なっちがメルヘン世界に飛ばされたら

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76なっちの戯曲68号
じりじりと焼けつくような日差しが容赦無く素裸の僕を照りつける。
僕の奇妙な漂流生活も今日で何日目になるのだろうか。
生白かった僕の素肌も今では真っ黒に焼け、
所々はがれた皮膚が僕の痛覚をかすかに刺激している。
そう、この航海は何もかも奇妙尽くしだ。
当初僕は、この食べる物も無い海上で緩慢に死を迎えるものと思っていた。
しかし、実際はわざわざヘリで3度3度、食事が届けられたのだ。
しかもとびきり豪勢な食事をだ。
そして定期的に医者と思しき風体の人物が、僕の健康状態をチェックしていくのだ。
もう一つ不思議なのは、こうして波間を漂うことになってからこの方、
時化というものに出くわした事がないのだ。
時折、遠くに黒い雲を見る事があっても決して僕の乗る筏は、
その雲の下に突っ込むと言うことがない。
何かに導かれるかのように僕の乗る筏は
今日も空と海の青の間を漂い続けている・・・。

>>68書いた者です。>>75さんの後に繋げてみました。
拙い文ですがお気に召しましたら、どなたか続きなり、
新たなお題3つなりをよろしくお願いします。