。海老蔵は笑いを堪えられない様子だった。
「だからね。ハマグリ(仮)とSEXさせてあげるわ。心配しないで、ハマグリ(仮)は攻め専門だから」
タラオはこれから自分に起こることを想像し、吐き気を催した。ハマグリ(仮)の股間はすでに戦闘態勢に入っていて、今にもはちきれそうだった。
「兄貴。リカさんと一緒にやろうぜ」
「海老蔵君!それは酷いわ。……でも、面白いから採用」
ワカメが目配せすると、ハマグリ(仮)はタラオを抱きかかえ前日リカと穴子が結ばれた部屋へワカメと海老蔵を先導する形で向かっていった。
「サブ、イクラの動向がドンに知られたようだが、わしらは大丈夫だろうか?」
三河屋ビルでは三河屋と三郎が密談をしていた。子供のいない三河屋は三郎を腹心とし、今や三郎に実権を握られかけていた。
「ドンはカツオを動かしたようです。カツオに知られなければいいのですが……」
立身出世を夢見て裸一貫で上京した三郎にとって、今の生活は野望の途中でしかなかった。一夜の快楽を求め、三河屋と共にイクラの紹介で女を抱いたことを三郎は後悔していた。
「カツオの動きはできる限り掴みます。…ですが、相手は諜報隊。下手に動くとまずいことになります」
「マスオさんに頼んで、カツオを殺るか?」
「それは、まずいです。諜報隊の結束は非常に堅い。下手な動きはこちらの首を絞めます」
三郎はこの窮地を脱する一手を考えあぐねていた。危機感が心を支配する一方で、カツオと自分の知力の闘いが心を躍らせていることに気付いた。
『この窮地に心を躍らせるとは。……俺は、根っからの軍師。カツオ、決着をつける時が来たな』
三郎は心に焔が立ったことを感じていた。
>「海老蔵君!それは酷いわ。……でも、面白いから採用」
おもしろい。
タラオは今までに無い絶望、屈辱、そして敗北感を感じていた。
「お尻が痛いです。気持ち悪いです」
ハマグリ(仮)に犯される中、それを笑いながら、穴子のモノを受け入れるリカ。タラオは屈辱の為に現実逃避だけでは精神の均衡を保てなくなっていた。
「出してください。出してください」
タラオは泣きながら地下牢からの釈放を願った。
「甚六さん、協力させてもらいます。でも、磯野グループを倒した後はあなたと決着をつけたい」
イクラはついに決断した。磯野グループの打倒、そのために甚六と手を組むことを。
「すまないな。イクラ、あのグループさえ倒せば俺はお前に喜んで殺されるよ」
甚六が右手を差し出すと、イクラは力強く握り返した。
「さてと。イクラ、これからお前に合わせたい人がいるんだ。我々の協力者たち、それからお前も良く知ってる人だ」
二人は部屋を出ると、甚六の車に乗り込み、町外れへと向かっていった。
「甚六さん。協力者ってどんな人たちなんですか」
イクラの問いに甚六は答えた。
「3人の婆さんだ。正体は俺の口からは言えないが、会えばお前も分かると思う」
甚六の車は、古びたホテルに止まり二人は中へ入っていった。
「その人たちは地下にいる。行くぞイクラ」
甚六はイクラを先導しながら階段を降りていった。
地下で待つ3人の老婆は何故かKKKのような覆面を被っていた。左の老婆はスケボーとラグビーボールを両脇に抱えていた。
「待っていたぞ、甚六。ほう、イクラも一緒か」
真ん中の老婆は青島幸男そっくりの声で語りかけた。
「ご飯はまだか?」
右の老婆はボケているらしくあらぬことを呟き、その声には生気が感じられなかった。
「あのー、その右の人大丈夫なんですか?」
イクラの質問に真ん中が答える
「こいつは、計画の実行に必要なんだよ。あんたは余計な心配しなくていいんだよ。計画っていうのは、『城』を爆破することだよ、あんたらの仕事は爆破が成功してからの話だね」
「爆破?『城』を爆破?あの厳重な警備の中どうやって?」
イクラは『このバーさんたちボケてんじゃねーか』と思った。
「波平の暴走を止める為には他に方法は無いのよ」
左の言葉は切羽詰ったものだった。イクラはその正体がなんとなく分かったが、それを口にするのははばかられた。
「爆弾は今ウキエが作っています。あと2週間位でできると思います」
甚六の言葉を聞き、真ん中は不満そうに言った。
「もっと早くできないのかえ。年寄りの2週間はあんたら若い衆と違って貴重だからね。それに、こいつはボケてるから2週間後には寝たきりになってるかもしれないよ」
真ん中はあごをしゃくり右の方を向いた。
「でも、これが精一杯なんです。僕が手伝えるのは材料集めまでで、製作は素人なんで手伝えないんです」
甚六の言い分に真ん中はあざけるように言った。
「さすがに、何度も大学に落ちるだけあって間抜けだね。まあいいよ、ブツができたら連絡しな」
甚六は嘲笑に耐え「失礼します」とだけ言ってイクラと共にホテルを後にした。イクラは甚六がこの仕打ちに耐えているのか不思議だった。
「甚六さん、言われ放題でしたね」
アジトへ帰る車中でイクラは甚六に尋ねた。甚六は気にした風もなく答えた。
「ああ、気になったか?あのババアはそういう性格なんだ。でもイヂワルにかけては天才だ、俺は頭が悪いからあのババアの知恵を借りないと目的を達成できないんだ」
イクラは、賢者長谷川町子がいじわるばあさんに最も感情移入していたことを思い出した。
「それじゃあ、あの真ん中は…いじわるばあさん?」
イクラの言葉に甚六は頷く。
「正解だ。でももっと早く気がつくと思っていたんだけどな」
「あの人いったい幾つなんですか?」
いじわるばあさんの伝説はイクラも知っていた。だが、その多くはイクラが小学生だった頃に聞いたものだった。10年以上前の伝説、その主が存命であることはイクラに少なくない衝撃を与える。
「少なくとも100は超えてる。でも、俺も正確な年齢は知らね。あのババアは凄いぞ、いまだに脳細胞はフル回転だ、天才だよ」
甚六は興奮した様子で言った。しかしイクラは爆弾テロなどといった単純な手口が成功するのかと一抹の不安を覚えた。
「タバコが切れたな。買っていくか」
橋本はタバコを買いに、コンビニに車を止めた。その時通り過ぎた車の助手席にイクラの顔が見えた。
「今のは、イクラ?ヤバイ、早く追わなくては」
橋本はイクラを乗せた車を追った。幸い道は空いていてその車の真後ろに着けることができた。マイナーキャラからの脱却を目指す橋本にとってそれは千載一遇の機会だった。
「逃がさねえ。へへへ、逃がさねえ」
イクラたちが乗った車を追う橋本の目は尋常なものではなかった。だが、イクラと甚六はすでに橋本の存在に気付いていた。
「ちょっと近づきすぎか?少し車間を広げるか」
橋本はスピードを落とし車間を広げた。その様子を感じ取り甚六はほくそえんだ。
「馬鹿が。今更車間を広げてももう遅いんだよ」
「甚六さん。どうするんですか」
「簡単だよ。捕らえて殺す、そして奴にはメッセンジャーになってもらう」
甚六はアジトとは逆方向の左に曲がると、傷だらけの顔を歪めて笑った。甚六の車が向かった先は河川敷、そこには廃工場があり甚六とイクラは建物の中へ入っていった。
「ここが連中のアジトか。少し情報を集めるか」
橋本が無防備に工場に近づくといつの間にか背後に回った甚六にトカレフを突きつけられた。
「えーっと。君は誰だっけ?確かカツオ君の腰ぎんちゃくだったよな」
「甚六!てめーいつの間に」
両手を上げさせられた橋本の身体をイクラの右手がまさぐる。イクラは橋本の懐からリボルバーを取り出すとそのこめかみにあてがった。
「くそ!殺すなら殺せ。俺は何も喋らねえ……」
橋本が覚悟を決めて叫ぼうとしたとき甚六のトカレフが火を吹いた。弾丸は橋本の左胸を貫いた、即死だった。
「さてと。イクラメッセージを書こうぜ」
甚六は懐からナイフを取り出すと橋本の死体に彫刻を始めた。それは、波平、マスオそしてカツオの泣き顔をデフォルメしたものだった。
「この川から流せば『城』の方に流れていく。ククク、楽しみだな」
甚六のサディスティックな行為にイクラは気分が悪くなった。しかし、磯野グループを倒す為には非常に徹する必要があることを悟った。
85 :
あかさかさん:04/05/10 23:05
サザエさんなのに、波平がドンなのね…でもこわおもろいわョ。
86 :
あかさかさん:04/05/10 23:06
サザエさんなのに、波平がドンなのね…でもこわおもろいわョ。
イクライクライクライラクイクライクライラクイクライラクイラク
『城』に橋本の死体が流れ着いたのは3時間後だった。これが騒ぎにならなかったのは、『城』に直接通じる川の周囲は磯野グループの地所であり、川にかかる橋は地下道となっていた為である。
「橋本。何故お前がこんな目に?許さん、俺はお前をこんな目に合わせた奴らを決して許さん」
橋本の遺体を抱擁しながらカツオは泣いた。この行動が諜報隊の結束を固める為の演技であることに気付いたものは少なかった。
「磯野。名演技だな」
カツオの演技に気付いた一人、中島はカツオの耳元で囁いた。
「嫌味を言うな。お前も俺をドンにする為演技してるじゃないか」
カツオの親友である中島が、執事などという地位に甘んじているのは波平のそばに侍り、マスオ派の情報を集める為だった。
「ドンがヤバイ。最近は薬の量も増えている」
中島が囁いた言葉は重要な意味を持った。カツオは現状でマスオに一歩遅れを取っていた。波平の体調が芳しくないのであれば、今の仕事を暗殺隊の協力なしに片付ける必要があった。ここに来てカツオは初めて橋本を惜しいと思った。
「カツオよ、一刻も早く、甚六一味を捕らえることが橋本への一番の供養だ」
謁見の間では、波平がカツオを謁見していた。
「奴らを甘く見ていました。橋本の為にも一刻も早く甚六一味の首をお見せいたします」
カツオの言葉に頷くと、波平は手を打って中島を呼んだ。
「波平様。お呼びでしょうか」
「うむ。ちと興奮したようだ。薬をもて」
波平とカツオに深々と頭を下げ、中島は血圧降下剤とニトロを持って来た。
「カツオ、見ての通りだ。わしが現役でいられるのもそう長くない。情としては貴様に跡を継がせたい、だが。親子の情だけで決められる問題ではないのだ。組織が大きくなりすぎた、貴様を後継者に指名できるような働きを期待する」
「ドンのお心に沿えるよう研鑚いたします」
「うむ。もうよいぞ、仕事に戻れ」
「失礼致します」
謁見の間から出たカツオは『想像以上に悪いな。急がなければ』と思った
橋本を始末した後、甚六は精力的に動いた。車を二子玉川に止めると、そのまま電車で渋谷へ向かった。
「次は朝倉だな。あの馬鹿、裏でカツオと繋がってることがばれてないと思い込んでる。次のメッセンジャーはあいつだ」
「朝倉がカツオと?!本当ですか甚六さん」
イクラは甚六の言葉に耳を疑った。
「本当だ。アイツが忠誠を誓うのは金だけだ」
イクラは中高生の頃からの友人朝倉を信じたかった。しかし、最近の朝倉の行動は不審な点がいくつか見られた。
「そう言えば。最近アイツから居場所を聞く電話が多かったような…」
「お前の居場所は俺だけじゃなくて、カツオにも流していたと思うぜ」
イクラの怒りは朝倉よりむしろ、自分自身の甘さに向けられた。こんな甘さで磯野グループを倒せるのかと自問自答した。
「渋谷ー。渋谷。お忘れ物にご注意ください」
無機質なアナウンスが流れる。甚六たちは電車から降りると朝倉が出入りしているマンション雀荘へ向かった。
「いらっしゃい。波野君、久しぶりだね」
マンションの一室では一癖も二癖もありそうなマスターが出迎えた。
「マスター。ちょっと頼みがあるんだけど。朝倉を拉致らなくちゃいけないんだ」
イクラの言葉にマスターは顔色を曇らせた。
「そういうのはちょっと協力できねーな」
甚六はマスターの目を直視すると、茶封筒をマスターに放り投げた。
「300あります。迷惑料ですよ、まだお客さん来てないみたいだから早めに終わらせたいんですよ。朝倉君を呼んでもらえませんか」
マスターは封筒を懐に仕舞うと。
「しょーがねーな。何があったか知らねーけどここで暴れたりしないでくれよ」
そう言うと、マスターは受話器を取り朝倉に電話をした。
「こんちわー。俺と勝負したい人ってどこっすか」
小一時間ほどして朝倉は現れた。これから自分の身に起こることなどまったく想像していなかった。
「やあ、朝倉君。ちょっと付き合ってよ」
無造作に卓に近付いた朝倉の腕を甚六が掴み、後ろに捻じり上げた。
「じ、甚六さん?なんで?なんでここにいるの?なんでイクラと一緒なの?」
朝倉は訳がわからないまま連行された。電車と車を乗り継いでの移動だったが、カツオとの関係がばれているなどと思ってもいない朝倉は無抵抗でアジトへ連れられた。
「朝倉君。カツオ君に連絡してもらおうかな」
「なんすか。なんで俺がカツオに?知らないっすよカツオの連絡先なんて」
甚六の言葉に朝倉は白を切る、甚六はニヤニヤしながら聞き流す。イクラが吠えた。
「とぼけてんじゃねー!てめーがカツオと繋がってることはとっくにばれてんだ。言われたとおりにしねーとぶっ殺すぞ!」
「興奮するなよイクラ。そんな言い方したら朝倉君も喋れないだろう。朝倉君、カツオ君に連絡してくれないかな。簡単だよ、甚六とイクラを渋谷で見かけましたってね」
「甚六さん、俺は本当に知らないっす……」
朝倉がそう言いかけた時、甚六のナイフが朝倉の左耳を切り飛ばした。アジト内に朝倉の悲鳴が響いた。
「朝倉君、僕は嘘つきが大嫌いなんだよ。可哀相に、左耳無くなっちゃたね、次はどこがいいかな」
甚六はそう言うと、朝倉の切断された左耳。その切断面を舐った。
「分かりました!分かりました!!カツオに連絡します。連絡させてください」
朝倉は涙声になりながらケータイを取り出した。
「妙なこと喋ったら耳じゃ済まないよ。渋谷で見た。それ以外のことは言っちゃだめだよ」
朝倉は激しく頷きながら、カツオのケータイの番号を押した。
「カツオさんすっか。こっちから連絡してスンマセン。……でも、甚六とイクラを渋谷で見たんす、だからカツオさんに連絡を。…はい、失礼します」
朝倉が電話を切ると甚六に「俺はこの後どうなるんすか」と尋ねた。
「この後?まだ仕事は終わってないよ」
甚六がそう言うと同時に、何時の間にか姿を現したウキエが朝倉に麻酔を注射した。
麻酔によって朝倉が眠りにつくと甚六はイクラを見やり言った。
「さてと、渋谷に戻ろうか」
甚六の言葉をイクラは不審に思った。朝倉の通報によって今渋谷に近付くのは危険だと思えた。
「分からないか、イクラ。今渋谷に戻ることで、カツオに朝倉の情報を信用させるんだ。多分、カツオは3〜4人しか動かしていない、朝倉をそれほど信用はしてないだろう。朝倉を信用してくれないとこっちも動きにくいんだ。分かったか?」
イクラは甚六の説明を半分ほどしか理解できなかった。ただ、今は甚六を信じて行動するしかなかった。
渋谷へ戻った甚六たちは故意に目立たないような行動を取った。
「さっきのジャンヤに戻ろう。あのオヤジを始末しておかないと朝倉のことがバレルかもしれない」
甚六は目的を果たす為にはどんなことでもするつもりだった。イクラも今は非常に徹することを心がけた。
「いらっしゃい。なんだ、またあんたらか。今度はなんだい。今日は客がこねぇ日だな」
マスターはタバコに火を点けると呟いた。煙を吐き出した刹那、甚六はマスターの口中に青酸カリを含ませた。
「?!なにすんだ。てめぇ」
マスターが叫んだ次の瞬間、青酸毒特有の直撃死がマスターを襲った。口からどす黒い血を吐きながら絶命した。
「行こうぜ。そろそろ諜報隊の連中に見つけてもらわないといけないしな」
甚六はコーヒーを飲み終え喫茶店を出るような口調で言った。イクラは目の前で人が死ぬことに慣れつつある自分に気付き、少なくない衝撃を覚えた。
渋谷に派遣された諜報隊は甚六の読みどおり4名だった。指揮を取るのはワカメの恋人で、カツオの信頼も厚い堀川だった。
「朝倉のタレコミなんて当てにならんが、調べる価値はあるな。2・2に分かれよう、万が一戦闘になったら甚六は生かしておけ」
堀川の指示で2つに別れた諜報隊は、渋谷の街へ消えていった。
92 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/15 21:28
しっかし面白いね。
堀川の部下2人が、道玄坂の雑居ビルから甚六とイクラが出てくるのを見かけたのは、捜索から2時間近く経った頃だった。部下の一人が堀川に連絡を入れた。
「堀川さん、甚六とイクラを発見しました。……はい、そのビルがアジトなのかは分かりませんが、つけます。……はい、動きがあればまた連絡します」
部下の連絡に堀川は指示を出した。
「ああ。それと下手に合流すると目立つからな。できるだけ情報を集めてくれ。…連絡を待つ」
堀川の部下が電話を切ると、甚六とイクラは風俗店に入っていった。
「どうする。中まで追うか?」
「いや、それは早計だ。あの店が奴らのアジトだったら下手に踏み込むとヤバイ。堀川さんに連絡だ」
部下の一人がケータイを取り出し、堀川に連絡を入れた。
「そうか、分かった。こちらはさっきのビルを調べる、お前らは暫らくそこで待機だ。こっちの調査が終わり次第合流して引き上げだ、奴らが渋谷にいることが分かっただけでも収穫はあった。今日は人が足りない」
堀川たちは雑居ビルに向かった。ビルには社名の無いフロアが多く、怪しい商売をしている業者が多いようだった。
「二人では踏み込めないな。今日の調査はここまでだな」
堀川はそう呟くと、風俗店の前で待機中の二人と合流し、朝日ヶ丘へ戻った。
「上手く釣れてればいいですね」
風俗店の裏口から外へ出ていたイクラと甚六は、すでに朝日ヶ丘のアジトに居た。
「ああ、最後に出たビルで漸く見つかったからな。あとはこっちの思惑がバレていないことを祈るだけだな」
甚六は焼酎のロックを呷るとそう言った。手首が完全に繋がっていないイクラは、コカコーラを飲んでいた。
『イクラと二人でちょうどいいんです』
平和だった頃、タイコと二人でよく飲んでいたのがコカコーラだった。イクラは優しかった母のことを思い出していた。
『俺たち家族が崩壊したのも磯野ファミリーのせいだ。コーラの味は俺の思い出の味だ。母さん、仇は打つ。父さん、あんたはどこにいるんだ』
イクラはコカコーラを飲み干し決意を新たに固めた。
94 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/15 23:57
正直おもろい
「渋谷に潜んでいたか。そうなると、橋本を殺ったのは甚六じゃないのか」
カツオの自宅では堀川が渋谷で収集した情報を報告していた。橋本は死の直前、カツオに報告していなかった為、甚六たちの行方はカツオの耳には入っていなかった。
「罠かもしれないな。お前はどう思う」
「その危険性は十分あります。私も朝倉がそれほど信用できるとは思いません。しかし、他に情報が無い以上渋谷に兵隊を回す必要があります」
堀川の意見はもっとっもなもので、カツオは情報収集と渋谷での張り込みの両面作戦を取ることを決めた。
「堀川。飯を食っていくか」
カツオに信頼される堀川がカツオ宅で食事をしていくのは珍しいことではなかった。堀川は「ご馳走になります」と言った。
食卓ではカツオと妻の花子、そして堀川がカツオの大好物ステーキに舌鼓を打っていた。
「お前とワカメの結婚がなかなか進まない理由は分かっているな」
ワインを飲みながらカツオが堀川に語りかけた。
「マスオ派が反対していますから。しかし、我ら諜報隊の手で不平分子を処分できれば」
「そうだ。今回の仕事を成功させれば誰にも文句は言わせん」
カツオたちの会話に花子が割ってはいる。
「堀川君がうちの人の義弟になれば、心強いわ」
「花子の言うとおりだ、それに俺のバックには花沢の義父さんもついている。マスオ派は仕事が終わった後でゆっくりと料理しよう」
カツオ切れ者の堀川を信用し利用しているように、堀川もカツオの権力と背後にある花沢不動産の財力を利用し、磯野グループの中で成り上がろうとしていた。二人の関係は信頼しながら、お互いに利用しようとする関係だった。
「ところで堀川。お前に頼みがある」
「なんでしょうか」
「三河屋と三郎がイクラの客だったらしい。橋本に調査させていたが調査は進んでいなかった。橋本の代わりに調査をしてくれないか」
「解りました。でっち上げでも何でもしましょう」
堀川の言葉を満足げに聞いたカツオはグラスの中のワインを飲み干してニヤリと笑った。
応援してます。
頑張って下さい。
今日さ、外歩いてたらTVでサザエさんやってたんよ。
ラーメン屋のおまけっつーかなんつーか、
ともかくそこは常にフジテレビ流し続けている、おそらく客寄せの為なんだろうけど…
仕事中だったんだが、自分、そのサザエさんを見てニヤニヤがとまらんかったw
ここの話、結構面白いw
後を引く、つか引きずっちまうw
「もう嫌です。気持ち悪いです。僕は悪い子じゃないです」
地下牢ではタラオへの陵辱が日課になっていた。この日は、海老蔵が持ち込んだバイブを使ってのプレイだった。
「うるさいぞ。静かにしてくれ」
タラオが声のした方を見ると、そこには痩せこけた中年の男が投獄されていた。
「僕は毎日酷い目にあってます。少し独り言を言うくらい我慢するです……」
「どこかで聞いたことがある喋り方だな。親戚のタラオみたいだな」
男の言葉にタラオは反応した。男の顔を良く見ると団子鼻と刈上げが目にはいった。
「もしかして、ノリスケさん?どうしてこんなところに?僕はタラオです」
「!?タラちゃん?それはこっちが聞きたいよ。君は伯父さんの孫なのにどうしてここに?」
タラオは訳もわからず投獄されたことや、イクラと出会ったことを話した。イクラの話題にノリスケは興奮した。
「タラちゃん。イクラがイクラが生きていたのか。イクラはどうなったんだ」
「それは解らないです。甚六さんと逃げたみたいです」
ノリスケはイクラがマスオたちの手にかからなかったことに安堵した。しかし、甚六と一緒と言う点が気になった。
「甚六君は不平分子だ。彼と一緒だとイクラもグループを倒そうと考えるかもしれない。タラちゃん、何とかならないのか」
ノリスケはイクラの身を案じるあまり冷静な判断ができなかった。投獄され、自分と同じ立場のタラオに助けを求めた。
「ノリスケさん、それは無理です。僕も牢屋に入ってるです。イクラ君を助けるのは無理です。それに彼はちょっとおかしくなってるです」
「おかしくなってる?どういうことだ、イクラがおかしくなってるってどういうことだ」
タラオは、興奮するノリスケの感情をこれ以上刺激しないように、タイコのことは隠して自分が会った今のイクラのことを話しはじめた。話を進めるうちにノリスケは目から大粒の涙を流した。
「すまなかった、イクラすまなかった。俺が伯父さんに逆らったばっかりにお前に苦労をさせてしまった。許してくれ」
タラオが話を続けようとした時、海老蔵が地下牢へやって来た。
「あにきー。お楽しみの時間だよ。ハマグリ(仮)がお待ちかねだよ。今日からは一日三回食事の前にお楽しみがあるんだ。よかったね、ここにいても暇だろ」
99 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/17 23:46
タラオが昼食前の陵辱を受けていた頃。サザエは自身が率いる突撃隊の訓練に精を出していた。
「いいか、突撃隊はその名の通り突撃するんだよ。相手を殺さないとこっちが殺られるんだ、死にたくなかったらマジに訓練するんだね」
「サザエ、お疲れ様。相変わらず過激な訓練だ」
訓練場に現れたマスオはそう言うとサザエを抱擁し、その唇に熱いキスをした。
「あなた。こんなところ見られて恥ずかしい」
サザエは乙女のように恥らった。マスオは再びサザエを抱きしめると。
「私は君の全てが好きなんだ。妻としての君、母としての君、そして仕事をしている君も。全部大好きだ、愛しているよ」
切れ者で隙を見せないマスオ、その唯一の弱点がサザエだった。マスオはサザエの為なら全てを捨てても構わないと思っていた。
「今日からちょっと長い仕事が入った。浜を始末する、あの男暫らく大人しくしていたが動き出す気配があった。今日中にでけりをつける」
伊佐坂が引っ越してくる前に磯野家の隣人だった浜は画家として名をなし、不平分子に資金提供をしていた。彼の動きは諜報隊に察知され、波平の決断により暗殺隊が動くことになった。
「あなたが動くなら心配は無いわ。がんばってね」
サザエの言葉にマスオは力強く頷くと訓練所をあとにした。
浜のアトリエではマスオの接近に気付いたそぶりも無く、浜は絵筆を振るっていた。
「朝日ヶ丘は私の原点。磯野一族に汚されてたまるか」
浜はキャンバスに自分の全てをぶつけながら呟いた。庭では愛犬のジュリーが葉巻を吹かしていた。
「キャンキャン」
ジュリーの鳴き声は悲鳴のように聞こえた。しかし、キャンバスに没頭していた浜はその声に気付かなかった。
101 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/18 04:36
やばい、マジではまった
おもしろいからage
ジュリーの鳴き声は断末魔だった。その死体は無残にも刃物で切刻まれたようにバラバラになっていた。
「この作品が完成すれば、まとまった金が手に入る。その金を彼らに渡せばいい軍資金になるぞ」
「私には絵が理解できないが、その落書きがそんなに高く売れるのか?」
いつの間にか部屋に侵入したマスオがマリファナを吹かし、ヘラヘラ笑っていた。浜の狼狽は尋常なものではなかった。
「マスオ、どうしてここが?」
「磯野グループの情報収集力を甘く見てもらっては困るな。貴様が不平分子に資金提供を再開したことは百も承知だ」
マスオはゆっくりと浜に近付き、手首をほぐし始めた。
「私の暗殺拳はご存知だろう。恐怖を味わいたまえ」
浜はマスオとの間合いを計りファイティングポーズをとった。
「マスオ。私が学生時代ボクシングをやっていたことは知らないだろう。お前の拳法は噂には聞いている、だが私も一筋縄ではいかない。勝負だ」
浜はジャブを放ち、ガードを上げさせ、ボディを打つつもりだった。しかしマスオはノーガードで浜のジャブを全てかわす。
「無駄だよ。プロのジャブなら私でもよけきれないが、所詮は素人。かすりもしない」
マスオの両手が空を切る。浜がその行動を不思議に思った瞬間、浜のシャツが破れ腹筋から右胸にかけて大きな切り傷ができた。
「?!な、なんだ今のは?これが噂に聞くマスオの拳法?」
「そう、私の拳法はカマイタチを自由に作り出すことができる。貴様の間合いに入らずとも貴様を絶命させることは簡単だ。だがそれでは面白くない、貴様の間合いに入りご自慢のボクシングで勝負させてやろう」
「舐めやがって」
浜は得意のデトロイトスタイルに構えると、フットワークを使い始めた。
『確かに私はプロじゃない。だが、それはなれなかったんじゃなくて、ならなかったんだ。私にはボクシングより絵のほうが大事だった。高校時代インターハイ3位の実力見せてやる』
浜はマスオのほうへ踏み込み、ジャブを囮にショートアッパーを狙った。しかし、それはマスオに見切られ、右腕を掴まれた。
「つまらんな。私をもっと楽しませてくれ。それとも、私の方から攻撃しようか」
マスオは、浜の右腕を掴んだまま胸のポケットからマリファナを取り出し火をつけながらそう言った。
「クソッ。舐めるな」
その後も浜は全力で攻撃を仕掛けるが、それらは全てマスオに見切られた。浜には最早打つ手は無かった。
「もう終わりか。つまらなかったな、それじゃあ死んでもらおうか」
マスオが左腕を大きく動かすと、浜の右腕の腱が切断された。浜はパニックに陥りそこから逃げようとマスオに背を向けた、その瞬間、マスオの左腕が空を切る。
「う、うわー。脚が、脚が動かない」
アキレス腱を切断された浜はその場に倒れこんだ。マスオがゆっくりと近付いてくる。
浜を始末したマスオは、富士山近くにある浜のアトリエに火を放ち立ち去った。
「資金提供を受けている組織のことはわからなかったな」
朝日ヶ丘へ戻る車中でマスオは呟いた。浜は、組織からの手紙やメールは全て読み終わった後処分していたらしく、それらしきものはどこにも見当たらなかった。
「後は、諜報隊の仕事だな」
マスオ自身に波平の跡を継ぐ事への興味はなった。しかし、暗殺隊での実績や波平の娘婿であることで周囲がマスオの無関心を許さなかった。
「正直、疲れる。私はカツオ君の部下になって働いても構わないのに」
マスオはサービスエリアで車を止めると、コーヒーを買い車中でそれを飲んだ。
「花沢さんが娘をカツオ君と結婚させた辺りからおかしくなったな」
組織が走り出した頃、波平を支える三者の力は均等だった。しかし、花沢の娘花子とカツオが結婚したことによって、花沢の力がにわかに大きくなった。それを抑えようと、三河屋はマスオに肩入れをし、現在のような権力闘争が起こっていたのだ。
「私はサザエと暮らせるだけで充分なのに」
コーヒーを飲み干したマスオはエンジンをかけると、車を東京方面に走らせた。
マスオさん、スーパーマンだなw
相変らず出世欲の無い男だな>マスヲ
堀川による三河屋の調査は苛烈なものだった。用心深く行動する三郎の情報は価値の無いものが多かったが、抜けたところの多い三河屋の日常はほぼ全てが堀川の手に入った。
「馬鹿な奴だ。イクラの女だけじゃないな、気に入った女は手当たり次第に薬漬けにしていうことを聞かせてる」
「社長に関しては、でっち上げの必要もありません。しかし、三郎は……」
堀川の報告書に目を通しながらカツオは次の手を考える。
「社長だけ処分しても三郎が跡を継ぐだろう。そうなると厄介だ、二人同時に処分しなければ」
「仰るとおりです、私もその方向でことを進めますが、三郎にはイクラの客だった他に傷が見つかりません」
カツオにとって三河屋は恐ろしい相手ではなかった。後継争いでの本当の敵は三郎だと思っていた。
「三郎を嵌めるいい手は無いか?」
カツオの問いかけに堀川は首をひねった。決定的な一打が思い浮かばなかった。
「申し訳ありません。私もいい案が浮かばないのです」
「まあいいだろう、そっちは急ぐ必要も無い。問題は甚六だ」
渋谷での張り込みも、朝日ヶ丘での情報収集も今のところ進展が無く、カツオは焦りを感じ始めていた。
「このままでは、暗殺隊や突撃隊の力を借りることになる」
ドンになる野望を持つカツオにとって、甚六の問題は諜報隊だけで始末をつけたかった。カツオの脳細胞は甚六を捕らえる計略をフル回転で搾り出そうとしていた。
カツオとタラちゃんのからみが楽しみ!
「コンバンワ。お兄ちゃん」
カツオの事務所を訪ねて来たのはワカメだった。今夜は堀川とデートの約束をしていた。
「ワカメ、すまんな。堀川との話はもう少し時間がかかる」
「いいのよ、でもなるべく早くしてね」
部屋を出ようとしたワカメがカツオたちのほうを振り向いた。
「今、タラちゃんを再教育しているの。面白いからお兄ちゃんたちも一度見に来るといいわ」
「ああ、暇ができたら寄らせてもらうよ」
その時、カツオの頭の中に一計が浮かんだ。
「待てよ。タラオとリカを利用して甚六にたどり着けないか」
「カツオさん、どうゆうことですか」
堀川が興味深そうに尋ねる。
「あいつらを逃がして、甚六たちと合流させるんだ。奴らがリカとタラオに利用価値があると思えば上手くいくぞ」
「しかし、あの二人が寝返ったら?」
堀川の疑問はもっともだった。だがカツオはそれに対する解決策をもっていた。
「心配ない、リカは穴子に夢中だと言うじゃないか。そうだろ、ワカメ」
「ええ、あの女穴子さんのモノじゃないと満足できないみたい」
「タラオはリカの尻に敷かれている。あいつがリカに逆らうとは考えにくいこれは上手くいくかもしれない」
カツオはこの作戦に自信を持ったが、ワカメが冷静に言葉を放った。
「あの二人、役に立たないと思うわよ。お兄ちゃん一度実際に見てみたら」
ワカメの言葉にカツオは少し不安を覚えたが、この作戦のかぎを握る二人に翌日会うことを決めた。
カツオが地下牢に足を運ぶのは久しぶりだった。ワカメが大学を卒業するまで、地下牢の牢番はカツオが任されていた。
「カツオ兄ちゃん、僕をここから出してください」
「カツオ君、私はどうなってもいい。だからイクラを、イクラを助けてやってくれ」
カツオの姿を見止めたタラオとノリスケが叫ぶ、カツオはノリスケを無視してタラオに近付いた。
「タラちゃんここから出たいのか?」
カツオの問いかけにタラオは懸命に頷いた。カツオは冷笑したまま言った。
「タラちゃん。出たかったらリカちゃんと一緒に僕の言うことを聞いて欲しいんだ」
「なんでもやるです。ここから出れるならなんでもやるです」
カツオは頷くと
「後はリカちゃんだな。タラちゃん、リカちゃんがいやだって言ったらもう暫らくそこに居てもらうよ」
と言うと今度はリカの独房へ向かった。
「ああ、穴子様が今日もワタシを抱いてくださいますように」
リカは穴子の大きさと、テクニックに酔い狂っていて、目の前に居るカツオにまったく気付かなかった。
「ワカメ、この女大丈夫か?」
「だから言ったでしょう、使い物になるかどうか分からないって」
磯野兄妹はあきれた様子でリカを見ていた。
「タラオ一人じゃ意味が無いな。この作戦は中止するか」
兄妹は立ち去った時、リカの目に光が宿ったのに気付かなかった。
リカの目的はセレブな暮らしだった。そのためには男を乗り換えることなどなんとも思っていなかった。マスオが跡を継げばその右腕と目される穴子の女となったことは彼女にとって好都合だった。
「今、カツオに乗るのは危険だわ。暫らくは穴子の玩具になってあげるけど、正妻の座は私が貰うわ」
兄妹の姿が見えなくなったのを確認するとリカは呟いた。
「タラちゃん、残念だな。リカちゃんは君に協力したくないらしい」
カツオの言葉はタラオを更なる絶望へと誘う。
「そんな。リカが、リカが僕を捨てるなんて。信じたくない、信じたくないです!!嘘です!カツオ兄ちゃん嘘だと言ってください」
タラオは完全に取り乱していた。それを見て、カツオは冷徹に言い放つ。
「往生際が悪いな。とにかく、君には利用価値がなくなったんだ、今までどおり再教育を受けてもらうよ」
タラオが半狂乱であらぬことを喚いていると、地下牢へ海老蔵が鼻歌を歌いながらやってきた。
「おはよう!、兄さん。あれ、叔父さん、珍しいですね」
「海老蔵か、久しぶりだな。随分楽しそうじゃないか」
カツオにとって、出世欲の希薄なマスオ自身にはそれほど警戒はしていなかった。むしろ、息子の海老蔵を警戒していた。海老蔵もまたカツオをライバル視していた。
「いやあ、大好きな兄貴をまともな道に戻すのが楽しいんですよ」
「ふん。まあそういうことにしておこうか。だがな、あんまりハマグリ(仮)に酷いことをさせるなよ。男に目覚めたらそれはそれで厄介だ」
カツオはそういい残すと地下牢を後にした。海老蔵は傍らのワカメに「叔母さん。行きましょうか」と声をかけた。タラオの朝食前の陵辱が始まろうとしていた。
今日も伊佐坂難物は絶好調だった。小説家だった頃から常用していた覚醒剤の量は日増しに増えていた。今朝も注射器片手に踊り狂っていた。
「この神の薬ある限りわしは不滅だ。次から次へと素晴らしいアイデアが浮かんでくるのだ!!」
そう絶叫すると、伊佐坂は左腕の静脈に注射針をつきたてた。注射器の中で血液と溶液を混ぜ合わせポンピングすると万能感が沸いてくる。
「素晴らしい!素晴らしいぞ!」
甚六が失踪してからの伊佐坂家はトラブルの連続だった。甚六の失踪を契機に、妻のオカルは心身症になりそのまま痴呆症になってしまった。
医学部に通っていた娘のウキエも甚六の後を追うように失踪。爾来、伊佐坂の覚醒剤使用量は増加し、波平から仕事を任されることも少なくなった。
「ご飯はまだか?」
オカルの言葉に伊佐坂は高揚感を邪魔されたような気分になった。
「さっき食べただろーが!!!」
伊佐坂は絶叫すると、オカルに馬乗りになり拳を繰り出した。殴られながらもオカルは「ご飯。ご飯」と呟いていた。
殴り疲れた伊佐坂は「馬鹿めが!!」と言い残して書斎へ消えていった。オカルは半死半生になっていた。
「素晴らしいアイデアが浮かんだ。早速磯野さんに報告だ」
伊佐坂は受話器を取ると『城』へ電話をかける。電話に出たのは中島だった。
「中島か。ドンに代われ」
「伊佐坂先生。只今ドンは執務中で御座います。ご用件は私が承ります」
「やむおえん。いいか、これは凄い計画だ。東京の首都機能を毒ガスと爆弾で麻痺させるんだ。磯野グループがこの国を牛耳るのだ!!!」
「かしこまりました。ドンにお伝えいたします。それでは失礼致します」
電話を切ると中島は「あのシャブ中、本格的に狂ったな」と呟き、その狂い具合を波平に報告する為に波平の寝室へ向かった。
中島の報告を波平は複雑な心境で聞いていた。
「そうか、伊佐坂さんがそんなことを…」
「はい、いかが致しましょうか」
「中島、伊佐坂さんは我が刎頚の友である。たとえ狂ったとしてもその思いは変わらん。だが、その計画は実行できるものではない。伊佐坂さんには上手くごまかしておいてくれ」
「承知いたしました。失礼致します」
部屋を出た中島は、伊佐坂を放置することで彼が暴走することを危惧していた。
112 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/23 02:32
細々と面白いのでage
地下牢を出たカツオは、その足で事務所へ戻った。その車中でカツオのケータイが「天国への階段」を奏でた。
「俺だ。どうした?」
電話は堀川からのものだった。堀川は興奮気味に語った。
「カツオさん。掴みました、甚六の黒幕を掴みました」
堀川の報告にカツオも興奮した。
「本当か?黒幕は何者だ?詳しく聞かせろ」
「黒幕はいじわるばあさんです。あのババアまだ生きていたんです。浜が資金提供していたのもあのババアでした。銀行を徹底的に洗って突き止めました」
「それで、奴らのアジトは分かったのか?」
「アジトはおそらく、朝日ヶ丘にあるようです。朝日ヶ丘の不動産関係なら花沢社長に頼めばすぐに割れます」
黒幕の判明。カツオが待ちかねていたカードが、今その掌中に握られようとしていた。黒幕さえ倒せば甚六の首は暗殺隊に譲っても構わない、カツオはかつて無い高揚感を覚えた。
「堀川。花沢のオヤジに依頼は?」
「もう出してあります。小一時間ほどで判明させると言っていました」
「よし!ならば、渋谷に張り付かせた連中もこっちに呼び戻せ。甚六のケツを追っている場合じゃない」
「かしこまりました。すぐに手配します」
カツオが興奮状態で電話を切り、車が事務所に近付いた時ケータイが「ダンシングフール」を奏でた。この着メロは朝倉専用のものだった。
どう考えても、素人ではありませんね。
源ちゃんですか?
原稿作法が素人臭いが内容と読ませる文章は技術を感じるな。
今後もガナゲ
>>114 お金が発生していないので素人です。
源ちゃんって誰?
>>115 素人臭いと言われても実際素人なんで…まあ作家志望ではあるが。
直した方が良いところ教えて下さい。
高橋源一郎知らずにやってたの?
>>116 なんか、意外に素だな。ちょっと残念。
もうちょっと、お、こいつ誰だって思いたかった。
でも、うまいと思いますよ。一瞬、本当に高橋源一郎かと思ったから。
>>118 高橋源一郎か、プロに似てるって言われるのは光栄だけど。
俺、高橋源一郎読んだこと無いんだよね。いろんな意味でがっかりさせた?
でも俺の文体は変わらないから。これからも付き合ってやってください。
たのんます。
>>119 すごく面白いです。
がんばって下さい。
「カツオさんっすか?朝倉です、イクラはまだこの街で商売してるみたいっす」
このタイミングでの朝倉からの電話は、カツオにとってうっとうしいものでしかなかった。
「朝倉。貴様から連絡する必要はもうない。今後はこちらから連絡する。これ以上妙な動きをしたら殺す」
「わっ分かりました。失礼します」
朝倉が電話を切ると甚六は顔を曇らせた。
「まずいな、カツオに何かがばれたかもしれない」
甚六の言葉にイクラも顔を曇らせる。
「甚六さん、何がばれたんでしょうか?」
「分からん。だが、一つだけ確かなことがある。朝倉君、残念だね。君の利用価値なくなったよ」
甚六は愛用のトカレフを朝倉のこめかみに突きつけた。そして、朝倉に命乞いをする間も与えず引き金を引いた。
「ここを出るぞ。あの工場に逃げよう、あっちの方が安全かも知れん」
甚六、ウキエ、イクラの行動は素早かった。いつでも逃走できるように必要なものは常時まとめてあった。30分で身支度を終えると3人は朝倉の死体を残しアジトを後にした。
その頃、花沢不動産の情報網は、いじわるばあさんの潜むホテルを割り出していた。カツオを筆頭に諜報隊の面々はホテルに集結していた。
「カツオさん準備はできてます」
堀川の指示の下諜報隊は戦闘準備を完了させていた。あとはカツオの号令を待つのみであった。
「相手は天才軍師、どんな罠があるかわからん。慎重に進軍せよ」
カツオの合図と共に進入が始まる。入り口から進入した先鋒隊に最初のトラップが発動した。
「弓矢か、クラシックな手だな」
進入した瞬間、換気口から矢が放たれた。その矢は先鋒隊の一人、その左腕に刺さっただけだった。
「これは、小手調べでしょうな」
堀川がそう言うと、カツオは唇をゆがめ苦笑した。
マスオが(・∀・)カコイイ!!
世辞抜きにおもろいわw
正直、ネタ系小説は好みじゃないが、コレは普通に読めるw
124 :
葛根湯 ◆M2TDRnp0Dw :04/05/25 03:17
がんばってください!
マジおもしろい
「ネズミが入ってきたようだね。しかし数が多いね、やれやれどうやら防ぎきれそうにないね」
地下室では、モニターによってカツオたちの進入を知ったいじわるばあさんが昆布茶を飲みながら呟いた。
「でも、あたしだってただじゃ死なないよ」
ロビーではホテルの見取り図を参考に配置が行われていた。ホテルの構造は地上10階、地下3階になっていた。
「ここにいるのが、俺を含めて33人。3人一チームで行動する、トラップに注意して行動しろ」
カツオの命令でチーム編成が行われ、受け持つフロアが決められていった。最上階担当のチームがエレベーターに乗り込んだ瞬間、その床が抜け落ちた。
「馬鹿が、トラップに注意しろと言われたばかりだろうが。早く上がって来い」
堀川が声をかけ覗き込んだ。しかし返事は無く、堀川が見たのは剣山のように林立した竹やりに刺し貫かれた3人の姿だった。
「この調子だと部屋の方もトラップがありそうだな」
堀川の背後から覗き込んだカツオが呟く。
「一刻も早くババアを見つけましょう。私は地下に行きます」
堀川は従業員用の階段から地下へ向かった。諜報隊員たちもそれぞれの受け持つフロアへ散っていった。
数十分後、カツオたち諜報隊は、トラップによって半数以上が手負いになっていた。3階のレストランフロアを探索中のカツオに堀川から連絡が入る。
「カツオさん、私です。地下で妙な部屋を見つけました。こっちは一人失いました、可能なら応援をお願いします」
カツオは「分かった」と言うと、一呼吸おいて「俺が行こう」と答えた。
カツオたちが合流した時、堀川の頬には切り傷に似た傷があった。
「トラップか?」
傷を見たカツオの質問に堀川は「油断しました」とだけ答えた。
「この部屋か、確かに匂うな」
その部屋は、地下には不釣合いなほど豪華なドアで閉ざされていた。堀川の言うとおり、妙な雰囲気があった。
「踏み込みましょう」
堀川の言葉と同時にカツオは、腰からコルトガバメントを抜きドアノブを破壊した。
「もうこの部屋を見つけるとは、流石だねえ。しかし、このババアの首一つにご大層なことだ」
部屋にいたいじわるばあさんはそう言うと、今日3杯目の昆布茶を飲み干した。
「手間かけさせやがって。ばあさん、死んでもらおうか」
堀川が拳銃を構えるが、いじわるばあさんは苦笑しながら言った。
「くっくっくっ。もうあたしを殺っても手遅れだよ。甚六には計画のことは話してある、あたしが死んでも計画は実行されるよ」
喋りながらいじわるばあさんは掌にスイッチを握っていた。ホテルを爆破する為のスイッチだった。だが、彼女の手首ごとカツオの懲りとガバメントがスイッチを吹き飛ばした。
「ババア、その手は食わねーよ。大人しく、一人で逝くんだな」
いじわるばあさんは、吹き飛ばされた手首を不思議そうに見ていた。
「カツオ、あんた随分切れ者になったね。あたしは、あんたに跡を継がせたかったよ」
「あんたの跡を継いでいじわるなんて真っ平だ。俺は、オヤジの跡を継いでこの街を支配する」
「まああんたならそう言うとは思ってたけど…残念だね。あんたがこっちの人間ならこの街も平和になったのに」
いじわるばあさんが言い終えると、堀川と諜報隊の拳銃が彼女を蜂の巣にした。カツオは彼女の首を切り落とし、袋に詰め込み「行くぞ」と言ってホテルから引き上げた。
やべえ。入力と変換ミス。
×懲りと、○コルト
恥ずかしい
カツオと堀川以外の諜報隊員は、甚六といじわるばあさんをつなぐ手がかりを探る為ホテルに残された。
「首を持ち帰るのはドンのご命令ですか?」
『城』へ向かう車中でハンドルを握る堀川が尋ねた。
「ああ、親父殿は戦国時代のドラマや小説が大好きでな。まあ、一種の趣味だ。マスオはこれが嫌いで相手を殺った後火をつけるらしいな」
カツオは首の入った袋を玩びながら言葉を続けた。
「ところで、三郎をこちらに寝返らせることはできないか?」
カツオの言葉は堀川にとって受け入れられるものではなかった。堀川が常に感じている自分と三郎の間にある参謀としての格の違い。三郎がカツオに寝返れば自分と取って代わられるのは明らかだった。
「三郎が簡単に寝返るでしょうか?」
堀川はそう言うのが精一杯だった。そんな堀川の心境を見透かしたようにカツオが言った。
「心配するな。そんなに簡単に寝返る人間を信用できるか?寝返らせるのが無理なら。全力で奴を潰せ」
カツオの言葉に堀川は、自分とカツオの間にも格の違いを感じた。堀川は体温が低くなるような錯覚に見舞われながらカツオに尋ねた。
「カツオさん。カツオさんほどの人なら私など必要ないでしょう。どうして私を参謀に?」
堀川の問い掛けにカツオは少し考えた後答えた。
「うん。喩えが下手で悪いが、お前は俺の鏡なんだ。俺の考えが常に正解な訳じゃない。どこかに綻びがあるものだ、綻びを見つけるには俺とは違う考えを持った人間が必要なんだ。それがお前だ」
堀川はカツオの答えに冷や汗をかいた。今までカツオを利用しようとしていた自分が愚かしく思えた。
「カツオさん。私は一生あなたについていきます」
それは、堀川の敗北宣言であり、本心からの言葉だった。車は『城』の間近まで来ていた。
謁見の間には主だった幹部が集まりカツオの報告に耳を傾けていた。カツオが挙げた功績にカツオ派は勢いづいていた。
「黒幕を討ち取ったか。資金源も絶った、黒幕もいなくなった。後は甚六を捕らえるのみ」
波平はいじわるばあさんを討ち取ったことに上機嫌だった。しかし、甚六の行方は以前として分からなかった。
「甚六の行方は全力で捜索中ですが、あの男非常に用心深く、手がかりをつかめません」
カツオの言葉に波平は気にした様子もなかった。
「たかがネズミ一匹、奴一人でどれほどのことができよう」
「たかがネズミですが、そのネズミは毒を持っています。全力で奴の行方を探ります」
カツオの言葉に頷いた波平は言った。
「この件が片付いた時、わしは隠居しようと思う。カツオ、お前に跡を継がせる。組織に繁栄をもたらしてくれ」
波平の言葉にカツオは「間に合った!!」と叫びたい気分だった。磯野グループへ反抗する最後の大物だったいじわるばあさん。彼女を討ち取った功績によりカツオに跡を継がせることに異議を唱えられる幹部はいなかった。
「ドン、我々もカツオさんに協力させてください」
そう言ったのは三河屋だった。今まで反目していたカツオにゴマをすりたい一心でこんな言葉を口にした。
「カツオ、三河屋の提案を受け入れるか?」
波平の問い掛けに頷いたカツオは
「三河屋には最前線で働いてもらいたいと思います」
と言った。三河屋は、今までカツオに「さん」付けで呼ばれていたのが、呼び捨てになったことが面白くなかったが、カツオの命令に
「喜んで、お受けいたします」
と言って、三郎と共に三河屋ビルへ向かった。
「あの小僧、何様のつもりだ。わしに向かってなんて口の聞き方だ」
三河屋ビルに戻った三河屋は社長室で喚いていた。興奮気味の三河屋を三郎が冷静に諌める。
「社長、落ち着いてください。あれはカツオが私たちを試しているんです。挑発に乗ってはいけません」
「お前に言われんでも分かっている。しかし、あの物言いはなんだ、わしを侮っておるのか」
三郎は、三河屋に仕えることに限界を感じ始めていた。諜報隊に身辺を探っている今でも、三河屋は女遊びを止めず三郎は常に頭を痛めていた。
『このおっさんと心中するのはごめんだ』
三郎はそう考え始めていた、しかしカツオが次期ドンに決定した今、カツオに対抗する幹部は思い浮かばなかった。権力を持たない三郎にとって後ろ盾はどうしても必要だった。
「とにかく、今は甚六の捜索に力を入れましょう。カツオに媚を売っておかないと。それとも、カツオと対決しますか?グループを敵にまわしますよ」
三郎の言葉に三河屋は苛立ちを隠せなかった。
「貴様までわしを馬鹿にするのか。いなかモノの若僧だった貴様を雇ってやった恩を忘れたか」
「申し訳ありません。社長の恩は一時も忘れていません。暴言でした」
三郎は、内心の怒りを隠し、勤めて冷静に言った。しかし、三河屋への不満は決定的なものになった。
そのころ、フグ田家ではマスオ、穴子、サザエそして海老蔵の4人が集まっていた。
「フグタクン、カツオガドンニナッテシマウゾ。イイノカ」
「そうよ、なんであなたがカツオの下にならなきゃいけないのよ」
会合は、ほとんど穴子とサザエが喋っていた。マスオは自分の心境をどのように説明するか迷っている様子だった。
「母さんも穴子さんも冷静になってよ」
口を開いたのは今まで沈黙を守っていた海老蔵だった。
131 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/30 14:38
おもしろいぞ、age
「いいかい、叔父さんが跡を継ぐのはもう決まったことなんだ。今抵抗するのは、得策じゃない」
海老蔵の言葉にサザエが反応した。
「それじゃあ、あんたはフグ田家がカツオの下にいたままでいいの。ワタシは納得できない」
サザエには、10以上歳の離れた弟カツオに従うことなどそのプライドが許さなかった。
「それは僕も納得してないよ。でも、今グループが分裂したら不平分子が蜂起するよ。グループがまとまっているから叛乱は起こっていないんだ。グループが割れたら叛乱が起こるよ」
海老蔵の言葉にサザエは反論できなかった。実際、朝日ヶ丘では磯野グループは蛇蠍のように嫌われていた。
「エビゾウクン、ナニカサクガアルノカ?」
穴子の言葉に海老蔵は軽く頷く。
「策、ってほどじゃないけど、考えはあるよ。叔父さんが大失敗をやらかすか、死んじゃえばいいんだよ」
「あんた、簡単に言うけど。カツオを失敗させるのも、殺るのも簡単じゃないわよ」
「甚六を動かすんだ。不平分子の中には僕の息がかかった連中もいるから、そいつらを使う」
海老蔵の言葉に今度はマスオが反応する。
「海老蔵。それから、サザエ、穴子君。聞いてくれ、私にはドンになろうなんて気持ちは少しもないんだ。まして、今海老蔵が言ったような身内を嵌めるようなことはしたくない」
マスオの言葉に一同は沈黙の後騒ぎ始めた。
「ちょっと待って。あなた、なに考えてるの、ワタシたちがカツオの配下になるのよ。本気でそんなこと考えてるの」
「フグタクン、オレハキミヲドンニスルタメニハタライテキタンダ。ウソダトイッテクレ」
「父さん、それはないよ。今更叔父さんの下になんかつけないよ」
3人が口々に言葉を吐く。だが、マスオの信念は固いものだった。
マスオ、、、、、。
134 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/31 19:31
サザエの活躍が楽しみ。マスオがあれだけ強いんだから、無敵に違いない。
135 :
名無し物書き@推敲中?:04/05/31 20:00
オレは穴子のキャラが好き。もっと穴子を出して!!
「何を言っても私の考えは変わらない。私はカツオ君の部下として働く」
そう言うとマスオは部屋を出ようと立ち上がった。サザエがそれを制止する。
「あなた。話はまだ終わってないわよ」
「暗殺隊の訓練があるんだ。それに、私はこの件でこれ以上はなすことも聞くこともない」
マスオが部屋を出たあと、残された3人は毒気を抜かれたようになった。
「サザエサン、エビゾウクン。オレハモウイチドフグタクンヲセットクシテミル」
穴子がマスオの後を追うように部屋を出た。サザエはため息をついた。
「はーぁ。あの人はどうしてあんなに欲がないのかしら。海老蔵、あんたがさっき言ってた作戦上手くいくの?」
「作戦自体は失敗する可能性のほうが高いよ。甚六は馬鹿だから乗ると思うけど、叔父さんは微妙なところだね。父さんが賛成してくれれば叔父さんを葬ることもできるんだけど」
「いい作戦を考えておきなさい。突撃隊が必要なら、いつでも使えるから」
サザエの言葉に海老蔵は、カツオを討ち取る為の作戦を一から練り直した。
「フグタクン。ドンニナルタメニカツオトタタカッテクレ、オネガイダ。オレダケジャナイ、ブカタチヤシンデイッタモノタチモキミガドンニナルノヲノゾンデイルンダ」
穴子の説得は必死なものだった。部下や死んでいった者たち。それを言われるとマスオの心に迷いが生じた。しかし、マスオはかつて磯野グループと対立していた組織が内ゲバで力を弱めたことを思い出していた。
「穴子君、悪いがそれは無理な相談だ。私も部下や君に報いたい気持ちはある。でも、内ゲバを起こせば組織の力は弱まる。私は組織の為ならカツオ君に服従するよ」
穴子がマスオの説得をあきらめた頃。甚六たちの耳にいじわるばあさん討ち死にの知らせが届いた。
今まで原稿を上げるのが精一杯で感想や励ましの言葉を頂いた皆様に返事を書けませんでした。
申し訳ありません。最近時間的にも余裕が出てきたので、読者の皆さんには返事を書きたいと思います。
これからも宜しくお願いします。
アニメのほうが面白いな
糞コテは警報だけ出してスルーが基本という事で、警報失礼します。
>>139 ありがとうございます。138はスルーします
141 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/01 00:11
割と普通に嵌ってる自分がなんとなく悔しい
>>141 誉め言葉として受け取っておきます。
ありがとうございます。今夜はまだ眠れそうにないので、続き書きます。
「兄さん。いじわるばあさんがカツオに討ち取られたらしいわ」
ウキエのPCにいじわるばあさんがカツオに討ち取られたことを知らせるメールが入った。海老蔵が不平分子の中にスパイを送り込んでいたように、甚六たちもスパイを磯野グループに送り込んでいた。
「カツオの狙いはばあさんだったか」
甚六は傷だらけの顔を撫でながら思案していた。
「ばあさんの供養の為にも爆弾作戦は成功させないとな」
甚六の呟きを聞いてイクラが問い掛けた。
「甚六さん、どうやって成功させるんですか?無理ですよ、あの厳重な警備の中爆弾を持ち込むなんて」
「右のボケたババアがいただろ、あれはお袋だ。お袋は大幹部の難物の嫁だし、ボケてるからノーマークで『城』に入れるんだ」
イクラは自分の母親に自爆テロを実行させようとしている甚六たちに衝撃を覚えた。
「甚六さん!自分の母親にそんなことさせるなんて。本気なんですか?」
イクラは思わず大声を上げた。甚六は悪びれた風もなく言った。
「イクラ、親は子供の為なら死ねるものなんだよ。それにあんな風にボケたまま生き長らえるより、死に花を咲かせてやったほうが親孝行だと思わないか」
甚六は鬼と化していた。目的の為なら母親を犠牲にすることも厭わなかった。イクラは甚六の決意を改めて確認した。
「さてと、ウキエ急いでくれ。こうなったらこっちも何時尻尾を掴まれるか分からない。早いところ爆弾を完成させてくれ」
ウキエは甚六の言葉に頷くと、再び爆弾作りの作業に戻った。イクラは兄妹の決意に圧倒される思いだった。
カツオが次期ドンに指名されてから3日が過ぎた。この間、甚六の行方を探す為に諜報隊と三河屋の部下たちが総動員された。
「なかなか尻尾を掴めませんな。ところで、三河屋を何時まで使うんですか?」
堀川の問い掛けにカツオは薄く笑った。
「甚六を殺るまでだ。分かっているだろう?それとも、お前は三河屋を早く始末したいのか?」
堀川には三河屋に恨みがあった。ワカメとの結婚、それを最も強硬に反対していたのが三河屋だった。
「三河屋と私の確執はカツオさんもよくご存知でしょう」
「あせるな。お前の気持ちは良く分かっている。三河屋は最高のタイミングで始末する、楽しみにしていろ」
カツオがそう言うと堀川は頭を下げる。
「ご配慮ありがとうございます。楽しみに待ちます」
「ところで、不平分子が暴れ出したようだな」
いじわるばあさんの討ち死にをきっかけに、朝日ヶ丘では不平分子が武力を行使し始めていた。
「ドンは突撃隊を動かしたそうです」
堀川がそう言うとカツオは唇を歪めた。
「姉さんが…。不平分子が気の毒だな」
カツオは姉サザエが鬱憤を晴らすように暴れる様を想像した。
「早川さん。いじわるばあさんが亡くなった今、もう私たちには挙兵以外に打つ手はないわ」
磯野グループが不平分子と呼ぶレジスタンスのアジトでは、リーダー姫野カオリと彼女の親友で右腕の早川が話し合っていた。
「待って、カオリちゃん。甚六さんと連絡を取らないと」
「私たちの行動を知ったら、甚六さんは必ず駆けつけるわ。甚六さんは私たちが失敗した時の最後の希望なの。希望の火を消すわけにはいかない、皆に伝えて私が死んだら甚六さんを頼るように」
カオリはこの戦いで死ぬつもりだった。自分の死がレジスタンスの結束を高め、甚六の指揮で磯野グループを倒すことを期待しての悲壮な決意だった。
「……わかったわ。でも、覚えておいて。皆の希望の火はあなたなのよ」
早川はそう言い残すと部屋を出た。カオリは壁にかけられたカラシニコフを降ろし、早川の言葉を噛み締めていた。
レジスタンスの第一目標は三河屋ビルだった。最も手薄な場所を狙っての行動だった。彼女たちの狙い通り、三河屋ビルの警備は手薄で陥落も時間の問題と思えた。
「うまくいきそうね。ここを落とせば、甚六さんとも合流しやすくなるわ」
早川の言葉にカオリは頷く。だが、妙な胸騒ぎがした。「上手く行き過ぎる」カオリの頭の中でそんな言葉が渦巻いていた。
「現れたね、ドブネズミ!あたしが相手だよ」
ビルを包囲し、総攻撃を仕掛けようとしたときだった。サザエを先頭に突撃隊が現れた。サザエは長ドスを構えると「突撃!!」と絶叫した。
朝日ヶ丘の繁華街ではサザエが殺戮の限りを尽くしていた。
「オラオラ!もっと手ごたえのある奴はいないのかい?」
長ドスを両手に握り、人の群れへ突入する。辺りは血の海となりそこには屍の山が築かれる。
「サスガダナ、サザエサン」
サザエのサポートの為に同行した穴子が、マサイ族風の槍と盾を手に周りをなぎ払いながら呟く。
「死にたくなかったらアタシに近付くんじゃないよ。アタシは今機嫌が悪いんだよ」
サザエ一人によって、レジスタンスは恐慌をきたしていた。無人の野を行くように進撃するサザエの前に立ちはだかる影があった。
「これ以上あんたらの好き勝手にはさせない。サザエさん、覚悟!」
立ちはだかったのはカオリだった。
「フン!カツオのアイドルの登場だね。あんたのきれいな顔を切刻んでやるよ」
サザエは長ドスを舐り、突撃体勢に入る。カオリはカラシニコフを腰だめに構えた。引き金を引くより先にサザエが飛び込んできた。
「遅い!!」サザエの長ドスがカオリを貫こうとした刹那、一つの影がカオリを突き飛ばし彼女の窮地を救う。サザエの長ドスは影を刺し貫いた。
「早川さん!!」カオリの叫びが響く。長ドスに貫かれた早川は虫の息になりながらもカオリに微笑みかける。
「カ…カオリちゃん。あなたはこんなところで死んでいい人じゃないのよ。お願い…私の分まで生きて。そして、朝日ヶ丘に平和を取り戻して」
「雑魚が、余計な真似を」
サザエは早川の身体から長ドスを引き抜くことを諦め、もう一本の長ドスを構える。眼前で親友の死を見たカオリは、ショックで身体を動かすことができなかった。
はまぐり(仮)とタラオの交接はもっと濃密に描いてくれ!
チンコに媚薬直接射ったあと経口で十錠単位で媚薬飲ませ、
トドメは頚動脈にシャブ。
はまぐり(仮)侵入と同時にタラオがトコロテンで発射。
自ら腰を使うタラオ。座位で貫かれながらはまぐり(仮)の右手に
チンコをしごかれ、左手で乳首を弄ばれ、白目を剥きながら
獣のようなあえぎ声をあげるタラオ。
剃毛、緊縛、尿道にエボナイト棒挿入、尿道が拡がったところで
カテーテル挿入で強制排尿、そのままケツをせめて
トコロテンでカテーテルから射精……。ハアハア……。
はっ、いかん。やばい、やばいぞ俺……。
このレスは無視していいですよ。
エロシーンがライトでも好きです、このスレ。
お、おもしろい。 ぼ、僕もリレー小説?に参加していいでつか?
>>148 常居接人氏の作品はリレーモノじゃなく、氏のソロ(w)だから、
是非、新作をお願いします!
このスレで2つ小説を読めるなんてワクワク。
ファンタジーかな?スペオペ?時代物?大学病院を舞台にした医者もの?
推理モノ?
>>147 ごめんね。俺ノンケだからホモ描写詳しくないんだ。トコロテンって何?
>>148 新作期待してます。
>>149 他に書いてくれる人いたら、おたがいに刺激になっていい感じになりそうですね。
いかん。言葉が足りなかった。
他に書いてくれる人って言うのは新作のことです。
この作品はラストまでプロットが出来上がっているのでリレーは勘弁してください。
わがまま言ってすいません。
物語が終わったら新しいのを始めましょう!
おお、一応ラストまで話は考えてあるのか。
こういうスレ小説は大抵途中で終わって(´・ω・`)となってしまうものが多いが、
終わりがあるなら安心だ。
まあがんがれ、超がんがれw
155 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/03 00:47
>>155 さんくす。期待に添えるようにがんばります。
今から原稿に取り掛かるんで、お楽しみに。
「死ねや!!」
サザエが長ドスをカオリの頭上に振りかざした時だった。サザエとカオリの間に一台のバイクが割って入った。
「カオリ!乗れ、乗るんだ!!」
バイクの突入にサザエは一瞬の隙を作った。バイクに乗った男、甚六はカオリを乱暴に抱き寄せ、バイクを発進させる。
「カオリさんを逃がすぞ!壁を作れ!!」
レジスタンスの小隊長が叫ぶ。混乱から我に帰った隊員たちが横に整列し壁を築き上げた。
「雑魚がぁぁぁぁ!!!!どきやがれぇぇぇぇ!!!!」
サザエは猛り狂って壁の突破を試みる。しかし、壁はサザエの突撃を前にしても崩れなかった。その時、穴子が前線の異変に気付いた。
「ムッ、アレハジンロク。ニガスカ」
穴子は槍を構えると、空に向かって放り投げた。
「甚六さん。降ろして、お願い、降ろして。皆を見捨てて私だけ逃げるなんてできない」
「馬鹿なことを言うな。皆を見てみろ、君を守る為に必死で戦ってる。…チッ穴子の槍だ。揺れるぞ、しっかり捕まってろ」
甚六は車体を左に傾け、穴子の槍を回避した。そして、話を続けた。
「いいか、君は希望の光なんだ。磯野グループを倒す為の光なんだ。死んでいった人たちに報いたかったら生きろ、生きて磯野グループを君の手で倒すんだ」
甚六の言葉は早川の言葉とそっくりだった。振り向くと、壁になった隊員たちが必死でサザエを防いでいた。
「…わかったわ、甚六さん。私は、死んでいった人たちの為に生きる。…そして闘うわ」
カオリの言葉に甚六は満足そうに頷いた。そして「俺のアジトへいこう。あそこなら逃げてきたものも収容できる」と言いバイクを廃工場へ向かわせた。
カオリタソのセックルシーンキボンヌ
(;´Д`)ハアハア
>>158 カオリの濡れ場は書こうと思ってたんだけど。
このまま書いちまうとつまんないね。ちょっとヒネろうかな。
今から続き書くね。
甚六のバイクは追っ手を振り切って廃工場にたどり着いた。甚六を心配したウキエとイクラが出迎えた。
「兄さん、それにカオリちゃん。無事だったのね。他の人たちは?」
ウキエの問い掛けに甚六は首を振った。
「早川さんが殺られた。レジスタンスはサザエにやられて壊滅状態だ。一人でも多く生き残ってくれれば良いんだが」
「カオリちゃん。兄さんに言われたかもしれないけど、あなたは私たちの希望なの。お願い、強く生きて」
ウキエの言葉に頷いたカオリのまなざしは強い意志が宿っていた。その凛とした表情は壮絶な美しさがあった。
「ウキエさん、心配しないで。私は強くなるわ、死んだ早川さんや皆の為に。必ず磯野グループを倒す。それまで私は決して死なない」
その言葉に反応したウキエはカオリの肩を叩いた。イクラはカオリの美しさに目を奪われていた。
突撃隊の猛攻を凌ぎ、工場へ落ち延びたものは10名を切っていた。100名以上で出陣したレジスタンスが1/10以下に減っていることにカオリは衝撃を覚えた。
「私が出陣を決めたばっかりに…」
「カオリちゃん、君の所為じゃない。君が出陣を決意しなくても磯野グループはレジスタンスを潰しにかかっていた」
甚六がカオリを気遣ってそんな言葉を掛ける。しかし、カオリは「私の所為だ」と呟いていた。
「心配はいらないわ。他にも逃げ切った人はいるはずよ。それに、カオリちゃんが生きているのが分かれば皆ここにやってくるはずだわ」
「今日は早めに休んだ方が良いだろう。眠れそうにないなら、ウキエに睡眠薬を処方してもらおうか?」
甚六はカオリを気遣いそんなことを言った。しかしカオリは首を横に振り、それを拒否した。
甚六が寝室でショートピースを吸っていると、人の気配があった。甚六はドアからの死角に入り、侵入者の背後を取った。
「誰だ?」甚六は侵入者にトカレフを突きつけた。しかし、それがカオリだと分かると、トカレフを懐に仕舞いこんだ。
「カオリちゃん、どうしたんだ?眠れないのか?」
甚六の問い掛けにカオリは首を振ると。「甚六さん。抱いて、私を抱いて」と言い、甚六にしがみついた。
161 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/04 13:08
キャラクターが長年にわたって煮込まれてるわけだから楽だわな。
キャラ作りは本当に難しい。
設定…往年の大宰相・磯野波平(モデル・岸信介)
波平の女婿・フグ田マスオ(モデル・安倍晋太郎)
マスオの息子・タラオ(モデル・安倍晋三)
磯野派の後継者・伊佐坂難物(モデル・福田赳夫)
現首相・波野ノリスケ(モデル・小泉純一郎)
波野を「親父の事務所に出入りしていたかばん持ちに過ぎない」と
内心では馬鹿にしている、波野内閣官房長官・伊佐坂甚六(モデル・福田康夫)
波平の実兄で、ノーベル平和賞受賞者、元首相・磯野海平(モデル・佐藤栄作)
波野の実の息子、売れないタレント・波野イクラ(モデル・小泉孝太郎)
といった感じで政治ものを書きたいのだが。
163 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/04 14:22
女友達とセックスしながら見てます。ああぁ、
「気持ちは嬉しいけど。カオリちゃん、俺は君を抱けないんだ
甚六は優しくカオリの身体を引き離しこう言った。
「どうして?どうしてなの?甚六さん、訳を聞かせて」
自他共に認める美貌の持ち主であるカオリは、自尊心を傷つけられた思いでそう言った。甚六は淋しそうに笑うと、こう答えた。
「マスオに敗れてから、俺は起たなくなったんだ。だから君を抱くことはできない。ハハッ笑えるだろう」
甚六は自嘲気味に笑うと、カオリの方を見やった。カオリは真剣な眼差しで甚六を見つめていた。
「甚六さん、あなたは顔の傷だけじゃなく、そんな目にも会っていたのね。でも、そんなの構わない。私はあなたが好きなの」
カオリは甚六に抱きついた。そして、その目から一筋の涙が流れていた。甚六は彼女の頭を優しく撫でながら言った。
「カオリちゃん、俺は君が思っているような男じゃないんだ。君みたいな人が俺の事を好きなんて言っちゃだめだよ」
「私の考えてることが分かるの?私はあなたが今までやってきたことは殆ど知ってるわ。でもあなたが好きなの。あなたの全てが好きなの」
カオリは甚六の唇に自分の唇を重ねる。甚六もそれに応えた。そのままベッドに倒れこむと、二人はお互いの唇を求め合うようなキスをした。
その後も、二人は何度も抱き合い、何度もキスをした。それは、性行為よりも刺激的で、充足感を二人に与えた。
「カオリを取り逃がしたか…」
カツオの事務所では、今日の戦闘に関する報告をカツオと堀川が聞いていた。
「カツオさん、残念そうですね」
堀川が、からかうように言った。カツオがカオリを捕らえ、自分の性奴隷にする望みを持っていることを知っていたからだ。カツオは唇を歪め、片目をつぶった。
カツオが、帰ってくる。
サザエは泣き伏した。マスオがそっと肩に手をおいて、ささやいた。
「君の弟は、僕の弟でもある。さぁ、温かく迎えてやろう」
ワカメも、泣いていた。
波平の位牌にそっと手を合わせながら、小声で祈り続けた。
「お兄ちゃんが、今度こそ、真人間になりますように」
テーブルの上に置かれた携帯電話が、軽やかなメロディを奏でている。
ワカメは懸命に涙をこらえて、答える。
「……もしもし……、あ、中島さん……え……んん、なんでもないの。あのね……ああ、やっぱりいい、明日話してあげるから」
中島がなにか不平の声をあげていたのは確かに聞こえていたが、ワカメは電話を切ると、もう今度は肩をふるわせて泣き続けるのだった。
レジスタンスの攻撃は失敗に終わった。しかし、リーダーのカオリを逃し甚六と合流させたことはグループにとって禍根を残してしまった。
「あのアマ、まんまと逃げやがった。絶対にぶっ殺す」
突撃隊の本陣では、サザエがワイルドターキーをラッパのみしながら息巻いていた。同席する穴子と海老蔵はその迫力に圧倒されていた。
「海老蔵。あんたなんかいい知恵無いの?」
サザエに指名された海老蔵は、暫らく考え込んでいた。
「紛れ込ませておいたスパイは、母さんが皆殺しちゃったから甚六のアジトは分からなくなっちゃった。もう一度不平分子に動いてもらわないと、直接叩けないよ」
海老蔵は頭脳をフル回転させた。今日の戦闘で不平分子は三河屋の弱さを知った。再び奴らが現れるのは三河屋ビルであろう。そうなると、三河屋ビルに戦闘員を配置するのは得策ではない。海老蔵は一瞬でそこまで考えた。
「三河屋を囮に使う。ビルを占拠させたほうがこっちも動きやすい。できれば、三河屋さんにはその時死んでもらった方が良い」
海老蔵の策に穴子は一点だけ納得ができなかった。
「エビゾウクン、ミカワヤハイカシテオイテモイインジャナイカ?ナニモミゴロシニスルヒツヨウハナイダロウ」
穴子の質問に海老蔵は薄く笑った。
「穴子さん、叔父さんが次期ドンに決まった瞬間に寝返るようなやつを信用できますか?ぼくはできない。三河屋さんは死んだ方が良いんですよ」
海老蔵は冷たい眼をしながら言った。穴子はしばし考えた後。
「ソレモソウダナ」と呟いた。
「母さん、穴子さん。次に連中が現れたら遅刻していってよ。ビルが占拠されるまで我慢してね。その後は思いっきり暴れてもらうから。さてと、兄貴の調教があるから僕はこれで失礼します」
言い終えると海老蔵はタラオの陵辱を見物する為に『城』へ向かった。
楽しい。
マスオをもっと活躍させてくれ〜。
169 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 00:56
>>165 ちゃんと別の作品である旨明記しないと紛らわしいぞ
なにやら複雑な事情がありそうなので続きキボン
みんなありがと。特に常居接人氏に感謝。頑張って。
廃工場では、爆弾作りが急ピッチで進んでいた。逃げ延びたレジスタンスの協力もあり、予定より随分早く完成する見込みだった。
「爆弾が完成すれば、後は実行。そして反撃開始だ」
爆弾作りの進行に甚六は上機嫌だった。
「甚六さん、兵隊も徐々に集まってきています。決戦は近いですね」
イクラには最早爆弾テロに対して疑問はなった。磯野グループとの決戦、それが待ちきれない様子だった。
「ああ、だが決戦の前にグループの戦力を削っておく必要がある。こっちにも暗殺隊はいるんだ。連中を動かす」
甚六は顔をゆがめて笑った。レジスタンスの暗殺隊は、甚六が選抜した兵によって構成されていた。
レジスタンスの暗殺隊は甚六が『影』と命名した。『影』が最初の標的に選んだのは花沢不動産だった。
「アジトの場所を特定させない為にも、花沢を殺ってくれ。いじわるばあさんの居場所もあのオヤジが特定したらしい」
甚六の指示に『影』のリーダーは頷き、こう言った。
「データを残さないように全てを破壊しましょう」
体温を感じさせない声だった。甚六は満足そうに頷いた。
その夜、花沢の自宅前に『影』のメンバーが集結していた。リーダーの合図と同時にメンバーは花沢邸に侵入した。
「思ったより手薄だな」
見張り番や番犬を殺しながらリーダーが呟いた。警報機も全て破壊し、『影』は庭を抜け屋敷へと向かった。
>>165 がいいな。
文学の妙がよくわかっている。
あとはクソばかり、誰も読んでないんだから真面目に書くのやめれやw
174 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 20:01
↑メチャクチャ言うなw
175 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 20:16
165には才能が感じられない。クズ小説。白痴的な形骸化した馬鹿文章。
皆天才だ。
クズやクソは俺だけでいい。
さぁ、165氏も常居接人氏も続きを。
178 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 21:48
>>175 「白痴的な形骸化した馬鹿文章」
なんだこれw
狂い気味で 良くある内容の 程度の低い文章
って事じゃないの?
日本語としては変じゃないが、言ってる内容は受け取りにくいな
180 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 21:54
日本語として桁外れに変ww
荒らすならこなきゃいいのに・・・
182 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/06 23:45
もういいじゃん
荒れるからいい加減止めてよ
……随分荒れてますね。……
花沢の寝室への侵入は簡単に成功した。邸内にボディーガードを置くことを嫌ったことが花沢の命を縮めた。
「取り掛かるか……」
『影』のリーダーはそう呟くと、花沢の左胸に掌をあてがう。掌は吸い込まれるように花沢の体内に入っていき、心臓を握りつぶした。
「終わりだ。カミサンのほうはお前らに任せる」
掌に付着した血液を拭いながらリーダーが言った。部下たちはリーダーの手際の良さに感心しながら花沢の妻を射殺した。
花沢夫妻を始末すると、彼らは邸内を物色し始めた。花沢の書斎からはレジスタンスのアジト候補地を記した書類が発見された。
「ここにあったか。同じモノが本社にあるかも知れん。花沢不動産へ向かう」
彼らは花沢邸に火を放つと花沢不動産へ向かった。花沢不動産は花沢邸より警備が厳重だった。しかし『影』にとってそれを突破するのは容易いことだった。
「書類を探すのも面倒だ。ガソリン持って来い」
リーダーの命で部下たちはガソリンを持ち込むと、社内のあちこちにそれを撒き散らした。
「こんなもんでいいだろう。火!」
表に出ると、『影』のメンバーは火炎瓶を花沢不動産に投げ込んだ。辺りは一瞬にして火の海に包まれた。
「花沢と、やつの会社は始末しました」
アジトでは、リーダーが甚六に報告をしていた。
「流石だな。次も期待してるよ」
甚六の言葉にリーダーは「お任せください」と力強く言った。
186 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/07 06:21
お、オシッコォー
花沢の暗殺は、磯野グループに直接打撃を与えるものではなく、カツオなどは、自分の後見人になろうとしていた花沢の死を内心では喜んでいた。
「磯野、お悔やみ申し上げます」
『城』では花沢の事業引継ぎを決定する為、幹部が集合していた。会合の為に現れたカツオに中島はにやけながら言った。
「中島、不謹慎だぞ」
たしなめるカツオもその顔をほころばせていた。
「花沢のオヤジさんの事業は俺が引き継ぐことになった。中島、そろそろお前を俺の配下に引き抜こうと思う」
カツオの言葉は中島が待ちわびたものだった。カツオにとって、次期ドンに内定した今、中島をこれ以上潜伏させておくことに意味は無かった。
「ドンに会っていくか?」
「ああ」
「少し待ってくれ、今三郎が謁見している」
「……三郎が?……」
カツオは、自分に抵抗する内部の人間の一人、三郎の行動が気になった。
「ドン。どうか私を、三河屋配下から、突撃隊に移籍させてください」
三河屋を見限った三郎は、波平に突撃隊への移籍を申し出た。表向きの理由は、不平分子と直接戦いたいというものだった。
「…奇襲を受け、腹に据えかねておるのは分かる。しかし、急だな」
波平は三郎の言葉に少し考え込んだ。三郎の真意を測りかねたのだ。
188 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/08 01:03
鰹のムケチソハァハァ
189 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/08 06:17
体入り口西ノ京
「まあ良かろう。貴様の願いは聞き届けておこう。突撃隊も人が不足しておるからのう」
波平の言葉に三郎は跪き頭を下げた。これで、三河屋との心中を防げると思った。
「三郎、もう下がれ。ちと疲れた」
波平は三郎を下がらせると、中島を呼んだ。
「お薬でございますか?」
中島が尋ねると、波平は「左様」とだけ言った。
「カツオ様が謁見を望んでおられます」
薬を持って来ながら中島は言った。波平は疲れを感じていた。
「ご機嫌伺いなら帰ってもらえ。わしは疲れた」
「…申し上げにくいのですが、私をカツオ様の配下に移籍させていただきたいのです。先ほどカツオ様に直接言われました」
「……左様か。わしとしては貴様を手放したくないが。…よかろう、許す。カツオも仕事が増えて有用な人間が必要なのだろう」
波平は、万年筆を取ると三郎と中島の配置換えを命じる書類を書き始めた。
「中島よ、カツオの下での活躍を期待する。組織に一層の発展をもたらしてくれ」
書類を書き終えるた波平は言った。
「疲れた、少し眠る。貴様はそのままカツオのところに行け。引継ぎは必要ない」
「かしこまりました。カツオ様の下でドンのご期待に沿えるような働きを致します」
書類を受け取った中島は深々と頭を下げ、退室した。客間で待っていたカツオと合流するとその足で二人はカツオの事務所へ向かった。
もっと知的に書けよ厨房ww
アニメで見たい
アニメ化するとなると、ドン波平の顔には暗い影で隠れてるんだろうな。
頭の毛だけが、不気味に揺らめいているという…w
花沢の暗殺から一週間が経過した。この間、磯野グループとレジスタンスの間には大きな動きは無かった。
「兄さん、爆弾が完成したわ」
ウキエの報告を甚六は複雑な思いで聞いた。イクラの前では母オカルを犠牲にすることを厭わない素振りを見せたが、本心では葛藤があった。
「…そうか、後はお袋にそれをどうやって渡すかだな」
「それは私に任せて。お母さんとはいつでも連絡が取れるわ」
ウキエはオカルと月に一回ほどの割合で会っていた。甚六はその事実を始めて知った。
「お袋と?後をつけられていないか?…」
甚六は尾行と、痴呆の進行が深刻なオカルが何か喋っていないかを心配していた。
「大丈夫よ。グループの息がかかっていない場所で会ってるわ。それに、フネおばさんも一緒だから」
ウキエの言葉に甚六は一応安心した。フネが一緒なら任せても構わないと思えた。
「それじゃあ、そっちはお前に任せる。俺は、決戦に向けて準備を進める。お袋とは何時会うんだ?」
「明日よ」
甚六の問いにウキエは短く答えた。甚六は頷くと、準備のため部屋を出た。
工場内では、レジスタンスの戦闘部隊や『影』の面々が集結していた。
「甚六さん、爆破は何時実行するんですか?」
イクラが興奮した面持ちで甚六に聞いてきた。甚六はなだめるような口調で言った。
「明日、お袋にブツを渡す。実行するタイミングはそのときに決めようと思う」
甚六の冷静な口調は、レジスタンスたちを返って燃え上がらせた。甚六の口調はそれを計算してのものだった。
195 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/10 11:26
ますおと8(*^^*)8のセクスシーンキボン
196 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/10 15:45
>>195,
>>196 50近いおっさんとおばはんのSEXシーンは書きたくないのだが……
2通もリクエストが来たんで書きましょう。
198 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/10 21:59
早く続きをプリーズ!常居接人、頑張れ!
レジスタンスたちが爆弾テロ実行に向け準備を進めていた頃、フグ田家ではマスオとサザエが週に2回の交接を営んでいた。
「…サザエ…もっと舌を使って欲しいのかい?」
サザエを顔に跨らせ、その秘所を舐りながらマスオが焦らす様に訊く。
「あぁ、あなた。もっと舐めて、舌でかき回して」
マスオの舌技に悶えながらサザエは喘いだ。マスオがさらに舌を使う。サザエの秘所は、自らの分泌液とマスオの唾液で濡れそぼった。
「サザエ…我慢できなくなったらいつでも言ってくれ。こっちの準備はできている」
マスオはサザエ以外の女を知らない。交わる時、主導権はサザエに委ね、彼女の求めるままに奉仕するのが常だった。
「…あなた、胸を揉んで」
マスオは腕を上に挙げ、垂れかかっているが以外に豊かなその乳房に触れ、指を這わせる。先端の蕾は硬くなり、秘所からは止め処なく蜜が流れる。
「ああぁぁ。もう我慢できない。頂戴、あなたのを頂戴」
サザエはマスオの顔から身を離すと横になり、仰向けで挿入をねだる。一流の拳法家であるマスオの男根は20代のそれに勝るとも劣らない勢いを有していた。
「サザエ。入れるよ」
マスオはサザエの耳元で囁くと、一気に突入させた。若者の勢いと、中年の技を併せ持つマスオの挿入にサザエは声にならない声を上げる。お互いに充分に堪能すると、二人は同時に絶頂に達した。
「サザエ。不平分子を殲滅したら、二人でどこか知らない土地で暮らさないか?」
サザエは「考えさせて」とだけ言った。
200 :
馬ちゃんの栗 ◆xsnIkAi182 :04/06/10 22:43
>199
これはいいね
>>199 すごい!いいぞ!(w
リクエスト方式だったとは知らなかった。
相手は誰でもいいから、次はワカメでお願い。
>>198 がんばって書きました。
>>200 さんくす。
>>201 ワカメはもう一寸待って。
相手は決まってるけど、(ヤらせる)タイミングが難しい。
203 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/11 01:48
ヌキマスタ。有難う。
あのー、おもしろーい!と思って読んでたのだが、
これ、主人公は誰なのだ?
タラオではなかったのか?
読者は誰に肩入れして読めばいいのか……。
それともイクラが主人公でこれから大暴れするのか?
>>203 これでヌけたのか!!すごいな。尊敬。
どうしてもサザエの顔がチラついて…。
>>204 本物のサザエさん自体、サザエさんが主役かといえばそうじゃなく、
みんな主役みたいなもんだから、いんじゃないの?
206 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/11 18:34
あんまりエロシーンにばかりこだわるのはよそうぜ。
まぁ、あるに越したことはないがこだわりすぎて小説が崩れるのが怖い。
>>203 ヌけましたか。・・・
>>204 205さんが代弁してくれました。特に主人公は決めないで書いてます。
読者の皆さんは好きなキャラに感情移入してください。
>>205 代弁ありがとうございます。俺の本意も大体そんな感じです。
>>206 すいません。リクエストがあるとつい調子に乗ってしまって……
これからは、エロ描写はスパイスとわきまえ、物語を崩さないように注意します。
今から続き書きます。
応援してますよ。
爆弾の完成から一夜が明けた。ウキエは実行員のオカルと面会する為にホテルの一室にいた。
「ウキエちゃん、開けて頂戴」
ドアがノックされ、声がした。ウキエには声の主が分かるようで、ドアを開けた。そこには、フネとフネに身体を支えられるようにオカルが立っていた。
「おば様わざわざすみません」
「ウキエちゃん、時間がもったいないから先に言っておくわ。爆弾作戦はワタシとオカルさんで実行するわ」
フネは悲壮な決意をしていた。ウキエはフネの決意に戸惑った。だが、オカルに作戦を任せることに不安を感じていたウキエは好都合だと考えた。
「ウキエちゃん、聞いて。波平とあなたのお父さんの暴走を止められなかったのは私たちの責任でもあるの。死んでいった人たちのためにも私たちに実行させて」
「おば様、そこまで…分かりました。おば様にお任せします」
ウキエは内心で「作戦成功」と叫びたい気分だったが。そんな様子はおくびにも出さなかった。
「ウキエちゃん。爆弾の使い方を教えて頂戴」
フネがそう言ったとき、オカルが言った。
「ご飯はまだか」
その様子を見て、フネは薄く笑い言った。
「ウキエちゃん、オカルさんはこんな風になってしまったけど、いつもあなたと甚六君のことを心配しているのよ」
「でも、母さんは…」
ウキエが言いかけたとき、フネがそれを遮った。
「私には分かるの。オカルさんはあなた達のことを誰よりも思っているの」
ウキエはそれには応えず、爆弾の起動方法を説明し始めた。
210 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/11 22:03
フネ、いい味出してますね。私事だがサザエさんキャラの中でフネが一番好き
です。
フネは、ドンの暴走を止めたかったが止められなかった、といういい人的な役割なのか?
春一番が吹き荒れた朝、フネが、死んだ。
カツオは、その病室に行ってやることが出来なかった。
ピザの配送が終わらなかったためである。
ワカメも、間に合わなかった。
ワカメはその朝、ゆきずりの男を白いからだの奥底にまですべりこませていた。
サザエとマスオは、フネの死をみとると、とぼとぼと帰路についた。
かなしい知らせは、家でも待っていた。
タラが私立高校の受験、すべて失敗したのである。
バカヤロウ!とサザエは泣き叫んで、タラの顔面を何度も平手で打ちはなった。
もう都立しか残ってないのよ!あんた、都立高校に入れられたいの?カツオみたいになってもいいのッ!
カツオはピザの配送バイクを蛇行させながら、つぶやいていた。
♪俺の人生、それはイェイ、それは俺のぉ、俺だけの世界、ベイベ、オーベイベ!
ワカメはちょっと黒くなってきた乳房を、朝日に輝くシャワーで洗い流していたところを、
くだんの男に、また抱きしめられ、堕ちていった。どこまでも、おお!どこまでも、アハーン!
船は絶望の海を一蓮托生、ドロ航海。漁師はサザエの養殖を副業としていて壷焼きを毎日必ず食べている。
イクラというのは日本語だと思っている人もあるようだが、実のところロシア語であるというのはあまり知られていない。
マスオの子供は筋子というのが正しいのであるよなぁ。イクラのパパはシャケじゃないというのも理不尽。不道理極まりない。
あらゆる情報が混在した現代、その受信者としてあるべき態度とは、時代の波平を厭わぬこと。
ウキエから爆弾を受け取ったフネはオカルを伴い、帰路に着いた。
「あの時あの人を止めることができたなら……」
朝日ヶ丘へ戻る車中でフネは波平が狂い始めた日のことを思い出していた。
「フネ、お前には苦労をかけたな。だが、これからは豊かな暮らしができるぞ」
伊佐坂の誘いに乗り、朝日ヶ丘を支配することを決めた波平の帰宅第一声はそれだった。
「?あなた、どういうことですの?」
波平は伊佐坂と話し合ったその内容を興奮気味に語った。フネはそれを話半分に聞き「そうですか。それは楽しみですね」と相槌を打った。
だが、フネは波平が本気で動くなどと思ってもいなかった。フネが気付いた時、最早波平の暴走は止められるものではなく、フネも波平がもたらす贅沢な暮らしに酔っていた。
「フネ、わしが闘うのはお前の為でもあるのだ。お前には一生贅沢をさせてやる、わしが安月給だった為にお前には苦労をかけた。これはお前への罪滅ぼしでもあるのだ」
波平の言葉と贅沢な暮らしは、フネの心を惑わせた。フネが波波平の暴走を止めなければと考えた時はすでに手の施しようが無かった。
「オカルさん。夫を止められなかった私達も同罪ね。一緒に死にましょう」
フネは反応しないオカルに語りかけた。オカルは相変わらず「ご飯、ご飯」と呟いていた。
「明日。明日私と一緒に『城』へ行きましょう。伊佐坂先生も一緒に…みんな一緒に。そんなことで私達の罪が無くなるとは思えないけど、せめてもの罪滅ぼしね」
車は朝日ヶ丘に近付いていた。後部座席で喋っているのはフネ一人と言った状況だった。だが、まともな受け答えのできないオカル相手でもフネの顔は満足そうだった。
それより212がワロタ
217 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 02:07
>>212 >どこまでも、おお!どこまでも、アハーン!
絶望の家族だなww
218 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 02:09
アハーン
219 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 02:11
>>212 >カツオはピザの配送バイクを蛇行させながら、つぶやいていた。
>♪俺の人生、それはイェイ、それは俺のぉ、俺だけの世界、ベイベ、オーベイベ!
最高ww
揺れ動く人心。過去の思いの清算の為に、立ち上がるフネ。私の思う
ところの「フネらしさ」があります。
221 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 11:01
続きが早く読みたいです。
頑張ってください。
222 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 18:31
今日も8(*^^*)8さんの時間がはじまりますたww
223 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 18:51
ここを読み始めてから、初めてサザエさん見てます。
だめです。爆笑です。
常居接人の作る物語の原点が全て盛り込まれている…。
続き、楽しみにしてます!!。
>>220 フネは今まで暖めていたのでそう言ってくれると幸いです。
>>223 ありがとう。続きを書きます。
爆弾テロ実行の朝がきた。
「今日で私の人生が終わるのね…」
顔を洗い、フネは呟いた。しかし、何の感慨も沸いてこなかった。冷静な気持ちでいる自分が不思議だった。
磯野家は『城』から離れた朝日ヶ丘の町外れにあった。波平は病を得て以来『城』に住み家には3年間帰っていなかった。フネが波平の見舞いをかねて『城』へやってくるのは珍しいことではなかった。
「途中で伊佐坂先生の処によって頂戴」
運転手に声をかけた。伊佐坂家によって難物とオカルを同乗させることも珍しいことではなかった。運転手は「かしこまりました」と応えると、車を伊佐坂邸に向かわせた。
「これはオフネさん。ドンの下へ行かれるのですか」
伊佐坂邸では難物がフネを出迎えた。フネは頷くと難物に言った。
「先生もご一緒にどうですか。それにオカルさんも。主人も会いたがっていますよ」
難物は喜びを隠せない様子で頷いた。
「是非ご一緒させてください。私もドンにお会いして申し上げたいことがあります」
伊佐坂邸からニ台の車が『城』を目指し走り始めた。一台には伊佐坂夫妻が乗り、もう一台ではフネが爆弾の入ったハンドバッグを抱えていた。
『城』に到着すると、フネたちは波平が一日の大半を過ごす「プライベートルーム」に通された。
「よく来たな。それに、伊佐坂先生と奥さんも。よく来てくれました」
波平は体調も良く上機嫌だった。三人をにこやかに迎え入れ、自ら人数分の茶を入れた。
「お父さん。私が…」
動こうとしたフネを制して波平は言った。
「まあ良いではないか。わしの入れる茶も美味いぞ」波平は嬉々として茶を入れていた。波平の甲斐甲斐しい姿にフネは、決意が揺らぎそうになった。しかし、波平の暴走を止めるにはほかに手が無いと再び決意を固めた。
227 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/13 22:23
いささか先生はエンタメ作家。
228 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/14 07:55
シコルスキー
229 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/14 11:55
常居接人さん、すごく面白いです!
さらに長期連載求む!
>>229 励ましのお便りありがとうございます。
まだ物語りは続きます。
「さあ、美味い茶が入ったぞ。皆で飲んでくれ」
波平はいつに無く上機嫌だった。伊佐坂が茶を一口すすり「美味い!」と叫んだ。
「本当に美味しい。私、こんなに美味しいお茶久しぶりですわ」
フネはそう言いながら、爆弾のスイッチを起動するタイミングを計っていた。高性能のプラスティック爆弾がハンドバッグの中で出番を待っていた。
「美味しい美味しい」
オカルが茶をすすって言った。だが、その半分以上は口から零れ落ちていた。
「汚いな、ババア」伊佐坂が顔を曇らせながら言った。波平が「まあ、良いではないですか」と、とりなす。フネ以外の3人が隙を見せた。フネは爆弾を起動させた。
爆発音の後、衝撃があった。その頃、地下牢では昼食の配給の為、牢が開かれていた。衝撃で牢番が怯んだ隙をノリスケは見逃さなかった。
「こういうチャンスをずっと待ってたぜ。死ねや」
牢番に体当たりすると、持っていた自動小銃を奪いノリスケは乱射した。3人の牢番は体中に弾丸を浴びて絶命した。
「タラちゃん今だ、逃げるんだ。俺と一緒にここを出よう」
地下牢まで響く衝撃、ノリスケの小銃乱射と脱走の誘い。それらが一緒になりタラオは混乱していた。動かないタラオの手を引っ張りノリスケは地下牢から脱出した。
「爆破だ!」「場所は?」「分からん、だが、ドンのお部屋の当りからも火が上がっている。急げ!!」
『城』の内部では大混乱が起こっていた。これに乗じてノリスケたちの脱出は容易に成功した。
「ドン!ご無事ですか……」波平の部屋があるフロアに到着した時、部下達は絶句した。そこには残骸すら残されておらず、フロア全体が吹き飛んでいた。
「こ、これではドンはもう…」
「不平分子の攻撃が続くかも知れん。幹部の方々に連絡を取れ」
『城』に於いて爆弾テロ発生。ドンの生死は不明、至急『城』に集結。この指令が幹部達の間を駆け巡った。緊急事態であった。
232 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/15 17:58
常居接人さん、今夜も楽しみにしてまっせ!!!
>>232 どうもありがと。
今から書きます。お楽しみに。
『城』から上がる火の手を確認したレジスタンスは、それと同時に三河屋への再攻撃に移った。
「なんで奴らはわしのところばかり狙うんだ。ええい、援軍はまだか、お前等わしを守れ。援軍が来るまでわしを守るんだ」
レジスタンスの攻撃に三河屋は防戦一方だった。さらに戦闘突入直後に、『城』が爆破テロに遭った知らせが入り、援軍の到着も遅れることは確実で、三河屋の士気は上がらないこと甚だしかった。
「三河屋の兵隊は弱っちいな。この調子なら小一時間もかからないで陥ちますね」
右手に持った拳銃を乱射しながらイクラが言った。甚六は引き締まった表情で応える。
「突撃隊が到着する前に陥とさないと厄介だ。そろそろ『影』を内部に突入させる」
甚六が指笛を吹くと、『影』のリーダーが音も無く現れた。
「お呼びで?」
「約束通り三河屋の首を呉れてやる。突入しろ」
三河屋と因縁のあるらしいリーダーは一瞬顔をほころばせた。だがすぐにもとの表情に戻ると「承知」と言い、部下を引き連れ三河屋店内を目指した。
「この下水道から隠し倉庫に行ける筈だ」
下水道から麻薬を収納する隠し倉庫への道は、三河屋内部の人間しか知らないモノである。だがリーダーは勝手知ったる道を行くように部下を引き連れ三河屋内部への侵入に成功した。
「ぐわっ」「ぎゃー」廊下から聞こえる部下の悲鳴に三河屋は動揺した。すでに突入を許したのかと表を覗く。だが、外ではレジスタンスと三河屋部隊の戦闘が続いていた。三河屋が訝しく思っているとドアが破壊され、そこにはリーダーの姿があった。
「久しぶりだな。オヤジさん」
久しぶりと言われても三河屋は思い出せなかった。その顔に見覚えが無かった。
「顔を変えたから分からないか?これを見れば思い出すだろう」
リーダーが左袖をまくると、二の腕に「三河屋備品001」と焼印が押されていた。三河屋は焼印を見て彼の正体が分かった。
「お、お前は三平。どどど、どうしてお前がこんなところにいるんだ?」
すごいすごい!!
流れが二転三転して、いつも衝撃と感動を覚えています!!
タラちゃんの運命やいかに!?
>>235 どうもアリガトウ。
良い意味で期待を裏切れるようにがんばります。
書き始めます。
三河屋の狼狽を三平は冷ややかな眼で見ていた。三河屋は狼狽したまま言った。
「お前を家畜のように扱ったことなら謝る。だからお願いだ、い、命だけは助けてくれ」
三平は冷たい眼のまま三河屋に近付いた。そして口を開いた。
「なぁ、あんた和子って娘覚えているか?」
「和子?知らん、そんな女知らん。記憶に無い……」
三河屋の顔面に激痛が走った。三平の蹴りが鼻を粉々に砕いたのだ。
「あぁん。知らねーだと?記憶に無い?ナニ寝言こいてんだ。てめーに犯されて自殺した和子のことだ。てめー本当に覚えてないのか?」
興奮した三平は三河屋の後頭部を何度も踏みつけた。踏みつけながら、三平は和子のことを思い出していた。
話は20年以上前に遡る。中学卒業と同時に上京した三平は、三河屋に就職した。逃走防止の為、焼印を押された。住み込みで食事付きとはいえ、月給は五千円だった。
何度逃げようと考えたか三平自身にも分からない。だが、三平を押し止めていたのは和子の存在だった。和子は長期休暇の間、三河屋でアルバイトをする女子高生だった。和子を初めて見た時、三平は思春期を迎えてから初めて異性に心を奪われた。
和子と親しくなるにつれ、彼女も三平に淡い恋心を抱いていることが三平には分かった。定休日には逢瀬を重ね、二人はいつしか将来のことを語り合う仲になっていた。
三平と和子の幸せな時間は長くは続かなかった。その年の大晦日に事件は起こった。その日三河屋では忘年会が執り行われ、三平と和子も参加していた。この時、三河屋は以前から狙っていた和子の飲み物に睡眠薬を盛っていた。
和子が薬によって眠りにつくと三河屋は言った。「和子ちゃん眠っちゃったか。疲れていたんだな。タクシーに乗せてくる」三河屋は和子を抱えるようにして部屋を出た。
三平は三河屋が彼女に狼藉を働くのでは、と考えたが三河屋がすぐに戻ったので胸を撫で下ろした。だが、その時和子は隠し倉庫に監禁されていた。
忘年会も終わり、三平が眠りについた頃、隠し倉庫では三河屋が和子を陵辱していた。薬から覚め、正気を取り戻していた彼女は「三平さん助けて!!」と何度も叫んだ。
だが、倉庫からの声が届くはずも無かった。思いを果たした三河屋は会心の笑みを浮かべていた。
翌朝、首を吊った和子の死体が雑木林で発見された。警察は暴行された痕跡は見つけ出したが犯人の特定はできなかった。
知らせを聞いた時、三平は激しい後悔の念にさいなまれた。そして心に誓った、必ず三河屋を殺すと。その日のうちに三河屋を出奔した三平は復讐の鬼と化した。就職と同時に封じていた暗殺拳の修行に再び取り組んだのである。
「…和子のこと…思い出したか?」
踏みつけるのを中止した三平は、三河屋のあごをしゃくるとそう訊ねた。三河屋が首を横に振った瞬間、三平はキレた。
「てめーは楽には死なせねー。じわじわと弄ってやる。てめーが和子にしたようにな」
三平はそう言うと、三河屋の左目を抉り取った。三河屋の悲鳴は三平をさらに興奮させた。
三平が怒りに任せ、三河屋の両手両足を切断した頃、レジスタンスは三河屋店舗を陥落させた。甚六たちが三河屋の部屋に入った時、三平は三河屋に最後の拷問を加えていた。
「痛えーか?苦しいか?でもな、和子の苦しみはこんなもんじゃねーんだよ」
三平は、三河屋の頚動脈を切断しながら呟いていた。三平の行動には流石の甚六も度肝を抜かれた。
「死ねや」三平はゆっくりと、楽しむように頚動脈を切断した。三河屋の悲鳴が室内にこだました。
「甚六さん、契約はこれで終了だ。でも、俺の人生は和子が死んだ時に終わったも同じなんだ。三河屋を殺らせて呉れたあなたには感謝している。俺の命好きに使ってくれ」
返り血で真っ赤になりながら三平は言った。甚六は三平の戦力を頼もしく思うと同時に、その残虐性を不気味に感じていた。だが、決戦の時を迎えた今、そんなことを気にしているゆとりなど無かった。
「三平。それじゃぁ遠慮なくその命使わせてもらうぜ。あんたにはマスオと闘ってもらいたい」
三平は甚六の言葉に薄く笑った。
「フッ。マスオか、俺の最後の相手に相応しい」
三平の笑顔は味方をも凍りつかせる凄まじさがあった。
239 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/16 21:37
この時間にここに来るのが日課になってしまいました。
すご〜い!!!。展開が読めないところがまた(・∀・)イイ!。
クライマックスだな。
もう一度タラちゃんの陵辱シーンが見たかったが(w
タラちゃんが磯野家の力に目覚めるストーリーかと思ったら、
抗争モノだったというのが(・∀・)イイ!!。
242 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/17 03:38
キャラが最初からできてるのだから、こんなに楽なことはない。
キャラと言っても、マンガやアニメとはかけ離れているよね。
ほとんどオリジナルと言ってもいいのかも。
サザエさんがベースだと言うのがまず興味をそそり、あとは書いてる人のオリジナルって感じ。
ガンガッテ続けて欲しいw
244 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/17 08:02
カツオの担任の先生や甚六の愛犬のハチや
わかめの友達の鈴子ちゃんは出ますか?
245 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/17 15:07
わかめのわれめは出てきますか?
246 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/17 19:15
かつおの亀頭が
247 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/17 19:30
どうでもいいのだが 鹿児島ではカツオの心臓のことを チンコ(形が似てる)と呼んでます
>>239 アリガト、そう言ってくれると嬉しいです。
>>240 どうにかここまでたどり着いたので、後は気合を入れなおすだけです。
>>241 タラオはヘタレだからw
>>243 どうもアリガト。これからも頑張ります。
>>244 「サザエさん」はもう何年も見てないんで、思い出せないキャラとかが多くて。
三平も本当は中居君が演じたキャラにするつもりだったけど。思い出せなくて。
>>247 トリビアになりますねw
それでは続き書きます。
三河屋陥落の報せが『城』に届いたのは、突撃隊が戦闘準備を整えた頃だった。サザエは海老蔵を見やって言った。
「あんたの考えたとおりになりそうね。アタシ達はこの後どう動けば良い?」
「…こっちから動く必要は無いよ。不平分子が動いたらそれを叩く、これが基本戦略だね。叔父さんは敵が総攻撃に打って出たらドサクサに葬っちゃえば良いよ。三郎さんはどう思う?」
暫らく考えた後、海老蔵はこう言うと、三郎に目をやった。三郎は即答した。
「私の考えも海老蔵さんと大体同じです。カツオを討ち取る方策は私にお任せください」
波平の生存が絶望的な状況となった今、カツオが暫定ドンとなり幹部会がカツオ主導で行われた。幹部会の決定はこうなった。
突撃隊の出陣は三河屋が陥落したことを理由に見合わすこと。守るのに適した三河屋ビルへの攻撃を回避して、不平分子が動くのを待つことに決まった。
その夜、三河屋を陥落させ、そこに本拠地を置いたレジスタンスにタラオとノリスケが合流を願い出た。男の一人がタラオであることに気付いた小隊長はカオリたち幹部に二人の処遇を任せることにした。
「タラちゃんか。そのおっさんは誰なんだい?」
甚六の質問にタラオは答えられる状態ではなかった。「リカを助けてください。リカを助けてください」と呟き続けていた。タラオの体たらくにみんな呆れていると、ノリスケが口を挟んだ。
「甚六君、俺はノリスケだ。君とウキエさんの前に出てこれる立場じゃないことは十分承知だ。俺はどうなっても構わない。イクラをこれ以上危険な目にあわせないで欲しい。お願いだ」
その言葉を聞いて、甚六が顔色を変えた。薬を盛られていたとはいえ、ウキエを陵辱したノリスケを許せなかった。
「よくも僕の目の前に姿を現せたね。…今どうなっても構わないって言ったね。それじゃあ死んでもらおうかな」
甚六が愛用のトカレフを構えた時、ウキエがそれを止めた。
某国の漫画だったら「キムチさん」だったりするのかな?
「兄さん、待って。あれはノリスケさんの所為じゃないわ」
カオリも甚六にしがみつき言った。
「甚六さん、ノリスケさんを許してあげて。一番苦しかったウキエさんもああ言ってるのよ。だからノリスケさんを許してあげて」
二人の説得に、甚六はトカレフを懐に仕舞った。そしてノリスケを直視して言った。
「イクラは自分の意思でここにいるんだ。危険な目にあっているのも自分から望んだことなんだ」
甚六がそう言うと、イクラが一歩前に進み出た。成長したイクラの姿を見たノリスケは胸を熱くした。
「久しぶりだな、オヤジ。今甚六さんが言ったとおりだ。俺は磯野グループを倒す為に戦う、奴らを倒すことが母さんへの供養になるんだ」
感慨に浸る間も無く、イクラの言葉がノリスケに衝撃を与える。ノリスケは聞き返さずにはいられなかった。
「母さんの供養?どういうことなんだ、イクラ。まさかタイコは…」
「マスオと穴子に襲われた時、俺を守る為に死んだよ。オヤジ、俺に手を引かせたいなら無駄だ、俺は絶対に母さんの仇を取る」
「タイコが死んだ?そ、そんな。…磯野家はどこまで俺達を苦しませれば気が済むんだ?俺を投獄しただけじゃぁ気が済まないのか?」
タイコが死んだことを聞き、ノリスケの心の中に怒りの焔がともった。ノリスケは怒りに任せ、こう言った。
「みんな、俺にも手伝わせてくれ。俺もやつらを倒す為に戦いたいんだ。お願いだ、俺に死に場所を与えてくれ」
ノリスケの懇願に、カオリは頷いた。そして甚六を見やって言った。
「甚六さん、構わないわよね?ノリスケさんにもレジスタンスに加わってもらうわ」
カオリの言葉に甚六は首を縦に振った。そしてタラオに目をやると「こいつは如何するんだい?」と呟いた。
タラオは相変わらずあらぬことを呟いていた。ウキエがタラオに近付くと、子供を諭すような口調で言った。
「タラちゃん、リカちゃんを助けたいならあなたにも戦ってもらうわ。みんなが集まっているのはあなたの為じゃないの。あなたも人に頼るだけじゃなく、自分で何とかしようと努力しなさい」
ウキエの言葉にタラオは現実に引き戻された。
「僕がリカを助ける?僕にそんな力は…」
タラオが弱音を吐こうとした時、イクラの右拳がタラオの頬を殴った。そしてイクラはタラオの胸倉を掴んで叫んだ。
「甘ったれたこと言ってんじゃねー。リカを助けたいんだろ?お前の女なんだろ?いい加減目を覚ませ!!戦うか、リカを諦めるか決めろ!」
タラオは殴られた痛みより、イクラの言葉に衝撃を受けた。いつの間にか胸に熱いものが込み上げてきていた。
「分かった。僕は戦う、リカを助ける為に戦う。牢屋に閉じ込められた時、リカを諦めようとも思った。でも、どうしても諦められなかった。僕には彼女が必要なんだ…」
タラオの両目からは、いつの間にか涙が零れ落ちていた。溢れる涙を拭おうともせず、タラオは泣き続けた。リカに会いたい。タラオはそう思いながら泣き続けた。
その頃『城』では突撃隊と、暗殺隊がスクランブル体勢を取っていた。深夜であろうと、早朝であろうといつでも出撃する準備はできていた。
「タラオニゲタヨウダナ。オマエニハナニモイワナカッタノカ?」
リカを貫きながら穴子がそんなことを訊ねた。穴子の腹の下で、快感に顔を歪ませながら、リカが答えた。
「あっあんなヤツどうでもいいのです。それよりも穴子様もっと激しく…」
「ククク、ドンヨクデ、ハクジョウナオンナダ。ソレトモ、ソンナフウニナッタノハオレノセイカ?」
好色な笑みを浮かべた穴子は腰の動きを激しくした。その動きによって、リカは絶頂に導かれた。
253 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/19 21:36
せくしぼん
常居接人さんはこれを余力で書いておられるのか?
全ての時間を賞に注がざるを得ない凡人はただひれ伏すばかりなり
じゃバイバイキ〜ン(マテ)
255 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/20 02:22
最高!
がんばってください!
>>255 ありがとう。頑張って書きます。
皆さんに励まされながら書いてます。
レジスタンスが行動を起こしたのは、一汗かいた穴子がリカとシャワーを浴びていた時だった。待機中の部隊に出撃命令が下った。
「コンナジカンニウゴクトハ…ブスイナレンチュウダ」
「出撃ですか?穴子様、行ってらっしゃいませ」
「スグニケリヲツケル。ツヅキハソノアトダ」
好色な笑みを浮かべ、穴子はリカに囁いた。シャワールームを出ると、穴子は戦闘服に身を包みヤリと盾を両手に装備した。
「穴子君、遅いぞ。またお楽しみか?」
中庭に穴子が到着した時、暗殺隊はすでに集合していた。マスオの言葉に穴子は悪びれた風も無く言った。
「スマンナフグタクン。アノオンナチョウキョウノシガイガアルンデ、ツイタノシミスギタ」
「突撃隊は既に出陣した。我々も後を追うぞ」
三河屋から出撃したレジスタンスと突撃隊が戦闘を開始してから30分以上が経過していた。以前戦った時は劣勢だったレジスタンスだが、今回は優勢だった。
「オラオラ。てめーら皆殺しだ!タイコの仇だ、思い知れ!」
ノリスケが率いる決死隊が先陣を切って、突撃隊の御株を奪うような突破を見せていた。死を決意したノリスケの勢いは止まらなかった。
「サザエ!!出て来い。ぶっ殺してやる」
ノリスケの挑発に、後方に陣取ったサザエが前に出ようとする。だが、それは三郎に止められた。
「いけません。挑発は無視してください。不平分子を『城』まで進撃させないとカツオと共に葬る策は成功しません」
三郎の説得によって、サザエはようやく留まった。だが、ノリスケの挑発は止むことが無かった。
ますお「サザエのアワビを見たい!」
サザエ「ますおさんのますらおが、ビンビンよ!」
サザエを口汚く罵りながら、ノリスケは進んでいった。サザエの我慢も限界に近付いた時、三郎が引き上げの合図を出した。
「引け、引け。『城』まで引いて暗殺隊と合流する」
「サブちゃんあんた!?」
引き上げの合図にサザエは納得していなかった思わず詰問するような口調になった。
「不平分子を引き付けます。穴子さんには遅れてくるように伝えてあります。たぶん途中で合流できるでしょうが『城』まで引きます」
三郎は極めて冷静だった。三郎の冷静さに、サザエはようやく落ち着きを取り戻した。
「フン、そうだったわね。この戦いは奴らを皆殺しにする戦いじゃなかったわね。カツオを葬るものだったわね」
突撃隊の退却を見て、カオリは判断に迷った。「罠では?」その思いは消えることが無かった。傍らの甚六を見やった。
「カオリちゃん罠かもしれない。だが、今はもうそんなことを気にしてなんかいられない。磯野グループを壊滅させるチャンスだ。罠があるなら罠ごと突き破る」
甚六の言葉に頷くと、カオリは追撃命令を出した。追撃命令にレジスタンスは奮い立った。
レジスタンスの追撃に突撃隊は恐慌をきたした。「常に前へ」このことだけを命じられてきた突撃隊にとって、退却は初めての経験だった。突撃隊の隊員たちは次々と倒れていった。
突撃隊が暗殺隊と合流した時、突撃隊の過半数が手負いになっていた。敗走する突撃隊に流石のマスオも顔色を変えた。
「どうしたんだこれは。サザエ!無事か?」
マスオの声にサザエが反応した。
「あなた!ここよ!この状態じゃ戦えないわ。一度『城』まで引き上げましょう」
マスオは敵を『城』まで引き付けることに一抹の不安を感じた。だが、突撃隊が大混乱に陥った今、他に方法は思い浮かばなかった。殿を務めるため、マスオは部隊後方へと足を進めた。
261 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/21 22:16
常居接人!
おめぇ、前から言いたかったんだけどよぉ、
すっげぇくだらねぇよ、バカ!
情景描写もクソだし、心理描写はクソ以下だし、
プロットはクソのクソだし、
誰も真面目に読んでないんだから、もうやめろよ低脳!ww
263 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/21 22:20
ハァ? じゃねぇだろチンカスww
264 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/21 22:25
>>260 >「サブちゃんあんた!?」
>引き上げの合図にサザエは納得していなかった思わず詰問するような口調になった。
なにこれ?ゲラ
おまえ帰化人?
リカは磯野家に復讐の為に潜入していて、
本当はヘタレのタラちゃんをまだ愛している、そしてラストで正体を現し、
磯野家に致命傷を与える、なんて展開、どうだろうか??
これからも楽しみにしています!
>>259イイ!ww
266 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/21 22:46
>>265 異常につまらなそうですね。
だからもうやめろっていってんだろ、おまえ一人でオナニースレを弄んでんじゃねぇよ低脳。
/ (___ ___) ヽ
./ ノ 人 ヽ ヽ
__ ./ // ヽ ヽ @ .ヽ / ̄\
./ ○ ヽ、 / (__) (_) ヽ/ ○ \
/ \,,,--―――''''''''''''''''''''――-/ ヽ
..⌒‐-,,,,_ /:/ヽー―――-、,,__,,,,-―――:|| _,,;-‐''"⌒~~~
.ヽ/::||:::::::::: (●) (●) ||/ヽ
く ::||::::::::::::::::: \___/ ||:::::::::ヽ
ヽヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ_/
【ゴールデンレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
嫌なら見るなって。少なくとも折れは楽しみにしてるんだし
>>265 もしこのスレを楽しみにしてるなら、展開予想は書き込まない方がいいかもね。
最後までほぼ構想できてるらしいから、下手に当たってると更新がしんどくなるかも。
>>267 コピペもまともにできず、AAがズレてても効果あるんですか?
>>268 馬鹿は放置で。
>>265,
>>268 楽しみにしてくれてドウモ。でもね…言いたいこと269さんに先に言われてしまった。
>>269 言いたいこと先に言ってくれてアリガト。多謝。
さてと。また馬鹿を煽るような原稿書こうかな。
マスオが後方に歩を進めると、そこにはノリスケの小銃乱射で絶命した肉体が散乱していた。マスオは顔を歪め、マリファナに火をともした。
「地獄絵図だな…ノリスケ君、良い趣味をしているな」
「マスオ!!…タイコの仇だ思い知れ!!」
マスオの姿を認めたノリスケは、引き金を引き絞った。フルオートで弾丸が排出される。だが、マスオは辺りに転がった死体を盾に直撃を回避した。
「愚かな。私にはそんな玩具通用しないよ」
死体を放り投げると、マスオはノリスケとの距離を詰める。「チッ」ノリスケが再び引き金を引き絞った。だが、その時、ノリスケの視界にマスオの姿は無かった。
「甘いな…」
マスオの声が上方から聞こえた。ノリスケが声のした方に視線をやった。マスオの手刀が空を切った。
「オヤジ。危ねえ」
ノリスケの身体を蹴飛ばす影があった。イクラだった。イクラはノリスケを右に蹴り飛ばすと、その反動で左へ跳躍した。
「ふむ。麗しき親子愛だな。いいだろう、親子ともども私が葬ってやろう」
マスオは手首をほぐしながら二人に近付いた。その時、レジスタンスが一斉に前進を始め、マスオは周りを囲まれる形になった。
「マスオ、覚悟しやがれ!」
兵の一人が絶叫した。マスオは面倒くさそうに言った。
「参ったな。私はまだ死ぬわけにはいかないんだ。私も退却させてもらおうかな」
反転したマスオは空を切り、突破を試みた。マスオの前に立ちはだかる兵たちは身体を切刻まれ、屍の山を築いた。マスオは無人の野を行くように包囲を突破した。
マスオを討ち取ることはできなかったが、レジスタンスは進撃を続け、ついには『城』の目前まで迫っていた。
>死体を放り投げると、マスオはノリスケとの距離を詰める。「チッ」ノリスケが再び引き金を引き絞った。だが、その時、ノリスケの視界にマスオの姿は無かった。
> 「甘いな…」
>マスオの声が上方から聞こえた。ノリスケが声のした方に視線をやった。マスオの手刀が空を切った。
あのですね、これ真面目にいい文章だと思いますか?
ちょっと恥ずかしいかも。
273 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/22 22:50
272 mannko
自分は小説が書けないくせに、他人の文章にケチ付けるのやめれ。
そんなに常居接人の作品にケチ付けたいなら。常居接人より面白い作品書いてからにしろ。
また荒れてんのか、
荒らすような内容かよ、これ。
くだらねぇなおまいら。
>>272 いい文章かどうかなんて関係ないだろ。
単語の接続がおかしいくても大ヒットした「サラ○記念日」って詩集知ってるか?
下品なだけで大ヒットした「おぼっちゃ○くん」て漫画知ってるか?
読みたいと思う人がいるかいないか、だよ。
わざわざ「恥ずかしい」とか指摘してしまうお前のが恥ずかしいよ。帰れ。
>>276 こんな低質のパロディなんか、「読みたいと思う人」など一人も居ないと思うが。
だいたいおまえの言うことも、おどろくほど幼稚だね。
>>277 はておかしな話だ。ここに読みたいと思っている人間が一人いるというのに。
そんな極端に破綻した話をする前に、ちょっと自分の顔でも鏡で見たらどうだろうか?
『城』の正門ではワカメ親衛隊が待ち構えていた。ワカメの号令と共に親衛隊とレジスタンスは戦闘に突入した。
「死にたくないです。死にたくないです」
念仏のようにその言葉を唱えていたタラオは、敵の中に裸で暴れるハマグリ(仮)の姿を認めた。
「ほう、不平分子の中にいたか」
ハマグリ(仮)もタラオの姿を見つけ、不気味に微笑むとタラオの方へ向かっていった。
「貴様の味は最高だった。安心しろ、貴様は殺さん。俺がゆっくりと開発してやる」
無造作に近付くハマグリ(仮)にタラオは陵辱の日々を思い出した。恐怖と屈辱にまみれた日々を。
「フフフ、怖いか?だが、恐れることは無い、また俺が可愛がってやる。可愛いぞタラオ」
恐怖の為タラオは動けなかった。ハマグリ(仮)はすぐ傍まで来ていた。ハマグリ(仮)の逞しい身体が迫ってくる。タラオはパニックに陥った。
「うわぁぁぁ!近寄るな!!」
必死で抵抗したが、タラオのマシンガンは叩き落され、タラオはハマグリ(仮)に抱きしめられた。ハマグリ(仮)の唇がタラオの唇に重ねられる。瞬間、タラオは無意識に腰からナイフを抜いた。
ナイフを抜いた後の行動をタラオは覚えていなかった。気がつくと、ハマグリ(仮)がタラオの足元に虫の息で倒れていた。腹部にはナイフが突き刺さっていた。
「…何故だ?何故なんだ、タラオ。…俺は貴様を愛していたのに。これが答え…」
ハマグリ(仮)はこれ以上話せなかった。タラオがマシンガンを拾い上げ、乱射したのだ。ハマグリ(仮)は身体中に風穴を開けられ、絶命した。
「ひ、人を殺したです。僕が人を殺したです…」
タラオは暫らく呆然としていた。甚六の言葉が耳に入ってきた。
「おい、ナニやってんだ?前に進め。リカちゃんを助けるんじゃないのか?」
甚六の言葉にタラオは我に帰る。そして、初めて人の命を絶ったことがタラオの心に変化をもたらした。
「僕をこんな目に合わせた連中を許さないです。…これはリカちゃんを助ける為の戦いじゃないです。僕の復讐です」
タラオの目に狂気の光が宿った。
280 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 20:41
ブリブリ文句をたれてる奴。読んでる時点でおめぇの負けだ。描写だぁ?プロ
ットだぁ?そんなもん、練ればいいもんができるに決まってるだろ。大切なの
は文章にして、人に読ませる事じゃねえのか。お前ら本当に小説書いてんのか
?常居接人へ、すまん。荒れてたから、つい俺も文句をたれてしまった。俺は、
君の作品を楽しんで読んでいる。頑張ってくれ!
だから誰も読んでねぇっつーのww
おめぇ一人で作者気取ったり支援してみたり、
何をオナッてんだよ、
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
282 :
ハマグリ(仮):04/06/23 22:45
もうバカは放置プレイしようぜ。普通にこの小説おもしろいし。
283 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 22:49
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
284 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 22:50
バカガキャァww
285 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 22:51
ちんちんつねるぞww
286 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 22:52
おもしろすぎ
だからもう一人で酔ってんじゃねぇよ、
だからいつまでたっても子供が出来ないんだぞ
まぁ●持ちにはID見えてるんで全てが白日の元な訳だが。
289 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 22:57
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
ちんちんつねるぞバカガキャァ!
すべてが白日の下、だろww
なぁ、常居クン。
おまえホントのバカ?
291 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 23:02
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
ID見えてるんで全てが「白日の元」な訳だが。
292 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 23:04
白日の元
━ ハングルおもしろニダww
254 :名無し物書き@推敲中? :04/06/19 22:01
常居接人さんはこれを余力で書いておられるのか?
全ての時間を賞に注がざるを得ない凡人はただひれ伏すばかりなり
じゃバイバイキ〜ン(マテ)
255 :名無し物書き@推敲中? :04/06/20 02:22
最高!
がんばってください!
256 :常居接人 :04/06/20 21:14
>>255 ありがとう。頑張って書きます。
皆さんに励まされながら書いてます。
「皆さんに励まされながら書いてます」
笑わせんじゃねぇよ、ド低脳がww
294 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 23:07
俄然おもしろくなってまいりました!
ここまで荒れるのは
結局ひとりでこのスレを創出しひとりで演出しひとりで引っ張っている常居氏の大いなる欠落によるものだろう。
正直、この禁断のサザエさん、まったくつまらない。
つーか、何も訴えるものがない。
だいたい、人間の物語になっていない。
バトルロワイヤルとほのぼのアニメを強引に融合した、その画期性(?)に自分ひとりで小躍りしているんだろう。
しかし、たとえそこにかすかなクリエイションの精神が揮発していたとしても、
もう、いかんせん、本連作には知的なほとばしりが全く見受けられない。だから何も読者の記憶に残らない。
もう、常居氏には書かないで欲しい。
先天的に、創作には向かないタイプの人だと断言する。
296 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/23 23:21
……だそうだ、サァ!常居、どうするのか!?
まあ詰まらないと思う奴はsageろと。
変換ミスと自演をつなげるあたり、嫉妬心丸出しだねボーイ
このペースで書けるだけでも、たいしたもんじゃん。
エンタメ性を見出せないなら、わざわざ荒らさずログ削除すりゃいいだけじゃん。
常井接人はsageてる訳だし、粘着する理由がさっぱり理解できん。
299 :
ハマグリ(仮):04/06/23 23:44
295=296
300?
うわぁお茶飲めキタァ
逃したかな畜生この野郎
送信
301 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/24 01:08
明 日 を 創 る 技 術 の
┏━━┓┏━━━┓┏━━━┓┏┓ ┏┓┏┓┏━━┓ ┏━━━┓
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┃┃ ┃┗━┛┃┏━━┛┃┃┃ ┃┃┃┃┃┗━┛┃┃┃ ┃┃
┗┛ ┗━━━┛┗━━━┛┗┛ ┗┛┗┛┗━━━┛┗┛ ┗┛
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / / \\∴∵|
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ | | (・) (・) ヽ∵|
/ / ⌒ ⌒ | | ⊂ 6)
| / (・) (・)| | ___ /
(6 ⌒) | \ \_/ /
| ) ___ | ∫ \____/ / ̄ ̄ ̄ ̄三
\ \_/ / / ̄ ̄ ̄ ̄\ /⌒ - - ⌒ /____ ヽ
\____/ /\ / \ |/ 人 。 。 丿 | < |
/⌒ ⌒\ | (゚) (゚) |\ \| 亠 / | ⌒ ⌒ | |
/ 人 人 ノ゙\ \-----◯⌒つ| \⊇/干 \ ⊆ |-(・)--(・)---|__|
\ \| l // / _||||||||| | | ( | ⊂ 6)|
\⊇ ノ ⊆/ \ / \_// _/⌒v⌒\ ) | ___ |
( Y ) \____∪⌒\ ノ ) | \\_/ /
| _人_, | / | | | | /\___/⌒ヽ、
タマです…
昨夜は、マスオとサザエの夜の営みを覗き込んでいる
タラちゃんを見ました…
みなさ〜ん。
自分を何様と思ってるのか知れないような馬鹿は放置ですよ〜。
更新待ってます。>作者
つーか、人の揚げ足取る前に、自分の大いなる矛盾発言をどうにかしろよ。見ているこっちが恥ずかしくなる。
>だから誰も読んでねぇっつーのww
だから俺が読んでるっつーの。
嫉妬だかただの煽り荒らしだか知らんが、こんな低レベルな荒らししてどうするんだ?
こんなことしてるお前の姿を見たなら、お前の親は悲しむだろうな・・・。
荒らしさんを構わないで下さい。
彼の論旨は
「誉めてる奴は全部作者の自作自演」
という主張。
そう信じたいんだろうさ。
他人の無意識に何が絡んでるのかなんて判らん以上、構うだけ見当違いな煽り返しが来るだけですよ。
まぁ、作者には自演じゃないとわかるんだから
荒らしは放っといて誉めとこうぜ。
ワカメ親衛隊は、親衛隊最強の男、ハマグリ(仮)の死亡によって敗走した。ワカメは敗辛うじて残兵をまとめ、『城』に退却を始めた。
「今よ!一気に正門を突破しなさい」
カオリの声にレジスタンスは反応する。正門をくぐるワカメたちを追走し、『城』の内部へとなだれ込んだ。
「…正門を突破されたか。堀川、突撃隊と暗殺隊はどうした?そろそろ立て直したんじゃないのか?」
部屋の中から外の様子を覗うのはカツオだった。堀川はマスオに連絡を入れた。
「マスオさん。準備はできてますか?」
「堀川君か。暗殺隊はすぐに動かせる。突撃隊は負傷者が多く、今再編成中だ。とりあえず、私たちだけで奴らを止めに行く。そちらからも応援を頼む」
マスオとの通信を終えて、堀川はカツオの方を向いて言った。
「カツオさん。ワカメを救出に行きます」
「死ぬかもしれないぞ。お前がワカメを守ろうが守るまいがお前に対する信頼は変わらない」
「それでも行きます。必ずワカメと二人でここへ戻ります」
堀川はそう言って部屋を出た。それと入れ替わるように中島が部屋に入ってきた。
「磯野、堀川はワカメちゃんを助けに行ったのか?」
「ああ、奴は結構純情なんだな。少し感動した」
カツオがそう言うと、二人は顔を見合わせて笑った。中島は真顔になると、カツオに耳打ちした。
「磯野、突撃隊と穴子の動きが妙だ。奴らはお前を始末しようとしているようだ。ここにも兵隊を集めておこう」
そう言うと、中島は諜報隊の精鋭に集合をかけた。
表ではマスオの部隊が戦闘に加わり、大混戦となっていた。
ワカメとワレメって似ている。
あん、あん、あん。
ハマグリって死ぬまでハマグリ(仮)だったなw
309 :
MOEBIUS:04/06/24 23:22
____ ____ ___ _ _ _
\ '. / / ______ |___|_| L ┌─┘└─┐ .| │
\ ∨ ∠ │,.-‐‐-、.| |__ ___ __| |__l二二二l__|┌‐─┘ └‐─┐
|─ ─| __ ___ _ l レ,'=、.l│ | l └┐ l l [_ニニ_] └‐─┐.┌‐─┘
 ̄| | (_⊇l└i , l| l | !_く.____.> | | l ┌┘.│ |. | ─ ─ ] ___l |__
| | iニソ!_l_|_'_!!_r'  ̄ ̄ ̄ |  ̄| │ | l .二..二 | |_______|
 ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄
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.ィ",..- 、 ヽ、 ┌────、 ┌───‐、. ┌┐
,:",:'´ ノ i. └───i | └──‐┐│ ,! ,! ┌┐
l `'''ヘ_,.‐" ,.! i ̄'‐' ,ノ . ││ ,! ,!. l. l.
ヽ、 ,.' __.ノ ,.-‐'´ ___││ ,! ,!___! l
 ̄ '. / |_,..ィ |______,.! l______.丿
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| K´ヽ ヽ , '´, '`ヽ |____ | _,..-''"´| |____ | | | | | |
|. ヽ. ヽ ヽ ` < , ' , ' ) r‐┐丿.丿┌‐'"_ r''"´ | | | | | | |
| ヽ. ヽ. ヽ.`ヽ∠_, ' | r─'´ └‐'" | | | | | l | | 厂l .|
|. ヽ. ヽ. ヽ、二フ __ノ ,! | | ___.ノ / ,ノ / ! レ' / |
| ヽ. ヽ.二フ |__ノ. |_| |__,,..'" |__.ノ |_,,..'" │
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313 :
あはははは:04/06/24 23:45
すみません
とりあえず100兆円ほど、無担保で借りたいのですが……
まだやってんのかよこのバカスレ
315 :
MOEBIUS:04/06/24 23:50
>>314 そーなんだよー。まだやってるんだよー。
いやならくるなよー。
そのころ。
ナイフを懐にしたためた勇次が、店長の長村の帰宅時を狙い、殺意をとぎすましていた。
『殺す、あいつはクズ、あいつはゴミ、絶対に殺す、それが世のため人のため』
店長、長村。
それは卑しい容姿の男だった。先進国で教育を受けたとは思えない、下卑た仕草、鈍牛のような口調、黒くて沈んだ肌。
劣等人種、否、百姓!
そうだ、奴は百姓だ。百姓は、刺せ。背中から、ぐさりと。
人間じゃない、クソの百姓は、けもののように屠殺すべし。
わが信念に、矛盾無し。
長村を殺せ。
夜の静かな温風を、すう、と吸い込んで、勇次は懐のナイフを、そっと撫でた。
このナイフで、わき腹を、ぐさりと。
ぐ、ぐ、ぐさりと。
だが。
勇次には、一つだけ気がかりがあった。
智子。おれのいもうと。
智子、俺はな、これから人を殺す。
もしもお前に神のこころと眼があれば、俺の気高い行為を赦してくれるだろう。
だが、俺もおまえも、この地上を這い回る、有限のいのちの、かなしい生き物。
有限の知性の、ぶざまな、いきもの。
智子、だけどね、だからこそ、俺はおまえがいとおしい。
だからね、おまえはいつか、どこか、この世の中で、俺のこれから放つ栄光の刃の輝きを、
ああ、そのきらめきを、
きっと必ず、垣間見る。
それがいつかはわからないが、きっと、きっと、おまえは俺の勇気と義侠のほとばしりを、
いつかどこかで、誰かと誰かのことわりのうちに、
きっと見出すことだろう。
その時のために、わかるか智子、俺はそのときのために、今のうちに泣いておこうと思うんだよ。
智子、俺はいつも正しい、おまえの兄貴なんだぞ。
318 :
MOEBIUS:04/06/25 00:07
319 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/25 01:35
句点多いね
>>318 おまえさー、いつも俺の書くもんにいちゃもんばかりつけやがって。
人のスレを荒らさないでくれる?
322 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/25 16:39
早く続きが読みたい!頑張れ!ちゃんと読んでる読者が、待っているぞ。
もう頭来た。楽しみにしてくれてる人には悪いけど、ここまで荒らされるとここで書く気は起きない。
偽者出現で今日は一日何も手につかなかった。
荒らしている類人猿どもに聞きたい、貴様ら俺に何か恨みでもあるのか?貴様らが大好きなほのぼのアニメがパロディにされて悔しかったのか?
まあ類人猿だから、まともな答えは返ってこないと思うが。喧嘩したいなら住所くらい書いとけ、匿名をいいことに好き勝手やってんじゃねぇよ、チキン野郎。喧嘩する度胸もないくせにいきがってんじゃねぇ。
兎に角、俺はこれ以上類人猿のレスを見たくない。貴様らの土俵に上がるのは馬鹿らしい。
良かったね類人猿。常居が冷静な大人だから貴様らのレベルまで下がるのが嫌なんだって。低脳なお子チャマたちはQooでも飲んで乾杯してな。
この下品な作品を楽しみにして下さった皆様には本当に申し訳ない。ただ、この作品は絶対に完成させて、必ず何らかの形で結末をお見せします。
言い訳になるかもしれませんが、ここまで類人猿に馬鹿にされて、冷静でいられるほど私は人間ができていません。相手の正体が分かれば、何らかの処置を取れるのですが…
最近は冷静に書くこともできなくて、非常に苦しんでいました。誠に勝手ながら暫らくの間、発表せずに書くことをお許しください。
発表の方法はまだ決めていません。一日一回はここに立ち寄るので、いいアイデアがあればお教え下さい。
皆さんは類人猿の一連の行動をどう思われましたか?私は一種のテロのようなものに思われました。匿名だからこそ守るべきルールってあるんじゃないかと思うのですが。
324 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/25 19:46
>>323 もう無視する他無いと思います。
毎日楽しみにしていたので、すごく寂しいです。
いつの日か、続きを読ませてください。その日を楽しみにしています。
325 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/25 19:58
ボケどものせいで毎日の俺の楽しみが奪われた。
どうして文句言うかなぁ。
常居接人さん復活待ってます。
>>323 最後までプロットができている、と明言した段階でトリップが必要でしたな。
ある意味自己責任。
この板の八割が、人気ある奴に対する憎悪で満ちているという事を
ご存知なかったのかしら。
Flash板やDTM板と比較すると、この板の病理に嫌でも気付くんですが。
「何枚書いたか報告するスレ」なんか、他のダメ人間の存在を確認して
安心しようという人間しかいない。あそこで休み費やして80枚とか報告すると
頭から「嘘つけ」とか「会話だけのラノベはラクでいいですね」とかレスが来るw
>匿名だからこそ守るべきルールってあるんじゃないか
漏れからすれば、これは見当違いと言わざるを得ません。
そもそも、この板には、何かを成し遂げられない性質の奴の精神安定装置と
しての機能しかなかったんです。2chらしいオープンな作品ってのが発生
できない土壌と言えます(そりゃそうだわな、みんな賞とれば薔薇色の人生、
とか夢みてんだもん。営業努力とか考慮外なヒキヲタが多そうに感じます)。
荒らしが気に入らなかったのは他でもない、常居接人さんの人気その物ですよ。
劣等感を信じない為の努力として、「誉めてる奴は全部自演」という図式を
頭から信じ込むしかなかった 弱 い 人 なんですよ。
その 弱 い 人 が
>>323のレスを読んだら、大喜びで噛み付くでしょうな。
しっかし、言いたくないけど厨房臭い切れ方。
もしかすると
>>321,
>>323も第三者かな。
327 :
ハマグリ(仮):04/06/25 21:31
ホモの奴らのせいで常居接人さんの作品が見れなくなるとは悲しいです。ちなみにサザエサンをネタにして2chに書き込んでたたかれてたけど、今では名作と呼ばれてるものもあるので(3〜4年前だったか、カツオがワレザーになる話。)ぜひ完成させてください。楽しみに待ってますYO!
>>323 >言い訳になるかもしれませんが、ここまで類人猿に馬鹿にされて、冷静でいられるほど私は人間ができていません。相手の正体が分かれば、何らかの処置を取れるのですが…
あ・ん・た・は・な・に・さ・ま・な・ん・だ・よ??
厨房みたいな駄文で悦に入って、ずらずらと。
顔洗ってもう一回自分の書いたもの最初から読み直してみろよ。
稚拙そのものだよ、悪いけど。
お願いだから人前で文章を晒さないでくれないかな。
あんたね、ほんーーーーーーーっとに文章創作に不適格だよ。マジな話。
オマエモナー<何故か変換できない
一連の言い出しっぺの36です。
残念です。できれば常居接人さんには最後まで頑張って頂きたいのですが。
あまり多くは言いたくありませんが、この2chにおいて大切なのは
遊び心と余裕ある応答のように思います。
他人が頑張ったりするのをちゃかすのは良いことだとは思いません。
マッタリ行きましょうよ、マッタリ生きましょう。
>>328 その文章を楽しみにしている人もいるんだが分からないかな。
気に入らないなら見なけりゃいいでしょ。
それとも君はこの文章が許せないぐらいサザエさんファンなのか?なら仕方ないが。
>>328 これこれ。これが
>その 弱 い 人 が
>>323のレスを読んだら、大喜びで噛み付くでしょうな。
の代表的な例。
・稚拙な文章であれ人気は獲得し得る
・評価は流れによる物であり、その価値は流れを生んだ事を底としている
・自演を絡めていた場合であれ、終段で自演が不要な流れになれば
ポピュラリティを獲得できる(<流通宣伝の費用対効果集計の基礎)
といった事が理解できないんですな。
当然、そういう人たちが目立った行動に出てしまう理由というものは
理解できない人の存在を知覚していながら煽った
>>323氏、及び、弱い人氏の
発言を引用して暇つぶしに一筆ぶってる俺なんかに還元されます。
荒らしを煽るなってのは深いんですよ。煽りたくなるのは判りますが、
結局その時点で負けなんだから。
見てな、多分このあと荒らしは俺の台詞に適当に噛み付くよ。
精神の安定を得んがために。
商業文芸に与しないというなら何も言わないが、2chでsageで創作晒しやってる奴に対して言える台詞ではあるまい。
ローカルルールに「創作のための私物化禁止」とでもあれば話は別だが。
ま、言いたい事はそんなこっちゃなく
喧 嘩 は 「sage」 で や れ 。
って事なんですけどね。
>>333 なにをわけのわかんねーことほざいてんだバカww
荒らしを無視できなかった時点で、負けってこと。
>>334は
>見てな、多分このあと荒らしは俺の台詞に適当に噛み付くよ。
>精神の安定を得んがために。
に相当する人物かもね
つーか、荒らされてもう潰れちゃったこと自体、
初めっから負けなんだよ、すべてが。
初めからでもすべてでもなかろ。
このスレの例でいえば、流れを保てなかったのは、流れを変えようとする意思が行動を起こしたからに過ぎないし。
しかしずいぶん地味なやり方だよね。
流れを壊したければ、ターゲットの文章力を理詰めで叩けば良いのに。
単に暇だったのかな?
漏れがこのスレで興味深かったのは、創作文芸板では珍しく
「教えて君」「クレクレ君」に「紙」が「作品」を提供するという、
健全な2chという側面を見せていた所。
ついで、その荒らし行為(リアルタイムに傍観してたけど、スクリプトも
使えない単独犯のようね)によってあっさり流れが阻害されたという事実ね。
>>323が事実上の敗北宣言というのは否定できない。その点は軽く失望。
ま、過疎板だから仕方ないんだろうな。
クレクレ側のコンセンサスや欲望が、秩序や防御装置として機能するには
至らなかった訳だ。
>>323氏の敗因は、クレクレ厨の数を獲得できなかったって事だろう。
さて、コーヒー落ちてからゆっくり
>>323氏の「いいアイデアがあれば」と
いう言葉について考察してみよう。
>>323氏の言う「いいアイデア」とは何を差す言葉だろうか。
ちょっと自問して見たけど、やっぱり一個しか思い浮かばないんだよな。
これ、「
>>323氏にとって」「いい」と言える案を提示しろって事でそw
「クレクレ君」―「紙」の構図ってのは、結局「紙」に対して「賞賛する」事が
対価として生じている。そもそも「紙」は、
・スレの流れを変える事
(もっと面白い着想を得た故の書き込み/晒し衝動)
・評価される事
(これはコテハン衝動・トリップ衝動に繋がる)
に価値を見出している訳だ。
となると、
>>323氏にとって必要なのは、荒らしのいないところにスレを立て
直して継続する事あたりだろうか。
でも、再び荒らしが来るのは目に見えてる。
別板に避難するにも、只でさえ「秩序装置」として機能する数の「クレクレ
厨」を獲得できなかった紙が避難して成果を上げられた試しは無い。
かと言って、とっとと完成させちまってアーカイブ投げれば、そこでスレは終わる。
>>323氏に十分な「賞賛」の対価は与えられない。少ないスレ住民に拍手されて完了。
再配布神なんかとの浅ましい交流もない。
txtなんて容量少ないからうpろだ選ぶ必要もないし。
無料webスペースに放置しても咎められないサイズだからな。
んじゃ、常識的なセンで「削除依頼出して継続」じゃねーの?
詰まらない結論でごめんけどw
あ、でも削除依頼が通ったら「不必要に自演してない事」の証明にもなるよ。
Flash板で自演厨が削除依頼出してスレストされたの見た事あるw
ま、後ろめたい事が無ければ削除依頼出すのが一番かと思います。
暇つぶし粘着終了。
チーズケーキウマー
334 :名無し物書き@推敲中? :04/06/25 23:21
>>333 なにをわけのわかんねーことほざいてんだバカww
337 :名無し物書き@推敲中? :04/06/25 23:27
つーか、荒らされてもう潰れちゃったこと自体、
初めっから負けなんだよ、すべてが。
>>323さん
読むの楽しみにしてたのに、残念です。
「ママー、
>>342に弱い人がいるよー」
「しっ。指差しちゃいけませんっ」
じゃあ楽しみにしてた中の一人である俺からも。
そもそも、このスレはちょっと2chらしさを感じなかった。
いくら神が降臨しても、それを叩くものはすぐに現てもおかしくないのが2chだから。
なのに、恐ろしいほどのクレクレマンセー状態が続いたために、作者の「文章を書こう」というモチベーションは急上昇した。
そこへ、今まで一度も姿を現さなかった荒らしが現れた。
この瞬間、このスレの微妙な「2chらしくなさ」が崩壊し、現状に至るわけだ。
さて、では荒らし側の目的はなんだったのか。
個人的な恨みというのは考えにくい。また、仮に暇つぶしだとしても、荒らし方に違和感を感じる。
よって、俺は妬みの類だと踏んでいる。
前述の異常な状況が、常居接人氏よりはるかに文才の無い荒らしの心をより嫉妬に向かわせたわけだ。
このスレの流れでは常居接人氏の敗北とか言われているが、それは無い。
むしろスレの人間に「荒らしのほうが常居接人より優れている」と思わせることができなかった時点で、荒らしの敗北なのだから。
あと、
>>334 その程度も理解できないなんて、おまい知能低いな。
>>345 常居さん側に問題があるとすれば二点。
・荒らしの行為に影響された事を公表した事
(これ、荒らしが一番喜ぶ行為ね。こんな事公表しても、
荒らしの方では適当かつ勝手に納得して立ち去るだけなわけで。)
・既存のペースで発表しない事を公表した事
(同上。荒らしに曲解の余地を残す=「負け」と判断されるという構図)
が問題だったと思う。
荒らしは広いコミュニケーションなんか視界にないんだし。
もっとも良い流れにするには、ぐっとこらえて
「なんかヘンなの来てログ50件強流れたけど、そんだけのこったから
シカトして楽しくやりましょー。俺も楽しんでるしぃ」
と言うべきだったと思うんだよなー。
ほんと、どういう害があったのかって考えてみると、ログ50件程度が
流れたってだけの話なんだよ。気分を害したなんて、一服すりゃ
治る事なんだし。
惜しい。
中止するとは言ってないよ。
静かな環境で書きたくなっただけ。
完成したら一気に書き込むんで。
まあそれが一番だろね
でもそうすると、読む側が綿密な推敲前提で読むように
なっちまうと思うので、その点はご注意あれかし。
349 :
MOEBIUS:04/06/26 21:08
本物の常居接人氏がもし僕のレス見て
さらに不満をたまらせたのであれば、申し訳ないと思っております。
ただ、僕は
>>316、
>>317が偽常居接人だと思い、
その行為が許せませんでした。
本物の常居接人氏にはまたサザエさんパロディを再開してほしいです。
それと、書き続けることが荒らしに対抗する方法だと思います。
頑張ってください。
>>349 常居です。今回の件は俺の名を騙る類人猿の出現でマジでキレてしまい。
暫らく頭を冷やそうと思っての行動なので、応援してくれるあなたに感謝こそすれ、不満に思うことなどありません。
再開については
>>347で書いた方法で行こうと思っています。
>>316,
>>317,
>>320は全て偽者。類人猿の行動は理解できませんね。
>>349 >本物の常居接人氏がもし僕のレス見て
>さらに不満をたまらせたのであれば、
「不満をたまらせたのであれば」
>>350 >今回の件は俺の名を騙る類人猿の出現でマジでキレてしまい。
>暫らく頭を冷やそうと思っての行動なので、
「今回の件は……行動なので…」
どうでもいいけど、ものすごく知的整合性の低い言語・文章だね、
なんだか母国語がハングルとか中国語のやつが、翻訳ツール使って無理矢理に書いたみたい。
頼むから日本のパスポートで欧米などへ旅行してくれるなよ。
それから白人に対してバカチョンみたいなアクセントで話しかけることも、慎んでくれよ。
あえて学歴や職歴は問わないけどさ。
語彙量や文章への配慮、人間性は創作の質に関わらないという好例ですな
>>352 つまり語彙や文章力や人間性以外が創作の質に関わっていると?
でも、この「禁断のサザエサン」ってさ、
語彙も文章力も作者の人間性も、全部ダメなんじゃないの?
そしてそれは創作されたこの「禁断のサザエさん」を通して、あまりにも如実なんじゃないのかな?
354 :
MOEBIUS:04/06/27 00:16
>>351 人の些細なミスをいちいち出すやつに見下されるほど
俺の学歴や職歴は悪くない。
要は言いたいことがわかれば良いんだ。
文章のレベルは二の次三の次だろ。
今自分の居る立場に対して頭使え。
その場で一番重要だと思う行動を最優先しろ。
悔しいだろ?
何言ってんだかさっぱりわかんねーww
>>354 >今自分の居る立場に対して頭使え
だからもっと頭使って文章書けよバカww
357 :
MOEBIUS:04/06/27 00:35
>>356 レスの文章なんかにいちいち頭使えるか。
俺が書いてるのは文学作品じゃねえんだ。
荒らしがいると小説読めねえから
どっか行けっていってんだ。
わかるか?
まさか俺に向かって頭使えとか偉そうに
言ってくるならわかるよな?
>>353 おまえまだいたのか?
俺が惜しいなって思ってるのは、このままワショーイの流れが続けば創作板から
2chらしい版権グレー作品が飛び出す、という流れもありうるかなと思ったんさ。
作家の人間性やらを作品通して受け取る消費者なんぞ、文士かぶれか似非
批評家しかおらんわさ。
結局、常居さんの創作程度じゃ何も変えられんかったようだけど。
他作とあればどんな流れの芽も摘むしかない、さもしい板のまま変わらずじまいのようだけど。
Flash板・DTM板あたりじゃストーリーに専従する職人が渇望されてるというのに。
……さもしい板やわ、ほんと。
>>353 評価されとるだけ物は示してると思うぞ。
深入りせず受け取れる類の面白さっての?
下世話なパロを通して何か受け取ろうってのが無粋なんだよw
どうせなら素直に「投げ出された作品」として評価してやろうぜ。
>>MOEBIUS
ageんなよ。日本語変だし。藻前が擁護したいのは良く判ったが、ウザいよ。
破綻した内容で擁護カキコしたところで、作者煽りの口実与えるだけだぞ。
359 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/27 01:30
この板て、創作文芸板ですよね?創作している人をけなしてるのに、可笑しな話ですよね。
そない短絡的に可笑しな話ですよね、って言われても
あなたが可笑しいだけですね。
>>358 どうすれば日本語正しくなる?
ウザいんだったら消えろ。
おまえを含めて荒らしが消えれば
俺も他のファンも常居接人氏も単純に楽しめるんだがなぁ。
まあ、これから俺は下げる。
荒れてるスレ上げるのは迷惑かもしれないし。
ここで連載されてる小説のまとめサイトでもつくろかしら
>>361 >どうすれば日本語正しくなる?
おかしい所指摘されたい訳じゃないでそ。
>>354,357の自分のレスを落ち着いて読み直せば済む話じゃん。
煽ってるつもりか判らんが、意図の読みにくいレスされても困るよ。
>ウザいんだったら消えろ。
漏れは、直接荒らしに叩く餌をやってる「藻舞の行為」が
「常居さん」にとって不利だって言いたいのよね。
『「常居擁護派はこんな厨房でーす」って演じてる荒らし』と疑われても仕方ないぞ。
しかし、荒らしと同列で語られるのは心外だな。
「含めて」って言うくらいだから荒らし扱いか。
俺の解釈だと、荒らし=「叩きたいだけの奴」なんだが、そう思われてるって事かな。
一体、何を感傷的になってんのさ。
>俺も他のファンも常居接人氏も単純に楽しめるんだがなぁ。
まぁ、完成するまでマターリ待ちましょ。発表してくれるって言ってんだし。
あ、れれれ・・・・
楽しみにひょこひょこ来てみたら、荒れてるやんけぇぇぇぇ
お話の続きを読みたいなもな。。。。。
365 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/27 09:36
真面目に書いてる人がいるスレに荒しがくるのが許せない。でもここで荒らしてる奴等って、外ではみんなと仲良くやってたり、好かれたりするキャラだったりするのが怖い
366 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/27 11:18
heiheioheio
367 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/27 20:03
◇◇ 心得 ◇◇
・マターリ、ヤサシミ、マジレス ヽ( ´ー`)ノ
・荒らしは触れず、煽らず、冷静な対処を。無視・放置が基本です。
ですよ、みなさん。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
無視・放置が基本です。
370 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/29 07:15
犬塚
371 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/30 00:04
バカな煽りは気にすんな。
オレは楽しく読んでたぞ。
しつこいんだよ
脱北野郎!
373 :
メフィラス:04/06/30 00:34
北朝鮮いろはかるた
『い』 犬も食えれば 人も食える
『ろ』 論より将軍
『は』 花より弾薬
『ね』 ねこの献立
『ほ』 骨折り くたびれ そして食われる
『へ』 屁をひって におい嗅ぎ
あとはめんどくさいから誰か続けろや(プゲラ
374 :
弁天 ◆TZ4rJYsZg. :04/06/30 02:19
たたたたたたt
375 :
名無し物書き@推敲中?:04/06/30 10:01
いわゆる脱北スレとはここのことれすか?
>>373 「色はネオ江戸」
どうでもいいけどな。
377はマジやばい。。さざえが股開いてるエロ画像。。
なんかわらわら出てきたね
タブブラウザなんであっさり消せたけど
>>377 昔踏んでしまったやつだ…w
トロイだから踏むな。htmlだからって油断するなよー
バスターだと引っかからないかも。もし踏んだら手動で削除。
382 :
名無し物書き@推敲中?:04/07/04 10:57
なんで同じURL何度も貼るかな。
>>377,
>>382をMacからスクリプト掘ってみたけど、トロイ埋める類いの処理は見つからない。swf側でなんかやってる可能性もあるので、ウィルス対策とかやってない方はオンラインスキャン推奨。
onkeyDownでalt+ctrl+del検知してるな。入力抑制か。
あとは動き回るウインドウをわらわら開くだけのリソース面でのブラクラかな。
悪意有るソースなのは確かなので踏まないのが吉。
>>383 なんかわざわざイイ!やつだね、マクまで使って。
ありがとう。
誰か書いてくれぃ・・・
まだ自演やってんの?
詮索病
2chブラウザ使えば、カキコあったスレなぞ一目瞭然だろうに。
まさかお前、191番まで落ちたスレにブラウザからアクセスしてんのw?
>>389 スレをブックマークしてるワケですが。
あんたみたいに器具類じゃなくてもインターネット使ってて気に入ったページがあったらブックマークしとけばすぐ見れるんだよ。
そんな沈んでるスレに真っ昼間っから粘着カキコするなよw
>>386-391 んな事はどうだっていいじゃん?
それよりも、いつになったら続き読ましてくれるんだ?まさか
このまま作家さん逃亡なんて事ナイよな?
もし、続きを書かないつもりなら、そうと書いて欲しい、まぁ
どちらにしても近況報告よろしく。
ブラウザブックマークに2chのスレ放り込んでる奴の気が知れない。
まぁ行く先絞ってるんだろうが、その一つにこのスレがあるってのが信じられないw
>あんたみたいに器具類じゃなくてもインターネット使ってて気に入ったページがあったらブックマークしとけばすぐ見れるんだよ。
い ち い ち 説 明 す る な ぁ ぁ ぁ w
394 :
名無し物書き@推敲中?:04/07/15 12:03
>>392 今、続きは執筆中。毎日書いてた頃のテンションがつかめなくて苦戦中。
書こうとすると、七誌とかいう類人猿や俺が自作自演やってるなんてぬかす脳障害どもが頭に浮かんできて冷静になれない。
マジで訴えてやろうかとも考え、冷静な気持ちで書けない日々を送っている。
完成までもう少し時間を下さい。
差し出がましい事言うようだが、2chやる体質じゃないと思うぞ。
>常居接人さん
色々な煽りがあって不愉快な状態だろうけど、続きを楽しみにしていたのでなんとか頑張ってほしい。
ただな、ここは2chだからさ。
マンセーよりも罵倒の方が多いのは当たり前のことだし、
いちいち気にしていたら神経が持たないよ。
とにかく焦るな、待ってるぞ。
俺も某ふたつほどのスレで立て続けに厨房自演荒らし扱いされてちょいヘコんだけど、昼飯のカルビ弁当がえらく旨かったのでもう気にしない。
この板厨房多いから。厨房蹴散らすにはヘコたれない継続が一番なんだけど、まぁ難しい場合も多いわな。
ま、あんま苛つくな。マジ意味ねーから。
お茶でも飲んどきんさい。
400も取らないこんなスレ主じゃ
ポイズソ
気にいらんレスがあったとしても薄目で見て流せ。
私も自作自演と言われたことなんぞ、思い出せないくらいにたくさんあった。
最初の頃は動揺したけどいまじゃなーんも気にしない。要するに馴れだ馴れ。
無茶苦茶なパワーを醸し出していたサザエが好きだったから、マイペースで取り組んで復活期待。
∬
( ・∀・)ノ旦 落ち着けお茶のめマターリしる
( ・∀・)マチドオシィニャー…
マダカナー
書かないなら、誰かにバトンタッチするといいよ。
他にも書きたい香具師いたみたいだし・・・・
書いてもいいのかなぁ。
うーん、、、、、
書いてるけど、色々忙しいんでなかなか進まない。
まだ時間かかりそう。
待ちきれない人には途中まででよかったら載せます。
前みたいに毎日更新はちょっと難しいけど載せろって意見があれば載せます。
途中、途中、途中ぷりーず!
それだけですこしは希望が持てます。
暗殺隊が戦闘に参加したことによって、レジスタンスに傾きかけていた流れが変わり始めた。
「死にたい奴は前に出ろ。私が相手だ」
レジスタンスたちをカマイタチで切刻むマスオの視界にタラオの姿が映った。タラオは狂気を宿した目で、マシンガンを乱射していた。
「せめてもの情け。この父が討ち取ってやろう」
マスオがタラオの方を向き、カマイタチを発生させようとした瞬間、背後から音も無く忍び寄る影があった。
「むっ!」
背後からの襲撃を紙一重でかわす。振り向くとそこには三平の姿があった。
「流石だな。気配を消して攻撃したのにばれちまったか」
「三平君か。私に勝てるとでも思ったか?」
「試してみるか?貴様の拳と俺の拳、どちらが上かはっきりさせようぜ」
三平とマスオは同時に身構えた。お互いに身体から闘気を発し、睨み合った。混戦の中で、二人の間は、時が止まったような雰囲気を醸し出した。重い沈黙だった。
二人の沈黙を流れ弾が破った。三平の頬を流れ弾が掠った。それを契機に二人は動いた。
「しゃっ!おらぁ!」
三平が気合と共に拳を繰り出す。マスオはカマイタチを放つ。三平はカマイタチを拳で消滅させる。
「マスオ、俺にその技は通用しない。間合いに入って来い」
カマイタチが通用しないことはマスオも予測していた。本気で戦える相手の出現にマスオは軽い興奮を覚えた。
「どうやら本気で行かないといけないようだな。三平君、楽しいよ。私をもっと楽しませてくれ」
身構えるマスオのわき腹を狙い、三平が蹴りを繰り出した。
『わき腹への蹴りはフェイント。本命は頭部への手刀』
マスオは三平の攻撃をこう読んだ。マスオの読み通り、蹴りは途中で止まり、手刀がマスオの頭部を襲う。
「甘い!」
頭部への手刀をマスオはアッパーの要領で弾き返し、がら空きになった腹部へ拳を繰り出す。
「くっ」
三平は片足のまま後方へ大きく跳躍して拳をかわす。三平は思わず笑顔になった。マスオと同様三平も本気で闘える相手に餓えていた。
「マスオ、俺も楽しいよ。二匹の雄が命を賭けて優劣を競う。こんな面白いゲームは他に無いよな」
三平の言葉には応えず、マスオはすり足でゆっくりと確実に間合いを詰める。それに呼応するように三平もすり足で距離を縮める。
今度はマスオが先に動いた。スピードを上げ、三平の右側に回りこんだ。次の瞬間、裏拳を放った。これを予測できなかった三平の対応が一瞬遅れた。
三平の頬に熱く重い物体が激突したような衝撃があった。口の中に血の味と堅い異物の感触があった。
「ってー。歯ァ砕けちまったな」
三平はそう言うと、血と共に砕けた歯を吐き出した。次の瞬間、マスオの蹴りが三平を襲う。三平は真上に跳びあがり、それをかわすと、今度はマスオめがけて跳び蹴りを放った。
「グフッ」
三平の跳び蹴りはマスオの胸部を捕らえた。衝撃でマスオはバランスを崩した。
「アバラ2本か。私の身体を傷つけたのは君が初めてだよ」
いつの間にかマスオも笑っていた。だが、それはいつものヘラヘラ笑いではなく、心の底から楽しんでいるといった笑顔だった。周囲では、混戦が続いていたが、二人に近付こうとするものは居なかった。
その頃、堀川隊が戦闘に参加してきた。少人数だが、士気の高い堀川隊の参戦は戦闘の流れをほぼ互角にした。それを眺めてマスオは言った。
「流れが互角になったな。三平君、まだ私たちは楽しめそうだな」
「この戦闘、どっちが勝とうが俺には興味がない。興味があるのはマスオ、あんたの首だ」
言葉を交わすと二人はお互いに見つめあった。お互いに相手の間合いに入ると、今度は今までとは違い乱打戦になった。
拳、脚、肘、膝、頭。身体の部位をぶつけ合う。肉体がぶつかり合う音がした。二人の動きは打ち合う当人同士にしか見えなかった。
「三平君、君と闘えることを神に感謝したい気分だ」
「死を目の前にして信心深くなったか?らしくもない」
「言ってろ、死ぬのは君だ」
乱打を続け、息が続かなくなるのはほぼ同時だった。呼吸を整える為、お互いに後方へ跳び、こんな会話を交わした。呼吸が整うと、再び打ち合った。
何度か同じことを繰り返した。乱打戦によって二人は全身に打撲を負い、三平は右耳を失い、左手小指を骨折していた。マスオも左目の視力をほぼ失っていた。
「三平君、そろそろ終わりにしないか?私は充分に堪能した。最後に優劣をつけようではないか」
呼吸を整えながら、マスオはこう言った。三平も息を整え、嬉しそうに頷きこう言った。
「いいぜ、どっちが上か、最後の打ち合いだ。来いよケリつけてやる」
二人はゆっくりと距離を縮めた。蹴りが届く距離まで近付いた。お互いにモーションは起こさない。拳が届く距離、二人はほぼ同時に拳を繰り出した。
拳が交差する。二人とも避けようとはしない。三平の拳がマスオの折れたアバラを狙いわき腹を。マスオの拳が三平の顔面を捉えた。
「うっ」マスオがうめき声を上げた。折れた肋骨が肺に突き刺さる。マスオの動きが一瞬止まった。三平はこのチャンスを見逃さなかった。
「喰らえ!」
三平はマスオの頭蓋を打ち砕く勢いで踵落としを放った。勝利は目前にあると思えた。
「がはっ!!」マスオの悲鳴とも気合とも判別できない声がした。マスオが手刀を切った。その瞬間、三平の足首が切断されマスオの足元に転がった。
勝利を確信した為の気の緩み、それによって三平はカマイタチをまともに喰らってしまった。三平は足に走る激痛を感じ、転がった足首と立ち上がったマスオを混乱しながら見ていた。
「ゴホッ。もう一歩だったな三平君。私をここまで追い詰めたのは君が初めてだよ」
マスオは咳き込むと、血を吐き出し三平に言った。言い終えると三平に近付きカマイタチでその頚動脈を切断した。
「三平君は私が討ち取った。ネズミども君達には最早勝ち目は無い。投降せよ!」
マスオが叫んだ。暗殺隊はマスオの声に奮い立ち、レジスタンスは浮き足立った。
「疲れた。穴子君あとは……」
マスオの言葉はそこで止まった。不審に思った穴子が振り向いた時、マスオの眉間には風穴が開いていた。
「フ、フグタクン!?ナゼダ!?」
マスオは応えなかった。穴子が近付き抱き起こす。その死に顔は満足そうな表情を浮かべていた。弾丸が打ち込まれた方向にはタラオがマシンガンを構えて立っていた。
「…パパも僕をいじめたです。だから殺したです。みんな殺すです」
呟きながらタラオはマシンガンを乱射した。タラオには最早、敵味方の区別は無かった。
「フグタクン。…ウオオオオオオ!タラオ、ユルサン。コノヤリデツキコロシテヤル」
マスオの死によって、穴子は怒りに我を忘れた。槍を構え、タラオに向かって突進した。
「……穴子…僕からリカちゃんを奪った穴子…許さないです。お前も許さないです!」
穴子の姿を視界に入れたタラオもまた、怒りに我を忘れた。タラオの脳裏にリカが穴子に犯されるシーンが甦った。タラオは狂ったようにマシンガンを乱射した。
雨のように打ち込まれる弾丸を盾で防ぎながら、穴子はタラオに向かって突進した。盾だけでは防ぎきれない弾丸が手足に命中した、が穴子は気にも留めなかった。
「クタバレ」
槍を構えた瞬間、穂先が弾丸で破壊された。穴子は弾丸が発射された方向を見やった。
「穴子、母さんの仇だ。大人しく死にな」
「イクラから話は聞いた。貴様がタイコを殺したのも同然。殺してやる」
そこにはノリスケとイクラが居た。ノリスケの自動小銃が穴子の槍を破壊したのだ。
「フン、バカオヤコカ。コノヤリハワガホコリ、ソレヲハカイシタツミハ、シニヨッテツグナッテモラウ」
穴子は穂先を無くした槍を背負い、盾の裏に隠した短剣を二人に向かって投げた。
短剣のスピードは速く、ノリスケたちは身をかわすだけで精一杯だった。
「フッ、アマイナ。タンケンハオトリ、キサマラトノキョリヲチヂメタカッタノダ」
隙を突いて、穴子は肉弾戦が可能な位置まで距離を詰め、ピアノ線でノリスケの頸部を狙う。
「オヤジ、危ねぇ」
イクラが叫んだと同時に、ノリスケは倒れこんで穴子の攻撃をかわした。穴子は執拗にノリスケを狙う。
「シニヤガレ」
ピアノ線がノリスケの喉下に食い込む。ノリスケは必死に穴子の手を掴み押し返す。だが、穴子の力がノリスケを上回り、ピアノ線は徐々にノリスケの首を切断していく。
「させるかぁ!」
イクラの拳銃が火を吹いた。弾丸は穴子の胸部を貫通した。
「オノレ…ダガ、ノリスケハミチヅレニシテヤル…」
イクラの放った弾丸は次々と穴子に命中した。だが、穴子は力を緩めなかった。穴子が動かなくなった時、ピアノ線はノリスケの頚動脈にまで達していた。
イクラは二人に近付くと、穴子の身体を蹴り倒しノリスケを抱き起こした。
・・・・
わーい!
わーい!
わーい!
お風呂はいってさっぱりしてから、ゆっくりたのしむよー
ひゃっほう!
おもしろかったぞー
勢い落ちたな。原稿作法も治ってないし。
しかしsage進行でこんなに信者がへばりついてるとは驚きだな。
>>388はアンチだけでなく信者にも驚くべきだろう。
自演だからさ……。
信者かどうかはおいといて、たのしみにしてたひとりですが、なにか?
420 :
名無し物書き@推敲中?:04/07/22 17:42
なにか、ね。さぁね、なんなんでしょうね。
なんでもいいけどさ。
>>414-416のように、毎度声援が画一的だなとは思ったがw
ノリで褒められて批判が来たらキレて煽り返し(たのは信者とやらかもしらんが真偽はさておく)、「嫌なら見るな」逃げ。
常居は鼻から賛美以外は相手にしないムード。
内容も二次創作の違和感を盾にしたベタな殺陣。誤字脱字、表現の適切さ云々する奴は片っ端荒らし扱い。
自己批判が無いと、どこまでも排他的になれるのね。
なにか? とか言われても、既に自演云々レベルじゃなく常識を疑われてるという事に気付いたらどうだろう、と思わん方が変だと思う人間ですが、なにか?
感想の淘汰に自演使ってると思われても仕方ないでしょ。
信者って言われ方も相当嫌ってるご様子ね。んじゃその(何故か手放しに)楽しみにしてたという熱狂的ファンの方に聞きたいんだけどさ。
天狗なワナビ約一名が、ちょっと否定されると批判受け止める姿勢を欠片も見せずに、暴力的な煽り返ししかしてないというこの構図をどう思うのよ。
正直、奇妙だよ。
そういう印象持ってるやつもいるんだね。
おれは普通に興味持てなかったけど。
この板、批評の仕方ひとつでも荒れるんだよ。
みんな自信もって創作やってるからなんだろうけどさ。
あ、のー・・・
>>420さん
>>414と
>>416は、間違いなく、二つの発言ともに俺なんですが。
風呂に入ってから読んで、ただ感想を言っただけだから。
たかだか一言レスしただけで、ageてまで長文分析されるとなんと反応していいのか悩むぞ。
こういっちゃなんですが、常居さんの文章が上手だなあと思ったことは正直ないんだよ。
既存のキャラクターがいじり倒されて暴走してるのが面白くて、楽しませてもらってる。
たのむから、俺の夏休みの楽しみを粘着で荒らさないでくれ。
つまらないと思うならスルーしていればいいだけだろ。
420は女か
ヒステリーの夏
批評に対して馬鹿とか池沼とか酷い言い方で煽り返してるのはマズいと思うよ。
スルーしろってのは有る程度妥当な対応だと思うけど、逆になんで2chでやってんの?って反論も成り立つし、それだって同じ程度に正当な意見でしょ。
批判を排除したいなら、無料webスペースでも借りればいいのに。
この板で傲慢に振る舞い続けるつもりなら、作家根性で黙らせるのが理想だよね。
でも
>>323とか見ると、開き直ってるだけだし……。そりゃ反感買うよ(汗。
そうでなくても常居さんの煽り耐性の少なさは、荒らしてって言ってるような物だし。
>>422 >たのむから、俺の夏休みの楽しみを粘着で荒らさないでくれ。
……おい、いいのかそんな夏休みでw
>>422 いいのっすw
いまからさびしくバイトに行くのっす。
ってわけで、
>>420さん、
常居さんに宛てたレスの「おもしろかったぞー」は、讃美というよりも、
続きを絶やさず、ラストまで書いて欲しいという意味を込めた激励でもあるから。
常居さんは煽りにたいして熱しやすいし、それを言ったら叩かれるべーという発言もたしかにあった。
だけど、自分の中ではイタイ発言も重要じゃないし、作品が読めればいいだけだから。
目の前に作品がころがってればそれがベストだし、人格云々をあげつらっていたらキリがなくなるからさ。
では。
レス早いなー 板間違えたかと思たw
>>422 俺の指摘はほとんどスルーか。それじゃ読まずにレスしてるのも一緒じゃん。
君がどう楽しんでるかなんて聞いてないし、文脈読めば君の一言レスについては大して問題にしてない事くらい判りそうなもんだが。ましてや、長文分析?
まあ、そう過敏になって話逸らすなよ。
ageは失礼。反応得たかったのは確かだが、一度荒れたスレでやる事じゃなかったな。
>>423 いいえ。
>>424 ヒステリーと断じる理由が聞きたいね。
俺にゃ常居擁護派も相当な癇癪持ちに見えている訳だが。
>>425 大方同意だけど、無料webってのは筋違いだろ。
発表する場所選び以前の問題。
あ、いまレスがあったんだ。
わりぃ、これから出かけなきゃだから返してる余裕がもうない。
あとで。
>>427 >だけど、自分の中ではイタイ発言も重要じゃないし、作品が読めればいいだけだから。
うーん、利害割り切ってるのねw
読者に徹してる人からすると、そんなモンなのかな。
俺は、この板で創作に関する意見が淘汰されてるのが奇妙に映ったんだけどね。
>>430 まあ気にせずいつでも。
別に荒らしたい訳じゃないんで。
>一度荒れたスレでやる事じゃなかったな。
荒らしたい癖に(´,_ゝ`)プッ
……荒らし誘発の意図が明確なそのカキコこそどうかと思うぞ。
結局煽り合いになればどっちも嵐になっちゃうからね。
マターリ行きましょ。
自演自賛が一切無かったという証明ができないのと同様に、
常居接人氏が実力だけで評価されていないという証明も無理。
嵐への態度が悪かった云々言っても、このスレがDAT落ちした頃に
評価される点は、成し遂げたか否か、だけだと思うぞ。
著作権主張できない2ch上の虹創作を相手に、で自演だなんだと騒ぐだけ無駄な事。
作者自ら荒らした云々も、見方変えれば燃料投下が巧いって事じゃんw
信者も煽りも嵐の人も、みんな楽しんでるんでしょ。
やり過ぎ厳禁な。廃れて中途半端にDAT落ちした時に寂しくなるのは、皆一緒なんじゃないかい。
ここ落ち着いたね。
うわ、いま見直したら間違えてる。
>>427の発言名が425になってるけど、422の大間違いです。正しくは422です。
>>429>>430の発言名425も、正しくは422です。
425さん、420さん、紛らわしくてスイマセン。
>天狗なワナビ約一名が、ちょっと否定されると批判受け止める姿勢を欠片も見せずに、暴力的な煽り返ししかしてないというこの構図をどう思うのよ。
>正直、奇妙だよ。
>>420さん
えと、この発言が、文全体の要約と取っていいでしょうか。
というか、レス427で語ってるかな。
あくまで自分のスタンスからなんだけど、常居さんの人間性は正直どうでもよくて、
作品が発射され続ければそれが一番なんだよ。続きを読みたいから。
常居さんが熱くなりすぎて暴走発言を繰り出しても、ここは2chだからなーっていう諦め感もある。
コテハンといっても実質上は名無しさんだし、常居さんも名無しさんだからこそ、尊大な発言を繰り出してしまうところもあるだろうし。
だからあまり深く考えないし、気にならない。
構図云々を問われても、ああ、こういう熱くなる人もいるべーなって程度の感想なので、
深い物思いは正直湧いてこないです。2chでよく見る煽りの光景だから、慣れもあるのかな。
>>431で気持ちの代弁もされてるので、まあこんなとこです。
とにかく、常居さんには冷静になって、最後まで書き上げて欲しい。
それが真のプライドだと思うから。
つまり楽しんでる人もいるから、常居さん最後まで書きageて下さい。
って事。
全体がまとまった段階で酷評スレに晒して欲しいな
ここまできたら、どうでもいいから、終わりが知りたい。
最後、どうなるのかが知りたい。
それだけ。
激同
終わりまでしっかりと読んでから、その上で感想を言いたいな。
ががれ
443 :
六根♯2004:04/07/26 21:16
自演でもいーじゃねーか、あーはーはーあはーはー
なんか書いてもいいのかな
>>444getオメ
いいんじゃないの?
但し、ここには何匹か粘着が住み着いてるみたいだから
それだけは頭に入れておいた方がいいと思われ。
ところで常居接人は、ちゃんと続き書いてるの?
そろそろまた近況報告よろしく。
446 :
名無し物書き@推敲中?:04/08/01 14:24
だれでもいいから、書いていいよ。ここは常居接人の独占するところじゃないから。
只今ニュースが入りました。
昨日午前4:00ごろ磯野家で幼児虐待があったとの報告を受け
磯野一家が幼児虐待などの疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、磯野波平容疑者、磯野カツオ容疑者で
虐待を受けたのは福田タラオ君との事です。
話しによりますと、タラオ君が
「タマ、タマはどこですか?一緒におねんねしたいです!」
などと、とち狂ったように騒いでいたため
波平、カツオ容疑者が
「うるせー!ボコボコにしてやる」
などと騒ぎ出し、タラオ君を金属バットやたばこなどで
たらお君を殴ったとされています。
これにより、タラオ君は
骨を折るなどの重体とされています
取調べに対し、両容疑者は、
「当然のことをしたまでだ」
と話しているという事です。
これも一応パロディ、ってことでお願いしますM(__)M
了解しますた。
って、ちょっとばかしマジになって読んじゃったじゃねえかw
政府専用機でタラップを降りてくる磯野一家。
24年ぶりの帰国ということで、24年間という年をいろんな形で考えさせざるを得ない。
もし、拉致された人、そして亡くなった人たちに何かの過失があるとすれば、それは、
「日本人」に生まれたということでしょう。自国民が自国の領土でさらわれることについて、
それを止められず、その後も24年にわたって放置したという、
そういう国に生まれたということの過失ぐらいしかありません。
しかし、磯野家に限って言えば拉致というよりはむしろ密漁だったのではないでしょうか。
ごにょごにょ。
ワシがネグラにしているのは用賀のW店。
500円入場、無制限。
6月7日
今日は日記の日じゃ。今日は勝負をするような心境ではないのじゃが、
やらないと日記が書けない。えいやっと起床して、眠い目をこすりながら
札をねじ込み財布を確認したのが8時半じゃ。
通りを歩くと澄み切った梅雨間の青空。UVがきつそうじゃのお。
路地の名を知らぬ木々も嬉しそうじゃ。朝の町のすがすがしさよ!じゃわい。
喫茶店でいつものコーヒーを頼みスポーツ誌を見ていると、
今日は京王閣の最終日じゃった。行きたい気持ちを抑えつつ、コーヒーを
半分飲んだところで店を出たのじゃ。
店を出ると、めがね君とたらこクチビル君が歩いておった。会社に行かず、
今日は勝負とのこと。エリートビジネスマンも楽じゃないですよ、じゃと。
W店に着き、はやる気持ちを抑えつつ場内を見て歩く。入り口角は昨日
爆発気味じゃったが、今日はどうじゃろうか。見たところ動きはなさそう。
その隣の席には常連の一本禿が今日も座っている。いつも思うのじゃが、
あそこは結果が出たためしがない。いつかどんなもんか試してみたいが、
一本禿は朝から動かないのじゃ。その他、ざっと見たとこを記してみるワイ。
入り口角の島、どの席もいつもと変わらぬ面しておる。3席目の椅子が
変わったようじゃ。その対面も同じじゃ。ときおりポンと音がする。
あとはどの席も動きなし。めがね君はたらこクチビル君と並んで勝負の模様。
あまり熱くなるんじゃないぞ。
さて、どの席に座るか。昨日ワシがやってた席は、見知らぬ親父に取られておる。
今日はその隣で勝負じゃ。
座るや否や、早いのがきたワイ。ゆらゆらとあっけなく引き込まれ、
あげてみると10cmの金魚。デキた!使った餌はグルテンまぶし粉なり。
時計を見ると9時45分。
その後はハマリっぱなし。なかなかかからんわい。席を移ろうか迷っておると、
対面の一本禿が移動したのじゃ。一度座ってみたかったところじゃ。
餌箱持って移動じゃわい。
さてどんなものかと勝負続行。一投目からつんつんと来る。来い来い鯉・・・。
息を飲んで見つめる事10秒、来た!!勢いよく浮きが消し込んだのじゃ。
落ち着いてあげると45cmのドイツ鯉。してやったり!14時20分の出来事。
その後を略して書くと、14時50分に56投目で22cmのヘラ、
15時15分に6cmの金魚、15時34分に10cmの錦鯉じゃ。
15時55分ごろにめがね君たちがつかみ合いの喧嘩をはじめ、池にドボン。
その後ハマって餌が尽きたところで退店。都合5匹でサービス券獲得。
本日サービス券1枚のプラス。
伊佐坂難物 釣りプロ日記IVより抜粋
454 :
llkooljkjk:04/08/10 11:14
gfdsfghjkl;:/.,mnbvcxzqqwertyuio
455 :
名無し物書き@推敲中?:04/08/13 14:47
上げ
ひからびたスレを上げるなよ。
保守カキコ。
保守。
続きが読みたい…。
保守。
常居さんマダー
常居さんへ、
これは荒らしではなく、感想である。
ちなみに、私は常意さんのここまでの作品、どちらかと言えば好きだ。
落ち着いて読んでもらいたい。
この作品は「設定オチ」である。
ほのぼの磯野一家とバイオレンスもの、というギャップが面白いのである。
少林サッカーと一緒。「カンフーとサッカー?面白〜い」と言って最初の方は
そのインパクトで引っ張れるが、どうしてもだんだんと失速する。
「禁断のサザエさん」は長すぎた。もう少し短くするべきだった。
登場人物が多すぎ、それゆえ長くなった。
磯野一家とバイオレンス、というギャップ以外にウリが無かった。
正直、私はもう、どうでもいい。
面白そうな展開が見えてこないからである。
次回作は是非、よりおもしろいものを書いていただきたい。
同意。
筒井がやれば小説でできる思いつく限りの挑戦が見られただろうけどな。
いかんせん、単純な発想だけで書かれた小説の枠は出ない。
462 :
名無し物書き@推敲中?:04/08/27 21:05
久しぶりに来たけど干乾びてますな。つまらん。つまらん。。。
>>460 罵倒ではないまともな批判なので、レスします。
あなたの言うとおり、見事に失速しました。引き伸ばしすぎたのが失敗でした。
書くことにストレスを感じていたところで、罵倒するだけの荒らしが気持ちを萎えさせ、モチベーションは下がる一方でした。
>>461さんが言うとおり、筒井さんのような天才ならいい方向にもっていけるんでしょうが、非才の身にはそれは荷が重過ぎました。
落ち着いて読んで欲しい。と仰るが、俺にも罵倒と批判くらいの区別はつきます。
俺は批判を受け付けないほど、傲慢な人間ではないので。
次回作を期待していただけるのは、ありがたいのですが。この板の病みかたを考えると、ここでは書きたくないというのが正直な気持ちです。
もうしばらく頭を冷やしたいところです。
私物化スレってのが反感強いんじゃない?
投稿サイト経由の晒しとかの方が、荒れる事は少ないかもよ。
どうでもいいって人もいるけど、最後どうなるのか知りたいって人も
いると思うよ。
少なくとも、私はそうだ。
作品が上手い/下手とか、そんなことはどうでもいい。
最後、誰が生き残って誰がどのような形で勝利をおさめるのか、
それが知りたいの。
だから、できることなら、何等かの方法で、最後まで書いてほしい。
話が長過ぎたもそうだけど、
ここが2ちゃんだってことを忘れて、荒らしを無視しきれなかった
常居さんの弱さにも原因ありでは?。
コテハンで、スレを独占するなら、それくらいの覚悟があるもんだと
勝手に思っていたよ。スマソ。
466 :
罧原堤 ◆5edT8.HnQQ :04/08/30 14:59
筒井は鈍才
才能以前に、幸せな作家人生の典型歩んだ人のような気がする。
若い時は思いのままに濫造してファンを掴みまくり、
金と余裕が出来て来ると余裕ある仕事の仕方で大作を次々と着手して、芝居にジャズって好きな事でガンガン遊びまくってこの老年。
酒と煙草を止められて「何を楽しみに生きれば良いのだ」とつぶやいた所を奥さんが「私がいるじゃないの」と励ましたという美談に至る。
ああ羨ましい。
……取り敢えず俺は駄目人間から抜け出す事を第一目標に日々をいそしむとするか。
9月になりましたね。
保守。
もうやめたら、愚痴ばっかいってないでさ。女々しいぜ
470 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/05 14:10
保守。
おおお〜い、常居さぁぁぁぁぁ〜〜〜ん。
●当スレには「オレ様理論」で必死にヲチャを煽り続ける粘着擁護さん(通称「ねんちゃ君」)が住み着いております。
ただ「文体が似ている」という薄弱な理由で全くの他人を「同一人物」とみなして、だれかれかまわず噛み付いてきたり、
ヲチ先に少しでも批判的な書き込みをすると「おばさんナース」とか「れーこ」「じゅりあ」と決め付けてくる無作法者ですが、どのヲチスレでも相手をしてもらえない
可哀想な香具師ですので、哀れと思し召して生暖かく放置してやってください。
一見理論的に見えますが単なる妄想構築な「ねんちゃ君」はスルーでお願いします!
他板からのコピペだが、どこでも一緒だねぇ(溜息
常居さんがんがれ!厨房は脳内あぼーん汁!
召還の儀「age」
保守
常居さ〜ん、カムバーック!
475 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/10 02:04
せっかくのスレが台無し。最悪
スレの途中でも、常居氏がラストまで構想があるってんだから
ラストまで待てよ、うすっぺらい批判キチガイ共は
出る杭を打つ暇あったらネタの1個でも書いてみろアフォ
↑
荒らしを誘導する新しい手口ですか。
色々考えますね(プ
こんなアフォの手口に乗っかるのもアフォ。
見てな、どうせ下で釣れた釣れたとか言い始めるから(プ
‖ んじゃ一応
‖
∧‖∧吊れた吊れt
違うスレに書いたの載せるね。
朝、妙な夢からさめたカツオはパンツがぬれていることに気づき、隣に寝ているワカメを
起こさぬよう、静かにふとんから抜け出した。
(どうやら寝小便じゃないみたいだ)
とにかく、このパンツを片付けなきゃいけないと焦ったカツオは洗面所へと急いだ。
その日のカツオは妙にそわそわしていた。
「ワカメ、お前いつもパンツ見えてるけど、平気なのか?」
「どうしたの?突然」
「いや、その……目のやり場に困るじゃないか」
「……変なの」
ワカメはクスッと笑った。
皆が寝静まった深夜、ワカメのふとんの中にそろっと腕が入ってきた。
もぞもぞした動きに眠けまなこをこすりながらワカメが目を醒ました。
隣りのふとんにカツオの姿はなく、もっこりと自分のふとんが盛り上がっていた。
「…お兄ちゃん??なにしてるの?」
「……ワカメ……ちょっと見せてくれるだけでいいんだ」
カツオの顔が、胸の辺りから懐中電灯に照らされてあらわれた。
「いやっ、ちょっとやめてよ」
「静かにしろよ。姉さんたちが起きてくるかもしれないだろ」
すでにパンツは脱がされていた。カツオの指が陰部をまさぐり始め、湿った感触がワカメを襲った。
「いやぁあ、何してるのよぉ」
「……ちょっと舐めてるだけさ……」
ワカメは思わず泣きじゃくり始め、最初にサザエが、その後フネ一同が起きてきた。
カツオは懐中電灯片手に、呆然とワカメのふとんの上に座っていた。
ワカメはサザエに泣きつき、一部始終を話してしまった。
すぐさまカツオはカンカン怒った浪平に呼ばれ差し向かいに座った。
「ワカメのいったことは本当か?」
カツオはうなだれて浪平の顔を見ようともせず、こくりとうなずいた。
「ばっかもん!お前はなんてことをするんだ!いいか二度とするな!したら勘当だぞ。わかったな?」
カツオの目からは涙がたれ、波平の乱れた頭からは汗がしたたっていた。
次の日曜、カツオが自室の畳に寝そべって漫画を読んでいると、トタトタと
横の廊下を走っていく音が聞こえた。カツオが横目で見るとタラオだった。
「リカちゃんと遊んできまぁっすぅ〜」
「気をつけるのよ。タラちゃん」
サザエの声が台所から返ってきた。
カツオは漫画から目を離すとタラオを呼び止めていた。
「タラちゃん。ぼくも一緒に行って遊んであげようか」
「ほんとですか。嬉しいでぇすぅ。わーい」
公園で砂遊びをするリカちゃんとタラちゃんを、ベンチに座って眺めるカツオ。
「ねぇ、タラちゃん」
「なんですかぁ」
「カツオお兄ちゃんの目、なんだか怖くない?」
ちらとカツオの方を見る。
「そんなことないですよぉ」
「……うん」
カツオは双眸をぎらつかせ、ポケットに突っ込んだ手で股間を激しくゆすっていた。
あれから、カツオとワカメの部屋には仕切りが作られ自由に行き来できないようになっていた。
しかし、そんなことでへこたれてしまうカツオであろうか?
いいや、機会と誘惑があればワカメを襲うことも厭わないであろう。
表面的には明るくふるまっていたワカメだったが、近頃は長いスカートをはき、ひと目を気にしているようである。
あの誰に対しても純白のパンツを見せびらかしていた、人を疑わない純な心はどこへ行ってしまったのか。
カツオがいつものように学校から帰ると、玄関には鍵がかかっていて、ひと気
がなかったので庭にまわって縁側から中に入った。
自室に鞄を置いてから、ちゃぶ台のところまで来ると書置きがあった。
今日は遅くなるからワカメと留守番をたのむといったサザエの自筆であった。
カツオは、玄関の鍵をあけてから、しかたないので中島に野球の断りの電話をいれることにした。
「もしもし、中島?」
「なんだ礒野か、なんだい?」
「留守番しなくちゃいけないから、今日の野球はキャンセルするよ」
「ああ、わかったよ」
「それじゃ」
ガチャン……。
そこへ、ワカメが帰ってきた。
「あ、ワカメ……今日はみんな遅いから留守番だって」
「エッ?じゃわたし……ミユキちゃんのところにいってようかしら」
「それどういう意味だい?」
「だってお兄ちゃん怖いんだもん」
「まぁ、そんなとこに突っ立ってないで中に入れよ」
「うん……」
ワカメが部屋に鞄を置きにいっている間に、カツオはすばやく玄関の鍵をしめた。
かばんを机において席についたカツオに、中島が前のいすに腰かけながらいった。
「聞いたか磯野。今日転校生がうちのクラスに来るらしいよ」
「へぇ。はじめて聞いたよ。男か女かどっちなんだい?」
中島はカツオだけに聞こえるように、耳元まで口をもっていった。
「女。実は……その子すごく可愛いらしいんだ」
「ほんとかい?」
カツオの口もとがほころんだ。
そこへ担任が入ってきて、慌ただしくみな自分の席についた。
「おはよう。今日は転校生がうちのクラスに来てる。入りなさい」
おずおずとうつむき加減に入ってきたのは、さらさらの長髪にかなり整った
目鼻立ちの日本人離れした美少女であった。先生の横にたって顔をあげたときには、
クラス中が変な熱気につつまれた。もちろん、はしゃいでいる大部分は男たちなのだが。
「源静香さんだ。仲よくしてやってくれ。それじゃ源」
「み、源です。よ……よろしく」
緊張で声が少し震えていた。
「それじゃ席は後ろにあいてるのがあるだろう。そこに座りなさい」
そのあいてる席とは磯野の右隣りだった。
席に座る前にカツオと目線があった静香は、微笑みながら「よろしくね」といった。
顔が真っ赤になったカツオの動揺をよそに、担任はもう普段どおりに朝のホームルームを進めていた。
休み時間に質問攻めにあったりと、クラスにも慣れてきた静香だが、隣りの席のカツオとは
まだ話ができていなかった。が、意外にも放課後には静香のほうから一緒に帰ろうと誘ってきた。
少々やじられながらもふたりきりで教室をあとにし、校門を出たあたりから話はじめた。
「転校生って疲れるもんだね。ほんと」
「そうだね。最初は仕方ないよ。みんな物珍しがってさ。それに君はすごい美人だし」
「あはは。それほんと?」
「う……うん」
カツオはちょっと照れていた。
「ねぇ……猫かぶるの疲れたの。いつものわたしになっていい?」
「……もちろんいいよ」
「それじゃそうする。あんた名前何ていうんだっけ?」
「えっ……カツオ。磯野カツオだよ」
カツオは相手の口調の変化に少々戸惑ったが、静香はかまわず快活に話をつづけた。
「んじゃカツオって呼んでいい?カツオちゃんのがいいかな?おいそこのイガグリは
まずいでしょ?あはは」
静香は緊張の糸がふっつり切れたように、ひとりはしゃいでいた。
「わたしのことは、ふたりきりの時は静香でいいけど、みんなの前では源さんって呼んでよね。
わたしも磯野君っていうから。さしあたってはカツオちゃんって呼ぶわね。いいでしょ?」
「わかった。けどカツオちゃんはちょっとやめて欲しいな。はずかしいよ」
「気にしない。気にしない」
と静香は笑いながらカツオのわき腹を指でつついてきた。
「思ってたより明るいんだね……源さん」
カツオは短くかりこんだ頭をなでながらいった。
「わたし……前の学校じゃあまり友達いなかったから、こっちでは楽しくやりたいんだ」
静香の声が低く、か細くなっていた。
「あ、わたし家こっちだから。お別れね。また明日よろしくねカツオちゃん」
交差点にさしかかったところで、静香は手を振りながら去っていった。
その後ろ姿がカツオの目にいつまでも焼きついていた。
家に帰ったカツオはサザエやワカメに「どうしたの?そんな嬉しそうな顔をして?」
としきりに聞かれた。それほどカツオは尋常じゃなく浮かれていたのである。
次の日、カツオが元気に教室に入っていくと、静香の姿があった。
「おはよう」
「おはよう」
昨日のことはなかったように淡々と朝の挨拶を交わした。
が、カツオの内心は喜びに満ちていた。
そこへ、カツオの片思いの相手であったカオリちゃんがカツオの袖をひっぱっていった。
「ちょっときて磯野君」
「なんだいカオリちゃん?どうしたっていうの?」
引っ張られて廊下までいったところで、カツオは無理やりその手をふりほどいた。
「何事だい?びっくりするじゃないか」
「ちょっと変な噂を耳にしたのよ。昨日源さんと一緒に帰ったんですって?」
「……うん、そうだけど。それがカオリちゃんに何の関係があるっていうの?」
カツオは少し調子にのっていた。
「そんな言い方ひどいわ。ただあの子、前の学校で親友が変死したっていうのよ」
カツオは不審そうな顔をあらわにし、カオリちゃんに反論した。
「それが源さんと何の関係があるっていうんだい?可愛いからって嫉妬でそういう中傷はよくないよ」
「そんなんじゃないわよ。ただちょっと気になって……」
カオリは涙声になりながら弁解した。
「そうねわたしちょっとおかしかったわ。今いったことはなかったことにして。ごめんね」
カツオはカオリを慰めもせず立腹したようすで教室に戻っていった。
教室に戻ると静香は物思いにしずんだ目で机の上を凝視していた。
カツオが話しかけるとはっとして微笑んだが、すぐまた暗い表情に戻った。
「カオリちゃんの話聞こえてた?」
いいにくそうにカツオが聞くと首をふって教室を出ていった。
カツオは困惑の色をうかべて、後を追うか迷ったがそのまま行きそびれてしまった。
朝のホームルームの予鈴がなると静香はきちんと席にもどってきた。そしてカツオに小声でいった。
「あとで話したいことがあるの。いい?」
カツオはうなずいた。
その後、何事もなく昼まで過ぎていったのだが、カツオは静香のことで頭がいっぱいになっていた。
授業中何度も静香の方をちらりと見やったが、話したいことがあるというほど悩んでいる印象はまるでなかった。
給食の時間になり、班ごとに机を向きあわせていると、静香がカツオに目配せをした。
その日の給食のメニューは野菜スープに食パン、牛乳と白身魚だった。
昼休みになり、ふたりは誰もいない屋上の、日当たりのいい台にならんで座った。
「ごめん。時間とらせちゃって。話したいことっていうのは朝いってたあれのこと」
「やっぱり、カオリちゃんがいってた親友が死んだっていう……」
「そう……でも親友じゃないわ。ただの腐れ縁ってやつよ。のび太っていうんだけど
それがもうひどくてひどくて。勉強はできない。運動もできない。そしていつも誰かに苛められてた。
そのくせ、わたしにいつもつきまとって……鬱陶しいからいつも蹴飛ばしてやったわ。
そしたら、どうすると思う?家に帰って、飼ってる猫に泣きつくのよ。
猫になんとかしてって。その場面をたまたま見たとき、こいつ気が狂ってるんじゃないかって本気で
思ったほどよ。その、間抜け面ののび太を苛めてたブタとアヒル顔がいてね。わたしは陰ながらいつも応援してた。
もっとやれ、もっとやれって。ひどいと思う?思われたって平気よっ。あんな奴……。いつかなんか、
当然とでもいいたげな顔をして、わたしが未来の花嫁になるっていってきたの。その時は腹たって顔面にこぶしを
打ちこんでやったわ。泣きべそかいちゃって、後でまた家に帰って猫に泣きついたに決まってる」
熱っぽくしゃべりつづけた静香はそこでつばを飲んだ。カツオはあまりの勢いに呆然としていた。顔は蒼白だった。
487 :
名無し物書き@推敲中?:04/09/16 19:08:18
「そんなにじろじろと、わたしの顔を見ないでよ。まだ話には続きがあるんだから。
わたし、そののび太を苛めているブタとアヒルをそそのかしてやったの。
あいつは泳げないから川に落としたらどうかって。案の定実行にうつしたわ。
のび太を河川敷に呼びこんでから、ふたりして川に投げいれたのよ。わたし堤防
の上から見てた。その光景ったらどんなコントもかなわないぐらい面白くて、
危うく自転車から落っこちそうになったほどよ。さかんに猫の名前を叫んで、助けを求めてたの。
ブタとアヒルは流されていくのび太に石を投げつけてた。わたしはそれに満足してその
まま家に帰ったの。そしたら次の日、のび太が溺死したってみんなが騒いでて、
ブタとアヒルの顔をうかがってみたら、我存ぜずと平然なものよ。でもわたし、その時
はいい気味よって思ったけど、だんだん怖くなってきちゃって。それで、ママとパパに
頼んで学校をかえてもらったの。それが例の変死の真相よ。どう?わたしのこと怖くな
ったでしょ?自分でも怖いわ。だって悪かったなんて今でも思ってないんだもの」
カツオはしばし沈黙していたが、決心したように自分の秘密をうちあけた。
「実は、ぼくも人にはいえない過ちがあるんだ」
「えっ。どういった?」
カツオは、実の妹を襲ってしまったということを詳細に静香に語って聞かせた。
すると、静香は青空に浮かぶ雲をぼーっと眺めたあとに、しみじみといった。
「わたしたちって似た者同士なのね……。なんだかそんな風に感じてたわ」
次の瞬間、目を見つめあったカツオと静香はひしと抱きあっていた。
一応終わり
488 :
次回予告:04/09/17 11:52:43
どうも、波平です。
ちかごろ、家族には内緒で、大豆の先物取引にはまっております。
はじめたばかりの頃は、100万、200万と儲かっていたんですが、つい先日、急に相場が崩れて2000万円の損を出してしまいました。
こうなったら、自宅を銀行の抵当にいれてでも、一発逆転を狙おうと思っています。
さて、来週のサザエさんは
・マスオ、はじめての反抗期!?
・サザエ、アナルに挑戦
・伊佐坂センセイの断筆宣言
・タマ、轢死体で無言の帰宅
・昼下がりのタエコ
・穴子、ネットワークビジネスにはまる
・三河屋横領事件顛末
・ノリスケ、オヤジ狩りに遭う
・フネの回春
・花沢不動産、倒産
・ウキエの初体験指南
・磯野家、大爆発!
の、12本です。お楽しみに!
ttp://blog.goo.ne.jp/inarizusi7/e/2a4e1673a68d19ad12bd2f0928f21c76 ↑このブログに載ってた。
乙カレーサマー
カツオ「ノ ノリスケッシュ!!」
ノリスケッシュ「まにあった! このまま帰ったんじゃ かっこわるいまま 6時半に放送されちまうからな!」
アナゴフォビア「ふっ・・・・・・なにをごちゃごちゃと・・・・・・お前からしまつしてやる!」
ノリスケッシュ「じょうとうだぜ!このノリスケッシュ様が・・・・・・たおせるかな?!」
ノリスケッシュ「ワカメ!お前のおじいちゃん・・・・・・リプレイはずし上手かったぜ!」
ワカメ「・・・・・・おじちゃん・・・・・・」
ノリスケッシュ「サザエ!美容院でも行ってちったあ女らしくなりな」
サザエ「・・・・・・」
ノリスケッシュ「フネ!いつまでもナミヘイをいたわるやさしさをわすれるな チャレンジフネ、だ」
フネ「・・・・・・」
ノリスケッシュ「カツオ!お前とは一度・・・・・・1対1で勝負したかったぜ!いい家族をもったな」
カツオ「・・・・・・ノリスケッシュ・・・・・・」
要素として面白さがあったのはリプレイ外しくらいか。
三点リーダーに置き換えてもらうとしても冗長だし、ノリスケッシュに対してどういう心持ちなのかがさっぱり伝わってこない。
3点。
7サザエ7 7サザエ7 7サザエ7 7 7 7 15+BIG
■ナミヘイ■ ■ナミヘイ■ ■ナミヘイ■ 15+REG
フネ フネ フネ 14 タラ タラ タラ 8
ワカメ−− 2 カツオ カツオ カツオ リプ(bonus in 3、JAC 15)
設定 big reg 機械割
1 不明 96.0%
2 不明 99.2%
3 不明 100.8%
4 不明 105.0%
5 不明 109.0%
6 不明 112.0%
タラチャンス、イクラチャンス搭載
見方がさっぱりわからん
ヵッォ「ヮヵx ぃぃヶッゃ。」
ヮヵx「ヵッォ?」
ヵッォ「ヮヵx!ぁぃゅぇゃ!」
ヮヵx「ぃゃぁぁぁ!」
ヵッォ「ヶヶヶヶ ぃぃヶッゃ。 +x+x」
ヮヵx「ぃゃゃ ヮvx ヵッォ ゎ ェoぃ ぁぁっ」
ヵッォ「ぇぇヵ? ぇぇヵ? ヮヵx ゎ ぉっゅ ィィょ」
ヵッォ「ヮヵx。ヶッ、ょぅぃ ゎ ぃぃヵ?」
ヮヵx「ぃゃゃ・・・ャxっ・・・ぃゃぁぁぁ」
ヵッォ「ぁぁ・・'`ァ'`ァ ヮヵx ヶッ っょぃ ぇぇゎ」
ヮヵx「ゃぁぁぁ・・ィィ・・ぁぁぁ・・ィィゎぁ。」
ヵッォ「ヮヵx・・ヵォヵヮィィゎ。」
ヮヵx「ぅぅぅ・・・」
ヵッォ「ヮヵx ヵぉ ヵヮィィ」
ヮヵx「・・・ヵっぉゎヵォ ョゥヵィゃ。」
ヵッォ「ぅぇぇぇぇ」
ぁゃゃ「ぁぁ・・ぉぇっゃゎ・・・ゅぅぅっゃゎ・・・」
>>494 わけわかんないのだが、微妙におもしろげというか、なんというか。
お、ほっしゅ
保守
499 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/19 02:15:59
保守
500 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/19 13:21:38
カツオは年が離れた姉さんであるサザエが好きだった(20ぐらいらしい)
しかし、サザエはタラちゃんを可愛がり、弟のカツオは全くかまわない。
「くそー、タラオの奴、死んでしまえばいいんだ…」
カツオは、タラオが夜になると甘えてサザエのおっぱいを吸っているのを
知っていたので、タラオを殺すべく、サザエのブラジャーの先の部分に
毒を塗っておいた。
翌日、死んだのはマスオだった。
501 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/21 16:29:18
>>500 谷村新二の天才・秀才・馬鹿で読んだぞこのネタ。
書くぞ
次は無しなのか・・・
常居さんの作品読んだけどおもしろかった
早く続き読みたい
ワカメのうなじを
そよかぜが
やさしく撫でていった・・・
506 :
名無し物書き@推敲中?:2005/04/06(水) 22:43:16
/⌒ヾ⌒ヽ.
/ 丿 ..ヾ
/ 。 人 )
(。...。_ .ノ 。ヾ。...丿
( _ . .. ノ )
/ /
/ ノ し /
三 ̄ ̄ ̄ ̄\ / ) と /
/ ____| . / /
/ > | / /
/ / ⌒ ⌒ | / /
|_/---(・)--(・) | / /
| (6 つ | / .. / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ___ |/ . / < 来週のサザエさんは「マスオ、マスヲかく」の一本です
\ \_/ / / / \_________
シコ \___/ / /
/ \ / . /
シコ ( ) ゚ ゚/\ゝ 丿.../
\ ヽ、 ( / ⊂//
\ ヽ / ⊂//
( \つ /
| |O○ノ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
その日、マスオが帰宅すると、タラが泣きながら駆け寄ってきた。
「どうしたんだいタラちゃん?」
「タマが帰ってこないんですー!」
なんだ、そんなことか。マスオはタラを抱きかかえながら云った。
「大丈夫だよ、タラちゃん。もうすぐ帰ってくるから」
「あなた、ちょっと探してきてよ」
「え?」
出迎えにきたエプロン姿のサザエが云った。
「なにかあったのかい?」
クローゼットの前でスーツを脱ぎながらマスオが訊ねる。
一日いなくなったぐらいで、探しに行くというのはおおげさな気がした。
「それがね」
サザエがいうには、昼間ノリスケが家によったらしい。
そこでとある事件について言及した。それをタラが聞き、
どうもおびえているようなのだ。
「猫が虐待されてる?」
「そうなのよ。昼間ノリスケさんから聞いたんだけどね、
近頃近所の野良猫が足を切られたり酷い事をされてるらしいの
それをノリスケさんが注意してくれたんだけど」
「タラちゃんも聞いてしまったのか」
「ええ、おっちょこちょいでしょ、あの人
それにいつもなら帰ってきてる時刻でしょう?」
「確かに。それは大人のぼくでもちょっと不安になるよ」
マスオは心配そうにしているタラの頭を撫でながら言う。
「よし、タラちゃん。ちょっとタマを探しに行こうか」
「はいです!」
タラの嬉しそうな顔。マスオは自分が頼りにされていることを嬉しく思った。
「タマー」
「タマーどこにいるですかー」
マスオと歩きながら、タラは声をはりあげながら歩いた。
夜の住宅街は静まり返っており、二人の声はよく響いた。
タマは大丈夫だろうか。タラは不安に思う。悪い人が悪さをして、
足を一本とられた猫がいるらしい。タマが心配だ。
きっと足が一本なくなったらすごく困るに違いない。
「タマータマーでてきてくださーい!」
タラは必死に叫んだ。叫びすぎて咽喉が痛かった。
塀の上、電信柱の影、いろんな所を見回し探した。
ちょうど、路地の曲がり角を、一匹の猫が横切った気がした。
「タマー!」
タラは走った。タマだと思ったのだ。
その走りに、マスオは気付けなかった。背丈のあるマスオは、
屋根の上など、タラが見渡せないであろう場所を見ていたのだ。
タラの姿はは完全に視界から外れていた。ともに声を張上げていた事も災いした。
自分の声に、幼いタラの小さな足音が完全に掻き消されて、マスオの耳に届かなかった。
タラが角を曲がり数分したところで、マスオはタラがいなくなった事に気付く。
時すでに遅し。マスオはタラが曲がった道を通過しており、完全に見失っていた。
不思議な声がした。
――あいつも射抜くのか?もう七人目じゃぞ
一枚の写真が宙を舞っていた。中年オヤジが撮影されている。
声は写真の中にいるオヤジから聞えたようだった。
オヤジは一本の棒を手にしている。先端が△にとがっており、弓に使う矢のようだ。
――じゃが七人もいれば充分じゃろう。これで息子に近付こうとするものは抹殺できる。
写真の中のオヤジが動き出す。オヤジは矢のような棒を振りかぶって投げた。
タラは自分が迷子になった事に気がつき、泣きながら歩いていた。
「パパーパパーパっ!!」
突然、何者かに咽喉を鷲掴みにされ引っ張られたような感覚にタラは陥った。
タラの首を矢のような棒が貫通し、タラは血を流しながら倒れた。
ぱ、パパ。声が声にならない。タラは身体をヒクヒクと震わせて気絶した。
「あれー? タラちゃんは?」
一家団らん朝の食卓。そこにタラの姿がなく、カツオは不思議そうに云った。
カツオは珍しく寝坊せずに、久し振りに余裕を持って起きられていた。
「きのう一生懸命にタマを探したから、まだ疲れて眠っているわ」
ご飯をよそりながら、サザエが答えた。マスオが一瞬震えたのには、誰も気がつかない。
「それでタマは帰ってきたの」
いつまでもスカート見せ続ける露出狂のワカメが云った。
「夜おそくに帰ってきたわよ」
落ち着いた声でフネが云う。
「まったくタラちゃんは心配性だなー」
「カツオ、食べながら口を開けるんじゃない」
ナミヘイの恫喝にカツオがしゅんとした。
一人不安に苛まれ続けるマスオを除いて、いつもの朝だった。
「それじゃ行ってきまーす」
食べおえたカツオとワカメが家を出る。
「それじゃ、わしらも行こうか、マスオくん」
「あ、お父さんは先に出ていてください。ぼくはタラちゃんの様子を見てから行きますから」
「そうか、それじゃあ先に出とるよ」
家族思いのいいお父さんだ。
事情を知らないナミヘイはマスオがいい人だと改めて感心した。
マスオが部屋の入るとタラが目覚めていた。この時、マスオは不覚にも泣いてしまった。
はぐれた事に気がついてから、マスオは町内を駆け回ってタラを探した。
道路に倒れているタラを見つけたとき、マスオは冷水の中に落とされたような気分だった。
慌てて抱き上げたタラの意識はなく、マスオは最悪の展開を思い描いた。
だが苦しそうな様子はなく、心臓もきちんと動いている。目立つ外傷も見られない。
ただ疲れて眠ってしまったようにも思えた。大丈夫だろう。そんな希望を抱き帰宅した。
サザエには探している途中で眠ってしまったと嘘をついた。
ただでさえ頭のあがらない妻に、これ以上つけ込まれるスキを作りたくなかったのだ。
そんなこんなで、タラが目覚めるまでの間、マスオは不安に取り付かれていたのだ。
もし何らかの事故にあっていたら? すぐに病院に連れて行かなければならなかったとしたら?
その日の夜、マスオは一睡も出来なかった。いつものように目覚めたタラを見て、
涙してしまったとしても、決しておおげさなことではなかったのである。
「大丈夫かいタラちゃん?」
「パパ」寝言のように呟くタラ。「タマは帰ってきたですか?」
「ああ、ちゃんと帰ってきたよ」
「あら、起きたのねタラちゃん」
やってきたサザエにタラを任せ、マスオは安心して出社した。
タラは一見無事でいた。マスオは我が子を見失い焦った事など忘れていた。
時間の停止した磯野家の繰り返される日常の中で、あの事件は些細な事として埋れたかに見えた。
そんなある日の事。
サザエはタラを連れて隣町のデパートへ足をのばしていた。タエコ、イクラも一緒であった。
買い物を済ませた後、近くにあった公園で遊びたいというタラとイクラの願いを聞き入れ、
遊んでいたときのことだ。サイレンの音が聞え始め、周囲が物々しい雰囲気に包まれ始めた。
「何かあったのかしら?」
顔を見合わせるサザエとタエコ。
「ねえ、ちょっと言ってみない?」
持ち前の野次馬根性に火がついたサザエは、タエコにイクラをあずけ様子を見に行こうとした。
「ママー、どこ行くですか?」
おいていかれたと思い、サザエのあとをつけるイクラ。
「サザエさーん、タラちゃんが行きましたよー」
タエコの声に振り返り、サザエは駆け寄ってきたタラちゃんを抱える。
しょうがないから、一緒に見に行くことにした。荷物は公園においてあり、身軽なサザエだった。
「ガス漏れ爆発の危険がありますので下がってください」
人だかりを警官や消防隊員が必死に抑えていた。
ガス漏れ? 危ないわね。どうしたのかしら? パワフルなサザエは人込みを割って最前列に軽々と辿り付いた。
道路の真ん中に、マスオと違って見るからに上品なスーツ姿の男性が地面に倒れていた。
ただ何が起きたのか血塗れで、スーツは台無しだ。あんなに血がついたら大変ね。
でもクリーニング代くらい訳ないくらお金持ちなのかしら。どうしようもない事をサザエは思った。
近くの民家からは火の手があがっていた。封鎖されている向こう側では
消防車からホースを伸ばし、隊員が消火作業を進めている。
倒れている男性に女性が近付く。
その時、タラは不思議なものを見た。倒れた男性から幽霊のようなシルエットが見えたのだ。
まるで着ぐるみの中から人が出てきたように、何かが起き上がって、そこにいる。
しかし、女性はそれに気がついていない。
あんなにはっきりと見えているのに、どうして気がつかないんだろう?
タラはますます不思議に思った。そのうち、もう一匹、今度は小型のやつが出てきた。
同時に、学生服姿の青年や、スケッチブックを持った男、丈の長いコートを着た男が、
倒れた男性を目指して一斉に駆け寄っていく。
気がついたら倒れていた男性が沢山殴られていて、吹っ飛んでいった。
同じように、幽霊のほうも沢山殴られて傷ついていた。
「きゃああああ」
女性が叫び声をあげた。バックしていた救急車が吹っ飛んで倒れた男性をひいてしまったのだ。
「タラちゃん見ちゃだめ!」
凄惨な光景にサザエがタラの顔を手の平で蓋って、目隠しをした。
しかしタラは指と指のすき間から、しっかしとその光景を見ていた。
「さあ、帰りましょうタラちゃん」
サザエは酷い光景がタラの心に悪影響を与えたのではと不安に思った。
この不安はある意味で的中していた。
この時、この瞬間にタラの能力が目覚め、そして発動していたのだから。
この事には、タラ自身さえ気がついはいなかった。もし、サザエがこの日、
タラを自宅で留守番させていたら、もし、騒ぎなど無視していたら、
もし、隣町のデパートになんて行かなかったら、
磯野家の平穏が脅かされる事は、なかったのかもしれない。
キラが目覚めたのは見知らぬ場所だった。
―どこなんだ? ここは一体? パイツァダストで戻ったのなら、わたしは通勤途中のはずだが
そこは道路なんかではなく、どこかの室内だった。
箪笥に化粧台。ありふれた日本家屋にある夫婦の部屋といった感じだ。
―何が起こったんだ…そうだ、次第に思い出してきたぞ。あのクソカスどもだ。
―結局、パイツァダストのスイッチを押すことは出来なかった。それから救急車にひかれ…
―間違いない。わたしは既に死んでしまっている。
―ならば、いまのわたしは何だ?
キラはゆっくりと這うようにして、化粧台に近付いて自分の姿を見た。
そこには何も映し出されていなかった。
―まさか、幽霊というやつのなのか?
その時、「うーん」と言う声がし誰かが起き上がった。
よくよく室内を見渡してみると、三人の男女が布団を敷いて寝ている。
起き上がったのは二人の男女に挟まれた位置に寝ていた子供だ。
子供は上半身だけを起こし、瞼を擦っていたが、やがて目を開き云った。
「おじさん誰ですか?」
―わたしが見えるのか?
キラは戸惑いながらも問いかけた。勿論、その声は実際の声ではなく、いうなれば幽霊の声だった。
子供が頷いた。
物音が聞えたので、タラはいつもより早く目覚めていた。
耳元で誰かが喋っているような感覚だった。こんなに騒がしいのに、
どうしてパパとママは起きていないのだろう。瞼をこすりながら思った。
そして正面に目を向けると、一人のおじさんが部屋に立っていた。
「おじさん誰ですか?」
―わたしが見えるのか?
タラは頷いた。
―お前は誰だ?
「ぼくはタラオです」
聞いたことがない奴だとキラは思った。始末しておこうか。
幸いにも、キラークイーンは失われてはいない。
この世から消すのは簡単だ。だが、始末するのはやめておくことにした。
恐らく、わたしが死んだ事で奴らは安心しきっているはずだ。
このまま幽霊のまま暮すというのも悪くはない。無用な騒ぎは起こさないほうがいい。
仮に気づかれたとしても、幽霊になったわたしに手が出せるわけがないのだが。
キラはタラに背を向けると壁に向かった。こういう場合、すり抜けられるものなのか?
手を伸ばすと、思ったとおり腕が透けて壁を通り抜けた。しかし、それまでだった。
壁を越えて先を進もうとしても、なぜかそれ以上、足を前に出すことが出来ない。
まるで、何かに縛り付けられているような…
―なんだこれは?
背後を振り返って、まず目にしたのは紐だった。紐はキラの足から生えるように伸びており、
その先はタラとかいう小僧の手に繋がっている。さらに紐はピンと張られており、明らかにキラの行動範囲を制限している。
―これはスタンド能力! わたしは『囚われている』というのか…飼い犬が鎖に繋がれているように…
キラは確信した。小僧の能力は魂を『捕獲』すること。捉えることが出来るなら、『解放』する事も出来ると考えるのが妥当だ。
手放されたらどうなるのか? どうなるのかは分からないが、用心するにこしたことはない。
小僧の態度から、スタンドに目覚めて間もない事もわかる。いまだ能力に気付いてすらいない。
川尻の小僧には手こずらされたが、たかが三歳の幼児を騙す事は造作もない。
―わたしはきみの守護天使だよ
キラは不敵な笑みを浮かべると、タラの背後に回りこみ、安心させるように肩に手を置いて話し始めた。
「天使、ですか?」
―そうだよ。わたしは君たち家族を幸せにするためにやってきたんだ。
「それじゃあ、手放したらだめですか」
タラ自身、無意識に『手放す』という言葉を使っていた。
自らの能力を意識してはいないものの、無意識では理解していたために出た言葉だった。
それを、キラが敏感に察知する。
―その通りだ。手放してはならない。絶対にだ。わたしを手放したら君たち家族が不幸になるぞ
「わかったです」
タラは素直な子供だった。幽霊になったキラの微妙に透けて輝く姿に、神聖さを見出してしまった。
―いいか、タラオ。守らなければならない約束が二つある。これを守らないと不幸になるぞ
―1つ目は、わたしの事を他人に話さないこと。
「ママやパパも駄目ですか?」
―そうだ、知っているのはタラオだけでなくてはいけない。家族を幸せにするためだ
―2つ目は、わたしを手放さないこと。先ほども云ったが、これは何よりも優先して守らなくてはならない。
―タラオが家族を幸せにするためだ。みんなには笑っていてもらいたいだろう。いいな、必ず守るんだぞ。
タラは頷いたものの、さっそくリカちゃんに天使の事を話したくなっていた。
しかし、なんとかその思いを自制した。ぼくがみんなを幸せにするんだ。タラは決意した。
「タラちゃん、どうかしたの?」
自分より早く目覚めたタラを見て、起きたばかりのサザエが不思議そうに訊ねた。
「なんでもないですよ。ママ」
この日から、磯野家に殺人鬼キラ(幽霊)が仲間入りした。チャンチャン
まず、キラは磯野家を観察することから始めた。
平凡な二世帯家族というのが主な印象だった。特に変わったところは見られない。
昔ながらの風習を大切にした、よき日本人であるという印象が強かった。
隠れ家としては、まずまずの家といえるかもしれない。モリオウ町ではないのが残念だが。
家族構成や近所づきあい、友人関係はだいたい把握した。
一番に把握しなければならないのは、タラオの能力であったが、
こればかりは不明な点が多い。しかし、いくつか分かった事もある。
まずキラが単独で行動できる範囲は1メートルから2メートルが限度。
それ以上進もうとすると、身体から紐が生えてタラオの手に繋がり拘束される。
言い換えれば、1メートルから2メートルの距離でなら自由に動く事ができるということ。
次に、キラの姿を一般人が見ることは出来ない。
地面に立っているものの、身体はスタンドのように物体をすり抜けたりできる。
スタンド使いには見えるのか? という疑問が浮んだが、
幸か不幸か、タラオ以外のスタンド使いは確認できていないので不明だ。
最後にキラ自身が物に触れることは出来ない。当然タラオに触れる事も出来ない。
しかし、タラオと感覚を共有する事が出来るようだ。これは嬉しい発見であった。
タラオが『ほおずり』をすれば、その感触はキラに伝わるのだ。
その感触を思い描いただけで、キラは勃起した。
分かった事はこれだけだが、おいおい判明するだろう。
タラオが成長すれば、自らの能力を自覚できるようになるかもしれない。
もっとも、そうなった頃にはタラオはキラの操り人形も同然になっているだろう。
キラはこうして第三の人生を歩み始めた。
「姉さん、さいきんタラちゃんの様子がおかしいと思うんだけど」
夕食が終わり。カツオは食器洗いを手伝わされていた。
「無駄口叩く暇があったらお皿を綺麗になさい」
サザエが注意した。フネは晩酌に付き合っており、台所には二人だけだった。
「姉さんは分からないの?」
「まあ、そういわれてみれば、たしかにちょっと気になるわね」
サザエは渋々といった感じで頷いた。
近頃のタラちゃんは妙に落ち着いてきたというか、たしかにおかしいのだ。
「今日だって、いつもなら喜んで飛び付くオヤツのケーキにもどこか冷めた感じでさ」
「そうねー。あんたはいつも通りハシャいでたのにね」
タラは怖ろしく綺麗にケーキを食べていた。
食べ終えた後のお皿やフォークは、まるで使用前のように輝いていた。
とても三歳児の食べっぷりとは思えなかった。
「なんか急に大人になったみたい」
「なんたってアタシの子だからね。天才なのよ」
「カエルの子はカエルって言葉は必ずしも当て嵌まらないみたいだね」
「ちょっとそれどーいう意味よカツオ!」
「はい洗い物終わりー」
手を泡だらけにさせたまま、ろくに洗わずにカツオは台所を飛び出していった。
「まったくもう、手ぐらい洗いなさいよね」
タラちゃんの落ち着きを見習って欲しいものねと、サザエは改めて我が子に思いを馳せた。
「今日もご苦労さまでした」
フネに酌をさせながら、ナミヘイが酒を飲んでいると、叫び声が聞えた。
「どうしたんでしょう」
叫び声は近く、明らかに隣の家からだった。
ガシャンガシャンとガラスが割れる音がし、はっきりとした悲鳴が聞えてきた。
「となりのイササカさんの家からですよ!」
ただ事ではないと、フネとナミヘイが立ち上がる。が、ナミヘイはほろ酔いだったため立ち眩みを起こした。
「め、面目ない」
「もう、しっかりしてくださいよ。ちょっとサザエ!警察に通報してちょうだい」
ナミヘイを介抱しながらフネが怒鳴る。
「わかったわ」
「ぼくが様子を見てくるよ」
カツオが興奮した面持ちで玄関に向かう。
「カツオ止めなさい! ちょっとアナタ!」
「わ、分かってるよ」
ゴルフクラブを手にしたマスオがあとに続いた。カツオと違って足が震えている。
まったく本当にイザとなったら弱いんだから。マスオの様子にサザエが人知れず嘆いた。
カツオがイササカ家の玄関前にくると、そこには凄惨な光景が広がっていた。
玄関扉が無残に破壊されていた。街灯の光に、四方八方に飛び散ったガラスが煌いている。
「ウキエさん!!」
真っ暗な家の中に足を踏み入れてすぐのところに、ウキエさんが倒れていた。
腕から血を流している。憧れのお姉さんの傷ついた姿に、カツオは怒りを覚える。
「大丈夫?」
傷は深くないようだ。
「すぐに救急車を呼ぶから」
引き返そうとするカツオの腕を、ウキエが掴んだ。
「待って、カツオ君。お願いだから行かないで」
ウキエは肉体的な傷以上におびえていた。兎に角誰でもいいからそばに居てもらいたかったのだ。
カツオは頼りにされた事を嬉しく思ったが、傷の手当てもしてあげたかった。
迷っているうちに、内股でなよなよとしたマスオが到着した。
「なにやってっんだよマスオさん!!」
そのあまりのヘタレっぷりにカツオが怒号を発する。
マスオがいい訳めいた事を口にしようとした時、家の奥ですごい物音がした。
「ひぃっ」
マスオが身体を縮める。
「そうだわ。まだお父さんたちが家の奥に」
立ち上がろうとするウキエを制して、カツオが云った。
「ぼくが見てくるから心配しないでウキエさん」
「き、危険だよカツオ君」
カツオはマスオを睨みつけると、マスオの貧弱な腕に抱かれたゴルフクラブを奪い取った。
「マスオさんはウキエさんをお願い」
カツオは暗闇に包まれた廊下の奥へと姿を消した。
家の奥にある書斎。ナンブツが強盗に背後から羽交い絞めにされ、包丁を突きつけられていた。
暗い室内で、ときおり輝く包丁が書斎の入り口に立つオカルには不気味でならなかった。
「お願いだから、やめてちょうだい」
オカルが必死に説得をする。
「いいから、お前は逃げなさい」
「オメーは黙ってろ」
ナンブツの額を、強盗が包丁の柄で殴りつける。既に何度か同じことをされていたのかナンブツの顔にはいくつものアザが出来ていた。
「コイツの命が惜しかったらさっさと金を出せ」
「いいから、こんな奴に金を出す必要はない」
「だからオメーは黙ってろっつってんだろーがよぉ!!」
何度も何度も、ナンブツの顔が殴られる光景に、オカルが思わず目を伏せた時だ。
「やめろー!」
ゴルフクラブを掲げたカツオが突撃した。
人質の命をかえりみない、浅はかな行為だった、しだが周囲が暗かったために、
カツオの接近がうまくカモフラージュされた。奇襲は成功したかにみえた。
しかし、そこは大人と子供。強盗は上から振り下ろされたゴルフクラブを
かるく受け流すと、カツオに強烈な蹴りを浴びせる。
「カツオちゃん!」
オカルが慌ててカツオの上に多いかぶさる。
「早く金だせってんだよ、クソババァ!!」
強盗の蹴りがオカルの脇腹を、頭を、背中を痛めつける。
―ふん、頭の悪い人間は犯罪をすべきではない。もっと静かに出来なかったのか
キラは強盗の質の低さに思わず呟いた。
その時、カツオを除いて、誰も暗闇に紛れて書斎に潜入したタラに気付いていなかった。
オカルの下で守られていたカツオだけが、冷静に周囲を観察できていたのだ。
間違いない。タラちゃんだ。暗闇で分かりにくいが、間違いなくタラちゃんがいる。
タラは悲鳴を上げないよう口を押さえてコソコソとしていた。
(本当にイササカのおじいちゃんを助けられるですか)
イクラは恐怖心に身を震わせながらも、心の中でキラに訊ねた。
―安心しろ。だからあと少し近付くのだ。
タラが本当に少しだけ、強盗に近付いた。
―このまま爆破して消すのは簡単だが、目立つ行動は控えねばならないな
キラークイーンがオカルを蹴っていた強盗の軸足を蹴る。
「え?」
そして、わけが分からず転倒する強盗の手からナイフを取上げて、さりげなく床に落とす。
何が何だか分からないが、拘束から逃れたナンブツがオカルのもとへ駆け寄る。
「待ちやがれ!」
しかし、起き上がろうとした強盗は、キラークイーンに後頭部を蹴飛ばされ気絶した。
―さあ。用は済んだ。見付らないうちに家に戻っておけ。玄関は通らず、庭から戻るんだぞ。
(分かったです)
タラが一目散に逃げていくのを、カツオが疑惑の目で見つめていた。
カツオにはキラークイーンの姿は見えなかった。
だが、タラ来てすぐに、強盗がなぜか倒れて昏倒したという事は分かった。
タラと強盗が倒されたのは偶然ではないのだ。
カツオの胸中にタラちゃんへの疑惑が瞬く間に膨らんだ。
遠くサイレンの音が近付いてきていた。
「ありがとう、カツオ君。すごく頼もしかったわよ」
ウキエの言葉にカツオが照れくさそうに頭をかいた。
「人として当然の事をしたまでだよ」
カツオは謙虚な言葉を言いながらも、満面の笑みを浮かべており、とても嬉しそうだ。
駆けつけた警察からカツオは、子供がでしゃばるんじゃないと怒られた。
そしてナミヘイ、サザエ、フネまでもがカツオを叱りつけた。
カツオ自身、危険なことをしてしまったという思いが強く、素直に叱責を受けた。
そんな中で、憧れのウキエさんにだけは褒められたのだ。カツオはとても嬉しかった。
強盗事件でゴタゴタしたイササカ家を、イソノ家が進んで手助けしている。
大きな怪我はなかったものの、大事をとって入院したナンブツ。
ナンブツに付き添うため、病院に通い詰めるオカル。彼女の代わりにと、
サザエとフネ、カツオが代わる代わるイササカ家の家事を手伝っていた。
今日は、下校してすぐに駆けつけたカツオが、荒らされたイササカ家の掃除を手伝っていた。
「それより、ウキエさんは大丈夫?」
ウキエは三角巾で腕を吊っている。
「ええ、大丈夫よ。こんな傷はやく治して、わたしも家の事を手伝わないと」
と云われたものの、治療前の傷を見ていたカツオには、とても大丈夫だとは思えなかった。
「そんな、ゆっくり休んでてよ。家のことならぼくや姉さんが頑張るからさ
姉さんなんて普段の二倍働けるんだから、いいダイエットになるって喜んでたよ」
勿論嘘であるが、ウキエを退屈させないようにカツオよく喋り、そしてよく働いた。
辺りが暗くなり始めた頃、ウキエはイソノ家に招かれ夕食を共にした。
途中、予備校から帰ったジンロクもイソノ家にきたが、オカルの夕食を持ってすぐに病院へ直行した。
「あれ、ウキエさん帰っちゃうの?」
夕食を終えて数分、帰り支度を始めたウキエを見てカツオが残念そうに云った。
「遠慮せず泊まっていって」
サザエが云う。
「そんな、そこまでしていただくわけには」
口ではそういったものの、ウキエは内心泊まっていきたかった。
病院へいったジンロクが帰宅するのは夜遅くになるだろう。それまで暗い家の中で待つのは辛かった。
大丈夫だとは分かっていても、また強盗がきたらどうしようと思わずにはいられない。
いままで、強盗なんてどこか別世界の存在だった。
それが急に身近に感じられるようになって、怖くてたまらなかった。
暗い家に一人でいれば、どうしても、事件のことばかり思い出してしまう。
「泊まっていきなさい。暗い家に一人で帰るのは辛かろう」
思いを見透かしたようなナミヘイの言葉に、ウキエは「ありがとうございます」と礼をした。
「じゃあ寝るまでの間、ぼくの宿題を手伝ってよ」
快諾したウキエと連れ立って、茶の間をあとにするカツオ。
「お兄ちゃんだけ、ずるーい。あたしも手伝ってー」
ワカメも、そのあとに続いた。
「遅くならないうちに寝るのよ」
どうせ勉強などほったらかして遊ぶに決まっている。サザエが三人の後姿に向かって釘を刺した。
引き戸が閉められ、茶の間には大人たちになった。タラは既に寝ている。
「それにしても大事に至らなくて本当によかった」
「そうですね」
ナミヘイの言葉に、フネが重々しく頷いた。
「アナタ、大活躍だったんですって」
サザエがマスオに酌をしながらいった。
「う、うんまぁね」
曖昧な笑みで誤魔化すようにマスオが答えた。
マスオは、強盗が入った夜の出来事が思い返した。
マスオは何とかウキエさんの前では堂々と振舞おうとしていた。
それでも足が震える。自分の姿は彼女の目にどう映っているのだろう。
そんな事ばかり気にしていた。これ以上、頼りない姿を見せたくない。
しかし、心の決意とは裏腹に身体は怯えきっていた。
マスオは意を決して云った。
「ちょっと様子を見てくるよ」
制止するウキエを無視して、暗い廊下のおくへマスオは進んだ。
これなら、いくらおびえていてもウキエには見えない。
奥の部屋にまで進まなければ、怖い思いをすることもないだろう。
ヘタレなマスオとって、これは名案の中の名案だった。
暗い廊下で縮こまっていたマスオのもとに、カツオがやってきたとき、
マスオは心底驚いた。悲鳴を上げなかったのが自分でも信じられない。
「マスオさん、いいところにいたね」
「な、なんだいカツオ君。もう終ったのかい?」
「いいマスオさん。警察が来たら、ぼくが言うとおりの証言をしてね」
ヘタレのマスオは、ただ黙ってカツオの言うことに従った。
かき忘れた。ジンロクは強盗の入った夜友人宅に外泊してました。
四部を読み直してたいが既に売ってしまっている。残念だ。
あとどうにかして、サザエにキンクリを結びつけたいけど難しい。
それにしても誰かおらんのか。
「カツオ君が一人で先走ってしまったときはどうしようかと思ったよ」
マスオは精一杯の演技をしながら云った。
「だからぼくは一度勝手口から外に出て、強盗がいた書斎に窓から偲びよったんだ」
「そこで窓を開けて、ゴルフクラブで強盗を殴り飛ばしたのね」
サザエがマスオの言葉を引き継いでいった。
満足そうに頷いたマスオだったが、身体中から冷や汗が溢れ出ていた。嘘発見器にかけられたら、一発でばれてしまいそうだ。
「さすがの強盗も、あんな場所から攻撃されるなんて予想できなかったみたいだね」
全部嘘っぱちだ。マスオがやったことといえば、廊下で人目につかないよう震えていたことだけ。
「近々、警察がマスオくんの勇気ある行動をたたえて、金一封が贈呈されるそうだよ」
家族の名誉に、ナミヘイがアルコールで頬を赤くしながら言った。
「ぼくには勿体無いです」
これは本当だった。一体なぜ、マスオが嘘の証言をしなければならなかったのか。マスオにはまったく分からなかった。
これ以上に不思議なのは、嘘の証言をまるで本当のようにみんな信じてしまったことだ。
現場にいなかった、ウキエさんやサザエらが信じるのは分かる。
しかし、警察や現場にいたはずのオカルさん、ナンブツまで信じたのだ。
これは絶対におかしい。本当は、現場でどんな事が起きたんだろう?
あとでカツオに聞いておこう。マスオは心のノートに書きとめた。
サザエは疑問に思った。一体どういう事なのか。たしかに、強盗は後頭部を殴られて気絶してたという。
だが、マスオは明らかに嘘をついてる。警察やみんなは誤魔化せても妻のサザエは誤魔化せない。
あの時、イササカ家にいたのはオカル、ナンブツ、ウキエ、マスオ、それにカツオだ。
ウキエ、ナンブツ、オカルら全員、マスオが活躍したものと思っている。
しかし話しを聞けば、直接マスオの姿を見たというのはカツオだけなのだ。
オカルはカツオを守って地面に伏せていた。ナンブツは殴られすぎたせいで眩暈がして、周囲に目を配る余裕がなかったという。
ウキエは玄関にいた。つまりこの三人がマスオの活躍を見ていない事は疑いようもない事実。
もとより、心の底からマスオさんに感謝していたようだ。嘘をついていたとも、その必要も考えられない。
三人は紛れもなくマスオさんが活躍したと信じきっている。
カツオはどういうつもりなのか?
あの目立ちたがり屋が自分で強盗を撃退したのなら、本当の事をいうはずだ。
なにもマスオがやった事にする必要がない。
考えるサザエの脳裏に、一つの可能性が浮かび上がった。
あの現場には、五人のほかにもう一人、本当に強盗を撃退した人物がいるたのではないのか。
そして、その誰かをカツオが隠蔽した。臆病なマスオは、カツオに言われるまま従ったに違いない。
一体その謎の人物はとは誰なのか? あとでカツオに詳しく事情を聞く必要がある。
今日はもう遅い。明日、チャンスを見つけて聞き出そう。サザエは心に留めた。
自分の本性を隠し通して生活するのは不可能だ。
幽霊になったいまも、キラは爪が伸び続けるのを感じていた。
切断したはずの足に誰かが触れているような、本当に伸びているわけではないのだが。
伸びているのでは? そう意識するだけで充分だった。
爪が伸びる時期は気持ちが抑えきれない。だれかに本性を打ち明けたい。
打ち明ける相手として、あのウキエという小娘が相応しい。
キラは周囲を見渡した。サザエ、マスオ、タラオが寝息をたてて横になっている。
時計の針は深夜三時を示していた。
―キラークイーン
控えめなキラの掛け声と共にキラークイーンが現れ、慎重にタラオを抱き起こした。
音を立てないよう注意を払いながら戸を開け、ウキエが寝ている客間へと向かう。
静寂が実に気持ちいい。キラは早くも勃起していた。
客間に辿りつくと、ウキエが寝ていた。寝癖がよく、布団に乱れがない。
―寝ているというのに几帳面な娘だ。その几帳面さでわたしの爪を切ってもらいたい
しかし、ウキエにキラの声は届かない。触れる事すら出来ない。
―忌々しい不自由さだ
殺人鬼キラが本性を告白しようとしても、何一つこの小娘、ウキエには伝わらないのだ。
キラはタラオに目をやると、キラークイーンを通じて、タラオの手を動かし、ウキエの咽喉にかけた。
―スタンドとは実に便利なものだ
キラークイーンがタラオの指を一本一本動かして、ウキエの首に巻きつける。
準備が終わり、あとは押さえつけるだけ。タラオの手を通じてウキエの柔肌の感触が伝わっている。
その手でキラはペニスを取り出すとシゴいた。
―こういう楽しみ方も、あるわけか
首を絞めながら、その手触りのままする手淫の甘美さにキラは酔った。
このまま首を絞めよう。女の命が途切れると共に、キラの欲望は一時的に解消される。
そうすれば、また暫くは我慢できるだろう。
キラがキラークイーンに命令を下そうとした瞬間、肉欲にただれた意識の片隅で、ある危機感がキラを襲った。
―誰かが見ている!
戸惑ったキラは思わず身体(スタンド)を硬直させる。
キラは周りを見渡した。確かに視線を感じたが、その主の気配は感じられない。
―咄嗟に隠れたのか
姿は見えないが、キラには犯人が分かっていた。イソノカツオ。イソノ家の長男だ。
キラークイーンが倒した強盗の件を、マスオのてがらに変えた小僧。
キラとしては正体が隠されたのだから都合がよかったのだが。
問題がある。カツオがマスオに嘘をつかせた真意だ。
恐らくは、あの現場に潜んでいたタラオの姿を目撃したのだろう。
スタンドの概念は知らずとも、タラオが何かをしたという事に気がついたはず。
カツオが何を思って、あの現場にタラオがいた事を隠したのかは、いまは分からない。
理由によっては、殺さなくてはならない。場合によってはいますぐに。
どちらにせよ、いまウキエを殺すのは危険だ。
以前のように、ビデオカメラに収められたら身動きが出来なくなる。
いま、タラオがウキエの首を絞めようとしている姿でさえ危険なのだ。
これでウキエが死亡すれば、カツオの疑いは間違いなくタラオにかかる。
ビデオカメラに収められていたら、タラオは精神鑑定を受け、場合によっては病院へ送られる。
もしそうなったなら、キラがタラオを通して殺人を犯す機会が絶望的に減少する。
―いまは、我慢するのだ。
キラークイーンがウキエの首にかかった指を外し、タラオの身体を持ち上げた。
やはり、自宅は危険だった。しかし、タラオの行動範囲は狭く、中々標的を見つけられない。
キラは川尻として生活していたとき以上の息苦しさを感じていた。
カツオがその光景を目撃したのは偶然だった。
深夜、トイレに起きたカツオは、ほんの出来心から客間をのぞいた。
ウキエの寝顔を見ようと思ったのだ。しかし、目にした光景は全く別のものだった。
客間には、予想したとおりウキエが寝ていた。しかし、室内には彼女一人ではなかった。
タラがいたのだ。しかも、タラはウキエの首を絞めていた。
カツオは言葉を失った。すぐに踏み込んで、タラを殴ってでもウキエさんから離したかった。
しかし冷静沈着なカツオは踏みとどまった。否、踏み止めさせられた。誰かに見られたような、そんな感じがしたのだ。
慌てて身を隠したが、見られた感覚が強く残り、心臓が締め付けられているかのような息苦しさがあった。
だがカツオは逃げなかった。また暫くして部屋を覗いた。
そして、続く光景にまたしてもカツオは言葉を失った。
タラの身体が自然と浮き上がり、まるで透明人間に運ばれているかのように部屋を出ていくのだ。
タラの身にいったい何が起きたというのか。強盗が何もされていないのに、いきなり倒れて気絶したときも、タラがいた。
超能力とか、そういったものなのだろうか。
強盗を倒した人間をマスオにしたのは、カツオにとって一種の安全策だった。
強盗のいる書斎にタラが踏み込んだのを確認した瞬間から、カツオはタラの日頃の変化と照らし合わせていた。
その結果、タラは正気ではないとの結論に至った。もし家族の誰かも気がついたら?
危険があるとは言い切れないが、ないとも言い切れない。変に刺激しては不味いと思った。
だからタラがいた事を隠し、マスオの手柄とした。計画通り、一家はもちろん、警察も騙せた。
そして、いま、タラがウキエにした事を見て確信した。やはり隠して良かった。
いまのタラは悪霊に取り付かれている。その悪霊は危険だ。良い事もするが、害も及ぼしかねない。
家族みんなが気がつく前に、何とかできるのだろうか。
カツオは見えない悪霊の恐怖に蝕まれ、その夜は熟睡することが出来なかった。
台所。
「母さん。カツオの姿が見えないようだけど」
朝食の準備をする最中、サザエがフネに聞く。
ワカメを起こしに言ったとき、既にカツオの布団は畳まれていた。
「ああ、カツオなら今朝早くに出かけましたよ」
「飼育係を任されているとか」
早くに目覚め、朝食の準備を手伝っているウキエが言った。
「まったく、朝ごはんくら食べていけばいいのに」
呆れたように言ったサザエだったが、カツオのクラスは何も飼育していなかったはずと計算されていた。
「あら」
フネが驚きの声をあげた。
「どうかしたの?」
「ほら、これ」
フネが差し出したのは、カツオのご飯茶碗だった。それが、真っ二つに割れている。
「何だか不吉ですね」
ウキエの言葉が終るや否や、マスオが台所に飛び込んできた。
「どうしんだいマスオさん。そんなに慌てて」
「タ、タラちゃんがいないんだ!」
カツオは早朝に登校していた。まだ殆どの先生も来ていないほど朝早くに。
家には、居たくなかった。もし昨夜、除き見たことがバレていたら?
見られていたことに気がついた悪霊が、カツオの口を塞ぎにくるかもしれない。
きっと事故死を装って殺されるんだ。強迫観念的にカツオはそう考えていた。
もしばれていたなら、人がいない教室が好ましい。
不幸なことに、この懸念は完璧に的中していた。
ガラガラっと、教室の扉が開く。カツオは一瞬、透明人間が現れたのかと錯覚した。
カツオが座っていた席からは、視界の下が並ぶ机に遮られていたからだ。
「カツオ兄ちゃん」
やがて、カツオの座る位置から甥の姿が見えるようになった。
「タ、タラちゃん」
椅子から腰を浮かし、ランドセルの中に手を突っ込むカツオ。
机が並んで出来た列の合い間を、タラがカツオに向かって歩いていく。
静まり返った教室で、カツオとタラの距離が縮まっていく。
「カツオ兄ちゃんは悪霊にとりつかれてるです。だからぼくが治してあげるです」
カツオは重圧なプレッシャーを感じた。タラが歩いてくるたびに、それが高まる。
「タラちゃん、ぼくに悪霊なんかとりついてないよ」
とりつかれているのは、タラちゃんのほうじゃないか。カツオは咽喉まででかかった言葉を、押しとめた。
「おかしいよ、タラちゃん。どうしてぼくに悪霊がとりついてるなんて思ったんだい?」
「天使が言ったです」
タラの足が止まり、誰かの指示を仰ぐように上を向いた。
カツオはそのスキにランドセルの中にあったコンパスを硬く握りしめる。
「強盗を撃退したのもぼくの天使です。お兄ちゃんの悪霊も、きっと撃退してくれるです」
「いいやちがうね。悪霊にとりつかれているのは、タラちゃんのほうさ!」
カツオは床を蹴って机の上に飛び乗りながら、座っていた椅子をタラに投げ付ける。
「うわぁ!」
タラが向かってくる椅子を見てしゃがみ込み、悲鳴をあげる
椅子がタラにぶつかるより早く、カツオが机の上からジャンプしタラに襲い掛かる。
「正気に返るんだタラちゃん!」
椅子がタラにぶつかる刹那、ピタァと椅子が空中に停止する。そして、まるで映像が逆再生されたように、次の瞬間にはカツオに向かって飛んでいく。
「逃げちゃだめですよ、カツオ兄ちゃん」
「くそぉ!」
カツオは精一杯伸ばした指先、前の机の椅子を手に取る。身体を捻りながら腕を巻き込むように回転させ、向かってくる椅子を、手にした椅子で迎撃する。
「うわぁ!!」
迎撃する寸前、椅子が爆発し、爆風に身を焦しながらカツオは教室の隅へ吹っ飛んだ。
「逃げちゃだめっていったですよ」
タラの暢気な声が、掃除用具をしまうロッカーの下敷きになって倒れるカツオに耳に届く。
「ば、爆発した!?」
力づくで取り押さえようと画策したカツオだったが、予想外のことに頭が混乱した。
なぜ椅子が爆発したのか? 爆薬の類いは見られなかった。自然発火とか、そういう感じだ。
立ち上がろうとして、カツオは激しい痛みを右腕に感じた。見てみれば、皮膚がただれて引きつっている。頭や顔にも、小さな火傷が沢山出来ていた。
たしか、火傷には度合があって、ある程度以上の火傷は治らない。
見たところ、一番重症の右腕の火傷はそれほど酷くみえない。いままだ、痛いだけで大丈夫だ。
「カツオ兄ちゃん、今度は動いちゃだめですよ」
悠然と近付いてくるタラ。
力を振り絞り立ち上がったカツオの双眸には、底知れぬ決意が漲っていた。
―小僧が。一撃目はうまく避けたようだが、次は確実に爆破する
タラオが少しずつ、カツオへの距離を縮めていく。
気がついていないようだったら、放っておく心算だった。しかし、タラオの姿を見た瞬間の、カツオの対応の仕方。
間違いなくタラオに不信感を持っていた。
キラは教室の壁にかかっている時計に目をやった。
―タラオが誰にも見付らず学校を去れるまでにはあまり時間がない。時間をかけすぎては、登校する生徒や職員が増加し、見付る危険性が高くなる
感づかれた事がはっきりとし、力尽くで説得しようとするほどの、敵対心もある。
逃しはしない。カツオは、ここで爆破消滅させる。家族は失踪と思いこむだろう。条太郎たちの耳に届かないとは言い切れない。
だが、子供の失踪事件などいくらでも起きている。このキラに結びつける可能性は低いはず。
タラオがまだいう事を素直に聞くいま、不穏分子の廃除は完了させる。
(本当にカツオ兄ちゃんを治してくれるですか)
タラオが心の声でキラに話しかける。
―そうだ。イササカ夫婦を助けたように、カツオも必ず助けるよ。だから、もっと近付け。確実にやる
くそ、このキラヨシカゲが、子供に気を使わねばならないとは…
タラがキョトンとして上を向い固まっている。
カツオにはキラとタラのすれ違いが分からない。だが、一瞬のスキは見逃さなかった。
「悪霊、お前の力は遠くまで作用しないんだろう! タラちゃんごめん!!」
カツオが床に転がっていた箒の柄でタラちゃんを思いっきり突いた。
「ウゲェ!」
突き飛ばされたタラの頭が机の角にぶつかり、タラが大声で泣き喚き始めた。
「悪霊! 必ずお前を倒し、タラちゃんを助け出してやる!!」
カツオが教室の出口へ向かって走り出した。
―くそったれがッ!
カツオがタラオのいる位置を避けるようにして逃げていく。その先には、教室の出口がある。
タラオは泣き喚くばかりで、泣き止ませることは出来ても、その頃にはカツオは安全圏へ逃亡しているだろう。
―第二の爆弾を発射するか。だが安全にカツオだけを爆破して帰ってくる確率は低い。
―しかし、ここでカツオを取り逃がす危険性に比べれば……仕方がない。シアーハートアタック!
机の脚を縫って発射された爆弾戦車が突き進む。カツオは走るたびに右腕が痛むのか、つんのめるようにして走っている。
当然、カツオにその追撃する姿は見えない。だが、何かが追ってくるそんな予感がした。
小型犬が走っているように、机の脚が次々と震えたり、埃が舞っていたから、感じたのかもしれない。
ジョジョに追いつかれ、カツオが教室を飛び出す瞬間、爆弾戦車もまたその足元にせまっていた。
振り上げた踵に何かがぶつかり、カツオは前のめりに倒れこんだ。何かがいる。危険な何かが。
カツオは急いで起き上がると、直感で教室の扉を閉めていた。
爆発するほどカツオの体温を感知しきれなかった爆弾戦車は、閉められた扉に衝突してそれ以上の追撃が困難になった。
―狙った獲物は絶対にし止める。
首筋を打って気絶させたタラオを抱えたキラークイーンが、教室の扉を開ける。
障害物がなくなり、進路が確保されたキラークイーンが追撃を開始した。
(わかったです)
「カツオ兄ちゃん、もうすぐ治してあげるですよ」
「タラちゃんは騙されている」
ふらふらと足元が覚束ないカツオ。足元には扉の開いた掃除用具を収納しているロッカーが倒れている。
「え?」
カツオの言葉にタラオが足を止めた。
―ん、わずかに射程距離外だ。
―タラオ、もっと前へ。カツオに近付け
「ぼくが騙されているですか?」
―タラオ! 近付けといっているだろう!
キラの大声に、タラが身体を震わせ、キラを見上げた。その目には涙が滲んでいた。
―タ、タラオ!?
不味いここは謝るのだ。タラオの機嫌をとれ。
カツオは夢中で階段を駆け下りていた。
どうすれば悪霊の正体がつかめるのか?
どしたらタラから悪霊を取り除く事ができるのか?
カツオ一人の力ではどちらの願いも叶わない。だれか手助けしてくれる人物を探さなければならない。
だが、そんな人がどこにいるというのか。
甥っ子が悪霊にとり付かれているんです、何とかしてくれませんか?
こんな願いを叶えてくれる人物なんて存在するとは思えない。
一階に到着し、昇降口を目指して走り出す。ちらりと後方を振り返ると、昨夜見たように、タラオがまるで誰かに抱えられるかのように、宙に浮いて階段を下りていた。
まずは、あいつから逃げなければならない。この事を、サザエに知らせるのだ。
頭の硬いナンブツやフネは駄目だ。マスオはヘタレ、ワカメのような子供は話しにならない。
サザエに事情を説明して、一家を救う打開策を練るんだ。
朝、家を出る前にサザエが隠している御菓子の袋の中に、手紙を隠しておいた。そこには昨夜見たこと、強盗事件の時にタラがいたこと。カツオの推測などすべて書かれている。
いま、ここで悪霊にカツオが殺されても、いずれサザエがタラの異変に気がつく。
その時に、カツオがいなくなっていれば、さらにそれが疑いようのない証拠になる。
ここで死んだとしても、それは無駄ではないのだ。
もう少しで昇降口にたどり着く、その時、事務室のドアが開きカツオのクラス担任が出てきた。
ちょうど二人はぶつかり、その場に転ぶ。
相手の確認もせずに、カツオはすぐさま立ち上がり駆け出した。
「おい磯野? どうしたんだ急いで。こんなに早く学校にいるとは珍しいな」
声で、担任だと気がついた。慌てて走りながらも振り返り、警告を発する。
「先生、すぐ逃げて!」
「ん?」
不思議そうに首をかしげた担任が声を発しようと口を開いた瞬間、カチッっという音が聞えた。そんな気がした。
カツオは何かの光を感じ目を閉じる。瞼を上げたとき、事務室の前に生きた担任の姿はなかった。
ただ、爆弾が爆発したかのような跡が残っているだけだった。
窓ガラスが割れて散乱し、壁やドアが折れ曲がり、亀裂が入り、燃えている。一部の床が焦げて炭になっていた。先生は、見る影もない。
「先生ーーッッ!!」
引き返したかったが、前へ進む。先生は死んだ。戻っても無駄だ。
カツオは涙を拭いながら校庭へ出た。爆死した先生の近くに、タラの姿はなかった。
悪霊はタラから離れられないと思っていたが違うのか。
いや、やはり離れられないはずだ。悪霊が離れれるなら、タラに取り付いている意味が分からない。勝手にどこへなり行けばいいのだ。
離れられないから、悪霊はタラを騙して一緒にいる。そして悪霊の存在に感づいたカツオを殺そうとした。
まてよ、それじゃあなぜ先生が狙われたんだ。
考えながら走っているカツオは、前から歩いてくる女性徒に気がつかなかった。
またしても二人がぶつかり、尻餅をつく。今度もカツオは、相手を確認することなく走り出した。
「ちょっと痛いじゃない磯野くん!」
慌てて振り返るカツオ。ぶつかった相手は、クラスメートのカオリだった。
「カオリちゃん!!」
先ほどの光景が、カツオの脳裏に思い描かれる。悪い予感が的中した。
名前を大声で呼ばれたカオリがキョトンとした直後、カオリの身体が爆発した。
爆音が轟き、火柱があがった。カオリの手が足が千切れて燃えながら爆発、飛散した。
「カオリちゃーーーんッッッ!!!!」
カツオは呆然としてその光景を仰視していた。すぐに動き出さなかったこと、それがカツオに謎を解明する手掛かりを与えた。
視界の下、地面に妙な線が見える。
見えないラジコンカーが走っているかのように、砂の地面にタイヤの跡のようなものが生まれ、それがカツオに向かって伸び続けている。
カツオは溢れ出る涙を堪えながら覚った、やはり何かに追われていたのだ。そして、そいつは人がいれば構わず爆発する。
そいつは大きくなくて、地面を走って追ってくる。姿は見えないが、タイヤのようなものが走った跡だけが見える。
カツオは校門に向かって走っていたが、敷地から出る直前で曲がり校庭を回るように走った。
このまま学校を出れば、一般人と沢山すれ違うだろう。
カツオが逃げ続ける限り、その人たちが死んでいく。もう、目の前で誰も死んで欲しくない。
かといって、このまま校庭に留まっていたら、登校する生徒が多くなり、被害者が増加することになる。
カツオが死ぬしかないのか。だが、ここでカツオが死ねば、先生やカオリの爆死が無駄になる気がした。
二人がいたから、カツオは追撃する『そいつ』に気がつけた。死んだ二人がカツオに逃げろといっている気がした。
カツオが案を模索している間も、登校する生徒が増え始め、幾人かがカオリが爆死した現場を不思議そうに見ている。
校内からも、事務職員が出て様子をうかがっている。
限界だった。これ以上学校に留まることは出来ない。
いい案が浮ばず絶望の淵に立たされたカツオに、ある聞きなれた音が聞えた。
遠くからどんどんとその音が近付いてくる。気のせいかもしれない。本当はそんな音、聞えないのかも。
カツオは校門付近に人がいないこと、そこまでの直線的な道のりに誰もいない事を確認すると全速力で駆け出した。
気のせいでも、僅かでも感じられる可能性にカツオは賭けた。
校門を抜けて左右を見渡す。右の道路から、カツオの求めていたものが近付いてくる。
「ミカワ屋さん、そのまま走って!」
「か、カツオくん!?」
たまたま校門前を通り掛った、ミカワ屋が運転するスクーターに、カツオが飛び乗る。
「止まらないで走って!」
追ってくる『そいつ』の動きは速くない。カツオが走る速度と同じぐらいだ。もしもっと速いなら、カツオは追いつかれていたはずだ。
スクーターに乗ったカツオに『そいつ』はおいつけない。
学校が見る見る小さくなる。
「良かった、ミカワ屋さんが偶然通ってくれて」
「実は偶然じゃないんだ。いや、そんなことより、もうこんな無茶はやめてくれよ」
「ごめん。訳はあとで説明するからさ。ミカワ屋さんの運転技術を信頼してなかったら出来なかったよ」
「そりゃ毎日乗ってれば上手くなるよ。それより、タラちゃんが行方不明になったんだ
カツオくん、何か知らないかい?」
「みんな探してるの?」
「そうだよ。ぼくが手伝えるのは、営業時間が始るまでだけど」
「じゃあそれまでに姉さんのところまでぼくを届けてよ」
よく分からないミカワ屋だが、家族で思うところがあるのかもしれない。
「了解〜」
そう思い素直に指示に従った。
前を向いて安全運転していたミカワ屋は、カツオの怪我に気がつかなかった。気付いていたら、病院へ直行していただろう。
―シアーハートアタックに弱点はない…と思っていたのだが……
気絶したタラオを茂みに隠しながら、キラは校庭を見ていた。
二回爆発し、二人の人間を殺した。どちらも、カツオではない。
シアーハートアタックは戻させた。時速数十キロで逃げる標的の追撃は時間がかかりすぎる。
カツオは偶然通り掛った知り合いのスクーターに飛び乗り、危機を脱した。
信じられない強運だ。
―尊敬するよ。イソノカツオ。お前はまんまと逃げ出して、この私は『奴ら』に私がここにいる手掛かりを与えてしまった
今日の爆発は事件になる。新聞や地元テレビなどメディアが取りあげる。
そのニュースは、モリオウ町にも届くだろう。
原因不明の不審な爆発事故。奴らが疑いをもつには充分だ。ジョウタロウが、いや、まず調査にくるとしれば漫画家のキシベロハンか。
奴らの認識では、既にキラヨシカゲは事故死している。死人が幽霊になって生き延びているなど、想像の範囲外であるはず。
調査など続行していはいないと思うのだが。万が一やってきたならば…
―タラオを盾にとり、今度こそパイツァダストを発動させてみせる。
―だが、当面の問題はイソノカツオだな
校庭に人だかりが形成され始めている。そんな最中、
キラークイーンに運ばれて学校の敷地外へを避難するタラオの姿を目撃したものはいなかった。
イソノ家、玄関前。
「カツオくん着いたよ。カツオくん?」
スクーターから降りたミカワ屋は、カツオの姿を見て驚いた。
あちこちに火傷があり、血も流れている。得に酷いのが右腕だ。肉が焼けて大部分が変色している。
どうみたって重症だった。
「カツオくん!」
「う、うん。もう着いたの…」
よろよろと、カツオがスクーターから降りた。ミカワ屋が手を貸す。
「カツオ!」
玄関から出てきたサザエが、弟の惨状を目の当たりにして悲鳴をあげた。
「すぐに救急車を呼ぶわ」
待って姉さん。そういって手を伸ばしたつもりだった。しかし、現実には前のめりに身体が倒れこんでいた。息苦しく、身体中が気だるかった。
ミカワ屋が倒れそうなカツオを支えている。
救急車が到着し、サザエが付き添った。
ベッドに寝かされたカツオに、速やかに応急処置がなされていく。
「ね、姉さん」
「カツオ!」
無事なほうの手を、サザエが強く握り締めた。
「お、御菓子の、袋、タラは、き、危険だ」
それだけ言い終えると、カツオは気を失った。
その頃、かもめ第三小学校の校門前の道路を二人の外国人が歩いていた。
「何かの騒ぎみたいですね。ちょっと通行人に聞いてみましょうか?」
裸の上にネクタイと、穴の空いたスーツを着た若者が訊いた。
「必要ないだろ」
長髪を何本かの房にしてリングで纏めている、もう一人の男が答えた。
「でも、どうも様子がおかしい。どうも気になるのでちょっと訊ねてきます」
「おい!」
制止するも、無視された。最初から聞くつもりだったらしい。
登校途中の学生数人から話しを聞きいて戻ってきた所に、男は強い口調で言う。
「お前、名前なんていったっけ?」
「フーゴです。イルーゾォさん」
あー面倒なことしたフーゴいらねーよ。
つかサザエさんから離れてくorz
>>537 面白いよ。面白いけど「フーゴ」って何なの?
余計なお世話だけど、これだけ書けるんだから
オリジナルなのも書いてるんでしょ? じゃないと
もったいないよ。
540 :
538:2005/05/02(月) 20:28:25
>>539 ご説明ありがとう。「ジョジョの奇妙な冒険」だっけ?
ジャンプはほとんど読んでないから分からないけど。
それとリンクさせてるってワケね。
オリジナルのほうもガンガって!
>>540 ジョジョを知らずに面白いとかいってたのか。
お前、面白いな。
>>541 「遊星からの物体X」のテイストで読んでいたから、
十二分に楽しめる。
マスオさんのダメっぷりが上手いYO!
「いいかフーゴ、俺はお前の能力を知らなーし、お前も俺の能力を知らねー。だがな、はっきりしてる事が一つある。
お前のスタンド能力は関係ない。俺のスタンドを見た瞬間に、お前は終る」
「何が言いたいんですか」
フーゴの投げやりな言葉に、イルーゾォの表情が怒りに歪んだ。
「いいか!」
言葉よりも手が先に出て、襟首を閉めて民家の塀に押し付ける。
「上下関係ってやつはキチッとしとかねーといけねー。俺が必要ないといったら必要ないんだ。いいか命令するのはこの俺だ。立場は俺のほうが上なんだよ。今後刃向かうなら、腕の一本は覚悟しておけッ!」
何をもって上とするのか。組織に入団してからの年数か。所属チームか。スタンドの能力か。
言い返せばイルーゾォはスタンド攻撃を仕掛けてくるのだろうか。フーゴは確かに彼の能力を知らない。だが、ハープル・ヘイズを喰らって生きていた生物はいない。
ボスが何を思ってフーゴとイルーゾォを組ませたのか疑問だ。だが、それなりの理由があるのだろう。
イルーゾォを内心で見下しながらも、すいませんでした、とフーゴは頭を下げた。任務遂行は優先すべきだ。到着早々に揉め事を起こしては制裁が下る。
もし仮に今回の任務で、戦闘になるような事があれば、イルーゾォも巻き添えに始末しよう。フーゴは内心でそう決定した。
「さっさと行くぞ」
「はい」
地図を片手に歩き出すフーゴ。その後ろにイルーゾォが続く。
二人が所属するイタリア有数のギャング組織『パッショーネ』。その頂点に君臨するボスの命令で、四人のスタンド使いが日本へ派遣された。
任務内容はフグタサザエという旅行客が盗んだ『矢』を奪還することだった。
事の始まりはささいな事だった。ある農村に裏切ものが矢を持って身を隠している。そんなニュースが舞い込み、ボスは当然の如く始末を命じた。
農村に近い町を仕切るチームがその任務にあたった。情報によれば裏切者は再起不能なほどに傷ついているらしい。
難なく片付くはずだった。しかし、詳細は不明だが不慮の事故ともいうべき事態が発生し、チームは一人を残して全滅した。
生き残った一人も瀕死の状態で発見され、現場に観光客がいてそいつが矢を……といった曖昧な証言を残して死亡した。
そこで、あるスタンド使いで固められたチームが調査にあたり、生き残りが証言した観光客が、どうも矢を持ち逃げ下らしい事がわかった。
裏切者がなにを思い矢を所有していたのか、それは最後まで分からなかった。
矢がどういったものであるか、組織のメンバーなら多くのものが身をもって知っている。
同時期に、またも不慮の事故がおき、一人の幹部が死亡し、組織が所有していた唯一の矢が使い物にならなくなる。
たまたま農村では、整備点検のために停車していた観光バスがあった。パッショーネの組織力をもってすれば、矢を持ち去った観光客の素性を探るのは難しい事ではなかった。
組織にとって矢は必要不可欠であるが、矢はこの世に六本しか存在していない。。一本が破損し、残りは五本。そのうちの行方の分かっている一本が日本にある。
必ずや矢を奪って持ち帰れ。ボスの厳命を受けて二人は派遣されていた。
「つきましたよ。フグタサザエ。彼女はここに住んでいます」
フーゴが表札を読みながらいった。
「俺が先行して矢を見つけ次第、戻ってくる。フーゴ、お前はここで他の住人をひきつけておけ」
「わかりました」
イルーゾォという男。よほど盗みに自身があるのだろうか。いや、人から身を隠せるような、スタンド能力と考えるのが自然だろう。
玄関には向かわず、ずかずかと庭に入り込んでいく。フーゴはそれを見届けると、家のチャイムを押した。
物腰や態度からイルーゾォを舐めていたが、少しは使えるのかもしれない。フーゴは多少彼を見直した。
カツオが救急車で運ばれた。そんな衝撃的なニュースが、タラを探しつかれて戻ってきた面々を出迎えた。
さらに戻ってきてみれば、何時の間にかタラが寝室で寝ている。
みなが首をかしげたが、一まず落ち着くことにした。ワカメは学校に行き、マスオとナミヘイは出社した。サザエはカツオに付き添って病院に向かっていた。
タラを除けば、家にはフネが一人で残っていた。
起きる気配のないタラは寝かしておき、洗濯に取り掛かってすぐ、家のチャイムがならされる。
「はい、いまいきます」
フネが玄関扉を開けると、外国人の青年が立っていた。
「こんにちわ」
客の第一声に、慌ててうろ覚えの英会話を引っ張り出そうと、混乱したフネは呆気にとられた。
「日本がお上手ですね」
日本語が喋れるということを知り、安心したフネがいった。
チャイムの音に、キラが敏感に反応していた。
学校から戻り、寝かしつけたタラオはいまだ目覚めていなかった。
目覚めたときにどう説き伏せるか考えていたが、不穏な空気を感じ、チャイムを鳴らした人物が気になった。
イソノ家は来客が少なくないが、多くもない。タラの体を少し移動させ、客人の様子をうかがっておこう。
そうキラが考えたとき、奇妙な事がおこった。
窓の鍵が一人でに開き、ガラガラと音をたてガラス窓が開かれた。そして、まるで誰かが忍び込んできたように、カーテンがフワリと盛り上がるが、人影はなく、誰の姿もない。
―なにかが、起きている……?
混乱するキラの目の前で、次々と異変がおき続ける。タンスが一段一段、一人でに引かれ、中身が物色される。椅子が引かれ机の下が調べられたり、そこら中の引き出しや箱が開けられては閉められる。
明らかにスタンド使いの仕業だが、その像が見えない。
―姿を消す、能力か? わたし自身の姿は、見ていないようだな。
キラには侵入者の能力のほかに、もう一つ気になる事があった。
いま部屋に侵入した奴の目的だ。フネと客人との会話がわずかに聞えてきている。タイミングからこの侵入者と、チャイムを鳴らした人物は仲間だと考えるのが自然だ。
物色の仕方から、金が目的ではないことがわかる。金目のものは一切スルーしていた。探し物は、ほかにあるのだろう。
では、姿が見えないスタンド使いは、いったい何を探しているのか? そして、侵入者はキラの存在を感知しているのか?
見極めなければならない。
―キラークイーンッ!
キラークイーンが床に転がっていたビー球をつまんで宙に放った。
侵入者はタラオが寝ている布団には背を向けて、机の部屋の隅を調べていた。おそらくキラークイーンの姿は見られなかったはず。
宙に放ったビー球が、コトッと音ほたてて落下した。同時に、開閉されようとしていた箱の動きも止まる。
―気がついたな
キラの口角がつりあがった。
イルーゾォはビクッとして振り返った。
鏡の中の世界から、まず目に付いた部屋に侵入した。部屋の中では子供が一人寝ているだけだった。
すぐにマン・イン・ザ・ミラーに部屋を物色させた。あと少しで終わりだというところで、物音がしたのだった。
「ガラス玉?」
床を転がっているのは、何の変哲もない小さなガラス玉だ。問題は、なぜ転がっているかだった。
慌ててイルーゾォは鏡ごしに室内を見るが、スタンド像は愚か、子供以外の人影すらない。部屋は狭く、もし誰かが隠れていたなら、物色している時点で見つけていた。
盗まれたのは矢だ。観光客やその家族がスタンド使いになっている可能性は高い。
「おかしなところなど見られない。どこにでもある、ごく普通のガラス玉だとしか思えない」
念のため、子供が本当に寝ているのか確認した。
「驚かせやがって」
どうせタンスの上からでも落ち音がしたのだろう。びびった自分が情けなくなり、思わずイルーゾォはガラス玉を指で弾いていた。
その瞬間、もの凄い衝撃がイルーゾォを襲った、かのように感じられた。
「なんだぁ!?」
慌てて手の平や腕、胴体、自分の体が無傷か確認するイルーゾォ。
「いま感じた衝撃はいったい?」
身体の内部からバラバラに爆発させられたかのような衝撃をイルーゾォは感じた。
全身はじけとび、木っ端微塵に爆破消滅した自分のイメージが脳裏に思い描いてしまったほど、生生しい感触を伴った衝撃だ。
コロコロと転がっていくガラス玉に、以前として変化はない。
「信じられないが、俺は無傷だ。対象を爆弾にし、それに触れた物は爆殺されるっていうか、それに近いスタンド能力ッ!!
もし、俺が鏡の世界からではなく、外の世界で直接ガラス玉に触れていたなら……ゾッとするぜ。間違いねぇ、スタンド使いがいやがる。
だが、この室内にはガキを除いてだれもいねー。ってことはだ、必然的にスタンド使いはガキってことになるなァッ!
ガキのスタンドは入ることを『許可』しない。本体だけをを引きずり込め、マン・イン・ザ・ミラーッ!」
マン・イン・ザ・ミラーがタラオを鏡の世界に引きずり込む。直接触れても、やはりタラオは眠ったままだ。起きるそぶりがない。
「本体の意識に関係なく自動的に発動したのか……。ま、関係ないか。お前はもう二度と目覚めないッ!」
鏡の破片がタラオの咽喉に突きつけられた刹那、何者かがマン・イン・ザ・ミラーの腕を掴んだ。
「なっ!?」
突然の事態に驚くだけのイルーゾォをキラークイーンが殴り飛ばす。
身体が部屋の隅に置かれていた化粧台に激突し、割れた三面鏡の破片が飛び散るなか、イルーゾォの身体がドサッと床に倒れこんだ。
緩慢な動作で頭を上げると、タラオが倒れているすぐそばに、キラークイーンが立っていた。もっとも、イルーゾォはその正体を知らないが。
「バカなっ!?」
スタンドは一人一体のはず。鏡ごしに外の世界を見る。ガキが寝ていた場所には、奇妙な形状をしたスタンドが居る。
間違いなく、ガキのスタンドは外の世界においてきたはず、それなのになぜ!?
「裏返しの世界、鏡の中のというわけか。不思議な能力だ。君が誰なのか、すごく興味がある」
声だけがした。
「誰だッ!」
周囲を見回すが、やはり誰一人としていない。ガキは眠りこけたままだ。となると可能性として考えられるのは一つしかない。
「お前は何者だ?」
イルーゾォの視線が、キラークイーンに定まる。
「嬉しいね。わたしの声が聞えるのか。分かてないな」
キラークイーンが前へ歩き出し、イルーゾォをの頭を蹴飛ばした。
「聞こえているのなら、答えたまえ。これは尋問だ」
「うりゃぁ!」
血反吐を垂らしながらも、マン・イン・ザ・ミラーが反撃する。
「答えたくないということか」
地に伏したままではろくに動けず、またパワー、スピードの両方でマンミラは劣っていた。無残に返り討ちにあい、イルーゾォは更に手酷いダメージを受ける。
「まあいいだろう。久し振りにタラオ以外の人間と会話が出来るのだ。
いまのわたしは実に気分がいい」
キラークイーンはマンミラを踏みつけながら、イルーゾォの左腕を持ち上げた。
「わたし名前は、おっとこれは秘密にしておこう。わたしは慎重な性格でね。別の事を話そう」
「うげぁッ!!」
踏みつける足の力が強まり、イルーゾォの人差し指が、手の平とは反対に180度折り曲げられた。
「わたしはある厄介な連中に正体をかぎまわれた挙句、敗北してしまった」
続いて中指が折られる。
「ほう、悲鳴を堪えたな。君はなかなか我慢強い性格みたいだな。話しの続きだ。敗北したわたしは事故死したはずだったのだが」
薬指が折られる。
「気がついたら、この小僧と一緒にいた。手っ取り早い表現をすれば、幽霊となったわたしを、小僧のスタンドが捕獲したという事らしい」
小指が折られる。
「らしい、というのは、恥かしいことにわたし自身詳しいことはまだ分かっていないのだよ」
笑いながら、キラークイーンが折れ曲がった五指を再び手の平の側に押しつぶす。
「さあ、そろそろ質問に答えたほうがいいぞ。君を一瞬で葬り去る事だって出来るんだからな」
「ふふっ」
痛みを堪える余り涙を流し、震えながら笑ったイルーゾォの姿に、キラの表情がわずかに強張った。
「俺の名前はイルーゾォ。スタンドの名前はマン・イン・ザ・ミラーという。お前はまだ、俺のスタンドの能力が分かっていないようだから。教えてやるよ」
イルーゾォはニヤリと笑いながら、割れた鏡の欠片に視線を移した。
「貴様……!?」
「マン・イン・ザ・ミラーッ、俺だけが外に出ることを『許可』しろ!」
イルーゾォの身体が、鏡の欠片に吸い込まれるようにして消えていく。
押さえつけようとしたキラークイーンの手をかいくぐって、イルーゾォは外の世界に逃れていった。
しかし、敵に逃げられたキラの表情は明るい。
「好き勝手出入りできるという訳か。だが残念ながら、君はあと数秒もしないうちに、また鏡の世界へ引き返すことになるだろうな」
「くそッ」
外の世界に逃れたイルーゾォは、侵入してきた時と同じように部屋を出ようとした。
だが、いまは鏡の世界ではない。誰かに目撃される可能性があったが、悠長に様子を窺う余裕はなかった。
ボロクソの左手や、身体中に打撲の跡があり内臓器官まで手酷いダメージを受けている。
気を抜いたその瞬間に倒れてしまいそうなほど心身ともにまいっていた。本来なら無防備な相手をなぶり殺しにするイルーゾォは痛みに弱い。
暗殺チームの中で、もっとも弱いといっても過言ではなかった。
少し距離をとったら、能力を解除する。そしてすぐさま手に持っている鏡の破片で、再び自分だけを鏡の世界へはいり逃げる。
窓枠に足をかけて外に飛び出そうとした時、あの、ガラス玉を触ったときに感じた衝撃と同じものをイルーゾォは感じた。
額に浮いていた脂汗が瞬時に冷たく変わり、背筋を冷たい恐怖感が滑り落ちる。
間違いねぇ……。窓枠が爆弾にされてやがる。このままでいれば大丈夫なのか? 俺が窓枠から離れた瞬簡に爆発するのか?
クソッ! 得体の知れねえスタンドだ。だが一つだけはっきりしていることがある。このまま外の世界にいるよりは、鏡の世界に逃れたほうがベネだってことだ。
逃れたところで、爆発を回避できるかはわからない。だが、いまここにいるのは確実にやばい。あのガラス玉に触れた時に感じた衝撃を、生で感じる事だけは避けなくてはならない。
逃げられる時間が残されていることを、祈らなくてはならない。
「ち、力を振り絞れッ!! マン・イン・ザ・ミラーァァァァァァァッ!!」
今までの人生で、一番早い速度で外と中を出入りしたイルーゾォは地面に転げ落ちていた。左右に目を配れば、そこは反転した鏡の世界だった。
「やはり戻ってきたようだね」
窓の下の壁にもたれて、尻餅をついた姿勢のイルーゾォを、キラークイーンが見下ろしていた。
イルーゾォは絶望的な思いだった。もし、もっと踏み出していたなら、室内ではなく窓の外に転げだしていたかもしれない。
だが、爆発するかもしれない恐怖が、イルーゾォをしり込みさせ、些細な一歩が踏み出せなかった。
結果、イルーゾォの身体は無様に室内に転げ落ちたのだった。もし部屋の外へ逃れられていたなら、いまよりはずっとマシな状態だったに違いない。
恐怖感に負けたことで、イルーゾォは状況を悪化させてしまった。
「タラオが鏡の世界に引き込まれる直前に、キラークイーンの腕を伸ばして窓枠に触れておいたんだよ。ただ、ガラス玉とは違って、起爆のタイミングはわたしの手の中にあったがね」
まだイルーゾォの手の中に鏡の欠片がある。チャンスは残されている。
「どうする。また鏡の外へ逃げ出すのか? しかし、この部屋の出入り口すべてが爆弾になっているかもしれないぞ」
「そうかな。窓枠と、ドアは反対方向にある。両方に触れられたとは思えない」
口ではそういったものの、触れる余裕はいくらでもあっただろう。奴のいうとおり外の世界の退路はふさがれたとみなすしかない。
そして、キラークイーンの攻撃を受け止める精神力は、もうイルーゾォには残っていない。
本体のスタンドとは別にとり付いている幽霊のようなスタンド。キラークイーンだけを、鏡の外へ出す事が出来るか不安があった。初めて遭遇するケースだからだ。
イルーゾォが考えられる手段は、キラークイーンを入れてしまった時と同じように、子供ごと確実に外へ出すしかなかった。
子供を始末できれば理想的だが、それだけの余裕も、パワーも残っていない。
「往生際が悪いぞッ!!」
キラークイーンがイルーゾォの横っ腹を蹴り飛ばすが、それでもなおイルーゾォはタラオを外の世界に出そうと残ったスタンド力を振り絞った。
フーゴはサザエがイタリア旅行中に知り合った友人の友人と称して、他愛もない会話でフネを引き止めていた。
覗き見た家の中の様子から、いま家にいるのはフネだけだと判断し、彼女を足止めする事に専念していた。
人のいいフネは、明らかに不審なフーゴの素性を少しも疑う事無く、物腰柔らかに対応した。
「あら!?」
日本語が上手くないフリをして、無駄に会話を引き伸ばしていたフーゴが限界を感じ始めたとき、フネは家の中から聞えた物音に声をあげた。ガラスが割れたような音だった。
「ペット、飼っているんですか?」
「え、ええ。猫が一匹いますのよ」
ガラスが割れたような音だった。フネは気になって見に行きたかった。
「どんな、猫、なんですか」
しかしフーゴの質問攻めが途切れない。
「ただの雑種ですよ」
「ざっしゅ? ざっしゅとは何ですか?」
どう考えてもイルーゾォの悲鳴が聞こえたが、フーゴはそれにすら気付かないフリをした。引き止めていたが、そろそろ限界だと感じたとき、庭の方からかすかな物音が聞えた。ちらりと窺うと、傷ついたイルーゾォの姿が見えた。
「あ、もうこんな時間だ。また日を改めてお伺いさせてもらいます。そうだ、ぼくが来たことはサザエさんには内緒にしておいてください。サプライズがあるので」
時計を見て驚くまねをし、フーゴは強引に会話を終了させた。
玄関に鍵が掛けられる音がして、フネが物音のした部屋に急いで向かう足音が聞えた。
「何があったんです?」
ふらつくイルーゾォに肩を貸しながら、フーゴが訊ねた。
「事情はあとだ」
二人が玄関先に出ると、一台の車が速度を落とし停車した。フーゴは迷わずドアを開けて、イルーゾォと共に後部座席に乗り込む。車はすぐに発射した。
「なんだぁその傷は? もしかして、もうバレちまったんじゃねーだろーなぁ?」
助手席に座るドッピオの言葉に、イルーゾォは座るなり気絶していて答えられなかった。
「スタンド使いが潜んでいる事は予め予期できていた」
運転席に座るトルソーが言った。バックミラーごしにイルーゾォを見ながら続ける。
「しかし、『鏡のイルーゾォ』にここまでのダメージを負わせるとは、少々予想外だったといえる」
トルソーは煙草に火をつけると、煙を細く吐き出した。
「フーゴ様はどうお考えですか?」
「イルーゾォさんから詳しい説明を聞かなければ、ぼくには何とも」
組織から派遣された四人のスタンド使いのうち、フーゴが直接面識のある人物は皆無だった。
ドッピオはボスに信頼された側近の部下だという評判だ。詳しい位置づけは知らないが、ボスが顔を出さなければならない時、代わりに姿を見せて指示を出すのがドッピオだった。
そして、決まって彼を警護するようについてまわるのが親衛隊のトルソー。恐らくスタンド使いであることは間違いない。
それに暗殺チームのイルーゾォ。
フーゴが選ばれたのは、闘えるスタンド使いであり、日本語など数ヶ国語が話せるからだろうと自己判断している。
一番下っ端であるのは間違いないが、なぜか敬語を使うトルソーが苦手だった。
「ただ、先ほどこの近くにある小学校で不可解な爆発事故があったとかで騒ぎになっていました」
「そこはフグタサザエの弟と妹が通っている学校だったな」
「ええ」
「爆発……。いざとなったらフーゴ様、貴方の『パープル・ヘイズ』にお願いします。一家を皆殺しにしたあとで、ゆっくりと探させてもらいましょう」
自分のスタンド能力を知られているというのも、苦手意識を感じる一つだった。知っているからこそ、下っ端の自分に敬語を使うのかもしれないが、
トルソーの自身に満ちた双眸を見ていると、とてもそんな風には見えなかった。
フネが物音のしたサザエたちの部屋をのぞくと、まるでドロボウに入られたかのような荒らされようだった。
いや、ようだではなく入られたのか。フネは急いで警察に通報しようとしたが、床の上に倒れているタラの姿を認めるや否や駆け寄った。
「タラちゃん、タラちゃん、大丈夫かい?」
「う、……ぅん」
ぼんやりと目を開くタラの全身を調べたが、どこにも外傷などは見当たらない。どうやら無事だったみたいだ。
安心したフネお腹がすいたというタラを居間に連れて行くと、警察に通報した。
タラに簡単な食事を食べさせていると、警察が到着した。
部屋は荒らされていたが、サザエの化粧台が壊れている以外は特にこれといった盗まれたものなどもなかった。
窓がこじ開けられた形跡もなければ、なくなったものもない。ただ荒らされていただけ。警察はタラが悪さをしたのだろうということで片付けた。
フネはタラの人格を説き、そんなことは信じられないと訴えた。しかし、警察は折れなかった。被害が明確でない以上、警察は動かない。
ただ、隣に住むイササカ家が強盗にあったばかりという事で、不審人物や同じように荒らされた家がないか聞き込みなど、多少の捜査を約束してくれた。
それでもフネが不安げに渋っていると、タラが「ボクがやりました」と自供した。
驚いたタラとは対照的に、やっぱりと満足気に頷いた警察はそそくさ帰っていった。
ショックを受けたフネはその日、家事に身が入らず、夕方になりワカメが帰宅したとき、普段より暗い我が家に驚いた。
「何かあったの、お母さん?」
優しく語り掛ける娘に、大丈夫だよと答えたものの、フネは見るも無残に落ち込んでいた。
やがてマスオらも帰宅し、サザエから今日は病院に泊り込んでカツオの面倒を見るとの連絡が入る。
「なんだか、二人いないだけでも寂しいなぁ」
わびしげに呟くナミヘイ。食卓に並ぶ店屋物を見ると、その思いが増加した。
「すみません、今日は何だか疲れてしまったもので」
「たまには店屋物もいいもんですよ、なあワカメちゃん」
取り繕うような安っぽいマスオの言葉では、フネの心は微塵も癒されない。
「うん。たまにはお母さん楽しないと」
「ありがとうワカメ」
マスオとは違い、心の底から母をあんじたワカメの言葉にフネが涙ぐむ。
ワカメは今日学校で起きたことを話したかったが、なんだか食卓の重い雰囲気に口が開かなかった。
他の皆も同じらしく、食卓には食器の音や咀嚼音だけが響いていた。
カツオが目覚めたのは、病室のベッドの上だった。
「あら、まだ休んでいてもいいのよ」
「姉さん……」
ベッドの横にはパイプ椅子があり、転寝していたのか口元に涎の跡が見えるサザエ。
「カツオ、あたし去年の冬に同窓会でイタリア旅行いったでしょう」
「え、あ、うん」
目覚めるや否や、急に借り出すサザエに当惑したものの、カツオはサザエの神妙な態度に黙って頷いた。
「お腹とか大丈夫、のどか湧いたならジュースでも買ってこようか?」
「あ、じゃあお願い」
月明かりだけに照らし出された室内は薄暗らい。暗い中をサザエは確かな足取りで歩いていった。
ツオに左腕には点滴の針が刺してある。右腕には清潔そうな包帯が幾重にも巻かれていた。服は病人が着るパジャマのようなゆったりとしたものだった。
サザエが病室に戻ってくきた。両手に紙コップをもっており、一方に珈琲、一方にオレンジジュースが入っていた。
カツオにジュースを渡しながら、サザエは語り始めた。水で顔を洗ってきたのか、だらしなく汚れた口元が綺麗になっていた。
「名前は忘れちゃったんだけど、ツアーバスが途中で小さな農村に整備点検のために駐車したの」
始めはバスの中で会話してたのだが、少しの間村を見学しようとサザエがいいだした。幾人かが同意してバスを降りた。ツアーガイドは了承してくれた。ただゴミなど基本的なマナーは守るようにとだけ言われて。
バスを降りて数分はエンジョイした。だがすぐに飽きてしまった。それまでが観光名所ばかりを巡っていたのだから、何もない普通の村で暇が潰せるわけがなかった。
引き返すところで、トイレに行きたくなったサザエは、近くにあった家に立ち寄った。
「おじゃましーす」
旅行中に修得した数少ないイタリア語を発しながら、ドアを開けると、中では想像を絶した光景があった。
「何があったの?」
「人が死んでいたのよ、それも沢山」
入ってみて気がついたのだが、もう使われなくなった廃屋のような場所だった。そこに何人かの男が倒れていた。みな、刃物で切りつけられたかのように傷ついておいて、流れ出した血が床一面に大きく広がっていた。
その中で、一人車椅子にのった男がいた。
「ジャン・ピエール・ポルナレフ、車椅子の男はそう名乗ったわ」
ポロルナレフは一本の矢を抱きかかえていた。
「貴女は日本人だな。帰国したらクウジョウジョウタロウという男にこれを渡してくれ」
ポルナレフはサザエに矢を託した直後に死亡した。
「何かうわごとのように呟いてね、一本の矢をアタシに押し付けたのよ」
「その人はどうなったの?」
「死んじゃったわよ。あたしに矢を託してすぐにね。しかもイタリア語で話されたもんだからあたし理解できなくてさ、でもクウジョウジョウタロウって名前は聞き取れたのよ
それで日本に帰ってから、いままでずっとクウジョウジョウタロウって人をアタシなりに調べてみたの」
「警察には通報しなかったの?」
サザエは悲しそうに首を振った。
「正直言って面倒に巻き込まれたくなかったのよ。それに戻ってバスの座席に座ったら、もう死体なんか一つ残らず消えてるんじゃないかって思ったの。
でも矢だけはアタシの腕の中にあって、ずっと通報しなきゃって思ってたんだけど帰国の日が迫ってたし」
「しょうがないよ。もうみんな死んでたんでしょ」
「それは分からないわ。もしかしたら生きている人がいて、あたしがすぐに通報していたら助かったかもしれないと思うと、何だか申し訳なくってさ」
「クウジョウって人には連絡がついたの」
「ううん、でも正体はすぐに分かったわ。調べれば調べるほど何だか信じられないよう冒険家よ」
「なんだか現実感がない人みたいだね」
クシャッと、サザエが飲み終えた珈琲の紙コップを握り潰した。
「カツオ、あんたタラちゃんを本気で助けたい?」
「急に、話題が変わったね」
サザエは椅子から立ち上がると、鞄の中から手に平サイズの三角の物体を取り出した。
「これが矢よ。渡された直後に根元から折れちゃって、持ち帰ったのさ先端部分だけだけど、重要なのがこの部分だったから結果オーライね。
覚悟が出来たら手を出しなさい」
おずおずと差し出した手を、サザエ強く握りしめた。
「タラちゃんは悪霊にとりつかれている。でもそれは悪霊じゃなくってね、スタンドっていう超能力なの。
スタンドに対抗するにはスタンドを身につけるしかない。この矢は、才能のあるもののスタンドを目覚めさせることが出来るの」
突飛な話しの連続だったが、何も言わなくても、サザエはみんな分かっていたんだな。とカツオは改めて姉を見直した。
本当に心が通じた家族だけに許された阿吽の呼吸。不必要な言葉が削がれた、スマートさがある。
現実として、不可解な事態に遭遇していたからかもしれない。真綿に水が染みこむ様にカツオは理解して、なお言った。
「ぼくをスタンド使いにしてよ」
「でも一歩間違ったら命を落とすかもしれないのよ」
カツオは笑いながら言う。
「姉さんはもう目覚めているんだろ? 弟のぼくに才能がないわけないよ」
病人特有の痛々しい笑顔だった。しかし、そこには強がり出ない本当の勇気があり、サザエは矢を使って、弟に殺人ウイルスを感染させた。
イソノ家。
タマを探しに出た先でタラを見失った夜と同じく、この日もマスオは一睡もできなかった。
眠れない原因は、今回も私生活によるものだった。
机上の時計を見る。午前六時。起きるには早い時刻だ。
いつもなら家族三人川になって寝る。しかし、いま横にいるのはタラ一人。
妻のサザエはカツオに付き添って病院へいったまま、帰ってこなかった。
マスオも病院へ向かうと提案したのだが、断られた。それが、痛みのない傷となり心に刻まれた。
病院から電話をして来たサザエの声には、家族を憂い悲しむ響きがあった。
サザエから聞いたカツオの容体を、ナミヘイやワカメ、フネに伝えたときも、同じ響きを感じた。
同じものを、マスオは微塵も感じなかった。マスオだって、カツオが怪我をして入院したと聞いてショックを受けた。
しかし、マスオにとってはいくら家族であるとはいえ、自分とは何の血の繋がりもない、他人だ。妻の弟というだけで、形作られた偽りの家族。
いうなれば、ショーウインドウに並んだ見せ掛けだけの料理。食べられもしなければ、香りもない。
所詮は他人事。
イソノ家で、心が休まり、気持ちを共感し喜怒哀楽を本当に分かちあえるのは、サザエとタラだけだった。
カツオの入院による自分と皆との温度差を肌で感じたいま、その思いが普段とは比べ物にならないほど強い。
だからこそ、いまサザエがいない事がさらにマスオを落ち込ませる。
加えて、タラが起こした悪戯がある。
昨日、家に帰ったマスオはフネから聞かされた。
タラが寝室にあるサザエの化粧台を壊したという。
そんなことは、いままでに無かった事だ。
フネは皆には内緒にしておくから、貴方達家族で解決しなさいといった。それがいいからと。マスオも同意権だった。
失踪騒ぎを起こし、迷惑をかけたばかりだ。こう矢継ぎ早に問題を起こして、自らの子育ての能力を否定するような真似はしたくなかった。
そうでなくとも、普段からサザエに尻しかれている。見かけ上は威厳を保っているかのように見せられても、サザエと二人になれば、弱い弱いマスオが顔を出す。
タラを育てているのは、九部九厘サザエだった。マスオはたまに手をかけて、いいところだけを見せているに過ぎない。
557 :
奇妙なサザエさん:2005/05/05(木) 16:46:13
深く関われば、ヘタレな自分を息子に見せることになる。その脅えとサザエの強い権利が重なって、マスオがタラに接するのはごくごく表面的な部分で留まっていた。
今回もまた、同様だ。マスオはタラをしかったが、ただしかるだけ。生涯にわたって、息子の心に残るような訓辞は述べられない。ただしかることが、マスオに出来る唯一の事だった。
タラはマスオの隣で規則正しい寝息を立てている。愛らしい顔だ。いまはまだ、安心して観ていられる。
サザエはいつ戻ってくるのだろうか。カツオの怪我は酷かったものの、必要なのは手術と療養だ。入院は長くならない。
そうでなければ、個室になど入院させなかっただろう。自分が入院したら、相部屋に押し込まれるんだろうなと、マスオは自嘲した。
だれかカツオとサザエのスタンドを考えてくれ
558 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/05(木) 16:49:06
/ ̄ ̄ ̄\ ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ _ノ _ \ / ゝ / ̄⌒⌒ヽ
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ | / / \/\ ⌒) / ゝ | / ̄ ̄ ̄ヽ
../ / ⌒ ⌒ | / / ⌒ ⌒ ヽ / ./ / ∨∨∨∨\ | | / \|
| / (・) (・) | | _| (・) (・) V |/ | .| | ´ ` |
..(6 ⌒) | | (6 > | (6 ´ っ` | (6 つ /
| ) ___ | ヽ_フ ___ | | ___ | .| / /⌒⌒ヽ
\ \_/ / .\ \_/ / \ \_/ / | \  ̄ ノ
\____/ \___/ \___/ | / ̄
波野ノリスケ 波野タイコ 波野イクラ アナゴ君
いつのまにやらアガってびっくり。
559 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 14:20:42
しかし、波平て都内で盆栽趣味もてるなんて相当ブルジョアだな。いったい何十万の盆栽だろう?あれら?
560 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/16(月) 16:23:59
龠 λλλλλλ.... ユカイダナー
561 :
名無し物書き@推敲中?:2005/06/04(土) 01:42:56
age
562 :
タマ:2005/06/05(日) 14:47:22
お魚くわえたドラ猫を追いかけて、サザエさんは裸足で駆け出した。
手には包丁が握られている。
逃がしゃしないよ。
サザエさんは目標の移動速度、コースを瞬時に解析し、ここだ、という地点に向かって包丁を投げた。
ドラ猫はちょうど、イソノ家の玄関にでる瞬間に動きを止めた。
「こんばんのオカズが増えたわね」
尻尾の根元を貫いた包丁が、ドラ猫を地面にはりつけにしていた。サザエさんはゆうゆうと近付くと、しっかりと胴体を掴んでおいて、包丁を抜いた。途端に暴れだしす。
「あたしの家から魚をギろうだなんて、調子乗ってるわね」
おもむろに顔を近づたかと思った矢先、サザエさんは猫の顔に思いっきり噛み付いていた。
そして千切った猫の鼻を、グチャグチャと咀嚼してサザエさんはそれを飲み込んでしまった
「毛皮を剥いで、タラオちゃんの帽子を作ってあげようっと」
口元を拭いながら微笑む。
「あーあ、足が汚れちゃったわ」
そういいながら、手じかに置いてあった雑巾で足をふき、台所に戻る。
流し台の前にたち、猫をそこにいれた。。まず後ろ足を持ち上げて、両方切断する。それから皮を剥ぐのだが、これが中々うまくいかない。
「ん、よっと、こうか、んー、あらら」
根気のないサザエさんはすぐに諦めて、猫をぶつ切りにした。肉をこそぎとっては、次々にボウルに放り込む。はらわたから何までなんでも放り込む。骨と皮と血だけになった猫を袋に詰めて、生ゴミと一緒にした。
下ごしらえをしたタマネギを追加したら、塩、醤油、佐藤などの調味料を入れてこねる。
こねていると、庭で隣家のオカルと話していたフネが戻ってきた。
「ごめんよ、ちょっと話し込んじゃってね。あら、今日は焼き魚じゃなかったのかい?」
「それがね、冷蔵庫の中をチェックしたら賞味期限ギリギリのお肉が出てきたの」
「それで今日はシュウマイかね」
「お母さんは皮を準備してちょうだい」
「わかりましたよ」
フネは買い置きしておいたシュウマイの皮を探しながら、ふと呟いた。
「なんだか生臭いね、そのお肉だいじょうぶかい?」
563 :
タマ:2005/06/05(日) 14:49:50
新鮮ほやほやの食材は、ときとして腐っているのではないかというほどに、濃厚な臭気を放つ。
「大丈夫よ、母さん。ちゃんと賞味期限は確認したし、よく火を通せば安心よ」
「そうかねぇ、ところでサザエ、袖口が汚れているようだけど、なにかあったのかい」
フネにはその汚れが血のように見えた。
「なんでもないのよ、母さん」
「そうかい、だけど、本当にこのお肉大丈夫?」
出来上がった具材を皮で包みながら、なおもフネは心配そうだった。匂いだけでなく、色も濁ったような、見たことのない色合いだ。
「だから大丈夫だって言ってるでしょ。もう母さんは心配性ねえ」
フネは納得しかねている様子だったが、これで最後という感じて口を開いた。
「サザエ、これなんの肉だい?」
「やったー、今日はシュウマイだぁー!」
「ぼくもシュウマイ大好きですー」
「あたしもー」
ワカメ、カツオ、タラオの三人が食卓にいそいそとついた。
「こら、カツオ、料理に埃が入るだろう」
マスオと談笑していた、ナミヘイが言った。
「どうしてぼくだけに言うのさ」
カツオが口を尖らせる。
「それはあんたが一番はしゃいでたからよ」
台所と居間を行き来し、食卓の準備を進めていたサザエが口を挟んだ。
テーブルには出来立ての料理が並べられ、ただよう匂いが皆の胃袋を直撃していた。
「そんな、タラオちゃんの方がはしゃいでたよ」
抗議の声をあげるも、
「カツオ兄ちゃんにはまけるです」
とすましたタラオにカツオは、この家にぼくの味方はいないのか、とうなだれた。
炊飯器を持ったサザエが定位置にすわり、みなの茶碗にご飯をよそり始めた。
何かが足りない。
「ねえ、お母さんは?」
ワカメが言うとおり、フネの姿がみえない。
「それがちょっと熱があるみたいねで、いま休んでるのよ」
サザエの言葉に、ナミヘイがわずかに顔を曇らせた。
564 :
タマ:2005/06/05(日) 14:52:33
「大丈夫なのかい?」
マスオが心配げに訊ねると、もし駄目なようなら救急車呼ぶわよ、とサザエの、どこか突き放したような冷たい響き。
湯船の中に巨大な氷塊が沈められ、一瞬にして温度が冷えてしまったかのように、食卓に硬い空気が張詰めた。
押し黙るナミヘイ。よくわからないが、何となく居心地の悪さを感じるタラオ。どうしようと悩むワカメ。妻は冗談をいったのか、判断しかねるマスオ。
あら、みんなどうしたのよ、とでもいいたげに、首を傾げるサザエ。
「大盛りでお願い!」
そんな中で、カツオが元気よく、茶碗を突き出した。
「あんまり食べるとお腹壊すわよ」
「姉さんには敵わないよ」
つとめて明るい口調で話すカツオに、場の空気が救われた。
「きょうはおいしそうだなぁ」
マスオが皿に醤油とからしをいれながら、カツオに続けとばかりに言う。
「わしは魚のほうがすきなんだが、たまにはこういったものもいいな」
ご飯が全員にいきわたり、
「いただきます」
と明るい声が狭い食卓に響き渡った。
いちばんに箸を伸ばすカツオ。しかし、箸が届く寸前で、どこからか白い物体が食卓に舞い降りた。大皿がひっくり返り、盛り付けられていたシュウマイが宙を舞う。
醤油さしが倒れ、ご飯茶碗が転がって床に落ちる。泣きながら引っくり返ったタラオがこぼれたご飯の上に倒れこむ。べチャべチャに潰れた米が床にへばりついた。
タラオの泣き声と、食卓の上で暴れる白い物体が食器をガチャガチャと荒らす音だけがあった。
皆が何が起きたのか、わかっていても、その合理的解釈が出来るに至らず、茫然自失と放心状態にあった。ただ一人、サザエさんを除いては。
食卓で暴れる物体に向かって、蛇のように素早いなんかが放たれた。それがサザエの腕だと気がついたのは、
「駄目じゃないのタマ!」
と、一喝の声が響いてからだった。サザエの強靭な筋肉に包まれた腕が、タマの首ねっこを掴んでいる。
565 :
タマ:2005/06/05(日) 14:53:27
タマはフギャーフギャー喚きながら、サザエの腕に爪を立てようともがいていた。後ろ足は、食卓に残ったシュウマイを蹴り散らかしている。その一つが、ナミヘイの禿頭にまで飛んでいったが、ナミヘイは微動だにしなかった。
いったい何が起こったのか? マスオ、ナミヘイ、ワカメ、カツオの4人は、ただ人形のようにその場に座っていた。言葉はなく、指一本動かせずに、ただ座っていた。
泣き喚くタラオさえも、まるでそういうった風に作られた機械のように、ただ、泣き喚めいていた。動いているだけで、人形と変わるところのない人間以下の存在だった。
「ちょっと悪戯が過ぎたようねッ! お仕置きが必要かしら、ねえ、みんなもそう思うでしょ、必要なのよお仕置きが」
タマの鋭い爪が必死に伸ばされ、ついに振り抜かれた。シャッと、音が聞えそうなほど鋭い切れ味で、サザエの腕を包んでいた布が切り裂かれる。その下の皮膚には、うっすらと赤い線が滲み出していた。
「このちっぽけなクソ猫がぁぁぁぁぁぁっ!」
サザエの豪腕が、タマを投げ飛ばす。
窓ガラスが割れる派手な音。
タマは割れたガラスに身を切り裂かれながら、家と道路を隔てる塀にぶち当たり、すっと地面に落下した。
「タラオちゃん泣かないで、もう大丈夫よ」
タマを放り飛ばし、晴れやかな表情のサザエは、タラオをなだめにかかった。
抱き上げて大丈夫よと頭をなで、背中をさする。
「これなんか大丈夫そうね、ほら、タラオちゃん美味しいわよ口をあけて」
サザエはテーブルの上に転がっていた潰れていないシュウマイを手に取る。
566 :
タマ:2005/06/05(日) 14:53:46
「ほら口をあけて」
タラオは涙と涎を流し喚き散らかすのに忙しく、差し出されたものを口にしようとしない。
「もう、わがままな子ね」
サザエは溜め息をつくと、無理やりタラオの口の中にシュウマイを詰め込んだ。
泣き声が止まった。
「もうよくばりね」
二個、三個、とサザエはテーブルの上、床の上に散乱したシュウマイを詰め込んでいく。原形を止めていないものまで、詰め込んでいく。
それは、散乱したすべてのシュウマイがなくなるまで続けられた。
「ごめんなさい、あたしちょっとお風呂はいって着替えてくるわ。みんな片付けをお願いね」
ご飯粒にまみれた体、味噌汁がかかった髪の毛を気にしながら、サザエが食卓を後にした。
ナミヘイら四人の意識が戻ったのは、
ごぽごぽと変な音をたてて、タラオがありったけのシュウマイを吐き出している時のことだった。
さぁーて来週のサザエさんは、
監禁されたフネ、一家分裂の危機
タマの決意、復讐のシナリオ
ぼくのママはママじゃない
の、三本で〜す
567 :
名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 17:07:18
フネは模索していた。
「一体、奴らはなんだって私を監禁しようとしたんだろ?」
何度考えても思い当たる理由が浮かんでこなかった。
フネの右手には今や脂汗でべとべとになったレーザーガンがしっかりと握られていた。
「これだけが私の命を救ってくれるんだからね。全くありがたいことだよ」
そのレーザーガンを見つめながらそう心の中でつぶやいた瞬間
「にゃおおおおおおおーーーーーーー」
頭上から奇声をあげながら何かの物体、否、生物が襲いかかってきた。
「アンドロイド?!」
瞬間、一条の閃光がきらめいた。
その物体は一瞬、重力に反する方向に舞い上がったように見えたが、すぐさま、重力のとらわれの身となり、
キリキリ舞しながらフネから少し離れた地面に「ドスン」と言うにぶい音を残して落下した。
その後は、もうピクリとも動かなかった。
「やばかった・・・ハァ、ハァ、ハァ」
片膝を地面に、もう一方の片膝を立てた姿勢をとりつつ、
自身の顔面の前でしっかりとレーザーガンを
両手で握り締めたまま心の中でつぶやいた。
「まだよ、まだだわ、完全に アレ の息の根を止めたと確認できるまでは・・・」
568 :
名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 17:09:55
「ジャリ・・・、 ジャリ・・・」
突然、何かが地面を擦るような音がフネの真横から聞こえた。
「しまった!・・・」、
「もう一匹いたんだわ・・・」
しかしフネは落下した物体からもはや視線を外せなかった。
現時点でどちらが危険かなんか比較できる余裕はなかった。
時間的に先に遭遇した 危険 を忘れれる状態ではなかったのだ。
「やられる・・・」
自身の心の中に急速に姦念の気持ちが湧いてくるのを感じ取った。
569 :
名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 17:10:46
5分が経とうとしていた。
それはフネにとって丸1日のように長く感じる時間だった。
依然としてフネの視線は先の物体を捕らえて離さない。
「ジャリ、ジャリ」
真横の物体はまだ地面を擦り続けていた。
フネの思考の中で徐々にであるが 危険に対する優先順位に 変化の兆しがあらわれようとしていた。
その思考はフネの動作を奇妙なものとした。
フネはレーザーガンは前方の落下した物体に合わせたまま、首から上だけを
まるで「ギギギギギ」という音が聞こえそうなぎこちない動きでゆっくりと真横に向けた。
フネの視線には 一匹のうなぎ が目に入った。
一匹のうなぎが地面を這っていたのである。
「えっ?」
フネの真横に対する物体への危険度は急速にしぼまりつつあった。
そして同時に前方への物体にふたたび注意が集中しつつあった。
「どういうこと?」
フネは先程まであった恐怖を忘れたかのように前方の物体に近づきたくなった。
むろん両手にレーザーガンをしっかり前方の物体に向けたままだが1分前の状態では考えられない
速さで物体に近づいた。
570 :
名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 17:12:43
近づくとともにその物体の状態が把握できた。
「白い・・・、足?、 四本足、 尻尾?、犬?、否、猫・・・」
確認が進んでいく。
いつのまにかフネは小走りになっていた。
フネに物体が何であるか?の明確な確信が持てたときには、あれほど大切にしてたレーザーガンすら無意識にうっちゃっていた。
フネの目は潤んでいた。
「タマ、おまえだったの・・・」
フネは地面に横たわった物体を両手で大切に抱き上げた。
タマは目を閉じたままぐったりとして動かなかった。しかしその口元はフネにはなぜか笑ってるように見えた。
フネの涙は止め処もなく溢れかえった。
2人から少し離れたところでは、打ち捨てられたレーザーガンの銃口から淡い煙が立ち昇っていた。
571 :
罧原堤 ◆SF36Mndinc :2005/06/06(月) 19:40:53
>タマ
もっと書け
572 :
タマ:2005/06/07(火) 16:34:21
>>571 おまえいい奴だな。推敲してないが、する気もないから投下する
フネが目覚めたのは、見知らぬ場所だった。自分がどこにいるのか、まったく見当がつかない。
身体が縛られており、自由がきかない。暗闇で、ろくに見えもしない。冷たくて、ごつごつとした場所に寝かされている事だけがわかった。
両腕は後ろにまわされ、手首のあたりできつく縛られている。足首も同様だ。そのうえから、ロープのようなもので、全身をグルグル巻きに縛られている。
フネは何とか戒めを解こうともがいた。しかし、皮膚に食い込んだ紐は微動だにしない。
ならばと、フネは丸太のように転がった。だが、すぐ壁にぶつってしまった。
左右に行ったりきたりして、自分が狭い場所にいるのだと気付いた。四畳ほどだろうか。
「ちょっと、だれかいないのかい!」
誰も答えない。フネは怖ろしくなった。
「誰か、助けておくれ!」
誰かが動けないように拘束して閉じ込めた。フネは気を失う直前の記憶を思い起した。
サザエだ、サザエと話していて……。そこから、記憶がぷっつりと途切れている。
まさかサザエがやったのだろうか、いや、そんなはずはない。理由がない。じつの母親を監禁するなんて、そんな理由うちの家庭に限ってありえない。
これは悪夢だ。きっとそうに違いない。
フネは再び眠りにおちていた。
朝の五時。
「お姉ちゃん、なにかあったのかな……」
不安げに言うワカメ。布団に包まって、勉強机に座って考え事をしているカツオを見た。
「わからない」
昨夜、突如として起きた災厄ともいうべき出来事。家族団らんの夕食が、一転して地獄へと変貌した。
あのあと、カツオとナミヘイが居間の片付けをした。マスオはタマの手当てを。ワカメがタラオをあやした。
四人とも、一言も喋らず、ただ黙々と作業をした。いち早く、手当てを終えたマスオが浴室にいるサザエの元へいった。続けて、聞えてきた怒鳴り声。すぐに、言い争っているのだとわかった。
とめてくると、そういって駆け出そうとしたカツオを、ナミヘイが制止した。お前がいってどうかなるものではあるまい、マスオくんに任せるんだ。
カツオは不満だった。明らかにサザエの行動は常軌を逸していた。そりゃあ、食卓を荒らしたタマが悪い。
573 :
タマ:2005/06/07(火) 16:35:15
しかったっていいさ。しかし、あそこまでする必要があったのだろうか。下手したら死んでいた。
否、殺すつもりだったのかもしれない。あの時のサザエの目は、本気の色をしていた。今まで観たこともないような、憤怒の色で覆われていた。
極めつけが、タラオの口にシュウマイを押し込んだことだ。気がくるっているとしか思えない。窒息死してもおかしくない状況だった。
一家全員で、サザエを糾弾すべきだ。カツオは初めて、冗談や利己的な理由ではなく、人としてナミヘイに反感を抱いた。
昨夜、片付けが終わり、腹が減っていたが、食欲はなかった。それはみんな同じだったらしく、それぞれが就寝した。
いつもより早い時間に眠り、空腹も手伝って翌朝の目覚めは早かったのだ。
「それより、なにか食べよう、ワカメもお腹すいてるだろう」
「うん」
弱々しく頷くワカメ。兄について居間にいくと、そこにはマスオの姿があった。
「カツオ君にワカメちゃん、今朝は早起きだね」
「マスオさんだって」
マスオは持っていた茶碗をおくと、
「お茶漬けでいいかい?」
と二人に尋ねた。
「あれからどうなったの?」
二つの茶碗にご飯を載せて戻ってきたマスオを、ワカメが神妙な面持ちで見ていた。
「どうもこうもないさ」
お茶漬けの素をふりかけ、急須から茶をそそぎながらマスオが言った。
「あれからタラちゃんが恐がっててね。昨夜は客間でねたんだ」
もしかしたら、出て行くかもしれない。マスオの寂しげな言葉に、
「そんな!」
カツオ、ワカメの驚きの声が重なった。
「駄目よ」
「そうだよ、いままでうまくやってきたじゃない」
「いままではね」
マスオの淹れた茶は、すでに冷めていた。
「ニャーニュアニャア!」
磯野家から徒歩で五分ほど。商店街にある三階建ての小さなビルの屋上。10匹ほどの猫が車座に終結していた。
「ニャニャニャ!」
その中には、タマの姿もある。全身に包帯が巻かれており、立っているのが苦しいのか、身体がふらついていた。
574 :
タマ:2005/06/07(火) 16:36:39
『もっと話しあわんと』
タマがみなを宥めようとしている。
『そないなこというたってな、ユウキチが殺されたんや。やられたらやり返す、仇討つのがワシら野良猫連合のしきたりや』
『そうやで、飼い猫の総長にはわからんかもしれんがな』
『そうや』『そうや』
タマに他の猫全員の視線が注がれる。飼い猫でありながら、野良猫連合の総長に就任するほどの手腕をもったエリート猫のタマだが、今回ばかりは悩みどころであった。
サザエに殺された野良猫のユウキチは、百二十五代目野良猫連合総長。タマの先代である。殺された痛みはタマとて同じ。
『せやかてな』
サザエの恐ろしさをみんな知らんのや、そう続けようとしたとき、
『総長』
新たな猫が、ひょいっと屋上に着地していた。
『ユウジ……』
ユウジ、尻尾だけが白い黒猫だ。相手に飛び掛り、一瞬でし止める実力者。その姿は死に神の振るうカマのよう。ここら一帯で、死に神のユウジといえば泣く子も黙る野良猫だ。
『ユウジさん』
タマを問詰めていた猫たちの視線が、一斉にユウジへと注がれる。若き特攻隊長、みんなの兄貴分的存在に期待がかかる。
『総長、相手は厳しいかもしんねえ。ですが総長が引くってのは、連合全体が屈服することと同じです。オレは、サザエがそれほどの相手だとは思えねえ』
ユウジ、幹部連中は報復を望んでいる。タマにもそれが痛いほど解る。しかし、場合によっては、連合が消滅しかねない相手だ。
『わかった。連合の意見を尊重する。だが、先走りはいかんぞ。オレが隣町の野良猫組に一時停戦の交渉にいってくる。帰るまで手を出さんよう通達を出しとけ。作戦参謀はギンジに任せる。オレが帰えりしだい、連合の全勢力をもってサザエを狩る。以上、解散や』
「にゃあにゃあ!」
猫達がそれぞれ散っていった。相手は人間である。下手に証拠を残しては、保健所が乗り出してくる。そうなっては、連合は壊滅してしまうだろう。
猫による人狩りの証拠を残してはならない。どんな困難が伴おうが、殺された同族の恨みを晴らす。猫連合の結束は硬い。
サザエはサンダルをつっかけて、玄関から出て行った。カゴをもっていたから、恐らく買い物だろう。
575 :
タマ:2005/06/07(火) 16:38:16
その様子をタラオが密かに窺っていた。サザエはタラオが眠っていると思いこんでいるから、声をかけずに出て行った。
「ぼくのママ、きのうはどうしたんだろう……。ぼくの口にあんなにシュウマイを押し込めるなんて。なにかおかしいぞ。タマにもひどいことをしていた……」
一家みんなが戸惑っていた。とくに酷かったのが、マスオだ。ひどいショックを受けていた。もしかしたら、離婚するかも。
そうなったら……べつにどうでもいいか。タラオは淡白な性格だった。家族の前では子供らしく振舞っているが、それはそのほうが役得だからである。
家族が不仲になったとしても、タラオはこれっぽっちも気にしない。しかし、タラオ自身が困るような事があれば問題である。
こう考えると、離婚したらいまより暮しにくくなるかも。タラオは家に誰もいない事を確認して物置に入った。
「そういば、お婆ちゃんの姿もみえないな。家にはいないし、どうしたんだろう」
物置の床には秘密の入り口がある。タラオしか知らない通路だ。
真下に伸びる暗い通路を梯子で降りる。その先には、四畳ほどの空間が広がっている。
なぜ、こんな場所があるのか。それはタラオも知らない。ただ、あるものは利用する。幸いにも、タラオ以外には気付いていない。
たまにカツオが閉じ込められるが、気付いた風もない。好都合なこの場所に、タラオは監視装置を完備していた。
磯野家にはいたるところに監視ビデオが隠されている。そこから送られる情報が、地下室に集約されていた。
容量の問題から、記録した映像は一週間後とに上書される。
一週間では、サザエの突然の変化を裏付ける映像は記録されていないかもしれない。だが、家にいないフネの行方はつかめるかも。
まだ、カツオやマスオはフネが家にいないことを知らない。ナミヘイは気付いているかもしれないが。
少なくとも昨日の朝にはいたわけだから、そこからちょっと確認しよう。
そんな風にタラオが思いながら、地下室に降り立ったのだが。
「あれ?」
地面は岩肌で、ごつごつしているはずなのだが、タラオが降り立った地面は柔らかい。
なんだろう、と思いながら懐中電灯の光を向けた。すると、そこにいたのは
576 :
タマ:2005/06/07(火) 16:38:42
「お婆ちゃん!!」
祖父母のフネだ。気絶しているうえに、グルグルに縛られている。誰がこんなことを、ちがう、そうじゃない。
もっと大事なことがある。フネの状態から判断する限り、自分でここに来たとは考えられない。
誰かここに閉じ込めたのだ。それはつまり、この地下室の存在を知っていたのは、タラオ一人ではなかったことになる。
それは誰なのか、タラオの思考は不意に感じられた気配によって遮られた。
「タラちゃん、そこで何してるの?」
上空。物置から地下室への入り口から投げ掛けられた声。
タラオはいままで彼女の声を聞き続けてきたが、いまの深い泥沼のように意図が推し量れない声は初めてだった。
タラオは問いに答える事無くその場にしゃがみ込む。短い手を伸ばして、念のため用意しておいた短刀を握りしめた。
なんだかわからないが、ぼくのママはママじゃないみたいだ。ボクのように猫被ってたのかも。
「さあね、ママはここに何しに来たのさ」
子供のような舌足らずな声ではなく、きちんとした発音でタラオは喋った。もう、家族ごっこは終わった。
さ〜て来週のサザエさんは、
魚介類たちの午後
タマの叫び虚しく、野良猫連合崩壊
イクラ死す、タラオよ涙の川を渡れ
の三本で〜す
577 :
タマ:2005/06/11(土) 15:46:48
タマはどぶ川を飛び越え、車をかわし、屋根、塀の上を走った。
『待たんか若いの』
家と家のすき間を走っていたタマの前に、一匹の年老いた猫が立ちふさがった。
『ちょうどいい。組長に話があってきたんや』
老猫が尻尾をたてて、呆れたように首をかしげた。
『悪いの若いの、わしゃもう耳が遠くての、みたところあんた、この町の猫じゃないだろう。しかも首輪に包帯、飼い猫じゃないか』
タマの背後に三匹の血気盛んな若い猫が現れた。三匹とも毛を逆立てて、歯をむき出しにして威嚇している。ぎらぎらとした視線がタマに突き刺すように注がれていた。
『余所者でしかも飼い猫が、野良猫組の組長になんのようがあるんじゃ。撤回するならいまのうちじゃよ。若気の至りとし見逃してやる』
『ボケジジイが』
タマが唾を吐き捨てるのと同時に、三匹の若猫が跳躍した。狭い路地だ。タマに逃げ場はない。
老猫は『やれやれ』と呟いた。あの三匹は警備隊として昇格したばかりだ。元気に狂気が有り余っている。
昨夜も、謝って境界を越えてしまった連合の猫を噛み殺してしまった。なにもそこまでするこたないのに。
勢力が違うとはいえ、同じ猫が苦しむ姿は見るに耐えない。若い時ならまだしも、齢を重ねていまは落ち着いたのだ。老猫は顔をそむけた。
悲鳴がこだました。
静かになり、視線を戻した老猫は驚愕した。
『さて、じいさん。組長の伝えてくれや、タマがきたってな。それでわからにゃ、野良猫連合の総長か、凶器のタマで通じるやろ』
三匹の猫が積み重なって倒れている。身体中が深く切り裂かれ、とめどなく血が溢れている。
その上に、無傷のタマが立っていた。身体には一点の汚れもない。包帯の下の傷は深いのか、四肢がヨタヨタとしている。
軽く押しただけで、倒れそうに見える。老猫でも倒せそうであった。しかし、三匹の死体が、タマの恐ろしさを雄弁に物語っている。
一年前、野良猫組は連合に戦争を仕掛けた。組が送り込んだ兵力は300の精鋭。そのうちの半分以上、200匹がタマ一匹によって戦闘不能にされた。タマが通り過ぎただけで、周囲の猫が血飛沫をあげながら倒れこんだという。
老猫はすでに引退しており、戦争には参加していなかった。タマの噂は誇張されていると信じていたのだが。
578 :
タマ:2005/06/11(土) 15:47:24
現実を目の当たりにしたいま、信じるほかない。老猫は年のせいではなく、シンプルな脅えから足腰が震えた。
『オレもあんま殺したかない。何も戦争をしにきたわけやないんや。友好的に、話し合いの場をもうけてくれや、な』
老猫は慌てて駆け出した。行き先はもちろん組長のところである。背後から、タマの泣き声が聞えた。
『オレはここを動かんからな。はよ呼んでこい。それとな、兵隊をよこしてみ、きたらきただけ殺すで。そこらへん、ようわきまえとってな』
磯野家。
揃って学校から帰宅したワカメとカツオは、玄関に張られている不審な張り紙に困惑した。
――磯野フネは死にました。
「なんだよこれはッ!」
カツオが怒鳴り声を上げ、張り紙を破こうと手をかけたが、その手が止まった。
張り紙は一枚だけでなく、複数あった。一枚目をめくった裏に、二枚目が見える。なにか書かれている。文字は右の上隅から、左下の隅へと斜めに続いている。
「お兄ちゃん……」
一枚目をめくりかかってとめているカツオの背後から、ワカメは二枚目の文字をのぞきみた。
「磯、野、カ、ツ、オ、は」
「読むんじゃないッ!」
カツオは紙を破り捨てるのと同時に、ワカメに向かって振り返りながら叫んだ。
振り返ったカツオは目を見開いた。背を丸めランドセルで身を守る。
ワカメの目の前で、カツオのランドセルに包丁が突き刺さっていた。カツオが身を守らなければ、包丁が胸に、ちょうど心臓のあたりに突き刺さり惨事になっていただろう。
「さすがアタシの弟じゃないの、って今のは手加減したのよ」
ちょうど、磯野家の向かいは民家の壁がある。その壁に、サザエが寄り掛かっていた。ガンマンが銃をまわすように、両手で包丁を回している。
「予言的中ね」
「姉さん、なんの真似だい?」
二枚目にはこうあった。磯野カツオは助かる、と。確かに、カツオは助かった。しかし、一歩間違えば死んでいたろう。
「お遊びよ。最近、あんたたちと遊んであげられなかったでしょう」
「これが遊びだって……」
「背筋がゾクゾクしない?」
サザエの口元が歪み、腕が閃いたかと思うと、
「きゃあ!」
と悲鳴をあげながら、ペタリとワカメがその場に座り込んでしまった。
「ね、姉さん何を!」
ワカメは放心状態でカツオを見た。
「おにい、ちゃん」
579 :
タマ:2005/06/11(土) 15:48:13
ワカメの白い首から血が溢れ出ている。
「早くおさえるんだワカメ!」
見ていられなくなり、カツオが止血しよとするが、
「あなたには他の役割があるのよ」
言いながらサザエの腕が閃いた。音もなく飛ばされた包丁が、カツオの足元に突き刺さっている。
飛んできた包丁が見えなかった。見えない包丁が、ワカメの首を切り裂いたのか。カツオが横目で確認すると、玄関扉に包丁が突き刺さっていた。
「カツオ、あんたのすることは一つ。早くしないとワカメが出血多量で死んでしまうわ。救急車を呼んで頂戴」
「言われなくてもやるさ!!」
玄関を開けようと手を伸ばそうとしたカツオは、おかしな匂いに気がついた。肌を刺すような高揚感を喚起する匂いだ。
熱せられたフライパンに誤って触れてしまったかのように、カツオはその場から一歩身を引いた。無意識の動作だった。
「やっぱり、あんたいい感してるじゃないの」
最前までカツオがいた空間を、白く光る包丁が通過して戸の取っ手に突き刺さった。
「いわなかった?、ゲームだって。やすやすと救急車が呼べると思ったら大間違いよ」
サザエは狂っている。カツオは己の置かれた状況が信じられずにいた。しかし、目の前で血を流し続けるワカメは圧倒的な現実感を伴い、カツオの危機感を刺激する。
噴出す血の量から、放っておけば死んでしまうのは確実。行動しなければならない。動かなければならない。
カツオは足元に突き刺さっていた包丁を拾った。そして、
「やるじゃないの」
サザエが投擲した見えない包丁を弾く。包丁同士が甲高い音をたてた。見えずとも、身体が勝手に動いた。
姉に殺されようとしていることも、またリアルだ。カツオの中で燻っていた本能が目覚め始めた。
自分自身から、そして血を流し続ける妹から、死の匂いを、カツオはかいでいた。
『元気そうやな』
タマの前に、四匹の猫がやってきた。組長のマサミチを先頭に、奥に三匹の青黒い毛並みの猫が三匹控えている。若頭のセイハチ、ゴイチ、ジュウロウであった。
マサミチは隻眼である。右の眼は、タマに潰された。見えない目が、いま再び疼き始めている。
『戦争でもはじめる気か?』
『聞いてなかったんかいな。話し合いにきただけや』
『ならなんだ、その足元の死体は。どうみてもうちの若いのだ』
580 :
タマ:2005/06/11(土) 15:48:54
『正当防衛って知っとるか? 襲ってきたらしゃあないやろ。堪忍してや』
『ほう、ならばこれも正当防衛か。うちの若いのが殺された。やり返したって、誰も文句いわないよなぁッ!』
若頭が一斉に毛を逆立たせた。同時に、屋根や塀の上から、何十匹もの猫が姿を見せた。それらが、全員歯をむき出しに威嚇している。
『ええよ、ええよ。だがなぁ、オレをやるつもりなら、この三倍は必要やで』
落ち着き払っていたタマに向かって、一匹の猫が我慢できずに飛び掛った。
『はやまるなッ!』
組長の制止虚しく、タマの身体が震えたかと思うと、飛び掛った野良猫が地に伏していた。
二匹が衝突する瞬間、何が起こったのか誰の目にも見えていなかった。ただ、気がついた時には、タマの前足が飛びかかった猫の首根っこを踏み潰していた。
『ほんと、こんなことはしたかあらへん』
タマが足を上げて猫を蹴飛ばした。吹っ飛ばされながら、身体中に刻まれた傷跡から血潮がふきだした。当然、すでに絶命している。
『悪かったな。なにぶん、うちの構成員は血の気が多くてしょうがない』
マサミチは青ざめた顔で言った。一年前の戦争で、大幅な人員交代を余技なくされた。多くが青二才でヒヨッコだ。
戦争では無事だった奴らも、タマを恐れて多くが隠居した。
『話し合いってのはなんだ?』
『最初からそう聞けや。停戦交渉しにきたんや。今から一週間、うちは用事があっての、警備すらできん状態になる』
タマは耳の裏をかきながら言った。まったく油断しきっているとしか思えないのに。誰もが先走った猫の死体から発せられる恐怖に縛り付けられていた。
『せやから、縄張り争いどこじゃないんや。お互い、一週間の休戦といかんか?』
『断ったら、どうなる?』
『組長ともあろうお方が勘違いしたらあかんよ。なあ』
周囲の野良猫に賛同を求めるタマだが、答える猫は一匹としていない。みな凍り付いていた。
『オレがいまここで、野良猫組を潰したって、べつにいいんやで』
無茶苦茶な脅しだが、タマならやりかねない。怖ろしい恫喝であった。
『わ、解った。申し入れを受けよう』
『さすが組長や。話わかるやないの。ほな、これで失礼』
と、タマが踵を返したとき、どこから一匹の猫が、怯えきった野良猫組の頭上を飛び越えて、タマの前に着地した。
『どないしたんや』
581 :
タマ:2005/06/11(土) 15:49:42
それは野良猫連合の連絡を任された幹部猫アキトシだった。
『そ、総長……』
『なんや、泣いとるのか』
ただならぬ気配が伝わってくる。まさかとは思うが、タマは悪い予感が当らぬ事を祈ったが、
『ユウジさんが』
『まさか、先走りよったんかッ!!』
アキトシの言葉はタマの叫びに遮られる。アキトシが弁解しようとしたときには、タマはすでに駆け出していた。
『総長待ってくださいッ!! 違うんですッ!!』
追いかけようとしたアキトシの前に三匹の猫が立ちふさがった。セイハチ、ゴイチ、ジュウロウだった。
『な、なにを』
慌てて周囲を見渡すと、アキトシは血の気を取り戻した野良猫組に包囲されていた。
『なあに、何をそんなに慌ててるのか、理由を知りたいだけだよ。教えてくれるよな?』
震えるアキトシ。復讐のチャンスに興奮するマサミチの見えない瞳から、血の涙が流れ出ていた。
タラオは一人で、タエコやイクラが住むマンションの前に立たされていた。
額には玉の汗が浮び、表情には焦燥の色が濃い。タラオはトレーナーの下にプラスチック爆弾を巻いている。
無理に外そうとすれば、その瞬間に爆発する。外せるのは、サザエだけだ。命令に従わないと爆発させるわよ。脅し文句に、タラオは踊らされていた。
本当は時限式で、いますぐにでも爆発するかもしれない。狂気にかられたサザエのいう事など、タラオは信用できなかった。
かといって、逆らうことも出来ない。黙って死ぬのはごめんだ。チャンスはきっとくる、いまは耐えるべき時だった。
数時間前、タラオはサザエに勝負を挑んだが、まったく相手にならなかった。タラオとて、毎日ナイフを扱う修練を重ねていたのだ。
自信はあったのだが。力を過信した結果が、これだった。サザエは赤子の手を捻るようにタラオをねじ伏せ、どこから手に入れてきたのかプラスチック爆弾を巻きつけた。
「ごめんね、タラちゃん。あたし、昨日タエコさんのお家に忘れ物をしてきたの。とりにいってきてくれる? 行かないと、それ外してあげないから
それと、なるべく急いで言ってきてね。アタシ、待たされるのが嫌いだって知ってるでしょ。ね」
かくして、タラオはタエコ宅のチャイムを押していた。背が届かないから、近くにあった棒で押した。
「はーい、あらタラちゃん一人?」
582 :
タマ:2005/06/11(土) 16:04:41
「チャー」
「あの、ママが忘れ物したって」
「あ、ああ、アレのことね。タラちゃんちょっとあがっていって。ジュース飲みたいでしょ。イクラも喜ぶわ」
「ハーイハーイ」
「ごめんなさい。急いでるです」
「そう、残念ねイクラ」
タエコが部屋の奥へと消えていった。イクラが残っていて、タラオにまとわりつく。
「駄目ですよ、イクラちゃん。ぼくに近寄ったら駄目」
「チャー(怒)」
タラオが注意すると、イクラはムキになって抱きついてきた。
「うわッ」
タラオは玄関で倒れた。イクラが馬乗りになる。
「ハーイ?」
イクラは、いつもとは違う何かに気付いた。好奇心に忠実にタラオのトレーナーを捲り上げる。
「やめるです!」
タラオは慌ててイクラを突き飛ばした。
「チャー!」
しかし、イクラの手の中には、すでにタラオから剥ぎ取ったプラスチック爆弾が握られていた。
そんな馬鹿な! サザエにしか外せないはずなのに!
困惑するタラオ。イクラが不思議そうにプラスチック爆弾を眺めている。そして、ぶんぶんと振り回し始めた。
「チャーチャーチャーチャーチャーチャーチャーチャーチャーチャーチャーチャー……
ャー……。
タラオは磯野家を目指して歩いていた。服や髪の毛の一部が焦げている。みすぼらしい姿だった。
救急車、消防車がタラオの横を通り過ぎていった。背後の空に、高々と黒い煙が巻き上がっている。野次馬も沢山通り過ぎた。
タラオの頬を伝う涙は、ススで汚れて澱んでいる。
黒い涙が行く筋も、タラオの目尻から溢れては零れた。
さ〜て、来週のサザエさんは
カツオ無残、さらば愛しき妹よ
鬼になったノリスケと呪い屋ナミヘイ
集えタマの名の下に、復讐の宴始る
の三本でーす
583 :
タマ:2005/06/15(水) 00:50:49
サザエとカツオは玄関先でにらみ合っていた。間には血を流し続けるワカメがいる。
カツオが家の中へ入ろうと振り返った瞬間に、サザエは包丁を投擲するだろう。カツオはそれを避ける自信がなかった。
「どうしたの? 早くしないとワカメが死ぬわよ。それでもいいわけ?」
おちょくるように言うサザエに、ごうを煮やしたカツオが突進した。
「あらあら」
しかし哀れ、カツオはワカメの血で滑って前のめりに倒れこんだ。
「その選択は、」
サザエの振り上げた足がカツオの顎を直撃する。口の端から折れた歯をこぼしながら、カツオの身体が宙に浮く。
「失敗よ」
まるで爪先とカツオの頭が糸で結ばれているかのように、高々と振り上げられたサザエの足に、
エサを貰おうと口をパクパクさせる金魚のように上を向いたカツオの後頭部が吸い寄せられた。
間髪いれず、それが振り下ろされる。
「カツオ、ティッシュもってる? ハンカチでもいいわ」
カツオはアスファルトにうつ伏せに倒れていた。後頭部には先ほどからサザエの足が載っている。
「持ってるか聞いてるのよ」
持ってない。くぐもった小さな声が聞えた。
「持ってないか、じゃああたしのを使いなさい」
そういってサザエはポケットティッシュを落とした。
足がどけられ、カツオが手をついて身体を起こすと、ツゥっとは鼻血が垂れた。
「鼻血が出ていいことは何もないのよ。鼻の内側の皮膚っていうのは脳に直接酸素を送り込んでいて」
カツオは下を向きながら、サザエが立っている位置を確認した。
転んだのはワザとだ、格闘戦でサザエに勝つ見込みはないと、本能が告げていた。
ならばダメージを受けたっていい。近付いて一撃見舞う。その隙に家の中に入る。
カツオは蹴られても決して話さなかった包丁を、真一文字に動かした。
「それも駄目ね」
縄跳びのように跨ぐと、サザエは包丁を持ったカツオの手を踏み潰した。思わず包丁を放す。
「カツオ、もうお仕舞い」
サザエはカツオの襟を掴むと、そのまま力任せに持ち上げた。一撃交わしたことで、サザエは油断していた。
鼻から下を真っ赤に染めながら、カツオは笑みを浮かべていた。対照的に、サザエの顔は苦痛に歪んでいた。
サザエが痛みに耐えかね、カツオの襟を放した。名残惜しそうに、血の糸が両者を繋いだ。
584 :
タマ:2005/06/15(水) 00:51:42
「しゃがみ込んだ時、もう一つ、家庭科の授業で使った縫い針を襟に仕込んでおいたのさ」
カツオの胴回し蹴りが、サザエの包丁を持った手にヒットする。どこぞへ飛んでいく包丁。
半回転したカツオはそのまま駆け出した。もうサザエに武器はない。包丁を拾っている頃には、カツオは屋内へと入り込んでいる。カツオの勝ちだ。
待っていろワカメ、胸中で叫んだ声が、凍り付いてた。
「たしかに、拾っていては間に合わない。でもね、カツオ。あんたなのよ、あんたが、アタシが蹴りやすい位置に、包丁を落としたのよ」
カツオの脇腹に包丁が突き刺さっていた。
「まだまだね、カツオ」
一陣の風が吹き、磯野家の玄関の貼り紙を揺らした。カツオが一枚目を破き、二枚目が風にのって消える。
磯野ワカメは死にました。
三枚目の文字が、露になった。
夕暮れが放射雲を染めていた。石段にまばらに生えた草花も、赤い。。
ナミヘイは一段一段、ゆっくりと歩を進めた。老体には些かこたえた。。
『因果をほどきなはれ』老師の声が甦る。ナミヘイは半分ほど下りたところで、一息ついて腰を下ろした。眼下には町が一望できる。
具体的にどれかと問われれば困るが、磯野家の屋根も恐らくは視界に入っているだろう。
老眼でなければ、我が家を見分けられたかもしれぬ。
『蜂の巣つついたら、そら射されるわな。下手したら死んでまう』
老師は盲目の瞳でナミヘイを見ていた。見えぬからこそ怖ろしい瞳であった。
『家族を守れるでしょうか』
ナミヘイの問いに、老師は首を振った。
『無理やな。帰ったら、死人が出とるで。お前さんが帰ったところでも、今日一日の修行で、どうかなる相手じゃないわな』
『そ、それでは』
『ナミヘイ、ワシに期待しても無駄やて。ワシはまだ死にたかない。腹にきっと力を込めて、はよう寺をおりなはれ。家族のもとに帰らんかい』
煙草を取り出し、ナミヘイは火を点けた。煙を肺深くに送り込み、ふっと吐いた。
「よっこらせと」
と立ち上がる。携帯灰皿を活用しながら、遅々とした速度で石段をおりきった。年のせいだけでなく、精神面でも足が鈍っていた。
灰皿に吸い終えた煙草を押し込め、間髪いれず二本目を加えた。
どうしたものか。ナミヘイは和服の袖を振るい、薄っぺらい短冊の形をした呪符である。
585 :
タマ:2005/06/15(水) 00:52:26
団扇のようにそれを振りながら、我が家を目指して歩いた。
「まずは様子見か。カツオやワカメが無事だといいんだが」
二言三言、ナミヘイが囁くと手の中の呪符が形を変えて、手の平から飛び降りた。
もとはただの紙であるネズミが、磯野家目指して走り去った。簡単な式神である。
ナミヘイが三本目の煙草に火をつけたとき、十字路から知り合いが姿を現した。
心ここにあらずという感で、足取りが危うい。まったく呑みすぎたのか、とナミヘイは嘆息した。
「おい、ノリスケ」
問いかけに、ノリスケが虚ろな視線を向けた。ナミヘイは息を呑んだ。
眼下が落ち窪み、黒々とした隈ができている。頬は削げ落ち、でっぷりとしていた体躯がやせ細っていた。
しかし、華奢な感はない。むしろ逆だ。例えるなら、後脚で立ち上がった熊のような威圧感がある。
「ノリスケか?」
思わず確認したナミヘイに、ノリスケがにっと笑いかけた。暗い口腔の奥に、まるで肉食獣のような牙が見えた。
犬歯にしては長く鋭利な、正しく刃そのもの。剣呑剣呑とはよくいったものだ、ノリスケは正しく剣を呑んだかのようだった。
ノリスケはすぐに前へ向き直り、それ以上ナミヘイに構うことをやめた。
イクラが爆死したことを知らないナミヘイには、ノリスケの心境はつゆほども理解できなかった。
ただ、呑んだ刃が当て所もなく標的を見定めかねていることだけは感じ取った。
ノリスケは鬼になっていた。誰か人を喰おうとしている。サザエとの戦いを控えたナミヘイは、ただ見過ごすことしか出来なかった。
許せノリスケ。念仏を唱えるナミヘイの憐憫の眼差しを受けながら、ノリスケの姿が闇に溶けて消えた。
「ニャァーッ!」
タマは駈けていた。屋根から屋根へ、白い玉がポンポンとはずむように移動している。
その周囲を、同じように数匹の猫が追っていた。
『おどれら、何しとるかッ!!』
『タマさん、勝負してください』
ユウジがタマに並んだ。アキトシの伝言を受け、タマが帰ってみるとユウジがクーデターを起こしていた。
人望の厚いユウジだ。連合の三分の一がユウジについていた。しかし、これではクーデターは成功しない。
最低でも半分は必要だ。その半分を、ユウジはタマに勝利することで集めようとしていた。
『なぜや、なぜ裏切った?』
586 :
タマ:2005/06/15(水) 00:53:10
『裏切りじゃねえ。オレのほうが強い、ただそれを証明したい』
『よかろう』
タマとユウジが空き地に降り立った。見受け人として、数匹の幹部が二匹を見守った。
『明日、朝陽とともにサザエを狩る。お前を倒して、オレの連合がな』
『サザエを狩るのは、オレの連合だ』
先手をとったのはユウジだ。自慢の俊足で姿を消す。夜目が効く猫とはいえ、高速で移動するユウジを捉えるのは難しい。見受け人は皆、見失っていた。
『オレに近付くなユウジ。近付いたら、そこでお仕舞いや』
ユウジが跳躍した。タマの真上から襲い掛かる。
見受け人が息を呑んだ。
ユウジの前脚が、タマの頭を踏みつけた。
『…ッ!?』
タマの姿が消える。
『残像や』
ユウジの懐に踏み込んだタマの体当たりを受けて、ユウジの身体が吹っ飛んだ。
『ま、まだ……』
砂埃の中、ユウジが立ち上がる。しかし、慄きが身を蝕んでいた。
全身凶器とあだ名されたタマが、絶好のチャンスに体当たりで済ませたのだ。
命の価値を計るユウジは、やがて諦めたように首を振った。
何時の間にか、空き地には何百匹という猫が集まっていた。沸き起こるユウジ&タマのコール。
強さと同時に慈悲深さを証明したタマの名の下に、野良猫連合は一丸となってサザエに挑む決意をしていた。
さぁーて、来週のサザエさんは
死体消失す、フネの行方いずこに
サザエの暗琉破天と、ナミヘイ決死の八卦遁陣術
マスオ強襲、磯野仙気雷弾!!
の三本でーす。
587 :
タマ:2005/06/15(水) 01:00:06
夜。
磯野家。
カツオは腹に包帯を巻かれ、自室で臥せていた。脇腹に刺さった包丁はサザエの技量で、安静にしているだけで数週間もすれば完治する。
手当てしたのも寝床をこしらえたのもサザエであった。
タラオはとくに外傷もなく、身体的には健康そのものだったが、精神的な衝撃からカツオと同じく、自室で臥せていた。
玄関に放置されていたワカメの死体は、どこぞに消えた。それを見たサザエは首を捻った。
取り合えず、血を洗い流し、帰宅してくるマスオやナミヘイのために、サザエは夕食の支度にとりかかっていた。
下ごしらえなど、炊飯器のセットが終わった頃、地下室へ様子を見に行くと、ワカメの死体と同じように、フネの姿も消えていた。
ずっと地下室に転がしておいたのだが、誰か逃がした人間がいるのだろうか。
せいぜいアタシを楽しませて欲しいものね、とサザエは楽天的に考えていた。
台所に戻り、握った包丁をすぐさまサザエは放っていた。板張りの床にネズミのような形をした紙が、包丁に刺し止められていた。
思うところがあったのか、サザエはサンダルをつっかけて勝手口から外にでた。
異様な気配がした。厚い雲が垂れ込めた夜空には星ひとつない。
タッタッとサザエは塀を飛び越えて道路に着地した。
「家族は無事か?」
和服姿のナミヘイが、十字路を曲がって現れた。
「一人死んだわ」
サザエが吐き捨てるように言った。
「サザエ、お前……」
悲愴がナミヘイの顔を歪めていた。
「わしも殺すのか?」
「それは父さん次第よ」
「仕方あるまい」
ナミヘイが動いた。袖口から取り出した呪符を矢継ぎ早に飛ばした。サザエに近付くと、呪符は燃える火の玉に変貌する。
「少し熱いわね」
苦もなく、飛ぶ蚊を叩くように炎の弾丸を弾いてサザエが前進した。ゆっくりと歩み寄る。
ナミヘイは弾かれてもなお、呪符を飛ばし続けた。左右にステップを踏み、角度をつけて、様々な位置から飛ばす。
飽きた、とでも言うようにサザエが顔を顰めた。次の瞬間には、サザエの身体は肉眼では捉えられぬ速度を帯びて移動していた。
一瞬にしてナミヘイの背後に回ったサザエの手刀が、ナミヘイの華奢な体躯を切り裂いた。
588 :
タマ:2005/06/15(水) 01:00:57
吹き出る血潮は在らず、ざっくりと裂け目が入った人の形をした紙切れがヒラリと舞い落ちた。
先ほどまでサザエが居た位置に、ナミヘイが仁王立ちしていた。
「素早いわね、父さん」
即座に差を詰め肉薄したサザエの眼前で、ナミヘイの口元がモゴモゴを蠢いた。途端、サザエの動きが停止した。指一本動かせない。
「サザエ、今ならまだ許そう。悔改めるのだ」
ナミヘイは空間の性質を操作し、相手の動きを封じる結界を作成していた。火の玉になる呪符の中に、結界を構成する特別なものを織り交ぜていた。
「さあ、覚えがないわね」
「いまならまだ許そうと言っておるのだ!」
ナミヘイの言葉には熱が篭っていた。対照的に、サザエの声は冷たい。
「父さん」
サザエの首筋には、短刀の刃が立てられていた。ナミヘイがほんの少し力を入れるだけで、人一人が致命傷を負う状況である。
「足りないわね」
ヴァジュラ。サザエが呪文のように呟いた刹那、ナミヘイの目が回った。
「地が消えた!? これは錯覚か!!」
ナミヘイは狼狽した。つい最前まで立っていた地面が突然消えうせていた。見えるもの、視界にはいる総てが、サザエをのぞいて黒く塗り固められている。
天も地も両方消えていた。落ちていく感覚はないが、浮いている感覚もない。自分がいまどういった状況にあるのか、ナミヘイには理解できなかった。
平衡感覚がまるで働いていない。空間ごと結界の影響力が消えうせたのを、幻惑の中でナミヘイは覚った。
「千百九ある経絡破孔、すべてついてあげるわ」
サザエの腕が何百本と増えて、ナミヘイの迫っていた。
「うおおッ!!」
絶叫するナミヘイ。サザエの腕がピタリと停止した。
「ど……どうした? 突いてこないのか、サザエ? ワシの経絡破孔をすべて突くんじゃあなかったのか?」
「自らの身体を呪ったわね。触れた者さえ呪う強力な呪いを、まさか自分の身体にかけるとは恐れ入ったわ。策士ね、ぬけめないわ、父さん」
「それはお互いのようじゃの、うっかり触らなかったとは、用心深い娘よ」
「それでも、この暗琉破天を破らない限り、父さんに勝機はないわよ」
サザエの掌から放たれた魔闘気の奔流が塊となってナミヘイを襲った。
「ぐふぁッ」
ナミヘイの身体が魔闘気に押され吹っ飛んだ。
589 :
タマ:2005/06/15(水) 01:01:54
「とどめっ!」
追撃に動いたサザエの頭上に、舞い降りた一人の男がいた。
「そろそろ出てくる頃合いだと思ってたわよ、マスオさん!」
磯野家の辺りまでマスオが帰宅してくると、ナミヘイと戦っているサザエがいた。マスオは妻に気付かれる前に、彼女の頭上へと跳躍していた。
「そろそろ出てくる頃合いだと思ってたわよ、マスオさん!」
突然現れたマスオにサザエが標的を変更した。天と地に別れ、夫婦が対峙していた。
「磯野仙気雷弾!!」
マスオの姿が十重二十重に分身する。その総てが、必殺の構えでサザエを狙っていた。
「マスオ君!」
吹き飛びながら、ナミヘイが呪符を飛ばす。ただの紙切れが、毒蛾へと姿を変えた。
チラチラと視界をよぎる異物に、僅かにサザエの集中力がかき乱される。毒の粉を吸わぬよう、呼吸を制限することでも、また散漫となった。
本来ならばマスオの闘気を感じ取り、偽者には目もくれず本物だけを捕らえられたであろう。いまのサザエは突き出される無数の拳が、すべて本物にみえる。
唸るサザエ。勝利を確信したマスオだったが、湧き立つ気力が、冷たいサザエの拳に打たれ氷結した。
「『全部蹴ったれ』ってね、見えるマスオさん全員殴らせてもらったわ」
ナミヘイと寸分たがわぬ軌道を通ってマスオが殴り飛ばされた。無傷のサザエが、それを悠然と見送った。
「さあ、すぐ晩御飯にしますから」
サンダルを履いたサザエは、さっさと家の中へ戻っていった。
二人折重なって倒れながら、マスオとナミヘイは顔を見合わせていた。
暗鬱と陰欝に満ちた苦渋の表情であった。訪れた夜よりなお黒い闇に、お互い蝕まれていた。
さーて、来週のサザエさんは、
三人だけの食卓、サザエ献身
猫対サザエ、早朝の激突
鬼現る、サザエ戦慄す
の三本でーす。
590 :
タマ:2005/06/15(水) 01:02:32
読んでない奴、読むのメンドクサイ奴のためにこれまでの話を要約しよう。
ある日の午後、サザエが夕食の支度をしている最中、一匹のドラ猫が魚を盗んだ。
追いかけたサザエはドラ猫を惨殺。夕食の材料とした。そして気まぐれにフネを監禁。
夜になり、何も知らない面々が食事にありつこうとした時、怒ったタマが食卓を荒らす。
それに激怒したサザエがタマを叱り、腹いせにタラオを虐待する。
翌日、殺されたドラ猫の仇を討つためタマとその仲間達が立ち上がった。
学校から帰ったワカメとカツオは、非業のゲームで弄ばれ、ワカメが死亡。カツオも負傷する。。
午後になり、監禁されたフネを発見したタラオはサザエに捕まり、爆弾を身につけさせられた。
半ば強制的にナミノ家に出向かされ、そこでイクラが爆死、タラオは九死に一生をえる。
一方、監禁されていたフネとワカメの死体が消失し、息子の死に鬼と化したノリスケは町を俳諧していた。
会社を休み、一日修行し昔の感をいくらか取り戻したナミヘイは、サザエに戦いを挑む。
マスオの加勢を受けるも、二人はあっけなく敗北。サザエに傷一つ負わすことが出来なかった。
そんなこんなで物語は二日目の夜を迎える。
続きはないのか
592 :
タマ:2005/06/24(金) 00:27:59
前回から一週間か。忘れてたわけじゃないんだがなぁ、とりあえず書いてあったとこまで投下するか
その夜、食卓にサザエ、ナミヘイ、マスオが顔を揃えていた。三人は黙々と料理に箸をつけていた。
マスオの顔には先ほど殴られた時に出来た痣が出来ている。ナミヘイは全身を強打しており、正座しているだけで苦しそうであった。
「ちょっとお出汁変えてみたんだけど、どうかしら?」
「ぼくは、前のほうが良かったかな」
「そうね、マスオさんは昆布が好きだものね」
でもアナタの分だけ特別に用意する時間も金銭的余裕もうちにはありませんよ。
「フネは、どこへやった?」
ナミヘイの押し殺した声が味噌汁に沈んだ。
「アタシが知りたいぐらいよ。警察にでも言って、捜索願だそうかしらね。隣のオカルさんに聞いてみたけど、あちらも心当たりがないそうよ」
「ワカメはどうした?」
「死んだわ」
「遺体をどうした?」
「消えたわ」
「カツオは無事なのか?」
「安静にしておけばすぐに治るわよ。カツオの身体は丈夫なのよ。父さんだって知ってるでしょ。学校にはちゃんと連絡を入れておきましたから」
「ワカメは、どうする心算だ」
「三日待って帰ってこなかったら、捜索願を出すわ」
「死んだもが帰ってくると思うのか?」
「紙切れに命を吹き込む父さんの娘よ、それに、アタシは母さんが何かしたと思うの。いずれにしろ、少し待ちましょう」
マスオが空になった自分の食器を持って立ち上がった。台所で洗うと、すぐに部屋へと戻った。夫婦の部屋ではなく、客間であった。そこにタラオが寝かされている。
家庭内別居といった状況であった。
「サザエ、お前はもう大人だ。何をしようと責任は自分で背負える。しかし、ここのところ他人に迷惑をかけすぎている
今のところ、うちの者だけだからまだいいが、これ以上の暴挙は、ワシが許さんぞ」
ナミヘイは、タラオ爆弾事件を知らない。知ったときどうなるか、サザエは楽しみだった。
「二人がかりでもアタシに敵わない父さんが、アタシを止められるのかしら」
ナミヘイの顔が真っ赤に染まった。
「晩酌はお一人でどうぞ」
サザエはそそくさと片付けを終えて居間をあとにした。
593 :
タマ:2005/06/24(金) 00:28:25
朝、一人で親子の部屋で寝ていたサザエは不審な物音を捉えた。何かが部屋を動き回っている。
何事かと起き上がったのと同時、窓から一匹の猫が逃げ去った。
室内には夥しい量の猫の毛が散乱している。部屋中のありとあらゆるものがひっくり返され、これでもかという風に荒らされていた。
チリンチリン。
タマの首輪についた鈴の音が屋外から聞える。サザエは寝巻きのまま、裸足で窓から外に飛び出した。
東の空に呆れるほど丸いオレンジの太陽が顔を出し初めた早朝。数十匹の猫が、視界に飛び込んだ。地面、塀や屋根の上に所狭しとひしめき合っている。
それらが、一斉に飛び掛ってきた。寝ぼけていた事もあり、サザエは対応が送れ、猫達が離れていった後には、全身に生傷を拵えたサザエの姿が残されていた。
第一段階は成功だ。集団に紛れ込んでいたタマの目の前で、サザエの表情が見る間に変わっていく。
「あんたたち、命が惜しくないようね」
ハエを音だけで捕まえ、ゴキブリすら握り潰すサザエである。手当たりしだいに猫を掴み取ると、尋常ならぬ握力で次々に血祭りにあげていく。
「ニャニュア!」
タマの一声で、猫達が目的地に向かって一斉に駆け出した。すでにその数は半分に減らされている。
『命を繋ぐんや。一人死んだとて、一人生き残れば報われるからのう!!』
そう言ったものの、見る限り一匹逃れるために五匹死んでいる。割に合わない計算だ。
猫の脚は早い。身体の重い人間と比べると、驚異的ともいえる初速で駆け出す。長距離ならまだしも、短距離で追いつくのは至難の業であった。
しかしそこはサザエさん。強靭な足腰が獣並の脚力を生む。ましてや、タマ率いる猫たちには目的地がある。サザエを誘導するという目的がある。
追いつけないどころか、同列に並びながら、繰り出す拳と蹴りで着実に殺し続ける。
穏やかな朝の匂いに、穢れた血肉の刺激臭が雑じった。
ある程度お互いに距離を保ちながらも、集団で逃げる住宅街を駈ける猫達。背後には狂える暴凶星サザエ。すっぴんだった素顔には血化粧が施されている。
「にゃー!」
594 :
タマ:2005/06/24(金) 00:29:04
待機していた部隊が鳴いた。サザエの脚では、目的地におびき寄せるまでに死んでしまう。タマら誘導隊のための、足止めであった。
「今日はやけに猫が多いわね」
サザエは町中の野良猫が集結していることを知らない。
足止め部隊がサザエの前に立ちふさがる。新幹線に人が轢かれる様に、バラバラに砕け散った猫たちが宙を待った。
小便する時間すら稼げなかったが、サザエ抹殺作戦の第一作戦決行地が目前に迫った。
人気の無い十字路。そこにサザエが通り掛ると同時に、五匹の猫が運転する軽トラが突っ込む。猫達がずらかれば、交通事故に見せかけられるというわけだ。
タマが一群を抜け出し、控えていた第一作戦実行部隊に合図を送る。一団が十字路に差し掛かる。タイミングは完璧で、サザエと軽トラが衝突した。
鈍い音が木霊するはずであった。しかしサザエが何をどうしたのか、宙を舞う軽トラ。
激突する刹那に、車体の下に足をかけ、一本背負いのように車体を持ち上げ、自分は身を屈めていた。
まるで跳び箱を跳んだように、サザエの上を軽トラックが通過していった。
第一作戦は失敗。ほんの一秒にも満たない間、サザエを足止めしただけに終わった。
ノリスケは境内をうろついていた。昨日、ナミヘイが修行した場所である。鳥居を珍しそうに眺めている。
「ニャアニャア」
社の影に隠れて、数十匹の猫が鳴いていた。
『誰や、あいつ?』
ユウジが言った。不穏な気配を纏った不思議な人間だった。もうすぐ、サザエがやってくる。もっとも用意した作戦がみな失敗したらである。
おそらく失敗するであろう、そんな予感が集まった猫達にはあった。
境内にいる猫たちは、選りすぐりの戦闘猫である。猫連合の幹部が終結していると言っていい。
すべての作戦が失敗したとき、残された唯一の手段として彼らがサザエに最後の戦いを挑む。
その時が刻一刻と迫っている。おかしな人間をどうするか、猫達は相談しあった。
『一匹が他の場所へ誘導するってのはどうや?』
『ああ、それがいいや、オレがちょっくら行ってくるから』
595 :
タマ:2005/06/24(金) 00:29:51
一匹がノリスケに飛び掛り、ポケットに入っていた財布を抜き取った。そして軽快な足取りで逃げる。
それを人間が慌てて追いかける。普通なら、こうなるはずであった。しかし、ノリスケは普通ではなかった。
ただの人間、そう見下していた戦闘猫は、財布を抜き取る直前でノリスケに捕まえられた。
尻尾を握り締められ宙吊りにされる。暴れる猫を、ノリスケの暗い瞳が見詰た。そして首を傾げると、空を切る矢のような速度で、目の前で揺れる白い腹に噛み付いた。
見守っていたユウジら猫たちが絶句した。
ハラワタを食い千切られた猫の死体が、地面に落ちて潰れたトマトのような音をたてる。
あいつは何者だ?
猫たちの間で衝撃が走った。
「にゃーっ!」
同胞の仇と叫びながら、五匹の戦闘猫が社の影から飛び出した。一匹一匹が素晴らしい動きで見事な連携を見せる。
ノリスケの首に三匹、股座に二匹が噛み付いた。ノリスケは全く猫達を見ようとしていない。うつろな視線が虚空を彷徨っている。
五匹が一斉に身を捻らせて、それぞれ口にした部位を噛み千切りにかかった。
「にゃにゃっ!?」
待機していた猫達が驚きの声をあげる。
鉛のように重い。生き物を噛んだ感触じゃない。戸惑った五匹はそのままなす術もなくぶら下がっていた。口を離そうにも、口が開かなかった。
助けに向かおう。ユウジらが飛び出そうとする前に、一匹の猫が石階段を駆け上り境内へ突入した。誘導隊はタマを残してみな避難した。
タマだ。サザエが来たのだ。
『お前ら、これ以上の犠牲は出すわけにはいかん。ここからはオレたち幹部で…』
途中で言葉が止まった。異様な存在感を放つノリスケに、タマが気がついたのだった。
身体に猫をぶらつかせて、何を思っているのか呆けた顔で突っ立っている。
階段を登り終えて、タマに制裁を下そうとして身構えたサザエも、ノリスケに気付いて止まった。
「ノリスケさん?」
サザエの声に、ノリスケが反応した。懐かしいのか、目を細めて穏やかな表情を浮かべた。
「チャーチャー」
イクラの声音を真似たノリスケの声に、サザエが一歩退いた。不気味な、聞くものを憂鬱にせずにはいられない声であった。
596 :
タマ:2005/06/24(金) 00:31:12
「ハーイハーイ」
ノリスケがブルっと身を震わせると、ぶら下がっていた猫たちが吹き飛ばされた。ノリスケの肌には、猫達の歯が食い込んでいた。
「ちょっとノリスケさん、どうしたの?」
異様な気配に、サザエは下手に出てそろそろと歩み寄ろうとした時、
「チャーッ!」
ノリスケが両手を突き出してサザエに駆け寄った。大の大人が涎を撒き散らしながら、子供のようにかけてくる。
「あ、暗琉天破!!」
肌寒いものを感じたサザエが、魔闘気を解き放った。
しかし、ノリスケは構わずに駆け寄ってくる。得たいの知れぬ、サザエさん始って以来の恐怖をそこにあった。
サザエの全身から魔闘気がふきだし、煙幕のように舞い上がる。
「凄妙弾烈!!」
迫り来るノリスケに向かって、サザエが無数の拳を突き出した。ノリスケの全身が拳の形そのままに窪んでいく。
「ハッハッハハハハ!!」
裂帛の気合と共にサザエがこれでもかと拳を打ち込む。ノリスケの身体が宙に浮き上がった。
常人ならただの肉の塊に帰す攻撃を受けながらも、ノリスケのうつろな表情は変わらない。足元を蟻が歩いているのと同じように、サザエの攻撃に無関心だった。
「でやっ」
すかさずサザエが追撃し、とび膝蹴りを見舞い、渾身の力で蹴り飛ばした。
吹き飛んだノリスケは、屋根を突き破り、梁を折って社の中に沈んだ。
サザエは額に玉の汗を浮かべていた。肩で息をする疲れっぷり。殆ど準備動作なしに奥義を放ったことによる強い反動があった。思わず足が折れ、地面に片膝をつく。
しかし、奥義でなければ、ノリスケを退ける事は出来なかったであろう。今までに感じたことのない恐怖に突き動かされ、サザエは奥義を使わずにはいられなかった。
代償として、ノリスケは確実に死んでしまった。いまごろ、血反吐を吐きながら体内から爆発して木っ端微塵になっているだろう。
そういう技なのだ。猫たちはもういい、家に帰って休む。踵を返したサザエの背筋が凍った。
社の影に潜んでいた猫らが一斉に飛び出す、その直後、ノリスケが建物をただの木片に帰しながら、賽銭箱を蹴り飛ばし、例の、両手を突き出した格好で姿を現した。
「チャーチャーハーイ」
「そんな! 致命の破孔をついたのに!?」
サザエの悲鳴が朝焼けの空に虚しく響く。
597 :
タマ:2005/06/27(月) 07:29:25
サザエの悲鳴が朝焼けの空に虚しく響く。
ノリスケの身体からオーラが溢れ出た。ハエの群れのようなそれが、徐々にある形になる。それは、イクラだった。
愛息子を背に、鬼と化したノリスケがサザエに押し迫った。
さーて、来週のサザエさんは
グルメなワカメと落ち込むタマ
さよならタラオ
誰かの気持ちを考えたことがありますか?byナカジマ
の三本でーす
何時の間にか雨が降り出していた。タマら猫連合の幹部らは、濡れるに任せて呆然としていた。
サザエの連撃を耐え抜いた男が、ノリスケだという事をタマは知っていた。しかし、タマが見たことのある男とは違う。否、タマが今まで目撃してきたどの人間とも似つかない。
向かってくるノリスケに向かって、あくまで迎え撃つ体勢サザエは、傍らに立っていた灯篭を引き抜いた。
『どうするんだ総長?』
『うん』
幹部らはすでに意気消沈していた。動物は動物、人間は人間必要以上に関わるなと、無言の意思表示がなされたように思えてきていたのだ。
タマも二人の間につけいるすきが見出せない。
『ひく』
嘆息した猫らが、社を去り始めた。
「タマ」
「にゃー(お前らは先に帰っとれ)」
「ここにいたら濡れちゃうわよ」
ワカメはタマを抱えたまま、近くにある樹木の陰に身を寄せた。
「にゃー」
どこからともなく現れた妹が、姉の戦いを見守っていた。
真横から石の塊に殴打されたノリスケの身体が曲がる。曲がるが、吹っ飛ばされるまではいかず、しっかりと地に足ついてる。
ノリスケはサザエを上回る怪力で灯篭と奪い取ると強烈にスイングした。
「きゃッ!」
防御しきれず突き飛ばされるサザエ。土から泥に変わった地面をよく滑る。立ち上がろうとついた腕が折れた。骨折していた。
濡れた髪が額にかかり、悔しさと痛みで噛み切られた唇から血が滲む。無事な片腕で立ち上がった時には、ノリスケが目の前に迫っていた。
しかし、唐突に現れた小柄な影がサザエを突き飛ばし、自らはその場から一歩引いていた。
598 :
タマ:2005/06/27(月) 07:29:59
攻撃が空振りに終わったノリスケは呆然としていた。といっても、彼はつねに呆然としている。目だけが、虚ろな中でクルクルと機微をみせていた。
「ひどいよ」
泥まみれのサザエが呟いた。
「姉さんには影がないのよ。もっと悩まないと。まあ姉さんの性格からしてみたら厳しい注文かもね。えー、違う? 姉さん」
「影?」
「そう影」
「ワカメには沢山ありそうね」
突然わってはいった闖入者ワカメを興味深そうに眺めていたが、お腹がすいたのか大口を開けて噛み付いた。
「そんなことないわよ。アタシ姉さんの妹だもの」
ワカメは、ひょいっと上半身をのけぞらせて噛み付きを避けると、べーっと舌を突き出した。
エサと啄ばむ小鳥のように、首をかしげながらノリスケは両手を広げてワカメを捕まえにかかった。
左右から挟みこむように繰り出された腕を、ワカメは更に上半身をのけぞらせることで回避した。背中とお尻がくっ付いている。
ワカメの身体は九十度近く折り曲がっていた。ぶら下がる手。べちゃっと地面につけると、そのまま身体を支えて倒立した。
綺麗な半円を描いた爪先が強かにノリスケの顎を打っていた。
「あたしってば人間を食わずしてグルメを語るなかれ、なんて思うけど、いざ自分がってなると、さすがにあれよね」
宙に蹴り上げられたノリスケが車に引かれたカエルのように地面に落ちたのと同時、ワカメが優雅に立ち上がった。
「強めに蹴っといたから、しばらくは大丈夫よ。いまのうちに帰りましょ」
ワカメがいまだ地面に座り込んだままのサザエに手を差し出した。
「手、ドロだらけじゃないの」
「ワザとよ」
さて、イクラは爆死した。ウキエは知らん。ノリスケは鬼になった。タラオは泣いている。あの日いらい一時も欠かす事無く泣き続けている。
涙目のルカも形無しであった。エンバーマー美弥子の出番もない。人は死ぬ。これは当たり前の事であるが、
自分のせいで誰かが死ぬというのは色々な意味で面倒である。面倒が好きな人には心地良い。タラオは面倒が嫌いであった。
朝も昼も夜も泣き続けていると、色々と問題が起きる。まず濡れそぼった睫毛が視界を汚す。
599 :
タマ:2005/06/27(月) 07:31:01
そうでなくとも涙で霞むため、常に視界不良、水の中で目を開けているに近いものがある。次に外出の問題である。
子供が泣きながら歩いている。事情を知らない他人からみれば、十中八九迷子以外の何者でもない。
通報されるか、親切大好きの横槍野次馬に付きまとわれるのが落ちである。ましてタラオはカワイイためよく眼につく。
食事をとっていても、涙がポタポタ垂れるため、食事な水っぽくなる。最初のうちは塩辛かったが、暫く泣き続けるうちに無味になった。
要は何かしようとすると問題がおきるのだ。外出せず、家でじっとしている分には問題ない。
幸いにもタラオは外出する必要はない。部屋に閉じこもり、横になりながら食事すれば涙の被害に遭わない。
常に横たわり、時おり立ち上がったかと思えトイレである。サザエ以外の家族が心配していたが、気を揉み優しく話しかけたところでタラオは涙を流す以外に感情表現というものを棄てていた。
ぼけた視界を眺めながらタラオは考える。どうしてイクラは死んだのか。自分が殺したからである。
いやそれは違う。タラオは自問自答する。イクラが死んだのは爆弾のせいだ。
爆弾を用意したのはサザエだ。サザエが悪い。でも爆弾を運んだのはタラオだ。タラオが運ばなければイクラは死ななかった。
なぜ運んだのか。タラオは命が惜しかった。脅しに屈した。脅しは嘘まやかしで塗り固められていた。
自分で外して、河川にでも放り込めばよかった。それでイクラは助かった。
やっぱり自分が殺したのだ。タラオは瞼を閉じた。
600 :
タマ:2005/06/27(月) 07:31:24
「磯野が風邪を引くなんて珍しいなー」
「ほんとよねー、馬鹿は風邪ひかないってあれ嘘なのかしら」
ナカジマ、花沢、カオリら病欠ということになっているカツオの見舞いに磯野家を訪れて帰っていった。
フ さ カ
ネ | は大きな ツ
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601 :
タマ:2005/06/29(水) 17:28:32
しばらく休む
タマ乙
充電終わったらまたよろしく
ずいぶんと長いようだけれど、面白いのか?
604 :
タマ:2005/07/03(日) 06:55:08
>>603 とりあえず
>>562ぐらいは読んでくれ
面白かったら次も読め
おまいさんが読めば読むほど、おれは嬉しい
605 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/07(木) 22:52:36
保守age
606 :
タマ:2005/07/10(日) 16:43:17
あんまり長い事放置しとくと忘れ去られそうなんで再開する
取り合えず予告の三本は忘れてくれ。サザエ編が終了し、ストーリーはフネ編へ突入する
あらすじ、
サザエの狂気はすっかりおさまり、フネ、ワカメも家に戻ってきた。若干、変わった部分があるものの
いつものサザエさんが始るかに見えたが、新たな狂気がサザエさん一家を襲う。
ナミヘイは煙草の自販機の前に立ち、コイン投入口に五百円玉を入れていた。
夜遅いが、煙草がきれてしまったのだから仕方がない。運悪く、マスオも同時に切らした。
明日の朝、出勤途中に買っても良いのだが、吸いたくなったら、吸わずにはいられないのが煙草である。
酒気をおびているためか、蛇行して歩きながら、自慢の一本毛を夜風になびかせナミヘイは口笛を吹いていた。
紛れもなく油断していた。まさか、自分を襲う強姦魔が存在するなどと想像の範囲外であった。
いつもの煙草を購入し、受け取り口に手をいれるため屈んだ刹那、ナミヘイは何者かに背後から抱きすくめられた。
あまりに以外な突然の事態、ナミヘイは何が何だか分からなかった。
左腕で口元が覆われる。肋骨の下へえぐるようにナイフの柄がつきこまれ、悶絶するナミヘイ。
呼気が乱れ、これ以上ないほどのパニックに襲われる。
「声をたてたら殺す」
囁かれた声は、女のものだった。若くない。ナミヘイと同年代と思われた。
ナイフの煌きに、ナミヘイはおののいていた。無言で頷いた。先ほどまで感じていた酒気が吹き飛ぶ。
思考は妙に冴えていながら、その実なにも考えられなかった。
掌から水がこぼれる様に、考えようとしても、うまくまとまらない。
ナミヘイは街灯の当らない路地に引き込まれた。
「這って、ケツを捲り上げろ」
言われたとおりにした。ナミヘイは臀部を露出させると、額をアスファルトにつけ、高々と尻をかかげた。
痩せていながら肉がたるんでいる、おせじにも立派な尻とはいえなかった。
萎びた性器が垂れる。単三電池のほうが大きいと思えるほど、縮み上がっていた。
「ふん」
強姦魔は鼻を鳴らすと、近くに落ちていた竹箒を手に取ると、持つ方をナミヘイのアナルに突き刺した。
叫び声をあげようとしたナミヘイの頭を、強姦魔が思い切り踏みつけた。顎を地面に強打し、舌をかんだ。
転げまわりたいほどの痛み。
607 :
タマ:2005/07/10(日) 16:43:58
竹箒がさらに推し進められ、許容量を超えた痛みと事態に、ナミヘイの精神はシャットダウンした。
翌朝、磯野家の大黒柱が辱められた噂が、町内を駆け巡りフネが激怒した。
「磯野さん!!」
隣にすむイササカの奥さんが、磯野家に駆け込んできた。サザエ、フネは既に起きており、朝食の準備を進めていた。
「どうしたんだい、オカルさん? そんなに慌てて」
オカルは、え、ええと歯切れの悪い言葉を吐き出す。駆け込んできたわりには、いざ用件を伝える時になって躊躇する。
サザエ、フネは顔を見合わせた。
おずおずといった形で、オカルが口を開いた。
「あの、ナミヘイさんは……」
「主人ですか」
受け答えながら、フネはナミヘイのことを考えた。昨日は疲れており、いつもより早く床についた。
そのくせ寝坊してしまったため、慌てておきだした。隣にしかれた布団にナミヘイが居たのかきちん確認していない。
「サザエ、あんた晩酌に付き合ってたよねぇ」
「え、ええ」
サザエは記憶を辿る。たしか、煙草を買いにいくといって出て行ったきり、帰宅するところは見なかった。
待っていたのだが、中々帰ってこないため、先に寝てしまったのだ。
「アタシ、ちょっと家の中を」
「あ、あのっ!」
サザエを、オカルがとめた。
「さっきから、何か変じゃないかい?」
俯き眉を寄せて困り顔のオカルを、フネが覗き込んだ。
「そ、それが、アタシも聞いた話なのよ、まだ確めたわけじゃ」
サザエ、フネは走っていた。オカルの言葉は下品な冗談にしか聞えなかった。
しかし、オカルの性格を考えると、そんなこと言うわけがない。いう可能性があるとすれば、それが真実である場合だけ。
近所にある煙草の自販機の近く、日当たりの悪い路地に人だかりが出来ていた。
早朝だというのに、一体何があるのか?
フネとサザエの背中を、寒い物が滑り落ちた。
人込みを潜り抜けるあいだ、二人は念じていた。予感よ的中するな、嘘だ、まさか本当なわけがない。
608 :
タマ:2005/07/10(日) 16:45:07
視界が開けたとき、二人は絶句していた。ナミヘイが、尻の穴に竹箒を挿した格好で、地べたで熟睡していた。
強い、アルコールの臭いがした。ナミヘイの側には沢山のビールの冠が転がっている。
やがて、サザエ、フネに気付いた野次馬たちが、好奇の視線を向け始めていた。顔から火の出る思いで、
二人はナミヘイを抱えるとその場を走り去った。住民達の視線が痛かった。穴があったら入りたい。
使いたくない言葉を使わねば表現できぬ最悪の状況。二人の腕の中でイビキをかいて眠るナミヘイを、このまま殺すかと、
フネは半ば本気で考えていた。
「ち、違う、ワシは襲われたんだ」
「嘘おっしゃいッ!!!」
土下座して謝るナミヘイ。その正面には、鬼の顔をしたフネが仁王立ちしている。
倒れていたナミヘイの周囲には、沢山の空になった缶ビールが転がっていた。
酔って馬鹿なことをしただけでなく、それを強姦されたなどと、よくもまあ嘘がつけるものだ。
「結婚して数十年、貴方があんな趣味をお持ちだとはこれっぽっちも分かりませんでしたよ! まあうまく隠したものですね。
若い女と浮気されたほうがよっぽどマシでしたよ、よほどあたしたち家族を辱めたかったんでしょうね! 結果は満足ですか!!」
ナミヘイの頭を、フネが蹴りつけた。ナミヘイは、昨晩強姦された時も踏まれたことを思い出して鬱になった。
「頼む、わ、ワシのいう事を、」
土下座したまま喋るナミヘイ。気配で、フネが動き出したことがわかった。おそるおそる顔をあげると、
「あら、もう土下座しませんこと?」
「い、いや、する、するよ。この通りだ」
顔を俯かせるまでの短い時間に見た光景にナミヘイは困惑した。
「もう顔をあげて結構ですよ」
言われてあげると、天井の梁から一本の縄が垂れていた。先が丸く円になっている。
「少しでも罪悪感があるのなら、死んでくださいな」
夫婦の愛の巣である寝室の中心で、首を吊る準備が整えられていた。
呆然とするナミヘイを尻目に、フネはさっさと部屋を出て行った。
尻の穴が狂おしいほど疼く。避けて、血が滲んでいるのだ。だが、ケツ以上にナミヘイのココロが傷ついていた。
傷つきすぎて、どれがどの傷だかわからない。治し方が見当もつかない。
609 :
タマ:2005/07/10(日) 16:45:43
どうにかして、家族の誤解を解かねばならない。だが、といたところで、近所に広まった醜聞は消えない。
カツオが、ワカメが、マスオクンが、サザエが、自分をどんな目で見るのか、想像したくもない。
しかし、生きてく以上、その視線に耐えなければならない。それがいやなら、
ナミヘイは揺れる首吊りロープを眺め、涙を流した。
さ〜て、来週のサザエさんは
カツオの登校拒否
ナミヘイ解雇
タラオはお祖父ちゃんの味方
の三本で〜す
610 :
タマ:2005/07/13(水) 02:57:48
読んだやつは何でもいいから簡素頼む
とりあえず一部は切って捨てたかにみえるが、きちんと話しは続いてるぞ
611 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/13(水) 03:33:52
面白かったけど若干落ちたな
これからに期待あげ
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
( 人____)
|ミ/ ー◎-◎-) なんで厨房ってサザエさんとかドラえもんとかマッチョや殺伐にしたがるんだろうな
(6 (_ _) ) ほんと理解できない、幼稚だね
__| ∴ ノ 3 ノ
(__/\_____ノ ん?これは○○の擬人化、萌えるよ?
/ ( )) )))
[]___.| | みお命 ヽ
|[] .|_|______)
\_(__)三三三[□]三)
/(_)\:::::::::::::::::::::::|
|Sofmap|:::::::::/:::::::/
(_____);;;;;/;;;;;;;/
(___[)_[)
613 :
タマ:2005/07/14(木) 01:29:08
>>611 確かに、今回、というか第二部開始一回目はかなり手をぬいてる
ちょっと軽めにテンポよくしようと思ったんだがな、前のほうに戻すか
614 :
タマ:2005/07/15(金) 17:31:11
磯野家界隈に住む子供たちの間で、ある噂が広まっていた。黄昏時に一人で出歩くと、鬼に食べられてしまうという、なんとも時代錯誤な噂だった。
しかし、子供たちはサンタクロースを信じるように、鬼を信じていた。
母親たちは、呼ばなくても夕暮れには帰ってくる子供たちの態度に大助かりだった。
子供といえど、どんな事件に巻き込まれるか分からないのが、今の時代だ。
子を持つ親なら、誰もが誘拐、交通事故など最悪のケースを心配している。ことさら、娘なら、心配せざるおえない。
遊び盛りの子供だ。本来なら口うるさく注意せねばならない。必要なことだといはいえ、子供を納得させることは難しい。
それが、いとも容易く帰ってくるのだ。助からないわけがなかった。幻の鬼に感謝する母親は少なくなかったのだが。
その日も、いつものように、西の空に茜色が広がり始めていた。
リカちゃんはお友達と近所の公園でオママゴトに興じていた。
「ねえ、そろそろ帰らない」
リカちゃんが空を見上げながら言った。鬼の噂が子供らの心に棲みついている。
一人が心配そうにすれば、敏感な子供たちである。すぐに伝播する。
リカちゃんたちはお人形など、各自もちよった玩具を握りしめると、公園をあとにした。
みな、心持ち早歩きをしていた。出来るだけ早く、茜色の光から逃れたい。
夕暮れが、子供らにとって鬼を象徴していた。茜色の光の影から、鬼がいまにも這い出してきそうだ。
電柱の影、明かりのない民家、光の届かない路地、視線を向ければ、鬼の眼が光っている。そんな気がした。
「あ、」
一人の子が、声を挙げた。
「指輪がない」
縁日の露店で買ってもらった、おもちゃの指輪だった。砂場に忘れてきたことを、その子はすぐに思い出した。
「だ、ダメだよ」
引き返そうとしたところを、リカが呼び止めた。ここで引き返しては、家に帰り着く前に日が沈んでしまう。
「大丈夫、あたし鬼なんか怖くないもんっ」
強がりであった。怖くてたまらない。しかし、指輪は大切だった。ねだりにねだって買ってもらった品だ。
気に入っていたし、失くしたと知ったら、買ってくれた父親が悲しむ。明日になっては、残っている保証はない。
一人、集団から離れて、引き返す少女を、残った子供たちは心配げに見詰ていた。
615 :
タマ:2005/07/15(金) 17:31:45
みんな一緒に引き返そう、その一言を、誰も発することが出来なかった。鬼が、どこからか見詰ている。そんな気がしてならなかった。
しだいに小さくなる少女の姿を、リカは幾度となく夢に見ることになる。いい夢ではない。完全な悪夢だ。
指輪をとりに戻った少女が、帰ってくることはなかった。
幻の鬼が、現実の衣を纏い姿を現したのだった。
消えた少女の捜索願がすぐに出されたが、一日、二日と、成果は上がらなかった。砂場には、おもちゃの指輪が残されていた。
少女は、リカらと離れた地点から、公園までの道のどこかで、トラブルにあったものと思われた。
誘拐であれば、何らかの連絡が入る。一週間が経っても、残された家族には何の連絡も入らなかった。
捜索範囲が広げられ、近所を流れる川、林、最悪のケースを考慮した捜索が行なわれたが、何の手掛かりも見つからなかった。
そして、二人目の失踪者が出た。今度は、男の子だったが、少女と同じように夕暮れ時に、忽然と姿を消した。
子を持つ親たちが恐れおののいた。子供たちは、鬼が食べたと言った。泣き喚き、家から一歩も出なくなった子もいる。
捜査にあたる警察は、鬼など信じない。
しかし、鬼に化けた変質者なら信じる。強姦目的で子供が誘拐されることは、残念ながら珍しくない。
同じ結論に、子をもつ親たちが至った。
町に、変質者が潜んでいる。その可能性が濃厚とされた。
自治会では勇志を募り、夕暮れから夜にかけて、見回りが開始された。警察も近所の交番に人を回し、パトロールを強化した。
そんな中でおきたのが、ナミヘイの破廉恥事件だった。
変質者の正体は磯野さんの主人ではないのか、という噂がすぐに広まることとなる。
フネが夫に死刑宣告を突きつけた翌日の朝。子供らはすでに食事を始めていた。
「お父さん、何かあったんですか?」
怒りと悲しみが綯い交ぜになったような、サザエとフネの顔を見て、マスオが疑問の声をあげた。
サザエはマスオを見てから、意味ありげに子供たちに視線を移し、また主人に戻した。
数週間前まで極悪非道の行為を繰り広げたサザエだったが、いまではすっかり良き妻に戻っていた。
タラオはいまでも涙を流し続けているが、ひとまずは、タラオのために様子を見るというのが夫婦の下した結論だった。
「遅れちゃうよ!」
616 :
タマ:2005/07/15(金) 17:32:17
慌てた様子のカツオが、乱暴に戸をあけて食卓についた。
「ぼくご飯いらない」
そういいながら、干物にかじりつき、味噌汁をすすった。
「だから昨日早く寝なさいっていったのよ」
サザエがいつもの表情に戻り、カツオを諭してから、マスオに眼で合図を送った。
台所に入ったサザエを追って、マスオが続いた。
「お父さんに、なにかあったのかい?」
「アタシが言うよ」
答えようとしたサザエを遮って、フネが姿を現した。
割烹着の皺を伸ばしながら、事務的な口調で今朝の惨状を伝えた。
近所の路地で、泥酔したナミヘイが尻の穴に箒を突っ込んだ姿で発見された。
そのことをしったマスオは驚きを隠せなかった。
「まさかそんな!?」
二人の真剣な表情が、真実であることを告げていた。マスオは食卓につく子供たちを見た。
家族が言わなくとも、いずれ知ってしまうだろう。
「子供たちには、黙っておきましょう」
「でも」
「いいんですよ。あの人に任せましょう」
あの人と、何時になく冷たい口調でフネが言った。フネにそういわれては、マスオは黙らざるえない。
「わかりました」
と答えてマスオは食卓に戻った。
カツオ、ワカメが登校すると、何人かの生徒が二人に意味ありげな視線を送った。
どうしたんだろう。カツオはワカメに訊ねたが、妹はアタシが知るわけないじゃない、と答えた。
最近、ワカメは冷たかった。心が、という意味ではなく、皮膚が、身体が氷のように詰めたいのだ。
健康調査の前に、熱湯を飲み込んで身体を温めているワカメを、カツオは目撃していた。といより、熱湯を用意させられたのがカツオだった。
体温計に不自然でない体温を表示させるためだという。
大丈夫かと聞けば、大丈夫と答える。家族の誰もワカメの心配をしていない。だから、カツオも心配していない。
二人は別れ、カツオは自分の教室についた。気のせいか、自分を見るクラスメイトの視線がどこかおかしい。
617 :
タマ:2005/07/15(金) 17:32:39
首をかしげながら席についたカツオは仰天した。机に彫刻刀で落書きされていたのだ。
父、ナミヘイが四つん這いになってお尻に箒の柄が刺されている、という悪趣味なものだった。
カツオはハッと顔をあげて、クラス中を見回した。すると、5、6人のグループが笑っていた。
いつも休み時間にはグラウンドや体育館で野球やバスケをする遊び仲間だった。
カツオは彼らにつかみかかった。一人を殴り飛ばし、体当たりしてきた一人に膝蹴りをして黙らせた。
しかし、それまでだった。残りの三人に殴られ、蹴られ、カツオは床に倒れていた。
「変態オヤジ」
「変態」
「子供を帰せ」
カツオは意味が分からない罵声を浴びながら、蹴られ殴られた。だがカツオは弱くない。
身体を捻り、一人の足をつかんで転ばせると同時に立ち上がる。そして殴りかかろうとしたとき、
「なにやっとるんだ!」
担任が怒鳴りながら仲裁に入る。
「だって!」
カツオの言葉を担任は強引に遮った。その態度が、カツオは気に入らなかった。担任の見る目がいつもと違う。
「角保健室へ行きなさい」
担任は保健委員に、カツオらを連れて行くように命じた。教室の隅で、ナカジマが寂しげにカツオを見ていた。
なんだよ、いたんなら加勢してくれよ。カツオは心中でナカジマに毒づいたが、担任の態度といい、なにか寒い物を感じていた。
治療を受けて、一時間目の途中からカツオたちは教室に戻った。
カツオは席につくと、下敷きやノートで机をおおった。あの落書きは見たくなかった。
あとで机を変えてもらうよう、先生に交渉するつもりだ。
瞬く間に時間は過ぎ、昼休み。カツオは、朝から、違和感を感じていた。クラスメイトや担任の態度がおかしい。
十分休みに、ナカジマに話しかけようとすると、あれこれと言い訳され断れた。ちょっとした用事で、他にクラスメイトに話しかけても同じだった。
618 :
タマ:2005/07/15(金) 17:33:02
よそよそしい。疑問が確信に変わったのは昼休みの終わりだった。
いつもなら、声を掛け合ってグランドにいくというのに、今日は誰もカツオに声をかけなかった。
それでもカツオは校庭に出た。そこではいつもの面々がサッカーをしていた。
カツオは声をかけるでもなく、自然とボールを奪いゲームに雑じった。
いつもとやっていることだった。すると、カツオを除く全員の動きが止まった。
「どうしたんだよ。みんな?」
すると、いつもカツオとツートップの中のいい上級生が無言でやってきて、無言でボールを奪った。
その瞬間から、みんな動き出し、またサッカーを始めた。
カツオは思った。これではまるでイジメられているようだ、そう考えたとき、まるではなく、間違いなくイジメられている事を悟った。
自分がイジメられていると考えると、朝からの腑に落ちない出来事がすべて納得できた。
それにしてもなぜ、イジメられなければならない? その理由がカツオには思い上がらなかった。
当然である。カツオに問題はない。問題はナミヘイにある。
一人、トボトボと歩いたとき、誰かから声をかけられた。非常に小さな声だ。見ると、ナカジマが手招きしていた。
二人は人気のない校舎裏に行った。
そこで、カツオはナカジマから父の失態を聞かされた。そして、ナミヘイが子供らが噂する鬼と目されていると。
「ごめん、磯野」
ナカジマは泣いていた。
「気にするなよ、ナカジマ」
「い、磯野!」
踵を返し歩き去ろうとするカツオに向かって、ナカジマが嗚咽交じりに叫んだ。
「お前のせいじゃないよ」
ナカジマには、追いかけて、カツオの隣に並ぶことが出来なかった。
教室に戻っると、カツオの筆箱がなくなっていた。ランドセルには穴が空いていた。給食の残りが、椅子の上にべったりと塗りたくられていた。
カツオは椅子をキレイにし、授業に備えようと、引き出しに手を突っ込んだ。すると、奇妙な感触があった。
手が真っ黒に染まっていた。とりだした教科書は半分焼けて墨になっている。ノートも同じだ。
誰も、カツオを助けようとしなかったし、誰も、授業を待たず、何も持たずに帰っていくカツオを呼び止めなかった。
その日から、カツオは学校に来なくなった。
きたあーーーーー!!!
いやあ、すごいクオリティだ。
ワカメとブチャラティの髪型は確かに同じだったな
620 :
タマ:2005/07/20(水) 01:51:28
先週末から体調が最悪だ
満足に動けんし精力がでない
621 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 21:28:42
あげるよ
622 :
みん:2005/07/26(火) 18:53:44
つっ続きわ?
623 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/02(火) 17:23:28
624 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/05(金) 12:43:59
age
保守
保守
age
age
629 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 02:38:29
いやいやおまいさんwwwww
保守〜
631 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/01(日) 02:12:36
age
632 :
糞尿聡史 ◆manko/yek. :2006/01/01(日) 08:09:37
魚をくわえたどら猫をやっと路地の片隅においつめたザサエ。猫はぶるぶる震えて、魚を口から落とした。
ザサエはつかつかと歩み寄ると、魚を拾い、エプロンのポケットに入れると、代わりにキャットフードをとりだし、缶をあけ、
どら猫の前に置いた。
「くえよ。これタマにやるつもりだったが、もういいわ。ただな、そのサンマはマスオにどうしても食わせたかったから、
油がのってて旬だからよ。返してもらうぜ」
ザサエは塀にのぼると両手を広げてバランスをとりながら家へと帰っていった。
633 :
七誌の権兵衛:2006/01/07(土) 09:51:04
めっちゃォもろい
今後もよろしく
634 :
七誌の権兵衛:2006/01/13(金) 17:25:59
おい
635 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/22(日) 11:33:28
「マスオさwwwwん!!」
「サザエ!! ここか? ここが感じるのか?」
「そこよwwww !!」
「ワカメwwww !!」
「おにいちゃwwwwん!!」
637 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/12(日) 03:22:31
このスレを発見して全て読んでいたらこんな時間になってしまった。
今更かもしれないが常居さんの作品が最後まで読めなかった事に(´・ω・`)ショボーン
638 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/15(水) 15:50:44
なんか怖いんだけどここの作品・・・
639 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/17(金) 05:12:45
常居さん
カムバック!!
640 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/21(火) 12:13:24
とりあえずサザエは気が狂っていた。
全裸で出刃包丁を持ってノラ猫を追い掛ける。
ノラ猫を見失ったら、何の関係もない犬を追い掛ける。
その犬さえもどこかに行ったなら、全裸で出刃包丁をもったまま肩で息をしながら立ち尽くす。商店街のど真ん中だろうが、どこだろうが、関係ない。
サザエの頭の中には、怒りしかない。
恥や世間体などまるでない。
気が狂っているのだから、しょうがない。
「えー、ただいまニュースが入りました。磯野カツ○、磯野カツ○が麻薬所持で
逮捕。」
∧∧
(=・∀・=) 創作文芸ってROMってるだけでも面白いのがいろいろあって、
( )ノ 「禁断のサザエさん・・・」なんかも笑えるよ。
さらばじゃ
|彡サッ
643 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/22(水) 13:59:52
「緊急ニュースです! 磯野ワカ○が未成年者と淫行の容疑で逮捕。」
645 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/26(日) 23:37:49
このスレは個人専用スレじゃないし、最初はリレー小説だったのだから常居さんの帰りをまたずとも誰かがあの続きを書けばいいんじゃまいか?
あの続きが読みたくてモヤモヤしていたが、自分なりに続きを考えてみようと思う。
646 :
新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M :2006/04/02(日) 12:35:11
家族の相次ぐ不祥事。
サザエは、街頭テレビを全裸で唖然と見つめていた。
怒りの感情は別のところに向けられる。
「私の可愛い子供達をこんな酷い目に合わせる世の中が悪い! ひいては、こんな世の中を形成した国家が悪い!
よし、国会議事堂に殴り込みだ!」
サザエはしなびた乳と醜く垂れた尻を必要以に揺らして、全力で駆け出した。目指す場所は忘れてしまった。
サザエの頭は正気じゃないから、しょうがない。
とにかくサザエの局部は、サディスティックな興奮で濡れていた。
647 :
新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M :2006/04/03(月) 08:16:13
649 :
新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M :2006/04/05(水) 10:47:21
そこに成人したイクラちゃんが現れた。彼の皮膚は全身ケロイド状にただれていた。被爆したのだった。
空に光るものを見つけたイクラちゃんは、それを原爆だとはつゆ知らず無邪気に走って追い掛け自ら被爆したのである。
容姿は人を変える。
その化け物のごとき見た目ゆえの差別と偏見でイクラちゃんの心は歪んでしまったのだ。彼にとって人間はすべて敵だった。自分のことを迫害する憎むべき存在だった。
それは、幼き日に優しくしてくれたサザエとて例外ではない。
彼は全裸のサザエに襲いかかった。
彼のペニスもまた、サディスティックな興奮に支配されていた。つまり勃起していた。
常居接人氏の禁断サザエ小説が最終更新となったのはスレ番
>>412 サザエ・マスオ・ワカメ・カツオ・イクラ・タラオ・ウキエ・ジンロク・ナカジマ・ワカメの彼氏・カツオのアイドルが存命中?
「オヤジっ!」
イクラが慌ててノリスケを抱き起こすも、頚動脈に達したピアノ線の切口からは血が吹き出し、素人目からしても助かる見込みは無かった。
「オヤジ…なぁ…オヤジ、何寝てんだよ。起きろよ!なぁ…なぁ…」
『バブー』
『あらイクラ、パパと遊びたいのね』
『ははは。じゃあ公園にでも行くか』
『ハーイ!』
幸せだったあの頃を思う。
とても小さな幸せが、大きな幸せだった。
「許さねぇ!俺はオヤジとオフクロを殺したイソノ家を絶対に許さねええええ!」
誰か次パス
652 :
新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M :2006/04/07(金) 07:24:04
イクラちゃんは、鬼と化した。復讐の鬼と。
イクラちゃんは先ず、心を捨てることを決意した。人間らしさなど邪魔なだけである。
鬼と化さなければならない―― サザエ家を地獄にたたき落とすために!
イクラちゃんの握り絞めた拳に血が滲んだ。
653 :
11:2006/04/08(土) 11:00:07
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《リズム歌謡・作者A》
作者Aは貴公子♪
作者Aは悪者を取り締まるポリスマン♪
作者Aはカリスマ・ホモ♪
皆が知ってる、作者Aの素晴らしさ♪♪
皆も歌おう作者Aの歌を♪♪
(手拍子2回)
皆が知ってる、作者Aの素晴らしさ♪♪
皆も歌おう作者Aの歌を♪♪
(手拍子2回・以下繰り返し)
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■《リズム歌謡・作者A》
■作者Aは貴公子♪
■作者Aは悪者を取り締まるポリスマン♪
■作者Aはカリスマ・ホモ♪
■皆が知ってる、作者Aの素晴らしさ♪♪
■皆も歌おう作者Aの歌を♪♪
■(手拍子2回)
■皆が知ってる、作者Aの素晴らしさ♪♪
■皆も歌おう作者Aの歌を♪♪
■(手拍子2回・以下繰り返し)
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656 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 14:21:58
>>653 > ☠ฺ☠ฺ☠ฺ☠ฺ☠ฺ☠ฺ☠ฺ☠ฺ
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657 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/05/16(火) 12:11:25
イクラちゃんは、その足で港に向かった。
なぜ港に向かったのかは自分でも分からなかった。そこには何もないはずだった。
とにかく、魂を引き付ける磁力のようなものを感じたのだった。
感じただけだった。
やはりそこには何もなかった。
イクラちゃんは望洋たる海を少し眺めたあと、来た道を引き返しはじめた。泣いていた。世界を呪った。
サザエ家に対する復讐心はやがて全世界へ向けられた。
「蛆虫いっぴきにも劣るサザエ家を抹殺したってしょうがない。諸悪の根元を絶たなくては!」
イクラちゃんの狂気の目に涙が滲んだ。
サザエさんネタスレはどこ行ってもシモネタかエロネタか残虐ネタしかなくて
市井の人々のセンスの無さにがっかりする事が多い。
せめてこの板でだけは、その辺ふまえた知的なネタを書いてもらいたいな。
659 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/05/18(木) 12:51:19
その涙を隠すためにイクラちゃんは眼鏡をかけた。
とたんに頭が良くなったような気がして、図書館に行き本を読みまくった。
全ての学問は根底で繋がっていることに気付いた。しかし、イクラちゃんは自分の考えを変えられなかった。
「やはりサザエ家は皆殺しにすべきだ!」イクラちゃんは図書室のテーブルを力まかせに殴りつけた。「殺してやる殺してやる」
どうやらイクラちゃんのかけた眼鏡は色眼鏡だったようだ。
660 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/05/18(木) 12:55:39
その涙を隠すためにイクラちゃんは眼鏡をかけた。
とたんに頭が良くなったような気がして、図書館に行き本を読みまくった。
全ての学問は根底で繋がっていることに気付いた。しかし、イクラちゃんは自分の考えを変えられなかった。
「やはりサザエ家は皆殺しにすべきだ!」イクラちゃんは図書室のテーブルを力まかせに殴りつけた。「殺してやる殺してやる。恨みもあるが、海産物が名前になってるところがますます気に食わん。あれは馬鹿の名前だ。殺されて当然だ!」
どうやらイクラちゃんのかけた眼鏡は色眼鏡だったようだ。
661 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/05/18(木) 12:58:57
くそ。酔って失敗した。
下のやつが決定稿。
保守
663 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/07(月) 14:03:15
保守
664 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/09(水) 10:33:03
イクラちゃんは怒り狂ったまま図書館の外に出た。開くのを待つのがもどかしいもんだからガラス製の自動ドアを蹴り砕いて外へ飛び出した。
外は八月の光に満ちていた。――植え込みのある狭い敷地に人の姿はなく、一台だけ停まった黒のミニバンのフロントグラスが光を反射している。
ミィーン、ミィーン、ミィーン。
蝉の鳴き声が狂った頭の中にひびく。
「くそめクソめ糞めぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」ポーチ横の掲示板をドン、と叩いた。出血した。
「俺がいったい何をした!? 何の罪がある。ただバブバブ言って無邪気にしてただけじゃないか!」彼は血まみれの拳を抱えてうずくまった。
「さっき読んだニーチェとかいう奴の思想は俺にとって地獄だ! 永遠にこんな人生を受け入れることなど出来るもんか! それは俺に地獄をみせた磯野家にとっても同じこと! ぐへへへ」
彼の瞳に涙がうかんだ。
665 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/09(水) 10:37:38
>>622と
>>633が一生懸命ホシュしてんだぜ!
みんな書いてやろうよ。
なんか可愛いじゃねぇか!
666 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/09(水) 10:43:06
667 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/09(水) 10:45:48
668 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/10(木) 05:32:38
泣き過ぎて赤くはれた彼の目はまるでウサギだった!
669 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/11(金) 19:59:57
ζ (⌒Y⌒Y⌒) ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄\/\__//∵∴∵∴\
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/\ ⌒ ⌒ |⌒ ⌒ \ / \|
||||||| ( 。) ( 。)| ( 。) ( 。) | ( 。) ( 。)|
(6-------◯⌒つ | つ | つ |
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,____/\ / \_/ / \_/ / \_/ / ほほう それでそれで?
r'"ヽ t、 \____/\____/.\____/
/ 、、i ヽ__,,/ ヽ__,,/ ヽ__,,/
/ ヽノ j , j |ヽ j , j |ヽ j , j |ヽ
|⌒`'、__ / / /r | / /r |, / /r |
{  ̄''ー-、,,_,ヘ^ | ''ー-、,,_,ヘ^ | ̄'ー-、,_,ヘ^ |
ゝ-,,,_____)--、j____)--、j____)--、j
/ \__ / _ /_ /
| "'ー‐‐---'' "'ー‐‐---'' "'ー‐‐---''
670 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/13(日) 08:00:30
1945年にエンジェル隊がタイムスリップ4
671 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/20(日) 04:17:56
672 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/20(日) 10:28:17
赤く泣き腫らした目のイクラちゃんは立ち上がり、歩き出した。行く当てなんて、ない。
サザエ家に復讐しようにも、懐が寂しすぎる。手持ち金は二十円だ。
民家の塀がつづく裏通りを少しばかり行ったところで、イクラちゃんは公園を見つけた。ヨロヨロと今にも倒れそうな足取りで、入っていく。
砂場にいた二組の母子のうち、それぞれの母親がギョッと目を見開き、我が子の手を引いて一目散に逃げて行った。
犬はひと声ワンと吠え、猫はシャァァァと尻尾を立てて威嚇したあと走り去っていく。
ネズミやゴキブリの大移動が始まった。
公園には虫一匹いなくなった。
イクラちゃんは水飲み場で喉をうるおし、ベンチに腰かける。
「今の俺は、よほど異様な雰囲気なんだろうな。お茶の間に癒しを与えていたあの頃とは、大違いだ。はははははっ」血走った三白眼を細め、空虚に笑った。
「中島ァ……」
僕は全身をくるんだ毛布の中でぼんやりと目を開けた。体のあちこちが固くなっている。ソファの上で寝ていたため、枕元のメガネを探すのに多少手間取った。
幼馴染みの磯野は勉強机に両足を乗せ、カーテンから漏れる光のなかで変わりゆく煙の形をじっと見つめていた。
磯野はむやみに僕に煙草を勧めてくる事はなかった。ゲームやパチスロはコイツに教わった。そういや昔はコイツと野球なんてやってたっけ。
母さんは昔から磯野の事を毛嫌いしていた。勉強の妨げになると言って、いつもこいつを誘って野球に行くことを嘆いていたけど、僕は勉強や学校よりも爆弾のようにあぶなっかしい磯野と一緒に居る時間を優先したかった。
磯野には僕が側にいてやる必要があるんだと感じていた。誰かが側にいてやらないと、二度と元に戻れない深い闇に沈んでいってしまう気がして、僕は磯野が孤独になることをずっと恐れていた。
「なんだよ磯野」
声に出して呼び掛けてみても、最近はこうして何か考え事をしているようになっていた。ただの壁に話しかけているように暗闇から暫く返事はなかった。
机の上の灰皿で煙草を揉み消すと、光の中に一瞬アイツの坊主頭が見えた。
そして長い沈黙の後、あのいがらっぽい声で答が返ってきた。
「俺、もう花沢さんで手を打とうかと思うんだ」
「えっ」腕に鳥肌が立ち、僕は自分でも気づかない内に聞き返していた。
674 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/22(火) 12:25:47
____ . . / \
/∵∴∵∴\ . / ノ ::::::::: ヽ\
/∵∴∵∴∵∴\ | ::::(:゚:):::::::(;゚;):: |
/∵∴∴,(・)(・)∴| | )●( |
|∵∵/ ○ \| \ A /
うるさいよお前・・ |∵ / 三 | 三 | \, ヽ, ノ/
|∵ | __|__ | ヽ,ハ ,.-'/
\| \_/ / r' 二.} !
\____/ レ─5 j
ゝ イ! Y !‐人 |│ ./ Y
/丶\レ'´,ヘヽj .! _, へ , ノ!''ヽ
// ̄ ヽ く !.! ト、 , '´ヘヽ ! .イ!´|ヽ,'\
i' \\l」,」_/ ヽ/ / .リ ヽ ヽ
ヽ 、 > ,/ / |
i ヽ 丶、 ` ̄ ,ィ / !
| !ト、 丶、 / !,. '´ ! 'ヽ,
| |ヘ`ー'  ̄ =´ / | iヽ \
! ! ヽ { . | | \ !\\,
|リ ヘ } | | ) | \ ヽ
676 :
天才白菜 ◆Om8rzuKp0M :2006/08/26(土) 16:10:39
「蛆虫一匹にも劣るサザエ家への復讐心で、自分自身が虫以下の存在になろうとはな。とんだお笑い草だ」イクラちゃんはやおら足元に転がっていたコーラの瓶を拾い上げる。じっと、見つめる。
奥歯を噛みしめ、ベンチの縁で瓶を半分に叩き割った。
ガシャァァァン。――ろくに何の描写もなされてない公園の静寂が裂ける。ガラスの破片が、舞う。
「サザエ家を皆殺しにしたところで、何も変らない。死んだ親父やお袋が生き返るわけじゃない。俺が惨めな思いをする物語が延々と続くだけに決まってる。ならば、いっそのこと!」イクラちゃんは割れたコーラの瓶を逆手に持って、自らの喉に突き刺した。
ブシュゥゥゥッと、鮮血が噴水の如く吹き出した。
くわっと目を見開き、イクラちゃんはベンチからずり落ちる。
芝生の上へ仰向けに倒れ込む。
鮮血は勢いを失わない。吹き出し続ける。プシュゥゥゥッ、プシュゥゥゥッ。
夏の乾いた風が吹く。カサカサッと、木の枝が擦れる音がした。
ミィーン、ミィーン、ミィーン。
狂った頭の中にセミの鳴き声が響く。
ミィーン、ミィーン、ミィーン。
狂った頭の中にセミの鳴き声が響く。
飛び散る血で、お茶の間のテレビの画面が染っていく。
やがて赤く塗り潰され、何も見えなくなる。
真っ白な文字が、浮かび上がる。
[完]。
(´・ω・`)次回からはじじさんの続きだお。
(´・ω・`)むこうの設定のほうが面白くなりそうだお。
>>676 「ちわ〜、電報で〜す」
1956年、日本はいまだ大戦のうず火から目覚めはじめたばかりの頃であった。まだ乙女と呼べるような年頃であったフネは初代三河屋のじじさんから手渡された一枚の紙切れに心を躍らせていた。
「まあ、波平さんからだわ」
三河屋も純真なフネの反応に顔をほころばせた。波平の両親の世話に身をすりへらしていたフネにとって、唯一の楽しみが裁縫と、出稼ぎ先から送られてくる夫の便りであった。
当時の電報はまだお金がかかったため、波平は限られた字数のなかに妻への全ての思いをこめた。
スマン イッパツネタ
この時、三河屋はフネの穏やかな両目に炎がともって見えたと後に語った。
678 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 14:36:35
679 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 16:48:40
このスレまだあったのか(゚∀゚ )ナツカシス
サザエでござる
「おーいマスオくん」
「あっ、お義父さん」
「ちょっと、寄ってかないか?」
「いいですねぇ〜行きましょう」
「あっ!でも、サザエに悪いかな…」
「なにを言ってるんですか!お義父さん、僕はまだ20代ですよ
全然平気です。お義母さん、カツオくん、ワカメちゃんとも
続けて出来ますよ、心配は無用です」
「そ、そうか、、じゃあ行くか…激しくせんでくれよマスオくん」
「分かってますって、お義父さん」
ワッハッハッ ハッハッハ
683 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/22(金) 01:28:18
おまえを再逮捕に追い込むジジイの年を教えてやろうかwww
684 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/13(金) 08:07:38
幼
685 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/13(金) 08:18:55
takahashi webの別館に、サザエさんの格闘物があったぞ。
686 :
ふね:2006/10/13(金) 08:31:54
687 :
名無し物書き@推敲中?:2006/10/13(金) 10:23:27
マスオは32歳じゃなかったっけ
ぽしゅ
689 :
名無し物書き@推敲中?:2007/01/29(月) 22:14:20
hoshu-agggge
690 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/13(金) 02:35:59
期待あげ
691 :
名無し物書き@推敲中?:2007/04/13(金) 13:18:28
692 :
名無し物書き@推敲中?:2007/07/08(日) 01:13:44
まだあったのかこのスレwwww
693 :
湯豆腐:2007/07/08(日) 02:24:13
全自動タマゴ割り機の回は神脚本だったな
誰かあれをネタにSS投下して
アンパンマンサーガって完結したんだろうか
696 :
名無し物書き@推敲中?:2007/08/29(水) 12:47:31
続きが
697 :
名無し物書き@推敲中?:2007/10/14(日) 09:24:28
気になる
保守
699 :
名無し物書き@推敲中?:2007/11/27(火) 00:20:38
700 :
湯豆腐:2007/11/27(火) 01:22:07
>>695 見たwww
なんていうかいろんな意味で作者病気だなwww
701 :
名無し物書き@推敲中?:2007/12/11(火) 22:44:46
702 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/20(木) 03:16:09
ワカメのパンチラも規制対象となる日が来るかもしれん。
萌えたことは一度もないが。
703 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/20(木) 09:12:15
YAMADA電気である。
これでもか、というほど後頭部を刈り上げた少年が、顔面蒼白になってショーケース内のゲームソフトを凝視している。
少年は店員がレジを離れた間隙をついて、ショーケースの裏側へと周り込み、一本のゲームソフトを引っ掴んだ。
「こら! 小僧!」
店員が叫ぶと同時に、少年は猛然とダッシュした。店内にふざけたズックの音が響き渡る。
ここで捕まるわけにはいかない、少年は陽気な母の顔と、それから弱気な父の顔を思い浮かべて、ほとんど泣きそうになりながら走った。
が、しかし、店員は豪脚だった。すぐに追いつかれてしまい、事務室まで連行された。
「君、名前は?」
「タラちゃんです」
「ふざけてると承知しないぞ」
「タラちゃんはタラちゃんですよーだ」
「馬鹿野郎!」
熊のような平手が飛んできて、少年は五メートルも吹っ飛んだ。
すでに、絶命していた。
704 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/02(月) 20:00:35
705 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/05(木) 01:53:59
Masuoさぁんっ
ンギモッヂィイ!!
706 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/12(木) 07:16:12
707 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/30(月) 16:36:37
>ふざけたズックの音が響き
あのビョコンパコンみたいな音かな?ワロタ
708 :
名無し物書き@推敲中?:2008/06/30(月) 20:55:35
婿養子で辛いマスオと浮気物の旦那に苦しむタエコのランデブーものどなたかお願いします。
>>703 正直糞ワロタwwwwwww
かなり面白い、いいネタ浮かんだらまたヨロシク頼んます!
710 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/14(月) 14:28:55
なぜ中島君はおじいさんと2人暮らしなのか?
中島君のお父さんは不仲だったお母さんに刺され死亡しました。
お母さんはいま服役中。中島君が乳児のころ他県で起きた事件なので皆知らないでいる。
711 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/19(土) 15:27:40
タマの続きがMITEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!
712 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/21(月) 05:26:57
「世の中ナメてんじゃねーぞ、コラ!」
カツにぃの蹴りが俺の太ももに飛んでくる。
「2度目じゃ、さすがに実刑食らうだろな」
オヤジは相変わらず黙ったままだ。
「オマエの人生、映画化とかされたらアネキの役は三田佳子しかいねぇな」
カツにぃがサングラスを取る。怖くて目を合わせられない。
オヤジの方を見る。震えている。
「何年も、何十年もかけて守ってきたものがウチにはあった。
だけど、いつかは今日みたいな日が来るって分かってた気がする。
毎年、夏になるとお台場行ってた時期があったよね?
あの頃かなぁ…」
オヤジは泣いていた。
713 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/21(月) 05:50:33
「俺も今じゃケータイなんか持っちゃってるしね、一応義理堅く東芝製だけど」
カツにぃが力無く笑う。
「そろそろ終わりにしようか?どっちみち長すぎたよ」
その言葉がカツにぃのものなのかオヤジのものなのか、俺にはもう分からなかった。
714 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/22(火) 20:06:27
>>713 面白いような気もするけどよくわからない・・・
715 :
名無し物書き@推敲中?:2008/07/23(水) 01:13:25
にいさん!どうしてそんなにお人好しでいられるんだい?
ねぇさんはいつも僕の名前を呼んじゃあ怒ったり喚いたりしてたけど、
ありゃあ別に弟の行く末を案じてたわけじゃない。
ウチの家族の中で誰よりも身勝手な人だからね、にいさんの方がよく分かってるんじゃない?
基本的に自分のことで頭が一杯で僕のことなんか眼中になかったよ。
ある時期からやたらと僕の名前を連呼しだしてねぇ。
「何?」ってこっちが返事しても大抵は、ただ呼んだだけなんだよ。
にいさんは多分知らないまま死んでゆくと思うけど、
あの頃ねえさんはパ・リーグからセ・リーグ在京球団に移籍してきたプロ野球選手と浮気してた。
716 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/08(水) 16:37:24
「ほんとうにかわいげのない子だね!」
継母はそういうと若芽をマンションのベランダに締め出した。
外は雪も降りそうな気配だ。
お母さんが死んでから家は変わってしまった。
姉さんは家事が多くなったと家族で出て行ってしまった。
ガミガミいう父さんに嫌気がさしてお兄ちゃんは中学を出るとどこかへ行ってしまった。
父さんはさびしかったのか飲み屋で知り合ったという派手な女の人を後妻に入れてしまった。
私だけ居場所がない・・・
そのとき窓が開いて継母が私の頭を鷲掴みにして部屋の中に入れた。
これからどんなことをされるのかとても怖い。
>>708 マスオは婿養子ではない。
単に嫁の実家で同居してるだけ。
718 :
名無し物書き@推敲中?::2008/11/02(日) 21:48:43
花沢「磯野君にわたしの糠どこをかき混ぜて欲しいの・・・・」
カツオ「うわ、ぐちょぐちょで底なし沼みたいだ・・・」
719 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/04(火) 00:50:32
720 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/05(水) 17:44:56
ケータイ小説野いちごの「カスオくん」では
カツオと中島が普通に格闘やってる。
しかも中島がメチャメチャ強い。
オマケに負けたカツオは全裸にされている。
721 :
名無し物書き@推敲中?:2008/11/06(木) 00:46:28
二次創作なんて高校生で卒業してくださいね
ジョジョのやつ超面白かったけど投下されたの3年前なんだな
続きめちゃくちゃ気になるのに
723 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/21(土) 09:34:58
世田谷区の妖精一家
724 :
名無し物書き@推敲中?:2009/04/28(火) 19:16:05
常居さんの作品が臨場感あって楽しかった。
常居さんのオリジナルのクライマックスがすげー気になる…
726 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/03(月) 17:13:40
ほしゅ
727 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/18(金) 19:22:13
あげ
728 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/18(金) 22:18:45
み
729 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/22(火) 15:24:48
「おめでとうございます」
産婦人科の診察室、サザエはそう言われた。
だがサザエは喜ぶことが出来ない。
なぜならお腹の中の子供はマスオの子供ではないからだ・・・
730 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/22(火) 23:43:00
これはノリスケとガレージの中で作った子供であった。
のちのシャコ横内である。
733 :
名無し物書き@推敲中?:2010/02/11(木) 04:36:52
12月発売の「メフィスト」の座談会で話題になってた応募作で、
日曜夜六時半の国民的アニメ「ハバエさん」の放映を中止させようと情熱を燃やす
変な女を書いた話があった。これもパロディと言えるか。
評しか載ってなかったんだがどんな話なんだw読みてえw
( ´D`) このスレは我々が乗っ取りますた。他人が使っちゃだめれす。
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