リレー小説「ハードファンタジー」  

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768名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 06:34:50
博士は机の抽出しから拳銃を取り出した。
769名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 07:33:24
「…もううんざりだよ。僕はこのスレから脱出するよ。」
そうヘイドレクはいった!
「…ひぎい、うがあ!」
ラスボスのヒギイウガア三点リーダビックリマンはいかった!
「…ヒギイ、ウガア!ここじゃあ、オイドンが神でごわす!いじめてやるわい!」
ヘイドレクは仲間を呼んだ。
「777、レス番>>777よ、助けてくれ」
770名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 14:04:28
「これ!ジェイソン!オメ様なにやっとるだよ!」
唐突に響く、中年おばんの声。
へ?ヘイドレクが斧を振りかざしたまま振り向くと、そこに立っていたのは古ぼけたセーター姿の
田舎じみたおばんがいた。
「こんなところで何しとるだよ。早く田舎に帰ってキャンプ場で仕事に精出すだよ。
オーナーさんもジェイソンがいないんでこまっとるだよ。」
「違う、俺はジェイソンなんかじゃない!俺の名はヘイ・・」
「だーかーら、おめはワシのせがれのジェイソンだ!でかい図体してマサカリ振り回すキチガイといえば、
おめしかいないべさ。何だ、面もかぶらねぇで。おめの仕事と言えばキャンプ場で乳繰り合うエロガキを
成敗することだべ?お前が街から消えたせいですっかり治安が乱れ、みんなこまっとるだよ。」
そういいながら、おばんはヘイドレクにホッケーマスクを被せた。
思わぬ展開に唖然としながらもヘイドレクは、
「このおばんについて行って、ジェイソンとやらになりきるのも悪くないか・・・」と内心思った。

「お母さん、ごめん!これから田舎に帰って親孝行するよ!」ヘイドレクは作り笑いをしながら言った。
「そうか、じゃあまっすぐ田舎に帰ろう!飛行機の切符もとって有るべな。来月、四月の13日は金曜じゃ!
早速キャンプ場で若い衆を成敗するんじゃぞ!」

手を取り合ってアメリカの田舎町へ向かう二人を、博士は唖然としながら眺めていた。
771名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:48:25
「…ジェニファー!す、凄いよジェニファー!」
クリスタルレイクの湖畔に停車する64年型プリマスの中で、運転席バケットシートの上に座るテッド
は思わず喘いだ。膝までずり下ろされたテッドのジーンズの上に縋りつくようにジェニファーは突っ伏
している。そしてジェニファーの肉感的な唇はテッドのいきり立つペニスを上下しざらつく舌はテッド
の亀頭を包み込むように刺激した。ジェニファーの口元は自身の唾液で溢れ返り、唇が肉茎を這うたび
に、イヤらしくクチュクチュとした粘液質の音を発した。
カーオーディオからはマービン・ゲイのマーシーマーシーミーが流れる。二人の若者の汗と息吹に満ち
た車内はジットリと湿った空気に満ち、フロントガラスは擦りガラスのように白く曇った。
「ジェニファー!…ボク、もう駄目だよ、もうイきそうだよお〜」
テッドは情けないうめき声をあげる。その声を聞いたジェニファーは上目遣いにテッドを見て意地悪く
微笑んだ。そしてもう一度テッドのペニスを深くくわえ込むと、喉奥と舌の表面で亀頭を挟み込み、
首全体を大きくグラインドさせてテッドを思いっきり苛めてやった。
「ああっ、ジェニファー!素晴らしいよ!…も、もう駄目だあっ!」
バケットシートの上で大きく背中を反らせたテッドは、腰全体を痙攣させて絶頂に達し、ジェニファー
の熱く湿った口腔の中に思いっきり射精した。
生臭い大量の精液が、ジェニファーの喉の奥に向かって流れ込み、思わずジェニファーはむせ返ってし
まった…。

ヘイドレクは火星コロニーに向かうのも忘れ、巨大な斧を片手に64年型プリマスに這い寄っていった。
夜露に濡れた草がヘイドレクの服を濡らす。ヘイドレクはそのジットリとした感触に少し嫌な感じを覚えた
が、気にしないように黙って這い進む。
夜霧の中、プリマスフュリーの車体は、雲の切れ間から差し込む僅かな月明かりを反射して赤く輝く。その
車体はぎしぎしと揺れ、中からはアイズレー・ブラザーズのトラックオブライフが聞こえる。
そして車の中では、メロンのような乳房をぶら下げた金髪の娘が、グリースでダックテイルスタイルに固めた
革ジャンの男の上に跨り激しく喘いでいた。
772名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:49:03
車まで数メートルの距離…そこでヘイドレクは這い進むのを止めた。そして地面スレスレの位置から
見上げるように車内の様子を観察する。
薄く差し込む月明かりのなかで、十代の娘の柔肌は滑らかな曲線を描きながらわなないた。そしてま
だ桃色の乳頭が緩やかに盛り上がった乳房の上で弾んだ。そしてそのたわわな乳房を、節くれだった
男の手が無造作に這い回り、美しい乳房の形を崩す。そのたびに若い娘は歓喜の声をあげ、跨った男
の腰の上で大きく跳ねた。

(…ち、ちくしょう。こんないい女と…イチャつきやがって!)
ヘイドレクは心の中で毒づいた。しかしヘイドレクの股間は素直だった。自重で地面の草に押し付けら
れた貧弱な包茎ペニスは徐々に熱を帯びる。そしてジェニファーの肢体がヘイドレクの視界のなかで蠢く
度に膨張は始め、ジェニファーの甘い呻きが車内から洩れ聞こえるたびにその硬度を増していった。
ヘイドレクは僅かに腰を浮かせた。そうしなければ自分の貧弱なチンコが自重で押し潰されてしまいそう
だったからだ。

…嫉妬交じりの熱い視線でジェニファーの痴態を覗き込むヘイドレク。
その視線の中でジェニファーは何度も絶頂に達し、快楽に表情を歪めた。そしてテッドの肩に縋りつくと
更なる愛撫を求め、悲鳴に近い声を上げる。

…いつしかヘイドレクは自分のズボンのジッパーを降ろしていた。そしてブリーフの裾から自分の貧弱包
茎ペニスを引っ張り出すと、手にしていた斧を放り出して手の平で擦り始めた。
773名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:49:56
「おおっテッド!あなた素晴らしいわテッド!…もっと、もっと私を深く貫いてっ!」
「ジェニファー!…ああっ、君の中はとっても熱いよっ、ヤケドしてしまいそうだよっ!」
車内で絡み合う二人はクライマックスへ向けて激しく上り詰める。プリマスの車体もより激しく揺れ
始め、サスペンションの軋む音が湖畔の林の中に響き渡る。
そしてその数メートル先の地べたにうつ伏せるヘイドレクもまた最高潮へ向かって右手を激しく動か
した。ちんこが地面に接するたびに草の葉や茎の先端が亀頭をチクチクと刺激し、今までのオナニー
ではありえないような快感がヘイドレクを襲う。草に滴る濡れた夜露の冷たさもまた、ヘイドレクの
性感をより高めた。

「ああっ!テッドッ!テッド〜ッ!」
ジェニファーはついに耐えられなくなり、すすり泣くような声を上げて絶頂に達した。そしてほぼ同時
にテッドも天国へたどり着き、二人は大きく痙攣しながら互いの肉体に縋りついた。
ジェニファーの子宮の奥壁に向かって、テッドの熱い迸りが吐き出された瞬間、その数メートル先で
マスターベーションにふけるヘイドレクも絶頂に達し、地面に向かって黄ばんだ精液を吐き出した。

…快感の余韻に浸り車内で喘ぐ二人。互いの目を見詰め合うと、少しはにかむように微笑み、もう一度
肩を寄せ合うと熱いキスをかわした。
その瞬間、
「…ガサッ!」
という物音が外から聞こえた。
ハッとする二人。…緊張して互いを見つめあい、そして曇った窓をセーターの裾で拭うと外を見た。
そして数メートル先でチンコ丸出しで仰向けに横たわる男を発見した。
「キャアッ!」
「だ、誰だテメエッ!」
二人はその人影に向かって叫んだ。そしてテッドは急いでイグニッションキーをオンにしてエンジ
ンを始動させ、ライトを点灯させた。
774名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 17:50:53
…オナニー直後の開放感に浸り星空を見上げていたヘイドレクはハッと我に返った。そしてプリマス
のエンジン音が響き渡った瞬間
(み、見つかったっ!)
と悟った。急いで起き上がろうとするヘイドレク。そしてそのヘイドレクの背後からけたたましいエ
ンジン音を上げるプリマスが急発進した。
(や、ヤバイ、逃げろっ!)
ヘイドレクは立ち上がり、林の中へと逃げようとした。
しかし、膝まで下ろしたズボンとブリーフが脚に絡まり、そのままうつ伏せになって地面に転がった。
プリマスは情けなくスッ転んだヘイドレクのすぐ横を凄い加速ですり抜けると、そのまま林道に向か
って一直線に駆け抜けていった。

(…た、助かったぁ。良かった、見つからなくて…)
ヘイドレクは一安心し、大きく溜め息をついた。しかしその瞬間、自分の股間に凄まじい痛みが走った。
「…ぐうっ」
思わず唸るヘイドレク。そして自分の股間を見下ろした。するとそこは鮮血で真っ赤に染まっていた。
そして、自分の股間にあったはずのチンコがない!
…一瞬、事態がわからず混乱するヘイドレク。

地面には、血まみれのマサカリが転がっていた。その血塗られた刃に、ヘイドレクの包茎ちんこの断片
が無残な姿で食い込んでいた…さきほど転倒した際に、マサカリの上に倒れてしまったのだ。

そして、自分のチンコがマサカリによって…

「うわああーっ!」

誰も居ないクリスタルレイクの湖畔で、ヘイドレクは一人絶叫した。
775名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 18:02:46
泣きながら家に帰ってきたジェイソン、いや、ヘイドレクを、
オカンは虐待した。

ヘイドレクの尻をひんめくり、皮ベルトでベチ!ベチ!ベチ!
柔らかな尻の皮膚は真っ赤にはれ上がって剥げ、滲み出す血が股間の血と交わって
床をぬらしてゆく。
おっかさん、僕は悲しいよ。
ニセジェイソンであるヘイドレクは、自身の本当の母親を思いだしながら涙にくれた。

一方、森の中では真のジェイソンが甦り、ヘイドレクが取り落とした斧を拾い上げた・・・
776名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 18:13:39
※業務連絡:
 そろそろDAT落ちするんじゃね?
 誰か次スレ立ててくれる?
 スレタイは別に何でもいいけど
 ”ヘイドレク”の名前を冠しておいてくれれば有り難い。
 立てたら誘導もお願いね
777名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 18:17:18
>>769
しかし777は君を助けなかった。
778名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 18:19:32
ヘイドレクは布団の中で泣いていた。
しかし心の中には安らぎがあった。
虐待されてもいい。僕には偽者であっても、母さんができたんだ。
おんぼろ小屋の垢じみた布団が、体温でしだいに温まってくる。
涙でぬれた枕も乾きだした。
第一、チンチンがなくなった僕は、もう下卑た欲望とは無縁の体なんだ。
これからは、この怖いお母さんといっしょにつつましく生きていこう。


一方、業務連絡の後クリスタルレイク湖畔を散歩していた776は、甦ったジェイソンに
遭遇してしまった!
ヘイドレクの股間の血と精液で汚れた斧がキラリと光る・・・
779名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 19:57:51
>>776は、死んだ。
ジェイソンに湖畔で遭遇しただけで頓死した。心臓発作だった。
ああ、憐れ>>776>>776の登場および死はこの物語になんの影響も与えなかった。
>>776の死体は人知れず腐敗して森の養分となった。
780名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 20:14:38
そして>>779のカキコはただちに修正された

能天気にクリスタルレイクの岸辺を散歩する776の背後にジェイソンの怪しい影が這い寄った。
776は口笛を吹きながら夜空を見上げ、咥えたタバコの煙を大きく吐き出した。
「ううんっ、いい気持ちだなぁ」
お気楽な776に向かってジェイソンは一歩一歩その歩みを進める。
マスクのしたで鈍く光る目は、776の頭、そして首筋を捉えて離さない。右手に握り締めた巨大な
マサカリが月明かりのなかでギラリと光った。

鋭く尖った刃の先にはヘイドレクの血が滴り、まだ乾かぬそれは音を立てずに岸辺の砂地へと雫を
垂らした。

…一方、チンコを半ば切断し大量出血に喘ぐヘイドレクは心ある医者によって千切れかけたチンコを
なんとか繋ぎとめた。切断される前に比べて3cmほど短くなってしまったが、とりあえずチンコを
取り戻したのだ。
ヘイドレクは随喜の涙を流して医者に感謝の意を述べ、そして下腹部でだらしなく垂れている自分の
チンコを涙ながらに見下ろした。
いびつに繋がったために大きく右に折れたようになったチンコは、繋がった部分にケロイド状の醜い
傷跡を残している。やはりズタズタに裂けてしまった亀頭部分も無理矢理繋げたために複数の節が
重なったような歪なものに変わってしまっている…ただ一つ嬉しかったのは、医者がサービスで包茎
の皮を切除してくれたことだ。それがヘイドレクをとても喜ばせた。思春期以来ずっと包茎に悩まされ
続けたヘイドレクだったが、今この瞬間、自分が大人になった気がした。

「…お医者さん、いつになったらオナニーできますか?」
ヘイドレクは手術用具を診察用カバンにしまい込んでいる医者に尋ねた。医者は手をとめ、ヘイドレクに
向かって微笑みかけると優しい口調で言った。
「まあ、今は無理だよ。やったとしても痛いはずだから。2〜3日ってところじゃないか?」
781名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 20:15:16
「ありがとうございますお医者様っ!」
突然部屋の隅から母が言った…正確には義母であるが。
「ヘイドレクのちんこは治るんですねっ!ありがとう!…ありがとうっ!」
義母は泣きながら医者に縋りついた。医者は困ったような笑顔を浮かべてヘイドレクの方を向いた。
ヘイドレクも困ってしまい、少し苦笑いした。

「…ふうっ!今夜の月は、なんと素晴らしい月なんだ…」
一方776は自分に危機が迫っているとも知らずに湖面に映る月影をながめて溜め息をついた。
うっすらと靄のかかる湖面には、滲んだような満月が波間に揺らぎながら映っている。
春先にしては蒼みかかったその輝きは、季節はずれの虹彩を岸辺の新芽に投げかける。
まだ開ききらぬその蕾たちは、来るべき春に向けて今はひっそりと寝息を立てているようだ。
そんな中で776はゆっくりタバコを吸い、そして虚空に煙を吐き出した。

…ジェイソンはさらに776に近寄った。ラバーソウルのスニーカーは完全にジェイソンの
巨体の足音を消し去り、776はジェイソンの存在に全く気付いた様子は無い。
マスクの下のジェイソンの口元が歪んだ。そして黄ばんだ歯を剥き出しにして声も立てずに
笑った。その目は大きく見開かれ、絞り込まれた瞳孔には強烈な殺意が漲っていた。

ジェイソンは右手に握ったマサカリを大きく宙に掲げた。そして湖面の月影を眺めて立ち竦
む776の頭上に向かって一気に振り下ろした!
782名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 20:16:06
渾身の力で振り下ろされたマサカリはなぜか虚しく空を切り、ザクリという鈍い音を立てて
岸辺の砂地にその刃を突きたてた。
慌てるジェイソン、しかし彼の目の前に既に776の姿は無かった。

驚いたジェイソンは周囲を見回した。
(…い、いない。ヤツは一体何処へ?!)
焦るジェイソン…先ほどのテッドとジェニファーをヘイドレクの邪魔立てにより殺しそこね、
逸る心を抑えきれなくなったジェイソンは思わず冷静さを失った。

「…はははっ!私はここだよ明智君」
突然、ジェイソンの頭上から声が響いた。
驚いて見上げるジェイソン…そこには巨大な熱気球が浮かんでいた。そしてその籠から垂れ下
がるロープの先端に…776がすがり付いていた。

「…ジェイソンに化けても無駄だよ明智君。君の正体は香港CIAの手によってとっくに暴か
れているんだからね!」
そういうと776は高らかに笑った。そして懐からタロットカードを取り出すと、それをジェ
イソンこと明智小五郎のマスクの眉間に投げつけた。

「シュッ!」
と軽やかに空を切る音とともに「デス」のカードがジェイソンのホッケーマスクに突き刺さり
砕いた。砕け落ちたマスクの下から現れた顔は…紛れも泣く名探偵・明智小五郎であった。

「君は完全に包囲されている!」
突然巨大なメガホンの声が静かな湖畔に響き渡った。そして同時に林の木立の方々から、ジェ
イソンこと明智小五郎に向けて無数のサーチライトが放たれる。さらにどこかに潜んでいた
らしい大量の装甲車が一気に湖畔に押し寄せ、中から数十人もの機動隊員がワラワラと湧き出
てきた。
783名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 20:17:44
「しまった!」
明智小五郎は思わず呻いた。そしてクリスタルレイクの方を振り返った。湖に飛び込んで
逃げようとしたのだ。
が、遅かった。アクアラングを背負った無数の自衛隊員が散弾銃をこちらに向けながら湖
から上がってきていた。

「もう終わりだよ明智君!…これから我々は火星のコロニーに向かうのだ!さらばだ明智君」
そういうと776は気球に乗り込み、夜空に向かって消えていった。
気球の籠の中には、美しい助手のキャサリンとメアリーが上半身裸で巨乳を776に擦り付け
て悶えていた。776は彼女達の愛撫を受けながら二人の尻を丁寧に撫で回し、指先をヴァギナ
に挿入した…お楽しみはこれからだよ明智君、地上で確保され暴れる明智君に向け776は満面
の笑みでそう叫んだ。

「…か、火星コロニー?」
痛むちんこを庇いながらヘイドレクは尋ね返した。
「そうですヘイドレク。きみは火星コロニーに行かねばならない義務があるのです」
黒ずくめのスーツを着込んだ連邦政府の役人が書類を片手にヘイドレクに向かって言った。
「どういうことです?なぜウチの息子が火星コロニーに…」
義母であるドロシーが役人達に食ってかかった。役人はドロシーに目を向けると微笑んで言った。
「貴女も一緒ですよ、ドロシー・ヘイドレク」
784名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 21:10:02
明智が確保されてもがいている。みなの興味は彼に集中している。
一方、騒ぎに目覚めたか、森から何者かが現れた。身長は2m近く、身にまとった薄汚れた衣服の上からでも、
筋肉をまとった重厚な肉体が迫力を見せている。穿いたジーンズの股間は大きく盛り上がり、
租チンのヘイドレクなどとは比べ物になぞならない。しかしその顔・・・
いかなる骨格がその下にあるのか、どのような事故にあったのか、この世のものとも思えない
おぞましい形相だ。人間であるのかも疑わしい。

その大男は、ニセジェイソンの明智が被っていたホッケーマスクを見つけるや
接ぎなおして被り、砂に突き立ったままの巨大な両刃斧を拾い上げるや
二三度大きく振りかぶって具合を試す。

かれこそ真のジェイソンだった!

ヘイドレクは義母と火星コロニー移住の手続きをしていた。
明智は怒号を吐きながら、護送車に押し込まれていた。

ジェイソンの斧は誰の頭に炸裂するのか・・・
785名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 21:48:18
それは、>>780だった。
「てめぇ、俺のカキコ勝手に修正しやがって、ボケが!」ジェイソンは>>780の頭めがけ何度も斧を振りおろした。
>>780の頭蓋が割れ、鮮血と皺のない脳味噌が辺りに飛び散った。
>>780は棒のように体を真っ直ぐ硬直させ、砂利道へ倒れ込んでいく。
ジェイソンは荒く肩で息をしながら呟いた。「リレー小説のルール守れ!意地でもつなげろや!この脳なしが!」
脳をなくした>>780
ジェイソンは我知らず巧いことを言っていた。
786名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 22:45:28
仇を討ったジェイソンは、これからは木こりとしてまじめに生きよう、と
決心した。

血にまみれた斧をきれいに洗い、家路につく。
787名無し物書き@推敲中?:2007/03/15(木) 23:01:58
しかしジェイソンは780の血を全身に浴び、さらに殺戮の興奮がいまだ収まらない。
血が下半身に集中し、ただでさえ大きく盛り上がったジーンズの股間は、突き破られんばかりだ。
女を抱きたい、襲いたい。
しかし女を抱くのは、キャンプ場のエロドキュソガキを成敗するのが使命である自らの沽券にかかわる。
よし、ならばオナニーだ!
ジェイソンがジーンズのファスナーをおろすと、20cm以上はある巨根が
ギン!と現れた。赤黒い亀頭、浮き出した血管がビクビク脈打っている。
788名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 01:08:26
そしてジェイソンはその場でしゃがんでオナニーし、僅か一分ほどで射精して果てた。

そのころ火星に向かう宇宙船の中でヘイドレクは人材派遣会社に登録した。
そして派遣先が決定した。

職種:資源プラント建設現場作業員
時給:850円
その他:交通費支給、時間外手当あり、長期間歓迎

ヘイドレクは火星コロニーの労働許可証を手にすると大喜びで契約書に署名した。
そこで地獄が待っているともしらずに。
789名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 01:45:49
「これ、ヘイドレク!何をしてるの!」ヘイドレクの母親が契約書を取りあげ、破り捨てた。「あなたには、学習能力というものがないの!?」
アホ面でぽかんとするヘイドレク。本当に、母親の言ってることの意味が分からなかった。
母はつづける。「そんな所で働いたらまた、酷い目に合うわよ!アナルを開発されたりチンコしゃぶらされたりするに決まってるじゃない!」
790名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 01:50:54
791名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 02:46:44
しかしふと気になった。

ヘイドレクの母親、というが、本当はジェイソンの母親ではないか?
彼女はヘイドレクを自身の息子、ジェイソンだと勘違いしているのではないか?
ヘイドレクだと気がついてしまったら意味が無いではないか・・・

さて一方、地球では真のジェイソンがオナニーの快感からやっと我に返ったところであった。
家に帰ってみれば、愛するおっかんがいない。おっかんはどこの馬の骨とも知らぬヘイドレクなどという
租チンのオタ野郎をわが子と勘違いし、旅立ってしまったのだった。
「おのれヘイドレク!人の大事なおっか様を!」
ジェイソンは怒りに燃えた。斧の柄を砕けんばかりに握り締めた。
木こりになってまじめに生きるのは後回しだ。まずはおっか様を取り戻すのだ。
木を切り倒す前に、この斧にヘイドレクの血を吸わせるのだ・・・
792名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 07:32:07
ジェイソンは自分で宇宙船を作りあげ、それに乗ってヘイドレクのあとを追った。
793名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 10:32:42
一方ヘイドレクはその頃、麻雀でハコ天くらってひっくり返っていた。
まさか四暗刻単騎字一色のトリプル役満振り込むなんて。
ヘイドレクの財布の中身は空っぽになってしまった。
794名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 11:08:45
さらにヘイドレクが五萬を場に叩いた瞬間、
「ロン一発、メンタンピン三色ドラドラ。ああ、裏ドラも乗ってる」
まさか腹ボテ単騎が一発で決まるとは。ヘイドレクは自分を罵った。
795名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 11:16:00
そして次の東風戦、一局の4巡目でいきなり悲劇が。
「悪いねヘイドレク、それロン。メンピンチンイツドラ3」
ヘイドレクが振り込んだ牌は一ピン、一九切りの最中に起きたアクシデントであった。
「うわあー」と大声で叫んだヘイドレクは目の前の山を両手で崩してしまった。
その瞬間、冷たい一言がヘイドレクに投げかけられた。
「ヘイドレク、今のはチョンボね。満貫払いで4000、2000」
ヘイドレクの目から涙がこぼれた。
796名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 11:23:15
そして第3局、ヘイドレクの親。配牌は上々、混一筋のリャンシャンテンである。
あとは中か北をポンして、イーピンとウーピンの待ちだな。いや待てよ、ここは一気に対々まで手を伸ばすってパターンもあるぞ。
ウキウキしながらリャンソーを積もり、そのまま場に捨てたヘイドレクに向かって、
「ヘイドレク、それ当たり。ダブリーでタンドラ1」
ヘイドレクは希望を失った。
797名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 11:33:20
そしてオーラスである。もはやヘイドレクに逆転の望みはない。
ここは大きな手を狙っていくらかでも借金の額を減らしておかないと大変なことになるぞ。
ヘイドレクの手は震えた。チャッチャッと牌同士が当たる無機質な音が卓に響く。
今回の筋はよいとヘイドレクは思った。いや、見事である。ソーズ一色のメンチン狙いが可能の素晴らしい配牌。
いや待てよ、ここは大きく出て緑一色狙ってもいいのかな?
ヘイドレクの額に汗が浮かぶ。
ツモ。よしいいぞ、スーソウだ。不要牌のキューピンを切る。
後はローピンが無事に出てくればポンだ。おっ、下家がローピン切り。
「ポン」と叫ぶヘイドレク。
そしてウーソウ切り。これでイーシャンテン。役満のプレッシャーからかヘイドレクの全身に鳥肌が立った。
後はリャンソウ来て聴牌。そして、そして!

「あ、それロン。食いタン1000点」
対面から聞こえたその一言がヘイドレクの精神を打ち砕いた。
798名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 13:26:38
その瞬間、巨大な両刃斧の一撃で麻雀卓はぶったぎられた。舞い散る牌!
一同が唖然とする中に現れたのは斧を振りかざすジェイソン!
「追いついたぜヘイドレク!おめ、おらのおっかあ盗みくさって!早く返してけろじゃ!」
799名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 17:39:19
「残念だなジェイソン、お前のおっかあは毎晩俺の腕に抱かれてすすり泣いているぜ。俺のテクでな」
ヘイドレクはジェイソンに向かってそう言うと、麻雀で負けが84万円にまで達していることも忘れてニヤリと笑った。
その声を聞いたジェイソンは怒り狂い、面子の一人を跳ね除けると「よし、勝負だヘイドレク」と叫び
全自動雀卓のスイッチを押した。
勝負は東風戦。レートは点5。ヘイドレクのジェイソンの熱い勝負が始まった。
800名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 17:40:06
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801名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 17:58:40
卓の上で牌が唸る…凄まじい緊張感が卓のまわりを包み、牌と牌がぶつかり合う音だけが雀荘の部屋を虚しく響いた。
「…その”中”、ポン」
ヘイドレクが先に仕掛ける…混一色。捨て牌で三色系を匂わすように、あえてど真ん中の5ピンを切る。
ジェイソンはその5ピンを注視した。そして大きく息を吸うと少し目を瞑った。
(ジェイソンのヤツ…待ちはもしかすると?)
ヘイドレクは思った。このまま突き進むのはマズイ…ドラを少なくとも2つは握っているようだ。
手はチャンタ、頭のトンがダブ東でそれに一ソウはドラ…これは相当デカいぞ。

ヘイドレクの見ている前でジェイソンは”北”を切る。
ヘイドレクのツモ…なんと”東”。ヘイドレクは焦った。これは切るわけにはゆかない。
(何で今頃になってこんな危険牌くるんだよ…くそっ、このまま逃げるか)
ヘイドレクは高めの”東”を手元に置き、八ソウを切る。

「ヘイドレク…お前今”東”ツモってるだろ」
目の前のジェイソンが笑う。ヘイドレクはいきなりのその言葉に焦った。緊張を悟られないよう目線を虚空に
彷徨わせ、そして慣れない手つきでタバコに火を付けた。

「悪いなヘイドレク。ツモだよ…別に”東”なんて要らなかったんだ」
そう言ってニヤリと笑ったジェイソンは牌をパタリと倒した。
「面前チャンタダブ東…”東”はミンコで持ってたんだヘイドレク。ドラ3だな…ああ、裏ドラも乗ってドラ4」
ジェイソンの手は確かにヘイドレクの読み通りであった。
しかし、ヘイドレクは卓に手を掛けてうな垂れてしまった。一対一の真っ向勝負に負けた…それがヘイドレクの
プライドをザックリと傷つけたのだ。

「ヘイドレク…母さんを帰してもらおうか。お前に犯されていようがいまいが、母さんは母さんなんだよ…」
802名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 18:20:45
「クソッ!まだ第二局じゃねえかよ」
ヘイドレクは牌をグシャグシャにかき混ぜて中央の穴に流し込むと攪拌スイッチを押した。
同時に綺麗に揃った牌がせり上がる。

再び場に緊張感が走った。
ヘイドレクの配牌は…目を覆いたくなるような惨状だった。
(何だよ…これは)
ヤオチュウ牌のズラリと揃った配牌にヘイドレクは思わず唸った。やはり先ほどの混一を逃し流れが完全に
ジェイソンに向かってしまったのだ。

「あ、それポン」
ヘイドレクの目の前でそう宣言するジェイソンは、これまた”東”を食った。
親のダブ東…そしてヤツの手は…綺麗に場に並んだ捨牌は見事な混一筋である。
(ヤツはソーズで混一を狙っているな)
ヘイドレクは悟った。此処でヘイドレクは戦術を変更した。ヘイドレクの手元にはソーズが多い。
しかも三色純チャンも不可能ではない。
(…まず、確実に字牌整理だな)
ヘイドレクはそう睨み、手元の”西”を振った。

「ロンッ!」
ジェイソンは静かに言った。
(えっ!)
ヘイドレクは驚いた。何故”西”なんだ?
「小四喜、混一、ダブ東」
ジェイソンは静かな口調でそう言うと、手元の牌を倒した。

ヘイドレクは、その場で硬直してしまった。
803名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 18:31:24
その後、東風戦でサシ馬入れて4万払ったヘイドレク。さらに熱くなったヘイドレクは半荘戦に突入し、振込みマシーンと化した。
「ロンッ!タンピン三色ドラ2」
「ロンッ!チートイ混一ドラ4」
「ロンッ!喰いタンのみ」

次から次へとヘイドレクが狙い撃ちにされた。
膝がガクガク震え、額から汗が流れる…ヘイドレクの思考は完全に混濁し、もはや冷静な判断は不可能になっていた。

それを嘲るような笑顔で見つめるジェイソン。
最終局…ついにギャンブラー・ジェイソンの本領が発揮された。

最終局9巡目、ジェイソンは自ら宣言した。
「国士オープンリーチ13面待ち」
点棒を放り投げながらジェイソンはヘイドレクの目を見た。
ヘイドレクのリーチを待ってから繰り出した究極の爆弾であった。

目の前の現実が信じられないヘイドレク。もはや自分は無防備に突っ込んで行くしかない…。
そして、ヘイドレクは牌を掴み、それを引き寄せた。
ゆっくりとそれをめくるヘイドレク…その牌は”撥”。まさしくど真ん中であった(と、いうよりストライクゾーンは
めちゃめちゃ広かったわけだが)

「うわあーっ!」
ヘイドレクはその場で発狂した。
804名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 18:39:34
そしてダメ押しの大三元字一色を振り込んだヘイドレクはその場に崩れ落ちてしまった。
805名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 19:09:32
「フフフ この雀荘を幽霊物件にしてくれようぞ!」
崩れ落ちたヘイドレクを前に、ジェイソンは大きく斧を振りかぶった。
806名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 19:24:58
「ロンッ!」
ジェイソンの振込みに上家のナゾの男が宣言した。
「リーチ一発、三色イーペードラ3!」
そういうと上家の男は少しサングラスをずらしてジェイソンを見上げると、意地悪く笑った。
その顔を見た瞬間、ジェイソンは固まった。
「お、お前はあの時の…」
807名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 20:37:12
>>776だった。
>>776>>779で無下に扱われたことに腹を立て、虚構世界の特性を利用し蘇ったのである。
「これを、使いなさい」>>776は懐から札束を取り出すと床に頭を抱えうずくまっているヘイドレクの前へ放り投げた。
ハッと目を見開くヘイドレク。「い、いいんですか!?」
「ああ。無期限、無利息の出世払いで貸してやる」
ヘイドレクの逆襲が始まった。
808名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 21:44:15
「まあ座れよジェイソン」
と776はジェイソンに促す。
776は美しい助手のキャサリンと乳房をもみ、メアリーの股間をまさぐりながらヘイドレクに向かって笑いかけた。
「無期限無利息は冗談さ。ちゃんとトゴで払ってもらうよ。」
そういうとキャサリンの差し出したダビドフを口に咥え、メアリーがそれに火を付けた。
大きく煙を吸い込む776…そして776は意地悪くジェイソンの顔を見上げた。

床で膝をついたまま呆けたような顔をするヘイドレク。
(一体俺は何に巻き込まれたんだ?)
まるで見当の付かない展開にどうしてよいかわからず、ただただ776とジェイソンの顔を見比べている。
809名無し物書き@推敲中?:2007/03/16(金) 21:57:04
ジェイソンは大きく息を吐くと、少し苦笑いしながら首を左右に振った。
その様子を見た776はジェイソンに椅子に座るように手で促した。
ジェイソンは、やれやれと言った感じで倒れた椅子を起こすとそれに座った。
卓を挟んで向かい合う776とジェイソン。

「ヘイドレク…もう一度座れ」
776は静かな口調でヘイドレクに言った。その間も776の視線はジェイソンを捉えて離さない。
ジェイソンも少し微笑みながら776の視線を見返す。
交わされる二人の視線の火花が、二人のギャンブラーとしての矜持を垣間見せた。

ヘイドレクはゴクリとツバを飲み込むと立ち上がった。
そして卓に近寄ると椅子を引き出し、それに座った。上家が776、下家がジェイソン。
そして対面にはドクター・スコルツェニーが冷たい微笑みを浮かべながら座った。

「勝負は半荘…レートはデカリャンピン、それでいいな?ヘイドレク」
3人はヘイドレクの顔を覗きこんだ。ヘイドレクは緊張し、そして頷いた。
(一世一代の大勝負が始まる…)
雀荘の中の空気がピンと張り詰める…さあ、勝負の開始だ!

全自動卓が積牌の山をゆっくりと持ち上げてくる。
810名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 00:24:53
二局目が東場の一つのヤマだった。
一局目でドクター・スコルツェニーがタンピンのみで喰い上がりして親が776に移動。
そして二局目に突入。
「ポン」
いきなり二巡目で776はサンピンをポンした。
「相変わらず手が早いな…麻雀も女も」
ジェイソンは苦笑しながら776に言った。776はジェイソンの方をチラリと一瞥し
「まあ、短期決戦だからな。どこかの誰かさんみたいに無茶して高目狙ってもしょうがねえだろ」
776は微妙にヘイドレクを意識しながらそう言って少し笑う。

ヘイドレクの手は三色筋。ここは無難にヤオチュウ切りして安手でも良いから上がっておくのがいい、
そうヘイドレクは判断し、ツモ牌のイーソウを残して九萬を切る。

「ポン」
再び776がそれをポンした。ヘイドレクは少し驚いたように776を伺う。
776は無表情のまま場に捨てられた九萬を取るとそれを翳す。

(早い…対々狙いか。それにしても無茶して上がりに行ってるとしか思えない…)
ヘイドレクは戸惑った。上家の度重なる喰いにペースが乱される。

「どうしたヘイドレク。早くツモれよ」
下家のジェイソンが少しイラついたような声でヘイドレクを促す。先ほども776に散々喰い散らかされ
まともに手を作らせてもらえなかったのを気にしているようだ。

「ああ、ゴメン…すぐツモるよ」
ヘイドレクはジェイソンの剣幕に押され、慌てた様子で次牌をツモッた。
”西”…今のヘイドレクには不要牌だ。ヘイドレクはすぐさま場にそれをリリースした。
811名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 00:26:35
「ポン」
再び776がコールする。今度は他の3人が一瞬顔を上げ、一斉に776の方を向いた。
776は今度も全くの無表情のまま、ヘイドレクの目の前に転がる”西”を掴むとそれを残し
手元から七萬を切る。

「ポン」
今度はジェイソンが喰った。少しイラついた声でコールし、776のリリースした牌を奪い取る
ように掴んだ。そして一瞬、776とヘイドレクを睨みつけながらそれを手元に入れる。

(な、何なんだこの麻雀は…これじゃあ手が全然進まないよ)
ヘイドレクは焦った。もう一度自分の手を覗き込み、改めて手を確認した。
上手く伸ばせば三色イーペーまでゆく…しかし先ほどの776のセリフを思い起こした。
(「どこかの誰かさんみたいに無茶して高め狙ってもしょうがねえだろ…」)
ヘイドレクは悩んだ…ブラフ?一瞬そういう考えが頭を過ぎる。少なくとも自分の感情が776の
ペースでかき乱されているのは確かなのだ。
ヘイドレクはチラリと776を見た。すると776の視線とかち合った。
(776に…監視されている。もう、俺の手はお見通しなのか?)
味方だと思った776の思惑がわからなくなった。

ドクター・スコルツェニーがジェイソンのローソウをチーした。間違いなく今局は荒れている。

「カン」
776は”西”をカンした。それが他の3人に与えた影響は計り知れなかった。
ヤマに晒された”南”の文字…既に776をドラ4を手にしていることを意味した。

「クッ!」
ジェイソンが思わず呻いた。それはヘイドレクの呻きでもあった。
そして776は、他の3人の動揺を眺めながら少し微笑み、キャサリンの差し出したタバコを咥えた。
「…お前たち、今夜も可愛がってやるからな」
776はキャサリンとメアリーの腰を擦りながら微笑むと、女達は頬を少し赤らめた。
812名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 00:27:13
「オイッ!とっととツモれよヘイドレク!」
ジェイソンの声にハッと我に返ったヘイドレク。
「ああっ…すぐ」
ヘイドレクは慌てて次牌をツモッた。
今度の牌は”白”三色タン上がりを目指すヘイドレクには完全に不要である。
しかしヘイドレクは躊躇した。漠然とした不安が場全体を包む…切るべきか、降りるべきか?
(「どこかの誰かさんみたいに無茶して高め狙ってもしょうがねえだろ…」)
先ほどの776のセリフは、俺を引っ掛けているんじゃないのか、という不安が襲う。

ここで上がって親勝負を目指していたヘイドレクは窮地に立った…方針が見えないのだ。
そして上家の776は親…早く上がったほうが勝ちだろう、ならば!

ヘイドレクは”白”を切った。

「ロン」
776の声が響いた。

「対々、白、ドラ4」
静かな口調で776が告げる…そしてその瞬間、ジェイソンとドクター・スコルツェニーの安堵の溜め息が洩れた。

ヘイドレクの顔が一気に青ざめた。
813名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 00:47:01
776の待ちは”白”とスーピン…決していい待ちではない。しかしヘイドレクはそれを一撃で振ったのだ。

茫然自失のヘイドレクの前で牌が配られてゆく。
ヘイドレクは震える手で自分の牌を積んだ。
(まずい…このペースでは絶対にマズイ!)
ヘイドレクは焦った、しかし流れを変える方法が全く思いつかない。

「落ち着けよヘイドレク…チャンスは自分で掴むもんだろ?」
776がヘイドレクに声を掛けた…ヘイドレクはハッとして顔を上げ、776を見返す。
776はヘイドレクに向かって少し笑った。しかしその目は笑ってはおらず、明らかにヘイドレクを非難していた。
(776は俺に奮起するよう促しているんだ。情けを掛ける積もりなんて毛頭ないんだな…)
ヘイドレクは少し頷いた。そして配牌を並べ替えていった。

…今回のヘイドレクの配牌は三色、対々筋か?トイツが3つ揃っている。先ほどまでの絶望的な配牌とは異なり
今回は脈がありそうだった。

2巡目のドクター・スコルツェニーの捨牌ローピンをポンし、幸先の良い出足である。
次のツモ牌でさらにスーソーをミンコってこれで対々への道筋が出来た。唯一の字牌であった”東”を無事に通し
さらに次のツモでドラ牌の七萬を引き寄せる…七萬対子、ドラ2。

ヘイドレクの頬が思わず緩んだ。そしてジェイソンの捨てたリャンピンを目ざとく見つけると、

「ロンッ!」

ヘイドレクは元気よくコールした。

「対々、タンヤオ、ドラ2」

本日最初の上がりである。悔しがるジェイソンを横目にヘイドレクは小さくガッツポーズを作った。
814名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 01:22:54
親になったヘイドレクは上手く流れを掴んだ…いや、正確には776のアシストがあったと言うべきだろう。
ヘイドレクが親になった瞬間から、776は明らかにベタ降りした様子が見られたからだ。

ヘイドレクに火薬を放り込んで頭に血が上ったジェイソンは乱暴にヤマを崩すと
「とっとと次、始めるぞっ!」
と、少し大きな声で叫んだ。そして牌が上がりきるのを待たずにサイコロのスイッチを押し
ヘイドレクの「とっとと取れよ!」と毒づきながら牌を配ってゆく。

(ジェイソンのヤツ…焦ってる)
ヘイドレクは生まれて初めて他人に対して優越感を持った。
今ならジェイソンを打ち倒せる、そう確信したヘイドレクはさらに攻勢を続けた。

「ジェイソンそれロンッ!インピンイーペードラ1」
「ロンッ!ジェイソンそれ!メンホンドラ2」
「パーワンツモ、面タンピン三色ドラ1」

次々と確実に点棒を取り返すヘイドレク。いきなり776の爆弾を踏みつけたのが嘘のように次から次へと
良手で上がりを続ける…完全にヘイドレクペースだった。
そして同時に、ジェイソンの大量出血は痛く、現在ぶっちぎりの最下位。
血走った目でヘイドレクを睨みつけながらジェイソンは斧の柄を握り締めて唸った。

「おいジェイソン…ここは火星コロニーだぜ。クリスタルレイクみたいに斧で人を殺しまくったら
瞬く間にお前は銃殺だよ…しかもこの場でな」
776は憤るジェイソンに向かって告げ、周囲を見るように視線を向けた。
ジェイソン、そしてヘイドレクも自分達の周りを観察した。

そこには光線銃を携えたコロニーの正規兵たちがこちらを観察しながら警備に当たっていた。
815名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 01:23:54
「わかったかい?ジェイソン…ここでは雀卓の上の命のやり取りだけが認められているんだよ」
ジェイソンはさらに唸った。そして同時に全身をぶるぶると震わせて力んでいる。

(耐えているんだ…ジェイソンは耐えているんだ)
ヘイドレクは悟った。そして同時に、これからの麻雀は命がけのものになるのを覚悟した。

ヘイドレクの親は5連荘まで続いた。
まさか八連荘はあるまいとヘイドレクもわかっていたが、ラストに小三元を上がった後、
ドクター・スコルツェニーによって清一筋を崩されて終わったのだった。

そして今度の親は下家のジェイソンである。
手にしていた斧をかなぐり捨て、雀卓に集中しだしたジェイソンの気合は恐ろしいまでに高まっていた。
かつての凶暴さは影をひそめ、今は静かな闘志を燃やしている。

「東場最後だよヘイドレク…どうする、レート上げるか?」
776が突然そう言ってきた。ヘイドレクは一瞬躊躇した。確かに今は調子がいい。しかし、リスクを負って
まで無理にレートを上げる必要性はあるのか?ヘイドレクは悩んだ。

「ああ、レートは倍だ。それで行こう」
ヘイドレクが戸惑っている中、いきなりジェイソンがそう答えた。
「そうですね…そろそろ本番に突入ですね」
ドクター・スコルツェニーもそれに習う。

「いいな、ヘイドレク。皆も言っているんだから」
776は再びヘイドレクに問うた。
ヘイドレクは頷くしかなかった。

それが真の地獄の始まりだとは知らずに…
816名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 01:49:36
というのはウソで、ヘイドレクはまた勝ち出した。
とくに親となってからがスゴかった。
配牌率が三十万分の一といわれる天和を八回連続であがり、そのあとも国士無双、四暗刻、しまいには九蓮宝燈までやってのける始末。
これは決っと今までの不運(*過去レス参照)の代償としてツキが巡ってきたに違いなかった!
817名無し物書き@推敲中?
そうした妄想を思い描いていた時、既に全ては終わりヘイドレクは素寒貧であった。
では何故ヘイドレクはあれから地獄を味わってしまったのだろうか?
彼が地獄を見た南場を少し覗いてみよう