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名無し物書き@推敲中?:
「回路」「命」「ときめき」
人も途絶えたバレエスタジオで、少女の踊りは30分は続いた。
回路が狂ったロボットの様な奇妙な、しかし真摯な踊りだった。
「もういい!」と義足のコーチが告げる。
「15歳ということだが…諦めた方がいい。この世界はそんなに甘くない」
「私には、名バレリーナだった父の血が流れています」平然と少女は言った。
「天才パレリーナと言われたコーチのお力と、父の資質があれば!」
あいつと同じだ、と彼は思う。
親友のあいつの資質と気性を、この娘はそのまま受け継いでいる。
「お父様の命であるバレエを、途絶えさせたくないんです…お願いします!」
心は決まった。
「よし、これから毎日だ。私のすべてを叩き込んでやるから覚悟しろ」
半年以上がが経過した。彼女はコーチの言いつけを毎日丹念に守ってきた。
オペラ座は今日もときめきながら、天才プリマの誕生を待ち焦がれている。
出産予定日まであと2ケ月!
プリマである可能性は1/2だ。
※すごく削ったー
次のお題は:「コート」「外套」「判決」でお願いします。