1 :
1 ◆g5NjeMwErg :
私はこれから自作小説『平安と平成』を書こうと思います。
どのようになるか・・・。しかも書ききれるか解りません。
でも頑張ってやりたいので見守ってくださったら嬉しいです。
また平安時代の知識が豊富にあるというわけではありませんので
時代考証などはおかしい所があると思います。そういう点が
ありましたらカキコして教えてくれたら嬉しいです。
感想も待ってます。
では・・・・・。
2 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 15:57
***chapter 1 「はじまりの日」***
時は現代。平成の世。
「じゃあいってきまーす!」
「あら由紀ちゃん!カバン忘れているわよ!」
「あっ忘れてた!」
そう言ってカバンをつかんで駅へ向かった。
湖山 由紀。14歳の中学三年生は駅へ走った。
あと、1分で電車が出発しちゃう!
ああっ!信号が・・・!ええーい!ままよ!
点滅する信号。トラックのクラクション。けたたましい悲鳴。騒音。
誰かが言っている。
「おい!救急車だ」「恐ろしい!」「うわぁ〜〜」
意識が遠のいていく・・・。ひかれたのかな?
3 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 15:58
頭が・・・・。
とたんに、あざやかな映像が目に映った。
だんだん鮮やかに映ってくる。
見たことある・・・。なんだっけ・・・。ああ・・・教科書で・・・。
でも・・・。
はっ とするほど明るい。
怪我したのに痛くない。
それよりここは?
すのこ(邸の一番外側にある廊下。屋根がかかっていない。)
に横になっている。
「寝てた・・?」
まさかそれにしても・・・。
走っていって前裁(池の手前にある。庭の植え込み。)までいって恐る恐る
池に近づいた。狩衣姿(貴族の平服)にみずら(おだんごヘアー)で
篠青(表が白で裏が青)のかさね色目が綺麗いに池に移っている。
呆然としてただずんでいると誰かの声が聞こえた。
4 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 15:59
「若君!お風邪をお召しになりますよ。池は今夜、凍るかも
しれませんよ。雪もいつのまにか降っているし・・・」
そう言う既に元服(男性の成人式。髪を削いで烏帽子を被る。)
した人がはきはきとしていった。
「兼家殿(道隆や道長の父。一条天皇の摂政・関白を務めた。兄の兼通
とは仲が悪いので有名。)が若君をおよびですよ。道綱様(道隆とは異母弟
で気が弱く繊細な子だったようである。道綱の母は百人一首で
有名で『蜻蛉日記』も執筆した人で日本三大美人でもある。)なんでもご機嫌が
良い様で・・・」
5 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:00
ふらふらしてきた。平安時代は好きだから大体は知ってる。
でも嘘じゃないだろうか?トラックにひかれたはずなのに!
「若君?いかがなされたのですか?こんな所に突っ立ってないで中に・・・。
火桶も暖かいし・・・。さぁ・・・。」
いわれるままに邸内へ入った。
妻戸(ドア)をしっかりとじて考えた。
・・・熱っぽい。体がほてってる。頭痛もする。
6 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:00
若君?・・・・熱!」
「式部!早く!ああ!遅いな。私たちの乳兄弟(乳母の子供。乳母の子供
と乳母が世話した子は深い絆で結ばれている。)がこんなに苦しんでいるのに!」
「解ってるわよ!兄上!今床の用意をしています。!」
用意された床に着物を剥ぎ取られて寝かされた。
これから何が起こるのだろう?
夢なのだろうか?
そうだ!夢だ!
信じられない!
7 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:01
という事でchapter1を書き終えました。
chapter2は「混乱と理解」です。由紀はどうなるのでしょうか?
今後も応援してください。!
8 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:05
***chapter 2「混乱と理解」***
「誰だ!私の体の中に居るのは?」
寝ている間そうずっとだれかがといかけてた。
声は高かったが幼童の声で雅さを帯びていたように感じる。
うつろな困惑した声だ。
「う・・・だれ?」
みまわしたがその声の持ち主はなにもいわなかった。
9 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:06
「わたしはお前の心のなかにいる!」
「ええ!」
「お前はだれだ??」
「私は由紀だけど・・・あなたは?」
「わたしは藤原兼家の長子 藤原道隆だ!」
10 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:06
「道隆・・・・」
私ははっとした。定子さまの父でこの人が死んだら・・・一族は零落する・・・。
「どうかしたのか?それに早くそこをどいてくれ。困るよ!」
バタバタと渡殿をはしる音が聞こえた。
「若君!もうよいのですか?兄上はまだ案じておりますの。わたくしもやっぱりまだ
御休みになられた方が良いと思うんですけど、でも大殿様がお呼びなんです。
いかがなさいますか?兄上は何をやっているのかしら?きっとまた舎人(馬や牛の
世話をする人)の方で世話してるんですわ。毎日、馬を触らなくちゃ
いけないのかしら?」
そうペラペラとしゃべるものだからこちらが喋る暇もない。
11 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:09
「あれはだれ?」
「沙雪だよ。乳兄弟で同い年。女房(侍女)として仕えてるんだ。あれの兄が
ここの執事・・・まぁ雑人(いろんなことをする人)だよ。文も渡すし
馬もあつらう。頼りになるよ。ただ少し馬にばかりかまいすぎるかな。」
「へぇ〜。初めて知ったな。」
「もう!なにを仰ってるの?聞いてらっしゃるの?お元気そうですから兄上に牛
をひかせますわね。」
「うっ・・・うん。・・・・・。」
そういってパタパタと走り去った。
12 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:10
「ところでなんで君は僕の体にいるのさ?」
「私いたくているんじゃないわ。でも・・・。たぶん・・・。
そして彼女はその朝起こった事故を話した。もっとも彼に車という物を理解
するのはひどく困難であったがどうにか納得させた。
「そう・・なのか・・。なんだかその車という物が理解できないけど・・・
それにひかれて僕の体に乗り移ったわけか・・・。」
「そうよ。好きでこんな男でしかも大昔にこないわ。」
13 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:11
「そなたもしや物の怪(幽霊や怨霊。病気の原因。)ではないだろうな?
それで・・・。この私に乗り移ろうと・・・。陰陽師(皆さんご存知の
安倍清明を始めとする物の怪を払ったりする人。国家公務員。)
にはらってもらわねば!」
14 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:12
「ばっ馬鹿!何いうのよ!私は平安時代に一人ぼっちなのよ!」
「でも物の怪としか考えれないよ!」
「できっこないわよ!陰陽師ってインチキだもん。ありえないわ!
それに私が思うに・・・だけどあなた私が来る前に何か起こらなかった?
つまり・・・。私におこった事とあなたがおこった事って何か共通して
るんじゃないかって!・・・そう思うのよ。」
「・・・たしか・・・。よく覚えてないんだ。あの時池を覗き込んでたんだ
あそこは思い出のある池だからさ・・・。ちょっと感慨無量になったんだ。
その時に・・・。くしゃみしたんだ・・・。」
15 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:12
「くしゃみ?くしゃみですって?私は怪我・・・。それも大怪我したのに
あなたはただの・・・くしゃみ・・・。」
「だから言いたくなかったんだ!すぐ笑う!といっても自分の顔が笑うんなら
なんだかどうしようもないんだけど・・・」
由紀はあたまがクラクラしそうになったがはっとしていった。
「私達。なぜかは解らないけど入れ替わるはずだったんだと思うわ。
私の事故とあなたのくしゃみで・・・。でもそれは不完全だったのよ。」
16 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:13
「不完全?どういうこと?」
「つまりわたしにはわたしの体には大怪我でしかも私にとってはまだ
ちょっとはしってる平安時代に対してあなたは平成っていう未来の日本
なわけでしょ。あなたは適応できなくて、こうやって二重に体と心が
かさなっているのよ!」
心の中にいる道隆は考え込んで黙ってしまった。
「つまり・・・絶対そう。というわけでは無いけど。自分のこと物の怪
扱いされるなんて嫌だもの!」
「そう・・・だよな。よくわからないけど君の意見に従うよ。そういえば君の
名前ってなんだっけ?いきなりきくなんて失礼かな?なんなら僕がつけようか?」
17 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:14
「ああ・・・そっかこの時代じゃ本名だしちゃだめなんだっけ。なんでも
呪詛されちゃうとかでもまぁ私の本当の体は今ごろ救急車運ばれて
るんだろうな。でも意識は平安にあるから私きっと植物人間なんだろうな。」
「なんだかよく解らないな。なんていうのだ?」
「由紀っていうの。田んぼの田の線が飛び出たのと糸に己で由紀よ。」
「なるほど、由紀の君とでもよぼうか。それにしても漢字ができるようだな
すごいじゃないか。」
「漢字なんて未来では女も子供もやってるわ。」
「そういうものか?」
「まぁ・・・ね。それで邸に帰ったらいろいろ教えてね。馬の乗り方、習字、
文化、殿上童(元服前つまり成人する前の童姿でも宮仕え。良家の童は
よく奉公した。)の仕事、それからいろいろね!」
18get
19 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:19
「そんな殿上童までするのか?あれは主上(天皇)の御前で働くんだぞ。」
「いいじゃない。ずっと物忌み(神の塞がりを犯すのを忌んで、その日が
過ぎるまで家にこもってつつしむこと。実際はこれを理由にズル休みも
できる。)でねっころがるのはやだし。楽しい事してみたいわ。直衣(男性
の平常服だが狩衣よりややカッタルイ。)じゃなくて十二単(女性の正装
で天皇や中宮の前ではこれを着なくちゃいけない。千年の恋では侍女は
小うちきをきてましたがあれはおかしい。)着たかったな・・・。」
そう言っている間に大殿様の邸についた。
20 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:21
chapter2も終わりました。次はchapter3『主上に対面』
です。
すいません結構、語意脱字多くて。
それといい忘れ居ましたがこれはフィクションです。
一応ながれにそってやってますが微妙なズレや文化も違うと思います
でもまぁそれもご愛嬌で・・・・。
それと当時の結婚生活ですが、父と母は普通、最初は一緒に暮らしません
通い婚といって男が女のもとに行って契るんですね。それで男は後に身分・
子供の数(女の数を重視)・財力等で女を一人決め一緒にくらします。
当時は連続三日間同じ女のもとに通ったら結婚成立。離婚は三年間、音信不通
であれば成立します。三年間もまたされるなんて・・・。
21 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:22
***chapter3『主上に対面』***
女房に取り持ってもらって兼家のいるところまで行った。
「おおやっと来たか。昨日は熱だとか・・・。」
そうずんぐりとしたそれでいて貫禄のある男の人がいた。
「異母兄上お待ちしていました。すっかりよくなられたようですね。」
まだ9歳だよ。と心の中で道隆がいった。僕は12歳だよ。
「あ・・・うん。まぁいろいろ・・・。」
「いやなこれの母もたいそう気落ちしてな・・・。」
「何かあったの?」
「いやだなぁ異母兄上・・・。おばあさまがこないだなくなられて・・。
もう49日(49日間、死んだ者の魂が彷徨っているので弔ったりする)
も過ぎてるのに・・・。」
じゃあこの弟が道綱なのね。思ったよりシャキっとしてるわね。
22 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/23 16:23
「シャキっとしてるって9歳にもなればこれ位だよ。まぁこいつはちょっと
頼りないんだけどね。」
「そうね。大役を任せようって思うほどじゃないわね」
そう言って笑いあってしまった。
「何を笑っているのだ?」
「いえ父上。なんでも。それよりどうしたんですか?呼び出して。」
「いや・・・。おまえにとって関係ないんだがな蜻蛉(道綱の母)が山寺からそろそろ
もどるというんでおまえにも供をしてほしいんだ。」
「そんなこといいですよ。蜻蛉さんには前前から会いたかったし。」
23 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:36
邸内では人払いしているようで閑散としている。外には紅葉を植えているようだが
それも散ってしまって、なんだかしみじみとする。
「まえまえからって。わしはあそこへ通うのがまぁいってみれば苦痛なのかも
しれんな。気が強くて、わしにいい顔ひとつしない。まぁあれのいい所は色々
あるから捨てるなどという事はしないよ。」
「なんか嫌な言い方・・・。いっつもああなの?」
・・・ん、まぁあちらの御方は美しいし裁縫もできるし和歌なんてホント上手だよ
僕の母上はどちらも全部劣ってるし。でも母上より大分強情らしいね御方様は。
24 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:41
「そういうけどさ。女遊びばっかする人と結婚したら普通は卑屈になるん
じゃないの?蜻蛉の君はどうやらプライドの高い方だったようだし。
そういうところが見抜けないなんて最低じゃん?」
・・・そういうなよ。未来国では妻は一人なんだろ。それってよくわかん
ないな。感覚が違うって言われてもなぁ・・・。
「なにをブツブツおっしゃってるんですか?兄上?」
「ん・・・。父上は・・・。つまり・・・。その・・・。」
「なんだ?いってみよ。」
「あまりに可愛そうですよ。交互に通えばいいんじゃないんですか?」
25 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:46
「まぁなんと童の考えそうな事だろうか?お前はまだ青二才だな!」
そう言ってのけぞるほど笑った。道綱はポカンとしてこっちを見つめていたが
後でサッと顔を赤らめた。それから慌てて
「兄上はお母様をお気遣いくださるんですよ。父上。」
困った顔でいうのでいたたまれなくなってしまった。
「ああ・・・そう・・・。そうですよ。」
26 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 16:51
困り果てたので話をそらした。
「それでいついくんですか?物忌みがあるから明後日にするお前はその旨
蔵人所(天皇の身の回りの世話する役人)の者に伝えときなさい。」
「あれ。道綱は?」
・・・道綱はまだ宮仕えしてないよ。ちょっとまだ早い。
「兄上ったら僕はまだ宮仕えしてないのに。」
そういってクスクス笑った。
はらはらと雪がふっている。昨日の晩から一時やんだがまたしとしとと綿の
様な雪が舞い降りている。
27 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/23 18:14
・・・由紀殿・・・!恥ずかしいじゃないか!
「ごめん・・・。」
「それじゃあわしはちょっと行かねばならん所があるんでな・・・。」
「あっ…じゃあお供します。父上。」
「いやそなたはいいのだ。・・・気を利かせなさい。」
・・・・馬鹿っ!きっと父上は恋人の方へ行くんだよ。おまえがお供すれば
邪魔なだけじゃないか!
「ふむ。つまりお前は時姫(道隆の母)の方へ来いというのだな。」
28 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/23 23:15
続けなさい。
最後までやりとおすことは、大切だ。
ネタは面白そうだな。
ぶつ切りで読むの大変そうだが。
30 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 00:44
上座に兼家が座って牛車はゆっくりと進む。
「この間に笛でもふいてみなさい。主上はたいそうお上手になられたと
仰ってたと聞いたよ。」
そう言って横笛を包んでいた布を取り出して行った。
「どうしよう!笛なんて吹けないよ〜。リコーダーならできるんだけど〜。
ねぇ。この人なら言ってもいいんじゃない?私達入れ替わりみたいにな
ちゃったって!お父さんだし、権力者だし!」
…なに言ってるのさ!そんなこといったら気が狂ったと思われるぞ。
自分の父親のことこういうのは可笑しいかもしれないけど父上は冷酷だよ
男子供には冷たいんだからさ。やめてくれよ!
31 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 00:49
「わかった・・・。しかたないよね・・・。」
ため息をこぼした。なかなか進まない牛車に苛立ちも感じる。
「何をブツブツ言ってるのだ?さぁ、この笛はいい品だろう!」
「は・・はい・・・。」
口にあてて息を送る。フッ・・・フッ・・・。
「なんだちっとも吹けてないではないか?」
ムッツリとした顔で睨まれる。
…!!!!もう!主上にお聞かせできないよ。
32 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 02:19
「風邪気味だったんだもの・・・。」
言い訳がましいなと思いつつそう言った。
「着きました。殿。」
舎人の者が言った。白張姿(召使の服。真っ白。)が綺麗でなかなか涼しげだ。
東の対に行く途中に「そなた何だか忙しないな。見苦しいな。」
と言われて驚いたがそれほどのことでもないだろうと気にとめなかった。
「まぁ殿いらしゃったのですか。あちらの御方様のこともあるから殿は
いらっしゃらないでしょうと女房と言ってましたのよ。ですからいろいろ
ごちゃごちゃしていて恥ずかしいことだわ。ねぇ道隆。」
ら
33 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 02:40
部屋は綺麗に片付けてありどう考えても兼家が来るだろうと分かっていたような雰囲気である。
「え・・・はい。そう思いますよ。」
「何を言う。おまえが来いと言ったのにな。」
パタパタと小さな足音がする。「あれ道兼(道隆・道綱の弟)さまっ」
「乳母や何を騒がしくしているの?」
「すいません。牛車の音がしたので道兼さまが起きてしまいました。」
「よいだろう。だいぶ大きくなったな。」
そう抱きかかえて兼家はガッハッハと笑った。機嫌がいいようだ。
「あれは誰?」
…弟の道兼だよ。4歳だよ。今くらの時期がかわいいんだ。
「へぇ・・・。」
…それに母上は今身篭っているしね・・・。妹か弟ができるんだよ。
34 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/24 02:54
。」の。はいらないよ。
…三点リーダが無くても意味が通じる所は多い。
35 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 03:18
「へーじゃ2人も子供産んでるんだ・・・。」
…ううん。妹がいるよ。11歳。超子っていうんだ。それに3歳の詮子もいるよ。
「じゃあ5人目の赤ちゃんかー。」
「なにを言ってるのだ?ああ、お前は下がってよいぞ。今日はおかしいな。」
一礼して「では・・・。」といって下がった。
36 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 03:32
段々、試験のために暗記した事が浮かび上がってきた。
道兼は七日関白で超子は気狂いの冷泉天皇に嫁いだ人そんで詮子は道長を内覧(摂政・関白と同じ)にした人。ということは道隆の敵みたいなもんじゃない!詮子って!
「あの・・・道隆。詮子ってさ・・・」
…詮子に会いたいの?可愛い子だよ。最近はおとなしくなちゃったんだけどねー。
「道隆さま御加減がよろしいなら姫様がお呼びしてと言っております」
ビクっと体に戦慄が走った。何の縁か分からないけれどこうして出会った道隆に不幸なことはおこってほしくなかったし。今は自分が道隆なので零落するなんて考えたくなかった。
「ん、分かった行くよ。」
37 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 03:44
まだ道長は生まれてないんだ・・・。そのせいなのかな?詮子と仲いいみたいだし。
でもやっぱり未来のこと言っちゃダメなのかな?歴史が変わったりするのかな?
でもどっちにせよ兼家は娘みーんな嫁にだすだろうし・・・。歴史が変わったら・・・。
そう考えるとゾクッとした。自分の存在が消えてしまったりするのかな・・・。生まれるはずの子が生まれなかったり・・・?嫌だそんなの!
「お兄様!昨日はお熱ひいたんですってね。大丈夫なの?」
ひょこっと几帳(移動式カーテン)から出てきた女の子はにっこり笑いながらそう言った。
枯色(表が白で裏が薄色)のうちき単衣姿(女房の普段着)で振分髪もすっかり伸びている少女は少し心配げに私の顔を覗き込んだ。
38 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 03:58
「大丈夫みたいね。明日は出仕なさるんでしょう?わたくし明日は物忌みですの」
「そう・・・。あのさっ詮子ちゃんは・・・」
ううん。入内(天皇又は皇太子と結婚する事)するなんて聞いてもこの子解んないよね。
「どうなさったの?お兄様?それに笛を聞かせてくれるって約束しましたでしょう?」
「ごめん悪いけど今日は下がらせてもらうね」
サッと少女は表情を変えた。
「わかりました。お兄様がそういうなら・・・。でも近いうち着て下さいね」
「うん。またいつかね」
逃げるように東の対を走り去った。こっちだよと言う声に従って西の対まで急いだ。
39 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 04:05
…いったいどうしたのさ。嫌な子に見えるかな?
「そうじゃないよ。でもあんまり好きじゃない。好きじゃ・・・」
まぁ好き嫌いはあるだろうけど、と心の中の声は言った。
それを聞いて少し気分を悪くしたけれど、すぐにそんなことを考えるのはよそう!と思い直した。
「ここの邸の構造教えて。いちおう家だし。まぁ西の対が家っていった方がいいかな?」
…いいよ。
そうして二人はだいたいの邸を覚えさせた。その日はいろいろあったし明日は宮中へ行くし早めに寝た。
40 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/24 04:22
朝は清々しいものである。
だけど由紀にとってそれは苦痛だった。
…由紀殿起きなさい。いつまで寝てるんだよ。
「ん・・・お母さんあと5分だけ寝さして。」
そう言って夜具を頭まで被った。とたんに夜具を剥がされた。
「もー。若君どうなさったんですか?寝すぎだし。さあさ早く準備なさいませ。」
寝ぼけ眼でおはようと呟き。それが夢でないと悟るとホームシックも合い重なってポロポロと涙が止め処なく流れた。
夢じゃなかった。こんなのないわ!
「若君!着替えてくださいよー」
沙雪がプンプンしながら直衣を着せた。椿(表が蘇芳で裏が赤)の映える着物を焦りながら整えた。
「あとは顔を洗ってー」
沙雪はかいがいしく働いているようだ。「準備完了!」と叫んでいる。
41 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:47
牛車はゆっくりと内裏に進んでいく。物見(牛車の窓)から外を見るが
「風邪をひきますよ」と随身(役所から派遣される雑色)が言うのでしぶしぶ戸を閉めた。
自分が今からあの冷泉天皇に会うのか・・・。でもあの天皇って変態・気狂いだったみたいだし。
結局のところそう長くは在位できなかったし。
あーあ!どうせ会うなら花山天皇か一条天皇に会いたかったなー。
ん・・・まぁもし元に戻れなかったら両天皇とも会えるんだろうけど・・・。
もし戻れなかったら明らかに歴史変わっちゃうナァ。定子とか伊周も生まれないし。
ということは百人一首も変わってくるかも。
「着きました。」随身がそう言ってはっとなった。もう着いたのかぁ。
…くれぐれも粗相のないようにしてくれよ。
42 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:48
「でもさあの天皇って・・・ちょっとおかしい人だったんじゃないの?」
…えっ!つまりさちょっと気が確かでなくなる時があるんだよ。
誰でも時には羽目をはずす時ってあるだろ?それと同じだよ。
あの方は・・・あの方は・・・。
「分かったわよ。みんな帝、帝っていうんだから!」
…未来の日本はそうじゃないの?それって失礼だなー。おかしいな。
ブツブツ言う声を無視して主上の御前に取り次いでもらった。
「道隆か・・・。よく来た。東三条殿がそなたが風邪だとか言ってて・・・。」
御帳台(休息する所)にいるのではっきりと顔や様子は良く分からない。
43 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:49
「風邪ならもう大丈夫です。でも笛は・・・その喉をやられてしまいまして。」
「ん・・・。笛などどうでもよい。」
そう言ったので思わずキョトンとその奥にいる人を見つめてしまった。
「もうよい、もうよい下がればいいんだ!」
そう言って何かを倒したようである。側にいた女房は
「お下がりくださいませ。ご乱心でいらっしゃるのです。」
そう慌てて言うのでどうしたらいいのか分からないので下がった。
44 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:51
「道隆聞いてる?なんか子供っぽいわね。幼児退化現象みたいなかんじ。」
…魔がさしたのかもしれないよ・・・。それに主上が困るようなことするからだよ。
「だって。ちょっとじっとみただけなのに。あの人に気に入られてるってホントなの?」
渡殿を渡って後宮の女御様達に挨拶に行く途中しとしとと雪が降り清涼殿の近くにある
池のような堀のような物を見ておもわず顔を輝かした。
「わっ!氷が張ってるんじゃない?」
…ちょっと危ないしそんな所で遊んだら怒られるよ。
浅沓(貴族のくつ。漆っぽい。)がちょうどすーと滑る。
「上手いもんでしょ?昔はフィギュアスケートやったものだったんだけどねー。」
その時だった。パリッと氷にヒビが入り由紀の身に危険がせまってたのに二人とも気づきはしなかった。
45 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:53
Chater2『主上と対面』も終わりました。長かったです。
どうやら冷泉天皇は精神錯乱者だったようです。
そのせいで公卿達も早く譲位させたかったようです。
ついでに超子はこの人と結婚しました。
(譲位する1年か2年位前。子供を儲けたのもこの人だけです。)
ついでに清涼殿に池があったか確かではありません。
京都御所ではお堀があったので、あったということにしようと考え
こうさせてもらいました。
46 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 18:56
***chapter 3『帰還』***
バリッ!
「え?わっうわっ!」
自分に何が起こったのかすぐには分からなかったが氷がわれたのに
気づいた。
…大丈夫か?由紀!人を呼ぶんだ!
「だっだれかいませんか?」
しかしさっきの主上の行動がまだ続いているようで由紀の声は
その声に紛れてしまった。
着物は水を吸収し、おまけに寒いので動く事もできない。
へたに動くとまわりの氷の破片が鋭利な刃物のように体を
突き刺すようで辛い。
しかしそれだけでなかった。
由紀はだんだん寒くなくなってきた。逆に道隆は寒くなってきた。
意識が薄れていく・・・。
とたんに暖かい光に包まれたようだ。
47 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 19:18
「ん・・・。痛たたた」
気付くとそこは病院の一室だった。
「由紀ちゃん?由紀ちゃん?やっと目を覚ましたのね!待っててお医者様を呼んでくるから!」
そういって「先生っ先生っ!由紀が娘が!」と言って病室の廊下を走り回っている。
腕や足には包帯。頭にもデカデカと包帯を巻いている。
医者とお母さんが病室に慌てて入ってきた。
「ああ!君は植物状態だったんだ。脳に異常があるかもしれないから検査がいるけどどうやらしっかりしてるみたいだし」
「よかったね由紀ちゃん・・・。もう二度と起きてくれないのかとさえ思ったのよ。
48 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 19:18
それから由紀の病室にはクラスメートや先生や家族、親戚が訪れた。また一週間後に脳の検査の結果が出て異常なしと出たのだから皆喜んだ。
実質、平安時代に居たのは1泊2日だったし24時間もいなかった。
しかし今その幸せの絶頂である彼女にとって夢か何かだろうと考えてしまった。
そんな彼女は図書館に行って道隆について書いてある本をじっくりと読んだ。
「あら道隆って奥さんそんなに身分高いわけじゃないのね。受領(地方知事。身分は低いがお金持ち)の娘さんなのねー。定子様のお母さんなのかー・・・。」
そうぶつぶつ言いつつ今ごろどうしているのか・・・と涙を目にしつつ短い時間であったが道隆の身を案じた。
49 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/25 22:04
chapter3も無事終わりましたー。次は『平成から平安へ』です。
何か感想をくださいませ。励みになります。
さて私にとって2番目に好きな平安時代ですが(1番目は飛鳥時代)
これからも頑張りますのでよろしく。
前の板のレスにもあったが
用語解説は用語の直後でなく、章の終わり辺りに
つけるといい。
51 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 02:57
>>50 分かりました。今度からそうします。>。<;
52 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 03:07
***chapter4『平成から平安へ』***
由紀は家に帰ってベットに寝そべった。
そしておもむろに借りてきた本を取り出した。
道隆はどうなるんだろう、そんな気持ちが感じられた。
それだけでなく道隆に会いたくなりさえした。
おかしいなあの時は帰りたいって思ってたのに・・・。
涙がほろほろと出てきたのに自分でも驚いた。部屋にノックする音がした。
「由紀ちゃん?どうしたの?気分でも悪いの?」
ぱっと起き上がって無理に笑ってみせた。
「そんなことないよ。もうご飯?」
少し心配そうな顔をしながらそうだと言い「早くお出でなさい」と言った。
53 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 03:16
外はすっかり暗くなっている。夕食の席につき、お箸を持つ。家族は退院
してから私によくしてくれてる。でもんんだか・・・。
むなしい気持ちでその場をあとにした。
のこされた家族は不安そうに彼女を見つめた。
自分の部屋に戻りまた本を読み始めた。
何かが私に戻るように仕掛けているみたい・・・。
そうよ・・・私行かなくちゃ!
でもどうやったらいいんだろう。道隆が来てくれたらいいのに!
なんで来ないの?
そんなメチャクチャなことを考えながら私はいつのまにか眠りについた。
54 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 03:58
目が覚めて起きた。朝食を食べ、急いで学校にいった。途中事故現場をチラとみた。
「いい気はしないな」そう呟いて走った。
校舎に入るとおはようと言う人がすれ違っていく・・・。
「おはよう由紀!大丈夫か?心配したんだぞ」
ぱっとでてきた男の子に驚いたが、すぐに誰か分かった。
「大和君!帰ったんだ!」
ぼーっとしていた顔に明りがついたような感じになった。
55 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 04:07
大和君は研修と題していままで短期留学をイギリスで終えたばかりだった。
「それでどうっだったの?イギリスは楽しかった?」
「もちろんでも由紀が怪我して意識不明ってきいて実際ビックリしたよ」
「ごめんごめんでもそう長くそんな状態じゃなかったし」
ふーんと頷きおみやげだといって紅茶やハーブなどを渡した。
「ありがとう」そういってだいじそうにカバンに入れた。授業のチャイムがなった。
「こらー席につけー」先生のどなる声。なつかしいな・・・。
そう時間が経っているわけじゃないのに・・・。
大和君もかえってきたし・・・。由紀は思わず笑みをこぼした。
56 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 04:20
六時間目も終わり担任の先生が来た。
「最近はぶっそうだから皆気を付けることーいいなー」
そう言うので皆は由紀をみてどっと笑った。
「じゃあ終わる」先生が学級委員に目線を移すと「起立・・・礼」と
挨拶がすむ。由紀は急いで大和の方へ走った。
「今日は部活行かないんでしょう?」そう聞いてそうだというので彼女は一緒に
帰ろうと言った。彼はそれに応じた。
「あのね私が意識ない時にね面白いことがあったんだよ」
「へぇ何?僕も面白い事あったんだ。メールで送るよ。で何があったのさ?」
57 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 04:25
由紀は自分がタイムスリップのような事になった事を話した。
「それで氷の衝撃でこっちに帰ってきたみたいなの」
「由紀・・・それって本当?いや、面白いとは思うけどまさか本当とは
思えないナァ・・・。歴史よくわかんないけど」
「信じてもらえるとは思ってなかったけど一番最初に話したの大和君なのにー」
「そうなの?でもきっと夢だろうね。想像力豊かな由紀ならね!」
「なんかイヤミっぽい・・・。」
58 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 04:34
その時通っていた脇にある雑木林の中に誰かが呼んでいるような気がした。
「ねぇ大和君・・・なんか聞こえるよ」
「え・・・?わっ!」
いきなり光がそこらじゅうに広がった。
「何かあるよ。行こう!行かなきゃ!」
「行かなきゃ・・・って不気味だよ!僕は帰る!」
そう言って身を翻すので由紀は小心者と思ったが
「じゃあまた明日ね。ちょっと見に行くから先に帰っといて・・・」
そう言った。彼は置いて帰るのはできないと言い、早く帰ろうと
言ったが由紀は「行ってくるから、待っててすぐ帰るから」
そう言って雑木林の間をすり抜けていった。
59 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 04:57
さっきは光ってたのに今はどこから光ってたのか分からなかった。
綺麗な野花も咲いていたが由紀にはそれに見とれる余裕はなかった。
誰かが呼んでる。道隆だ!
奥に小さな社のようなものがあった。近づくと何かに引っ張られた。
「わっ・・・」思わず叫んでしまった。恐ろしくなったが彼女は
目をつぶってその引っ張る力のいうとうりに体をまかせた。
真っ黒・・・。貧血か何かおこった時のように目に何も見えなかった。
60 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/26 05:10
とりあえずここで保留・・・。感想まってます。
ちょっとつまり気味かも・・・。
↓に人物紹介
由紀:この物語の主人公。中学三年生の14歳。一人っ子。平安時代が好き。
道隆:藤原道隆。ひょんなことから由紀と魂が不完全な形で入れ替わって
しまう。まだ元服をすましていない。
沙雪:道隆の乳兄弟。女房として働いている。この人の兄も邸内ではたらいている。
大和:英語が好き。イギリスに留学してた。将来は通訳。部活は剣道部。
由紀とは幼馴染。すこし小心者で心配性。
これくらいですね。ちなみにchapterの数は全部で5か6になりそうです。
頑張って良い作品にしたいです。
なんか面白そうな話ですが、ちょっと描写に欠けてる気がしますね。
ストーリーだけで話が進んでるみたいな感じです。
まあまだ途中ですから、楽しみにしてますよ。
あと、sageで書いたほうがいいかもしれませんね。
毎回あげるんじゃなくて、時々で十分です。この板では。
基本的に書き手の歴史・時代小説の読み込みが不足しているために
平安時代の格好をした現代人が「ごっこあそび」をしているような印象を受けます。
61さんも指摘されていますが、全体的に「何をどう」描写したいのかがこちら側に伝わってこないために
作品全体がただ漫然と続くだけの「あらすじ」になっています。
たとえば、
>>21で「思ったよりシャキっとしてる」道綱が
「いやだなぁ」「おばあさまが“こないだ”なくなられて・・。」という言葉遣いをしていますが
“いやだなぁ”“こないだ”という言葉を使う人に対してシャキっとしているという判断が下せるでしょうか?
そもそも「シャキっと」というのも、なにがシャキっとしているのですか?
道綱が猫背でなく姿勢が正しいということですか?
年齢に比してしっかりしている、ということを言いたいのですか?
直後の
>>22で道綱に対し
「こいつはちょっと頼りない」「大役を任せようって思うほどじゃないわね」
と表現されているので混乱してしまいます。
>>53 >外はすっかり暗くなっている。夕食の席につき、お箸を持つ。家族は退院
>してから私によくしてくれてる。
この後に家族が不安そうに主人公をみつめるシーンがあるから“夕食”という場を設定したのでしょうが
なんの説明もなく「夕食の席につき、お箸を持つ」イコール「家族は退院してから私によくしてくれる」
とされると、夕食時に箸を持つことが「主人公に対して良くしてくれる」とも読んでとれてしまいます。
当然、主人公に対して良くしてくれる行動は、箸を持つことではないですよね?
他にも書いていたらきりがないので描写についてはこれにて。
文章自体については、言葉のひらき方が中途半端だなと感じました。
>>16の
「ちょっとはしってる」
は、目で追うと「ちょっと」「はしってる」と区切って読むこともできてしまうので
「ちょっとは」「知ってる」と、アクセントの意味でも感じを使ったほうが読者にとっては親切です。
>>26ではまったく逆で、「綿の」(改行)「様な」とされていますが、「様」という字は
単独使用だと「さま」と読む機会が多いです。改行したことによりさらにその傾向が強調され
「わたの」「さまな」と一瞬、読めてしまうのです。
「綿のような」とひらいて書いたほうがこの場合は親切です。
(「綿」も単独だと生地の「めん」と読むかも。直前に「ふわりとした」etc.の表現があると
「わた」をすんなりと連想できるでしょう)
文章、言葉のひとつひとつに気を配ってくださいね。
作品に対する感想を抱くより前に、作品の書き方に対する感想をまず持ってしまいました。
残念ながら、まだなにかしらの感動を生むところまでには至っていないように思います。
64 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/27 19:01
>>62 >
>>53 >外はすっかり暗くなっている。夕食の席につき、お箸を持つ。家族は退院
>してから私によくしてくれてる。
この後に家族が不安そうに主人公をみつめるシーンがあるから“夕食”という場を設定したのでしょうが
なんの説明もなく「夕食の席につき、お箸を持つ」イコール「家族は退院してから私によくしてくれる」
とされると、夕食時に箸を持つことが「主人公に対して良くしてくれる」とも読んでとれてしまいます。
当然、主人公に対して良くしてくれる行動は、箸を持つことではないですよね?
これはちと厳しくないか?
箸を持つ、までは動作。良くしてくれる、は感慨だろう?箸を持った主人公をあたたかく
見る家族が見えると思うが?省略としては問題ないんじゃない?
適切な改行があればそれもいいんだろうがなあ。
おもろいスレがあるもんだ。期待あげ
66 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/27 21:12
なんだか不思議な印象をうけるのですが、
>>1さんの年齢を聞いてもいいですか?
漫画みたいだという印象をうけました。
描写がないなーと言う感じです。プロを目指すのですか?
冬休みだろ
ごはん > またり > アエマ > リーステ > アリ
>66
続き読みたがってる奴もいるんだから、あんまりおどかしてやるなよ
70 :
キャプテイン・マサ ◆OOiY6OQumE :02/12/27 21:33
>66
描写はもったいないから書き込まないのだ、常識だ
新人賞に投稿する時の小説は描写もちゃんとしてあるのだろう。
描写を入れてない即興の糞小説しかさらすわけないだろ。プロ目指すのだから。
71 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/27 22:27
いろいろな意味で新鮮な驚きを感じました。
HPではなく、2chでやっているところがイイ。
>>63はちょっと過剰でないか?
わたのさまなとは読まなかったよ?
でも
>>1は単純な漢字をひらがなで書いているから、そこから幼さを感じる。
なのにいきなり零落とか出てくるからビビった。そういう語できたか、って。
漏れも推敲はあんまりしない性質だから言いづらいけど、
もう少し文面からくる印象を考慮にいれたらいいのかな、と思う。
あと、chapterが5か6になるっていうのは完結するってことだよね?
73 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/27 23:43
省略をして、読者にイメージをゆだねる文体というのは、とくにジュブナイウルに
顕著で、しかもそれは確立されている「現在」を嘆いているのだろうが……
気持ちは分かるけどね。でもね。
74 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/28 00:45
四十九日って算用数字表記も可だっけ?
閉じカッコ前の句点は不要というアドバイスを採用しなかったところに
>>1のポリシーを感じないでもない。
75 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/28 05:21
久しぶりに来れました。まずはレスのおかえしをします。。。
>>61描写は一番、苦手なんです。でも残りはできるだけ頑張って平安っぽく
していきます。
>>62と
>>63私ぜんぜん読み返してなかったんでかなり読みづらかったです。
今度からは見やすく書いていこうと思います。
そうですね感動物語ではありませんね。本当はバラエティっぽくしようと
思ったんですけどなんだか中途半端になってしまいました。
>>64そうですねそうとってくれたら嬉しいです。
>>65読みにくいですよね。かなり反省してます。
>>66不思議でしたか。もうすぐ15になります。プロは目指してません。
まだまだ先のことのように考えがちです。
>>67冬休みなので遊びまくってました。
>>68すいませんよく分かんないです。
>>69そういう人のためにも頑張ります。
>>70投稿したことはありません。どうせボツだろうし・・・。(。_。)
>>71よかったです。HPは馬鹿なんで使えないので・・・
>>73そうですか。 完結はすると思います。
>>74そんなアドバイス頂いてたんですか?全然見てなかったです。すみません。
76 :
1 ◆g5NjeMwErg :02/12/28 05:30
あらためてみなさんの感想をきかされてああ…やばいなこれは…と思ったので
先にwordで書いてそのあと見直してからココに書きに来ます。
それでは……!!!!
俺へのレスがにゃい……
あとそんなアドバイスあったの?って(w……読み返そうよ、あげたあとでもさ。
あ、ちなみに
>>34です。
もうすぐ15かぁ。俺はそのころは小説が形を成してなかった。
頭ン中で、物語だけが怒涛のいきおいで進行してんのに、
それを表現するに足る語彙力も表現力も持ち合わせてなかったから。
今は技術云々よりも楽しんで書いたほうがいいね。
そのうち表現力や語彙力は追いついてくるから。
楽しそうな雰囲気はでてたよ。
って偉そうだけど、あくまで一読者としての感想だから(w
感動という言葉を完全に勘違いされてしまいましたが
年齢を聞いて納得です。
創作することについて、経験も知識も知恵もすべてが足りないのですから。
それは年齢を考えれば仕方のないことなので、全然落胆することはありません。
しかし、現時点でどうあがいても足りないこれらのものを補うものが若い人にはあります。
それは書きたい!という熱意を失わず、書き続ける、たくさん作品を書くということです。
大人たちが予想もできないくらいたくさん。
書いた作品はきちんと保存しておいてください。できればプリントアウト推奨。
そして数年後に読み返してみてどのような感想を抱くかによって
経験・知識・知恵の蓄積具合がわかると思うのです。
頑張ってください。
>1
既に何度か書かれているけど、メール欄に半角小文字で
sage
と入れて書き込むことをおすすめします。
もうひとつおせっかいを。
バカだから、○○に弱いから、と言っておけばそれで全ての無知や不手際が
許されるわけではないことは承知しておいた方が今後のあなた自身の
ためになるかと思います。
多くの人がここを読み、何かを感じて書き込んでくれているその気持ちに
あなたはよい文を作ることで応えていってくれたら幸いです。
1は逝ったよーなんでオイラが1に代わって続けます。
目覚めたらそこは天国だった。
由紀は目を覚ました。
側に1がいた。
「1さん!ここは?」
「私は逃げたいからあなたを殺さなくちゃならないの」
「え????」
稲妻が体のなかに走った。
由紀には何も見えない、聞こえないそんな世界へタイムスリップしてしまった。
我ながらかなりの力作に仕上がった。
1よもうこなくていいよw
だれにも、その言葉を、言う権利は、たがわず、
こなくていい
聞く必要はない、
ただのざれごと、1がいなければ、この板自体なかったのだから。
>>1さん逝くな。
しかし2ちゃんに作品書きこむ時点で
良きにつけ悪しきにつけ
気分の悪いことを書き込まれるのは覚悟しないといけないと思う。
83 :
名無し物書き@推敲中?:02/12/29 15:34
1の話って面白くないハッキリ言うと。
作品というかその兼家とその子供達が何人とかで話を繕ってるって感じ。
1さんは逝ったかもしれないけどここでカキコされたのをちゃんと
認めてもう一度ココに帰ってきたほうが良いと思う。
ここに自作スレを書いたんなら最後までやるのが使命でしょう。
1さんは逝ったようですね (ホノボノ
戻ってこないのなら
□□□□■□□□□□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□■■□□□□□■□□□□□□□■■■■■■■■■■■■□□
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□■■□□■□□□■□□□□■□□□□□□□□□□□□■■□□□
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□□□■■□□■■□■■■■□□□□□□□□□□□■■□□□□□
□□■■□□□□□□□■■□□□□□□□□□□□■■□□□□□□
□□■□□□■□□□■■■■□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□■■■■■■□□■■□□■■□□□□□□□□□■□□□□□□□
□□□□■□□□■■□□□□■■□□□□□□□□■□□□□□□□
□□■□■□■□□□□■■□□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□□■□■□■□□□□□■■□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□■■□■□■□□□□□□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□■□□■□□□□■■■□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□□□□■□□□□□□■■■□□□□□□□□□□■□□□□□□□
□□□□■□□□□□□□□■■□□□□□□■■■■□□□□□□□
ですかね・・・。
光がめい一杯広がった…どこだろう?
ザワザワと騒がしい物音や人の声で目が覚めた。
「若君に水を持って参れ!」「格子は閉めなさい」「いいえ!開けといた方が」
由紀は自分の倒れていた所から周りを見渡した。
階段のような所だった。
ギシッ。
牛車がきしむ音が後ろで聞こえた。
「道隆っ!いったいどうしたというのだ!」
そう言いながら兼家が慌ててやってきた。だけど側にいた由紀にぶつかって
倒れてしまった。
「なんだ?いったい!式部!片付けときなさい」
「はっはい!殿!きゃー!」
由紀の袖を引っ張ってそれが何か解らなかった様で叫んだ。
「殿!殿!物の怪です!きっと若君に取り付いているのですよ」
由紀は驚いた。平安時代だ!戻ってきたんだ。
「道隆?あたし由紀だよ!」
そう言って走ろうとしたが兼家が首根っこを掴んだ。
「この物の怪め!道隆のような幼き子供までもつれてゆくのか?」
そういって警護のものに引き渡そうとした。
「違う〜離せ〜!」
大声で騒いでもちっとも効き目はなかった。
「道隆…物の怪がでてきたそうですよ。はっきりと目にできるみたいですわ」
「母上?物の怪が…そんな。これはただの風邪ですよ」
「騒がしい事…道隆がこんなに辛い想いだというのに…殿にちょっと言いつけましょう」
式部に言いつけようと近くに呼んだが泣いていて、あんな物の怪は見たことない
といってもういきたくありませんとわめいた。
90 :
1 ◆g5NjeMwErg :03/01/02 16:43
由紀はその階段を一気に上り詰めた。そしてそのまま母屋の中に入った。
「お方様!物の怪が来ます!ほら足音がっ!」
「なんてことでしょう?式部、あなたちょっと見てらっしゃい」
「おっお方様!私にそんな事おっしゃらないでくださいませ」
「何を言うの若君の御為ですよ」
「では沙雪に行かせましょう」
「えっ私ですか?そうですね若君のためなら…」
「ああ…式部こんな小さな子に行かせるのですね。困った女房だこと」
沙雪はそろそろと妻戸を開けようとした。
「沙雪だめよ。魔除けの陣をはっているのだから。格子からいきなさい」
頷いて格子に近ずこうとした時だった。
妻戸をおもいっきり開ける音がした。
そのなりはこの世では見た事のない物だったので女房達は驚いた。
道隆もその正体を見たくなっておきあがった。
「道隆!私!由紀だよ。またきたみたい」
「由紀殿?そのなりが由紀殿の衣なのか…なんだかへんなのピラピラ
してるし」
そう言ってコホコホと咳き込んだ。
「病気なの?」
ちょっとむっとした感じに
「由紀殿が氷の上ではしゃいだから、僕は風邪をひいたのさ」
92 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/02 20:07
荒らしage
93 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/02 20:08
>>1 えっと、今どこらへんにいるのかさっぱり解らないんだけど。
部屋の中?まさか牛車の中じゃないよね?
階段のようなところって
平安時代でいうところの何処なんでしょう?
めい一杯
近ずこう
↑小説書く前に日本語なんとかしろや
平安時代にピラピラって言葉があったかなんて知らんが
もちょっとなんとかならんかったのか、語彙が貧弱以前の問題だろうが
>>94 階段のようなところもなにも、きざはしそのものじゃねえ?
四、五段ぐらいあって縁側にのぼるとこ。
>>95 あああああ。そっか。
じゃぁ牛車から降りて建物に入ろうとして倒れたって感じなのかな?
ありがとう、多分合点がいった。
って階段のようなところって段になってる何だろう?と思ってしまったよ。
一人称じゃなくなったんだから、
もうすこし視界に入った描写を詳しくしてもいいと思われ。
前は道隆に憑依するような形だった由紀タンは
今度は実体として平安時代に現れて物の怪扱いされている……ということなんだろうか?
>>96 牛車から降りてきたのは兼家かも。
由紀タンが階段のようなところにめい一杯の光とともに現れ
兼家が牛車から降りてそこらへん大騒ぎ
その喧騒を寝殿造りのお部屋の中で聞いてる奥方様と風邪ひいてる道隆、と。
3べんぐらい読んでもまだ曖昧だけどね。
家の造りは古語辞典のオマケとかマンガとかでおのれの脳内で補完するしかないかも。
そこらへんは読者の自由な想像力に任せてもらえる作品だ。
任せてもらえる、と優しい?書き方してるけども
小説としてはこれは由々しき事態だぞ
>>1よ。
だいぶ読みやすくなったな。ここで文章晒すとケツの毛までむしられるが、度胸はつく。
十五か。この調子でうまくなっていけば十年後が楽しみだな。春休みにも新作さらせよ。
読〜み〜や〜す〜い〜か〜?
前より場面や時間が進んでないからうっかりそう思えてしまうだけだ。
(説明)
階段のような所は牛車の乗り降りするためにあるところです。(高欄といいます。
その段を降りると地面につきます。ここから牛車に乗り降りします。他にも庭で
蹴鞠などしてる時に一休みする時に座ったりもしていたようです)
ここから由紀は現れて(取り付く形ではなくて)、たまたまその時、兼家が牛車に
乗って道隆の見舞いにやってきた時とクラッシュしてしまいます。そこで物の怪扱いされ
冗談じゃないと思った由紀はあわててすのこにはいっていって格子(蔀)
からではなく妻戸からはいってきたわけです。妻戸といってもすぐ母屋に到達
できません。
前より読みにくかったでしょうか…。自分以外の人が読んだら確かに読みにくいかも
しれない……。
>>97さんのような意味で書いたつもりです。。。
「ああ…そっか氷の中に入って、それで現代に戻ったんだもんねぇー」
道隆はじっと由紀の服を見た。
「これは帯びなのか?」
そう言いながらブレザーのリボンを引っぱった。
「蘇芳色かな…。引っぱっても着崩れしないの?」
「だって巻いてるだけだもん」
そう言ってリボンを引っぱってみせた。
「でもこの服じゃあんまりだなー。尼みたいだしさ、髪の毛も振分髪だし。沙雪!
単一式と細長を持っておいで」
蘇芳:あんこ色。
振分髪:尼さんの髪型。幼い女の子はこういう髪型をする。
細長:貴族の女の人の一番上に着る服。十二単は女房(侍女)が着る物ですが、
それでは女主人である姫の服(うちぎ姿)がみすぼろしく見えてしまうので
細長という裳に似たものを着ます。
読みにくいことこの上ない。
いいか、みんながあんたと一緒にあんたの脳内を共有してるわけじゃないんだ。
自分以外の人間が読んだら読みにくいようだろうと自覚しているものを
なんでここに書き続けてるんだ?
>>101で書いたことを何故本文中で書きこんでいかない?
読者を甘やかさない為の作者様のありがたい配慮か?
蘇芳の説明にあずき色ではなくあんこ色、振分髪の説明に肩のあたりで切りそろえた髪型ではなく
尼さんの髪型としたのは何故だ?
尼さんとは仏教の尼さんか、キリスト教の尼さんか?
現代の尼さんの髪型なのか、そうではないのか。
ブレザーのリボンとはなんだ?
読むたびにツッコミどころが満載でそういう意味では飽きないがもう少し頭使って書け。
>>1 自分以外の人が読んだら読みにくいか……ってものっそい読みにくいよ(w
描写を入れてみよう。もう少しわかりやすく。
これじゃぁただのプロットにすぎないでしょ?
まさかプロットだけ読ませてるつもりじゃないよね?ストーリー勝負で?
大体今二人が部屋のどこらへんにいるのかも掴みづらいよ。
妻戸から道隆のいるところまでは近いの?近寄った描写がないけども。
近づく際に部屋を詳しく書いたり、たとえば
>>102で沙雪ちゃんを呼んでるけど、
沙雪ちゃんがどのへんにいるかで、部屋の大きさや、調度品やら、沙雪ちゃんの格好やら
さりげなく説明できるでしょ。
人に指南できるほどの腕前じゃないが、そうやって描写を増やしていくといいよ。
>>103さん
すいません。今度から読みやすくしようと思います。
>>101で書いたのを文章中
に書くのはちょっと難しそうなのでやめときました。
あと用語の説明も不十分ですか。私もこれで用語がちゃんとあってるのか
あんまり分かってないです。模型とかみてこういうのかな、と言う感じで
書いてます。
蘇芳色はあんことかあずき色です。当時の流行色だったようです。
振分髪というのはもちろん仏教の尼さんです。
当時まだキリスト教などは伝わってなくて古来からある日本の神道と聖徳太子
などが奨励した仏教しかありませんでした。
ブレザーのリボンはブレザーのリボンです。
とりあえず時代が平安時代です。
>>105 小説が書きたいのか?
人に読んでもらえるような「小説」がかきたいの?
漫画の原作を作りたいの?
返答しだいではこれからもしっかりと読ませて頂きたいのだが。
ほんとに上っ面でしか言葉を理解できん奴だな。
「
>>101で書いたのを文章中に書くのはちょっと難しそうなのでやめときました。」
いったい誰があんたの文章とやらを読んでると思ってるんだ?
書くの難しいし〜、自分でわかってるから書きませんでした〜、か?
読者にはわかってもらえなくていいのか?感想がほしいのに。
それとな、説明のところになんであんなにこまごまとツッコミ入れたと思う?
例えこの作品が平安時代をベースにしてるにしても読んでるのは現代の我々なんだ。
いいか、現代人が読んでるんだ。
この当時にキリスト教が伝わってないと言われても、現代は伝わってる。
それくらいはわかるな?
いいか、もう一度書くが読んでるのは現代人だぞ?書いてるあんたも現代人だろうが。
その現代の我々が作品を読む場合一つの言葉からいろいろなことをイメージして読むわけだ。
その広がりすぎるイメージを限定し、作品内の世界を具体的に表す手段として
あんたは解説・説明という手段を選んでるんだろう。
そこへいきなり何の限定もなく尼さんと言われたら
仏教の尼さんを想像する人だけしかいないとは言い切れん。
また仏教の尼さんを想像したとしても、現代の尼さんの髪型(といえるのかしらんが)想像したらどうする?
振分髪の尼さんがいるか?時代劇の中以外に。
ブレザーとはジャケットの一種だと思ってたんだがいまどきのブレザーにはリボンが帯のようについてるのか?
つまりだな何度も書くがあんたの脳内に平和に幸せに設定されてるデフォルトが
即他人のデフォルトと共通だとは限らんということだ。
いい加減それに気づけ。
書くのはちょっと難しそうなのでやめときました……
いやもうただただ脱帽ですよ。
なんだかんだ言って優しい奴がいるな。
此処に単品発表スレたてて書き込んだ度胸はすばらしいけども
出 直 し て お い で
まだ小説の形をしていない物語だよ。
読むのがすこし苦痛だ。読まなきゃいいんだけど、キチンと文句つけたくて
読んでしまうんだな……欝。
同属嫌悪ってやつだったらさらに欝だ。
>>1ちゃんはまだ中学生なのに、日本史のことよく知ってるね!
>>1ちゃん、国語得意なんだー。作文上手だね、すごーい!私こんなに書けないよー!
>>1ちゃん、いっぱい本読んでるんだね、えらいなー!
……とか言われて、「えーそんなことないよー」と返しつつ実はちょっと自信があったりして
もう大学ノートに書き連ねた小説(当然未完だ)を友人達に見せて褒められる(=おだてられる)
だけでは足らなくなってここに書き込んだ、
とかじゃないよね?
>>1
111 :
万年筆でペンダコ:03/01/04 01:53
1は多分、平安マニアなんだろうからあーゆー説明をすんのはメンドイんだろうけど
普通の読者は分からないよ。てゆーか大人は忘れてるし、マニア以外は知らない。
あと場面がコロコロ変わるのが早すぎて分かりにくい。
こっちの想像に任せるって言ってもそれじゃあ1さんの平安時代が伝わんない。
でもこれは俺の意見だけど他の人が言うほど読みづらくはないよ。
ただここではそういう人が居るだけ。
あと漢字変換と言葉遣い、それと見直してからやってみたら?
色々言われてるみたいだけどこれで逝くような人なら小説は脳内放送で自己満足
でいいと思うよ。誰かから「イイ!」って言って貰わなきゃダメならね。
>>107 制服ヲタ?ブレザーにえらく拘ってるけど。笑。
うちはブレザーに学校の校章が左胸のところについてたけどリボンはなし。
ブレザーの下はブラウスとプリーツスカートだったけど、ブラウスにネクタイ。
別の学校に行ってた友人は、やっぱりブレザーだったけどブラウスにエンジ色
のリボンでした。これのことなのかな……でもブレザーのリボンではないし。
なんかあんまり「ブレザーのリボン」を繰り返されちゃったから結構真剣に思
い出してしまった。今時の制服は変わってるから、ブレザーにリボン状のベル
ト付きのところもあるのかも。
ブレザーの背中にタックがついてて、そこにリボン飾りがついてると
解釈した。
>>106 もちろん人が面白いといってもらえるようなものを書きたいです。
>>107 そうですね平安時代に生きていない人ならば分からないですよね。
あとあの説明文ですが、次からできるだけ説明をして描写していこうと思います。
>>108 すいません失言でした。どういうふうに内容に合わせたらいいのか自分でも
わかりませんでした。
>>109 すみません。読んでくださってありがとうございます。
これの時代が平安時代だからという意味ではなく文章を書くのは難しい事
だと思いました。
>>110 友達とか家族には小説とかは見せてません。作文も読書感想文も先生は
「もう少し」のハンコを押されます。日本史は漫画とあと国語便覧をよんで
なんとかやってます。
>>111 わかりました。漢字は昔からあんまりできませんので自身はないのですが
辞書ひっぱってやります。
>>112 >>113 ブレザーはチョッキみたいで首下すぐにボタンがあります。
もちろんその下はブラウスです。
それでリボンを首に巻いてちょうちょう結びをします。
珍しいんでしょうか?結構みかけるんですけど……。
で、そのリボンが帯の結びのように見えた(道隆が)のです。
沙雪は妻戸からゆっくりと入ってきた。
床にはさっきの乱闘で几帳が倒れかかっているし、火桶からは灰が飛んで沙雪の
袴を焦がした。
「若君さま。こちらはとっても汚れてしまいましたから塗籠で着替えさせても
よろしいですか?」
沙雪は焦げた自分の袴をじっと見ていった。道隆もその様をみて分かったと言った。
「では由紀殿こちらへ」
沙雪は由紀を先導して案内していく。
ガチャン。
灯台が倒れてしまった。沙雪は灯台から床に火が移ると思ったが油がもう殆ど
なかったようで事なきを得た。
塗籠に入るとそこには火桶がないらしく寒かった。
「あなたは一体どなたですの?誰の許しを得て邸内にいらしたの?それにきっと
大殿様(兼家)はきっとお怒りだと思うわ。あの方には怖いものなんてありません
もの。でもあなた物の怪ではないようね。物の怪と若君が仲いいはずありません」
そういいながら長い袴とたくさんのうちきを着せられた。
「私は由紀です。いきなりココへ着たんだけど私はやく帰った方がいいわよね。
兼家さんが怒ったりしたら私殺されちゃうかもしれないもん。あのひと人を
物の怪扱いだし!」
沙雪はそんな言い方はひどいというように顔をしかめた。
唐櫃の中を沙雪はあさりながら細長が無いみたいですわと言った。
「私もう着ないわよ。すごく重いし……」
「でもとってもお似合いですわ。でも世をお捨てになられた方がこのように
着飾って良いのでしょうか?」
そういって紅梅の襲ね色目が綺麗に映えている袖口を見た。
「沙雪さん……。私、落飾したわけじゃないのよ。私の世界ではこれ位が普通なの!
ほらっ!散切り頭を叩くと文明開化の音がする……って!」
沙雪は困ったような顔をして「私には解りません」と言った。
★
>>115の用語★
几帳(きちょう):{几(おしまずき)に帳(とばり)をかけたところからの名。
室内に建てて隔てとし、また座側に立ててさえぎるための具。台に2本の柱を立て、
その柱の上に1本の長い横木にとばりを掛けたもの。御帳台、壁代、御簾のつら、
女性の座側などに立てる。
火桶(ひおけ):丸型の木製の火鉢。桐の木などをくりぬいて作る。
<季語=冬>大きい。
塗籠(ぬりごめ):寝殿造りの母屋の一部を仕切って、周囲を厚く壁で塗りこめた
閉鎖的な部屋。寝室・納屋として用いた。
灯台(とうだい):油を灯してあかりとする室内照明器具。
唐櫃(からびつ):4本または6本の脚のついた櫃。白木造りのほか、漆塗り、
さらに螺鈿(らでん)・蒔絵(まきえ)などで飾ったものがある。衣服・甲冑・
文書などの収納具、また中世までは運搬具としても盛んに使われた。
(浮気中の人妻が浮気相手を唐櫃に隠れさせて夫に浮気を隠そうとしたエイソードが
あるので大人の男一人くらいは入れる大きさ。)
紅梅(こうばい):襲ね色目の種類で春に着る衣。表が紅で裏が紫。
それと兼家ですが娘が入内してからは怖いもの知らずになったようで物の怪も
こわくなくなるようです。孫である皇太子・天皇に無礼なこともしばしばあった
そうです。
沙雪はというと山吹の襲ね色目で明るい感じと爽やかな感じが彼女にとても合ってるように
感じる。しかしはたから二人の姿をみたらかしましそうな女童と還俗でも
しようかという若い女としか見えなかっただろう。
塗籠から出て母屋の方の部屋に移った。
「やぱりそれの方が綺麗に見えるよ!君の着てた服はとても寒そうだったよ。
でもなぁ……髪がこう短いとあまりに風情がないなー」
そう言いながら道隆は起き上がりながら御帳台から起き上がった。
すると側に控えていた女房達の中から式部がそろそろと出てきた。
「あのぅ。結髪なさってはいかがでしょうか?横の髪は丁度、鬢そぎと同じ位の長さ
ですし。この絹の布をお使いになれば……」
そう言って絹の端切れを渡した。
「でも自分でできないの。よく解らないのよ。ええ……あなた……」
「時姫様お付の女房の式部ですわ」
「じゃあ式部さんお願いね」
式部はゆっくりとじりじりと膝をつかってこっちに来て髪を結い、そして失礼
しますと言ってまた下がった。
「マシになった?あんまり変わって無いわね」そう言って髪の毛を少しいじってみせた。
道隆は少し笑って髪は長いほうが綺麗なんだけどねと繰り返し言った。
由紀はっとして道隆に聞いた。
「兼家さんは私のことなんて言ってた?物の怪扱いされてたし六条御息所みたいに
思われてたりして……。もしくは、坊さんに祈祷でもさせるのかな?」
そういいながら由紀は周りを見渡した。
「父上なら母上と東の対にいるよ。そんなに慌てなくても大丈夫だよ。君が教養人だって
言ったし」
由紀は教養人だなんてという顔をして困った顔をした。
「ほら例えば、漢字が書けるし漢文もちょっと知ってるし、いろんな和歌も暗記
してることとかね」
漢字は現代では当たり前だし、漢文も適当に国破れて山河有りみたいな調子で書いた
だけだし和歌も全部、百人一首だけなんだけどなぁと由紀は首をかしげた。
「例え女子であってもそういう文学は大切だよ」
そう言ってしばらくここで住めば良いよと勧めた。
★
>>117の用語★
山吹(やまぶき):襲の色目。おもては薄朽葉、裏は黄、あるいは中倍(なかべ)
に白をいれる。女房の襲には上から下まで山吹色(黄金色)を重ね、単(ひとえ)を
青くする。(源氏物語では玉鬘が似合ってたそうです)
還俗(げんぞく):一度、世を捨てて仏門に入った人が再び俗世に戻る事。
お金があれば戻る事ができる。復飾。(女の人が落飾すると髪の毛を肩あたりまで切ります)
御帳台(みちょうだい):寝所・休息所。浜床(はまゆか)の上に畳を敷き、四隅
に柱を立てて帳をかけ、内部に几帳を配した装置。
式部(しきぶ):実際に官僚についてる女の人ではありません。女の人の本当の
名前は父親・夫などしか知ることができませんでした。彼女の縁故の者が式部省で
働いてたからこういうふうに名前が付きます。
(名前を知られると呪詛されてしまう恐れがあるそうです。光源氏も本名では
ありません)
結髪(けっぱつ):女の人は髪をいつもは垂髪にしていますがときには
耳鋏み(髪を耳に掛ける)や結髪といって後ろに髪を束んだりしました。
鬢そぎ(びんそぎ):ここでは女の人の横の髪を前の方の肩に垂らしている所。
いわゆる姫カット。
ゆっくりとじりじりと膝をつかって:女の人はめったに立たないで膝で移動します。
そのため肩幅はとても狭く顔が大きく見えたそうです。
六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ):源氏物語にでてくる女人。
源氏にうらぎられて物の怪とかして源氏の愛人や妻をのろって死なせたり出家させた。
祈祷(きとう):僧侶が神仏に祈ること。呪文をも含めてすべての儀式の要素中
、言語の形をとるもの。原始的には、対象や内容について別に限定なく、
宗教的経験が自然に発露する独自のようなもの。
そういう文学:女の人はなんにもできなくてもいいというわけではなく。
ひらがなをどれだけ優雅に書けるか、香合わせはうまくできるか、和歌は読めるか
仕立物は……などの教養もいります。もし天皇や皇太子に嫁ぐならば他にも文学が
できなければなりません。
これでchapter4『平成から平安へ』は終わりです
次はchapter5『家族』です。もう少しで終わりです。
頑張ってやりたのでよろしくおねがいします。
あと↑のように一気に沢山載せて、そのあと用語解説の方が良いでしょうか?
それと用語解説は常用国語便覧・広辞苑等を参照しました。
括弧内は私の考えとかを交えようと思います。
ではお願いします。
難しいからと描写をさぼって用語解説ばっかりつければいいというものではないよ。
特にこれ↓
それと兼家ですが娘が入内してからは怖いもの知らずになったようで物の怪も
こわくなくなるようです。孫である皇太子・天皇に無礼なこともしばしばあった
そうです。
こういうことを本文中で表現しなくちゃ。
地の文で“娘を入内させてからというもの、兼家という人はこの世で恐れるものなど
なにもなくなってしまったという。物の怪ですらも。”って書くもよし、道隆なり
北の方なりに「殿(父上)は女御さま(姉上)を入内させ申し上げてより、いよいよ
怖いものなしになっておしまいに……主上ですらも(後略)」と話させるもよし。
それとね、どこの馬の骨ともしれない、しかも物の怪とすら言われた小娘が
摂関家の家長を名前で呼んでるのにそれに対して無反応な家刀自と総領というのは?
こういうところに粗忽があるのでいくら用語解説で説明されても何も納得できないんだ。
作品自体に何の説得力もないからね。
>>121 えっと……まだ娘は入内していないです。道隆が第一子で腹違いに道綱で同腹の
妹の詮子。まだ入内していないので、文章中には書かない方が良いかなと
思ったんです。娘が道隆の妹ですから裳着もまだすましてないです。
それとこれも文章中にかいてないのでどうしようもないのですが
この時はまだ兼家は摂関家の息子ではあったものの兄弟であらそう政治的な対立
は強く三男である兼家は当時、大した役職につけませんでした。
(それでも坊ちゃんだったんですけど)
どうせだから用語は省いちゃった方がいいでしょうか。できるだけこういうのを
描写すればいいんですよね。
そうですねぇ。たしかにその辺のどっから来たかわかんない娘に細長すら着せるのは
やりすぎたかもしれません……。兼家ではヤバイと思って兼家さんにしたけれど
これも様とか殿のほうがよかったでしょうか。でも主人というわけではないし…。
歴史とかで習う時はわざわざ道長様というふうに習わないし、ちょっと遠慮して
さん付けにしときました。
>ブレザーはチョッキみたいで首下すぐにボタンがあります。
>もちろんその下はブラウスです。
>それでリボンを首に巻いてちょうちょう結びをします。
>珍しいんでしょうか?結構みかけるんですけど……。
ブレザーというのは、あくまでも上着その物のことです。
その下にブラウスを着るとは限らないし、ブラウスにリボンを結ぶとは限らない。
そのリボンがちょうちょう結びだなんて、読み手に分かるはずもない。
服装自体は珍しくないかもしれないけど、
「ブレザーのリボン」でちょうょうむすびを表していると
言われても分からないよ。
読み手は、1さんの近所に住んでいるわけでも、友達でも何でもないから、
1さんがなにを考えて書いたのかは書かれたものからしか分からないんだよ。
>>123 ブラウスじゃあくてもいいんですか?でも別にセーラー服でもいいし
なんでもいいんですとにかく何かそういうインパクトを道隆に味あわせてやりたかった
ので。読み手にはそんなに引っかかる事ですか?
ただ胸元にあるリボンが帯に見えたという時代のズレみたいなのを書きたかった
だけなんですが……。
>>1=
>>124 あのー、十分引っかかる事ですか。あなたが書いているとおり、
平安人と平成人のカルチャーの違いによるギャップを感じさせなくてはならない
重要な場面ではないですか。その肝心の場面で「ブレザーのリボンはブレザーのリボン」で
片付けられては。124で書いている「胸元のリボン」でよかったんじゃないの?
それでえーっと、
>>1は、若い年齢層向けのものでも、一般向けでも、まあどちらでもいいんだけど
平安時代を舞台にした小説は読んだことあるの?マンガでも辞典でもなく小説。
もし手元に持ってるなら、もう1回読み返してごらん。読んだことがないなら
ブックオフでもいって文庫1冊でいいから買って読む。作家が、こんなに漫然と用語解説を
書き散らしているかどうか、読んでみること。自分の作品と比べてみて、
自分になにが足りないのかじっくりと考えてみること。自分の頭で考えることなしに
アドバイスを受けても表面的にしか取り入れないのであれば、ここで書き続けても
誰に何の感慨も与えないまま終わるだけだよ。
>>122も文章中で説明しとこうよ。
ところで引っかかったんだけど、みんながアドバイス中で書いている「説明」と
>>1が文字っ面で捉えてる「説明」って言葉、食い違ってるよ。
用語覚えたのがうれしくてついやたら難しいのを書きまくっちゃうのも分からんでもない。
しかし、読むのは平安をまったく知らない人、と考えた方がよいんでわ?
>そういって紅梅の襲ね色目が綺麗に映えている袖口を見た。
ここになんだかいやらしさを感じますね。
『紅梅の襲ね色目』だと由紀が思ったんですか?少なくとも(由紀も平安マニアでなければ)
由紀は『表が赤で、裏が紫になってるんだぁーキレーイ』ぐらいにしか思わないはず。
『わぁ紅梅の襲ね色目だーうつくシーい』とは感じなかったでしょ?
描写は、平安のことをあんまり知らない人が感じたように書かないと。
確かに『紅梅の襲ね色目』というのはとても美しい語感です。
でも地の文で書くのはあくまで由紀の視点から。
巾帳だってそう。由紀に部屋の中を説明させてみて。あなたが。
由紀は部屋の中をどういう風に説明する?それを地の文で書けばいいんだよ。
変なカーテンみたいなしきりがあって、きれいな模様のついた真っ黒な入れ物があって…という感じに。
それに、さりげなく用語解説をする方法は、由紀に聞かせる。
「若君さま。こちらはとっても汚れてしまいましたから塗籠で着替えさせても
よろしいですか?」
「コソ)……ねぇちょっとヌリゴメってなに?お米?」
「なに言ってるんだよ。着替えをする部屋のこと言ってるんだよ。」
とかねー。まぁ自分なりの方法をみつけていってくらはい。
>>127 いや、だから由紀に説明させるのがひたすらめんどくさいんでしょこの作者さんは。
それで全部用語解説ですませるっていう方法を取ってる。
最初から表現するというのを放棄してるからすでに小説の態をなしてないんだよ。
小説を書きたいといいつつ、小説を書こうとしていない。
>>76 かなりの遅レスなんだが…普通メモ帳使わないか?
リボンがこの時代の帯の結び目(「帯び」じゃなくて「帯」が正解だからね)
と形が似ていたから、間違えるってエピソードでカルチャーギャップを書きたいなら、
「平安時代の帯の結び目」と「ブレザーのリボン」の形が似ていることが
読者に分かるように書かないと書き手の意図は伝わらない。
1の文章ではどちらの形も分からないよ。
それ以前の問題として、形が似ているからといって胸元のリボンを「帯」と
間違えるってのはかなり無理があるよ。
だから、「ブレザーにベルトのようにリボンが結んである」と勘違いされて
読者が混乱するんだよ。
とにかく、読者に伝わるように書いてくれ。
あとで、あれはああいう意味だって説明されても、
小説の本文で伝えられなきゃ、無意味。
>129
パソコンうまく使えない風な発言しつつも、ワードをわざわざ使って
パソコン使えるアタシカコイイみたいに思っているのでは?
(^^)
>>131 なるほど。リア中だし、パソコンの知識も学校で習う程度だから
メモ帳の存在自体知らないのかもな。
134 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/07 00:15
皿仕上げ
↑を参考にして頑張ろうと思います。
これからいろんな本を読んで勉強しようと思います。
読みにくいと言われないように気を付けます。
***chapter5『家族』***
由紀は驚いて聞き返した。
「ここにいればいいさ。由紀殿もここが好きだって言ったじゃないか」
由紀は困った顔をして笑った。
側には横笛が置いてあった。道隆のものだろうか?
「あのね。私もう行かなきゃ。きっと待ってる。お母さんもお父さんも大和君も私が戻って
こないからきっと心配してる」
私は少し感情的にそう言い放った。
沙雪はポカンと私を見ていた。多分、こうやって元々は下衆の女がお姫様のような暮らしが
できるのに何を言っているのだろうか……と思っているのだろう。
式部さんは憤慨した様子で、なぜ若様のご好意をむげに扱うのだ、とでもいいたげだった。
私は困った。もう帰らないと……。なんだかずっとここにいるともう戻れなくなるような
気がする。浦島太郎みたいに300年月日が経ってたら、お母さんも皆、知っている人もいないだろう。
お母さんはどれだけ悲しむだろう……。
「誰にだって家族はいる。道隆だっているでしょ!私、離れたくないの。心配してるわ」
道隆は肘をついて考え深そうに聞いていた。
「でもいつかは離れなきゃいけないよ。元服したら大人になる。大人になったら自分の邸を
建てて、それから自分で政治を動かさないといけない。兄弟を頼る事もできないんだよ?
信じられるものは自分だよ。父上だってそうなんだ。伯父上だってそうさ。父上は伯父上が
亡くなられた時、涙ひとつ流さなかったよ。だってこれから天下を動かすのは父上になったんだから」
由紀はそれを黙って聞いていた。早く帰らないと、と思う一方道隆のこの捻くれた考えも
直さないとと思いはじめた。兄弟で争ったり、都合の悪い人間を簡単に消す事ができるなんて
未来では人権問題じゃないか!
由紀はそれを言葉にしようと思った。だけどそうすればこの時代に道隆は適応できなくなるのではないかとも思った。
そうなれば……。由紀は恐ろしくなった。どうしてこんな事になったんだろう。
興味本位でまた平安に来たりして……。
由紀は早口で言った。
こっちでは人が死んだら悲しむし、弔うものだとそれが政敵だとしても。
苛立ちはじめてた由紀は「仏教徒のクセに!」とまで言ってしまった。
道隆はむっとしたようで扇を乱暴にいじりながら呟くように言った。
「由紀殿の時代がどんなのかは知らない。家族が一緒に暮らしているのも想像できない。
僕達はこうして同じ邸でも離れて暮らしているんだ。心配事とか愚痴は親族じゃなくて乳母や
身近にいるわずかな女房だけだよ」
由紀はゆっくり確かめるようにして言った。
「そういう人が家族なの運命共同体だしさ?自分を養ってくれて自分の悪いようには決して
しない。そういう人が家族なの」
それから少し由紀は考え込んだ。
「家族だからどうとかじゃなくて自分を心配したり慈しんでくれる人って本当に少ないと
思うの。だから私はそういう人を悲しませたくないの」
道隆は目を閉じて聞いていたがわかったよ、と言った。
「由紀殿がいなくなったのを僕のせいにするなんて事させないよ」
と少し怒ったように言った。
「僕も父上みたいな考え方嫌だったんだ……。それが当たり前って父上が言うたびにいつも
悲しくなったんだ」
由紀は安心した。女房も由紀がほっとしたのをみて安心したようだったが、式部さんは若様に
なんてことをいうのだろうというようにブスッとしていた。
「じゃあこの鬱陶しい服を脱いで帰りましょう!制服がないと学校にいけないからね!」
そういって立ち上がったのだがあまりに重くてだれかが引っ張っているようだった。
由紀は火桶を蹴飛ばさないようにゆっくり歩きながら「沙雪ちゃん手伝って」と言った。
沙雪は危なっかしい由紀を抱えるようにして部屋を後にした。
「私には良くわかりませんでしたがなにやら若君と上手く折り合いがつけたようですわね」
そう言いながら制服を取り出した。
「せっかくお着せしましたのに残念です。でも式部様も控えてましたのに若君にあのように
仰るのはいけませんはきっとあとで大殿さまにもお方様にもしれてしまいますわ。あの方
ああみえてもお方様と本当に仲がよろしいんですよ。ですから若い女房達は恐れてるんです。
普通は乳母である私の母上が女房達の采配をするものなのに、母上は父上が亡くなられてしまって
世をお捨てになったの。え……父上?父上はですねぇ病でしたの私もよく覚えてないんですけど
心の臓が痛くて亡くなったのですって。時姫様はもともと優雅な方ではいらっしゃいませんのよ。
第二夫人の蜻蛉の御方様にも結構ひどい仲なんですのよ。まぁしばしばあることですわよねぇ。
あちらでは残念ながら御子様はお一人で……しかも男の子で大殿様も女の子が欲しくてしょうがないのですもの。
多ければ多いほどいいのですよ!」
沙雪の長話の間に私はすっかり制服に着替えた。
「いらぬお節介を……と思われるかもしれませんが御髪はこんなにつやがあるんですから
のばしたほうがよろしいですよ。尼と思われてはしかたがありませんものね。」
そういって髪に櫛をとかした。
「さぁお別れだからといって浮かぬ顔をなさらないで。生きていればきっと逢えましょう」
また逢える……。本当にそうなのだろうか?由紀は空を見上げた。
同じ青空に鳥が飛んでる……。変わらない……。
「どうなさいました?濡れ縁つづきの間ですからお急ぎください。雪が降っています」
はらはらと舞い降りる雪……。
「若君着せ替えました」
沙雪がしんみりした感じでそう言った。
「お別れか……」
しんみりした空気が部屋に充満した。
「しかたないな。やっぱりあはれだしね君の母上や父上が」
由紀は頷いて、体に気を付けてと言った。
由紀は妻戸に向かってゆっくりと歩いた。
ふと頭にどうやって帰るんだろうという考えがよぎった。
「道隆……私、どうやって帰ったらいいの?」
道隆は唖然としたがすぐにすっかり忘れてたというような顔をしてしかめっ面をした。
「前回は氷に入ってしまって戻った」
「どうしよう……」
二人は見詰め合って何かいい方法ありそう?と聞きあったがそんな方法はすぐ出てこなかった。
由紀は考え込んだ。一生ここで暮らすのかな?やっぱり浦島太郎みたいになっちゃうのかな?
「由紀殿……あのさ。由紀殿の父上達は本当に君が帰って欲しいとおもってるかな?」
由紀はまたこんなことをいうなんてと思ってむっとして言った。
「あたりまえじゃない!どうして!」
由紀が怒鳴ろうとするのを手で道隆は制した。
「これは僕の考えなんだけど……」
chapter5『家族』はこれで終わりです。
次はchapter6『再会』です。
もうすこしで完結です。
***chapter6『再会』***
由紀は道隆の方へにじり寄った。
「それで何をしようっていうの?」
道隆は考え深そうにしてからできるかわからないよと言った。
「由紀が帰ってしまってからなんだか変な感じがしてさ。なんだか寂しかったんだ。
それでその後に風邪引いちゃってさ。あの時苦しくって寂しくって……。女々しいけどさ
由紀殿がいないのが僕の心に穴を開けちゃったみたいだったんだ。それで帰って来いーって
思ったら由紀殿がまたこうして来ちゃったんだよ」
由紀はそれでと話を促した。
「もし君の父上達が本当に君が帰るのを待っているならば絶対帰れると思うんだ」
由紀はすぐに自信を持てたわけではなかったけれど、大丈夫だと思い直した。
「由紀殿も帰りたいって願えば御仏は帰してくださる」
道隆は遠くを見ながらそう言った。
私は無宗教なんだけどなぁと思いつつも由紀は願った。
自分の周りに取り巻く家族・友人・親友・知り合い……。きっと帰れる!
そう由紀が確信した時に光の柱ができた。
「若君……あれは?」
沙雪が驚いて言うと。
「由紀ともお別れだ。楽しかったよ。本当に短い間だったけど。元服をもうすぐすると思うんだ。
だから一人前の男になるんだ。そしたら由紀殿みたいに身分とかを気にしない様にするし
女の人を馬鹿にしたりしないようにするよ!」
光の柱にそって由紀はゆっくりと宙へ上っていった。
「私も忘れない!借りてきた道隆についての本も全部読む!約束する!」
最後まで道隆に聞こえただろうか?由紀にはわからなかった。
ふらふらする頭をゆっくりと起こした。
「ここは?」
由紀は辺りを見渡した。暗闇で何も見えない。だけど元居た場所だとはわかった。
「誰か……お母さん!……お父さん!」
由紀は叫んでその竹やぶの外へ出ようと走った。真っ暗闇なので何度か転んでしまった。
でもすぐ側にいる!そう思った。
やっと竹やぶから出た。街灯が夜道を照らし、彼女に道を誘っているようだった。
人影が見えた。あれはお母さんだろうか?周りを見ると人の気配がする。
「奥さん残念ですがもうここは探し尽くしました。とりあえず明日に持ち越しましょう」
そうくたびれたコートを着た刑事さんが言った。
「お母さん!あたし由紀だよ!帰ってきたよ!」
私は涙でボロボロのお母さんとお父さんを抱きしめた。
「由紀!驚いたよ!僕のせいで由紀が……」
大和君が下を向いて言い放った。
皆が心配してくれた。なんて幸せなんだろう。
「ありがとう皆。めいわくかけて御免なさい。もう絶対しないわ」
その日は私は家に帰ってぐっすり眠った。
翌日は刑事さんが家に来ていろいろ聞かれた。
誘拐だったのかとかいろいろ。
でもきっとだれも信じてくれないと思う。でも私は知っている。あれは夢なんかじゃない。
「まったく」
刑事さんは怒った声でそういったが、まぁ無事でよかったといった。
学校へ行けたのは帰れてから二日後で学校のみんなは驚いて聞いた。
どうしたの?と。でもきっとみーんな信じてくれないと思う。
体験しないとわからないことだってあるわ。由紀はそう呟きそうになった。
だけど戻ってきてよかったと皆が言った。由紀は涙が出るのを我慢した。
chapter6『再会』はこれでお終い。
次はchapter7『最終話』です。
これでこの話もおしまいです。
***chapter7『最終話』***
由紀はやっと自分の周りが落ち付いてよかったと思った。
大和君をはじめ学校の皆は私に気遣ってたし、それが嫌なわけではないけれど実は平安時代
に居ましたなんて真剣な顔をしていってもだれも信じてくれないだろう。
このことは誰にも言わないでおこう。そういう気持ちが私の中に溢れているのだろう。
私は読みさしの本をめくった。
私は彼がどんな風に生きどんな風に死んだかは知らない。
だけど彼が身分の高い人を正妻に持っていないことや、娘の定子をお嬢様っぽく育てなかった
ことが嬉しかった。約束を守ってくれたんだ。
私は目を瞑った。
こうすれば私は想像という形でまたあなたに逢える気がする。
それは確かじゃないけど、私はそう信じている。
145 :
1 ◆g5NjeMwErg :03/01/09 03:46
これで終わりです。
もしよろしければ感想をください。
今後の参考にしていきますので……。
146 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/09 04:16
>>1 お疲れさまでした。
あなたが途中で投げずに、最後まで書き通したことに敬意を表します。
『終わりです』は、いいけど、
単独スレ立てといて150程度しか埋まってないじゃん・・・。
ちなみに感想は特に無い。
何書いてるか解らなかったし、次は読者にも理解できる『小説』が読みたい。
sageミス。スマソ。
ブレザーのリボンで首吊って逝ってきます。
>>1 平安時代についての知識を詰め込むよりも本を読んでくれ。
現時点ではそれぐらいしかアドバイスできる事は無い。
150 :
◆XMEzu8/ksc :03/01/09 06:42
馬鹿
151 :
◆rTfW0ahF5I :03/01/09 06:45
152 :
◆4MPPGn5CSQ :03/01/09 06:47
うん、感想は持てないっていうのが感想です。
感想ください、今後の参考にしたいって……今までたくさんアドバイスが出ているのに
それを生かそうという気はないのですか?
その場限りのことだからもうどうでもよいのですか?
これから作品を書いていくうえで大切なことがたくさん書かれているではないですか。
まずこれまで出たアドバイスをきちんと消化していくことが大事でしょう。
それもできないのにまた次で同じことを繰り返すのであれば
PCや携帯があれば世界中の誰でも見ることができる掲示板で恥を晒し続けるだけです。
作品を完結させただけで褒められているというのは逆に言うと
「それしか褒めることはない」ってことです。
というか、こんな小説に真剣にアドバイスしてた人達偉いよ。
私は脱力してしまって……
中学生なら誰でも書くような内容と文章だし
人並のごくごく普通の子なんじゃないでしょうか。>1さんは
まだ若いからこれからもっとたくさん本を読めるのだし
人より良い物を書きたいと思うなら必死で頑張って下さい。
こういった場に晒すのもいいですが、
身の周りに真摯になってアドバイスをくれる人がいるなら、
学校の先生でも何でもいいからそちらで上達してから発表した方がいいです。
友達との小説ごっこに終らず、真剣に指導してくれる大人を探すことをお勧めします。
>>154 こんなものを「小説」と思えるあんたも偉いよ……
最初同人板に立てたって事は、同人としてやりたかったのかいな?
残念ながら、同人誌として出してもWebサイトに出しても読むのさえ遠慮したいレベルだ。
だが、最初は皆そうです。
アナタが書くことを続けていけば、そのうち少しずつ、皆が目を止めてくれると思う。
人のアドバイスの重みも少しずつ理解できていくだろう。
プロを目指したいならそんな甘っちょろい事じゃダメだろうが、
趣味として自分の書いた物を見てもらいたい程度なら、ゆっくり。
んで、後はたくさん読書してね。
ライトノベルから純文学から、近代文学まで色んなものを。
外国の作品も味わい深いのがたくさんあるし。
まあ、大人になるにつれて、注意してくれたり真っ向から批判してくれたりする人は
少なくなってくるからここで色んな意見を貰った事は忘れないでね。
では、がむばって
で、このスレは今後どうするの?
>>1タソはまだココに何か書くんですか?
書 か な い な ら 削 除 依 頼 し て く だ さ い 。
1san
新作まってるよー
でも今度は時代モノやめたほうがいいと思うよ
時代ものは当時の風俗・その時代のキャラ設定・政治的背景の知識が必要。
で、まずは小説の基盤が重要だと思う。
そのためには普通のも書く必要があると思います。
では
時代背景の知識と理解もさる事ながら
文章力のない人が時代小説を書こうとすると
上のような、ただひたすら用語解説と会話を羅列しただけのものになりがちです。
自分の文章と、出版されている時代小説の差を認識し
反省する事が大切ではないでしょうか。
作家は目指していないとの事ですが、趣味程度で皆に読んで欲しいなら
もう2ちゃんでスレ立てはやめた方がいいと思います。
個人でサイトを持ち、
友人と作家ごっこをすれば十分満足出来るのではないでしょうか。
どうせ使わないならどこまで続くか解らないけど
***chapter 1 「はじまりの日」***
「じゃあいってきまーす!」
いつものあわただしい朝。
湖山 由紀は朝食のパンを口に入れたまま家を飛び出した。
「きちんと食べてから行きなさい、みっともない。中二にもなって」
母親の咎める声にも構わず由紀は走り出す。
「あら由紀ちゃん!カバン忘れているわよ!」
「あっ忘れてた!」
母の声にバタバタと駆け戻るとカバンをつかんで由紀は再び駅へと駆けだした。
あと1分で電車が出発してしまう。この電車を逃せば遅刻は確実だ。
角を曲がったところで交差点で信号が点滅している。由紀はさらにダッシュしたが交差点に入った所で点滅から赤に変わってしまった。
一瞬の逡巡の後。
ええーい!行ってしまえ!
由紀は走るスピードを緩めることなくそのまま横断した。
狂ったようなクラクション。
思わず立ち止まって横を見た。
大型トラックが巨大な壁のように迫る。
スローモーションか駒送りのようだなどと割と冷静にその時の由紀は感じていた。
甲高いブレーキの音。
女の人らしい悲鳴。そして広がっていく喧噪。
誰かが言っている。
「おい!誰か」
「救急車!」
「110番!」
遠のいていく意識の中でこれだけははっきりしていた。
――どうやら轢かれたらしい。
頭がぼんやりしている。
辺りを見ると何かの色が目に入った。
だんだん鮮やかに映ってくる。
見たことある……。何だっけ……ああ、教科書で……。
死んだのかな?
トラックに轢かれたハズなのに痛くない。
ここは天国? 天国ってこんなに明るかったっけ?
あれ?
意識がはっきりしてくると廊下みたいなところに横になっているのがわかった。
どこかのお屋敷らしい。が、こんな家見たことがない。いやある。絵の中でなら。
まるで源氏物語にでも出てくるようなところだ。
寝ていたところは”すのこ”と呼ばれる邸の一番外側にある屋根のない廊下だった。
恐る恐る砂利の敷き詰められてた庭に降りてみる。小さな橋の架かった池に植え込み。隅々にまで手入れの行き届いた庭だ。
「これ前栽って言うんだよね」
由紀は植え込みの木に触れて自分の知識を自慢する相手もいないのに自慢げに呟いた。
枝に触れた感触でそれが幻でないこともわかった。
まさかそれにしても……。
次に池に近づいた。池には何かの水草と落ち葉が数枚浮かんでいる。
そっとのぞき込み、息をのんだ。
篠青(表が白で裏が青)のかさね色目が綺麗な狩衣姿の少年が池に映っていた。
由紀が右手を挙げると、平安装束の少年が左手を挙げた。掌をひらひらさせると少年も同じように掌を振った。
「これ……あたし……?」
由紀はそこでようやく自分の着ている物を確かめた。頭に手をやるとお団子を頭に乗せたような”みずら”という髪型になっている。
呆然としていると誰かの声が聞こえた。
「若君!お風邪をお召しになりますよ。池は今夜、凍るかも しれませんよ。雪もいつのまにか降っておりますし……」
若君って誰。
振り返ると烏帽子を被っている若い男が由紀(『若君』らしいが)を見ている。
「兼家殿が若君をおよびですよ。なんでも道綱様のご機嫌が 良い様で……」
兼家殿……って? 道綱……?
兼家とは藤原兼家で道隆と道長の父。一条天皇の摂政・関白を務め、兄の兼通とは仲が悪いので有名である。
道長は平安時代最大の権勢を誇った人物だ。
道綱の母は歌人として有名である。百人一首に歌があり『蜻蛉日記』の著者でもある。日本三大美人。
由紀は持てる知識を総動員してそれだけのことを思い出した。
…………。
と言うことは
ここは平安時代なのか?
目眩がする。何も考えられない。
「若君?いかがなされたのですか?こんな所に突っ立ってないで中に……。火桶も暖かいし、さぁ」
なんだかわからないまま、促されて邸内へ入った。
妻戸と言われるドアをしっかりとじて考えた。
……熱っぽい。体がほてっている。頭がガンガンする。
「若君、どうか?……熱い」
『若君』を呼びに来た男は由紀(若君)の額に手を当て、驚いたように声を上げ、助けを呼んだ。
「式部! 早く! ああ、遅いな。私たちの乳兄弟がこんなに苦しんでいるのに!」
「解ってるわよ!兄上!今床の用意をしています!」
式部と呼ばれた女の人がやって来てあれよという間に用意された床に着物を剥ぎ取られて寝かされた。
***chapter 2「混乱と理解」***
きっと夢を見ているに違いない。
タイムスリップなんてそんな安直な。安っぽいSFじゃあるまいし。
平安時代が好きで色々調べたり本読んだりしていつも平安時代のことばかり考えているからこんなリアルな夢を見てしまったのだろう。
そうに違いない。このまま寝て起きたらきっといつもの朝を迎えられるはずだ。
「誰だ!私の体の中に居るのは?」
寝ていると誰かが問いかけてきた。
声は高かったが幼童の声で雅さを帯びていたように感じる。
困惑した声だ。
「……だれ?」
見回したがその声の持ち主はどこにもいなかった。
「わたしはお前の心のなかにいる!」
「ええ!?」
「お前は誰?」
「あたしは由紀だけど、あなたは?」
「わたしは藤原兼家の長子 藤原道隆だ!」
「道隆……」
さっき言っていた兼家の子供だ。定子の父で、道隆は四二歳で逝去している。この道隆の早世が藤原家失墜の原因となった。
池に映した姿と今の声からして『道隆』はまだ幼いらしい。関白職でもなく当然定子も生まれていない。 「どうかしたのか? それに早くそこをどいてくれ。困るよ!」
幼い道隆は由紀の中で喚いている。
バタバタと渡殿をはしる音が聞こえた。
「若君!もうよいのですか?兄上はまだ案じておりますの。わたくしもやっぱりまだお休みになられた方が良いと思うんですけど、でも大殿様がお呼びなんです。
いかがなさいますか?兄上は何をやっているのかしら?きっとまた舎人の方で世話してるんですわ。
毎日、馬を触らなくちゃいけないのかしら?」
ペラペラと喋るものだからこちらが喋る暇もない。
「あれはだれ?」
由紀は中にいる道隆に小声で聞いた。
「沙雪だよ。乳兄弟で同い年。女房として仕えてるんだ。あれの兄がここの執事、まぁ雑人だよ。文も渡すし 馬もあつらう。頼りになるよ。ただ少し馬にばかりかまいすぎるかな」
「へぇ、初めて知ったな」
「もう、なにを仰ってるの? 聞いてらっしゃるの? お元気そうですから兄上に牛をひかせますわね」
「うっ、うん」
由紀が返事をする間もなく沙雪は走り去った。
「ところでなんで君は僕の体にいるのさ?」
「私いたくているんじゃないわ。でも……たぶん」
由紀はその朝起こった事故を話した。もっとも彼に車という物を理解させるのはひどく困難であったがどうにか納得させた。
「そう、なのか。なんだかその車という物が理解できないけど、それにひかれて僕の体に乗り移ったわけか」
「そうよ。好きでこんな男の中でしかも大昔になんか来ないわ」
由紀(=道隆)は牛車に揺られていた。
父の関白兼家に呼び出されこうして向かっている途中だ。
「そなたもしや物の怪ではないだろうな? それで、この私に乗り移ろうとしているのではなかろうな。もしそうならば陰陽師に払ってもらわねば!」
こんにちは1です。
私のと戯れリライトさんの読み比べると自分の文章がどんなけ稚拙でつまんない
ものだったかわかりました。
今まであの文章読んでくださってありがとうございました。
それとあんな文章読ませちゃってすみませんでした。
えーと今新しいの考えてるんですけどまた歴史モノ(古代ギリシャ)になりそうなんで
あきらめて他の書こうと思ってます。(やっぱ歴史モノはやめた方がいいよね)
ちょっとづつだけど頑張りますので。
それとこれからもっと本読もうと思います。(最近はピーターパンとトム・ソーヤ
を読みました)
もうすぐ受験なんでもうちょい先のことだと思う。
「ばっ馬鹿!何いうのよ!私は平安時代に一人ぼっちなのよ!」
「でも物の怪としか考えられないよ!」
「できっこないわよ!陰陽師ってインチキだもん。ありえないわ! それに私が思うに……」
由紀は言葉を途切らせてふと何か思いついたように続けた。
「だけどあなた私が来る前に何か起こらなかった? つまり、私に起こった事とあなたが起こった事って何か共通してるんじゃないかって、そう思うのよ」
「確か…」
道隆は考え込むようにしばらく黙った。
「よく覚えてないんだ。あの時池を覗き込んでたんだ あそこは思い出のある池だからさ。ちょっと感慨に耽ってたんだ。その時に、くしゃみしたんだ」
一つ一つ思い出しながら道隆はゆっくりと話した。
173 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/16 19:31
このままリレーでリライトしたら面白いんじゃないかと提案age
174 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/16 19:36
歴史的を元にしたリレー小説・・・登場人物の設定で荒れそう・・・(汗
「くしゃみ? くしゃみですって? 私は怪我、それも大怪我したのにあなたはただのくしゃみ」
由紀は呆れ、笑い転げた。
「だから言いたくなかったんだ。笑なよ! といっても自分の顔が笑うんならなんだかどうしようもないんだけど」
由紀はしばらく笑っていたがハッとしたように言った。
「私達。なぜかは解らないけど入れ替わるはずだったんだと思うわ。私の事故とあなたのくしゃみで。でもそれは不完全だったのよ」
「不完全? どういうこと?」
「つまり私の体は大怪我で、しかもそこは遙か未来なわけでしょ。あなたは適応できなくてこうやって二重に体と心が重なっているよ!」
かなり無理のある仮説だと思われるが心の中にいる道隆は考え込んで黙ってしまった。
「そう、だよな。よくわからないけど君の意見に従うよ」
道隆は由紀の迫力に押された形で肯いてしまった。
「そういえば君の名前ってなんだっけ? いきなりきくなんて失礼かな? なんなら僕がつけようか?」
「ああ、そっかこの時代じゃ本名出しちゃだめなんだっけ。なんでも呪詛されちゃうとかでもまぁ私の本当の体は今ごろ救急車運ばれてるんだろうな。でも意識は平安にあるから私きっと植物人間なんだろうな」
道隆は一人で答えを出し、一人で納得している由紀に乳兄弟の沙雪に通じる物を感じて『女とはみんなこうなのだな』と決めつける。
「なんだかよく解らないな。なんていうのだ?」
適当に話を打ち切り、もう一度名を訪ねた。
「由紀っていうの。自由の由って言ってもわからないか」
どう説明した物かと考える。
「ね、あなた見えてるの?」
「見えてるよ、多分君と同じ物が」
「そう、よかった」
こういう字よ、と空中に人差し指で『由紀』と書いて見せた。
「なるほど、由紀の君とでもよぼうか。それにしても漢字ができるようだな。すごいじゃないか」
「漢字なんて未来では女も子供もやってるわ」
「そういうものか?」
「まぁ、ね。それで邸に帰ったらいろいろ教えてね。馬の乗り方、習字、文化、殿上童の仕事、それからいろいろね!」
勝手に自説をでっち上げて平安時代に来てしまった事を自分に納得させた由紀はこの平安時代を楽しむことに決めた。
くよくよ考えたって仕方ない。
どうすれば帰れるのか、自分の身体はどうなっているのか、考えなければならないことはたくさんあったがとりあえずは楽しまなくっちゃ。
由紀は本来お気楽、前向き、楽天家だった。
「そんな殿上童までするのか?あれは主上(天皇)の御前で働くんだぞ。」
「いいじゃない。ずっと物忌みでねっころがるのはいやだし。楽しい事してみたいわ。ああ、どうせならこんな男の子じゃなくて女の人に入りたかったな。そうすれば十二単が着られたのに!」
「悪かったな、こんな男の子で。入られて迷惑してるのはこっちだぞ」
道隆はムッとする。
「それに女房装束は重いんだぞ。お前なんか潰されるんだからな」
そう言っている間に大殿様の邸についた。
女房に取り持ってもらって兼家のいるところまで行った。
「おおやっと来たか。昨日は熱だとか……」
そうずんぐりとしたそれでいて貫禄のある男の人がいた。きっと兼家だろう。
「異母兄上お待ちしていました。すっかりよくなられたようですね。」
男の人の横にちょこんと座っている子供が丁寧な挨拶をした。
「あ、うん。まぁいろいろ……」
由紀はなんと言っていいのかわからず適当に言葉を濁した。
『まだ9歳だよ』と心の中で道隆が言う。
『わたしは12歳』
「いやなこれの母もたいそう気落ちしてな」
兼家が子供を見る。
「何かあったの?」
「いやだなぁ異母兄上。おばあさまがこないだなくなられて。もう四九日も過ぎてるのに……」
「じゃあこの弟が道綱なのね」
由紀は『中』の道隆に向かって言った。
道綱は道隆とは異母弟で気が弱く繊細な子だったようだとどこかで読んだ覚えがあるのだが。
「思ったよりシャキっとしてるわね」
『シャキっとしてるって9歳にもなればこれ位だよ。まぁこいつはちょっと頼りないんだけどね』
「そうね。大役を任せようって思うほどじゃないわね」
そう笑いあってしまった。
「何を笑っているのだ?」
「いえ父上。なんでも。それよりどうしたんですか? 呼び出して。」
「いや、おまえにとっては関係ないんだがな。蜻蛉が山寺からそろそろ戻るというのでおまえにも供をしてほしいのだ」
蜻蛉とは道綱の母である。
「そんなこといいですよ。蜻蛉さんには前々からお会いしたかったし」
由紀は道隆の言うとおりに応えた。
178
訂正
最初の行に
***chapter3『主上に対面』***
を挿入
× そうずんぐりとしたそれでいて貫禄のある男の人がいた。
○ ずんぐりとしたそれでいて貫禄のある男の人がいた。
もうすぐ書けそうです。
やっぱりギリシャ神話を背景にしたのができそうです。
待っててください。
>>181 あんたのヘタレぶんしょーなんかよりリライトのほうが面白いので
余計なことはしないように。
1さん、「平安と平成」とあるスレッドタイトルどおり、この作品を追求してみませんか?
シャキっと、は勘弁してくれ
どうしてもレタスを想像してしまう
こんなこと言ってもしょうがないんだろうけど
シャキっと、って表現でガキとはいえ平安人と話が通じてるのに違和感もあるし
その前の表現で「自由の由って言ってもわからないか」って配慮までされてるから
なおのことそう思う。
わかってます。
リライトさんが終わったら書こうと思います。
そうでなく。
意味を理解して下さい
>1 ◆PxgSoEUFiU
てゆーか、1 ◆g5NjeMwErg じゃないじゃん、お前
PCが変わったので・・・新しいのをつけときました。
1 ◆g5NjeMwErg =1 ◆PxgSoEUFiU desu
(^^)
>184
おおっ、迂闊でした
できるだけ原文を(はっちゃけた雰囲気も含めて)残そうと
思っていたのですが「シャキッと」は無理があったようですね
邸内では人払いしているようで閑散としている。外には紅葉を植えているようだがそれも散ってしまって侘びしい。
「わしはあそこへ通うのがまぁいってみれば苦痛なのかもしれんな。気が強くて、わしにいい顔ひとつせん。まぁあれのいい所は色々あるから捨てるなどという事はないが」
道隆に『前々から』などと言われて、長らく通っていなかったことを当てこすられた気になったのか兼家は言い訳がましい事を言う。
「なんか嫌な言い方。いっつもああなの?」
『ん、まぁあちらの御方は美しいし裁縫もできるし和歌なんて本当に上手だよ。僕の母上はどちらも全部劣ってるし。でも母上より大分強情らしいね御方様は』
「そう言うけどさ。女遊びばっかする人と結婚したら普通は卑屈になるんじゃないの?そういうところが見抜けないなんて最低じゃない」
『……そう言うなよ』
「何をブツブツおっしゃってるんですか? 兄上。お母様がどうか?」
由紀と道隆が『話している』と道綱が不審そうに見ている。
「え、ああ…っと。蜻蛉の君は、つまり、その……」
誤魔化そうとしてしどろもどろになる。
「なんだ?言うてみよ」
兼家もこちらを見ている。
「あまりに可哀相ですよ。交互に通えばいいんじゃないんですか?」
つい口をついて出てしまった。
兼家は一瞬、呆気にとられたように黙って道隆(由紀)を見つめ、
「まぁ、なんと童の考えそうな事だろうか? お前はまだ青二才だな」
そう言ってのけぞるほど笑う。
道綱も由紀のあまりの言葉に開いた口がふさがらないようだったが、すぐに慌てて困った顔になった。
「兄上はお母様をお気遣いくださるんですよ、父上。」
自分より幼い道綱に取りなしてもらっていたたまれなくなった由紀は話をそらした。
「それでいついくんですか?」
「物忌みがあるから明後日にするお前はその旨蔵人所の者に伝えておきなさい」
「あれ、道綱は?」
『道綱はまだ宮仕えしてないよ。ちょっとまだ早い』
『中』から声がする。
「兄上ったら僕はまだ宮仕えしてないのに」
道綱はクスクス笑った。
由紀はばつが悪くなり外に目をやった。
ちらちらと白いものが視界に映った。昨日の晩から一時止んでいた牡丹雪が今また降り始めたようだ。
『由紀殿、恥ずかしいじゃないか!』
「……ごめん」
道隆に責められて由紀は素直に謝った。
「それじゃあわしはちょっと行かねばならん所があるのでな」
つ、と兼家が立ち上がる。
「あっ…じゃあお供します。父上」
「いや、そなたはよいのだ。気を利かせなさい」
『馬鹿っ! きっと父上は恋人の方へ行くんだよ。お供すれば邪魔なだけじゃないか!』
道隆が声を荒げている。
「ふむ。つまりお前は時姫(道隆の母)の方へ来いというのだな」
兼家は由紀の考えなしの言葉を勝手に深読みしてくれた。
道隆の母の屋敷へ向かって牛車は都大路をゆっくりと進む。
狭い牛車の中で由紀は兼家と一緒にいることに気まずい思いをしていた。
『中』にいる道隆にとっては父親だろうが、由紀にとっては『見知らぬおじさん』である。色々と話しかけられて『はあ』とか『ええ』とか適当に相づちを打つのが精一杯だ。
「この間に笛でも吹いてみてはどうだ? たいそう上手くなったと主上が仰っていたのを聞いたが」
上座に座る兼家が横笛を包んでいた布を取り出した。
「どうしよう、笛なんて吹けないよ。リコーダーならできるんだけど」
由紀は兼家には聞こえないように道隆に囁く。
「ねぇ。この人なら言ってもいいんじゃない? 私達入れ替わりみたいになちゃったって。お父さんだし、権力者だし」
『なにを言うんだ! そんなこと言ったらおかしくなったと思われる。自分の父親のことをこんな風に言うのはなんだけど、父上は冷酷だよ。男子供には冷たいんだから、やめてくれよ』
「わかった、しかたないよね」
道隆の激しい反対にあい、由紀は渋々諦めた。
移動するのにこんなに時間がかからなかったら笛を吹けなんて言われる暇もなかっただろうに。ああ、もう何で牛車って進まないんだろう。苛立ちさえ感じる。
「何をブツブツ言っておるのだ? さぁ、早く取らぬか。この笛はいい品だろう」
「は、はい」
引っ込みが付かなくなり、由紀は笛を受け取り口にあてる。
そっと息を送ってみるが当然音は鳴らない。
「なんだちっとも吹けていないではないか?」
ムッツリとした顔で兼家に睨まれ、『もう!主上にお聞かせできないよ』と道隆からは責められる。
「風邪気味だったんだもの」
由紀は言い訳がましいなと思いつつそう言った。
>196訂正
×由紀は笛を受け取り口にあてる。
○由紀は笛を受け取り、口に当てた。
もっと推敲すべきだな、逝ってこよう……
198 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/27 01:08
がんばれリライトさんage
1「空虚な毎日」
「これじゃあ豊郷高校は無理だナァ」
成績表を見ながらそう担任が呟いた。生徒指導室にはストーブがないのでとても
寒く、入りがたい部屋だ。
「先生!でも去年は良いって言ったじゃないですか」
担任はため息をわざとらしくつき、成績表を私に見せた。
「これでは逆立ちしても無駄だ」
馬鹿とでも言わんばかりにそう怒鳴りつけた。
「宗崎が前々から豊郷高に行きたがってたのは知ってるがどう考えても無駄だ」
そう言いながら高校リストを取り出した。
「先生…私いやです。他の学校なんて!」
担任は少し睨んでからゆっくり言った。
「君の親御さんは何て私に言うんだろうねェ」
厭味ったらしく言いながら志望校をかえろと何度も言う。
「山背高校はテニスも強い方だ」
豊郷高ほどじゃない…。心の中で呟いた。
でも私にはどうすることもできない。確かに最近、部活は終わったけど何だか
体がたるみそうだったから壁打ちを何度もした。
そのせいで塾も何度も休んだ…。
「わかりました。山背高でいいです」
担任はまた睨んだ。
「山背高に行きたくても、行けないヤツがいるんだ」
私は思わず足を止めた。ひどい。
「お前もぼんやりしてると、もっとランク下げなきゃいけないんだぞ」
生徒指導室を逃げるようにして出た。
何だかワケが解らない。私だって辛いのに…。
200 :
1 ◆PxgSoEUFiU :03/01/29 21:59
うつむき加減で生徒指導室から出た。
校舎はかなり古い物なのでところどころいたんでいるためドアを開けると嫌な音が
するので余計に気分が悪くなった。
次の生徒が緊張した面持ちで「失礼します」と言って中に入っていった。
外には生徒が五人程いて椅子に腰掛けている。
「葵!どうだった?豊郷はOKだった?」
振り返ると友達の理沙がいた。
私は少し顔を強張らせた。
「だめって。でも理沙ならきっといけるんだろうなぁ。勉強もできるし、
テニスもピカイチだもん」
そんな事ないわよと言うように理沙は顔を赤らめた。
理沙は片手に英単語帳を持っていた。なんどもページをめくった様でボロボロ
だった。
「私もう帰らなきゃ。ママに怒られるんだろうな」
そう呟いた。理沙はそんなことないと言ったけど、私には慰められたというより
馬鹿にされた感じがしていた。
『じゃあね』
二人とも表面上では最高の友達だろう。
校舎から出ると少し曇っているようだが綺麗なお日様が見えた。
……でも、もっと綺麗だった。去年はもっと……。
あの時はまだ受験だとか、そんな事考えたりしていなかった。
でもこの罪悪感は何なのだろう?
さっき理沙の英単語帳を破いてやりたくなったり、理沙も豊郷高行けなかったら
どんなに良いだろうと考えていたこと。
理沙とは小学生からずっと同じ学校でいつも二人一緒だった。
二人一緒だったから一人でできないことも二人で出来た。
幸せだったのに……。
純粋な心を失ってしまったみたい。
人の幸せを喜び、人の不幸を嘆く人になりたかったのに……。
これではまるで逆転だ。
2「舞い降りた天使」
家の分厚い扉を開けたら、チリンチリンと鐘が小さく鳴る。
「ただいまー」
いつものことだけど両親はいない。
ママはパートだし、パパは会社だしきっと今日も残業なんだろう。
自分の部屋にカバンを元気なく投げ入れた。
誰か助けてくれないかなぁ?
今まで試合で負けたってこんな事なかったのに…。
誰か助けて!
203 :
名無し物書き@推敲中?:03/01/30 00:28
また
主人公が現代からどこかに飛ばされる話か・・・
ちっとは工夫しようや。
晒しage
1 ◆PxgSoEUFiU :03/01/19 02:14
PCが変わったので・・・新しいのをつけときました。
1 ◆g5NjeMwErg =1 ◆PxgSoEUFiU desu
偽物の騙りウザイ 氏ね
出せるもんなら前のトリップ出してみろ馬鹿
204さん本当に1ですよ。
トリップあってるかわかんないけど確かこれやった気がする・・・。
a
今度からコレ使わしていただきますね・・・・。
本物の、空気読めないリア厨かよ…
前作の感想くれた親切な人たちに
レス返さなくていいのか?無知だけでなくて、そんな礼儀知らずだったのか?
ここは自作小説『平安と平成』のスレなのに、違う小説書くなや
ゴルァ(゚Д゚)
個人サイトかっつーの。
そーゆーのは厨房らしく携帯サイトでやってろ。
ヴァカすぎる・・・
211 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/01 17:19
212 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/04 15:57
『平安と平成』第2部(?)開始age
213 :
(。・_・。)ノ:03/02/04 16:03
214 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/04 22:46
sage
sage
sage
TVをつけた。
アナウンサーは深刻そうな面持ちをして扮装が深刻だといっているようだ。
『難民が隣国に散りばっているのですが、入国できないため国境付近に
逃げている模様です。現場の吉田さん!』
その国の人たちはボロボロの服を着ていた。
でも葵にはまるで異時限空間に起こっているかのような出来事としか思えなかった。
『次のニュースは…』
アナウンサーは今度は明るそうな顔をしてニュースを伝えた。
さっきまで悲しそうな顔をしてたのが嘘みたい…。
葵はふてぶてしいと感じて、ベットに横になった。
いつのまにかねてしまったようだった。
何か綿みたいな物が鼻先にあたってくしゃみが出そうになった。
ゴソゴソと音がするので目を覚ました。
驚いた事にそこに居たのは天使だった。
「・・・・」
本当に驚いた時というのはこんな風に声もでないものなのかしら…。
「あーあ!見つけちゃったかぁ」
その天使は肩に矢を手に弓を持って、残念そうにして言った。
「あ…誰?」
葵は後ろに下がりながら聞いた。
「えー僕の名前知らないの?」
その少年は口を尖がらせて言う。
髪の毛はくるくるとカールして少し乱れているものの金髪で綺麗に見える。
「会った事なんてないじゃない」
葵は後ろに下がりながら電話の受話器を取ろうとした。
警察に連絡しなきゃ!この不法侵入者め!
少年はクスクス笑いながら言った。
「まぁわからなくても仕方がないよね」
葵は受話器を取って焦りながら番号を押した。
110番だ!
「そんなことしても無駄だよ。ほーら!」
その少年は受話器を空中に浮かせた。
葵は真っ青になった。こんな事人間にできないわ。
「だって僕は神だもん」
まるで心を見透かしたようにそう答えた。
唖然として葵は夢じゃないかと思い込もうとしてみた。
3「神話の世界」
その少年は葵が呆然としているのを見て笑った。
「あのねぇ、僕はエロスだよ。キューピッドって言う人も居るけどねー。
最近じゃみんな愛の神様みたいに拝んでるけどさ。僕はそんなんじゃないんだよ」
エロス…ってギリシャ神話の人じゃなかったっけ?葵はドキドキしながらその話を
聞いた。
「本当は恐いんだから僕って。恋をすると人がかわってしまうでしょ?
恋なんてするんじゃなかったとかいう人もいるしね。相手が自分に少しでも
辛く当たると怒っちゃうしさ」
人間を馬鹿に下言い方にむっとして葵は言った。
「それでなんですか?エロスさん」
エロスはその辺の参考書をみて、こんなの簡単だといって喜んでいるようだ。
サラ仕上げ
扮装が深刻……
僕はエロスだよ……
笑いが止まらん
同じくサラ仕上げ。
ヽ(`Д´)ノサラシage
皿仕上げ
225 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/10 16:43
差拉氏揚げ
226 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/10 22:43
砂螺資亞下
227 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/11 01:17
とりあえず>1はプロットではなく小説を書いてるつもりならその前に本を100冊読んで来い
228 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/11 01:54
まあまあやさしく見守ってあげましょうよ。
このスレ自体がおもろいから愛情上げ。
個人的に[?]と感じた部分と誤字。
1『空虚な〜』
・「どう考えても無駄だ」→無理だの方がよいと思われ。
・部活は〜体がたるみそうだったので→[たるむ]という単語に違和感。
・校舎は〜のでところどころ〜いるためドアを〜嫌な音がするので→文つながりすぎ。
2『舞い降りた〜』
・カバンを元気なく投げ入れた→元気ないのに投げるんか。
・アナウンサーは〜ようだ。→なんか文に違和感。
・『難民が〜国境付近に逃げている模様です。〜』→[逃げている]に違和感。(誤字・散りばっている→散らばっている)
・誤字・異時限→異次元
・何か綿みたいな〜出そうになった→表現がまわくどい。
・天使は肩に矢を手に弓を持って→肩で矢を持つのか。
・夢じゃないかと思い込もうとしてみた。→[夢だと〜]の方がよいのではないか。
3『神話の〜』
・誤字・馬鹿に下→馬鹿にした
・エロスは〜ようだ。→表現がまわりくどい(?)
とりあえず、色々気になる部分はあったのですが、個人的に特に気になる所を書き出してみました。
「着きました、殿」
さらに気まずくなってしまったのでようやく舎人の者の声がして由紀はホッとした。
屋敷に上がり、東の対に向かった。
「そなた今日は何かせわしないな。見苦しい」
途中兼家にそう言われて驚いた。不審がられたのかも知れないと兼家の顔を見上げたが、兼家の顔からは伺い知れない。
由紀は完全にばれた訳ではないだろう、ここでヘタに言い訳してはかえってまずいと思い直し、黙って兼家の後をついて歩いた。
「まぁ殿、いらしたのですか。あちらの御方様のこともあるから殿はお越しではないでしょうと女房とも申しておりましたのに」
御簾の奥から女の人の声がした。おそらくは道隆の母、つまり時姫だろう。
「ですからいろいろと見苦しくしていて恥ずかしいこと。ねぇ道隆」
部屋は綺麗に片付けてありどう考えても兼家が来るだろうと分かっていたような雰囲気である。
待っても来ぬ男をいかにも『待っておりました』と言わんばかりなのは女としてのプライドが許さないのだろう。『あなたのことなど気にもとめておりませんよ』と装うことが彼女の強がりなのではないか。 由紀はそんな風に感じ、少し時姫を哀れに思った。
パタパタと小さな足音がした。
「あれ道兼さまっ」
小さな足音を追いかけるように慌てた声がする。
「乳母や何を騒がしくしているの?」
時姫のそばにいる女房が声を掛けた。
「申し訳ございません。牛車の音がしたので道兼さまが起きてしまわれました」
「よいよい。随分大きくなったな」
兼家は鷹揚に笑い、駆けてきた男の子を抱き上げる。
「あれは誰?」
『弟の道兼、四歳だよ。今くらいの時期がかわいいんだ』
「へぇ」
『母上は今身ごもっているんだ。妹か弟ができるんだよ』
「へー、じゃ二人も子供産んでるんだ」
『ううん、妹がいるよ。十一歳。超子っていうんだ。それに三歳になる詮子もいるよ』
「じゃあ五人目の赤ちゃんかー」
「なにを言っておるのだ? ああ、お前は下がってよいぞ。今日はおかしいな」
兼家には独り言を言っているようにしか聞こえない。 由紀(と道隆)は追求されないうちにと早々に下がった。
由紀は試験のために暗記した事を思い出していた。
道兼は七日関白で、超子は冷泉天皇に嫁いだ人。そして詮子は道長を内覧にした人だ。
(ということは詮子は道隆の敵ということになる )
「あの、道隆。詮子ってさ……」
由紀は口ごもった。
何を言おうとしているのか。詮子は将来あなたの敵になるとでも?
『詮子に会いたいの? 可愛い子だよ。最近はおとなしくなっちゃったんだけどね』
道隆は由紀の心を知らず応える。
「道隆さま、御加減がよろしいなら姫様がお呼びしてとおっしゃっているのですが」
ちょうどその時詮子の使いの者が来た。
「ん、分かった行くよ」
由紀は半分上の空で返事をして、また考えに耽った。
まだ道長は生まれてないんだ。そのせいなのかな? 詮子と仲いいみたいだし。でもやっぱり未来のこと言っちゃダメなのかな? 歴史が変わったりするのかな? 歴史が変わったら……。
そう考えて由紀は背筋がぞっとした。
自分の存在が消えてしまったりするのではないか。出会うはずの二人が出会わなかったり、生まれるはずの子が生まれなかったり……?
(嫌だ!)
由紀は咄嗟に首を振って不吉な考えを振り払った。
「お兄様!」
ひょこっと几帳から顔を出した女の子はにっこり笑った。
『これが詮子だよ』
道隆が紹介する。
「昨日はお熱があったんですってね。大丈夫なの?」
枯色のうちき単衣姿で振分髪もすっかり伸びている詮子は少し心配げに由紀の顔を覗き込んだ。
「大丈夫みたいね。明日は出仕なさるんでしょう? わたくし明日は物忌みですの」
「そう。あのさ詮子ちゃんは……」
入内するの……? 思わず聞いてしまいそうになって辛うじて思い止まった。
こんな幼い子供に入内するなどと聞いても解るはずもない。遙か遠い将来のことだ。
何てバカなことを聞こうしたんだろう。
「どうなさいましたの? お兄様? 笛を聞かせてくださるって約束しましたでしょう?」
詮子は無邪気に懐いてくる。
それが由紀には何かとても不愉快だった。
遠い将来道隆の政敵になるかも知れないというだけだ。しかも今の詮子には何の罪もない。
だけど……。
「ごめん悪いけど今日は下がらせてもらうね」
詮子は急に寂しげな表情になった。
「わかりました。お兄様がそうおっしゃるなら。でも近いうちいらして下さいね」
「うん、またいつかね」
逃げるように東の対を走り去った。
『いったいどうしたのさ。嫌な子に見えるかな? 』
「そうじゃないよ。でもあんまり好きじゃない。好きじゃ……」
まぁ好き嫌いはあるだろうけど、と心の中の声は言った。
葵はイライラしながら言った。
「私は苦労してやってる問題集なんだから!」
エロスから問題集と参考書をひったくった。
「なにするんだよぅ」
むっとした様子で上を向いて言ってきた。
葵は自分が情緒不安定になっているんだと決め付けた。
エロスはブツブツ文句をつけてあぐらをかいた足を伸ばして、立ち上がった。
「あーあ!つーまんないよっ」
葵はプライドの高い人間だった。
人より完璧でありたい、テニスも勉強も全て…。
誰かに面白くない人間だと言われるのを許すような心を持ち合わせていなかった。
「さっきから黙っていると思って失礼な事ばっかり。私を甘く見るのは百年早い
わよ!」
エロスは窓に足をかけていたのを止めて怒っている葵を凝視した。
何なのよ…葵は心の中でそういい返した。
エロスはかけていた足をはずしながら笑いだした。
「君って面白いね!僕にそんな事言う子ははじめてだよ」
そう言ってまたケラケラと笑いだした。
「で?君の名前は何なの?」
まだ笑っている。
葵は躊躇した。
こんな変な男、それも羽の生えた天使さん…。
でもコレもきっと夢の一部か疲れているだけだわ。
夢…。躊躇したが、夢なら誰に弱みを見せても構わないだろうと考えた。
プライドが高いといっても人間にはその弱みを曝け出さないと生きていく事が
できなくなってしまう。
葵はその点では弱い人間だった。
本当は誰かに頼り切りたい……。
でもその願望をかなえる事はその高慢を捨てなければ一生、得られない。
それは葵にも解っていた。解りきっていた。だから辛かった。
「葵…」
そう呟いた。
「Λουλούδι mallow(葵の花)……か。なんか可愛い名前だね」
葵は少し笑った。
帰って欲しいというようにため息をついてみたり、腕を組んだりしてみた。
エロスはそんなことも気付かないで考え込んでた。
英単語と後、四字熟語を覚えなきゃ…。
葵は「早く帰って」と言おうと口を開こうとした。
でもそう言う前にエロスは窓辺からふわりと舞い戻ってきた。
「あのね。天上に連れて行ってあげるよ」
葵は首を横に何度も振ったのだがエロスは耳にも入らなかった様だった。
はらはらと雪が降り始めていることにもちっとも気付かなかった。
エロスは右手を斜めに掲げてクイクイっと人差し指を人を呼ぶかのように動かした。
葵は虚ろな様子でそれを見ていた。
真っ白の雲がひゅるひゅるとこちらに向かって降りてきた。
「さぁ、どうぞお嬢さん?」
エロスは茶目っ気たっぷりに笑いながら手を葵に差し出した。
葵は雲にのるのが少し怖くて躊躇したが好奇心もあって、恐る恐る足を雲の上に
のせた。
「怖がらなくても平気だよ!」
あまりに遅いのでエロスは少し怒鳴った。
思い切って雲の上に乗ると心が晴れるような気分になった。
葵が雲の上に乗るとエロスもピョンと飛び乗った。
「気を付けてね。飛ばされないようにして……そう肩にしがみついといて。
落ちたら…?そりゃあ命の保証はないよ。でも僕は死なないから関係無いや」
エロスはそうさらっと言った。
葵はむっとした。
「その言い方はないんじゃない?」
エロスは後ろにしがみついている葵を見た。
葵は目をそらさずにじっと見つめ返した。
「第一なんで私の家に勝手に上がりこんだの?」
葵はなじるようにして言った。
「しょうがないなぁ……。内緒だけどねー……。アポロンにいっちゃだめだよ!」
エロスは頭を掻きながら言った。
「アポロン?アポロ21号の事?あー本当は地球に行ってなかったんだってね」
エロスはまたクスクス笑いながら言った。
「いやおかしいとは思わないよ。最近じゃあキリスト教が主流みたいだし」
葵は幼い様子だったのに対して宗教関係の事を言われて驚いた。
「雲の上じゃなんだしー……あそこにアイアイエ島があるからあそこで話そうか」
エロスは方向転換してその島に向かった。
アイアイエ島は小さくて人も多くないようだ。
二人は木の側に降り立った。
「ここはあんまり来たくなかったんだ。キルケーって知ってる?」
葵は知らないと、答えた。
「オデュッセウスって知ってる?まぁ英雄扱いされてるヤツだよ。トロイア戦争
のあとキルケーといろいろあったんだよ。ポセイドンっていう海の神がいて
怒りをかったんだよオデュッセウスは。まぁそれも大昔の事だよ。彼はもう死んだし
あの戦争も馬鹿げた話だけどー」
エロスは面白そうに話したが葵には面白くなかった。
「論旨がズレてるわよ」
少し怒った様子でそう言った。
「ああ……アポロンがさぁ。僕の事チビって言ったんだよ!そりゃあ僕アポロンに
比べれば凄くも無いし容姿も権力も劣っているよ。でも馬鹿にされるなんて許せない!」
エロスは拳を握り締めながら叫んだ。
アイアイエ島から潮風が吹いている。
夕方のはずなのにカラッとしていて修学旅行の沖縄の時のようだった。
木の幹にもたれるようにしてエロスの話を聞いていた。
「だからアポロンを出し抜こうと思ったのさ!」
エロスは木の根元に置いていた矢入れを取り出した。
「この矢は人をどうしようもないってほど好きにさせる恋の矢だよ。
で、こっちの矢は人を大大大大大嫌いにさせる矢だよ」
晒せ!age
242 :
出会いNO1:03/02/23 09:04
葵はその矢を受け取ってまじまじと見た。
その矢は普通の矢だったが、尾の部分の装飾が少し違っていて好きにさせる矢は
白い色の羽で、嫌いにさせる矢は黒いくすんだ色だった。
「それでその矢をどうしたの?」
葵は口早に言った。
聞こえるのは波が浜辺を打ち付ける音と微かに漂う妖気も漂っていた。
「僕に出来るのはこれしかないもんね」
悪戯っぽく前髪を掻き上げて矢を握る手を強めて言った。
「あんた論旨ズレてるわよ」
葵はイライラしていた。
小さい子というのはこんなふうに大人を焦らす。
言うべき事も言わないし、やるべき事もすぐにしないか、失敗するだけ。
葵はそう思いながら自分も世間一般ではまだまだ子供と称されている事に気付き
なんともいえない気分になった。
こんな自分は嫌いだった。
何かに対してどうしようもない位に客観的で冷めている。
物事に対して解りきったフリをする。
いつからか自分はこうなってしまった。
昔は純真な心を持っていたという気もするがそれも確かではないと感じられ
確信は泡のようにすぐに消えてしまう。
何かに対して自分が何を出来るっていうのだろうか…。
「でね、アポロンにこの好きにさせる矢を撃ったんだ。ダフネっていう子とね。
でも僕はすぐにその子に嫌いにさせる矢を撃ったんだ。アポロンは捕まえたくなって
追いかけるけどダフネは嫌いだもん。まぁ失恋だよね。まぁ昔の事だけどね」
葵はエロスの言う事を遠くで聞いていた。
「ふーん。神様でもそんな風になるんだ。でもダフネって子もかわいそうね」
非難するように言ったのでエロスは慌てて弁論した。
「いやでもさぁ。侮辱されたんだもん!腹立つよ」
外はすっかり暗くなっていた。
波音は微かに聞き取れるくらいになってしまいまわりの景色もおぼろだった。
「あたしもう帰るね。もう親も帰ってるだろうし」
はっと気付いて葵は立ち上がった。
ふいに帰ったら学校のことを言わねばならないことを思い出しひどく拒まれた。
行きたかったな……。豊郷高校……。
周りからは鳥か何かの泣き声がした。
辺りは真っ暗で葵はエロスがいないので慌てた。
こんなところでエロスとはぐれたらどうやって帰ったらいいのだろう。
でもパスポートは使ってないから外国ではないよね、国内だよねと、言い聞かせる
事しかできなかった。
「ほらおいでよ」
エロスの声がした。
良かった!
いるなら側にいてくれないと困るわ。
文句をいうのをこらえて声のする方へ向かった。
それと同時にいい匂いがしてきた。
4「キルケーの魔法」
二人でその匂いのする方へ行くとこじんまりとした建物があった。
神殿のようにも見えるがどこか違った感じだった。
「僕、おなか減ったし食べさしてもらうよ」
そう何とでもないとでもいう風にエロスはドアに手をかけた。
「馬鹿ね!キルケーって魔女なんでしょ?だったら触らぬ神にたたりなし、
っていうもん。帰ろう」
しかしエロスはうるさそうにして手を払って言った。
「うるさいなぁ。帰りたいなら帰ったらいいじゃん。でもお腹すいたから僕は
絶対動かないよ。雲も呼び出さないもん。入りたくないなら入らなくてもいいよ。
でもこの辺危ないと思うよ。獣とかね。こっちの世界ではごくごく普通の事だよ。
そんなに震えなくっても大丈夫だって。てゆうかさ、君たちの世界が狭いだけだよ」
エロスは鬱陶しそうに言った。
「元々は神話の世界と君たちの世界は同じ空間を共有していたんだ。でも時が経つに
つれて人間は色んな物を捨てたんだ。僕達の世界は君たちの世界を厭うようになった
のさ。そうして今ではこんなふうにして全くの別の物になったんだよ」
葵は少したじろいた。
そんなことがあるのだろうか?
「じゃあ、なんで私を連れて来たの?」
「アポロンがまたちびちび言うんだもん」
248 :
名無し物書き@推敲中?:03/03/01 14:36
ageたろー!ww
ageで書くなと詰ったバカが、今度はただのage荒らしか。
そんなんだから駄目って言われんのよ。
たくさんの人に読んでもらえますように。w
唖然として葵は物言えぬ状態になってしまった。
エロスはもういい?と言いた気に首を斜めに少しかしげた。
「じゃ、私に矢うとうとしたのね?」
「うん…あ、でも痛くないんだよ。死なないしね。アポロンはキレイな子しか
恋しないから、まぁ名誉かもね」
そういって面白そうに笑うのですっかり葵は気を悪くした。
なんだか嫌な言い方…。
「ダフネはどうなったの?アポロンに愛されすぎて殺されたの?」
葵はぶっきらぼうに聞いた。
ドアの中からいい匂いがこぼれんばかりに漂う。
「ううん。ダフネは嫌で堪らなかったんだね。お父さんにお願いして月桂樹にした
んだ。あ、知ってる?ダフネは河の神ぺーネイオスの娘なんだよ」
そう言って思い出したように笑いだした。
ほんと、たくさんの人に読んでもらえますように。くすっ。
253 :
名無し物書き@推敲中?:03/03/07 22:23
age
agaっとけ。
255 :
名無し物書き@推敲中?:03/03/10 22:17
age
256 :
名無し物書き@推敲中?:03/03/10 22:32
描写って腹立つよな
小説の醍醐味かしらんけど
一般人にはつまらん筈だよな
本当はプロ狙う人間でも描写不要にしたいよな
それが理想だよな
俺も頑張るから
お前らもちょっと頑張れ
保守してみたり
258 :
名無し物書き@推敲中?:03/04/14 22:08
保守。
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
261 :
名無し物書き@推敲中?:03/05/11 00:59
保守(´3`)
>1さんもう来ないのかなあ
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
(^^)
「ねぇ、エロス。キルケーの料理食べたら、動物になるんじゃないの?」
キルケーとその侍女達は二人に気付かず料理を作ったりしている。
島の周りに霧が現れた。
鳥の気味の悪い鳴き声が島中に響き渡っている。
砂浜には座礁した船の残骸があり、その乗組員が動物になったのかと思うと
恐ろしかった。
「帰ろう!そういう好奇心が、ちびって言われる所以なのよ」
エロスは聞こえない振りをしていた。
霧はより深くなりつつあった。
だんだん空模様は暗くなり、やがて雨が降り出した。
「あー。雨よ。帰ろうってば!」
「だめだよ。僕の羽を御覧よ。濡れると上手く飛べない。ましてや重い君を抱いて
飛べないよ」
エロスはびしょびしょに濡れてしまった羽を残念そうな振りをして言った。
「そんなぁ!風邪引くわよ」
「僕一人なら帰れるんだけどなぁ」
その言い方がいかにも本当にしそうなので葵はエロスの服の裾を掴んだ。
「な、な、な、何、言ってんのよ!」
エロスは本格的に降りだした雨を恨めしそうに見た。
海が荒れているのが霧の中でもよく解った。
渦を描くように波が踊りだし、まるで台風でもきたようだ。
「あーあ、随分、荒れてるなポセイドン(海と泉の神)も」
「ポセイドン?」
葵は今晩は帰れないことを悟ると、自棄になって聞いた。
「海と泉の神様さ。まぁ気分屋で短気だよねぇ。アポロンもそうだけどさ。
ゼウス(全知全能の神)の弟。ま、実際は兄だけど」
「兄なの?だってゼウスの方が偉いんでしょ」
「しーっ!そんな事、大きな声で言わないの!」
エロスは思わず大きな声で言ってしまった。
「ポセイドンを怒らせちゃ!巨神族クロノスはゼウスのお父さんだけどさ。
まぁ子供を食べたんだよ。子供に殺されるって言われててね。で、その通り
末の息子、ゼウスが兄や姉を助けたわけさ。だからゼウスが偉いの!」
エロスは必死でそう言った。
そんなこといったって、試験には出ないわそんな問題。
葵は無関心だった…。
エロスが力説している間、キルケーが物音に気付いたのだろうか、
近くへ寄って来ていたのだ。
「エロス!キルケーが…」
キルケーは確かに美人だった。
艶めかしそうな体つきで、こちらを見下ろしていた。
「まぁ、誰かと思ったら!エロスじゃない」
キルケーはふふと、笑って扉の側に立っていた。
270 :
1 ◆RynMFnj/O2 :03/08/07 19:03
えっと、本当に書いてなくて御免なさい。
頑張ります。
とりあえずコレだけは上げさせてもらいます。
271 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/07 19:12
272 :
名無し物書き@推敲中?:03/08/07 20:16
>1さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!age
>>272 ありがとうございます。
頑張ります。
あと、IP(?)も忘れてしまったので1 ◆RynMFnj/O2 で
使いますのでよろしくお願いします。
「ん…なんかポセイドン怒らせた?」
エロスは潮の香りをかんじていた。
「そうねぇ。神殿の娘をくれって言われたのを断ったからかしらね」
キルケーは気にせずにそう言ってのけた。
「あら、可愛い子ね。彼女なの?」
「違うよぉ!葵だよ。まぁ野暮用でね」
エロスは少し照れながら言った。
まさか、アポロンをからかう為とは、あまりにも稚拙すぎる気がした。
「お入りなさいよ。二人とも。…料理食べる?」
「いいです!私たちは」
葵は焦って、そう叫んだ。
「ま、嫌ね。私、もうそんなことしないわよ」
「だって、私、動物なんかに変身するの嫌だもの!」
「葵ちゃんったら。ふ…ふ…、少なくとも女の子にそんなことしないから
安心なさいよ。エロスも怒らすと恐いから何もしてない料理よ」
そう言うとキルケーは葵を優しく抱いた。
「濡れてるのね。エロスも羽が…」
そう言いながら二人を神殿続きの部屋―ここがキルケーの生活場というわけだが―
に案内された。
こじんまりとした室内だが見晴らしを良くしたり、嗜好を凝らしたもので、
かなり広く見えた。
「外から見たら小さかったのに…中は広いんですね」
エロスとキルケーはくすくす笑い出した。
「ふふ、葵ちゃんったら。もう騙されてるのね。これは一種の魔法よ」
「そう、僕とかは解るんだけど。人間には解らないのさ」
二人の会話は担任に似ていた。
馬鹿にした言い方。
自分を疎外する疎外される感じ。
「さぁ、食事なさい。ご馳走だから」
キルケーは妖しい笑みでそう答えた。
食堂へと連れられた。
丸い机に麻でできたような敷物。
側には見た事の無い植物が生けられていた。
葵はお腹がすいていたが、どうしても食べる気にはなれなかった。
「私、やっぱりいいです。食べません!」
突然、不安になることは、何もこれが初めてなわけではない。
模試の時、ライバルの模試の点数を覗き見した時…将来に対するこの気持ち。
時々、全てを投げ出したくなる…誰もが、そう思っているのではないのだろうか。
「何、言ってるんだよ!おいしーよ」
エロスは苦悩に満ちている人間にそう言うとスープを飲み干した。
「あらあら、エロス。泣いてるわよ」
瞳からこぼれる涙は、何故流れるのだろう。
淡い青春だと、だといって笑える日が来るのなら、耐えることができるのだろうか。
それとも、生命を断ち切るのが一番、良好なことなのだろうか。
一応突っ込んでおく
×嗜好を凝らす
○趣向を凝らす
嗜好は凝らさないよん
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
279 :
名無し物書き@推敲中?:03/09/12 18:28
キルケーはあらあらと言って木綿のハンカチを渡した。
木綿の様なのだがゴワゴワしているまるで麻のようなハンカチだった。
「エロス。どうするのよ。葵ちゃん、泣いてるわよ」
キルケーはおろおろしながら言ったが、エロスは全く気にせず食べつづけていた。
「動物にされたいのかしら?エロス」
そう言ったとたんにエロスの手はピタっと止まった。
「解ったよ。葵、泣いても改善はしないんだからさ。今は野となれ…ってとこじゃない?」
エロスはイライラしながら早口に言った。
「私、不安だよ。何を最初にすればいいのかわからないよぉ」
「涙ってものはねぇ、葵ちゃん。誰でも流せられるってもんじゃないのよ」
キルケーは頭を掻きながら言った。
波はいつの間にか穏やかになっていて、潮の音も聞こえない。
「涙を流す分だけヒトは成長するのよ。誰よりも強くなりたいという人間の欲望からね」
キルケーは窓を閉めながらそう言った。
冷気が辺りに立ち込めていたのだ。
「つまりさ。僕らは涙は流さないわけさ、欲望のためにはね。
僕らはもう成長する必要なんてないからね」
「どういうこと?」
葵は見下された様でむっとして言った。
「だからぁ。人間が涙を流すのって成長するためじゃないか。僕らはしないって言っただけさ。
僕らは相手のために流すのさ」
280 :
名無し物書き@推敲中?:03/09/12 19:31
「それって責任転嫁じゃない?」
「相手がした事に対しての涙さ」
葵はため息を深くついた。
まるで、夢のようだ。
時分のために涙を流す事は確かに事実かもしれない。
けれど、相手の行為の改善の余地あることに対しての涙をだなんて正直、がっかりだ。
「で、どうするのよ?泊まってくの?雨はもう止んだし。オリンポスへ帰る?」
キルケーは侍女に食器やらを片付けさせながら言った。
「う…ん。帰るよ」
エロスはお腹を抑えながら言った。
「美味しかったよ。葵も食べりゃいいのにな」
「私、家に帰ります!」
「何でさぁ。アポロンに…。んー。もういいかなあ」
エロスはそう言いながらあくびをした。
「眠いから早く帰ろうっと。じゃあね、葵」
「じゃあって!私どうやって帰ったらいいのよ?」
キルケーは首を振った。
「私は何もしないからね。もう寝ないと。体を壊すわ」
281 :
名無し物書き@推敲中?:03/09/23 13:29
キルケーは鏡に顔を写して、頬を触った。
「じゃあ、オリンポスへ……」
エロスは羽を整えながらため息混じりに答えた。
「どうして!私は家に帰りたいのにー」
葵はくたくたになっていた。
家に帰れるのは何時なんだろう。
エロスと葵は手をとって空へと舞い上がった。
下にはキルケーの宮殿が綺麗に見える。
モスクとかの教会とは違うのだが、とても神々しい。
「落ちないで。つかまっててよ」
キルケーは地上で二人を見ながら言った。
「全く、料理を食べてくれりゃ良かったのに。あたしは女に興味はないんだからね」
エロスは急カーヴして飛んでいく。
「きゃあ、落ちる!」
葵が叫んでもエロスには聞こえないようだった。
「やあ、キミはどっから来たの?あっちはキルケーの宮殿だよ」
鳥の親子に語りかけているように見えた。
ただ、何かしら彼らは言語を話せるのだ。
282 :
名無し物書き@推敲中?:03/09/24 21:32
こ の 文 章 を 見 た 人 に は 、 身 の 回 り で 、
3 日 後 に 何 か と て も 悪 い 事 が お き ま す 。
悪 い 事 を 起 き な く さ せ る た め に は
こ れ と 同 じ 文 を 2 日 以 内 に 、
違 う 所 に 5 回 書 き 込 ん で く だ さ い 。
5 回 書 き 込 ま な か っ た 女 子 中 学 生 が 、
書 き 込 み を 見 た 後 、 3 日 後 に 死 に ま し た 。
蒼く澄みわたった空をかう翼は美しかった。
ひらひらと時おり抜ける羽がこそばかった。
「さっ、ついたよ」