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名無し物書き@推敲中?:
闘牛といえばスペインが本場だが、
スペインの闘牛士にはライセンスが必要であるということは、あまり知られていない。
その試験はかなりの難関で、毎年千人近くが応募して、書類選考の時点で九割が脱落する。
というのも、身長、体重などに厳しい制限があるし、視力や聴力まで規定があるからだ。
たとえば視力の場合、眼鏡は論外で、コンタクト・レンズの使用も認められない。
こういった厳格な基準が定められているため、殆どの受験者は一次選考の書類審査でふるい落とされる。
そして二次である筆記、三次である実技、と順に絞られていき、
最終試験である現役闘牛士との問答を突破して、晴れてライセンスを支給されるのは、
毎年せいぜい一人か二人である。
そうして闘牛士になると、国王から直々にライセンス証が授与されるのだが、
その記念式典の模様はテレビやラジオで全国中継される。
ちなみに、闘牛士は現役の間、結婚はおろか異性との交際すら認められない。
恋人がいると判明した時点でライセンスは剥奪される。
なぜなら闘牛士という職業は国王から直々に任命される神聖な仕事であり、
穢れは許されないからである。
次は「寸劇」「大陸弾道ミサイル」「落葉」で。