1 :
名無し物書き@推敲中?:
少年の名は荻本光。
高校2年生だ。
白いマフラーとバンダナがトレードマーク。
その手に祖父の形見の日本刀を携え、
彼が何よりも愛するバイクにまたがった。
「さあ、大冒険の始まりだ!!」
爽やかに降り注ぐ朝日を力強く見据え、
彼はエンジンをかけた。
2 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 19:33
その瞬間、激しい閃光と爆音が東京精神病院の二輪駐車場に響いた。
3 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 19:39
「フッ・・・、この爆発にはいかに荻本といえど
逃れる術はない・・・。」
謎の男が空に昇る黒煙を見上げながらそういった。
4 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:04
「おっと、動くなよ。」
男の喉もとに白刃が突きつけられた。
「大切な愛車を粉々にしてくれたな・・・、
一体どう落とし前をつけてくれるんだ?」
5 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:11
荻本は学ランを焦がしてはいたが、無傷だった。
爆発する瞬間に逃れることに成功したのである。
「くっ・・・、さすが荻本一族の末裔・・・。」
謎の男はしたうちした。
6 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:13
「カット」
彼等は演技を中断された。つづいてひげづらの監督の一声でスタジオが凍った。
「さらに美しく、流れるように」
7 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:17
だが次の瞬間、爆発で吹き飛ばされたヘルメットが萩本の頭を直撃した。
「ぐぅ…」頭を抱えて悶え苦しむ萩本。刀も落としてしまった。
「フ…計算どおりだ。」
謎の男は口元を歪ませて萩本の愛刀を拾い上げた。
8 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:32
「東京四天神筆頭・荻本光よ、覚悟!!」
9 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 20:35
萩本はヘルメットをぶつけられた頭を抱えて涙目になって訴えた。
「監督、無理ッス! こいつ本気ッス!!」
10 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:06
謎の男役の溝口は、萩本の態度にひるむ事なく刀を振りかぶった。
「待て!!」
青くなった監督が立ち上がって叫んだ。
11 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:11
「カァーット!カットカット!」
監督の檄が撮影所にこだまする。
12 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:16
監督の声が響き渡る中、萩本はひっくり返ったまま目を瞑って
「死んだ」と思った。
だが、頭に振り上げられた刀はいつまで経っても下りてこない。
萩本は恐る恐る目を開けた。
13 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:25
目を開けると、雲一つない真っ青な空が見えた。
萩本は違和感を覚えた。いやに静かだし、いるはずの溝口が見えない。
(?)
起きあがると、どこまでも続く海が目に飛び込んできた。
監督も溝口もいなくなっている。カモメがゆったりと空を飛んでいる。
(ここはどこだ?)
14 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:29
萩本の手を鋭い衝撃が襲う。手に握られた釣竿が弓のようにしなっていた。
「こいつは大物だ!」
萩本は叫んでいた。彼の釣りバカ魂が覚醒した。
15 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:34
萩本はぐっ、ぐっと力を加減しつつ竿を引く。
(いける! これはいける!)
萩本は一気に竿を引いた。その時、激しい水音が!
ざばーーん!
萩本は竿の引きに負けて海にダイブしていた。
〜終〜
17 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:38
18 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:40
「エイハブ船長!あ、あれを!」
船員の一人が遥か遠くの水上を疾走する物体を指差して言った。
「なぁにぃ!モービーディックか!」
エイハブが叫ぶ。
「いえ、誰もそうとは…」
「ガハハハ!ついに姿を現したな!野郎共!面舵いっぱーい!」
「せ、船長、話を聞いてくだ…グフッ!」
19 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:41
オフ会は新宿でやろう。
「ええ〜。飽きたの?」
耳元で聞こえる複数の人の声で萩本は目を覚ました
21 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:46
と同時に富士山の雪崩に巻き込まれた。
22 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:47
〜終〜
23 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:49
〜終〜
〜おわり〜
〜THE END〜
〜THE END〜
27 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:51
〜第2話「再会」〜
28 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:51
29 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:52
富士山のなだれから奇跡の生還をはたした萩本は
31 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:57
歌を聴いた。
「お・う・ち・おにぎり♪おいし、おい〜し♪
おうちおうちお〜にぎ〜り♪」
32 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:57
白いマフラーをなびかせながら日本刀で素振りを始めた。そこへ、
33 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 21:58
被った(藁。 32はスルーで。
>>1がきた
>>1「なぜ俺の思いどうりにならん。本当に食えん男だ」
萩本「・・・・・。」
37 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/03 22:55
萩本は言った。
「終わりだ……。今度こそ終わりだ……。だがこれだけは言っておく。
俺が、もし皆のことを忘れても、俺のマフラーだけは皆のことを覚えているだろう……。
そして再び出会った時に、毛糸玉に戻るに違いない」
〜完〜
女っ気がないからレスは伸びない。
そう考えた
>>1は、荻本の妹を呼び寄せた・・・
39 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/04 03:07
妹は荻本に尋ねた。
「兄さんの名前はヒカル?それともミツル?」
40 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/04 03:34
「2つの間をとって、ヒミツだ。」
完
42 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/04 11:21
「粘着に終わらせようとたくらんでるやつは一体なんなんだ?
脳味噌あるんなら少しは話を面白くしてみろよ。」
荻本はそういうと
>>41の右頬にハナクソをこすりつけた。
「駄スレだと気付かない
>>1、脳味噌あるなら少しはスレが削除されるように努力しろアホンダラ」
そう言って萩元は荒野を去った。
〜おわり〜
44 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/05 03:06
45 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/13 15:57
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
>>1 「ひゃああ!ちがう、ちがうよー!」
寝汗を飛び散らせて、光は飛び起きた。
カーテン越しに朝日が差し込み、潮風が部屋に吹き込んでくる。
5月の海は大好きだし、剣道の修行も嫌いじゃない。
身長制限に引っかかって公式試合には出られなかったけど、剣道は大好きだ。
だからって、あんなに派手な格好でバイクを飛ばせるボクじゃない。
身長140cmだから、よく中学生あつかいされるし、男の子あつかいだって、よくある。
だけど…だけど… 萩本 光は女の子なんだ!
「あーあ… やな夢…」
あぶら汗を吸い込んだ浴衣を脱ぎながら、光はつぶやいた。
「こんな夢見るのも、お爺ちゃんのせいだ。
ボクが男だったらいいのにって、いつも言うからだ…」
ふと見た時計は…7時… え〜ッ!?
「きゃあ!朝練に遅刻しちゃう!」
大あわてで浴衣を放り出し、ハンガーに掛けた制服に手を伸ばす。
いつもながら、慌ただしい一日の始まりだった…
次だ!
>>50 「こりゃあ! 光ッ!」
柑橘系コロンを軽くふりかけ、玄関に走る光に大声が飛んだ。
反射的に両足が止まる、いくつになっても、条件反射って抜けない。
様子をうかがった廊下の中央には、赤銅色の老人が仁王立ちになって待ちかまえていた。
糊のきいた胴着に黒袴を寸分の狂い無く着こなし、白髪を五分刈りにまとめている。
白く濃い眉毛の下には、往年の剣豪を思わせる鋭い眼が光り、
手入れの行き届いたカイゼル髭をひねりながら、祖父・萩本光太夫が怒鳴りつける。
「隠れる事許さぬ!姿を見せんか!」
「…はーい…」光はおずおずと廊下に出た、ここで逃げたってすぐに捕まるもん…
「朝食を食べずに出立するとは何事じゃあ!」大音声が屋敷内を振るわせる。
「そのように栄養を摂らぬから、おぬしは背が伸びんのじゃあ!」
「まあまあ、そこまでにしましょ」光の後ろから、のんびりした声がひびいた。
後ろの台所から現れたのは、和服に割烹着を着込んだ女性である。
年齢は30代前半といったところか、古風ながら凛とした雰囲気を漂わせている。
光太夫のカミナリをものともぜず、女性はおっとりと歩いてくる。
「お母さん…」
「でも…毎度ながら、朝御飯抜きはいけませんね。これを持ってお行きなさい」
後ろ手に持っていたトーストを差し出す、光は素直に受け取る事にした。
「剣道部の主将さんに、よろしくね」
その言葉を聞き終わらないうちに光は駆け出し、光太夫の両足をくぐり抜けた。
「いってきまーす!」
それだけ言ってトーストをくわえると、光は外に飛び出していった。
次にゃ!
>>51 この町は海沿いなので、坂道と階段が多い。
ちょっとした移動にも階段が必要だが、地元の人間は慣れっこになっていた。
しかも高校は坂道の上、細い路地と階段の先にある。
「おあよ〜、ひかりちゃん」同級生の杏子が手を振りながら歩いてきた。
「相変わらず遅刻っぽいねぇ〜」うすのんびりした口調だが、光と同じスピードで階段を駆ける。
「寝覚めが悪かったのよ。なんだか変な夢みちゃってさ…」
「へんなゆめ?…あ〜、ひかりちゃんも思春期だからぁ〜」
「ち、違うわよ!そーゆー夢じゃなくってさ」「隠さなくってもぉ〜 いいよ〜。主将さんのゆめでしょ〜?」
またもや光がつんのめった。階段の中間なのでちょっと痛い。
「ちがうってばさ!ボクがヒーローになっちゃう夢」
ぽかんとした表情で光の顔を見つめる。だめだこりゃ
「いいから急ぐわよ。今日はインターハイの選考するんだから」疲れたらしい、階段を上りきった杏子が座り込んだ。
「ひかりちゃん、いけるの〜?」「あれから1センチ背が伸びたんだから、きっといけるわよ。じゃあねー」
東京出の杏子にはきつい階段だが、光にとっては通い慣れた道だ。
ちょっと走って路地を抜ければ…勝ったも同然、間に合うはず…
「うひゃ!」路地を曲がった瞬間、鈍い衝撃。
こういう衝撃に逢うと、体重の軽い光の負けだ。後ろにころころと転がって、電柱に頭をぶつけた。
「ご、ごめん…」逆さまになった視界の向こうに、学生服の少年が座り込んでいた。
さっきまで光がくわえていたトーストの反対側をくわえて、驚いた視線で光を見ている。
「あー…大丈夫、慣れてるから」横に倒れて、コブの出来た頭を両手で押さえる。
「キミこそ平気?ボクの頭は堅いから、当たると痛いかも」
「へ、平気…です…」少年はおどおどと答えた。「それより…パン…」
「あ、あげる…ボクは朝御飯抜きの方が調子いいんだ」
「パン…ティ…見えてるんですけど…」慌てて制服のスカートを降ろすと、光は必死で笑ってみせた。
「あ、あはは…新入生かなっ?部活は決まったの?」
「その…剣道部…です… 今日、入部届…出そうと…」
「じゃあついておいで、ボクも剣道部なんだ!」
>>53 坂道を上りきると、ようやく学校だ。
この瓊京学園はもともと女子校だったそうで、5年前から共学になった。
やっと男子が増えてきたのはいいけど、まだ3分の1しかない。
しかも、最近はラクロスやソフトボールみたいな球技に人気が集中して、
剣道や柔道といった格闘技部は、いまひとつ伸びなかった。
第一柔道部の主将が、あの杏子だし… 強いのは解るけど、なんだかなー。
ふと横を見ると、少年は軽やかな足取りでついてくる。
もともと文化系なのかな?髪は長めだし、身体も華奢だ。
「ああそうだ、ボクは萩本 光。これでも2年生だよっ」
「え?」少年がつんのめった。…みんなそうなるけど、ちょっと傷つく。
「それから、中等部でもないからね!」先を見越して言うが、少年は呆然としたままだ。
「…え、ええと…じ、自分は…御堂 豹馬です!」
ようやく真っ当な返事をするけど…別にいいや。
それより、豹馬ねえ…色白だし、名前っぽい精悍なイメージが無い…
「よろしくお願いします、萩本先輩!」
「ひかりでいいよ…それから、遠慮もしなくっていいからね。
うちの部は、遠慮したら勝手放題にされちゃうから。…ここだよ」
剣道部の道場は校舎の離れ、日当たりの良い場所に建っている。
伝統だけはあるけど、部員が少ないんだよね…
「…萩本君ですか」
一番静かな時に入っちゃったな…光は慌てて居住まいを正した。
格子越しに日射しの差し込む道場の床で、正座を続けている部員達。その数、5名。
中央で黙想をしていた黒道着の男が、眼を閉じたまま声をかけてきた。
「ハイ!そうです…主将」
「遅刻です、早く道着を着て座りなさい」
低いが、よく透る声で言われると、光はさらに身が縮む思いがした。
「し、新入部員がいます」
「じゃあ、そこに座ってもらいなさい。君は準備を急ぎなさい」
まったく表情が変わらない温厚なトーン…光にとって主将は、まったく未知の存在だった。
>>53 「萩本、そこに座りなさい」
ようやく胴着を着て現れた光を、主将は自らの前に導いた。
ゆっくりと眼を開き、銀縁の眼鏡越しに光を見つめる。
切れ長で、鋭くて、それでいて攻撃性を感じさせない主将の視線…
でも、その眼に見据えられると、光は身じろぎ一つできなかった。
「本日の選考については、知っていますね?」
「は…ハイ!」慌てて答える、冷や汗が浮かんでくるのが自分でも解る。
「先日、選考委員会から連絡が届きました。私や、顧問の齋宮先生の要請が通り、
今回のインターハイで身長制限の枠を一時撤廃するそうです」
「…えっ?」
「あなたも、参加する資格ができた…という事です」
思わず上げた顔の向こうで、主将が微細に微笑んだ。
「そして、あなたは優秀な部員だ。能力的にも、素行にも、問題ありません。
もちろん、遅刻の多さには閉口していますけどね」
「あ、あはは…」思わず笑ってしまった。
お爺ちゃん相手なら笑ってごまかせるが、この人はそうもいかない。
「そして、あなたは見せてあげなければいけません、あなたの実力を、部員達の目の前にね。
…さあ、面を着けなさい」
そうか…ボクも選考にあがっちゃったんだ。確かにくやしかったけど、こうして選考に出ると、
なんだかキンチョーしちゃうんだよね…
立ち上がり、いつものように面を取り付ける。格子越しに主将が下がり、大声で呼んだ。
「烏丸、萩本の相手をお願いします」
「うぃっす!」大柄な男が立ち上がり、軽く肩を回した。
烏丸先輩… 身の丈2mジャストの巨漢で、部でも主将の次に強いと言われてる。
今まで一度も、この先輩と打ち合ったことなかったな… 光の背中を流れる汗が、急速に冷え込んでいく。
「よろしくお願いしまーす!」緊張と恐怖を大声と一緒に相手に叩きつけると、光は竹刀を持ち直した。
次です
ずしっ 光の2倍ありそうな足が踏み出される。
竹刀の長さは変わらないけど、背丈が大きい分、腕も長い。
光のはるか上から打ち下ろされる一撃は、かなりの脅威だ。
(でも… それだけだよ!)
光にとって、この手の巨漢は見慣れたものだった。何より光は背が低い、
身長140センチは、学校でも最小と呼ばれても良い部類だ。
(だからボクは、強くなった…)
先輩が思い切り踏み込んで、面を狙って振り下ろしてくる。予想通り!
即時に後方にかわし、振り上げるまでの瞬間に懐に飛び込む。
「胴!」
軽快な命中音と手応え、烏丸先輩が硬直する。
勝負が決まって5秒ほど、烏丸先輩は呆然としていた。
「…お見事」主将が静かに言った、張りつめた雰囲気が解けて、一同から安堵の声があがる。
「すごいもんだな、主将より速いかも知れねえぞ」烏丸先輩も笑い始めた。
振り返って豹馬を見ると、うれしそうに拍手している。
光は、やっと笑顔に戻った… その時だった。
「御免候、この道場に、御堂豹馬はおられますかな?」
低いけど、変に印象的な声が道場にこだました。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
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|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
道場の隅で寝ている山崎を踏みつぶすと、小柄な男が入ってきた。
黒の着流しに黒の足袋、着流しの上に背中まであるマントを羽織っているので、明治時代の人みたいに見えた。
「おられましたな、御堂豹馬殿」
真ん中で分けたオールバック、もともと小さな顔なのに、細い目と大きな鼻が顔の中心にあるので、珍妙な造りに見える。
「深泥さん…」豹馬の知り合いなんだろうか、驚いた顔で立ち上がる。
「どんなに自らの立場を捨てるとも、剣の道は捨てられぬのでしょうな。…いや、結構結構」
内股気味に豹馬に歩み寄り、顔を見上げてくる。「いよいよ、戦いのはじまりですぞ」
豹馬の表情が凍り付いた。「い…いやだ!僕はいやだ!」
「まだ、引きずっておいでですな。‘朱雀’の死を…」
豹馬の顔がくしゃくしゃに歪み、後ずさりする。
「おっちゃんを死なせた俺が、どうやってあいつらと戦えるんだよ!」
「貴公の力が必要なのですよ」明治おじさんはずいずいと前に出てくる。なんだか可哀想になってきた…
「何より貴公は、四天神の一人なのですから…貴公が倒れ滅びるまで、貴公は戦い続ける必要が…」
「やめなさいよ!」大声が道場にこだまする、光だった。
「どーゆー事か知らないけど、いやがってる子をいじめるなんて、
真っ当な大人のすることじゃないわよ!それともなあに?いい年して喧嘩の助っ人でも欲しいの?」
しばし、道場に沈黙が流れた。明治おじさんが光に視線を送る。
「…ふん、喧嘩とは…のう」
「何よ、喧嘩じゃないの?いい?剣はね、試合でなければ喧嘩にすぎないのよ。
そして喧嘩は真っ当な剣士がすることじゃないの。ちがう?」
明治おじさんの頬が緊張する、豹馬が必死の形相でやってくる。
「深泥さん!責められるのは僕だ、そうだろう?」
「面白い…面白いぞ娘っこ、しからば試合で戦ってみよう」
「深泥さん!堅気に手出しなんかするなんて…あんた…」
「だまらっしゃい!」明治おじさんは片手を横に突き出した。
「太刀持てィ!…じゃなかった、竹刀を拝借お願いいたす」
(^^)
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン