>>919 うわぁ、スイマセン(大恥
しかも向こうでも、速攻バレてるし。
嘘が…嘘が…次々と剥がれ落ちて…あぁああぁ…
(掲示板の住人様、脱線レスですいません)
>>920 あちらではROMしてます。
不二子ちゃんだそうでなかなか魅力的ですね(笑
あんなに表現に長けた方なので結構渋めの人だと思っていたが、なんだか可愛らしいですね(失礼
感性があるってことなんでしょうか。
スレ違いか。失礼した。
>>919 ADAさん
随分参考になりました
「有る」等、いつも余り気にせず使ってしまう言葉は、辞書で確認するなどの行為を
する事が殆ど無いので、今後気を付けたいと思います
後、情景的な描写など、成る程…と素直に思いました
言われてみれば気が付くものですが、言われなければ中々気が付けませんでした
ありがとうございました。参考にしつつ、直していきたいと思います。
923 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/19 22:36
彼はいま、病院に向かっているところだった。
昨日からずっと続いている、胸の痛みが気になっていたからだ。
途中、黒い瞳をしたカラスが、電信柱の上から彼を睨みつけていたが、
特に気にすることも無く、前を通り過ぎていった。
彼が訪れたのは近所の内科病院だった。
彼はいま、院内の個室で、医師から話を聞かされていたところだ。
「あなたは三日以内に死にます」
唐突に浴びせられた医師の言葉に、彼は驚きの表情を隠せずにいた。
「死ぬ…?なぜです?僕の体にどんな異変があるのですか?」
医師は言った。
「簡単に言うとだね。君がこの三日の間に、誰か人から愛をもらわなければ、
死んでしまうということですよ」
医師が何を言っているのか、彼は全く理解できなかった。
そしてもう一度、医師に尋ねた。
「どういう意味ですか?愛をもらわなければ死ぬ?もう少し具体的な説明をしてください。
一体なんなんだ。人をバカにしてるか」
彼がいきりたって剣幕を見せていても、医師は落ち着き払っている様子だった。
「もしもこのまま愛を受けずに居たらならば、あなたの心臓は破裂して、
そのまま死んでしまうでしょう。それだけです」
「そんな。どうして。わけがわからない」
彼は医師に対し必死に問い詰めたが、これ以上明白なことは話されなかった。
彼は、病院を後にした。
>>922 頑張って下さい。文章というのは磨けば磨くほど光るから良い。
言われて気付く、というのは本当によくある。だからこうした場があるというのは、素晴らしいことだと思います。
925 :
初心者1号:03/08/20 00:27
その日は珍しく夕方に目が覚めた。ただ私にはすることがなかった。
時間を持て余し外に出たのはいいが、行く当てなどなく近所をぶらついた末、
何の気なしに行きつけのバーに足を向けた。この店に通い始めてから数年経つが
こんな早い時間に訪れることは初めてだった。
客はいなかった。いつものように黒いチョッキ身に纏ったマスターが独り、
カウンター内でグラスを磨いていた。
「今日はお早いですね」
マスターが口元を緩めた。私は苦笑しながら頷いた。
背の高いストゥールに腰を掛け、しばらく無言のままバックバーのボトルを眺めた。
「いつもので宜しいでしょうか?」
気を利かせたマスターが訊ねた。私は笑顔で応えた。
それから小一時間ほど、私はグラスを傾けていたがその間に客は一人も来なかった。
マスターがカウンターの中で黙々とグラスを磨いていた。
私が飲み干したグラスをコースターに乗せ、マスターに差し出した時だった。
エントランスドアの鈴が鳴った。私は横目で見やったが人影はなかった。
ただ開いたドアの隙間から小さい黒猫の後姿が見えた。
黒猫は店内を振り返り、一鳴きするとすぐにドアの向こう側に消えていった。
マスターはカウンターから出て開けっ放しになったドアを閉めると
また、カウンター内に戻ってきた。
「あのドア壊れていたっけ?」
「いえ、今、お客様がお帰りになりましたから」
私の空いたグラスにウィスキーを注ぎながらマスターが答えた。
「客?」
「ええ、あちらの席にお座りになられていたお客様です」
マスターが指し示したカウンターの一番奥の席には
飲みかけのワイングラスが置かれていた。
「またあ、冗談でしょう」
マスターは微笑みながら私の前にグラスを差し出すと
また黙々とグラスを磨き始めた。
926 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/20 01:28
>>923 >途中、黒い瞳をしたカラスが、電信柱の上から彼を睨みつけていたが、
>特に気にすることも無く、前を通り過ぎていった。
えーと、カラスは大抵黒いモノであるので、別に瞳を強調しなくてもいいと思います。
もし黒い色で不吉な予感を暗示したいのなら、カラスとカタカナにせず、
「黒い烏が」と、漢字にする手もあると思いますヨ。
特に気にすることもなく、は彼が、と主語を明確にしたほうがわかり易いのでは。
後の文ですが、説明的で、描写になっていません。
たとえば、書き出しで病院に行ったことはわかっているので、
「あなたは三日以内に死にます」
診察室の椅子に座った彼に、医師は唐突な言葉を浴びせた。
などと、いきなり台詞からはいってもいいと思います。
彼、医師、彼、医師、と誰の台詞かの説明が繰り返されてますので、
もっと整理して台詞と地の文を繋げば、同じ言葉の繰り返しは避けられます。
927 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/20 01:42
>>925 えと、あなたも無駄な説明言葉が多いです。
書き出しの部分、
>その日は珍しく夕方に目が覚めた。
のあとの、
>ただ私にはすることがなかった。
はどう考えても余計です。省いたほうが後の言葉のリズムもシャープになります。
時間を持て余してるのはその後ですぐわかることですから。
>客はいなかった。いつものように黒いチョッキ身に纏ったマスターが独り、
カウンター内でグラスを磨いていた。
「今日はお早いですね」
これも、「」部分を先にもって来たほうがいいんじゃないかな。
いつもよりはやくバーに来た事はその前で分かってるのだから、
マスターの口元を緩めさせなくても、誰のせりふなのか内容でわかりますね。
それから、黒いチョッキ「を」ですね。抜けてるヨ。
個人的には黒い制服姿のバーテンダーが、のほうが好きかも。
客がいないことを二回も説明するより、
いっそ最初から「客はまだ一人も居なかった」と書き、
がらんと静まり返った店内の描写を入れたほうがあとの黒猫が印象的になると思います。
928 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/20 01:58
926−927ですが、エラそうにすんませんでした。
がんがってください。
酷評をお願い致します。初心者です。 (二分の1)
修学旅行が終わって、あたしたちの乗ったバスが校門についた。
「はい、ここで終礼やります、組ごとに整列!」
一番先にバスを降りた学年主任の飯田先生が両手を挙げて叫んでいる。
あたしたちも荷物を持ってバスから降りて、だらだら並び始めた。
担任のウダイは「1組は解散後、教室でホームルームやりますから集合!」
飯田先生の顔色を伺いながら、顔を歪ませて言う。 ……やっぱり。
「えーっ」みんなダルくて死んでるのに、まだ話し合いすンのかよ。
ウダイに聞こえない後列の方から、不満たらたらの声が挙がる。
「サイテ−!」みんなの視線があたしのツムジ辺りに直撃する。
「嘘の宮 ツキ子のおかげだよねえ」 「ヌッ殺すぞ!おらあ!」
悦子の取り巻きが、あたしの鞄にケリを入れてきた。
「2組、3組はこのまま下校してよし!みんなお疲れさんでした」
飯田先生の号令で「ありがとうございました」と声を揃えて
お辞儀をすると、1組のみんなはゾロゾロ教室に戻っていく。
「荷物、まじで重いねえ」「お土産がさあ、なんか汁でそう。ゼリーがさあ」
悦子のグループは5人ともお揃いのバンダナを、旅行バックに巻いている。
旅行中は髪の毛洗うの禁止だったのに、悦子はさらさらの茶髪をなびかせて
アユの真似をしながら教室に入って行った。あたし……。どうなるんだろう。
(二分の2)
悦子のボストンバックのポケットにあたしのお財布が突っ込んであったのは事実だ。
お金返してって頼んだら、逆切れされてフクロにされて、円陣かけられた。
「お前のもってる金なんてクセえんだよ」「使って下さいって土下座しろ!」
あたしは制服のスカートを京都のホテルの5階から捨てられて、それから
毎日ジャージで過ごした。先生も見て見ぬフリをしてた。買い物もしなかった。
そのスカートをホテルの人が見つけて、先生にチクったから大問題になってしまった。
いま、あたしは悦子のお金を取って、悦子を脅迫したコトになっている。
力は数に勝てない。嘘なんて先にプレッシャーかけた方が勝ちだ。
教室の戸の前で、あたしは気が狂ったふりも出来ず、失神することもない。
自分の手首に名札の安全ピンを深く突き刺して、手を思いきり振った。
最後の切り札になるように血だらけの手を隠して教室の戸を開けると
悦子が教壇に立って「うそをついた人を責めないであげて」って
ウダイのリクエストで「演説」をしているところだった。
ウダイは泣いていたけど死んだ猫を見るような目をして
「月宮、入りなさい」って面倒臭そうに言うと 黒板に向かって
「嘘は泥棒のはじまり」とピンクのチョークでギシギシと書き始めた。
>>929 >ヌッ殺すぞ!
会話文にしては違和感を感じる。下手すると笑いに転じる可能性もある。
>1組のみんなはゾロゾロ教室に戻っていく
旅行から帰ってきて「戻っていく」という表現は不自然。
>悦子のグループは5人ともお揃いのバンダナを、旅行バックに巻いている。
突然入ってくるこの文章はおかしい。主人公の視点ならば情景描写を入れるべき。
階段を登っているみんなを見上げるとバンダナが〜
とやると「見上げる」などの言葉も相まって、劣等感も出るのではないだろうか。
あなたの文章は見ていると説明文ばかりだが、情景描写で説明した方が文章も良くなるはずだ。
その辺少し工夫されては如何だろうか。
>そのスカートをホテルの人が見つけて、先生にチクったから大問題になってしまった
読点(、)を
>そのスカートをホテルの人が見つけて先生にチクったから、大問題になってしまった
とすると良い。ホテルの人が先生にチクるというのはこっちの方が分かりやすい。
>教室の戸の前で、あたしは気が狂ったふりも出来ず、失神することもない。
>自分の手首に名札の安全ピンを深く突き刺して、手を思いきり振った。
>最後の切り札になるように血だらけの手を隠して教室の戸を開けると
気が狂うふりや失神する必要が分からない。
いじめられるのが嫌だから、という理由にしてもおかしな理由である。
血だらけの手が最後の切り札というのも分からない。「切り札」というからには何かに絶大な効果をもたらすものなのである。
見せて驚かせるのが何に効果を与えるのか全く持って理解不能だ。
あと痛覚を無くしたという設定があるわけじゃないのなら、安全ピンを突き刺した所で主人公の痛そうな表現が欲しい。
初批評。
>929-930
・「だらだら」「ゾロゾロ」「たらたら」「さらさら」「ギシギシ」
と、声喩(?)の多さが目に付いてしまう。
・略した文字のせいで、リズムを悪くなってしまっている。「髪の毛洗う」「円陣かけられた」「してた」
これで行くなら、全部これで統一した方がいい。
書くのに時間が無かったのでしょうか?
「あたし」の幼さを表現したものかもしれないけれど。
あと超個人的には、「ピンクのチョークでギシギシと」という文はなんかイメージが浮かんできて良かったです。
批評をお願いいたします。
某賞に応募を考えている作品の書き出しの部分です。
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故郷へと向かう電車の中で、八島亮介はじっと単調な走行音に聞き入っていた。
ローカル単線の車内には他に乗客の姿は無く、向かいの車窓から差し込む晩夏の
陽光が眩しい。座席を移ろうかとも思うのだが、一つには眠気と、もう一つには考
え事のせいで、ぬるい光が顔を照らすに任せ続けていた。
彼の考え事というのはこうだ――
――この音は、俺がむかし自前の耳で聞いた音と同じなんだろうか?
愚にもつかない考えだと分かってはいる。音はただの音だ。同じもへったくれも
有りはしない。だが、思えばレプリカントとして「蘇生」して以来、何かと忙しく
てロクに考え事をする暇もなかったのだ。たまの空き時間くらい感傷的になったっ
ていいはずだ、と亮介は思う。
胸の悪くなるような音をたてながら、電車が減速を始めた。小さな駅舎が懐かし
い。高校時代、彼は毎日このローカル線で通学していたのだ。今では、単なる年月
以上のものに隔てられてしまった遠い時代だ。
電車が止まってドアが開き――ちなみにこのドア、冬の間は手動になる――亮介と
同じ車両に、熱気と一緒に親子連れが入ってきた。五歳くらいの男の子と、その母
親らしき女性の組み合わせだ。男の子にまじまじと見つめられたので、亮介は小さ
く手を振った。子供も、子供の相手をするのも好きなのだ。
女性は亮介に会釈をすると、自分の背中に隠れてしまった子供の頭を撫でて、
「ほら、お兄ちゃんに『こんにちは』ってするのよ」
とうながした。
男の子はおずおずと母親の陰から顔を出し、舌足らずに「こんにちは」と言った。
「こんにちは。ちゃんと挨拶ができるんだね」
亮介は男の子に目の高さを合わせて微笑んだが、男の子の視線が自分の二の腕に
注がれているのに気づき、慌ててTシャツの袖口を押さえた。一人の気安さでサマ
ージャケットを脱いでいたのが失敗だった。
――見られてしまっただろうか?
そっと男の子の表情を窺う。男の子は
「お兄ちゃん、どうして腕に字が書いてあるの?」
と不思議そうな顔をする。その顔に花が開くような理解の表情がひろがっていき、
「お兄ちゃん、もしかしてロボット!?」
母親の顔色が変わる。彼女は男の子の手を引いて、
「あっちに行きましょうか。ね?」
と、強引に隣の車両に向かおうとした。
「あの、別に騙そうとしたわけじゃ――」
亮介は無意識に袖口を押さえたまま、座席から腰を浮かせかけた。だが、母親の
表情を見て思わず息をのむ。若い母親の顔に浮かぶのは、紛うかたなき嫌悪の表情だ。
例えばキッチンでゴキブリを見つけたとき、きっと彼女はこんな表情をするのだろう。
生理的嫌悪。あるいは憎悪。
936 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/20 22:15
「あ――」
間抜けな中腰の姿勢のまま固まる亮介を無人の車両に残して親子連れが隣の車両に
消えたのは、電車が動き出すのとほぼ同時だった。
振り向いた男の子が亮介に手を振ろうとするのを、母親が止めている。名残惜しそ
うな男の子に首をかしげて手を振ってみせ、亮介は疲労した動作でどさりと腰をおろす。
彼の体格からは有りえないほどの音をたてて座席が軋んだ。
人から同じような扱いを受けるのはこれが初めてではない。だが、慣れることは決し
てないだろうと思う。
八島亮介と呼ばれた人間は三ヶ月前に死んだ。
今ここでうちひしがれているのは――あるいはうちひしがれた様を、ISO規格の
厳密さでシミュレートしているのは――たまさか彼と同じ名前をつけられた、ただの複製
でしかなかった。
血の臭いが部屋の中に充満している。部屋にはナイフを持った血塗れの人間と、
先ほどまで人間だった肉塊が転がっていた。先ほど―――とは30分ほど前の話。
部屋では、二人の男が言い争っていた。二人の男のうち小柄なほうは、内井。
大柄なほうが、平野。内井は阪神ファン。平野は巨人ファン。そう二人は今日の
試合の結果で言い争いをしていてのだ。試合の結果―――巨人が1対0で阪神を
下した。阪神のマジックは未だ5―――未だと言うのはもう十試合もマジックが減
っていないからだ。阪神ファンの内井は、大変いらいらしていたのだ。
「くそぉ何でこんなことしてしまったんだ」
今、内井は自分のしたことを激しく後悔していた。
いくらカッとなったからって、なかなか優勝できない阪神を馬鹿にされたからって
「くそぉ平野ぉ…どおしよう」
どうして台所まで行ってナイフを取ってきて、平野を刺してしまったのだろう。
「ああああああああああ」
もしかしたら1回刺しただけなら生きていたのかもしれない。いや、生きていた。
確か生きていた。息があった。なのに目が合った瞬間。
「ああ……ひ…ら…の…ぉ」
もしかしたら、阪神がなかなか勝てずにいらいらしていたことや、酔っていたことで
何度も何度も何度も刺しまくってしまったのかもしれない。内井にはまだあの感覚
が残っていた。肉が裂けていって、血が噴き出す。その間には時間はないはずな
のに感じたタイムラグ。苦しみに歪んだ平野の顔。平野。平野。平野。平野。平野
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ガチャ!突然ドアが開いた。声が聞こえる。
「内井さん!?何ですかこの臭い、臭い。…血?」
内井は自分でも驚くほど早く行動した。
939 :
初心者1号:03/08/20 22:38
>>927 推敲が足りなかったことは素直に認めます。
(脱字とは恥ずかしいw)
ただ、同じ文を繰り返し使う点については
意図的に試みたのですが伝わりませんでしたか?
(だとすれば私の力不足ということです)
批評者として粋がってきましたが
引退の時期が迫っているようですねw
まあ、批評と実作の能力はあまり重ならないのでよろしいんじゃなくて?
貴方の指摘に感謝レスがついていたこともあるわけだし。
>>939 横やりですが、意図的に試みたのにはどういった意味があったんでしょうか?
事物を並列に扱うとか、例外的に微細な描写が連続する場面で見かけますが、
ここでの繰り返しは不自然に感じます。
私も横槍ですが。。
万人一緒の感性と言う訳でも有りませんし、批評を願う側もそれは承知だと思います。
なので、批評した人の言葉に批評をするのは違うのではないでしょうか?
少なくとも私は、そう思います
昨日の夕方より書き込めなくなり、やっと来ました。
せっかく、早々にレスを頂きながら、大変失礼いたしました。
>>931-932 有難うございます。丁寧な感想に感謝です。
描写力というものが全然ないという事に
今更ながら気がつき、反省です。情景描写ができないので
説明でつないだり、表現も変だったりではないかと気がつきました。
句点も大変、勉強になりました。教えて頂いたこと、大切にします。
安全ピンの件は、いじめられっ子&習慣的嘘つきの主人公が吊るし上げに備えて
卑屈な反省のポーズだったのですが、表現がダメすぎました。すみません。
文章を書く勉強を遅蒔きながら始めようと、決意しました。
ありがとうございました。
>>933 有難うございます。こんな駄文に初批評の光栄を頂いて感謝です。
声喩の多さは、描写力がないからだと、あらためて反省です。
幼い表現は私の文章力のなさゆえ、です。頭をしぼって寝ずに書いて
この調子(w ですので。お恥ずかしいです。ありがとうございました。
945 :
ミヤミ・エスト・ゴルア:03/08/21 11:18
漏れの作った小説(っていうか文)です。かなり下手ですが、酷評よろしくお願いします。
主人公は20歳の或る男で、少年時代を回想している・・・と言う設定です。
「・・・はっ!」
何かにおびえて、夜中急に目が覚める。
そんな事は今では全くないが、常に何かが不安だったあのころはよくある事だった。
特に転校直後だったあの日は、これから僕自身がどうなるのか不安だった。友人と、恋人と、住みなれた町と、
分かれてしまった直後だ、今から考えれば無理もない。
しかしあのころはまた、そんなおびえる理由なんて分かりもしなかった。波の音が不安をかき立たせる。
不安を抱え、かつ自分の心をダレとも共有できなかった僕は、そんな眠れぬ夜に別れを告げた。
そしてあの時も、不安を抱えて外に飛び出したのである。
空は朝焼けで、曇り空に薄いオレンジ色の線が描かれたような風景だ。
僕は走り出した、海の脇を遠くへと、不安の置き場を求めに。だけど僕の不安とおびえは、だんだん落ちて、
またなくなっていく。
気分はすっかり軽くなり、さっきの不安感はもう跡形もない。
後ろの明るさに気づき、向こうの水平線を眺める。
海は輝き、空は雲は消え、朝日の色でライトな色になっていた・・・。
>>945 個人的な意見ですが…
細かいところを言わせてもらいますと、
僕は走り出した、海の脇を遠くへと、不安の置き場を求めに。
よりも
僕は走り出した。海の脇を遠くへと、不安の置き場を求めに。
と、句読点で区切るほうがいいと思います。
また「空は雲は消え」では「は」が並んで少々鼻につくので
「空は雲が消え」とした方が読みやすいです。
948 :
初心者1号:03/08/21 21:03
客がいないこととマスターがグラスを磨いていること
この二つの事象を繰り返し印象付けることで
この短文を効果的にリライトできると思ったんです。
静的空間に訪れた不思議な出来事見たいな感じでw
>>934 冒頭部分のみですが、主人公の意識は、
1.走行音に聞き入っている(集中している。または雑念がない様子)
2.陽が眩しいと感じている(静かな意識を乱して不快だ)
3.動くのが面倒だ
4.眠い(聞き入ってたため?、または元々ぼんやりしていた)
5.考え事をしている(でも実は大切な事柄を思考している)
このように、様々な状態にあるわけですが、
5は1、4とは、同時には相反する状態のようでもあるし、5は1と関連があるという。
どういうことなのか、読者である私は冒頭部分の内容を以下のように想像しました。
リライトではありません。
‐‐
故郷へ向かう無人の列車のなか、主人公は疲れを感じていた。
単調な走行音を聞いていると、いよいよ眠くなり、心地よくなってくる。
でも陽がまぶしくて眠りに落ちるには至らない。ぼんやりしているうちに、
この走行音はかつて聞いたはずの走行音と同じなのかという疑問が湧いてきた。
つまり、過去と現在の自己の同一性がひどく疑わしくなってきた。
こんな実存に関する哲学的な問いというのは、
考えてみれば子供っぽくバカらしいものだ。
でも、主人公にとっては感傷的になってしまうほど、切実な問いなのだ。
なんとなれば、主人公はレプリカントとして故郷へ帰ってきたのだから。
‐‐
もし、上のようなハナシの筋ならば、あなたの文章はかなり散漫な印象があり、
もうすこし達意ということをしっかり考えて書くべきだとおもいます。
950 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/22 00:51
お願いします、
多々良川沿いにある私鉄向田駅はいつ見ても薄暗い。
地方街の主要交通機関にもかかわらず、
一日の乗車数が100人に満たないというのだから、それも仕方がないことだろう。
としゆきはその向田駅から毎日同じ時間の電車に乗って都市部の大学に通っている。
決して苦痛なものではないが、満たされることもない生活。
もはや満たされることを望むこともしない生活。
としゆきは自分がそんな生活が嫌いなのは十分に知っていた。
しかし、自分ではどうしていいのかもわからず、また、同じ時間の電車に乗っていた。
向田駅の周辺には商店街が密集している。
それもほとんどがシャッターが下ろされた店ばかりだが、
向田駅はそういった店に囲まれる形で存在している。
向田駅の横にそれを象徴する「橋本商店」という店がある。
かつては主にみやげ物を扱っていたが、
数年前から、下ろされているシャッターが上がったことはない。
その向田駅と橋本商店の間に細い路地があった。
暗く、先のほうは全く見えない。
としゆきはいつもその路地を気にしていた。
周りの人は少しも気に留めないようだが、
この路地は一体どこに繋がっているのだろうと、しばしば考えることがあった。
現実的には、駅の裏口があればいい方で、行き止まりなのが関の山であろう。
しかしとしゆきはその先に今の自分にない「何か」があるような気がしてならなかった。
朝夕その場所を通る度に、先になにがあるか確かめたい、と思っていた。
>>950 第三者として書くには、語り手の感性がとしゆきに寄り添いすぎな気がします。
たとえば
>としゆきは自分がそんな生活が嫌いなのは十分に知っていた。
「としゆきはそんな生活が嫌いだった。」で充分なんですよ。
おれは、おれ自身が君を「嫌い」なことを「知っていた」
とはあんまし言わなわけで。
おれは、君が嫌いだ。
でしょ。
勿体ぶった分、「嫌い」という感情を大げさに表してるように見えるから、
語り手=としゆき、って構造に読み手が、一歩引いちゃうと。
ネタじたいは、もしかしたら悪くないかも知れません。
【転校生】
朝の朝礼で転校生が紹介されていた。
僕には絶対に関係ないだろうと思った。僕は明日、転校する事になっている。
転校させられると表現した方が正しいのかもしれない。
僕は半年前に路上で喧嘩をしてサラリーマンを入院させた。
それがPTAをしている家族だったらしく、学校中が騒いだ。
僕は黙って親の言うとおり謝って土下座をした。警察は酒を飲んでいたサラリーマン
ではなくて僕を追及した。僕はただ頷いて謝り続けた。
僕の反論は信用されないと一方的に思っていたからだ。
それで僕の出番は終わった。あとは親が全て進行させて転校することになった。
僕は構わないと思った。特別に仲の良い友人などはこの中学校にはいないし、
転校すれば親も今よりは住みやすくはなるだろうから。
そして僕は転校した。最後の日は帰りの朝礼が終わると学級委員が僕に花束と寄書
の色紙をくれた。そのお別れ会は10分で終了した。
転校した中学校では友達がたくさんできた。恋人もできた。
親も楽しそうに毎日を過ごした。転校前よりも幸せそうな雰囲気になった。
僕は推薦で偏差値の高い都立高校に入学した。
最初の中間テストの点数はクラスで一番だった。
しばらくすると同じ学校に進学した僕の彼女が、僕のクラスで順位が二番だった
男から告白されたことを聞いた。
彼女はまだ告白の返事はしていないが明日にでも断ると言った。
次の日の朝にその男が僕の顔を見て笑っていた。
僕はその男が転校する直前に、中学校に転校してきた男だとは気付かなかった。
彼女は僕の元から去って、その男と付き合うことになった。
僕はその後は何も気付かずに高校を卒業して大学に進学した。
彼女が脅され、僕の秘密を守る為にその男と付き合った事を知ったのは、僕が結婚して
中学校に入学する子供がいる、ずっとずっと時間が過ぎたときだった。
僕は、同窓会で彼女と再会してその話を聞いた帰り道に今は親友と呼べるその卑怯者の
男に電話をすると、厳しい口調で彼女とのことを話した。
その卑怯者が反論した。
「お前もな。この卑怯者めが」
僕らはお互いに電話越しで大笑いをしながら、僕は大学時代に、その卑怯者と婚約していた、
愛する妻の待つ自宅へと、肌寒い夜道をゆっくりと歩きはじめた。
僕に真実を話した彼女が卑怯者の家に帰るのは僕が寝たころだろうとそっと時計を眺めた。
[終わり]
書き出しの文で、この後に夢落ちで続きますが、この文で先が読みたくなりますでしょうか?
指摘等ありましたら、宜しくお願いします。
夢、だと実感できた。夢なのに実感……と言うのも変な話だけど、これが「夢」で、「現実」では無
いと言う事だけ何故か解る。噛み砕いて言うなら、俺は今ここに居ると言う実感が無いから。
まるで、誰にもこの姿を視認されていないような感覚。
だから、夢。現に、そこの二人も俺に気が付いては居ない。
俺は、その二人から少し離れた場所に立っていた。
湿った土の匂いが、撫でるように吹く夜風に混ざって俺を包む。
雨が上がったばかりの、土の匂い。その匂いは、自然と俺の緊張感を解いて行く。
「何やってるんだ?あの二人。決闘でもやるのか?」
それが素直な俺の感想で、ただ一つの疑問。他に人影は無く、在るのは月と夜と風と土。
風で揺れるのは草と木と、その女の髪だけで、その髪は遠目でもサラサラした髪質という事が見て取
れる。
一人は女性で、髪が長く、上下とも蒼の服を纏って、手には棒を持っている。
その棒は長さにしてその女性の腕と同じ位。先端が月明かりを反射して青く光っているから、多分刃
か何かが付いているんだろう。……見方によっては宝石にも見える。
もう一人はここからだと顔が良く見えないので自信は無いが、多分男。
その男の方は黒い着物の上に、もう一枚黒い着物のような物を羽織っているように見えた。
「……何やってるんだ?」
もう一度、その疑問を反芻する。決闘、と言うのは冗談だったのだが、この状況で待ち合わせと言う
事も無いだろうし。だとすると、やはりこんな場所で行う事といえば、決闘なのだろうか。夢だし。
と、決闘案と格闘を繰り広げている最中、女が喋った。
「羽、見せてあげるね。穢れていても、綺麗な羽を」
羽?何を言っているのだろうか?まさかあの女、自分が天使だとでも言うつもりなのか。
いやしかし、これは俺の夢のはず。天使だって出てくるかもしれない。
そう一人で納得してみると同時に、今度は男が喋った。
「12人……殺してやったよ……ハハハ……12の人生を、奪ってやったよ……」
顔に左手の手のひらを当てながら、男は笑っている。まぁ天使が出てくる夢だ。そりゃぁ殺人鬼だっ
て出てくるだろう。むしろ殺人鬼の方がまだ現実的だ。
既に夢と解っていた俺は、その男の言葉を聞いて尚、余裕で次の言動を見つめる準備をしていた。
しかし、俺が男から女に目を移した瞬間、女は翔けた。真っ直ぐに、一直線に、夜風のように。
あまりにも早いそのスピードは目で追えず、目が女を捕らえた時、既に女の背中に羽が生えていた。
その羽は赤くて、飛沫を上げながら月明かりに反射している。
その光景はとても綺麗で、一瞬が何分にも感じられた。
その何分かの間、羽は常に脈打っていて、勢い良く後ろに伸びていく。
「羽……綺麗でしょ?それが例え穢れていても」
彼女が呟く。
あぁ、そうか。
羽は自分の背中から生えてくるんじゃなくて、貫いた塊から噴出す朱色が羽を作ったんだ……
噴出す朱色の勢いが収まる頃、キラキラと輝く赤い羽根は静かに彼女の背中に収まっていく。
その光景は流麗だけども凄絶で、俺は只々見惚れるだけだった。
羽が完全に納まる頃、月明かりに照らされた彼女の体は濡れていて、その液体が呼吸に合わせて輝
いて、髪についた小さな雫が水滴になって地面に吸い込まれて。
それはまさに天使が湯浴みをした後のようで、俺の目に飛び込む彼女は只々綺麗だった。
957 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/22 02:11
>>952-954 オチはありがちだけどちゃんと落ちてるし、短くまとめているので何とか読めた。
狙ってるのか知らんが、文が単調すぎる。
僕は朝お起きた。僕は飯食った。僕は糞出した。僕は夜寝た。
極端に言えばこんな印象。「僕」の数、自分で数えてみるといい。
958 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/22 02:28
>>955-956 続きを読みたくなるかと問われれば、答えは「否」。
だって、冒頭からして、わかりづらいもん。
全然噛み砕いてないし「誰にもこの姿を視認されていないような感覚」も
「まるで」わからない。
人の夢を聞かされるのは話し手が思っている以上に、他人にとっては苦痛。
飽きさせずに聞かせるには、それなりの技量が必要なの。知ってるんでしょ?
夢ネタには、手を出さない方が吉だと思うが。特に冒頭では。
>>957 ありがとう御座います。中学生レベルは超えているでしょうか?
私自身が中学2年なので・・・
「僕」の数と単調なのは突っ込まれ所だとは思っていました。
狙いと言うより、失敗に近いですね。人名を使わず「僕」「男」「彼女」で
文章を書いて出来るだけ短くを意識したのが逆に失敗でした。
構成の段階から、甘々でした。
960 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/22 02:45
>>959 中二だとしたらよく書けてる。当方は成人するまで漢字が書けなかった。
ただ、年齢を明かすのはよくない。自ら手加減を求めているようで好かない。
やるなら二十歳になったつもりでやれ。
物書きに年齢は関係ないからな。
でも、まあ、がんばれ。
>>960 では次は【二十歳−ハタチ−(仮題)】のタイトルで構成します。
>>955 誠実に書かれていると思います。しかし、読みたくなるかといえば、
夢の話という前提があって、なおかつ最初から非現実的な話をやられたのでは、
>>958さん同様、ふつうは読む気がしません。
常日頃抱いている、正気では他人に言えないようなコンプレックスや後悔の念が、
現在の願望と相乗して現れる悪夢とか、いくらか欲望のリアリティがある話でも、
冒頭から夢の話というのは、読み手の主人公への共感がゼロの状態なので
難しいものだとおもいます。過去の記憶を願望で少し脚色するくらいが限界では?
よろしくおねがいします。 1
鮮やかな夕焼け。
初秋の河原は、逆光の中で撮られた写真の様に美しかった。
黒と赤のコントラストが鮮烈に、しかし、哀愁を帯びた色合いで。
風になびく枯れた葦の音、どこかで藁を焼く香り・・・。
この状況に身を置かれると、いつも決まって思い出す出来事がある。
あの時の事は、何故か昨日の事の様に、本当に昨日あった出来事の様に思い出す。
もう、遠い昔の事なのに・・・。
その思い出とは、父と弟の三人で散歩した時の事。水量の少ない河は幾つもの瀬を作っていた。
その瀬の一つに魚が打ち上がっているのを、俺は見つけた。
「お父さん、あそこ、魚がいる・・・」
繋いでいた手を振り解き、堤防を駆け下りた。河原は、自分より背の高い葦が辺りを覆っていた。
そこに何本かの道があった。釣り人が川岸まで行くための物だ。まあ、道といっても獣道のような物だったが。
身体を葦に撫でられながら進んでいくと、急に視界が開けた。そして、例の瀬は川岸から五メートル程先にあった。
瀬は、黒くしっとりと濡れていて、まるで鯨の背を思わせた。魚から水までは五十センチも無いだろう。
つづき 2
目を凝らして、魚の様子を覗う。息を殺してと言うより、息が出来なかったと言うべきか。
まだ生きている様だ。エラが動いているのが解る。しかし、弱っているのは一目瞭然だった。
俺は突然ひらめいて大きめの石を拾うと、その瀬に向かって投げ始めた。
「おいおい、何かわいそうな事してるんだ。よしなさい」
追いついた父が、後ろから声をかけて来た。振り返ると、弟は肩車の上でご機嫌な笑顔を浮かべ、
その下の父は困惑と不快の入り混じった表情で俺を見ていた。
何も言わずに向き直ると、また石を投げ続けた。
「止さないか!」
強い口調と共に、乱暴に引き寄せられた。バランスを失って、倒れそうになりながらも投げた最後の石が、
瀬の手前に落ちて水飛沫を上げた。その飛沫が魚にかかったその時に、身体全体を激しくくねらせて、
魚は飛びあがった。俺は父の腕を振り払いつつその様を見守った。あと、ほんの二十センチも無い。
もう一跳ね、もう一跳ねすれば・・・。しかし、魚は跳ねなかった。エラの動きも止まってしまった。
その様を、俺は見つめていた。
つづき 3
突然、頭に父の手が乗った。俺は一瞬身をすくめたが、その手は俺の頭を撫でていた。
「そうだったのか・・・」
父は小さく呟いた。その言葉を聞いた瞬間に、俺は泣き出した。最初はうつむいて涙を堪えていたが、
どうしようも無かった。嗚咽をかみ殺して居たが、肩が大きく揺すれるのを止められなかった。
「悪かったな」
頭を撫でていた手が肩にするりと置かれ、今度はとても優しい力で抱き寄せられた。
俺は父の腹に顔を埋めて、声を上げて泣いた。救えなかった魚、無力な自分を責める気持ちも有ったが、
自分のした事が理解された事が嬉しくもあった。俺は、泣かずには居られなかった。
ひとしきり泣いて落ちついた頃、今度は恥ずかしさこみ上げて来た。上目使いに見上げると、
父の優しく、少し哀愁を帯びた笑顔と、その上の困惑した弟の顔があった。
「なんでお魚に石を投げたの?」
不思議そうに弟は聞いてきた。しかし、俺はその問いには答えなかった。ただ父に手を引かれて、
俯いたまま歩いた。しかし、弟は容赦無く聞き返す。
「なんで?、ねぇ、なんで?」
つづき 4
その執拗な問いかけに耐え兼ねた俺は、その場から逃げたくなった。
父の手から逃れて走ろうと思い、自分の手に力を込めた瞬間、父が静かに言った。
「お兄ちゃんは、あの魚を助けたかっただけなんだよ」
俺は振りほどきかけた手をそのまま元に戻して、手を引かれながら歩き続けた。
「なぁ、魚は水に住んでるよな。そんな事はお前等にだって分る」
弟が得意げに頭を振る。
「そうだよ。あのね、先生がね・・・」
「分った、分った。ちょっと待ってくれ」
肩車から弟を下ろしつつ、喋るのを制した。
「だけど、ああやって時々陸に跳ね上がる奴もいるんだよ。住みなれた水の中から、
わざわざ危険な陸にね。勿論、何でかはお父さんには分らない。水が嫌いになったのか、
何かから逃げていたのか、外に興味があったのか」
俺は素直に聞いていた。弟は喋るのを制されて不満気味だが、やはり、話しを聞いていた。
つづき 5
「確かに、大昔はそれを繰り返して、陸に住めるようになった魚もいた。まぁ、それは大きくなれば学校で習うだろう。
でも、あの魚は陸で生きることが出来ない。人間と違って、陸では息が出来ないからね。水の中でしか、息が出来ない。
それでも時々、ああやって自分の住んでる水の中から飛び出してしまう。勿論、運良く自分で戻れる奴もいる。
さっきの奴だって、もう少しだった。本当に、もう少しだったよ。だけど、住む世界が違う所では、生きては行けない」
しばらくの沈黙。もう、日も沈んで冷たい風が弱く吹く。
「だから、元の世界へ戻してあげたかったんだよな?」
俺は、小さく頷く。
「石は水に投げてたんだ。魚にかかれば少しは元気出るかとおもって・・・」
「そうか・・・」
大きな手がまた、俺の頭を撫でる。
「自分の世界から飛び出したい気持ちは、人間にだってある。でも、人間もあの魚と一緒なんだよ。
自分の住む世界から飛び出す奴、そして、自分で戻る奴、他の人に戻してもらう奴、戻れな奴・・・。
まぁ、今はそんな事言っても分らないか。」
弟がおずおずと、
「それも、学校で習う?」
それを聞いた父は、声を上げて笑った。
申し訳御座いません。 終りを付けるの忘れてますた。
>>963-967 >黒と赤のコントラストが鮮烈に、しかし、哀愁を帯びた色合いで。
が、自分の感性の問題かもしれないのだがおかしい。
赤と黒のコントラスト、特に「黒」はこの場合美しさを表せてはいない。
どちらかというと後述されている「哀愁」を感じさせる。なのでこのまま「赤と黒」を使うのなら「しかし」という接続詞はいらない。
>俺は見つけた
美しい冒頭シーンから突然「俺」という言葉が入ってきて戸惑いを感じる。
冒頭では主人公の容姿が分からない。しかし美しい描写から主人公はさわやかな人物であると自分は読み取った。
そこに「俺」である。「俺」でさわやかな人もいるだろうが、「私」や「僕」の方が抵抗を感じない。
>自分のした事が理解された事が嬉しくもあった。
ここは余分ではないだろうか。助けられなかったことに無力感を感じているのに嬉しく思うはずが無い。
少なくとも小説の文では表現しなくていい。
>それを聞いた父は、声を上げて笑った。
声を上げて笑う所だろうか。ここに話が集約されると思われる。そうすれば文章全体が綺麗に締まる。
冒頭シーンでしんみりと回想に入る主人公がいるのだから、そこを考えてみよう。
読んでいて楽しめた。夕焼けという描写がノスタルジーを思わせ、効果的だと思う。
人物の書き方もいいと思うのだがあと一歩、もう一歩進めればより魅力的になるだろう。