誰か『バカの一つ覚えな展開』を連続小説にしてくれ

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>>53
なんだか物憂げな夢から覚めて、主人公は身を起こした。
「あら、おはようございます」
おっとりとしたメイド少女のソプラノボイス、
ラジオから流れるピアノ曲、目玉焼きとスープとトーストの香り。
そして、目覚ましは…7時45分
「うわぁぁぁ!な、なんで鳴らないんだよ!遅刻じゃないか!」
大あわてで立ち上がり、パジャマに手をかける主人公。
「ずいぶん長い間鳴っておりました、御近所に迷惑なので止めましたが…」
メイド少女が差し出す着替えを受け取りながら、慌てて着込んでいく。
「起こしてくれればいいだろう?」
「揺すったのですが、起きなかったのですよ。あら、朝御飯は?」
「無くても充分!」玄関に走る主人公の喉に、ラリアットが炸裂した。
「いけませ―――――んっ!」目覚ましの5倍の大音量だった。
「昨晩は大出血なさったのですよ!ちゃんと食べなきゃ、お家から出しません!」
反射的につかんだトーストを口にくわえると、主人公は飛び出していった。

静寂の戻ったアパートで、メイド少女は目覚ましを拾い上げ、キョトンとした。
「あら!この時計、1時間も進めてあることを忘れてましたわ…」


さあ!次の「お約束」をキメるのは、君だッ!
トーストをくわえて全力疾走する主人公。
(転校2日目で遅刻なんて、格好悪すぎる!)
最初の信号は赤になる前に渡りきった、次の信号さえ間に合えば…
路地を曲がった瞬間、惨劇は起こった。
「きゃあ!」
柔らかい衝撃と共に、鞄とトーストが空中に投げ出される。
跳ね飛ばされた主人公は、背中からアスファルトに叩きつけられた。
(もしかして、もしかして…あの『お約束』なのか?)
ようやく頭を起こして、周囲を見回す。
吹き飛んだ鞄から飛び散った教科書やノートが散らかり、惨憺たる様子だ。
そして、昨日の美少女が、呆然とした表情で尻餅をついている。
「み…水玉?」
「えっ?」
「…じゃなくって!怪我はないか?」
あわててスカートの前を合わせると、美少女は『ひどいわ』という顔をした。
「大丈夫だけど… あーあ…」
散らかったプリントや教科書を拾い始める美少女、主人公も慌てて拾いだす。
「番長は?こういう時にすぐ来るんじゃないのか?」
「何か思うことがあるそうよ… あ」
偶然同じノートに手を伸ばす主人公と美少女、双方が反射的に手を引いた。
「あ… ありがとうね…」
ようやく鞄を持ち直すと、主人公の差し出した手を取って美少女は立ち上がった。
「どうしたの?慌てて人にぶつかるなんて、あなたらしくないわ」
「で、でも、遅刻…」腕時計を見て、唖然とする主人公だった。
56小田和 朗:03/05/03 16:59
余り難しいことを書かないで、私の雑文で気晴らしして下さい。
メッセージを私の掲示板によろしく。
HPを立ち上げたばかりで、メッセージがゼロなんです。
でも、アクセス数はすごいですよ。
  小田和 朗の「こだわりま笑」
  http://homepage3.nifty.com/kdw/
>>55
足を踏み入れた校舎内は、静まりかえっていた。
「どうしたんだ?まだ朝のホームルームじゃないだろう?」
「校庭にも、廊下にもいなくなってる…」
気がついた美少女が、声をうわずらせて主人公を見た。
「教育委員会が動いたんだわ!きっと『コードD』が発動して…
 みんな強制的に教室に送られたのよ」
「そんな… 無茶苦茶だ!」
「もしかしたら、強制的に戦わされる生徒が、いるかも…」
悲痛な表情で周囲を見る美少女が、一点を捉えた。
「そうなんだ… キミ達1組と、ボクの3組が人質にされた」
廊下の向こうから、小さなドリブルの音が響いてくる。
「負けた方のクラスは…消されちゃうんだ!」
廊下の奥から現れたのは、バレーボールを抱えた小柄な生徒だった。
「ボクが相手になる!勝負だ、転校生!!」

次頼みます
>>57
静まりかえった廊下に、小柄な生徒のドリブルだけが響いた。
一般的な生徒より頭一つ分背が低い。
やや大きめの男子用制服に、紅いバスケットシューズ、
鉢巻きでまとめた前髪の奥で、純真そうな眼が主人公を見つめている…
「どうしたんだ!かかってこい!」
少年らしからぬソプラノがかった声… もしかしたら…
「い、いくぞぉっ!」
主人公の推察は、少年の打ち出すサーブで中断された。
激しい風圧!辛うじて避けた白球は廊下の向こうで激しい破壊音を響かせた。
「気を付けて!あの子、能力者よ!」
美少女の声に我に返る主人公に、数発のサーブが襲いかかる。
反射的に打ち出される主人公の火線、周囲で白球が炸裂した。
「きゃあっ!」
激しい爆風が主人公と美少女を煽る、かろうじて捕捉した少年は次の白球を持ち出している。
(これはバレーボールじゃない、高濃縮されたエネルギー弾だ!)
混乱する主人公の脳裏で、うらはらな観察が同時進行していた。
(…だとしたら…)
足場を整えた主人公に向かって、3つの白球が襲いかかる…

次!
59名無し物書き@推敲中?:03/05/05 14:58
>>58
リノリウム張りの床に片手を突き、主人公は身を低く取った。
白球は小さな螺旋状の弾道を描き、やがて3つ合わさるように接触・炸裂した。
その位置、身を低く取った主人公の真上1メートル足らず…
(やっぱりだ、あいつは白球を完全に操る訳じゃない。
 しかもあいつは根っからの悪人じゃない。
 狙うのはあくまで相手の胸、衝撃で昏倒させるつもりだな)
叩きつけるような爆風の下で、主人公の眼が少年を捉える。
汗で全身が濡れている。必死の形相でエネルギーを凝縮する…
(そして、そこが弱点だ!)
身体を低く取ったまま、主人公が片手を突き出す。
「…えっ!?」
白球を投げようとした姿勢のまま、少年が硬直した。
その胸の白球めがけて火線が走る。
 ジジッ  小さなスパークが走った…
白球は3つに分裂する直前の不安定な状態で炸裂し、まばゆい光が廊下を照らす。
瞬間的に起こる爆発音!教室の扉がバタバタと震撼し、主人公の髪を後ろに揺らした。
「…ううん…」
床に伏せていた美少女が起きあがり、主人公に駆け寄った。
「大丈夫?」
「…ああ、それよりあいつが心配だ。目の前で風船ガムを割ったからな」
もといた地点から5メートル後方に倒れた少年は、大の字に倒れたまま動かなかった。
>>61
小さく煙が上がる少年に、美少女が駆け寄る。
「大丈夫?…こんな…こんな事になるなんて…」
少年を起こすと、乱れた髪をかき上げて表情を見る。
「…くぅ… ん…」
小さくうめいて、少年はうなだれる。生命に別状はなさそうだ。
美少女が手を伸ばし、少し大きめの服を緩める。
手早く制服の前を開き、きつく絞めたベルトを引き抜いた…
「…えッ!?」
美少女の眼が驚きで見開かれた。
開いた制服の下には、白く柔らかい身体。下がったズボンから、桃色のフリルがのぞいている。
胸に巻いたさらしが解け、小振りだが形の良いバストがこぼれた。
「どうした…って、 わああ!」
「見ちゃだめッ!」
反射的に振り返った主人公を一喝すると、美少女は慌てて前を合わせた。
「女の子だったのかよ…」
向こうを向いたまま片手を目に当て、主人公が遠慮がちにつぶやいた。
「そ、そ、それより…勝負がついたって事は…」
「そうや!」 教室の扉が勢いよく開き、幼馴染みが飛び出してくる。
「3組のみんなが、処刑されるんや!…止めさねなあかんよ!」
少年… もとい『ボク娘』を寝かせると、3人は走り出した。

次にゃ、だれか書いてにゃ
>>61
「ぎゃっ!?」
3組の扉を開けた主人公は、思わず一歩飛び退いた。
扉からゲル状の物体が流れ出て、廊下に広がっていく。
教室の床から15センチほど盛り上がった粘液が、一切の物をからめとっていた。
それは生徒達も同じだった。天井から垂れ下がった粘液が生徒達を逆さに吊している。
制服の隙間から流入する粘液の不快感に身をよじらせるが、口に貼られた粘液のせいで
助けを求める事もできないまま、うめき声のコーラスだけが響いていた。
「ま、まるで・・・ゴキブリ○イ○イやねん!」
追いついてきた幼馴染みがつぶやいた。
「きゃらら!いい表現じゃん」
嘲るような笑い声、粘液地獄の中、優雅に振る舞う影が動いた。
柔らかい髪をリボンでまとめ、猫を思わせるつり目と猫口
「四天王の一人…『風』ね!」
美少女が指を向けると、『風』はくるりと振り向いた。
「きゃららら 約束通り、3組のみんなはころしちゃうの
 やっちゃって!『第2の挑戦者』」
「ぐぇっぷぇっぷぇっ…」
粘液の向こうから、不気味な声が響く…

次だ
63__:03/05/14 08:57
64遺伝病?:03/05/14 09:26

<アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)←脳の機能的疾患(遺伝が要因)>
http://www.ypdc.net/asuperugar.htm
http://www.autism.jp/l-02-03-aspe3.htm
http://www.geocities.co.jp/Beautycare/5917/as/
●接し方のルールがわからず無邪気に周囲の人に対して迷惑なことをしてしまうこと
がある。人を傷つけるということには鈍感です。年配の先生に向かって「おばあさん
先生おはようございます」と明るい大声で挨拶する生徒もいる。こういった言動をす
る場合にも彼らには悪意はない。
●小さな声でひとり言を言ったり、考えていることを声に出して言うことがある。
●融通が利かないことも学校生活で問題になる。時間割の変更や突然の教師の欠勤と
いう事態で不安を感じたりかんしゃくをおこしたりする。あまりに規則に厳格なため
に、遅刻した同級生に延々と注意をしたり、修学旅行などで消灯時間をかたくなに守
り、他の生徒の顰蹙をかったりすることがある。
●行動・興味・活動のパターンが貧困で反復常同的なことも自閉症の特徴である。すな
わち、日常の活動の様々な面にわたって柔軟性のないルーティン(決まった手順や日課)
を押しつける傾向、これを慣れ親しんでいる習慣や遊びのパターンだけでなく、たいてい
は新しい活動にも押しつける。そしてルーティンや個人的な環境の細部の変化(家の中の
置物や家具の移動によるなど)に対する抵抗がみられることがある。
●揺れる木の葉を見続ける子どもは興味のレパートリーが狭いとも言え、視覚的な敏感さ
があるといっても良い。
●精神遅滞を伴うものと伴わないもので大きく分かれる。100%果汁のオレンジジュー
スを思い浮かべてください。それにだんだん水を加えて薄めて行くと終いには水にごく近
くなる。一口飲んで「オレンジジュースだ!」とわかるものは自閉症、水に近いけれどな
にかオレンジの味が混じっているのがアスペや高機能・・。その濃度はさまざま。濃いオ
レンジジュースであったとしても早期の療育や周りの対応によって水に近づいていくこと
は可能。しかし間違えてはいけないのはオレンジジュースが一滴でも落ちている場合は
「純粋な水」にはなれないのです。
65__:03/05/14 12:03
66__:03/05/14 13:31
67__:03/05/14 14:59
>>62
粘液の中から現れたのは、昨日にも増して肥大したカエル状の男だった。
もはや両腕は巨大化した腹部を支えることさえ出来ず、頭髪も失われている。
「な、なんやこれ… ウケねらいで『精神疾患は遺伝病?』やら『先生!こんなのが…』とか
 ぬかしてた奴がおったけど、こんなにされるなんて…」
幼馴染みが、不快そうな顔をする。
「改造としては、悪趣味の部類に到達したわね」
美少女が吐き捨てるように言うと、『風』は高笑いした。
「きゃららら あたしが造ったんじゃないもん。
 これはね、あの転校生を始末させるために造ったんだってさ」
確かに足場の悪い粘液の海で動けるのは、空中に浮いている『風』と
粘液の発生源であるカエル男だけだった。
カエル男の口が開き、前回長身の男を捉えた舌が伸びる。
主人公は避けなかった。突き出した片手から火線を発射、舌を焼き焦がすと、
もう片方の手から撃ち出した火線でカウンターアタックをかけた。
火線はカエル男の額を貫き、頭は音を立てて炸裂した。
「あったりー! た〜まや〜」
『風』が歓声をあげる中、粘液を吹き出しながら『第2の挑戦者』が卒倒する。
教室の中の粘液は量を増し、膝の上まで押し寄せてきた。
「な、なんやこれ…きしょわるい…」
「ま、まさか…大気中の酸素と融合して、膨張してる」
美少女の声に大きくうなずくと、『風』は空中で回転して見せた。
「よ〜くわかったねっ!こいつの本体はアメーバ男なんだよっ」
カエル男の死体はみるみるしぼんでいき、死体から解放された粘液は
あっという間に主人公の腰の丈まで膨れあがった。
「きゃららら! 早くなんとかしないとぉ、おぼれちゃうかもね〜」
空中を舞いながら爆笑する『風』をにらみながら、主人公はひたすら考えていた。

次だ…
69__:03/05/14 16:27
70bloom:03/05/14 16:29
71__:03/05/14 17:58
>>68
半透明の粘液の中に腰まで浸かり、主人公は周囲を見回していた。
(こいつはアメーバなんだろ?酸素と結びついて増殖し続けてる。
 身体はゲル状物質、この分じゃ緩慢ながら、身体の動きも制御できそうだ)
粘液の海と化した教室の中で、空中に浮いた『風』だけが大笑いしている。
「きゃららら 叩いても、斬ってもだめだもんねえ〜」
粘液の一部が触手状になって伸びる。さっきのカエル男では『舌』だった部分だ。
触手は粘液の海をつたい、美少女に向かって伸びた。
「これは… この構造は… きゃああ!」
不意に美少女の身体が持ち上がり、空中に浮いた。
触手が片足に巻き付き、逆さ吊りにしたのだ。
慌ててスカートの裾を握りしめる美少女だったが、粘液の触手が両手を封じた。
粘液の海にスイカほどの大きさの、黒い物体が浮かび上がる。
周囲に細い血管を這わせたそれは、明らかに人間の頭の形状をしていた。
「こいつが…アメーバの‘核’かっ!」
すかさず主人公が両手を向ける。
「だめ―――っ!」
美少女が絶叫する。
「こいつは酸素の泡を造っている上に、可燃性だわ!
 あなたの発火現象で人質もろとも葬り去るつもりよ!」
苦り切った表情で両手を降ろす主人公。
一方でもう一本伸びた触手が、美少女の制服に潜り込んだ…

ハイ次ー
プレステのライジング斬やっとけ
持ってるよん、ありゃ楽しいねえ
>74
73は誤爆ですた
スマソ
>>72
「な…なにを… きゃ!」
襟から入り込んだ触手に胸を触られ、美少女が悲鳴をあげる。
思わず払いのけようと右手を伸ばすが、
触手に封じられているため、手は空をきるばかりだ。
粘液の中から触手が数本伸び、制服の中に入り込んでいく。
「やめんかワレ!この変態ガキがっ!」
幼馴染みが上をにらんで絶叫する。
上機嫌だった『風』の笑いが止まり、頬が紅色に染まった。
「…あんだって…?誰が…誰がガキだって?」
「ガキはガキや!このチンチクリンのスカタン女!
 自分の乳がぺったんこやからって、ナイスバディの女に嫉妬するなんて見苦しいやん!
 その分なら毛も生えてないやろ!小学校に帰らんかいボケ!」
表情を凍らせた『風』顔が真っ赤に染まり、周囲が陽炎で揺らぎ始めた。
「こ…この… この…」
「何も言えんやろヘチャムクレ!訂正しとくわ、天王寺動物園の猿山に帰らんかいドアホ!」
クラス全員が沈黙した、アメーバ野郎さえ驚愕の形相を浮かべている。
「うわあぁぁぁぁぁッ!!」
怒りのあまり絶叫しながら、黒板消しクリーナーが投げつけられる。
重すぎるクリーナーは幼馴染みに届かず、半分の距離で粘液に落ちた。
「許さないッ!ぜったい許さないッ!」
空中で両手足をバタつかせて『風』が激昂する、すかさず触手が伸びて、幼馴染みを吊し上げた。
「こいつから殺しちゃえ!ただ殺すだけじゃゼッタイだめっ!
 マッパにして、ボーコーして、それから、それから…バラバラにしちゃえ!」
一度に50本以上の触手が粘液から伸び、幼馴染みに襲いかかった…

次はどうしようか?
77名無し物書き@推敲中?:03/05/21 15:01
78名無し物書き@推敲中?:03/05/21 17:21
>>76
啖呵がツボったYO
79山崎渉:03/05/22 02:39
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
>>76
うねうねした触手が身体に絡みつき、自由を奪う。
なま暖かい触手が制服の隙間から入り込み、身体をまさぐった。
「い・い…いやっ…」
悲鳴をあげようとした口に触手がねじり込まれる、思わず歯を立てて噛みついた。
よほど驚いたのか触手は引っ込んだ…
口で抵抗を受けた触手は進路を変え、下着の隙間にさえ入っていく。
(い、いや…そこは、あかんの… とっておくんや…あのひとのために…
 やっと再会した、あのひと…心にきめた、あのひと以外に…触らせる訳には…)
「ゼッタイ… あかん!」
絶叫と共に幼馴染みの全身がスパークし、触手が粘液に戻って崩壊した。
触手を失い、幼馴染みが粘液の海に飛び降りる。
「電気…分解?」
美少女が幼馴染みを凝視し、驚嘆の声をあげた。
アメーバ男の顔が、恐怖と怒りに歪む、その頭を捕まえると、幼馴染みは絶叫した。
「ええかげんにせや、このド助平のスカンタコ!!」
両手から渾身の電撃を打ち出し、アメーバの核である頭のこめかみに叩きつける。
うがいを思わせる絶叫が教室内に反響し、核の制御を失った粘液はたちどころに分解され、気化していく。
アメーバの頭がぐんにゃりと絶命した頃には、教室は水一滴残されていなかった。
「あ、あ、あわわ…」
呆然としていた『風』がおびえた表情を浮かべる、教室の窓は全部閉められ、脱出は出来そうにない。
幼馴染みはよろよろと立ち上がると、助け起こしてくれた主人公にしがみついた。
「できたよぅ…うちも、うちも…できたよぅ…」
主人公の肩に涙が染み込む。それが安堵の涙なのか、歓喜の涙なのか、主人公は判別できなかった。
ただ、顔を巡らせて『風』をにらみつける。
幼馴染みも、美少女も、憤怒の形相で『風』を見つめた。
混乱の極みにあった『風』が自暴自棄になって絶叫する。
「こ…こーなったら、あたしがみんなショケーしちゃうからッ!」
主人公が、『風』に向かって走り出した…
続きがんばれage
>>80
両手を交差させて身構える『風』に向かって、主人公の火線が伸びる。
「きゃららら!」
火線は大笑いする『風』の直前で炸裂し、周囲に火の粉を飛び散らせる結果に終わった。
「無駄よ無駄ッ!何たってあたし、四天王だもんね〜ッ」
「じゃあ、うちの電撃で焦がしたる!」
幼馴染みがまばゆい電撃を撃ち出すが、『風』は一瞬のうちに姿を消し、
電撃は壁を焦がすにとどまった。
「ど、どこへ行ったんだ…」
周囲を見回す主人公の背中を合わせるように、美少女が近づく。
「気を付けて、あいつは風使い…かまいたち位は簡単に操るわ」
「きゃらら 遅いわね」
主人公と美少女の周囲に、3人の『風』が出現した。
すかさず火線をぶつける主人公だったが、火線は空を切った。
次の瞬間、主人公の胸が一文字に切り裂かれた。シャツさえも裂け、うっすらと血がにじむ。
「分身か!…しかも、一撃が見えなかった…」驚いて見つめる主人公を、『風』が嘲笑った。
「きゃららら 誰も風を捕まえられないのッ!」
「そんな事無い!」りんとした声で、美少女が言った。
「しょせん、あなたも未完成なのよ。自分の力に、酔いしれているだけ。
 このままじゃ、やがて…」
美少女の言葉もそこまでだった、『風』の一撃が美少女を襲う。
とっさに避けた美少女だったが、スカートの前が大きく切り裂かれた。
「なによ!博士の娘だからって、えらそーに。今度は真っ二つに…きゃあ!」
後頭部に炸裂を受けて、『風』がつんのめった。
>>82
後頭部で何かが炸裂して、『風』がつんのめった。
教室の隅に避難していた生徒達がどよめく中、教室に入ってきた者がいた。
裂け目の走った制服に、長めのはちまき。片手に持った白球を軽くドリブルさせ、
廊下で倒れたはずの‘ボク娘’が顔を上げる。
「これ以上、お前達の好きには…させないっ!」
振り返った『風』が挑戦的に見つめる中、ボク娘が白球を持ち出した。
「ボクだって、ボクだって…戦えるんだ!
 こうなったらボクも逃げない。四天王をやっつけて、本当の自由を取り戻すんだ!」
手にした白球がうなりをあげて『風』に向かう。
「きゃらら 弱小バレーボール部員が何言ってんだか… きゃあ!」
白球が目の前で炸裂し、『風』が床に叩きつけられた。
「…やっぱり…だな」
主人公が拳を向けて笑みを浮かべた。
「お前は攻撃の中心を計算してシールドを展開する。もし攻撃内容が変更されると、
 シールドは無効化されるんだ」
「あんだってえ?あんなまぐれ当たり…」
真っ赤になって怒った『風』の頭を白球が直撃する。
頭を飾る大きなリボンが解けかけ、『風』が慌てて頭を押さえる。
その足元を電撃が襲う、慌ててバックステップした『風』の腹部に白球が命中した。
「よ… 読めないなんて…」
慌てる『風』を見ながら、ボク娘にウインクする主人公、
「火力で軌道を曲げたんだ、降参するなら今のうちだぞ」
ボク娘も大きくうなづいて、白球を構えた。
84名無し物書き@推敲中?:03/05/27 15:01
モデルさんや女優さんはなぜ、あんなに健康的で綺麗なんでしょうか?生まれつき!?
いえいえ違います。日々隠された努力があるからです。貴方もいつまでも健康的で綺麗になりませんか?
モデルの中でのブームにも着目していきましょう(^^)v
http://www.forevershop.net/
「まあ、その辺で勘弁してやってくれや」
いつのまにか廊下に立っていた細身の男は紫煙をくゆらせてそう言った。
「!?」
主人公達は驚愕した。声をかけられるまでその存在に気がつかなかったのだ。
細身の男は気にした風もなく主人公の脇を通り抜け、『風』の前に立った。
「無様だな」
「うう……」
『風』は呻くことしかできない。
「おまえもあの蜥蜴野郎と一緒だ。自分の力を過信してっからそんなめに遭うんだよ。あのお嬢ちゃんが忠告してくれなかったか? 自分の力に酔いしれてるだけ、ってな」
「そんなことない! 今日はたまたま調子が悪くて……ヒィ!」
細身の男は『風』の胸ぐらをつかみ上げると、壁へ押しつけた。
「調子が悪い? 戦ってる相手がそれで手加減してくれると思ってんのか? おまえ」
『風』は返す言葉もないのか、そのまま黙ってしまう。
「チッ、もういい。行け」
逃げ出す『風』を振り返りもせず、細身の男は主人公達に向き直った。
「みっともねートコ、見せちまったな」
主人公達は動けなかった。
この男は『風』を叱責している間もずっと隙を見せなかったのだ。
背筋をイヤな汗が流れる。
「おまえはいったい……」
「ああ、自己紹介してなかったか。俺は四天王の一人『水』だ」
薄ら笑いを浮かべると細身の男は煙草を踏み消した。
「で、ものは相談だが今回はこれで引いてくんねえか? あんたらも疲れてるだろうし、俺もそんなヤツと戦っても面白くねえし。もっとも……」
『水』の眼光が鋭くなる。
「お望みならばお相手するぜ?」

次、お願いします。
86山崎渉:03/05/28 10:21
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
>>85
「あんたなんかに…あんたなんかに…」
下に降ろした拳を振るわせて、幼馴染みがつぶやいている。
「…そうね、ここは退いた方が賢明だわ」
何か言いたげな幼馴染みを、美少女が制する。「もちろん、処刑は中止よね?」
「いいだろう。コードD自体を無かったことにしてやる。
 そこの転校生と、覚醒したそいつに免じて…だ」
張りつめていた空気がゆるみ、生徒達の中から安堵の吐息が漏れた。ボク娘もぺたんと座り込み、うなだれる。
一同の様子を見回すと、幼馴染みもうつむいた。
「なあに、いずれ決着は着くだろうさ。そろそろ腹を決めたらどうだ?」
『水』が美少女に視線を送る、しかし美少女は首を横に振った。
「あなたこそ考え直しなさい。あなた達は、進むべき道を誤っているのよ…」
あきれた という表情を浮かべると、『水』はきびすを返した。
「あんたの顔には、傷を付けたくないんだがなぁ… いいさ、犠牲者が増えるだけだ」
ダンサーを思わせる足取りで教室を出ようとした瞬間、『水』は軽くターンして主人公に指を向けた。
「いずれ逢おう転校生、お前には骨がありそうだ…噛み砕き甲斐のある骨が」
扉が閉まったしばらく後も、主人公は彫像のように動けなかった。
>>87
「どうしてっ!どうしてショケーしないのよっ!」
廊下を歩く『水』が顔を上げる、廊下の窓越しに声は響いた。
窓を隔てた2階の空中で、『風』ががなりたてていた。
「どうせあたしはオバカチャンよっ!末席よっ!でも、でも、でもねえ!」
よほど悔しかったらしい、わめき声が湿り気を帯び始めた。
「黙れ、こいつは陽動だ」
短く答えると、『水』は鋭い視線を向けた。
「俺やお前が踊っている間に、開発部を強襲したバカがいる」
「え…」『風』が言葉をつまらせた。「まさか、あたし達の維持装置を…」
「まさか!『火』と『土』が殲滅した。だが、やられた事には変わりない」
新しい煙草をくわえると、『水』は笑みを浮かべた。
「あのバンチョーでしょっ!お嬢を放っとらかしにして…きっとお守りに飽きたのよぉ」
「馬鹿」『水』が指を鳴らした途端、煙草から火花が散った。
「奴にお嬢みたいな感傷は無いんだ。…持って行かれたよ、見事にな」
軽く煙を吹き出すと、『水』は窓にもたれた。視線を合わせるように、『風』が降りてくる。
「いいさ、奪い返した長身野郎共々、始末するまでだ」

次も、がんばって下さいな
>>88
「やれやれ…だぜ」
薄汚れた路地裏の壁に背を預け、番長は小さくつぶやいた。
ラボ全域の破壊はできなかった、強襲にあたった子分の半数以上を失った。
ここまで来て残った子分は、たった3名。しかも満身創痍の見本のような状態だ。
だが、手応えはあった。開発中のフリーク野郎は、大半がオシャカになった。
防衛に使われた連中も再起不能のはず…当分、大規模な作戦は無理だ。
そして、目の前の男…
「…畜生!」
手術着の上に制服の上着を引っかけた状態で、長身の男がうめいた。
「貴様なんかに助けられるなんざ… ザマ無ェな」
「黙っていろ、今は勝負もへったくれも無ぇんだ」
連中がこいつに改造を施したのは確かだ。こいつの身体には縦横に手術跡が走っている。
脳に細工をしなかったのは幸いだった、もう少し素直になってくれれば良かったのかもしれないが…
「番長!奴が…奴がきやがった!」
子分の一人が顔を上げ、鉄パイプを構え直した。
「逃げ切れるとは思わなかったが… さすがだな」

…次をお願いします…
>>89
足音は軽やかで。
身につけた香水も趣味がいい。
グラマラスなその姿態は男の眼を引きつけて離さないだろう。
そしてその微笑みの妖艶なこと。
四天王の一人、『火』。
彼女はそう呼ばれる。
「……子猫ちゃん、おいたが過ぎたわねぇ」
声は楽しげだが、眼は笑っていない。
「覚悟はできてるんでしょう?」
少し間をおくと彼女は美しい顔を歪めて命令した。
「死ね」
「うわぁぁぁぁ!!」
「よせ!!」
番長の制止を振り切り、恐怖に駆られた子分の一人が鉄パイプを構えてつっこむ。
だが、次の瞬間には一筋の炎に打ちのめされて炎上する。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
『火』の手元にあるそれは炎でできた鞭であった。
「くそっ……」
歯噛みする番長の前で、悲鳴はやがて小さくなりそのまま消えた。
(あの炎の鞭をなんとかしねえと、近づくことさえできねえ。どうする?)
炎は今、全てを焼き尽くそうとしていた……

次、お願いします。
>>90
「さあ、どうするのかしら…貴男の拳が私に届くのが速いか、私の鞭で踊るのが速いか…」
陽炎の向こうで、『火』が笑みを浮かべる。
「確かにな、俺の腕は届かねえし、両脇は壁だ。この後ろはガラクタと廃材で埋まってるからな」
番長が身を低く取った。「だが、それだけだ!」
番長の肘が壁を薙ぎ、配管を叩き破る。蒸気が噴き出し、路地に充満した。
「何っ!?」
蒸気の中、『火』の鞭が路地をなぎ払う。激しい炸裂が連発した。
風に蒸気が流され、視界が戻っていく。『火』の眼が驚きに見開かれた。
番長と子分の姿は無く、壁に大穴が残されていた。
「…さすがね」『火』の貌に凄絶な笑みが戻る「じゃあ、害虫駆除といきましょうか?」

穴の向こうは工場だった。オートメーションだけが金属を加工し、人影は無い。
「助かりましたね、番長」子分の一人が周囲を見回し、言った。
「ここは燃えやすいもので一杯だから、あの鞭は使えない…俺たちだって、勝ち目はある」
番長は静かに首を横に振った。まさか!奴はそんな甘くはない…
工場の周囲で、立て続けに爆発音が響き、窓の向こうが紅蓮に染まる。
「ば、番長?こいつは…」驚く子分が走ってくる。
「奴は…この工場もろとも、俺たちを始末するつもりだ…」
番長が立ち上がる。予想していたとはいえ、かなりの危機だ…

次でございますよ
>>91
一方その頃、主人公達は帰路についていた。
あの後、急に休校に決まったからである。
どのみち落ち着いて授業を受ける雰囲気ではない。
皆が皆、逃げ出すように学校を後にした。
主人公達も言葉少なに校門を出る。
だが訊かなければならないことは山積みだった。
 (最初から話してくれ)
そう言いたくてたまらない。
その言葉を口にできないのは、全てを知る覚悟が足らないためか。
あるいはとなりを歩く美少女の愁いに満ちた瞳のせいか。
なにも言葉を発しないまま、一行は歩き続けた。

次、ですね……
>>92
「…聞きたいことは、沢山あるのでしょうね…」
長い沈黙を破り、美少女が口を開いた。
「私だって、一切を知った訳じゃないの。お父様の知識を追いかけて、ここまで来ただけ。
 …でも、私なりに理解したの。この学園…さらには、この町を通じて世界を震撼させる存在を…」
「存在?…四天王の事か?」
主人公の口から四天王の三文字が出た瞬間、幼馴染みとボク娘が身を強ばらせた。
空中を自由に浮遊し、風を操った攻撃を繰り出す『風』、
教室内を粘液で支配し、クラスの生徒たちを縛り上げた『第2の挑戦者』、
退廃の香りを漂わせ、渾身の一撃さえ軽々と避けた教育委員会のエージェント、
そして圧倒的な能力を秘めた、『水』…
校舎内を我が物顔に徘徊する異形と異能の能力者達、
そして、一般生徒達は彼等に生存の権利さえも握られ、理不尽な支配を受けている…
「…あの四天王も、お父様の造り出した存在だわ。でも、彼らは道を誤ってしまったの。
 『あの方』の手足となって、残酷な支配の一端を占めているわ。ううん、それだけじゃない」
激しく首を横に振り、美少女は主人公と視線を合わせた。
「みんな、『あの方』の計画に気がついていないのよ。…あの、おぞましい計画を…」
「番長が戦っているのも、奴らなのか?」
「あいつは…」 悲痛な顔をして、美少女は続けた。
「あの番長も、計画の犠牲者なのよ。だからこそ、私を護り、『あの方』の計画を武力で阻止
 しようとしているわ。でも、あいつは間違っているわ。あのまま破壊を続けていれば…」

不意に爆発音が響き渡り、市街地の向こうから黒煙が上がる。
「な、なんや?」慌てる幼馴染みに、ボク娘が指さす
「化学工場の方だ!…ボクにも解る、小さな共鳴を感じるよ!」
主人公が振り返ると、美少女が何かおびえた表情を浮かべていることに気がついた。
「どうしたんだ?」
「…ううん、私たちも行きましょう!」
炎上する化学工場を目指して、一行は駆けだした。
一方、番長と2人の子分、そしてラボを脱走した長身の男は炎上する工場の中を見回していた。
「どうして…どうしてスプリンクラーが動かねえんだ!」子分の一人が上を向いて叫んだ。
「電気系統を破壊したんだ、『火』にとっては簡単な芸当だ」
番長が何かをみつけたらしい、倒壊した機械に歩み寄った。
「見ろよ、マンホールだぜ!ここから下水管を使って逃げれば…」
「やめておけ」番長は静かに言った。
「俺たちがラボに潜入したのは下水管からだ、同じ手は二度通じない。きっと下水は有毒物質とガソリンで一杯だろうよ」
「じゃあ、どうするんだ番長!」
両腕に力を込めると、番長は倒壊した機械を殴りつけた。激しい破壊音、瓦礫が周囲に飛び散り、猛火さえ消え果てる。
衝撃波の向こう側に、暗い通路が口を開いた。
「職員退避通路だ。こうした火災に耐えきれるし、比較的広い」
「で、でも…『火』が居たら…」
「いねえよ」炎の中、番長が笑みを浮かべた「奴は暗所恐怖症なんだ」
通路に全員が駆け込んだ所で、遮蔽扉が重厚な音を立てて閉まる。
扉の向こうで爆発と倒壊の音が響き渡る… 『火』が外部から攻撃しているらしい。
「ここまで逃げれば安心だろ…」子分の一人がライターを取り出し、火を着けた。
「馬鹿野郎!」長身の男がライターをひったくり、闇の向こうに放り出す。
虚空を飛んでいくジッポーライターが、不意に炸裂した。
反射的に身を伏せる一同、夜目に慣れると、ライターが巨大な槍に貫かれているのが解る。
「惜しかったですね…」どこからか聞こえる低い声が、通路中に反響する。
「自分が‘第3の挑戦者’、本来なら転校生を暗殺する予定でしたが、人員不足でね。
 皆様のお命を申し受けますよ」
通路の遥か向こうに、細長い影が立ち上がる。
手足が短い割に、胴が異様に長い、前を開いた学生服の下に着た赤いシャツが変に目立つ。
平たい頭に大きな口、扁平な舌の先端は2つに裂けていた。
「あいつは陸上部の… ヤモリにでもされたんか」
資材の箱に隠れて子分がつぶやく、位置が解ったとはいえ、奴はリーチが長すぎる。
しかも、防災通路では側溝も分岐路も無い、接近までに射殺されてしまう。
「畜生…」苦り切った番長を横目に、長身の男が身を起こした。
「こいつは俺がやる」
そう言うと長身の男は羽織っていた上着を脱ぎ捨てた。
「おい、無茶はよせ。まだ貴様の身体は……」
「助けられてばっかりってのは性に合わねえのさ」
拳を握りこむと、猛然と突進する。
陸上部はそれを見て、ほくそ笑んだ。
(バカめ。串刺しにしてやるわ)
壁に立てかけておいた、新しい槍を取ると、そのまま投擲する。
長身の男に、唸りを上げて槍が迫る。
が。
軽くサイドステップでこれを避ける。
「な!?」
慌てて次の槍をとり、投擲……
しようとして止める。すぐそこまで長身の男は来ていた。
「クソ!」
槍を突き出す陸上部。
長身の男にとってそれはひどくスローな動きだった。
(遅せえよ)
左拳で槍を跳ね上げ、ふところに飛び込み、がらあきになった胴に右のフックを叩きこむ。
「ごは!?」
身体をくの字に折り曲げて悶絶する陸上部のアゴに左のアッパーが炸裂した。
崩れ落ちる、陸上部。
「これでフィニッシュだ!」
顔面に右ストレートを打ち下ろす。
その時、番長の怒声が響いた。
「バカ、避けろ!」
すんでの所で、顔を逸らす。
長身の男の頭を狙った槍が、空を切った。
「…なんだと」
跳ね上がった槍を、もう一つの何かが掴んでいる。
陸上部の上着から伸びた尾が、槍を操って後方から突きかかる。
長身の男の腹を狙った一撃が、不意に止まった。
「無駄なんだよ、フリーク野郎!」
長身の男の足に押さえられ、尾は動きを封じられていた。
もう一方から槍が迫る、陸上部の喉から蛇腹状の槍が突き出された。
「遅い遅い遅いッ!」鳩尾にボディーブローを叩き込む、陸上部が槍を吐きだした。
反撃の隙を見せずにストレートが決まる、壁に叩きつけられた陸上部が動かなくなった。
「…改造されたのか…」
番長が歩み寄ると、長身の男は右の拳を見つめている。
微調整の済んでいない右手は表皮が小さく裂け、中のチタン装甲がのぞいていた。
97山崎 渉:03/07/12 12:06

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
98山崎 渉:03/07/15 11:52

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
99山崎 渉:03/08/02 01:31
(^^)
「…それがどうした?」
長身の男は乾いた笑いをたてて、金属の腕を見つめていた。
「俺が誰にも尻尾を振らないのを見て、奴は言ったんだ。『教育してやる』ってな。
 俺は奴を殴ってやったさ、右の頬と、鳩尾にな。だが、そこまでだ」
倒れた陸上部の身体を、見えない何かが引きずっていく…
「現れた野郎…たしか『土』とか名乗る野郎だ、俺のかなう相手じゃなかった…
 野郎は俺の両腕を、いとも簡単に引きちぎったんだ」
番長の眉が、片方だけ上がった。
「俺は『闘争用奴隷』とやらに組み込まれた。本来ならフリーク野郎になるはずが…
 あの薬のせいで、こんな改造になっちまった…」
「『覚醒剤』…だな」
番長が苦々しく言った途端に、通路の明かりが消えた。
「おいでなさった!」全員が身を低くして、来襲に備える。
「…おしゃべりは、ここまでにしてもらう」
暗闇のどこかから、声が響いた。
101山崎 渉:03/08/15 13:41
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
美少女の首に冷たいナイフが突きつけられていた。
彼女は恐怖の色を浮かべ震えているが、言った。
「私には構わないで!私は平気だから!」
ばかやろう・・・そんなわけにいくかよ。唇を噛み締める。
「すぐ助けてやるからな」
103名無し物書き@推敲中?
「…バカめ!!」
フッ…。
突然、美少女を拘束していた長身の男の姿が消えた…。少なくとも、番長の目にはそう移った。
「ここだよ」
背後から吐き気がするほど優しい声がした。そして次の瞬間、番長の首筋にナイフの冷たさが張り付いた。
「最初から君が目当てだった…」
「…へッ、あんたホモだったとはな。こんなケツでよかったら好きにすりゃいい」
「違う」
「何だ?突いてほしいってか?」
「違うよ…。君を人質にする事が目的だった。
 …さあお嬢さん、この男の命が惜しかったら、オレの命令を聞いて下さい。
 …では…、着ている物を全部脱いでもらいましょうか。全部。」