僕らが閉じ込められたのはトラックの荷台。
当然、暖房などかかっているはずもなく、
肌も露わなステージ衣装のままのなっちは寒さと恐怖に震えていた。
震えながらすがるような目で僕を見つめるなっち。
「大丈夫。きっと僕が何とかするから。」
映画やなんかのヒーローならばこう言ってヒロインを勇気づけるんだろう。
でも僕は只の無力なモーヲタ。
折角の憧れのアイドルとの劇的な出会いだというのに、何の役にも立てやしない。
まったくドラマチックにも程がある!
それもトレンディードラマならまだしもサスペンスドラマだなんて!