この三語で書け! 即興文ものスレ 第十壱層

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 けたたましい音響の目覚ましに起こされて、また一日が始まる。どうやら今朝も雨が降っているらしい。昨日も、その前も雨だった。たぶんもう水は充分だろう。しばらくしたら雨は止むはずだ。
 案の定、5分ほどで雨は止んだ。水槽の中の鱧はダラダラと餌を食べ始めた。
 この時代人間は地球上のほとんどを支配していた。天候もそのひとつだ。水が必要なら雨を降らせ、野球のある日は雨を降らせない。おかげでここ何年も天気予報は間違ったことがない。
 人間だって様変わりだ。足が遅ければ義足、心臓が悪ければ人工心臓。どんなパーツだって簡単に変えられる。しかも元々付いていたものより性能がいい。今や完全オリジナルの人間なんて、余程の昔気質で頑固者くらいだ。
 飛行機だって今や完全にスクラムジェットエンジンの時代なのに、まだ「ジェットエンジンの方がいい」なんて言っている。懐古主義というらしい。まったくおかしな人もいるもんだ。新しいもののほうがいいに決まっているのに。
 そんなことを考えながら、いい加減に支度をして出掛ける準備をした。家を出る前に水槽の照明を消す。ゆるゆると泳いでいた鱧は、ゆっくりと底へ沈んでいった。


こりゃダメだ…

次は「梨」「ロウソク」「杖」でお願いします。