公衆便所

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213名無し物書き@推敲中?:03/11/06 14:31
ん? アレンジか?
214真瀬清顕:03/11/06 14:44
これから小説「赤ん坊」の第二章を掲載します。
昨日の夜に書きました。
この小説は「公衆便所」とは双子ですが、
「公衆便所」が右脳で書かれているのにたいして、
「赤ん坊」は左脳で書かれています。
ぼくは20代の中ごろまでほとんど右脳だけを使って生きてきたのですが、
大麻との出会い、その後、瞑想をするようになって、
やっと左脳を作動させることができるようになりました。

じつは、
>>210さんの状態は、
すごくいいのが書ける直前の状態なのです。
是非、真似事でもいいから足を組み、深く呼吸して横になるのをおすすめします。
だんだん慣れてくると、とんでもない世界に自由自在にトリップできるようになります。
そして、トリップしたままワープロに向かって書けるようになるのです。
夢を見ながら、その夢の実況中継をする。

村上春樹の小説は、まさにそのようにして書かれています。
(具体的に瞑想はしていないと思うけど)
215真瀬清顕:03/11/06 14:47
「赤ん坊」の第一章は、
>>152にあります。
まずこちらを読んでから第二章を読んでください。
216真瀬清顕:03/11/06 14:48

「赤ん坊」 二

街に着くと、私はすぐに電車に乗って、大都会の副都心にいきました。
大きな駅です。
緊張します。
自動改札をでていくときに、ブルーの扉に大腿骨を折られるのではないかという恐怖心がよぎります。
切符売場の前には若者たちが携帯電話を手にもって、大理石の床に腰かけています。
これが自由というものなのでしょうか。
とにかく私はブルブルします。
心身がブルブル震えだし、急にオシッコがしたくなります。
そこで地上に降りるエスカレーターに乗る前に、売店とコインロッカーの脇を通って、男子トイレにいきました。
もちろん、男子トイレに入る直前、通路の向かい側にある女子トイレの入り口のほうをちらっとのぞき見たのはいうまでもありません。
217真瀬清顕:03/11/06 14:49

トイレをでると、地下鉄に乗ってスラム街にいきました。
消毒液の匂いのぷんぷんする階段をのぼって地上にでると、パチンコ屋の騒音とともに、
雑誌販売店の小屋の脇で飼われたアヒルの鳴き声、スモッグだらけの空を横切る都市高速道路の高架橋、大通りをいきかう大型ダンプのたてる地響き、
歩行者用信号機からながれる「とおりゃんせ」の物哀しげなメロディーが全身の毛穴から染み込んできます。
218真瀬清顕:03/11/06 14:49
私はあたりをキョロキョロと見回しました。
まるでサッカーのオフェンシブ・ハーフです。
どこにパスをだすか、どっちに走るか、いま、自分をとりまく状況はどのようなものか、
世界はどのように構成されていて、どこから、どれほどのスピードで、どのようなボールをドリブルしながら走ったら、そこに穴を開けられるのか。
世界に穴を開けられるのか。
突破できるか。
そのことに全神経を集中します。
生きていることが戦争なのです。
ワールドカップの決勝戦です。
私にとっては、そうなんです。
そうしてそのように戦場にいるときのような熱狂のなかで生きることで、
私は世界の退屈さから開放されて、まったく私独自の生きる歓びを感じることができるようになるのです。
219真瀬清顕:03/11/06 14:50
というわけでそのときの私が思いついたのは、ズボンのジッパーを下ろすということでした。
私はジーンズのジッパーを下ろし、そこからチンポをとりだしました。
開けるべき世界の風穴は、自分の股間にあったのでした。
俗にそこが「社会の窓」と呼ばれるのも、あながち真実をうがってるといえなくもないのです。
220名無し物書き@推敲中?:03/11/07 01:06
息が荒れる
心臓が跳ねて、胸を突き破って出てきそうだった
女は猿ぐつわと涙目で誘っている
綺麗な項を見せつけて
「私を食べてちょうだい」と挑発している
猿ぐつわを外してやった
白い布の中から現れた桃色の唇
たまらなくなり、唇をあわせる
女の口内に舌を入れる
221名無し物書き@推敲中?:03/11/07 01:07
モウ、我慢が出来ない
細くて白い首に手を伸ばす
両手にアラン限りの力を込め、親指を喉仏の当たりに押し込む
口内に女の舌が延びてきた
それに噛みつき、舌で滲んでくる鉄の味を楽しむ
暫く味わった後、口を離した
赤い、唾液の糸がツーッと伝わる
それがタマラナク妖絶に見えた
女の膣に自分のモノをねじ込む
何度も何度も狂ったように腰を振った
タマラナイ、タマラナイ、タマラナイ
首筋に噛みつく、繰り返し、繰り返し
女の眼球に指を這わせる、人差し指で穴をほじくりつづけた
幾度となく射精して、ベトベトになったモノを女の瞼にあてがう
想像を絶する快感
いい、いい、いい、いい、いい、いい!
奥深くに射精し、女の顔を抱きしめる
女の頭を掻きむしった
ホントに可愛い、なんていい子だ
残っている眼球を舐める、塩っぱさを味わいながら
そして、お気に入りのうなじまで舌を這う
ああ、幸せ
いままでのどんな瞬間よりも、幸せ
222名無し物書き@推敲中?:03/11/07 01:09
最近、こういう文章書くの快感になってきた
いや、他人に見せたりはしないが。欲求を文章にぶつけるってのが
・・・俺ってこういう欲求があるのか?
なんか官能書くとかならずこんな感じになるが
223名無し物書き@推敲中?:03/11/07 01:17
>>222
いいよ〜興奮するよ〜
224真瀬清顕:03/11/08 13:05

「ドイツでダンサーをしているある女友達へのメール」

やあやあ、俺は、結婚は、苦手だな。
二十歳のときに結婚したんだけどさ、二十二で別れた。
彼女のほうが出ていった。
そりゃ淋しかったけどさ、
「やった!」
って思ったね。
これで自由になったって。
225真瀬清顕:03/11/08 13:06

彼女が家を出ていったのが九月だったかなあ、
そしたら、すぐにさ、九州の大宰府に借りてた家を追い出されてさ。
商売に失敗して、人生に失敗して、
京都の精神病院で無免許のボイラーマンをしてた親父と、
看護婦をしてたお袋の家族寮に転がり込んだ。
家族寮とは言っても、四畳半と六畳のアパートだぜ。
俺はそこで一冬を過ごし、北山にある総合資料館に通って猛勉強をし、
春には早稲田第一文学部の新入生になっていた。
226真瀬清顕:03/11/08 13:08
で、大学に入ったばかりで妻帯者じゃつまんないだろうと、
二番目のヤクザ兄貴が、逃げた女房の家に乗り込んで、離婚届に判を押させた。
「やった!」
晴れて俺は大学生さ。
恋愛しまくり、セックスしまくり。
楽しかったね。
それから69でMなんかと出会ったわけだけど、正直言って、
どいつもこいつも馬鹿だって思ったね。
油断してるなってね。
227真瀬清顕:03/11/08 13:09

俺は労働が大嫌いだ。
犯罪が好きだ。
結婚してるときは、女房をトルコ風呂で働かせてた。
以前はソープランドじゃなくてトルコ風呂って言ってたよね。
で、俺は、夕方になると、ホモの集まる地下のポルノ映画館で男娼をしてた。
俺は若いころはなかなか美しい身体をしていたし、
人の感情を読むのが生まれつきうまかったので、
たいへん芸術的なセックスをしていた。
というわけで、男からも女からもセックスで金が稼げた。
228真瀬清顕:03/11/08 13:10

ところで、このメールに書かれた世界のどこに愛があると思う?
君が言うような愛は、どこにもないよ。
だが、俺にとっては、すべてが愛だ。
いまでも胸が引き裂かれるくらい愛しいよ。

             年老いた男娼より

229名無し物書き@推敲中?:03/11/09 00:57
HDが飛んだ・・・・
ストレスで吐き気が・・・・・マジ苦しい、気持ち悪い
230名無し物書き@推敲中?:03/11/09 18:43
231真瀬清顕:03/11/10 12:02
映写室のガラスの板から一条の光の帯が伸びていく。
青味かがった埃っぽい闇にタバコの煙が渦巻いて昇る。
スクリーン横の壁に取り付けられた〈禁煙〉の赤いランプは一瞬ごとに地獄の石畳の上で流されている供犠と贖罪の血を滴らせている。
傾いた座席に腰かけた仕事にあぶれた地下足袋とニッカーボッカー姿の日雇い労務者たちは股間のファスナーを下ろし、ベルトを外して、
入場料分を取り返そうと、前立腺に溜まった性欲を逆方向にしごき、奮い立たせる。
232真瀬清顕:03/11/10 12:04
あ、ごめん、まちがえた。
>>231から「公衆便所」第四章の始まりです。
233真瀬清顕:03/11/10 12:05
灰色の帽子を被った年金暮しの老人の頬は、算盤の玉のように柔軟に動き、滑り、垂れ下がり、
臆病そうな三白眼の透けた瞳で、戦時中の暴虐と、戦友たちから浴びせられた屈辱と、痛みと、快楽とを、再び肛門の奥にしまいこもうとして、
あてどなく闇の中で人生を潰している男たちの肩の線や足の組み方を点検している。
柱の後ろの暗がりでポマードをべったりと撫で付けた眉に入れ墨をした貧相な顔の痩せた男は口唇をしきりに尖らせ、
そこを訪れるポロシャツやトレーナーの男たちの栗の花の匂いの噎せ返る苦い体液をたっぷりと飲ませてくれと合図している。
234真瀬清顕:03/11/10 12:06
〈立入禁止〉の柵で仕切られた階段の入口で丸眼鏡の男が壁に手を突きオールバックの端正な顔をした浅黒い肌の外国人に指を三本菊の中心にねじ込まれ、顔をしかめて、顎の奥を鳴らしている。
通路脇の座席では男が男の股間に吸い付き、可愛い睾丸をもてあそび、
トイレットペーパーの絡まった真っ黒な人生で指紋を汚し、
喫煙所の入口に置かれた清涼飲料水の自動販売機の取出し口に赤いCoca・Colaの紙コップが乾いた音をたてて落下する。
砕かれた氷が転がり落ちた。黒い液体が注がれた。
「しばらくお待ちください」と書かれた窓の赤いランプが移動していく。
「どうぞお取りください」が赤く光った。
爪に真っ黒な垢の溜まったひび割れた指は盛んに甘ったるい泡を弾けさせている冷たく黒い炭酸水の入った登録商標を取り出した。
中には巨大な暗褐色のゴキブリが浅漬けのように萎びて浮いていた。
親指と人差し指は、そのしなやかな褐色のヒゲをつまんで、ゴミ箱に捨てた。炭酸はかなり抜けていた。
それを一気に飲み干すと、喫煙所の長椅子の端に腰かけていた水色のスウェットパンツと黄色のサンダルを履いた白髪の男が、「なあ、兄ちゃん。氷だけでええ、氷だけでええから、くれや」と、抜けた前歯のすき間からむなしく息を洩らしながら、言う。
男は黙ってコップを捨てた。
喫煙所から出ていった。


「公衆便所」第四章終わり
235あぼーん:あぼーん
あぼーん
236名無し物書き@推敲中?:03/11/10 16:50
ふと真夜中に目を覚ます。
あなたのことを思い出す。
いつかあなたの脚のあいだに顔をうずめることがあるのかしらと思う。
そうしてあなたの突起を口にふくんで、
あなたの苛立ち、あなたの不安、
あなたの孤独を吸いだしてあげることができるのかしらと。
あなたは破裂し、とびはねる、魚のように。
わたしたちははばたく鳥の形の染みのついたシーツで眠る。
汗ばんだ体で抱き合って。
汗ばんだ体で抱き合ったまま。
セーラー服が・・・
http://www.pinkschool.com/
238真瀬清顕:03/11/11 12:08
>>229
あはは。
そうだろうね。
いや、たしかに俺の存在は気持ち悪いんだけど、
つきつめれば存在はどれも吐き気をもよおさせるものだよね。
そういう意味でもサルトルの「嘔吐」は再読したい一冊だ。
239真瀬清顕:03/11/11 12:14
>>230
砧大蔵という名前は、以前、ぼくが「私小説」というスレッドを出してるときも、
何度か見かけたけど、あのときの君だね。
砧大蔵って、実在の小説家だったんだ、知らなかった。
で、その砧大蔵とぼくがどこかにてるっていうことなんだろうけど、
うん、それはあながち間違ってない。
要は、砧大蔵も、真瀬清顕も、言葉本来の意味で、破廉恥だということが共通している。
240真瀬清顕:03/11/11 12:17
>>237
たしかにセーラー服は興奮するけど、
じっさいに女子高生をナンパしたりすると、
それほど興奮できない自分を見つける。
要は、セーラー服もルーズソックスもモードなんだな。
文学なんだ。
241マスターべーション:03/11/11 13:18
少年は道を走っている。途切れることがない、はるか彼方に見える地平線までえんえんと続いている道を、笑顔で走っている。
少年の目の前に巨大な光の玉が出現した。それは熱く眩しかった。光の玉は少年と並行して前進している。
少年は走ることをやめない。なぜなら疲れをしらないからだ。光の玉は突如、微振動をはじめその瞬間、拡散した。
無数の小さな光の粒となった。光の粒は縦横無尽に飛び交う。少年は力強いエネルギーを感じた。しかし、
そのエネルギーの源泉はどこなのかということはわからなかったが、疑問には思わなかった。
蜃気楼のようにはるか前方になにかがあらわれたりきえたりしている。それは、冬の深夜、友達とバイバイしたとき、
住宅からの家庭的でやさしくあたたかそうな光源の眩しさだったり、登校日のある日、風邪で寝込んで一人で寝ているとき、
カチコチと規則的なリズムで音をたてる壁掛け時計だったり、あるいは幼稚園に上がる前に住んでいた赤い小ぢんまりとした
二階建ての一軒家だったりした。
 少年は道を走っている。道は永遠に続くと、少年は思った。何度も思った。呟いたりもした。ずっと続くずっと続く
ずっと続く。永遠に続くんだ。何トンだってなんだって運べる僕らが乗船した戦艦で広大な景色の一番端を超える。
流れる風が隙間という隙間を縫っていく。少年はさらに加速を試みた。
そう超えられる。この僕が超えるんだ。超える超える超える。少年の額に一筋の汗が垂れた。
 
242マスターべーション:03/11/11 13:19
少年は道を走りながら疑問で頭がいっぱいになっていた。光の粒の数が著しく減少していることに気づいたが、どういうわけか
そのことについては考えたくなかった。いつのまにかかなり疲れ始めていた。減速は防げない。もうここらへんでいいんじゃないだろうか。
光の粒は視界からフッと消えた。道の先端に闇のヴェールが覆いかぶさった。進むことが馬鹿馬鹿しくなってきた。
なんだか直観力が鈍感になったような気がした。とりあえず汗を拭こうかとそっと呟き、腰を下ろそうとした。
ゾッとした。からだがブルブルと震えた。ある匂いに気づいて、吐き気に襲われた。腐った精液の匂い。  
誰かに操縦されているように首を捻った。少年は胃のなかのものを全て吐き出した。その場に膝をついた。目じりに涙が溜まった。
涙を拭く暇もない。少年は誰かに強迫されているかのごとく叫びながら道を逆走する。背中に透明でおぞましい色をした腐ったヒトデのような
生物がピッチリと張り付いていた。それはあの光の粒が凝縮されて生まれたものだった。ぐねぐねとそれは動き、恐ろしいほど気色悪い
感触がした。それはなかは空洞で、数え切れないほどの穴が開いてた。そのなかに、少年の幼いころのいくつもの夢を象徴するものが
混合していてやはり腐っていた。もはや、やはり腐った精液でしかなった。
 少年は今までなにもしてこなかった。ただ無心で不快を回避し、快いに溺れてきた。気味の悪い腐ったヒトデのようなものは、
少年が死ぬまで密着していることだろう。少年は醜く叫びながら逆走しているようだが、そのうち諦めるだろう。
ヒトデのようなものはかわいいお人形になるかもしれない。材料は…。

おわり 
243マスターべーション:03/11/11 23:53
オナニー文章だけど自分なりに書き直してみた。学力もないし、適当に書いているだけの
妄想文章だよ。
244マスターべーション:03/11/11 23:55
 少年は笑顔で走っている。地平線までえんえんと伸びている道の上を走っている。
少年は純白色のエコロジーなエンジンを搭載しているのだ。
少年のすぐ傍で巨大な光の玉が出現した。それは熱く眩しかった。光の玉は少年と並行して前進する。
少年は走ることをやめない。なぜなら疲れをしらないからだ。少年がさらに加速すると、
光の玉は微振動をはじめ、そして次の瞬間、拡散し、無数の小さな光の粒となった。
蛍の光よりも小さい。光の粒は縦横無尽に飛び交う。少年は更なる強烈なエネルギーに
飲み込まれた。何度もつまづき転倒しそうになった。少年がバランスを崩すたびに、光の粒と粒が衝突した。
ときどき、光の粒が集合し少年の額を狙うようにして流入してきた。
少年の頭を中心に光り輝くトルネードが発生しているようだ。
無数の光の粒は少年の肉と血と骨を通過し、脳の深部まで潜入して支配した。拒否することはできない、
が光の粒は少年を寵愛した。少年の体がポカポカしてきた。少年は陽性の映像に抱擁されている。
「ねえ、あれが細くんの家?」「そう」「うっわ〜〜〜! めっちゃでかい」「まあこの辺じゃそうかな」
「ねえ、あれが細くんの家?」「そう」「うっわ〜〜〜! めっちゃでかい」「まあこの辺じゃそうかな」
「ねえ、あれが細くんの家?」「そう」「うっわ〜〜〜! めっちゃでかい」「まあこの辺じゃそうかな」
少年が6年間一緒に遊んできた細くんという友達。細くんの家は3階建てで下から見上げると小さなビルのようだった。
外観も異邦の建物のようで、TVのCMに登場する住宅に似ていなかった。
細くんの家は巨大だったが威圧感がまったくなかった。
洋館とも違う。深夜。細くんの家族が全員集合するとき、その巨大で自然的な家からの光は、
少年を魅了した。その光は少年にとって幸せそのものだった。その家の前で細くんとのバイバイ。
少年は大声でいった。「バイバイ! また明日ね!」
245マスターべーション:03/11/11 23:58
 ドアが閉まる音。家には少年だけだ。時計の針は規則的にカチカチと音を鳴らし
雀がちゅんちゅんとさえずっている…。ピピピ。熱は平常時の温度に下がったくれたようだ。
体温計を腋から抜いて、丁寧に元の場所に入れた。次の日。
今日は授業も半日分だけの土曜日で少年は嬉しい。しかもどこからどうみても快晴。
傘なんか不要だ。ランドセルは仕方なく背負う。自宅のマンションの玄関の外のところで母親から送られる
いつもの言葉。少年は大声でいった。「いってきます!」
 愛撫もはじまる。
 幼い少年。「なあ、ぼうずいいもの作ってやるぞ」老人は少年にそういった。
老人は器用に竹を切断したり接合したりしている。シャシャッ、シュシュッ…。
切りくずを手にとって、地面に落として、幼い少年はまた拾った。老人の平屋の庭で、
幼い少年は老人が竹とんぼを完成させるまでの過程を眺めている。「おっと、刃物はあぶないんだよ」
「なんで?」少年は足をぶらぶらさせながらそういった。「血がでるからだよ」「血? どーして?」
老人はまたか、という苦笑をみせ、作業を再開した。「ねえ、ねえどうして?」老人は咳き込んだ。少年は飴をもらった。
包み紙は短パンのポケットの奥に入れた。少年は飴を舌で転がしながら、顔を空に向けた。柿木の柿が今にも落ちてきそうだ。
「あの柿食べれるの?」老人は子供のように笑って「もうすぐな」といった。ブウン。竹とんぼが白い雲と重なった。
竹とんぼは空中で安定を保ったかのようにみえたが、すぐにみえなくなった。庭の門の近くに着地したようだ。
「ほら取りにいって来い」「うん!」
246マスターべーション:03/11/12 00:00
 少年は道を走っている。少年は道の存在についてもうどうでもいいと思いはじめていた。
光の粒が視界を占領するように拡大しながら融合をはじめてきて、
道そのものの輪郭が不鮮明になってきたからだ。自分はまるで光輝く巨大な箱舟に
乗っているようだった。自分はすでに走っていないのかもしれない。
自分は…? ということは…? 箱舟が現実となった。無数の光の粒はぷよぷよとくっつき合い、
視界のある部分に隙間ができて、そこから永遠に続くと思われる道の先端部がはっきりと
捉えることができたような気がした。いつでもゴールできそうだった。新鮮な風が勢いよく
少年の傍という傍を縫っていく。箱舟は換言すれば学校だ。
箱舟はある一点を突き刺すように、なにもかも轟音と共に吹き飛ばすように、出発したのだった。
 「あ、あの…もう辞めます部活」
少年がそういうと、顧問の先生は訝しげな表情となった。
「やめるんだ、サッカーは好きだったのか?」
「はぁ、まぁ、趣味だったというか…」
少年は顧問の先生の目をみないで喋った。腋から汗が滲み出ているのがわかった。
早くこんなこと切り上げたかった。
「しかしなぁ…せっかく入部したというのに、まったく…」
「はい…」
胸が苦しい。息がしずらい。
「昔だったらなぁ、体育の先生から竹刀を拝借して、ひどい目に遭わせてやってもんだがね」
「…」
顧問の先生は国語の教科書を手に取り、職員の自分の机に叩きつけ、立ち上がった。
叩きつける音でのショックで、少年は体を揺らした。
「別に体調の問題ではないだろう?」
247マスターべーション:03/11/12 00:03
「は、はい…」少年は「はい」以外の言葉を見つけることができずにいる。
「で、理由は? 退部する理由は?」TVで見た、ヤクザや闇金融の取立て業者から
の電話のように、ドスの掛かった口調だ。少年は沈黙し、壁に掛けられている臨時用の黒板に
意識を向けた。白いチョークで書かれた文字が黒板消しで消されたようだ。
主に数字だけ読み取れる。7月/16日プールの…。この後はなんて書いてあったのだろう…。
顧問の先生は溜息をついて「はあ、どうしようもない奴だな」
「あ、はい…」
「お前が内のクラスの生徒じゃなくてよかったよ、ったく…もう帰っていいよ、退部で決まりだから」
指を指されてそういわれた。
少年は背を丸めて、廊下へと出た。職員室には冷房のスイッチが入っていたが、
外から吹いてくる風が涼しかった。
その日の帰宅の途中、クラスの学級長に軽く挨拶をされて、また一人になったとき、
少年の悲しみと怒り以外の感情が消沈した。路面に転がっていた手ごろな石を拾って、
排水溝に向かって腕を思い切り振るった。カバンが邪魔だと思った。
 帰宅部となった少年は、部活動に精を出す生徒たちをちまちまと傍観するようになった。
屋上へと繋がっている階段がなかったので、4階の誰もこないようなひっそりとした場所の窓から、
たまに外を眺めるようになった。不思議な気持ちになった。
学校の生徒や教師を含めた全ての人間と同化しているような気がした。
それか支配しているようだった。
248マスターべーション:03/11/12 00:16
少年は疑問で頭がいっぱいになっているようだ。輝く箱舟とは、一体なんなんだ? 
箱舟は今まで存在していなかったといわんばかりにフッと消滅した。少年は落下し、
元の道に倒れた。少年は唖然とした。口をだらしなく開け、しばらくの間、思考停止した。
この先の道が闇に被われていたのだ。闇。そうだ、光の粒は? 光の粒はものすごく減少していた。
絶滅の危機に立たされているようだった。なぜだ、少年は叫んだ。すると、
光の粒はまたしてもパッと消滅した。少年は地面に膝を付いた。突如、
嫌な匂いがした。腐った精液の匂いだった。吐き気がした。涙が一筋、二筋と頬を伝った。
前がよくみえない。涙を拭く暇もなかった。少年は誰かに操縦されているように立ち上がり、
そのままなにかを叫びながら逆走をはじめた。背中を食い尽くすようにして、ヒトデのような
心底から気持ち悪いと一瞬で判断できる生物が密着していたのだ。
それはなかが空洞になっていて透明で絵の具の全種類を混ぜ合わせたようなグロテクスな色をしていた。
それはグネグネと活発に動きながら、粘々した液を大量にからだ全体から垂れ流していた。おぞましい感触がした。
腐った精液の匂いの源泉はそれだった。
それの空洞の部分に、少年の夢を象徴する映像の断片が混合しているようだった。
それらは、すでに単なる腐った精液でしかなかった。
 少年は遡れる場所を見つけることに執着することであろう。ヒトデのような生き物を誰もが愛する
お人形に変えようというのだろうか。それは無理な話である。なぜなら、
そんなお人形は元々存在しないからだ。

おしまい
249真瀬清顕:03/11/12 14:08
>>241
>>242
きのう、ここまで読んだんだけど、
文章がのびのびしてるし、おもしろい。
でも、なんか、もうひとつ物足りないなとも思った。
ところが、また、書き直したんだね。
書き直した分は、夜にもう一度、ちゃんと読むよ。
とにかく、これだけははっきりと言えることなんだけど、
君は自分の欲望をちゃんと書いてるよね。
そこが、面白いんだよね。
オリジナルな欲望だからね。
それでいて、誰もが少しずつ共有している。

才能というのは、そういうもんじゃないのかな、と。
250マスターべーション:03/11/12 20:24
>>249
そうです、欲望そのものです。自己放棄衝動に身を任せて書きました。
配慮のかけらもなく、息だけ荒い空想です。
こんな粗末なものを読んで頂き、とても嬉しいです、ありがとう。
251真瀬清顕:03/11/12 22:26
>>250
いま、
>>248まで全部読んだ。
めちゃめちゃ面白かった。
君は一種の天才だね。
書いてる内容も、文章も、僕にはすごく新鮮だった。
これを商業ベースに乗せようとすると、たちまち君の才能は萎縮するだろう。
でも、まさに自己放棄衝動に身を任せ、どんどん書き続けていったら、
君の独壇場の世界が結果的にできあがるかもしれない。
それは、まあ、努力というか、執念というか、宿命のようなものにも左右されるだろうけど。

それから、最初に書いたのと、書き直したのとでは、やっぱり、これは、甲乙つけがたい。
どっちも、いいね。
最初のも、書き直したあとのにはないドロッとした魅力があるね。

いずれにしろ、僕は君の作品のファンだよ。
僕のだしている「CLUB DADA」というメルマがに掲載したいんだけど、どうかな?
もし掲載していいんだったら、タイトル、決めて。
返事、よろしく。
252真瀬清顕:03/11/12 22:30
>>250
>自己放棄衝動に身を任せて書きました。

正直なんだろうけど、こんな言葉、めったに言えないぜ。
自己放棄衝動!
このベクトルなんだよな、才能のありかは!

楽しみにしています。
253真瀬清顕:03/11/12 22:50
「公衆便所」 第5章

スクリーンには馬と女が映っている。
あたりには蝿の群れが飛び交っている。
まばらな草原の稜線が尻の輪郭のように接している。
青空に白い雲が浮き出している。
ブルネットの日焼けした女は豊満な尻をさらしている。
乳房は少し垂れている。
乳輪は広く、乳首は浅い。
下腹は卑猥に突き出しており、陰毛は縮れたオリーブの潅木のように三角地帯に貼り付いている。
まだらのポニーは灰色の生殖器を地面に長く垂らしている。
乾いた唇がそれを舐め、指先はしごき、監督は「GO ON」を繰り返す。
254真瀬清顕:03/11/12 22:52

安い女優は、いくばくかの出演料と、子供の頃から躾けられた崇高な労働意欲と、目の前にいる人たちの笑顔を見たいという欲求にかられ、嫌がる馬の生殖器を自分の股間に食い込んだ人間の女性器の中に懸命になって詰め込もうとする。
監督は「GO ON」を繰り返す。
フィルムは無機質に廻り続ける。
あたりには蝿の大群がぶんぶん唸りをあげて飛び交っている。
馬は黄ばんだ尻尾を振って、尻から表面だけがぬらぬらと濡れた巨大なミートボールのような牧草の消化物を転がり落とす。
ダイコクコガネは、目を覚ます。
触角を立て、体を持ち上げ、梢の隙間から洩れている青空の息吹きに意識を澄ます。


「公衆便所」第5章 おわり
255マスターべーション:03/11/13 00:19
>>251タイトルは「白のプレス」です。どうぞよろしければ
掲載して下さい。
>>252嬉しいです。「才能」という言葉の魔力に盲目的、盲従的になって
踊らされるのもいいかもしれないです。でも、僕は劣等コンプレックスの塊だし、
情緒不安定で非合理的な奴だし、この空想文章も欲求不満を解消する
ため以外のなにものでもないと思う。この空想文章は一言でいうならば「退行」です。
不快を避け、快に溺れ、溺死寸前の自分の生活の歴史を一から辿りつつイメージしながら、
文章にしてみました。自己満足の為の空想文章ですが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
256真瀬清顕:03/11/16 11:14

 「扉」

ドアはまだ閉まっていない。

ドアはまだ閉まっていない。

ドアはまだ閉まっていない。

ドアはまだ閉まっていない。
257真瀬清顕:03/11/20 14:44
労働。
労働をどう書くか。
労働は戦争である。
戦争は悪か?
悪とは何か?
悪は悪か?
少なくとも戦争は血の遊戯である。
258名無し物書き@推敲中?:03/11/20 15:19
伝説のネットアイドル、テルミを超えたツルツル頭のナイスガイ、鳴り物入りで衝撃のデビュー
ついに2典に暫定掲載!!!2ch新語誕生

★アホと一言言われただけで数百レスの自作自演で連日煽りっぱなし★
「鼻脂千右衛門時貞後の43」というコテハンが、過去スレで「能無し」みたいな事を一言言われただけで激怒
連日、自作自演で「バカはお前」「激同」と煽り続けてる。自演丸出しなので、通りすがりの人が呆れ様に書き込むと「43に煽られた奴キター」と、全部同一人物と妄想し更に煽る。
毎晩徹夜で自作自演。 通りすがりに一言43を煽ると、数時間後、恐ろしく(レス数も執念も)反論がついてます。
学校や仕事に出掛ける前に、一言煽って出掛けると、帰宅時に自分がどれだけ煽られてるか、スレを開いてみるのが楽しいかもしれません。
ミニゲームとして楽しむスレです。 現在新展開、なんと43は
「 稚 拙 」を「 せ っ し ゃ 」 と 読 む と 思 っ て た 事 が 発 覚。
伝説の目撃者達は43を神厨と崇め、とうとう2ch公式用語辞典に正式に「稚拙(せっしゃ)」が依頼され、
ついに2典に暫定掲載。2ch語「拙者」が誕生。FLASHも製作中の神光臨の噂も。
追いつめられた「鼻脂千右衛門時貞後の43」は、板違いのスレッドを立て仲間を呼び込もうとするが
最後の希望の星となったそのスレッドさえも、削除人さんに即刻削除されてしまい、更に恥をかくハメに。
「鼻脂千右衛門時貞後の43」の立場はますますどん底へ、彼の運命やいかに?!
連日祭は盛り上がる一方、スレは毎回あっと言う間に1000へまで
http://life.2ch.net/test/read.cgi/hage/1069159318/
伝説の瞬間
ttp://202.212.233.95/cgi-bin/bbs/18/img/4185.jpg
259名無し物書き@推敲中?:03/12/01 19:40
続きまだ?
260真瀬清顕:03/12/04 21:38
>>259

うん。
つづき、あるんだけど、ちょっと悩んでたもんで。
ごめん。
そろそろ、やるよ。
261名無し物書き@推敲中?:03/12/04 21:45
マセタンハァハァ
262名無し物書き@推敲中?
真瀬さんてキュートですよね。一連のレスを読めば読むほど、萌えます。