ひたすら描写するスレ。

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>>350
私を多用しようと思ったら3行目後の「私」をミスタイプした。
後のはいらん。
事件発生直後、自動車の中に横たわっていた死体
=余談だけど
ところで、ここに書く人は、みな基本に忠実な文章を目指してるの?
例えば、何かのテーマで、指示語被指示語をうやむやにしたり、
同じ表現でわざと違うシチュエーションを書くような遊びはやらないのかな?
例えば、コンサート会場で
・コンサート会場の熱気に私は鳥肌を立てた。
・アーティストのプロ意識に頭が下がり私は鳥肌を立てた。
・会場から出た私は、外気の寒さに閉口したが、もう鳥肌は出なかった。
・次に鳥肌が出たのは、コスプレに興じる若者を見たときだった。
簡単すぎるけど、こんな感じでわざわざ鳥肌にこだわったりしないのかな?
俺は好きだけどな。

>>353
そういう、グロいのやらすな
はやく誰か描写してお題だせよ。
悪いのは、>>350だな。お題が悪い。
358名無し物書き@推敲中?:03/03/09 15:59
>>355-357
上からの引継だろ?
能書き並べずに描写だけやってろ
お前はいつも能書きだけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
359名無し物書き@推敲中?:03/03/09 16:08
>>358>>350
自分のお題、貶されて切れたか オモシレ
360名無し物書き@推敲中?:03/03/09 16:12
>>359
いやぁただお前が嫌いなだけ
>>360
禿同俺も>>359が嫌い
>>361
禿同!

俺も>>359が嫌い
>>362

いやいや待てよ、ここはそういうスレじゃないぞ。

しかし俺も>>359が嫌いなだけ
>>363
オマエらそんなこと言うなよ

だが俺も>>359が嫌い
>>360>>361
ついに自作自演か…。
何してんだ?面白くない逝ってこい。
>>364
モマイらもきちんと描写汁

が俺も>>359が嫌いなだけ
んで、お題は結局なんなのかを決めて欲しいんだが。
まだしてるし…。粘着厨房(笑
>>366

いい加減にしろ!


結局俺も>>359が嫌いなわけだが
>>369

そんなことはどうでも良いんだよ!

ところで俺も>>359が嫌い
>>370
まあ待て、俺の話を聞け

俺は>>359が嫌いだ
いや、もう飽きたから。
お題は結局なんなんだよ。

かくいう俺も>>359が嫌いなわけだが。
>>371
俺は>>359が好きだ。

やっぱり嘘でつ

俺も>>359が嫌いでつ
374359:03/03/09 16:22
そんな事言うと、切れちゃうぞ
375359:03/03/09 16:22
自作自演うざすぎ。
>>373
じゃあ俺がお題を決めるよ

「俺も>>359が嫌い」
sage
>>376
ワロタ!

ところで
俺も>>359が嫌い
379359:03/03/09 16:24
本当に切れるよ。アボンさん呼ぶぞ?
>>379
で、お題は
「俺も>>359が嫌い」で良いのか?


まぁ俺も>>359が嫌いなわけだが
381アボンさん:03/03/09 16:27
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382アボンさん:03/03/09 16:28
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383アボンさん:03/03/09 16:28
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384アボンさん:03/03/09 16:29
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385アボンさん:03/03/09 16:29
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386アボンさん:03/03/09 16:29
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359、あいつは今頃どうしているんだろう。
彼はそんなことを考えていた。
クラスでも嫌われ、家族にも見放された359。
359は何故生きているのだろう。そんなことだけが頭に浮かんでいた。

お題「359の夏休み」
388アボンさん:03/03/09 16:32
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>>380
それはまだ暖かかった。
たった今まで2ちゃんで能書きを垂れていた>>359は既にこときれている。
「あれほど運転中の2ちゃんはダメだと言ったのに」駆けつけた身内は、まだ生々しい事故現場でため息をもらす。
>>359の体はほぼ原形をとどめていなかったが、奇跡的に顔だけ無傷だった。
その顔は、憎悪に歪み苛立ちをあらわにしていた。
「こんな事なら顔ごと潰れてくれれば良かった」駆けつけた>>359の身内は声をそろえた。

次「極限の寒さ」
390アボンさん:03/03/09 16:32
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391アボンさん:03/03/09 16:32
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雪山は寒かった。死にそうだった。っていうか、死んだった。
極寒の寒さだったった。
>>392
お題出せよ
お題は「苦い思い出」だったった。
>>394
ガキの頃不思議だったオヤジのタバコ。
悪戯で吸ってみたっけ
苦かったよ。

次はまじめな「苦い思い出」で
396極寒の寒さ:03/03/09 16:51
隙間風が吹くボロ屋、一人のオタクがパソコンのキーボードを叩いている。
もう金も、仕事もない。ガスも止められ、この寒さの中暖も取れない。
それでもオタクは、かじかむ手でパソコンを打ち続けた。
このパソコンの世界が、自分の居場所。どんなことがあっても、手放せない。
そのオタクは、今や自分のアイデンティティである2ch、
「ひたすら描写するスレ」での自作自演を必死に続けた。
寒さの中、意識が遠のく。
(でも止められない>>359を煽らなければ、彼は僕ちゃんの相手をしてくれた唯一の人だから…)
そして最後の煽りを終え、オタクの意識は闇に沈んだ。

次、「オタクの生活」
僕は、おたくなんだぁ〜。あはは〜。生活はねぇ〜、
食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけて
また寝て食べて寝てパソコンをつけて
また寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝て
パソコンをつけてまた寝て食べて寝て
パソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て
食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて
寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて寝てパソコンをつけてまた寝て食べて
ってかんじなんだよぉ。
お題は「歓喜」
>>396ー397
お前ホントにセンス無いな。
面白くないよ。
     }                     }
     }                    /  o ゚.  私はメーテル。
.     〉'' ,、,,,__               ノ} 。 :∴   任意で自演のバレない板を彷徨う時空の旅人…
     i ムツッ=,ニ_゙゙"''‐- 、、,,,__,,..,,,.. -‐'''"/ 。 X,,     
     l {{ ハ` `゚'~`  ,‐-,ニ二ヾ,,_ヽ   /   i'(_,.l\
      〉、`ハ    }  ` `゚'゙゙” }}'゙   ,'    ti=ti、iiヽ
.     / ハヽハ  ノ       //    {      ゙ヾヽ}  
    / /ハヽヘ  `、_   (Cノ/  /  ハ      ノラ  
   / // } Y゙\ `   Cノイ  /    \    〆' 
. / / / /  ,ゞ,, `-‐ ''´〆⌒ヽ{  ,' ハ   \      
 ;''"''ヾノ /_,/  `'' ァ''7/     \l l ヽヾ   \
 ゞ..,,.'' ̄//    ''´ //       \  \ヾ   \
>>398
あまりにもぴったりで、ソレしか言えない。
マジ、真剣に、お前おもしれぇーーーー!!
せいぜい凍えないようにな(爆笑
401名無し物書き@推敲中?:03/03/09 17:36
次のお題は「春一番」
402>>400よ:03/03/09 17:53
>>400
おい>>400。お前あの>>400だろ?
ウチの組を破門になった>>400だよな。元気にしてたか?
お前愉快な奴だったっけ。ウチの組に来て、刺青入れただろ。
だけど、アンパンマンの刺青はないだろう?
ウチのかみさん、お前の刺青見て笑い死にしかけたんだぜ。
お前、パンチパーマに失敗したよな。あのときのお前、可愛かったよ。
まるで癌になったムックみたいだった。癌は治ったのか?
お前、下手打って、指詰めたよな。頑張ったよな。痛かっただろう?
だけど、あの指、オヤジが怒ってゴミ箱に捨てたんだ。
「こんなカッパえびせん使えるかっ」てさ
お前いつも自分の車、自慢してたな。
言えなかったんだけど、みんなアレのこと自転車って呼んでるんだぜ。
お前、人一倍苦労してたよな。前歯が無くても、頑張って固いもの食べてたよな。
お前、腰低いよな。良く中学生にカツアゲされてニコニコしてたもんな。
でも、お前強いよな。金がなくなると、良く自分の父親をカツアゲしてたもんな。
お前、今でもアンパンマン好きなのか?
ジャムおじさんの帽子、時々洗濯した方が良いぞ。
お前、パソコン始めて買ったとき喜んでたな。
だけどあれ、誰が見てもワープロだったぜ。
元気でやれよ。オヤジもお前のこと心配してるんだ。
「ウチの組に居た事だけはしゃべらせるな」って
>>402
本気でその程度なのか?もう一度読み返してみ。
何にも面白くない、センスもない、所詮オタクか…。
せめてお題に合せて書けよ。
404めっさ:03/03/09 18:04
>>403
文章には文章で返したら?
アンタいつもずるいしおもろくないよ。
もう来るな。
隙間風が吹くボロ屋、一人のオタクがパソコンのキーボードを叩いている。
もう金も、仕事もない。ガスも止められ、この寒さの中暖も取れない。
それでもオタクは、かじかむ手でパソコンを打ち続けた。
このパソコンの世界が、自分の居場所。どんなことがあっても、手放せない。
そのオタクは、今や自分のアイデンティティである2ch、
「ひたすら描写するスレ」での自作自演を必死に続けた。
寒さの中、意識が遠のく。
(でも止められない>>359を煽らなければ、彼は僕ちゃんの相手をしてくれた唯一の人だから…)
そして最後の煽りを終え、オタクの意識は闇に沈んだ。

なんだこれ?
>まるで癌になったムックみたいだった
意味不明
>前歯が無くても、頑張って固いもの食べてたよな
前歯なくても食えるだろ、奥歯あれば。

何だこの文は?はずかしぃ。
こんなのを時間かけて、得意げに、悦に入って書くなんて…。
本当、凍えるなよww
407名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:08
>>359
クズだな、コイツ。アボンさんって何?脳内フレンドか(プ
しかも警告までして開始した荒らしがたった9レス。俺が見た中で最短。
誇りも根気も執念も無いヤツなんだな。せめてその薄っぺらい人間性に
掛けて、もうこのスレには来ないと誓ってくだちゃい。
408名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:09
隙間風が吹くボロ屋、一人のオタクがパソコンのキーボードを叩いている。

品粗な描写力

もう金も、仕事もない。ガスも止められ、この寒さの中暖も取れない。

品粗な描写力

それでもオタクは、かじかむ手でパソコンを打ち続けた。

品粗な描写力

そのオタクは、今や自分のアイデンティティである2ch、

品粗な描写力

−以下略−
409名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:11
品粗な描写力

品粗な描写力
410402:03/03/09 18:11
>>406
まあそう言うな。構想3分執筆2分のミスタイプ誤変換付きだ。
オリジナルなわけだし、こんなモンで良いだろう?
自作自演に必死。
その実力のなさに気付き、絶望して荒らしか…
もう相手すんの疲れた。
才能無いオタクらしく、絶望して死にな。
412402:03/03/09 18:14
>>406
ちなみにムックって言うのはガチャピンとセットで幼児番組に出てくるさえないキャラクターだ。
癌になる前の鈴木ヒロミツに似ている。

「前歯が無いのに長いものを一生懸命かみ切っていたな。」
これの方が哀愁漂って良かったかも知れない。
413名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:15
>>410
コピペじゃないんだ…。なかなかやるな(w
414402:03/03/09 18:16
>>411
消える前に何か書いて消えろよ。
お前のそういう負け犬根性が嫌いだ。
ちなみに俺は、389以降自演してねぇぞ。
415負け犬根性:03/03/09 18:18
一生懸命やったんだ、できる限り、その日その時それができる限りだった。

だからほんの少し妥協しよう
>>414
分った書いていく、>>413のスレがおもしろすぎ。
がんばって、自分を慰めな(爆笑
>>416

いや俺じゃないってそれ。
まあいいけど。

でも>>416は却下。つまらなすぎ。
418名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:21
>>411
何か書いてくれよ。良かったら評価するからさ。
それこそ的得まくりの褒め言葉駆使して全身全霊かけて汚名挽回に邁進し
アンタの煽りは役不足だった事も認めるよ。
419名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:23
ここオモロイ。
お題は>>401でいいの?

「春一番」
風が、議論にまみれたスレッドを洗い流してゆく。
春がくる。
長く冷たい、不遇の時代をったこの地に、暖かい春が。
春の予感を含んだ風に、蟲たちが地上に這い出してきた。
蟲たちがスレッドを食い荒らすとも、やがて訪れる春がスレッドを蘇らせるだろう。

議論スレ違い。
次回、「湯豆腐」
421402:03/03/09 18:26
>>400
俺、飯喰ってくるよ。帰るまでに何か書いておいてくれよ。
422420:03/03/09 18:26
>>420
すまん、
>不遇の時代を送った
ね。
>>413のスレってどこにあるのか知りたいんだが?
424402:03/03/09 18:30
>>423
無いよ。
さっきここで作ったんだって。
じゃあマジ飯行って来る。
425402:03/03/09 18:30
>>424
ああ、意味解った。
誤爆スマソ
湯豆腐ってどんふうに書けば良いんだろ。
次の描写する人に期待。
427名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:35
このスレにいる奴は馬鹿ばかりだから、
湯豆腐書くのに台詞入れたりこたつ書いたりするんだろうな。
湯豆腐だけを二三行以内で書けない意味ないのにさ。
428名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:35
http://bbs.1oku.com/bbs/bbs.phtml?id=rantyan
★その目で確認すべし!!★超おすすめ★
429修正:03/03/09 18:36
書けないと意味ないのにさ。
湯豆腐食いてえから、うまそうに書いて。
431名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:37
>>427
まだ居るこいつ。しつこい。
自分でなんか書いて見ろ。
ヴァカ
432名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:39
>>431
書いたよ。
デカい大根。
433名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:42
 沸々と、熱を放つ物があった。
 お世辞にも綺麗とは言えない一室の、誇りまみれのPCに向かい、沸々、沸々と煮えたぎる物。
 トップの擦り切れたキーボードを、見事な一本指打法で打ち続けながらも沸々。
 ディスプレーに映る己の醜態に対面しては沸々。
 まるで火に掛けられた鍋の様に、沸々。
 突然、
 音を立て、その鍋物は煮えたぎる中身をブチ撒けた。
 無様に煮くずれたのは、>>359と言う名の湯豆腐だった。
434名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:42
「デカい大根」

でかいだけ?結構じゃないか。
オレはおまえの才能を伸ばす事は出来ても、
おまえの身長を伸ばす事は出来ない。

次、「オレなら止められるとでも思ったかい?」

これ?

これより

デカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい大根
の方が良い
435名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:43
それじゃない。
>>434
意表をつかれてワロタ
437名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:44
344 :名無し物書き@推敲中? :03/03/09 10:43
「デカい大根」

放射状に広がる幾本もの青々とした葉はどれも太く長い。
それは連結する白き根を育てるのに充分であった。
雄々しいパルテノンの柱を連想させる根は地に深く突き刺さり、是が非でも抜かれまいと未だ育ちをやめなかった。


なかなか巧い。
438名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:46
そうそれ。
439名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:47
>>433
誰かの小説で頭蓋から露出した脳を湯豆腐に例えてたのを思い出したヨン
440名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:47
誰が誰だか解らないよーーーーーーーーー
鍋の中にはぐつぐつと煮えたぎる熱湯がそそがれていた。
そこに、白い豆腐を入れる。ぽちゃんという音ともに豆腐は底に沈んでいった。
数秒たった後だろうか、男はお玉に豆腐をのせ、小皿に取り分ける。
醤油がベースのタレに豆腐をよくかき合わせ、男はそれを食べた。

お題「ガラスのコップ」



     ∧_∧∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ( ´∀`)/<先生!こんなのがありました!
 _ / /   /   \___________
\⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ||\        \
 ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
http://saitama.gasuki.com/shinagawa/
443433:03/03/09 18:49
>>441
湯豆腐がどういう料理か思い出せました。ゴメンナサイ(w
444名無し物書き@推敲中?:03/03/09 18:50
441はただの説明文
熱々の豆腐が口の中でどうなっていくか見たかったな。

お題「ガラスのコップ」
446ガラスのコップ:03/03/09 18:59
深夜の居間でテーブルのうえにグラスがおかれてある。
電子レンジのデジタル時計が放つ蒼白い光がグラスのふちをなぞっている。
透き通るガラスは闇に溶けこむどころか、輝きを放ちながら輪郭が浮かびあがっている。
夜が明けるまでの限られた時間、ほのかにグラスは誰にも知られることなく煌きつづける。

次は「図書館」
せっかく書いたから。

「湯豆腐」
ぼこぼこと沸き立つ鍋の中で、怒りのダンスを踊っていた。
不気味な白い巨体を震わせながら、貪欲に熱を溜め込んでゆく。
その身を喰らう者に地獄の悲鳴を上げさせることを夢見て。

スルーして下され。
448名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:04
深夜の居間の風景って感じかな。
ガラスのコップというお題とはちょっと違う気がする。

次は「図書館」

449名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:07
>>447
いい感じかも。
450名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:08
>>447
悪くない。描写ってそういうことでしょ。
451名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:16
>>447>>449>>450
コメント早すぎるんだよ
452名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:17
>>451
なんか書けまちたか?
453名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:17
>>451
的外れ。
454名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:19
>>451
ちょっと待ってくれ。449だけど自演じゃないよ。
455名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:27
>>454
それが解ってないヤシは一人しか居ないから無視して良いだろ。
456名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:29
>>447
自演とかは置いておいて、面白かったw 確かにダンスしてるw
457名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:33
>>447
スンバラスィ!! 白子と間違えそうになる以外は完璧だ。
458名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:34
>>457
そうそう。表現力豊かなのはいいが、当たり前な一文を入れないと混乱するね。
だからデカい大根もいいでしょ? ね? ね?
459447(白子):03/03/09 19:37
意外と好評で。
>>451
自演って意味でつか?
でしたら、盛大に『ハズレ』ですよ。

次は「図書館」
460名無し物書き@推敲中?:03/03/09 19:55
図書館まだか
461名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:02
 その建物は、本で埋め尽くされていた。
 右を見ても本、左を見ても本。四方八方、カビ臭い紙の塊に支配された空間。
 壁や柱にすら、何らかの書物が塗り込められているのではないかと錯覚する程に、
そこには本があった。

次は銃床でおながいしまつ。
462名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:03
早く書くのも才能のうちだ。
図書館まだか 。
463461:03/03/09 20:03
>>461は図書館の描写のつもりでつ。ゴメソ

このお題は・・・・。
まあ、がんばれ
465名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:06
「壁や柱にすら、何らかの書物が塗り込められているのではないかと錯覚する程に」
ここがイマイチかな。俺の個人的な意見だから気にしないで。
466461:03/03/09 20:11
>>465
うーーんムズカスィ。
描写で錯覚は不味かったかな…?
467銃床:03/03/09 20:14
元の木がなんなのか解らない木製のそれは良く使い込まれている。
表面の光沢は、磨いたり、何かニスのようなものを塗ったわけではないだろう。
ただ、人の手にも揉まれるうちに、ここまで見事な光沢を放つっているようだ。
端々の角は丸く、優しさすら感じさせる。

次「騒がしい家族」
>>466
何ていうかそういう錯覚を受ける人って、少ないような気がするんだよね。
個人の感覚だからどう書こうと自由だと思うんだけれど。
俺はやたらとリアリズム派だからそう感じただけだよ。
気にしないでね。
>>467
いい感じですね。
470名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:25
>>467
「なんか」を使わないようにね。
471467:03/03/09 20:37
推敲足りず。スマソ
上の方のスピードって言葉を意識して誤爆しますた。
あまりに表現がオーソドックスすぎると、つまらないですね。
これだと麻雀牌も同じ文章でイケる罠w
472名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:41
早く書くのも才能のうちだ。
騒がしい家族まだか。
473名無し物書き@推敲中?:03/03/09 20:48
家族まだぁ〜?
474名無し物書き@推敲中?:03/03/09 21:02
「騒がしい家族」
獣のような叫びを上げたのは、父親だった。
その声を合図に、息子が父の顔に拳を叩きつけた。
母親の悲鳴が響きわたる。息子は壊れた機械のような動作で父を殴りつづけている。
突然、床板を突き抜けて現れた老婆が、ボサノバを歌いながら息子に加勢する。
──いつからそこに居たのか。部屋の隅で念仏を唱えているのは、息子の祖父だった。

次のお題、「時計」
475騒がしい家族:03/03/09 21:06
お盆を持ったお母さんは猫の尻尾を踏んで躓いている。
娘の頭には湯飲み茶碗が向かっている。
あくびをするお父さんにお茶がかかろうとしている。
3秒後この家族に大変な騒ぎが待っている。

次「高速バス」
476475:03/03/09 21:08
かぶっちゃった。お題は474ので。
しかしまあ、475→474のような内容で。息子と娘の違いはあれど。
>>474
婆さん頑張れ。
478名無し物書き@推敲中?:03/03/09 21:19
>>474
オヤジ2対1かよ(w
世知辛い世の中だ。
479名無し物書き@推敲中?:03/03/09 21:23
早く書くのも才能のうちだ。
時計まだか。
>>479
お前が書けよ
>>479
おまえもヒマだなー
482479:03/03/09 21:26
マッタクナー
暇だからここにいるんだよ。
時計書いてくれよ、俺の為に。
もう3回もリロードしたぞお前達。
早く書くのも才能のうちだと言ってるだろう。
時計まだか。

>>484
俺もリロードするといつもあんたがいるよw
486時計:03/03/09 21:35
 純銀から削り出された台には螺鈿が敷かれ、金の針が3本留められている。
 それらが周回する要所要所にはダイヤモンドが埋め込まれ、触れなければ
気付かない程の透明度を誇る水晶で蓋がされていた。
 盤面の一部はくり抜かれ、日付が表示される様になっていたが、それはこの
時計の美しさをやや損なっていた。
 時刻を調整するツマミを引き出すと、その軸には恐ろしく小さな字で制作者の
メッセージが彫刻されていた。
「次は松阪牛でおながいするヨン」



 

盤面の一部はくり抜かれ、日付が表示される様になっていたが、それはこの
時計の美しさをやや損なっていた。
ここが上手だと思った。
「次は松阪牛でおながいするヨン」 だ。
何度も同じ事を言わせるなよ。
488名無し物書き@推敲中?:03/03/09 22:25
遅レスすまんが>>485はいいこといった
489298:03/03/09 22:29
何だか、帰ってきたら別のスレになってしまいましたね。スレのタイトル変更するのですか?批評したいなら、批評スレが
あったと思いますが・・・?それに、仕事でもあるまいし特定の個人に命令されて描きたくもありません。また、元に
戻った頃、来てみる事にします。ごきげんよう。
荒れぎみになってたからマターリさせてやろうとしたのに、うう・・・。
まあ皆様、頑張って腕を磨いて下さいませ。
491エントランス:03/03/10 00:33
>>332さん
>>333さん
ダイビングでわざわざ繋いでくれてありがとう。嬉しいよ。
>>490さん
乙!
己の曲がった信念を押し売り、周囲に異臭を撒き散らす輩は何処にでも居る
ものですな。しかもその信念・描写・自演内容、全てにおいて上手いとは
言い難く、それを当人が自覚していない所が正に定番。

ところで何故突然、この時に現れたのか。日曜だから?しかし一般的に、
休日に左右される類の人間と仮定した場合、その内容は余りに陳腐かと。
単に巡り合わせの問題だと思って諦めるのが正解かな。

挑発するな?まあ確かに否定しないけど。これで少なからず心に波風が立つ
人が居たとして、何故そうなるか分からない程愚鈍なら、ね。
“熱い”人間が此処にも沸いて出たと、認識するまで。
493エントランス:03/03/10 03:57
描写:実際の様子や感じたことをあらわすこと。
表現:言葉・絵・音楽・身振りなどによって、自分の表したい内容をあらわすこと。
心理:心の動き・働き方。
さて、こんなところ、だと、電子辞書は伝えています。
つまり、私の言うことは、間違っていたと言うこと。
たったそれだけを、辞書は伝えてくれた。
>>490
モツ!
495エントランス―連続ですまん。:03/03/10 04:11
>>486さん
あんたの書いた、時計 上手いな。
凄いと思う。
凄くいいよ。
 
それは、モーモー鳴いていた。
尻尾を一定のリズムで振っている。
わらが敷き詰められた、狭い仕切りの中で、
それは、一生を送り、そして、肉になるのだろうか、
それは、貪欲に餌を食う。
その動きは、俊敏さを欠いて、のったりとした。
その速さで、時を刻み、草を食む。
それは、食われるためだけに生き、そして、死ぬ。
食われるためだけに生まれてきた種、
てか、描写に固有名詞かよ、と、その高そうな、
艶のある、肉体があざ笑う。
皆、それを見て、歓声を上げる、自らの腹を満たす
ものとして、哀れみの眼を向けながら。
しかし、それは、気にせずに鳴く、そして、タグのついた、
耳を2、3振った。

さて、駄文、されど、駄文、どー見たって駄文。
と、この位、言っとけば、いいかな、この前が上手かったからね。どーにも。

お次は、「山奥の川で釣りをする人」でお願いします。
496やさいぢる:03/03/10 04:29
ひゅん、ひゅん。竿が一定のリズムで朝の刺すような空気を切る。心地よい細かい振動が手に伝わる。
何度目かの、とりわけするどい音でハエを模した疑似餌が放たれた。
渓流が深いところで流れを少し緩めて白い清流が緑のにごりとなって淀んでいる
その場所に、餌はすっと、命を終えた虫が舞い落ちたかのように小さな波紋を起こす。
男は一瞬息を詰めた。

「石切り」


497「石切り」:03/03/10 11:36
深緑に染まった深い森が山肌にまるで苔のように張りついている。
古色蒼然としたその山にはしかし、北半分がなかった。
かつて山の内部であったはずの北側は、元から平地であったかのように切り取られ、
白い岩肌をまるで傷痕のように青い空の下に晒している。
その横では無数の白いヘルメットの男達が、蟻の群れのようにせわしなく動き回っていた。
いつか石が採れなくなるまで、彼ら石切り場の男達は山に深い傷を増やしていく。
ここに再び緑が戻るまで、どれくらいの月日が必要なのだろうか。

次は「自販機で買ったばかりのホット缶コーヒー」
498名無し物書き@推敲中?:03/03/10 12:53
熱い!あっっっっっっいって!!
うわ、こぼれた。こぼれちまったよ。
499298:03/03/10 20:00
>>ALL
おとなげない発言でした。陳謝いたします。また、いずれ宜しくお願いいたします。
500エントランス:03/03/10 23:22
500げっと。できたかな。
501エントランス:03/03/11 00:40
>>498さん
えっと、お題を書いてない・・・・それとも、それは?
502名無し物書き@推敲中?:03/03/11 03:08
仕切りなおしするよ?

「自販機で買ったばかりのホット缶コーヒー」
コーヒーを閉じ込めた、無表情なスチール缶。
凍てつく冬の冷気を相手にするには、あまりに小さな姿だ。
しかも、暖を求める者の手には、少々熱すぎる。
まるで、必死になって冬と戦っているようだ。

お次は「丸めたアルミホイル」
503名無し物書き@推敲中?:03/03/11 03:08
彼女は自販機の取り出し口に手を突っ込んだが、すぐに引っ込めてしまった。
もう一度挑戦し、小さな缶を取り出す。袖を鍋つかみ変わりにして缶コーヒ
ーを両手にのせた彼女は、自分のアパートへと小走りに向かった。

次は「深夜の通販番組」で
504名無し物書き@推敲中?:03/03/11 03:09
かぶってごめん
505502:03/03/11 03:11
>>504
絶妙なタイミングに運命を感じるよ(w
 デジタル時計の数字は既に仕切りなおされ、内外を問わず辺りは夜の帳に音も光も
覆われている。なのに、この番組だけは昼も夜も関係なく生き続ける。
いつだってそこで売られる品物は大差なく、番組構成も変化を知らないのにだ。
僕はここで数多くの無用の長物を自ら目にし、そして自ら購入し続ける。
我に帰れば必要ない事は一目瞭然にもかかわらずそれでも浪費を続けるのは、
魔法にかかっているからかもしれない。
 恋かな? 少しだけ考えてから、意識的にかき消した。答えを知りたくない。
僕のジレンマを嘲るかのように、ご夫人達の感嘆が新たな品の到来を告げた。

へたれでスマソ
次のお題は「生ゴミの収集場所」
507深夜の通販番組:03/03/13 03:14
 深夜。寝苦しさに耐えかねて床を抜け出した私は、歪んだ視界の中、台所へと辿り着く。
 冷蔵庫のライトに目を焼かれ、取り出した麦茶を注ぎながらテレビの電源を入れる。
 いつもはいらつく画面表示までのもたつきも、今は気にならなかった。
 唇に触れる麦茶の冷たさが脳を刺激する。徐々に鮮明になっていった私の意識は
画面からの情報をようやく把握できるレベルに達した。
 闇に浮かぶテレビには、懐かしの、と言う言葉が相応しいタレント達が並んでいる。
いつの間にか視聴者に飽きられ、ゴールデンタイムから消えていった人々だ。
 彼等は中央に据え置かれた商品を囲み、口々にその性能を褒め称え、驚き、興味
津々という様を見せる。
 それに合わせ、壊れた電子オルガンの様な驚嘆を漏らす主婦達。
 デモンストレーションを行う男も、しきりに商品の良い所ばかりをアピールし、丸太の
様な腕で、軽いというふれこみの商品を、いかにも軽々と取り回す。
 そしてクライマックス。今まで影も形も無かった代物が次々と出現し、高いか安いか全く解らなくなった
セット価格を、男が冷や汗混じりにぶちまける。
 大歓声。
 すぐに場面が切り替わり、ナレーションによる商品の再説明が始まったかと思うと、またスタジオに
とんぼ返り。
 今度は外国のVTRが始まった。透明な円筒の中で、銀色の、球体と呼ぶにはややいびつな、金属製の
脳味噌の様なものが浮かんでいる。訳の判らないデモンストレーションだ。それが丸めたアルミホイルで、
宇宙エネルギーがどうのと言い出した辺りで私はテレビを消した。
 空になったグラスを流しに置いた時、遠くから今まで見ていた番組の続きと解る音声が漏れてくる。
 またお隣に大荷物が届くのか?考えながら、私は寝床へと戻った。


様なが多い様な文章になっちまった…。
おつぎは「合体ロボ」の描写キボンヌ。
508507:03/03/13 03:19
>>506
まさか被るとは…鬱だ氏脳…。

次は「生ゴミの収集場所」でつ…。
ブロックを積み上げ、畳1畳分弱の四角いエリアを囲ったそこは生ゴミ収集場所。
昨晩に積み上げられていた生ゴミは、既にそこには無く、異臭だけが漂っている。
回収用の袋からこぼれ落ちた、回収されるには小さすぎる生ゴミがその底面に敷き詰められている。
その小さな生ゴミの中、ゴキブリか、それに近い何かが蠢いている。

次「合体ロボ」で
510合体ロボ:03/03/13 16:32
合体する必要が、実際にあるのかという議論の果て、それは完成した。
乗用車と同じくらいの5体の車両が今まさに合体しようとしている。
5体の車両はそれぞれ、神経質に計測された白線に、ミリ単位の正確さで停車されていく。
一号機が停車し終えると、2・3号車が角度、速度を誤ることなく白線に停車していく。
ドライバー達は、この日のために相当な量の運転練習を繰り返したが、周囲を囲む官僚達の視線に緊張を押さえることが出来なかった。
「一番の問題は合体部分のクリアランスでした」この日の主役らしい禿学者がかすれた声で総理に媚びを売った。
五号機が所定の位置に停車し、配置完了の旗が係員全員から上がる。
「合体っ!」禿学者は声を少し裏返らせながら吠えた。
カチカチという、連結音が聞こえ、取り囲んだ係員達が揚げた旗を左右に振る。合体完了の合図だ。
「発進っ」と一歩体を前進させながら禿学者。
合体した5体は5メートル程前進して停車した。
「実験成功っ!」得意気に禿を少し赤くした学者が鼻の穴を少し大きくした。
巻き起こる拍手は乾いていた。

次は「満員電車」
511今見て思ったが:03/03/13 17:58
>>510
削りすぎたw
512298:03/03/13 22:36
「満員電車」

瓦礫の山を蹴散らしたような廃墟が、彼方まで続いている。瓦礫の量からかなり大きめの建築物が、集まって
いたのだろう。コンクリートの残骸で形成された地平線。その中に、まるで場違いに感じるほど原型を留めた
構造物があった。夕闇に包まれ始めた蒼空にうかぶシルエットは、電車の高架と、そこで動くものの何も無い
世界を見渡すかのように無傷で残った電車の車両だ。無論、夕日を反射する窓ガラスの向こうに、人影は無い。
だが、それは偽ることなく、満員電車だ。
 日も落ちた今、都市の亡霊たちは、いつまでもそう有り続けたかったかのごとく、この車両に集まってくる。



辛抱できず参加スマソ。次は「ゴムの伸びたパンティ」
513298:03/03/13 22:43
慌てて書いたので添削不足ナリ
  >いつまでもそう有り続けたかった →そう在り続けたかった
・・・スマソ
514エントランス:03/03/17 02:21
ま、参った〜〜〜!!!
とか〜言ってみたり?
まは〜おらには無理だわ。
515ゴムの伸びたパンティ:03/03/17 23:23
「間違いありませんね?」
 問いかけたのは婦人警官。目線は調書に置いたままで淡々としている。
 対面の少女は目の前にある、ビニール袋に入ったモノを凝視したままで
小刻みに震えている。
 それは、つい数日前まで彼女の持ち物だった。他の洗濯物と同じに干し、
取り込む時になって無くなっている事に気付いたのだ。
 恐る恐る、色を失った指でそっとビニール越しに引き延ばしたそれは、間違いなく
自分のパンティだった。
「イヤッ!!」
 突然、何かに気付いて、少女が下着をはね除けた。ぱさりと軽い音を立て、
パンティは2人しかいない取り調べ室の角に落ちた。
 少女が大声を上げて嗚咽する。
 どのような仕打ちを受けたのか、彼女のパンティはだらりとゴムが伸びきっていた。

じゃあ次は「首狩り十字固め」を描写してください。出来れば技名は出さずに(w
516298:03/03/18 01:38
「首狩り十字固め」

 柔道着の襟はすでに擦り切れてぼろぼろだった。長い放浪の果てにここに立った事への、後悔はすでに消えた。
その襟を正しながら、殺気をぎりぎりで押さえつける間合いで対峙する宿敵を、深い呼吸と共に見据える。
 草叢の中で、これから始まる仕合い、いや、見届けるものもいないこれは、すでに殺し合いと言ってもいいだろう。
素足の摺り足で、足元の小石を蹴散らしながら、じりっと間合いを詰める。あたりには、人影はおろか民家すら見
当たらない。夕闇が拡がりはじめた山あいの、道から外れた草叢を、冷たい風が強まりながら流れていく。
殺意が、お互いの間合いを詰めている。おそらく勝負は一瞬で決まるだろう。相手は空手使いだ。育ての親であっ
た師範は、やはり一瞬の虚を突かれた。先手は必勝では有り得ない。緊張で汗が滲む。だが、それは相手にとっ
ても同じことだ。何処でもいい、相手を掴むことさえ出来れば、一瞬で絞め技を決める事が出来るのだ。相手も、
それを熟知しているから迂闊には仕掛けられない。
「殺す為に修練してきた訳ではない」不意に亡き師範の教えが殺意を抑えつける。その刹那。
 
 呑み込まんばかりの殺意を全身の毛穴から噴出させながら、宿敵は襲いかかってきた。瞬時に反応して構えた
右腕を反転してかわしつつ、そのままの勢いで廻し蹴りが空気を裂いてかすめた。と、同時にかわした半身の鳩尾
を狙った左肘が胴着を引き裂いた。同じ方向に廻り込みながら、次に来るであろう攻撃に反応した。反応出来たの
は、それが師範の命を奪った連続技であったからだ。それは、忘れたくも叶わぬほどに、記憶に焼きついていた。
空気を焦がすかの速さで繰り出される手刀の突き。喉を狙ったそれをかわして、身体は宙に在った。相手の上背
を超えて浮かんだその時、技をかわされ見失った姿を探し、宿敵は見上げた。上がった顎には、すでに右足の
脹脛が巻きついていた。そのまま体重をかけて後ろに倒れこむと、右足首には左足の膝関節ががっちりと組つい
ている。右足の脹脛が、相手の喉を完全に絞め付けた。さらに、右足に掛けた左足に力を入れながら、自身は受
身をとるかのように身を捻る。「ごきっ」と骨が外れる音がして、宿敵は絶命した。倒れて地面に激突するまでの、
一瞬の事だった。




517298:03/03/18 01:45
実は・・・知らない技でしたw(想像で書いた事、お許しください。しかも長文)
次は「冷蔵庫の掃除」なんていかがでしょ・・
518冷蔵庫の掃除:03/03/20 13:17
 こびりついているのは容器の口から垂れたトンカツソースだ。いつついたの
かもわからない直径四センチほどの茶色い輪は、サイドポケットの底面に、す
っかり水分を失って張り付いている。こうなると濡れ布巾で擦ったくらいでは
落ちないのでやっかいだ。
 仕方がないので庫内のものを全て取り除いて底面自体を外して水洗いするこ
とを決意し、美佐子は腕まくりをした。開け放したドアから逃げ出した冷気を
補おうと、冷蔵庫が甲高いうなり声をあげる。
−−電気代が勿体ないな……
 そんな考えがちらりと頭をかすめたが、作業に取りかかるとあっという間に
忘れてしまった。元来凝り性なのだった。
「わっ、これは半年前の焼き鳥のタレ。しかも開封済み……わぁ、これいつの
佃煮?カラカラじゃん」
 一つ一つを確認しながらの選別作業も時間がかかる。
「そう言えばこないだのテレビで、エタノールで庫内を拭くと消毒になるって
言ってたっけ」
 ここまで時間をかけたのだから徹底的にやっておきたい。が、今この家に目
当ての品は無い。美佐子は財布の入ったバッグを手にすると近所の薬局へと出
かけていった。冷蔵庫の前には取り出したバターや牛乳などの要冷蔵食材が、
美佐子が今までいた場所を中心に半円を描いた状態で並べられ、ゆっくりと温
度を上げていった。


  もっと捻りたかったけど良い案が浮かばない……
  次はタイムリーに『空爆開始』でお願いします。
>>518
描写スレでは色々言われるが、俺は捻ってストーリー仕立てになってる方が好きだ。
ただの描写だったら、無個性化して、視点や切り口と言ったおもしろさが見られないからね。

「空爆開始」

世界中が動き出す。
株価は、戦争の短期終結を睨み上昇。
各国首相が戦争開始の是非に各々のコメントを述べ、政治的駆け引きを展開。
ある者は、多くの野心と僅かな使命感から、カメラを片手に戦地へ向かい、
ある者は、家族の安否を最優先し、今となっては戦地となった故郷を捨てた。
「空爆」。莫大な軍事力を背景にしたアメリカ式の戦争方法。
その開始は大量の対地攻撃用平気を搭載した爆撃機が滑走路を離れた瞬間。
投下される対地兵器は、その総数も既に定かではない。
そんな中、一発の爆弾が幸せな家庭を直撃した。
その一発の爆弾がどれだけ人間の尊厳を奪ったかは、多くの人にとってもう問題ではなかった。
「今世紀こそは戦争のない世紀に!」平和を望んだ人々の願いは打ち砕かれた。
今世紀最初の戦争は、多くの予想通りアメリカが口火を切った。

じゃあ次も「空爆開始」で
520リサイクルすっか:03/03/20 22:18
「空爆開始」

 闇夜。電車は滑るように走る。月明かりはない。列車の窓にも明かりはなく、
雪はその白さを誇示することなく秘かに降り積もっていく。列車の中では乗客
達が、ボックス席の座席に、床に、乾電池のように寝転がっている。

 突然、光が空に浮かぶ。程なくして轟音が空気を震わせる。乗客達はそれで
も物音をたてない。走る棺桶のような列車はガタガタと機械音だけを発しなが
らトンネルに突入する。

 空襲なんてもう慣れっこなのか? そんな訳はない。頭上から、突然人生の
終焉が降ってくる。そうなったらもう逃れようがない。無慈悲な確率によって
脈絡なくもたらされる暴力。その恐怖はヒトを耐え難い緊張に誘い込む。そん
な状況に慣れることなどあり得ない。

 ただ、この地帯を抜ければ、比較的安全な穀倉地帯に行けるかもしれないと
いうかすかな希望と、一瞬で全てが終わるかも知れないという絶望によって、
今は皆声を発する機能を失っているだけなのだ。

 (昔の三語スレ投稿作品。お題は「雪」「乾電池」「空気」)

次のお題は「爆発的なフリータイピング」
521298:03/03/21 20:44
参りました・・・私には無理です。っていうか、かなりアバンギャルドになりますよね(多分)
描写として意義つけるのは、かなり困難な作業と思われ・・・
描けない云い訳で申し訳ない。他の方、いかがですか?
時間は無かった。秒刻みで上昇する室温。迫り来る炎は既に扉のすぐ外まで届いているのだろう。
出火元が何階なのか当事者には判断が付かない。
窓から下を覗き込むが巨大なインテリジェントビルの階下は視界に入らない。
焦燥感に負け叩き割った窓から飛び降りる者。泣きすくんで身動きのとれない者。
取り残された者は、窓から見える水平線を、遠くその目に映す。
火の手は70階の仕事を終え、71階にその勢力を終結しつつある。
何度か限界だと思われた灼熱地獄。もう余裕はない。
刹那、涼風。西の角部屋が火を噴いた。南向きの窓から吹き出す内容物。
その怒号はこの巨大ビル最後の叫びへと織り連なる。
切れたダムの決壊か、如何なるものも歯止めにならない。
姿勢を崩し瓦礫へと姿を変え行く巨大ビルから、人が粉のように吹き出す。
否応なしに彼等を地上60メートルの支持無き空間に導く風圧。
自由落下する人々。あり得ない映像。

次は「南の島」
523名無し物書き@推敲中?:03/03/22 01:37
>>522
集結だった。
誤変換スマソ
524名無し物書き@推敲中?:03/03/22 02:33
>>522
悪いんだが、タイピングなんだよな。ダイビングじゃなくて。
飛び込むんじゃなくて、キーボードに打ち込む。
サカーファンはいないのね……

あ、スレ進めて良いから。
お題「南の島」で。
>>524
しまった。タイトル入れてしまった。
物まねみたいに、タイトル入れなくてもその間違いを指摘されたら自分的にOKだったのに。
前の人がギブしたから、イイかなと・・・ゴメンね。
526298:03/03/24 01:22
悔しいから描こう・・
「南の島」

 ゆるやかにうねり続ける波に身を任せていた。幸い、救助胴着を身につける事が出来たので、溺れる心配もなく
さらに墜落した機体から撒き散らかされたバックや木箱を、一つ一つ集めたおかげで海水に身を浸す事無く浮か
んでいられた。胴着に装備された非常食もある。あとは救助を待つのみだ。が、かれこれ1昼夜過ぎたがそれらし
い影は見えないし、聞こえてくるのは波の音だけだ。
 喉が渇いているが、海水を飲むわけにはいかない。不安は増すばかりだった。そのとき、うつ伏せになって見据
えていた水平線に、小さな島影が見え隠れした。「助かるかも知れない」という希望が、自然と両手を動かしていた
 気が遠くなるほどに、サーフィンで言うところのパドリングを繰り返していた。見据えたままの島影は、一向に近づ
いては来ない。時折、休もうかと思うのだが、潮流に任せるにはあまりにもリスクは大きい。もう限界かもしれない。
何度もそう諦めかけては、とうにふやけた両手を動かして、波を掻き続ける。彼は、諦めなかった。
 
 その、見据えた先の波間には、赤道を超えて南下し続ける大きな鯨がゆっくりと、泳いでいるばかりだった。
  

ちと、無理があったかな・・。次は「湿った布団」
527298:03/03/27 00:41
スレストップ懺悔age
「湿った布団」

部屋の窓から外をうかがう。
外は真っ暗だった。遠くの家明かりがちらちらと霞んで見えた。
「・・・忘れてた。」
そう言葉を漏らして、冷え切ったベランダのコンクリート床へ降り立つ。
背後からの部屋の明かりが体を通り抜け、周囲にボォっと感じられる。
その明かりとは対称の位置に、みずみずしい白色をたたえて布団があった。
「白いな・・・」
心無く布団に歩み寄り、手を触れた瞬間の感触に、布団に抱いた神秘は離散してしまった。
「うお・・・ぐしょぐしょだ。夜霧にやられたか・・・」
そう呟きつつも、俺は先程の余韻に浸っていた。
いずれ神秘とは、直接触覚に訴えた途端に失われてしまうものだ、
などとくだらない哲学を思い描く陶酔をよそに、
意識は今夜分の布団をどうしようかと考えていた。


次のお題「深夜の静寂」でお願いします。
529名無し物書き@推敲中?:03/03/27 22:31
「深夜の静寂」

乾いた空気が肌を刺す。黒い空には光が散らばっている。
闇だけが耳に響いている。
530529:03/03/27 22:34
次は「目覚まし時計」で。
531298:03/03/27 23:31
「目覚まし時計」

 深い奥底から、ゆっくりと浮上してきた。よく思い出せないが、良いことがあったかも知れない。体は疲労から
解放され、エクスタシーにも似た心地よさが全身を満たしていく。その時、唐突に目が開いて、温もりの結界とも
言える布団から左手が無意識のうちに外へ伸びる。
「かちっ」というスィッチ音と同時に、左手がそいつのボタンを押さえつけて、その唯一の存在理由である朝の静寂を
破る作動音を、止めた。ついに、目覚ましが鳴る直前に、止められるようになった。
存在意義を失って、目覚まし時計は、ただ時を刻むだけだった。


次は「仮面ライダー」なんてどうですか・・?
532仮面ライダー:03/03/28 06:00
迫るショッカー!地獄の軍団。我らを狙う、黒い陰。
世界の平和を守るためGO!GO!LET’S GO!輝くマシン。
ライダー、ジャンプ。ライダー、キック。
仮面ライダー!仮面ライダー!ライダー、ライダー。
仮面ライダー・一文字隼人は改造人間である。
彼を改造したショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である。
仮面ライダーは人間の自由のためにショッカーと戦うのだ!

いつもオイタしてごめんね。
次も「仮面ライダー」でどうぞ。
533仮面ライダー:03/03/28 06:22
それは、生物として成立する不自然さを周囲に与えた。
同時に、漆塗りを思わせる肌は、呼吸によって振幅し、生命の躍動感を感じさせる。
体毛は規則的に全身を覆い、その配置と分布は幾何学を思わせる。
一般に人間の肉体は、この生命体のようなシンメトリーを実現できない。
全ての映像が、この生物に対して、生命体であり人間では無いと物語る。
この生命体を見た者は一様に、思考を読みとることが出来ないその生命体の視線に恐怖を感じた。

とりあえず自分で書いてみた。
こんなんで勘弁してちょ。

次「重役会議」で
534298:03/03/29 00:37
>>533
ライダーへの「愛」を感じました。ありがとう。
535名無し物書き@推敲中?:03/03/29 01:12
「重役会議」
ナイロン製の靴下は蒸れる。足の親指と人差し指の間に手の指を入れる。
不快感を伴う湿り気が手の指についた途端、指の落ち着く場所がなくなった。
ワイシャツはおろしたて。ズボンはクリーニングしたてだ。
指の主はにやりと笑うと、隣に座るずれた老眼鏡を治している男の腕をみやった。
だれていた重役会議が緊張した会議に変わった。老眼鏡を直している男以外は。
指の主は、湿ったその指を、そっと老眼鏡を直している男の頬に向けて伸ばし始めた。
今日も会社は派遣社員の酷使とサービス残業で忙殺されている。

作成時間 一分。
どうですかね。
536名無し物書き@推敲中?:03/03/29 03:13
age
537名無し物書き@推敲中?:03/03/29 12:35
>>535
次のお題が書かれていませんが……
538名無し物書き@推敲中?:03/03/30 04:04
次「鏡」age
539名無し物書き@推敲中?:03/04/01 00:11
誰か採点しろよ。
540名無し物書き@推敲中?:03/04/01 00:20
500以降ではどれが一番いい?
541名無し物書き@推敲中?:03/04/01 01:29
>>539
じゃあ、描写を採点するスレ作れよ。
「ひたすら」に採点なんか要らないだろ?
文藝板は、頼みもしない採点をして、自分は何も書けない評論家が多すぎ。
542名無し物書き@推敲中?:03/04/01 01:39
ルール決めが難しいね。
543:03/04/02 12:07
 四角い部屋の一面に、横長の鏡がでかでかと取り付けてあった。
「マジックミラーでしょ、コレ」
 女は鏡を軽く叩いてみる。反響音が鈍い。反対側が空洞であることを示していた。鏡の向こうには、スチールパイプの机とイスが、ポンと投げ出されたように置かれている。
「あそこに座らせて取り調べるの?」
 女が向こうに見えるイスを指差しながら、後ろをふり返った。女のすぐ後ろには警官が立っていた。
 警官はおうようにうなずく。歳を取っているせいか、やけに動きがトロい。
「そうだよ。そこに座って、取り調べるんだ」
 女はふうんと言うと、鏡の向こうに視線を投げかけた。
「で、私はなにをすればいいの? 誰の取り調べを、見ればいいの?」
 警官が女に歩み寄った。手を伸ばして、女の手首にはめられた手錠を手にとった。
「君を取り調べるんだよ。さ、手錠を外してあげよう。落ち着いて、イスに座りなさい」
 マジックミラーに、女と警官の姿がうつった。

次は『砂漠の夜』をお願いします。
>>1の例が既におかしいと思う。
穴を描写してないじゃん。
題名を本文に使ってはいけない、とかは?

あと、小話入れる人も主題は必ず題名に。
546298:03/04/03 00:05
>>544
例題は、「覗き見」だから、穴を描写する必要は無いと思われます。むしろ、余分な物を削除してあって
簡潔で良い例題だと、私は思います。(無駄な長文ばかりの私が言うのも何ですが・・・)
547298:03/04/03 00:37
「砂漠の夜」

 満月の白金色に照らされた景観は、生あるものを容易くは受け入れない、絶対的な存在が支配しているかの
ように思えた。零下にまで下がった気温が、日の出と共に灼熱の地獄へと変貌する様は、すべてが風化されて
砂と化したこの世界をひたすらに肯定し続ける。ゆえに、移動はこの夜間に限られる訳だ。
 果てしなく歩き続ける。何も変わることのない、砂しか存在しないこの世界を。
  



次は「カレーライスを作る」でお願いします
548298:03/04/03 01:04
>>547
読み返したらひどく冗漫で中途半端だった。勘弁してください・・・
10分ばかり弱火で煮込まれていたカレーライスは、
お玉をぐりぐりかきまわす少女の食欲によって、
すでに最初の半分ほどの量になっていた。

鬼の母親の顔がよぎり、さすがにまずいと気づいた彼女は
小さいながらに脳を働かせ、
コップにたっぷりの水をそそぎ、なべに入れを、数度くりかえした。

こうしてできあがった物は、カレーというよりむしろ水そのもので、
彼女は母親にひどく怒られたことは言うまでもない。
550549:03/04/03 21:50
お題書き忘れた。

次は「テレビ」で
551298:03/04/08 23:19
「テレビ」
 
 その箱はシンプルなデザインだった。およそ飾り気というものが無いまま、機能性のみを主張しているようだ。
リモコンの信号を受光するダイオードが一つ、赤く点いていて、他には30インチの画面が黒い静寂を守っている
のみであった。電波さえ発信されれば、その箱も「テレビ」と呼ばれるのだが、如何せん先の戦争で放送局は瓦礫
になったままなので、その箱はとりあえず「役に立たない箱」にすぎなかった。




次は「風邪薬をのむ」で、お願いします。
お題  「風邪薬をのむ」

 透明な袋の中には白い粉が入っていた。
 揺らしてみれば、縦に横に歩きまわっている。
 彼は、それを見つめながら眉をひそめていた。
手にもっているそれを飲めば、苦く舌にまとわりついてくる事を知っていたからだ。
 覚悟を決めたようにして、彼は透明な袋を広げた。
顔を仰向けにし、口元にその袋を持っていく。
 白い粉がさらさらと彼の口の中へ走りこんでいっている。
 透明な袋から白い粉がなくなれば、彼は先ほど蛇口から水を汲んでおいたグラスへ手を伸ばしそれを唇につけた。
 水道水で口の中を洗浄し、それが終われば一気に飲み込んだ。
 彼は一度嘆息してから、台所を後にして自室へと戻っていった。


次は「箱船」
553 ◆a9oShqBXU. :03/04/10 17:38
何何はこうでどうして、どう思って、どう感じて、どう行動して、どう考えて、どうなって
どうなった。みたいなことをつらつら書かれても、知ったこっちゃないわけ。言いたい事を
ズバット言えよ。遠回しに下手な描写ばっかしやがって。
銀色の食器はまばやく〜〜とか、部屋の片隅には、木目調の〜〜 そんなんいらねーよ
眠くなるわ    
554298:03/04/11 00:14
>>553
誤爆??
555298:03/04/12 10:31
「箱舟」

 少女は不幸な生い立ちだった。幼いころに両親を亡くして、引き取られた伯母には学校にも行かせてもらえず
日銭を稼ぐように言いつけられる日々を過していた。マッチ売りは、すでに商売にならない時代だ。が、売り物はこ
れしか無い。雪の降るクリスマスの晩に、少女は家に帰れずに泣いていた。暖を取るためにつけ始めたマッチは
もう無くなってしまった。空箱を見つめ、幸せな家庭を夢見ていた。凍える体にはすでに感覚は無い。力を無くして
手から離れた空箱が、凭れたビルの傍らに添って流れる側溝に落ちた。
少女の空想とともに、マッチ箱の船は流れていった。





まったりといきましょう・・・次は「カラスの群れ」でいかがですか・・・?
556エントランス:03/04/12 18:04
553
誤爆ではないにせよ。
自分独自の書き方や、自分の好きな書き方が
あってもいいやろ?
それが、たまたま、あんたが嫌いなだけで・・・・・・。
君のだけに、君のためだけに、書く訳ではないし、
それこそ、君が評論家であって、君に見てもらうならまだしも・・・・。
それは、わがまま?になるような気が、微妙にするんですけども?
557名無し物書き@推敲中?:03/04/15 20:55
小説は読者にとって想像力を働かせる余地が大きいのがイイ、とよく言われるけど
最近の若者は、そうやって想像力を働かせること自体がメンドイと言いますな。
なにしろ(ラノベではない)一般小説の表紙にも、キャラ絵が登場したり
558山崎渉:03/04/17 13:00
(^^)
559名無し物書き@推敲中?:03/04/18 22:28
 見る者の心を貪欲なまでに呑み尽しそうな赤い夕日。
 その大きな炎の球に見下されるように存在する黒々とした森。
 夕暮れのチャイムが大気を揺るがすかのごとく、鳴り響く。
 その巨大で無機的な音に反応し、木々の一つ一つから小さいながらも悪意を感じさせる黒色の点が
まるで墓場から甦るゾンビのように、ゆっくりと舞い上がり、縦横無尽に飛び交う。
 それは炎の中から浮かび上がる灰の塵を思わせた。
 不気味な黒い点は聞く者の喉を痛めつけるような声を上げていた。
 一つの鳴き声が幾多もの鳴き声を呼ぶ。
 カラス。
 それはカラスの群れだった。
 カラスは自らの黒を有した体であたりを飛び交い、これから訪れる漆黒の闇夜を
土の中から呼び寄せているようだった。

こんなんでイイのかなぁ…次「このスレに描写を書き込む自分」
560298:03/04/19 00:39
「このスレに描写を書き込む自分」

 「自分」は悩んでいた。PCの前でいつものようにこのスレに書き込もうとして、躊躇していた。テーマが問題なの
では無い。おそらくは、かつてここに書き込んでいた殆どの人が感じていることであろう、ある特定の「読み手」を
意識してのことである。
「自分」が考える描写スレへの付き合い方は、ひどくシンプルなものだった。それは、描きたいように書く。これだけ
だった。制約は勿論、科せられたテーマにある。要は、評価を求められるものではないのならばテーマから逸脱さ
えしなければ、何でもありだ。あとは、これも一つの「付き合い」なのだから、それなりに失礼の無い程度にレベルを
向上させる努力をする。後は、何も無いはずだった。
 が、彼(もしくは彼等)はそうではないらしい。「自分」は打ち込もうとする手を止め、またしても溜め息をついた。
「はぁ、1がどう考えてたのかな・・・降臨しないかな・・・」






次は「苔むした石」
561名無し物書き@推敲中?:03/04/19 08:21
太陽の光が強い。
歩いて外へ出てみると白い光が差し込み、辺りを照らして
いた。庭先にはごろごろとした石が大量に転がっている。
僕は苔の生えた石を見つめ、ため息をついた。

祖母の代からある池を見つめていると、水面に葉っぱ
が大量に浮かんでいた。
「いい加減掃除しないとなあ…」
小石を蹴り飛ばして、しばらく庭先をぶらついていた。
562561:03/04/19 08:24
描写というかボロ小説の一編そのものじゃん自分

お次は「海」
563名無し物書き@推敲中?:03/04/19 17:59
 海。
 僕の家からは海が見えた。
 僕は妻の手をなでるように握りながら、窓の外の海に視線を伸ばしていた。
 ソファーに座った妻は、新たな命がやどった少しふくらんだお腹をさすっている。
「あ、蹴った」妻が珍しい花でも見つけたときのような口調でいった。
 その幸福感がつないだ手を通り、僕にも伝わってくるようだった。
「今日は、これで五回目だ」僕は妻のお腹をやさしくなでた。
 妻は、かつて僕を何度も見るだけで幸せにした笑顔を浮かべる。
 医者はあと三ヶ月というが、もっとはやく生まれそうな気がした。あと一ヶ月でもおかしくないとさえ感じる。
 とても元気な子に違いない。
 僕は再び窓の外の光景に目をやる。
 控え目な砂浜に、すべてをやさしく包み込むような海原。穏やかなさざなみの音が、潮風にのって届く。
 海。僕が海をはじめて見たのは小学校の臨海学校のときだ。
 幼いころは海を見ることなく育った。ただ、小さな僕だけの小さな海はあった。
 宝石をちりばめたような水面。ひんやりとした水。僕はそこにうつった太陽を小さな手のひらで
 ぱしゃぱしゃと叩いて、喜んでいた。かたわらにおじいちゃんが立ち、僕に水しぶきを浴びせる。
 そして小さな海の底にはミッキーマウスがいた。
 庭でふくらました、青いビニールプールが僕の海だった。僕だけの小さな小さな海。
 僕は妻の顔に目をうつし、再びお腹をゆっくりとさする。
 今度は言葉をこめてなでた。
 生まれたら、海で遊ぼうな。
564563:03/04/19 18:02
次は「映画館」で。
565名無し物書き@推敲中?:03/04/19 22:32
>>563
リリカルなSSだな。
そんな感じ目指して。

 小さな映画館だった。彼女を先導して明るいエントランスを抜けると、僕は重いドアを押し開いた。肩でドアを抑え、彼女を招く。彼女が僕の前を掠めるように通り過ぎると、シャンプーの芳香が追うように香った。
 薄暗い照明の下、僕は彼女の手を取ると、中央の通路をスクリーンへ向かって歩いた。画面が視界いっぱいに広がる距離で歩を止め、硬い座席についた。手は握ったまま。
 照明が完全に落ち、後方から一条光が伸びた。光の中で埃が舞う。スクリーンに像が結ばれると同時に、四方から音声が発せられ、空気を震わす。
 彼女が僕の手を、少しだけ強く握って言った。
「楽しみだね、これから」
 これが僕らの初めてのデートだった。
566565:03/04/19 22:33
次のお題は「キーボード」
567名無し物書き@推敲中?:03/04/20 00:46
「キーボード」
 
 やれやれ、またかよ、と、俺は思った。
 そいつが、薄汚れた俺のボディをいじくりまわすよう乱雑に叩く。
 指がヤニくさい。少しぐらいは清潔にして欲しい、と俺はいつも思う。
 いらついた様子でHが三度ほど叩かれる。Hの調子を悪くしてやったのだ。
 キーボード界の法律では、文字の自主入力を禁じられているが、キーの反応を悪くするのは
 罰せられないことになっている。
 H。
 Hはそいつが一番叩くキーだ。それを愛しているらしい。
「明日は映画館だー」俺にそう打ち込まれる。
 俺はいつも言葉を入力、変換させられるたびに思う。
 どうしてよりによって、こんな奴のパソコンのキーボードになってしまったのだろう。
 自分に自信がなくて、涙もろくて、いつも怯えている。
「俺、嫌われてんのかな?」とか「どうしよう…電話かけようとしてから、もう一時間経過しちまったよ」とか。
 どうせなら、もっとかわいい子のパソコンのキーボードになりたかった。
 やさしてなでるように俺をさわり、こまめに掃除してくれるのだ。
 俺の持ち主がいうHでも構わない。「笑顔がマジで最高なんだよ」だそうだ。
「もちろん恋愛映画だよ」そいつがまたもや乱暴に俺を叩く。
 俺の持ち主はチャットというものを毎夜している。俺はキーボードなので相手との会話は見えないが、
 会話相手はいつも「ナオキ」という奴で、俺の持ち主はいつも恋愛相談をしているのだ。
 深田さんというバイト先の女の子にほれたらしい。HUKADA。Hだ。
「深田さん俺のこと、どう思ってるんだろ…」
 あれ、と俺は思う。Hが一度も叩かれなかった。「深田さん」という文字があったのに。
「ありがと」と、ナオキに返事をしたとき、俺は気づいた。
 Fだ。フはFUで代用できるのだ。くそっ、こいつも賢くなってきやがった、と俺は心中毒づく。

 ↓
568名無し物書き@推敲中?:03/04/20 00:47
「ああ、明日、どうやって告ろう…」
 何? 明日、告るだと?
「おう。ちょっともう寝るわ。すっげぇドキドキ」
 ちょっと待て。告白するのなら、俺がもっと前に気づいてもいいはずだ。
「うん。ありがとよ」
 わかった。電話だ。あのいまいましい電子機器で俺にさとられないように、ナオキと相談したのだ。
「おやすみー」
 待て!電源を切るな!もっと色々と――。
 俺の体内から魂が吸いとられるように、電気の命が断たれた。
 思考停止。

 俺は目覚める。おそらくあれから一日は経過した。
 告白の結果も出てるはずだ。
「ナオキイイイイイイイイイイ」今夜もナオキとのチャットだ。
 俺は困惑する。これは絶望の叫びなのか、喜びをあらわす叫びなのか。
「電話でいったとおりいいいいい」
 また電話か。まぁいい、はやく先を言え。
「OKだ!!!!!!!」
「はっはー!」
「ありがと、ありがと!」
「マジ幸せ」
「あれ?」
「ナオキ、お前『おめでとう。今日は存分に打ち込め』なんて入力したか?」




 これは描写じゃないな…完全なショートショートですな。ごめんなさい。
 次「爪きり」
569名無し物書き@推敲中?:03/04/20 01:11
ワナビーの断末魔のよーなスレだな。
570山崎渉:03/04/20 01:30
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
悪徳勧誘業者に大人数で押し掛けるオフ
http://life2.2ch.net/test/read.cgi/offevent/1044439342/l50
572名無し物書き@推敲中?:03/04/20 13:58
畳の上で膝を立ててうつむく、ぱちん。
あいつが何か話しかけてくる、ぱちん。
話す事はいつも同じだ、ぱちんぱちん。



深爪、ちくしょう。
微妙にいらついたまま、食事の支度に立つ。

次「知恵の輪」
573298:03/04/20 14:00
「爪切り」

 陽当たりのいい縁側で新聞紙を広げて、年老いた父は一人で爪を切っていた。最近では見かけることのない、
大振の爪切りはさみで、慎重に少しずつ切っている。かつては、亡くなった母の仕事であった作業を、時折肉を
挟んだらしく「痛い」と、顔をしかめながら。まだまだ、慣れるにはしばらくの時間を必要とするようだ。


次は、「軋むダブルベット
574298:03/04/20 14:02
「知恵の輪」でどうぞ・・・
575名無し物書き@推敲中?:03/04/20 17:18
「知恵の輪」

 かれこれ一週間は悪戦苦闘している。
 知恵の輪タイム、と、私は名づけた。テレビにも、雑誌にも、紅茶にも飽きて、
することが何もない暇なときに、知恵の輪タイムははじまる。
 いつもの知恵の輪タイムは、たいていおやつの時間に来るのだが、今日は夕方。
夕方は晩ご飯の買い物に行ったりと、忙しいのだが、今日は違う。月に一度の外食だ。
 夫から電話がかかってくるまでの知恵の輪タイム。
 私は小さな指を駆使して、流動的な鉄の細工の謎に一週間――気づいたら、そんな
に経過していた――挑み続けたのだが、繊細で嘲笑うかのような金属音はいっこうに
消えない。
――これ、プレゼント。
 夫は会社帰りに買った知恵の輪を渡した。なんの記念日でもない。
 私が、どうして、とたずねると、
――なんとなく。
 と、答えるのだった。
 かちゃかちゃかちゃかちゃかちゃ。聞きなれた音が耳をうめつくす。
 私は三日前に、キレて――キレたのだ――知恵の輪を床に投げつけた。おかげで
床に傷がついてしまった。
 夫の、もうやめたら、という声にも耳を貸さず、私は知恵の輪に挑戦し続ける。
 もう一時間が流れた。
 私はこりずに、こっちかな、とか、こうでしょ、とか、ばか! とか思いながら、
知恵の輪を手から離さない。
 電話がかかってきた。久しぶりに聞いた知恵の輪以外の音だ。
「駅についたよ」
 夫だった。湿りけを含んだ、やわらかい声だ。
「わかった。今から出るわ」
 従順そうな妻の声で私は言った。
 私はすぐにコートをはおり、家を出た。
 知恵の輪は、今日もはずれない。

 次、「軋むダブルベッド」
576エントランス:03/04/20 21:40
暖かい光が部屋の中に差し込んでいる。
それはベッドを白く浮き立たせている、まるで雲のようだと、
彼は思った。
だから、彼は、彼女を誘ってみた。
彼女は少し鬱陶しそうに彼を見たが、仕方が無いと言った様子で、
重くも軽い身体を起こした。
彼女は今まで寝転んでいた場所を惜しそうに一度振り返りながら、
彼について、そのベッドに飛び乗った。
そこは、雲のようにフワフワしていた。
暖かく、気持ちがよかった。
彼を見ると、
彼はシーツに丸まって遊んでいる。
彼は彼女を誘うが、彼女は子供ねと顔をそむけ、その場所で丸まる。
目の前で、シーツと格闘している彼が彼女の目に映る。
と、そのベッドが軋んだ。
上下に体が弾む。
彼と彼女は思わず爪を立てて、身構える。
それは見慣れた顔だった。
その顔は怒ったような、笑ったような声で、
「ベッドの上に乗っちゃ駄目でしょ?」
そう言って、彼が包まっているシーツを引っ張る。
彼はベッドの上に落ち、彼女のもとへ向かう。
シーツに顔を近づけ、
「ああっ、穴があいてる・・爪立てたのね」
はあ、とため息を漏らすと、
ベッドがさらに軋み揺れた。
おいで、と顔は言う。
彼女と彼は日の光より暖かい、顔の元へ向かう。

次は「雨の降る、路地」
577名無し物書き@推敲中?:03/04/20 21:53
徐に人差し指を立てた。指先は暗黒の魔境に吸い込まれて行く。
鬱蒼とした木々の葉を擦り抜け、限界点でもどかしく蠢く。
粘着質な感触を愉しみ、やがて歓喜の身を震わせて勝利の凱歌を挙げる。
「鼻くそ、取れた」
578298:03/04/21 00:33
「雨の降る、路地」
 
 全く馬鹿げたことだった。かろうじて街の形を残していたその地区まで、彼は走り続けていた。折り重なるように
倒れた瓦礫と化したビルの隙間を走りぬけて、爆風を免れたそこには、まだ「日常」が残っていた。
 蓋のしめ切れないほど、ごみを詰め込まれたポリバケツ。壊れかけた飲み屋の看板。ほっとして、立ち止まった
つま先がゴミ箱の蓋を小さく蹴った。見上げたビルの谷間の隙間に、真黒な雲が覆い被さっていた。
 敵の姿も見えない戦争だ。間もなく、雨が落ちて来た。彼は、もう走らなかった。どこにも逃げられない。致死量
に近い放射能を含んで、大粒の真黒な雨が彼をつつみはじめた。





次は「4番 清原」
だから、それは描写じゃねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
580298:03/04/21 19:32
>>579
あなたは1ですか?もしそうであるなら、「描写」の定義を明文化して下さい。1で無いならば、お門違いな発言と
思われますが?
確かに「描写だけ」ではないよな。
お題の描写を含んだ、文章っていう感じのが多い。けど、そっちのが書きやすいし、
このままでよいと思う。

つか、四番 清原って難しいな…
今は五番だし…
だって、描写にセリフが入ってんだぞ・・・・・・。
583堕天使:03/04/21 22:13
584298:03/04/21 23:52
>>582
話をしている場面、しゃべり続ける場面、モノローグのみで綴られる描写も、この世には存在していると思いますが
確かに、セリフのみで状況描写を兼ねるのは安易な手段ではありますが、それも使いようだと思います。
 肝心なのは、ルールの範疇を定めることではなく、如何に皆が楽しめるかにあるのではないでしょうか。
うまい下手だと、感想はあるかと思いますが、それを求めるスレではなかったとも思いましたので、一筆執りました
御一考ください。
585弧高の鬼才 ◆W7fyJoqOQ. :03/04/22 03:05
別に安易じゃねーだろ。逆に難しいぞ。
まぁいい、誰か清原書け。
俺には無理だ。
たとえば>>575なんて知恵の輪じゃなくて、知恵の輪に苦闘している人ってかんじじゃん
>>587
書いたのは俺だが、確かに知恵の輪の描写ではない。でも知恵の輪の描写は含んでる。
文句をいわれても言い返しはできんが、俺は書きたいように書く。
お題の描写を含んだ文を書く。それがこのスレの流儀じゃねーっていって、全員に否定されたら、
俺は出てくぞ。つっても、俺と似たように書いてる人多いけどな。
あんたはあんたなりの描写で書けばいいじゃねーか。
エキセントリックである、と表記すればなんとなくマシに聞こえるかもしれないが、平たく言えば彼は’変人’である。
大木を思わせる図体-ーー-木種はおそらくウドだと思われる----に、岩から荒く削りだしたようないかつい顔。土臭い大根さながらの四肢に、心なしか不恰好に見えなくも無い醜い腹。
その嗜好も尋常ではない……おそらくは。彼の棲み処は同僚達に「清原の巣」と呼称され、その実態は謎に包まれている。
すべてが明かされるとき、それすなわち世界の滅亡と同義であるとか言うウワサがあったり無かったり。
あれ……? 何か違うような。この清原じゃなかったっけ……?



書きにくすぎだよオイ。文学板初心者には厳しすぎる題だ。
じゃあ次は、「紅茶」
590298:03/04/23 00:46
>>589
お疲れ様

「紅茶」

 カップから匂い立つ香りは、情熱を秘めつつも強いて前に出てこようとはしない、薔薇の花のそれだった。
鼻腔の奥まで堪能した後は、静かに喉へと流し込む。カップが唇から離れるまでに、かつて世界の海路を
制した国の栄華を偲ぶ。荒くれの船乗りたちですら、この時ばかりは紳士然となったのだろう。



次は「買い物をするノバうさぎ」
591名無し物書き@推敲中? :03/04/23 01:51
それはとてもショッキングな。

PINK。

ウィンドウに映るのはハレーションを起こしそうなピンクのボディ。
と、蒼い空。絶好の御買い物日和だわ――とノバはこちらを振り返った。
かわいらしく揺れる腰。
きっとノバには豊かなドレープの入ったスカートが良く似合うだろう。
きっと狼のような顔をして僕はそう思った。

「おまたせ」

君は天使だ。



次はねー、「うなぎ」
592うなぎ:03/04/23 15:16
幼い頃、私は交通事故で両親を失い、祖父母と共に暮らしていた。
それは決して裕福とは言えず、時には何度もひもじい思いもしたが
私の事を思いやってくれる祖父母のお陰で大変幸福なものだった。
そんなある夏の日、祖父がたらいを抱えて我が家に戻ってきた。
私がたらいの中を覗き込むと、そこには黒く輝く、くねくねと
艶かしく動く、細長い奇妙な生き物が泳いでいた。
「たかし、じっちゃんな、さっきな、このうなぎ、魚屋の政さんにもらってきたんじゃ。
どうだ、ちょっと触ってみろ。」
祖父はそう言って私の手をたらいの中へ押し込んでいった。
私は今でもその時の水の冷たさ、そしてその生き物ぬるりとした
不思議な手触りを覚えている。
当然、その日の夕食は祖父が持ち帰ってきたその生き物であった。
私は生まれて初めて食べた、その生き物のとろけるような舌触りと
それ特有の匂いに食欲をそそられて、いじきたなくも御飯を3杯も
おかわりしてしまった。
あれから十年経ち、上京して色々な物を食べる機会があったが、
2つ驚いたことがある。
一つはこれほどの多くの料理店があるにも拘らず、あの時以上に美味いものに
未だ巡り合ってないこと。
そしてもう一つは、あの時食べたのが鰻ではなく、どじょうであったということだ……
あっ、次のお題は「パンチラ」でお願いします。
594298:03/04/24 00:24
「パンチラ」

 本厄を過ぎたこの年になって、見慣れた通勤風景の中にとてつもないドラマを期待していた。それは、まさに
限界ぎりぎりのところで男たちの欲望を断ち切っていた。だが、歩くたびにその誘惑は果てなく続く。絶望と期待
の狭間で、舞台はクライマックスを迎えた。後に続く男たちの視線を、その欲望を一身に背負い、彼女はホーム
へと上がる階段を上がり始めた。これほどの美人が、ミニのタイトスカートで階段を上がる様は、天女が空へと
帰っていくかのようだ。そして、そのときは突如として訪れた。彼女がつまずいたのだ。形の良いお尻をつき上げ
手をついたそのとき、そのドラマを直視できない小心者達は、私同様目をそらせていた。幸せそうに、困った素振
りを忘れずに。



次は、「初恋の女の子が遊びに来た」
「初恋の女の子が遊びに来た」


机の上を整理した。
部屋じゅうに消臭芳香剤をふりまいた。
妹の部屋から白い円卓を借りてきた。
掃除機は二回かけた。
粘着ローラーを念入りに転がした。ベットの下にも。
いつもはそこに隠しているものはすでに別の場所へ移してある。

開け放たれた窓から五月の空が見える。
すべりこんでくるのは、今年はじめての薫る風。




次は「急須」で。
596298:03/04/28 00:34
「急須」

「落ちない」というよりも、すでに茶渋色となっていた急須は、祖母の嫁入りの時からのものだった。茶漉しの
金網は、私が憶えているだけで三代目だったが、急須そのものはすでに私の年齢を遥かに超えていた。
茶の間の祖母と常に供にあったそれは、持ち主であった祖母の葬儀の際に、最後の務めを終えた。祖母の手順を
なぞりながらお茶をいれる母の手は、幼い頃に見ていた祖母の手と見紛うように思えた。
 さまざまな家族の出来事や、食卓での話をずっと聴いてきた急須は、納棺の際に祖母と供に納められた。






次は「笑う狂信者」ってのは・・・・・・だめかな。
597298:03/05/01 20:14
どうやら、ダメだったようですね……。









                                             


                                         逝ってきます
このスレも598 で
          糸冬 了 
            ですね。
599名無し物書き@推敲中?:03/05/01 22:43
fぎうおfxhclk、;うyっhxfh
600笑う狂信者:03/05/02 23:26
白装束の男はにやりとした。

これで勘弁してくれ。次、「湿布」。
601エントランス:03/05/03 01:14
少し日焼けした黒い大地に、それは不自然なほど、目立っていた。
ツーンとする匂いが鼻を刺激たのだろうか?
彼女は顔を一度そむけて、匂いの流れを消し、
日焼けした肌とは対照的な色の角を指で摘まむと、
少し眉を曲げた。
痛かったのだろうか?
少しずつ、剥がされてゆくそれは、
悲鳴を上げるかのように、彼女の皮膚にしがみ付いていた。
それは元あった物とは違い、すこし熱を帯びていた。
支えを失ったそれは、死体のように、ベラベラと揺れて、
口を開けたゴミ箱に吸い込まれていった。
そして、新たな命が生まれた。
新たな命は、透明なフィルムを剥がされ産声を上げる、
そして、熱を帯び、すこし腫れ上がっている火山を、
雲のように被うと、雪崩のように下から順に落ちていった。
そして、雪山が形成された。が、
しばらくすると、
雪山は白いベールで覆われて、その姿を見る事が出来なくなった。

次は「掘り起こされた宝箱」
602565:03/05/03 15:18
「笑う狂信者」
 二人がいつから付き合い出したのか、周囲の人間は誰も知らない。
小学校からの幼馴染だということだけは周知だった。同じ中学同じ高校同じ大学。会社こそ違ったが業種は一緒。傍目にも、二人は共に励まし合い、互いが互いを支え、深く理解し合おうとしていたのは明らかだった。
 社会人になり数年が経てばきっと結婚するのだと、周囲の人間は誰もが思っていた。おそらく当人たちもそう信じていたに違いない。信じない理由などどこにもなかった。
 ただきっかけだけがないままに、時が流れる。
 彼女の妊娠が発覚したとき、それが結婚の契機になるはずだった。しかし、彼は別の女性を選ぶ。義理ですすめられた見合いの結果だ。彼に似合う女性になろうと努力を重ねた彼女とは違って、何も知らず何もできない幸せな女性。
 
 彼は、この子が産まれれば、きっと帰ってくる。私は彼のことを信じている――そう言って彼女は笑う。腹に手をあてて、丸いふくらみに沿ってゆっくりと動かす。その所作は、母親になろうとする女性らしい、穏やかな仕草だ。
 彼女の笑みは、慈愛に満ちたものになるはずだった。しかし今、彼女は口角を上げて口元だけで笑顔をつくる。目元には笑みの欠片もなく、瞳はせわしなく視線をさ迷わせる。
 それはひとかけらの疑いも挟まない、純粋な狂信。

今更だけど、ずっと書き込めなかったので…。
603掘り起こされた宝箱:03/05/04 03:30
 シャベルをどけると、土に塗れた木の箱が見えた。
 穴に手を突っ込み、持ち上げようとする。……まだ、ぴくりとも動かない。
 シャベルを持ち直し、箱の周りの土に差し込む。汗が眦に流れ込んできた。手を止め、それを
ぬぐう。すると今度は泥がつく。俺はシャツの裾を掴み、乱暴に顔を擦った。
 そしてもう一度、シャベルを穴に差し込む。土を抉り取る。そしてそのたびに、箱は微かに震え、
その重みをシャベルに伝えた。
 やがて穴は、箱が見えた時の倍に広がっていた。
 土汚れはすっかり取り除かれ、まるで安置してあるように見える。粗末な木箱。何も知らなければ、
中にあるのはゴミか、藁か、どちらにしろガラクタだとしか思えなかっただろう。
 俺はシャベルを放り捨て、穴に飛び込んだ。腰を落とし、指を箱の下に差し込む。湿った土の
柔らかさが、冷たさが、指に伝わるけどそれを無視する。もう目前なのだ。後は運び出すだけなのだ。

 力をこめると、少しだけ箱が浮かぶ。
 そしてジャラリと音がした。


 次は『美女』
びしょびしょに濡れた女がいた。


次は『夕日』
605298:03/05/06 00:43
>>604
それは、「洒落」ですか?っていうか、終わってなかったんですね。ちょっと嬉しかった。
606夕日:03/05/08 01:50
目を覚ます。
赤い光がカーテンの隙間から差し込んできているのが分かる。
汗の匂いのする布団を出て、窓の方へ向かう。
夕べは友人達と麻雀に明け暮れ、床についたのは太陽が昇ってからだっただろうか。
テーブルの上の灰皿を見ていると、片付けるのが憂鬱になる。
空気が悪い、でも窓を、カーテンを開けるのはゴメンだった。
隙間から差し込む赤い光、それを放っている太陽。
それを見ると、一日が終わってしまう事を否応無く知らしめさせられるから。

次は「台風」
607エントランス:03/05/11 18:22
空は重々しく、悪意の闇に満ちていた。
木が苦しげにたわみ、空から逃げようとしているかのようだった。
ごう と風が一段と強く吹く、
それに見合わせたように、
雨のツブテが一層激しく叩きつけ
大地を砕こうと言う意志さえ感じられた。
ここには風が無い、
ガタガタと窓が揺れ、風がその強さを見せようとする。
風の牙が窓を傷つけ、窓が悲鳴を上げる。
雨は集まり、
大地を押し流そうとする濁流となって、その姿をあらわした。
蛇の様にうねり色々な物が飲み込まれてゆく、
この景色に絶望と恐怖を覚えないものは居ないとそれは思った。

次は「逃走劇」でお願いします。
608動画直リン:03/05/11 18:29
「逃走劇」
夜気を切って男が走る。
スニーカーのつま先でアスファルトを蹴り、
ジーンズを突っ張るようにして腿を引き上げ、
踵を前へと突き出して接地させる。
寝静まった住宅街をひたすらに走り続けて、幾つもの角を曲がり路地を抜けた。
両足が交錯するたび、白いシャツの裾が夜目にも鮮やかに翻る。
既に男の呼気は荒い。口元はだらしなく開いて、両肩が大きく上下している。
硬く握り締められていたはずの両掌も今はひらかれ、汗でじっとりと湿っている。
走りながら男は、引きつった顔つきのままで背後を窺う。
瞬く街灯に照らされた路地には、どんな気配も感じられない。
一連の走る動作を緩やかに止め、男は路地の真ん中に立ち止まった。
荒い呼吸を整えるように、大きな溜息を一つ吐く。
遠吠えが聞こえた。
男はぴくりと体を縮ませる。
消えかけた遠吠えに応えるように、近隣の家々の庭先から犬の遠吠えが続く。
男の背後で、ガチャリと音をたてたのは、犬を繋ぐ鎖。
いまだおさまらない息を再び荒げて、男はその場から逃げ出した。

次は「揺れるカツラ」……なんてどうでせう。
610298:03/05/15 08:02
「揺れるカツラ」

上品そうな奥様、といった感じの女性が、スーパーのレジ前で転んだ。決して取り乱したりはしないのが上品な
奥様らしい所以ではあったが、頭の上で付けていたウィッグが外れかけた。後頭部で、地毛との間に大きな隙間
を作ってしまい、それはまるで笑う口のように揺れていた。




次は「情熱の汗」
611名無し物書き@推敲中?:03/05/18 00:05
きらきらとひかっていた。


次は「熱血の汗」
ぎらぎらとひかっていた。


次は「雲」
613:03/05/18 13:09
空の一角を広大に占めもはや風景の一部と化している巨大な雲は東の方からすがたをあらわしその身を重そうに横たえている。
視界の隅にある程度では、空の一部、山の一部と見紛うほどの薄い存在感に確かな物量と迫力を併せ持った入道雲である。
蒼穹に映える白いからだは山脈にかかった足の部分がわずかに黒ずみ、鮮烈過ぎる白い頭を先へ伸ばして山のごとく鎮座している。
細い切れ雲が風に吹かれて運ばれるそのはるか上空にあって、寝ている牛か熊が大儀そうに身を動かすように僅かずつその形を変わらせ
雲そのものが渦か台風のように、それ自体がうねりそれ自体で身を構成する物質を転変しているのは不気味な異形の生物かそれとも
宇宙の神秘を見せ付けられているようであった。日の光を反射したからだに陰影を作りながらもどこまでも白いそのからだを、
しっかりと凝視するうちに少しずつ中天を流れてゆくのがわかる。山脈を離れ身を空に完全に躍らせ溶け入るように浮かぶ
足元には、雨雲に転じつつある一部を覗かせ遠雷を響かせ驟雨を予感させた。
視界一杯に、空の全体を覆いつつ白いからだを灰から黒へ変えながら西へ移動し、光を遮り暗い影を地上に大きく落としつつ
一歩先へ出た、今だ僅かに白さを残す頭が西の果てに姿をくらませ他の部分に同化してしまうと、
東の山脈には更に黒い雲か次々とわきでてきていた。

60点


次回「一杯の灰皿」で
614山崎渉:03/05/22 02:46
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
保守
616エントランス:03/05/26 00:20
銀色の色を放ちそれは、
苦しそうに見えた。
大きく開けた口には
許容量を遥かに超えた煙草が乗っていた。
それは、不気味で不恰好だった。
幾重にも重なったそれらは、お互いを締め付けあい、
一つの生命体のように存在感を放ち、
銀の皿の上に居座っていた。

・・・・・・わけわからん。

次は「銃・・・狙撃手の引き金を引く瞬間」が適当かと思うので、どぞ。
男は、目標に左手の拳を向けた。
突き出された拳、その拳からは天に向かって一本、親指だけが高々と立っている。
拳がゆっくりと逆さまになっていき、完全に逆方向を向いた所で動きを止めた。
天に向かって伸びていた親指は、今や地獄への道標。
彼はゆっくりと微笑み、そして、右手を…

次は「破壊力」とりあえず、示されていればなんでもいいです。
618破壊力(…か?):03/05/26 02:31
 男が左拳を持ち上げた。大きい。腰を落とし、やや半身の体勢を取った彼の目線は
俺とほぼ同じ高さだ。しかし、巨大だった。
 背筋の隆起、殴る為らしい筋肉が、異常に盛り上がっていた。それらと一繋ぎにうねる両腕も太い。
俺の足首程もあるリストの先、両の拳はさながら生きたアスファルトだ。
「叩くよ」
 抑揚無くそう告げた。相手は目の前のチンピラだ。俺は数秒前までこの不良を絵に描いた様な
クソガキに命を脅かされていたのだ。
 しかし今は違う。奴は俺の胸倉を掴んでいた左手をそのままにして硬直している。俺が縛を解き、
数歩距離を取った事にすら気付いていない様子だ。
「いいね?」
 男のそれは問いであり、問いではなかった。言葉と同時に目が変わった。眼窩に内包されたモノだけが、
スッポリ肉食獣のそれと入れ替わったかの様な変化だった。
 チンピラは顔色を無くし、口をパクつかせている。しかしもう男には情けなど無い。
 ぬるりと、本当にぬるりと男の筋肉は動いた。右膝が浮き、左の爪先が地を蹴る。体勢が低い。
「ヒィィイッッ!!」
 チンピラが叫んだ。悲鳴だった。両手で顔を覆い、只悲鳴を上げていた。先程の俺などとは比べものにならない
程の圧倒的無力。顔を守るその右手には、まだ凶器が、俺を脅したナイフが握られているにもかかわらず。
 ぱんッ!!
 それは腕が砕けた音でも、胸板がぶち抜かれた音でもない。鋼鉄の右拳は、マッチ棒の様な両手に覆われた
顔面の寸でで制止している。男は全力で加速した拳を、寸止めにしていた。その衝撃に、自身の纏った胴着が
破裂音を立てたのだ。
 拳から人差し指と中指が持ち上がり、伸ばしてナイフを摘んだ。チンピラは半狂乱のまま訳の判らない事を
喚いてそれを振りほどこうとしたが、ナイフにぶら下がる様にへたり込んだ。見事に腰が抜けていた。
「警察行こうか?」
白い歯を見せる胴着の男。俺が道場の門を叩いたのは翌日だった。

えっと次は胴回し回転蹴りを技の名前を用いずに描写してみてくだちい。



二人の人間が対峙していた。共に白い胴衣を着ている二人の男。
一陣の風が吹きぬけた時、両者が同時に走り出した。
片方の男が正拳を繰り出す、それは容赦の無い、そして回避不能の速さで男に襲い掛かる。
しかし、その拳は空を切った。動揺した男が、慌てて構えるが…もう遅い。
前転をするような格好、遠目から見たら転倒したようにも見えただろうが、実際はそんな生易しいものじゃない。
前転した男の身体が地面に近づくと同時に、天に向かって足が伸びる。高々と上がった足は、そのまま防御しきれなかった男の肩に降り注ぐ。
ゴキリ、という鈍い音が辺りに響き渡り、そしてゆっくりと蹴りを喰らった男が地面に倒れこむ。
勝負はその一撃でついた。蹴りを放った男はゆっくりと立ち上がると、そのまま背を向き、何処かへと歩き出していった。

あるいは、ただ単純に、
「竜巻旋風脚!!」

次は、スタント(映画とかでよくある奴、スタントマンがする奴です)ヨロシク。
620山崎渉:03/05/28 10:25
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
     /VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVN\
( ・∀・)∩ ウンコビ━━━━━━━━━━━━━━━━━ム  > ( ´_ゝ`)   
    ⊃  VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVN/

                                人人人人人
( ・∀・) ニヤニヤ                       ≪ 煤i: ´_ゝ`)≫ ビリビリ
                                ^Y^Y^Y^Y^Y 

(;・∀・)                              ( ´_ゝ`)  

・゚・(ノД`)・゚・うわぁぁん                      ( ´,_ゝ`)プッ

 (ノД`) !?                             煤i: ´_ゝ`)ウ・・・

ヽ( ・∀・)ノ ウンコー                        ヽ(・∀・ )ノ ウンコー
622名無し物書き@推敲中?:03/06/05 21:38
坂道がきついので後ろ向きに歩き、曇った空と遠い町
並を視界の上下に当分に捉えながら汗を拭いつつ両親
の家に向かった。マッチ箱のような小ぢんまりとした
建物にに真紅のブリキ屋根を乗せた家作がヒステリッ
クなまでの込み入り方でどこまでも増殖してしまった
この街で、両親の家だけが緑と紫のツートン屋根を頂
いた異様な建造物であった。/おかしいのは屋根だけ
ではなかった。ベージュの外壁全体が常に濡れている
のである。水で濡れているのならまだしも、いつだっ
たか私が触ってみると長く糸を引いたのだ。その謎の
液体は薄い琥珀色で匂いはなく、しかし舐めてみるだ
けの勇気はなかったので味は判らない。/しばらく経
つとその液体は粘性を増し、子供が投げる石がそのま
まくっつくようになった。その頃になると外見が明ら
かに普通ではなくなっていたのでちょっとした話題に
なり、小学校では大変なセンセーションが巻き起こっ
ていたらしいのである。くっつくのを見た子供らは面
白がり、石はどれくらいの大きさまでなら大丈夫なの
だろうかと実験したらしく、当時高校生だった私は下
校の際に玄関脇の壁面に大小さまざまな石礫が気味の
悪い虫のように貼り付いているのを目撃したのであっ
た。驚いたのは直径15センチ程もあるほとんど岩と呼
びたいようなものまで完全に貼り付いていたことであ
る。液体はすでに水飴よりも硬く、厚さは10センチに
達しようかという所まで来ていた。/

623名無し物書き@推敲中?:03/06/28 23:55

もの凄い基地外が暴れてます!
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/ranime/1040108875/l50
624名無し物書き@推敲中?:03/07/04 23:57
描写の上手い、みなさんのお勧めの作家は誰ですか?
625名無し物書き@推敲中?:03/07/05 01:22
OK、こっからは俺の仕事だ。
有名俳優の代わりに、ビルから飛び降りる。
頬を押し固めるような風、危険と隣り合わせの高揚感。
地面が遠い、腕に巻きつけたロープが、体重を感じてギリギリと鳴る。
飛び降りたショックで、ゆらゆらとゆれるロープから片手を離し、銃のグリップを握った。
「シーン54スタート!」
背後から監督とカメラマンが、撮影ヘリに乗って見ているのを感じる。
OK、こっからは顔だけの役者にゃできねぇ演技だ。よぉく見ておけ!
ロープを支えに一気にビルの壁面を走った。タン、タン、タンと軽やかな音。
幾らか跳べばビルの窓ガラスの向こうに敵役の役者が見える。
男の任務はその役者に向かって銃を向けること。
劇場では20秒ほどのシーン。
それだけが、男の生きがいだった。

次は死に際
626名無し物書き@推敲中?:03/07/06 00:24
随分と、蛍光灯の光が眩し過ぎやしないか?
碁盤の目のような天井をただぼんやりと眺める私の側で、
いつもの白衣の眼鏡と私の娘がこちらの様子を窺っている。
厄介なのは、娘の目頭から滴が零れ落ちて行く事に
気が付いてしまった処だ。
そうか。私もいよいよ、駄目なんだな・・・。
だが、その前にひとつ気掛かりがある。この潔癖な部屋に
相応わない、小抽斗(こひきだし)の上にあるカメラ雑誌だ。
私は未だ、それをきちんと読み終えていない。
絹子。小抽斗の上だ。雑誌をとって呉れないか、
返事は無い。朧げに聴こえて来るのは、
調子はずれの電子音と硝子窓を叩く雨音だけだ。
20頁か23頁だったか・・・、まだ総て読んでいないんだよ。
いつも通り「はい」と私に手渡して呉れないか、絹子・・・。
そこで私は事切れた。
まるで展望台の双眼鏡が、コトンと音を立てて
真っ暗になるように。

次は停車場でお願い致します。
627名無し物書き@推敲中?:03/07/06 18:55
二年もつきあっていた彼女と別れてから俺は何もかもがつまらなかった
毎日同じ時間に起きて同じ時間に家を出る
変わらない日常に新しい発見なんてない
変わるのは天気だけだった

傘から時折こぼれてくる水を感じながら
早歩きで停車場へと向かう
停車場に着き、傘を折り畳んでいると背中に誰かぶつかった
後ろを振り向くと――――――

――――――――――――――――――――雨の降る停車場のこと
628名無し物書き@推敲中?:03/07/06 18:56
次は「夏の夜」でお願いします
629お題 夏の夜:03/07/07 02:10
 
サイダーめいた夕立が過ぎ
電車通りの水銀灯が翡翠色に変わる頃
僕は母の眼を盗み、裏庭から自転車を拝借した。
遠くの空から連続して轟くものが
雷ではない事を確信した時、机の上の図画工作は
ひとまず放棄しようと思った。
いま自転車を漕ぐ僕の中で、スターマインが次々に開花している。

次は「商店街」でお願いします。
  
630商店街:03/07/07 20:02
楽しそうに雑談に花を咲かせているおばちゃん達
時折聞こえてくる子供達の笑い声
見知らぬ人とすれ違い続ける
平凡を象徴したかのような場所
明日も人が集まるだろう

次は家族との日曜日なんてどうでせうか?
631お題 家族との日曜日:03/07/08 14:36
人工的でありながら、暖かく円い灯りの下
幼稚園にあがったばかりの息子は
しきりにランチの小旗を突付いている。
妻はそれを叱りつつ、サラダのレタスに手を延ばす。
辺りは僕らと似た様な子連れや、カップル達がテーブルを囲んでいる。
僕はもう少しハンドルを握らなければならない。
だから、いまは目の前のインスタントコーヒーで
茶でも濁しておこうか。

次は パニック!東京大地震!
632パニック!東京大地震!:03/07/08 19:37
地面が割れ、次々にビルが倒れていく
耳にはいるのは建物の崩れ落ちる不協和音と断末魔だけだった
くそ!さっきまでの平穏な時間はなんだったんだ!
アスファルトがごりごりと音を立てて砕ける
人だった物の苦しげな『ああ〜』という低い声
逃げ場は!逃げ場はないのか!
安全な場所を探していると
後ろのマンションのベランダが壁ごと落ちてきた
――――――――――ニゲバナドアルモノカ
633パニック!東京大地震!:03/07/08 19:39
すまん、次は夜中の散歩がいいなぁ
634夜中の散歩:03/07/08 23:17
テレヴィジョンの砂嵐が、深夜放送の終わりを告げるころ、
俄かに波の畝りが恋しくなる。
ハマはそう遠くはない。江ノ電の線路を渡って、階段を降りた場処だ。
下駄履きでパタパタと砂を跳ね上げる。
祭りの後か、粒子に埋もれた落下傘(パラシュウト)を拾う。
潮の香はいつもより優しく、星ひとつ見当たらぬ夜空と
波風なき海原は、何処までも留紺(とまりこん)である。
時折、遠くで燈台が閃く。
こんな夜、江ノ島に棲むトビやカモメは、どんな夢を観るのだろう?
635夜中の散歩:03/07/08 23:20
おっと忘れた!
次は 香ばしく焼けるお好み焼き
         で、お願いします。
まるで生ゴミのようであった混合物が、ただのゴミでないと鉄板上で証明するのに
それほど時間はかからなかった……はずだ、と男は思う。
数刻して、耳目へラジカルに伝わるその刺激を構成しているのは、赤黒いステージの上で
ジュウジュウという拍子にあわせて踊るかつお節の楽隊である。
さらに、鼻がその焦げるような強いにおいに気づくのに時間はかからなかった。
「もういいんじゃね?」
向かい席にすわって、同じく鉄板上のレイブを傍観している友人がいう。ところが男は芝居
じみた態度でチ、チ、チ、チ、とひとさしゆびをメトロノームのように振った。
「だめ。これからソースのかかった焼き面をだな、さらに焼いて食うのが美味いんだよ」
「アホかっ、お前は」
それだけ言うと、男の拘泥にいっさいの関心をしめさず、頃合いをみた友人はマヨネーズを手にした。
とり残された高言を形にしようと、男は言ったとおり、ソースと青海苔とかつお節で賑わう
宴会場の天地をあべこべにした。さっきとはまた別の香りが鼻腔をくすぐって、
それがまた男の食欲をそそるのである。
ただ、友人の方はどんどん真っ黒に染まるそれを、ゴミでもみるような眼でみていた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・では、「空腹」でお願いします。
637山崎 渉:03/07/12 11:05

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
638山崎 渉:03/07/15 12:03

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
639空腹:03/07/18 23:45
 もう何時間がたったのだろうか。彼は先ほどから焦げ茶のフローリングに寝そべって、煙草の灰で変色した天井を虚ろな目で見ていた。
 虫が鳴いた。厄介な虫が。厄介虫だ、と男は衰弱しきった頭で思う。思考回路それ自体が弱化してしまったのかもしれない。
 とにかく――
 口を通さなくてもいい。腹に穴をあけてでも、胃袋になにかを詰めたい。この際黒焦げの焼き魚でも水分でびちゃびちゃのかき揚げでも
なんでもいいから、とにかく腹をいっぱいにしたかった。
 なにも食うものがなくなって今日で何日になるだろうか。仕事はクビになり、やがて貯金も尽き果てて、食料も全て食べきってしまい、そ
れでも彼は白い無地のTシャツにトランクスという霰もない――という表現を男に使っていいのかどうかはわからないが――格好でいる。
 やる気は起きない。起こすには食事を摂ればいいのだがそんな金があるはずもなく、彼はこうして何日も同じ体勢でいる。
厄介虫≠ェまた腹部で鳴いた。そのたびに吐き気を催す。いささか酸性の匂いがするのは胃液が出てきそうになったからだ。
 かすかに頭を動かして雨戸の外を見ると、無情にも外はかんかん照りだった。
 空に浮かぶ雲が食べ物に見えてくる。ステーキだ。分厚い肉に包丁で筋をいれてこんがり焼き、その傍らで一緒にガーリックもあぶる。
一方、ナベの中でぐつぐつと音を立てているのは人参のグラッセ。バターの油と人参のさっぱり感がマッチして、所詮はステーキのつけ合
わせなのにグラッセ一品で立派な料理になる。
 焼きたてを鉄板に乗せて甘いステーキソースをかけると、いい音を立てつつ純白の湯気をくゆらせる。側にあるのはグラッセと、ポテトグラタン。
 ナイフを入れるとまるで分子融合そのものを無視したかのように簡単に切れて、ガーリックと一緒に口に入れると、香ばしい香りと肉汁が口内に
染み渡り――
 ステーキ食おう。とにかく何でもいい。何かをしよう。そしてステーキを食おう。
 男はそこで幾日かぶりに立ち上がり、すっかり弱った拳を握り締めた。


適当でごめんなさい。空腹っていうよりは廃人になっちゃったw しかも途中から料理の描写に変化。精進しなきゃ(;´Д`)
次は、「男と女の運命的な出会い」でお願いします。
640山崎 渉:03/08/15 13:14
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
 まったりとグラタンの香りが口いっぱいに広がり、生まれて初めて母の乳首にしゃぶりついた赤子のような、芳醇な感覚を享受していた。
 昔、これと同じ味をどこかで食ったことがある。
 雨の日のレストラン、彼女は「おいしいわ」と言った。普段、おいしいという言葉を特別に自覚したことはなかったが、彼女の口から出てみると、生き物のように絡み付いてくる。
 本当に美味とかいうのではなく、彼女の口から発せられる言葉に、深い意味を持っていた。
「ガチャッ」
 ドアが開き、赤い姿がこっちに寄って来る。バレンチノの香り、いつも嗅ぎ慣れていた。それしか知らないのではなく、バレンチノの香りに愛着を持っていた。俺はそんなこだわり方が好きで、誕生日にはバレンチノを買っていたのを思いだした。
「久しぶりね」
「相変わらず、きれいだな」
 目の前で腰を下ろすと、赤の上下のスーツの裾を正し、柔らかく微笑みを投げかけてきた。俺はバツが悪そうな顔をして、タバコを取り出すと火を点ける。
「あの人どうしてるかしら」
「武田のことか?」
「いい相棒だったのよね」
 灰皿が無いことに気付き、床に灰を落とした。
「死んだよ。交通事故で……。まだ、あいつに未練あるのか」
「あなたと付き合わなければ、彼と今頃、結婚していたわ」
「その方がよかったな。人生とは皮肉なものだ」
 それからは沈黙が続き、俺はステーキにタバコを突っ込むと、外へ出ようと言った。
 雨が降り続いている。彼女は傘を広げ、俺は中に入った。

次は「ホテル」でお願いします(注:エッチ小説に走らぬように)
ロビーとかバーとかになるのか
カジノとか駐車場とかになるのか
643名無し物書き@推敲中?:03/09/27 18:08
保守安芸
ドアを開けると、独特の匂いが鼻を突いた
今日一日だけ、自分の部屋になる場所。
鞄を投げ出して背広を椅子に掛ける。
早速、ベットに倒れ込んだ、ふかふかとした感触に包まれる
忙しい日々の中での安息の一時を「偽物の自分の部屋」で過ごそう

最近思うんだけど、もう描写じゃなくって「この題で小説を書け」スレになってるよね
いや、漏れとしてはそっちの方がいいけど

次は交差点(書きやすいと思う)
信号は赤から青になり、無粋な鋼鉄の塊に妨げられていた時が動き出す。
−お喋りに夢中な女の子達、焦った足取りでツカツカと歩いていくグレーのスーツの男、
 イヤホンを耳に当て孤独に歩く若者、大きな荷物を抱え笑い会う親子連れ−
皆、誰も擦れ違う人間を気にかけない。
いや、違う。人生は一本道ではない、どこかで他人と交差しているのだ。
早計目の前の少女が渡ってきた少年とぶつかり躓き鞄の中身をさらけ出す、あわてて拾い上げる少年少女達。
しかし非常にも青い光は点滅し、彼女は手早くお礼を言い慌てて走っていった。
急がなくってもいい、大きな道の途中、立ち止まることだってできるのだから。
「何を急いでいたんだ、武田?」
交差点の安全地帯、まだ生々しいタイヤの跡に花を供え俺は再び時が動き出すのを待った。

注)私は641じゃないっすw

次は、ひょろ長い男(女)


 振り返りもせずに、ひどく面倒そうに手を振って去っていった、それが彼を見た最後だった。丸め気味の薄い背中に夕陽がかっと当たって、影が視界の果てまで伸びて消えていた。予感を信じるほうではないが、そのときなぜか胸が苦しくなったのをわたしは覚えている。
 交通事故だと聞いた。
 恋人・・・・・・あるいは、それに近い人がいたようだ。でなくとも、わたしと彼の間に、色恋沙汰
が持ち上がったとは思えない。彼とは大学時代からの友人であり、たがいにそれ以上踏み込
む意図はなかった。ただ、死なれてみれば、忘れられない部類に入る人物だった。
 夕暮れ、交差点を歩くたび思う。沈み行く日の光の届くぎりぎりの線、昼と夜の境界には、
不可視の入り口がスリットのように口を開けているのではないかと。だとすれば、彼は細長い
足でそこに踏み込んで、わたしたちより少しだけ早く帰って行ったに違いない。誰もが帰る、
黄昏の世界へ。

次は「雀」でお願いします〜
647名無し物書き@推敲中?:03/11/08 21:27
SAGARIすぎ
木枯らしのような色をした鳥だった。右、左、両方の羽をいっぺんにバタつかせて、大空とやらを飛んでいる。彼が大空を大空と理解しているかは、疑問であるとしてもだ。
チュン、チュン、チュン、と鳴いている。白角しか置いていない赤羽あたりの安いスナックである。あそこのホステスは、よく鳴く。何度も聞いた。チュン、チュン、チュン、である。木枯らしの鳥は、間もなく見えなくなった。見えなくなって当然の、ほんの小さな鳥であった。

次「腐りかけのサバ寿司」
649名無し物書き@推敲中?:03/11/22 16:22
シャリの上の鯖は青々と光っていた
軽い酸味を鼻腔に感じる。
鯖は微妙な雰囲気を漂わせている
丁度オリンピック選手が短距離を駆け抜ける
直前のような雰囲気。
覚悟を決めて口に放り込む
口の中には風味と、滋味と、香味と、美味が
広がった。

次「タバコ」でおながいします
初めてそれを口にしたのは、本当に単純な理由で、今思い出しても少しくすぐったい。
ただ、初めて異性からすすめられたのが嬉しくて、恐る恐る手を伸ばした。
口に咥えても何の味もなかったが、少しだけ父の部屋の匂いが鼻腔を掠める。
それを私にくれた青年が、顔を近づけた。
首を傾げる思いでただ突っ立っていると、咥えていたそれの先端へ火が移され、赤く灯る。
小さく、ちりちりと音が聞こえて、言われるままにいきを軽く吸い込む。
喉の奥に急に入り込んできた煙にむせ返って、思わず涙が出た。
しつこく咳を繰り返す私の背中を優しく摩る手と、苦笑気味の声がおりた。
視線を上げると、細い煙がゆらゆらと立ち昇っていくのが見えた。

あれから何度もその煙を見たが、あのときと同じ気分には、二度となることは無かった。


次「雨上がりの水溜り」でよろしくおねがいします。
流れの無い物は、やがて濁る。

何かの本でそう読んだ気がしたが、何の本かは思い出せないし思い出す必要も無い。
決して綺麗とは言い難いアスファルトの路面。
その更にへこんだ部分に溜まった泥の香りがする水は、灰色に濁っている。
清浄な天空からやってきた、雫達のなれの果て。不浄な物。

だが、今は雲の切れ目からの黄昏時の陽光で、水溜りは光り輝いている。
私は、日の眩しさに目を細める。
一層強くなったアスファルトと泥水の香りが幼い頃の自分を呼び覚ました。
この輝く水溜りは、何処かの世界に繋がる扉だと信じて止まなかった頃の自分。

私の瞳から雫が一つ。輝く水溜りの仲間入りをした。


次「戦場の跡」でおながいします。
 風が踊っていた。
 南中した太陽が、周囲を照らし出す。突き抜けるような青が、天上に広がった。
 そこは――地獄、とでも形容すべきだろうか。
 遠くまで見渡せる大地に、幾つもの鉄の残骸が展開している。元がどんな物だったのかもわからないほどに破壊され、
焼き尽くされ、ただそこに横たわっている。
 それだけならまだ、いい。
 散布しているのは、鉄の残骸だけではない。人間の、死体だ。原型は留めていないものの、目玉や手足がそこら中に
転がり、まるで一枚の芸術的な絵画のような、少し幻想的な雰囲気を醸していた。
 草木はしおれ、ただ綺麗な花弁を纏った花が、舞踊を続ける風と共に、その身を左右へ揺らしていた。
 ここが元の状態へ――広大な、自然溢れる草原へ戻るには、どれくらいの月日が必要なのだろう。五年? 十年?
あるいは、永遠?
 答えは神でさえ、知らない。
 それは、人の為した業なのだから。


次は「夜景」でお願いします。
653名無し物書き@推敲中?:03/12/25 14:38
 夜もなお薄暗い程度の空に、レーザーで照射された雲が浮かんでいる。
 不規則めいたプログラムで軌道を描く光は、方形に区切られた街から発している。
 建物を縫い地下を縫う網目の電線は、そこかしこで光をともしていた。それは、
奥底を走る溶岩の流れが地殻の隙間から噴出するような光景でもあった。
 街が冷えている。
 ひところは穴だらけにも見えた街の地殻が、今では黒に侵蝕されている。
 金の動きが緩やかになり、住民が照明を抑えたのだ。街の溶岩は金である。

(これは描写とは言えないか?)
(なんか言いたいこと言っちゃったら駄目なのかな?素人でスマソ)

 ※次は「真冬の春めいたもの」、でおねがいします。
654名無し物書き@推敲中?:03/12/25 19:04
 乾ききった冷気が家の周りに押し寄せてくるのが分かる。暖房に押さ
れるように窓際に来ると、霜のついたガラスを指でなぞった。冷気が一
筋の雫となって流れ落ちていく。不毛な大地の遥か彼方に季節の繋ぎ目
が見えた気がした。

(訳がワカラン上に短し、スマソ。)
次は「夕暮れの田舎道」でお願いします。
少し風が強い。道の周りは田や畑ばかりで風を遮るものなどなく
背を丸め、コートのポケットに手を突っ込んで歩いていた。
自分の靴音だけが一定のリズムで鳴っていった。
風に撫でられて、ざわざわと騒ぐ竹林、ごうごうと叫んでいる森。
大きく伸びた影法師は僕の歩く動作を大袈裟に真似していた。
止まって空を見上げると影法師も空を見上げた。
夕焼けで赤く染まった空に、まだ、ぼんやりとしか見えない青い月が浮かんでいた。
おおきな、とても大きな雲が風に急かされて、いつもより早く流れていた。
ずーっと空を見上げていると吸い込まれそうな感じがして、あわてて足下を確認した。
足下近くの雑草に名も知らぬ虫が忙しそうに動いていた。
顔を上げ、後ろの遠くの山の方を見た。山は、闇によって黒く塗りつぶされようとしていた。
正面の山では、夕陽が沈もうとしていた。
頼りない電柱の薄い明かりが道を照らし出した。
電柱の薄い明かりだけでは、闇にとってはあまりにも無力で、心細さしか感じられないので
夕陽が沈まないうちに帰ろうと歩き出した。


次は「夜の繁華街」でお願いします。
気がつくと、もう5時になろうとしていた。
太陽が、空を真っ赤に染めている。
里山のふもとまで広がる田んぼの間の農道も、
穏やかな雰囲気を持って、続いていた。

次は、夜の住宅街で
657夜の住宅街から繁華街へ:03/12/26 07:18
 襟巻きに鼻まで埋めて歩いていると、田垣さんちの柴犬がヒステリックに吼えた。
 犬が湯気を吐き出している。田垣さんちの誰かがお風呂を使っているらしい。
 柵むこうの窓が明るい。ざばざばと湯を使う音がする。犬がまた吼えた。
 犬の方が暖かそうだった。
 たまに路向こうには人魂のような明りが灯り、ユラユラと揺れながら自転車の
機関音を残して通り過ぎていく。わたしは足音を消しながら、台所の換気口から
漏れてくる夕餉の名残を嗅ぎながら、明るいほうへ歩いていった。
 夜にも陰と陽がある。あたたかな毛布に包まって円な夢を見る家は夜の陰で、
きらびやかに着飾って昼よりももっと混沌とした衝動を発散するのが、夜の陽だ。
わたしはまぶしい光に目を細め、怒鳴るような歌声に耳をすませて陽気を縫って
歩く。ビルの隙間から、汚れた犬が申し訳なさそうに顔を半分覗かせていた。

あー年賀状で徹夜しちゃったよ…次は「深夜の公衆便所」で。ウホッ
658657:04/01/04 02:32
うわ、題が悪かったか? 過疎板だからか?
ネタが出ないようなら自分でやってしまおうかな…
瞬く街路灯に衝突を続ける、蛾の羽音さえ聞こえてきそうな、深夜の公園。
枝を縦横に走らせ、肉厚の葉を茂らせた三本の街路樹に囲まれた、その公衆便所は、
刑場にも似た陰鬱さを漂わせて、暗がりの中に沈み込んでいた。
絶えず湿気をまとい、汚れるままの壁には刺激臭を塗り込めて、
何かしら人目を憚る空気を、その内側に潜ませている。

お次は、炎天下のバス停、で。

笠松は、国道沿いのバスを待つ人の列に並んだ。風も無く、容赦の無い日差しが
照り付けている。列が長く、笠松の位置では屋根がつくる日陰には入れない。
小脇に抱えた背広が熱を含み、それに触れている部分が余計に汗をかいている。
廃気ガスとべたつく粉塵まじりの空気が皮膚に粘っこく絡みつく。
前に並んでいる背の高い男ののYシャツの背に、汗がにじんている。背の低い
笠松の目線の正面に、前の男の汗の染みがある。その事が、余計に熱さを
感じさせ、不愉快で堪らない。笠松は視線を他に向ける。
容赦の無い日差しが、アスファルトを灼いている。笠松はアスファルトに
揺らめいている陽炎をみて、軽い眩暈のようなものを感じた。
(どうして俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ)

次は、廃校で。
661名無し物書き@推敲中?:04/01/04 17:37
足元でガラスが割れた。艶を失った床と内側に割られた窓に、丁寧に土埃が
降りかかっている。黒板には当番だった生徒の名前がふたつ書かれていた。
黒板と教壇だけ見ていると、すぐにも入り口から教師が入ってきて、授業が
始まりそうな気がしてくる。
机と椅子もそのままになっていた。窓も床も割れ煤けているのに、机の列は
乱れていない。表面には黒ずんだ彫刻の跡があった。
あいあい傘。プロレス技の名前。友達の噂話。大好き●●さん。あいつ嫌い。
死ね死ね死ね死ね死ね。
風が吹き抜けて、廊下の向こうで蝶番が軋んだような音がした。
笑い声の木霊を聞いたような気がして階段のほうへ歩いていくと、踊場から
こちらを覗き見る人影があった。曇った鏡に目を奪われる。鏡に映った自分
の背後、ずっと奥まで薄黒くのびる廊下にぽつんと靴が揃えておいてあった。
僅かに開いたドアの奥は見えない。割れたガラスのギザギザの向こうに、妙
に濃度の高い影が広がっていた。
破れたカーテンで締め切ってあるその教室に、逆行でシルエットになった影
がある。大人のものだろう。
もう匂いもなくなっていたそれは、無人の教室で揺れていた。

次は、夜の浜辺で。
662名無し物書き@推敲中?:04/01/04 18:32
月の光が揺れている。波音だけが静かに流れて、
私のカーディガンを潮風が優しく包んでいく。
誰かが作った砂の城が時間と共に、
あるいは風と共に、あるいは波と共に、
まるで過去を消し去る魔術のように、
消えてなくなる。
そしてあなたの幻も…

次は、歴史小説で。
663ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/04 19:30
本棚の奥に、懐かしいものをみつけた。父が好きだった歴史小説である。
聡子は、軽く埃を払うと、それを手に取った。
明らかにデザインの古めかしいカバーが色褪せ、軽く破れかけている。
今から思えば、父は大雑把なところのある人だったな、と聡子は思う。
文庫本の側面が褐色に変色しているのは歳月と、手垢のせいであろう。
父の手の形に、特に色が濃くなっている。父の手は大きかったような気がしていたが、
それほど指は太くなかったようだ。幼い聡子が父の手を大きく感じただけなのだろうか。
聡子は、父がソファに寝転がって、首を肘掛けに乗せ、文庫本を読んでいた事を
おぼろげながら覚えている。この本が、記憶の中の父が読んでいる本のように思えた。
パラパラとめくってみると、栞が挟んであった。
それぞれ色の違う和紙を重ねた台紙に、小さな一輪草の押し花をあしらった、細工の細か
なものである。既成品にはない、手作りのぬくみのようなものがある。
聡子は、何か、違和感のようなものを感じた。父は、こういうものを持つような人となりで
あっただろうか。


次、鍋と団欒で。
664ヘタクソくん:04/01/04 20:37
久しぶりに三世代が揃った食卓の席。
久しく祖父母の顔なんて見ていなかった。
この人たちには、あと何年残っているのだろう。
思わず頭に過る。そんな他愛もない考え。
邪念を捨て去り、祖父母の変わらない笑顔を見つめる。
父も、姉も、弟も、みんな同じ表情をして、食卓に出される料理を心待ちにしている
ダシの香りが鼻腔を通り抜け、同時に鍋の煮えた音が耳を掠めた。
手前に目をやると、煮詰まって茶色くなっている白菜、こんがりと焼き目の付いた豆腐が僕の食欲を誘い出す。
いただきます。
母のよく通る声がゴーサインとなって、皆が待ってましたとばかりに鍋を突付き始める。
皆満面の笑みを浮かべ、湯気の立つ鍋を突付く。
こうして鍋を突付けるのも、もうそう多くはないだろう。

次は、地上波デジタル放送で(難しいかも)
665ヘタクソくん:04/01/05 00:53
↑上のお題却下で
代わりに「閑散とした公園」でお願いいたします
666ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/05 14:55
「ふう」
ベンチに腰掛け、溜息をついた。いつまでも妻をだまし通せるものではない。
島田にとって救いだったのは、この公園が穴場であった事である。
たいてい、昼間の公園というものは、小さな子供を連れた母親のグループが
いて、姦しい笑い声や子供達のやんちゃな雄叫びに満ち満ちているものだ。
この公園は、入園料に100円を取られるので、そういう騒音が無かった。
人目がほとんど気にならないというところも、島田にとってありがたい。
母親連中がいれば、島田は必ず怪訝な視線を向けられているに違いない。
毎日、まっ昼間から背広の男が公園のベンチに座っているのだ。
入りくんだところにあり、普通に歩いているとみつからないのも一因のひとつであろう。
島田は、勤めていた頃に営業でこの辺りに来た時、偶然この公園を見つけた。
へえ、こんなところに、と小さな驚きを感じた記憶がある。
街中の奥、入り組んだところに、不意打ちのように針葉樹の森が広がるのだ。
静かな公園というのは、貴重である。以来、よくひと休みするのに利用していたものだが、
今はこの公園で一日を無為に過ごしている。
たばこに火をつける。
柔らかな冬の日差しが頬を撫でる。今年は例年より暖かく、過ごしやすい。
針葉樹の深い色の木々を見ながら、島田は、この先の事を思った。
妻には告げなければなるまい。いずればれる事である。
島田は解雇されたのだ。


うーん、なんだか描写はそんなにしてないような気もします。
次、高校サッカーで。
667名無し物書き@推敲中?:04/01/05 20:43
 大観衆の国立競技場で選手たちが浮き足立つのは無理もないことだった。高校生である
彼等にとって、中田英寿や小野伸二といった憧れの選手達が、死力を尽くして戦ったこの
場所に立つということは、夢以上に現実感が乏しいに違いない。果たして彼らのうち何名
が、本来の実力をだすことが出来るのだろうか。せめて、相手高校のように名の知れた名
門であれば、周囲の期待も芝のグラウンドも当然のことと思うことも出来るのだが。しか
し、それでも私は国後が勝つと確信していた。
 それだけ国後の10番は特別だった。
 ―――島田氷野
 一九〇cmを越える高校屈指のポストプレイヤーでありながら、ドリブラーとしてフィ
ールドを我が物顔で駆け抜けネットを揺らす北の核弾頭
 U−23で日本代表に選ばれた文字通り超高校級の男にとって、高校レベルの試合なら
一人で全てを支配して勝ちあがる事はそう難しいことではない。プロ化した現在、高校サ
ッカーというものは単なるトップユースの通過点にしか過ぎないのだろうか。島田の邪魔
にならぬよう、隣で入念に体をほぐす無名の選手が妙にいとおしく思えた。

次は駅伝で「ヘロヘロになって倒れる人」でお願いします。
668667:04/01/05 20:56
おっと改行が滅茶苦茶になってしまった失礼。それにしてもひのさんの描写は
簡潔でつながりのある良い文章ですね。佐藤洋二郎先生に少し似ているかな。
よろしかったら、キャリアとどんな小説を書いているか教えてください。
669ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/05 23:44
えっと、キャリア無し、恥ずかしながら全くのど素人です。今年は色々書いてみて
自分にどんな小説が書けるか知る事が目標です。
今、非ポルノのロリコン小説を書く事にチャレンジしてます。

>それにしてもひのさんの描写は簡潔でつながりのある良い文章ですね。
ありがとうございます。なるべく読みやすくを心がけてます。

670667:04/01/06 00:22
驚きです、初めてであれだけ書けるとは。風景描写の中に無駄なく人物像を
織り込んあるので、結構書き慣れてる方だと思いましたが・・・
非ポルノのロリコン小説かあ、自分はマザコン小説でも書いてみようかな。
671ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/06 03:57
 自分なりに、会心の走りだった。おそらく、自己最高のタイムが出ている筈だ。
しかし、一人、また一人と他のランナーは軽々と俺を追い抜き、見る間にそいつらの
背中が小さくなる。俺は、暗澹たる思いで小さくなっていくそいつらの背中を含む景色
を眺めていた。俺の後ろを走る奴は、もうそれほどいないだろう。
(すまん、片瀬。みんな)
 俺にとって、この予選会は、最初で最後の大会だった。直前の合宿で、移動中のバスが
事故に合い、怪我をした後輩の代役でこの予選会に急遽、出場する事になったのである。
 うちの大学の陸上部は名門とはいえないが、かつてはそれなりに実績のある部だった。
今はいまいちパッとせず、部員は少なくなる一方だったが、少ない部員は皆、箱根出場は
無理としても、一つでも順位を上げるために、真摯に練習に取り組んでいた。今年は期待
のもてる新人が入部し、松戸や宮部のような四回生のレギュラーが今大会にかける意気
込みは、相当なものだった。もしや、という期待がOB達にもあったようだ。
 ところが、件の事故である。さらに運の悪いことに、レギュラーの代役を努められるような
部員が、揃って食中毒に倒れたのだ。そして、最も大会とは縁遠い、俺が代役を務めること
になったのである。
(すまん、やっぱり俺なんかじゃ)
 足が突っ張っていた。もう、いつ釣ってもおかしくないことがわかる。俺は、自分のもてる
力の全てを費やして、地面を蹴っている。なのに、前を走る奴らと距離が縮まるどころか、
どんどん離れていく。どんどん遠くなる。
 万年補欠の俺が、初めて大会の走者になったのだ。肩に緋の襷をかける事など、自分
には一生不可能だと思っていた。やってやろう、と思った。誰も期待などしてないだろう。
でも、足を引っ張らない程度にはやれる。やってみせる。夢にまで見た襷なのだ。
 だが、甘い考えだった。現実は、ドラマではないのだ。
(くそ。最後だってのに)
 意識が朦朧としている。自分の呼吸する音がやけに大きく頭の中にこだまする。肺が悲
鳴をあげているようだ。

672ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/06 03:58
 みじめだった。うちの大学の順位が俺のせいでどんどん落ちていく。俺が走る事が無け
れば、もっとましな結果になっていた事は間違いない。脳裏に、松戸や宮部、片瀬の顔、
他のレギュラー達の顔、監督やマネージャー、そしてOB達の顔が浮かんでは消えていった。
(あ)
 足がもつれた。俺はいびつな姿勢で、アスファルトに突っ伏した。
(転んだ……)
 何人かが、俺を追い抜いていく気配がした。まるで、第三者が転んでいるのを見ているか
のように、自分がアスファルトに這いつくばっている映像が見えた。足の感覚が消えた。
動かない。
 このまま消え入りたかった。目と鼻がツンとした。俺は涙目になっていた。それが、いっそう
俺を情けない気持ちにさせる。
 そんなに頑張ることないよ、頑張ってもどうせ駄目なんだし。昔付き合っていた春子の軽口
を思い出した。その場は笑って済ませたが、心のどこかに引っかかっていたらしい。こんな時
に思い出すなんて。
 俺は四年間、真面目に練習に取り組んできた。雨の日も。雪の日も。しかし、真面目なだ
けでは駄目なのだ。タイムが優れていなければ。天賦の才が無ければ。それは、頭ではわ
かっていた。しかし、走る事をやめる踏ん切りがつかなかった。
 走る事が好きだった。景色が流れていく事、風を切る事、無心に汗を流す事、自分の足で
地面を蹴り、全てを出し切り、ゴールに飛び込む瞬間が。
「がんばれー!あともうちょっとだから!」
(あと――もうちょっと?)
 沿道の誰かの声が聞こえた。
「もうすぐゴールだ!頑張れ!」
 また声が。
(勝手な事言いやがる)
 頑張れ、といわれても、そんな簡単に頑張れるものか。もう、足が動かないんだよ。
673ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/06 04:00
  今走らなくて、いつ走るんだよ馬鹿野郎。
  ゴールが近いんだってよ。じゃあ、最後まで走ろうぜ。

 誰だお前。
  
  誰だっていいじゃねえか。ほれ、みろよ。あれは、誰だ。
 
 泉だ。次の走者。
 
  ゴールだよ。お前の。

 ゴール。
  
  かっこ悪くてもみじめでも、いいじゃねえか。今までの自分に責任を取れ。ここで投げ出し
  たら、お前は今までなんの為に走ってきたんだ?

 足が痛んだ。
 そうだ。俺は、これまで走ってきた。どんな事があっても、何を言われても走り続けてきた。
ゴールしたその瞬間、何もかもから、軽くなれたから。いま、ここで走る事をやめたら、一生
重いものを背負いこむことになってしまう。
(―まっぴらごめんだ)
 ゆっくり、立ち上がった。
(つうっ)
 大丈夫、走れる。まだやれる。ゴールはすぐそこだ。
 膝が熱い。アスファルトで擦ったらしい。右足が釣っている。ふくらはぎが棒のようだ。
 俺は、走り出した。いや、足を引きずって歩きはじめたといった方が正確だろう。
「頑張れ!」
 沿道の声援が大きくなった。拍手が聞こえる。声援に背中を押されるように、身体が前に進む。
 一歩、また一歩。俺は足を踏み出す。苦痛で顔が歪む。もう少し。もう少し。
674ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/06 04:03
 泉の声が聞こえる。
「先輩!頑張れ!もう少し」
 襷を肩から外し、一杯に手を伸ばす。
「すまん」
 なんとか声を絞り出して、それだけいった。
 襷が、泉に渡った。俺の役目は、終わった。

 これでもう、走らなくていいんだ。
 
 俺は、倒れこんだ。係員が俺を労わるようにタオルで包む。医療スタッフが俺の周りに集まってくる。
「よくやった!」
「頑張ったな!」
 沿道の観客の拍手が、気持ちよかった。
(走っててよかった)
 俺の目は、きっと潤んでいるだろう。みじめな涙ではなく、少しだけ誇らしい涙で。




これ、後でみると恥ずかしいだろうなあ。

次、酒と涙と男と女、で。
675ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/07 14:43
ちょっとお題変更しておきます。

次、暴風雨で。
676ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/08 10:41
叩きつけるような大粒の雨が、乱暴な風に乗って、まさあき君の行く手を阻みます。
頬を張られているようで、痛みすら感じました。
ただでさえ、昼間だというのにあたりはまっ暗なのに、目をあけていられないせいで、
余計に自分が闇の中で自転車をこいでいるように感じます。
まるで黒雲が地表に降りてきて、まさあき君を包んでいるかのようです。
寒さだけでなく、無間に続く闇の中から抜け出せない気がして、まさあき君は震え
ていました。歯がかちかちと鳴っています。
(ハムスター)
不意にそんな事を思いました。
回し車に乗せられ、走れども走れども全く進めないハムスター。
(ぼくはハムスター)
横殴りの突風に煽られて、まさあき君は自転車ごと転んでしまいました。
(うう、まけないぞ)


次、眠っている男(女)で。

677名無し物書き@推敲中?:04/01/08 23:44
いまいち…
いいかげん他の人のが読みたい…
自分も他の人のが読みたいですね。一人でスレを占拠するのも気が引けますし。
どうでしょう、ひとつ>>677氏も書いてみませんか。


>いまいち
後から初歩的なミスを犯している事に気付いてますし、我ながら粗製濫造気味ですね。
毎回、勉強させてもらっています。
できれば、どういうところが具体的によくないか、指摘していただけると改善しやすい
と思います。


679ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/09 00:07
おっと、名前を入れ忘れました。>>678は自分の書き込みです。
いい練習になるスレだと思うんですけど、過疎板だからかなあ。
680新参:04/01/09 00:09
なだらかな曲線を描いた肩が、彼の呼吸に合わせて上下する。
部屋に響くのは彼の寝息と、壁の時計だけ。
しばらく見つめているとやがて彼は、少し震えて、小さくくしゃみをした。

次、過疎化した村の風景で。
681667:04/01/10 00:23
 細雨が山間の村に霞を掛けていた。草屋根がしっとりと濡れ、湿った藁の
匂いがした。軒先から垂れる雨音が耳によく届いた。
 村に入ってからかなり歩いた。空き家やばかりが目につく、妖怪があたり
から顔を出しそうな雰囲気だ。村の入り口に立った時は、山彦すら返ってこ
ないだろうと思ったものが、一歩踏み入ってしまえば、空家だろうと住民を
創造してしまう。
 石切を唯一の生業として暮らしていたこの村は、大正の終わり頃から過疎
化が進み、昭和に入ると外に出る事を拒んだ数人の年寄りを残して、誰もい
なくなった。稗と山芋ぐらいしか出来ない枯れた土地に住みながら、いつか
帰ってくるだろうと思い続けた年寄りたちの墓地は驚くほど小さい。罪を犯
した逃亡者を暖かく迎えいれ、最後には自首させたという話まである。それ
でも、出所した彼は戻ってこなかった。
 土地の人。徐々に大きくなる滝の音をききながら、あらためてその言葉の
意味を村の風景に当てはめてみた。

次はパター(ゴルフ)で。
 
 
682667:04/01/10 00:26
空き家やになってる・・・、度々すみません。
前半と後半繋がり悪いし、ほんとすみません。
683名無し物書き@推敲中?:04/01/10 01:43
>678
いい練習にはなるが、一人で占拠したいなら一人どこかで書けばいい。
描写なのかショートストーリーをやりたいのか分からない。
これは描写なのか?と思うものが多い。よくいる「私を見て〜」に思えた。
連続していたので興味を惹かれて読んでみたが、読みずらいのを我慢して
読んだ割には「描写自体」は特に見るべきものがなく面白くなかった。

俺も参加してるよ。でも色々な人間の描写方法を見ている方が楽しい。
正直、貴方のは何作品も読みたいと思うほどは魅力ない。
でも練習するのはいいことだ。せめて何人か挟んでから参加しては?
読まされる方が辛いです。
684名無し物書き@推敲中?:04/01/10 01:48
いや途中から読んでないからあれだけど……偉そうに水刺してごめんな。
暇つぶしに来てたんだけど、なんか詰まんなくなっちまった。
場違いな所で道草食ってないで仕事に戻るよ。
ここで色んな描写見るのは楽しかった。では。
685ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/01/10 02:34
>>683-684氏が何か書いてくだされば、自分も紛れ込む事が出来ます。スレを進めてく
れる人がいないので、自分も困っているのです。
677氏やどんどん682-683氏が良い例文を書き込みして呼び水になってくれれば、自分
も大多数の一人になれますので、是非よろしくおねがいします。

>描写自体に見るべきものが無い
描写自体に力点を置いてはいないので、それは至極当然です。しかし、素直なものを
書こうとしているので、読みづらいという感想はちょっと予想外でしたね。わかりやす
すぎてつまらない、という意見なら凄く納得できるのですが。
内容はわかりやすすぎるぐらいだと思うので、小説作法的な不備なのかな???<読み辛い



おっと、>>683-684氏でした。677氏と同一人物かな?
間を開けたいので、ご協力願います。
687ゴノレフ:04/01/10 17:52
さぁやって参りました期待の新人
これまでの偉人方は素晴らしい軌道を描き続けてきましたが
果たして彼はいかなるショットを打ち出すのでしょうか!?
おっとしかし彼は無名であり 
このそうそうたるメンバーの中にあってはズブの素人同然
さりとて秘められたポテンシャルの程は侮れないとの情報もあり
油断は禁物です。

あぁ、ちょっと風が出てきた模様
っとここで動きが!まさかこんなタイミングで行くのかー!?

↓冷奴お願いします↓
冷たい。
どうしようもなく冷たい。どうしてここまで冷たいのか。
比喩の無い情景が延々と繰り返される様は一枚岩の大理石か、
はたまた冷徹なアルミの削りだしか。しかしその様子は決して無機質ではなく、
滑らかに瑞々しいシズル感を湛えながら俺の五感に衝動を起こさせる。
俺は震える手で醤油の瓶を掴む。細かく刻まれた葱に絡めるように、調和させるように。
瑞々しさは光を跳ね返しながら赤黒く透き通る調味料と混ざり合い、せめぎあい。
その合成の最中に、調和の兆しを見逃さなかった。
俺は箸を通す。微かな弾力と共に身を分断させる冷奴。
口に運ぶまでの緊張。今にも箸から滑り降りそうな冷奴を、俺はついに口へと運び込む。
うん、美味い。

↓「パンチラに異常なまでに興奮する中学生」を神秘的に描写してください。
校舎から体育館へ渡るには、この階段を歩いていかねばならない。
下から見上げると、階段の隙間から青空が見える。
トントントン、と軽快な音を鳴らし、誰かがやってくる。
見知らぬ女子だ。顔は分からない。どんな気分をしているかも分からない。
体育館へ行くというのに制服を着たままだ。生理だろうか……
僕はあんぐりと口をあけたまま、足の付け根にあるソレを見た。
……僕の青空、白くて柔らかいパンティーを。
八月の今日、1時50分。僕は夏の暑い日ざしの中で、静かに勃起した。

↓「楽しそうにステーキを焼いているとこ」
うぎゃっはっはっは。これか、こぅれがステーキかあ。
いいのういいのう、じゅうじゅう焼けるのう。ほっほっほ、香ばしいのう、
60過ぎの老いぼれた嗅覚すら刺激するわい。こういう若向けの料理は
とんとご無沙汰じゃったのう。のう婆さん。美味いか、美味いか。
このソースがいいのう。鉄板の上でぐつぐつ焼けるのう。見方によっては
下品な料理じゃが、この下品さ、生々しさこそ食のもう一つの真髄かもしらんのう。
これか、この石に押し付けてさらに焼いた後で口に放り込むという訳じゃの。
おお、おお。焼けるわい。焼けよるわい。香ばしいのう。若返るわ。
どおれ、頬張ってやるわい。
おふ、おふおふ。おお、ほ、ほ。むう、肉をそのまま食っとる感覚が素晴らしいわい。
ご、ごふ、ごふお。み、水。の、咽喉に。咽喉。ああ。う。が。
婆、さん。儂は、儂は。幸せじゃった、ぞ……い……。

↓「初めての強盗の緊張感」御願いします。
691新参:04/01/11 00:40
深夜のコンビニは、街灯や車のヘッドライトとは比べ物にならない明るさだった。
差し詰め俺は、その灯りへ群がる虫のようなものだろう。それも、ひどい害虫だ。

腋の下を冷たい汗が伝う。つばを飲み込むと、喉がごくりと鳴った。
失敗は、許されない。チャンスは一度きり、やり直しはない。
「いらっしゃいませ」
店員が間抜けな声を出す。この時間帯は学生のアルバイトだろうか。
レジへ歩み寄り、煙草を探すふりをして奥の休憩所へ目をやる。誰もいない。
さりげなく振り返り、カメラの位置を確認する。ひとつ、ふたつ。
息が詰まったように少しだけ荒くなり、俺の頭の中で誰かが何か言う。
大丈夫だ、カメラに顔は映っていない。角度を何度も計算したじゃないか。
腋の下を冷たい汗が伝い、伝い終わった頃にはもう、俺は俺でなくなっていた。
喉が、ごくりと鳴った。俺の口から誰かの言葉が。
「金を出せ」

↓「食中毒発生の食卓」お願いします。
692春好き ◆MfKOcEEe.. :04/01/11 00:42
「こういう天気のほうが向いてるよな・・・きっと」
次第に濃くなっていく天井を見上げ、ランニングウェアは呟く。
そして出来るだうつむきながら目標地点まで移動。
外から中を伺う、店内に客は無し
「俺は冷静だ俺は冷静だ俺は・・・」

イラッシャイマセ

PETボトル飲料を掴む、真っ直ぐレジへ、
代金を払おうとして思い出したかのように
「あと、マイルドセブン1箱」
計画どうり、隙が出来た。

得物を手にカウンタを超・・・

イラッシャイマセ

超えなかった。
釣りを受け取り店を出る。

アリガトウゴザイマシタ


↓隣の席の奴がカンニングしてる
693春好き ◆MfKOcEEe.. :04/01/11 01:23
蝋燭が仄かに耀以外は真暗闇
そんな中 歌声が響いていた。

Happy Brithday to you〜♪

何のことは無い、どこにでもある誕生日の風景。
小さな三本の赤は消え祝福の言葉が飛ぶ。
そして部屋にはまた明かりもどった。

役目の終えた灯台が抜かれ、丸い土台に切り込みが入る。
一回、二回、円の四分の一が切り出された。
それは当人にとっては明らかなオーバーサイズだったが、
笑顔でほおばっている。
親子三人だけの幸せのひと時だった。

はしゃぎ疲れたか腹が満たされたか、
本日の主役はもう隣の部屋で寝息を立てている。
我が子の成長を思い返し、
カツン
グラスをそれぞれの口へ。

まるでそれが合図だったかのように隣室で泣き声があがった

怖い夢でもみたのかな?

触れた身体は熱かった。
彼はまだ主役を降りれないらしい。

(これじゃ風邪発病前の食卓じゃん!ごめんなさい>>691
改めて、↓隣の席の奴がカンニングしてる↓ お願いします
 テスト中、俺は違和感を感じた。
 視線だ。
 強い視線を感じる。俺は、なんとなく、ではない実感を感じた。
 隣の席の香具師にそっと目をやってみる。
 そう、見られている。隣の眼鏡が、俺の答案を覗いている。
 あまり相手の顔を伺う訳にはいかない。俺までカンニングの汚名を着せられてはいけない。
 ここは、相手が覗いているという事実に気付かなかった事にしようか。
 まて。この面白い構図を利用しない訳には行かないのではないか。
 そうだ。いっそあること無いこと書いてメガネを途惑わせるというのはどうだ。
 ふっふっふ。そうだ、その手でいこう。俺の答案を覗いて答えを書いたあの野郎は
大恥を書くという寸法だ。
 次の設問。横からの視線。アメリカの三代目大統領は。大統領。さぁ、どうボけたら面白いか。
 マリリンモンロー。いくらなんでも。マリリンマンソン。それもどうかと。いやまて、
奴はインダストリアルなんか聴かないんじゃないだろうか。よし、知らなければそれを
奴が書き写す可能性は大だと言う事だ。
 次。モザンビークの首都は。ふむ。ガンダムネタあたりから引っ張ってくるか。
しかし奴がガンダムに詳しくないという可能性は否定できないな。アニメ系でなんか
あるかな。エヴァ。外国の都市名的なネタがない。却下。なにかあるかな。ええと。
「テスト回収ー。鉛筆置けー」

-- -- --

「大林と木村。後で職員室来い」


↓「胃の中がまるでソシアルダンス」御願いします。
695名無し物書き@推敲中?:04/01/12 12:25

|     ∧_∧
|    (゚∀゚  ) きゃっ
|    /  つ_つ
|   人   Y
|   し'ー(_)
696名無し物書き@推敲中?:04/01/16 11:25
お題がシュールだと止まっちゃうよ・・・。
臨時措置として次の人は好きなお題でいいのでは。
>>694は面白いのだが「描写」ではないよな。
それにお題も「描写向き」ではないような気がする。
自問自答による描写は描写の描写でありメタ描写という言い方ができなくもないがこのスレはそういう描写の描写という方法で表現される描写を求めていないだろう
699名無し物書き@推敲中?:04/01/17 18:16
突風でパンチラ きぼんぬ
街路は人通りも多く、にぎわっている。
そんな中、彼は一人歩いていた。
今日は随分と、風が強い。
そんなことを考えていた。
にもかかわらず、周りにはミニスカートの女子高生も多い。
突風。
辺りの木々傾ぎ、揺れる。
ばさ……っ。
「おぉ!白か。」
思わず彼は小さく叫んだ。
一番手前の女子高生のスカートが派手にめくれた。
彼女は悲鳴をあげた、可愛い声だった。
長いまっすぐな黒髪が美しくて、彼の頭を妄想が駆け巡った。
彼は顔を見てやろうと早足で彼女を追い抜き、何気なく視線を走らせた。

ぇ?
不細工。というか、どう見ても女子高生じゃないし。
推定年齢46歳。
彼はこみ上げてくる吐き気に口を抑えた。

次、マルチ商法キボン。
シンプルな描写が多いかな。状況説明的な。
それも味ではあるけど、これでもかってくらい執拗な描写もキボン。
漏れも夕方以降参加してみる
702初心モノ:04/01/26 01:53
はじめての書き込みです、よろしくお願いします!!

「この浄水器は…」男が説明を始めると客全員がその浄水器に注目した。
「ただの水道水を奇跡の水に変えてしまうことができるのです」会場は一瞬どよめいた。
笑った人もいれば、真剣に驚いた人もいた。
 男はそのざわついた会場の反応を確かめながら、ゆっくりと説明に戻った。
「皆様はルルドの聖水をご存知でしょうか? ルルドはフランスにある町のことなのですが、
そこの町には十九世紀半ば、羊飼いの少女が聖母マリアと出会い、奇跡の起こったとされる
泉があるのです」そこまで喋ると男は実際にその浄水器からコップに水を汲み、自分で一口
飲んだ。「その水はどんな病気をも治す力があるそうです。そしてわが社はその水の成分を再現
できる浄水器を作ることに成功しました。それがこれです」会場はいつの間にか静かになっていた。
「取替えカートリッジ二個お付けして、本来二十万円のところを、今だけ五万円で提供させていただきます。
奇跡の水がいつでも飲めて、五万円ですよ」
 会場の重たい沈黙の中で妙に浮ついた男の声だけが響くのであった。
 
次はレジで会計をするときになってはじめて、自分が財布を忘れたことに気づいたとき、お願いします。
703謎 ◆M4DV7mx8Q. :04/01/26 16:41
「お会計、一万八千五十七円です」
またやってしまった!
いつも、必要なものだけを買いなさい、というある種の自己暗示をかけながら買い物をしているにもかかわらず、
なかなか体が暗示にかかってくれないのだ。
困り果て、ちらりとアルバイトとおぼしきレジ係りの方に視線を向けてみる。
彼女は私を見るでもなく、こすり合わせている手で手持ち無沙汰を表現している。
私は渋々使い古されたようなハンドバッグをまさぐる。財布には雀の涙ほどしか入ってないはずだ。
もしかすると、金額が足りずに辱めを受けることになってしまうかもしれない。
それにしても片付いていないバッグだ。いくら探しても出てきやしない。
消費者金融のポケットティッシュー、板ガムの包み紙、そしてタバコとライター……。
視線をレジのほうに向ける。彼女は早くしろといわんばかりに人差し指を机に打ちつけている。
私は思い切って、叫び声を上げてみた。
「財布が……財布がない!」
周りの視線が一様にこちらを向く。レジ係の店員、レジを待つ人々、そして向こうで品定めをしていた人までもが、
私の狂気的な叫び声に反応し、同情と憂いをこめた視線で私を見つめている。
私の後方で順番待ちをしていた七十過ぎくらいの老婆が、ほとんど聞こえないほど掠れた声で言った。
「あのさ……忘れてきただけなんじゃないのかい?」
その言葉とともに、私は記憶を手繰り寄せた。家を出た時間、そのときの天気、そのときの情況……
分かった。
財布をダイニングテーブルに置いておいたまま、愚か者な私は家を出てしまったのである。
人間という種族が一段階退行してしまったかの如く、私の顔は真っ赤になった。
「すいません……何でもありませんでした……」
人々の視線が一様に私を愚弄するものに変化した。横のレジに並んでいた老人は、爆笑したまま天井を仰いでいる。
私を待ち続けたレジ係の女性は、あまりのお粗末さに呆れ返ってしまったのか、目を丸くして珍しいものでも見るかのように視線をうろうろさせている。
食品売り場の空気は平静を取り戻しつつあり、私だけが、ヘリウムガスを詰められた風船のようにぷかぷかと食品売り場を漂っていた。

次は「流れ行く川と時代」でお願いします
704初心モノ:04/01/27 00:50
ここに一つの川が流れている。太古の昔からこの場所を流れている川だ。
時の流れに翻弄されるように、その流れ方は幾度となく変化し続けている。
しかしその本質は変わっていない、確固として自然の法則にしたがっている。
人々もまた時の流れ、時代の推移に翻弄され変化し続けている。
あるときは憎み合い、殺し合い、あるときは協力し、助け合った。
それでもその本質は変わっていない、なぜなら人は自然の法則に組み込まれているからだ。

次は「雷」でお願いします。
705:04/01/27 23:05
ほんの一瞬のするどい光の少しあとにおだやかな低い音がとどく。
雑踏のざわめきにも似た、けれどもっと厚みのある、あたたかい音。
神鳴り、神が鳴らす音。
われは神なり─そう聞こえる。
確かにここにいる、と。

次は「桜が散る木の下」をおながい。
706偽物 ◆wY.7vOSg46 :04/01/28 23:04
 それは、明るく暖かい、ある日の昼間だった。
 幼かった彼をここまでダメな人間に育て上げた立派な小学校の狭苦しい中庭に、
男は立っていた。
桜並木が長年丁寧に手入れされてきた狭い土手のふもとに窮屈そうに
止められた教職員や来賓客の車が、ピンクの花びらのシャワーを浴びている。
 授業中らしく、中庭には無精髭の伸びたこの男以外は誰もいなかった。
いるのはただ、ブンブンうるさい蜜蜂と、蚊と、桜の木にしがみつく毛虫など、男にとっての
害虫だけだった。
 まぶしい太陽の光を、ゆっくり流れてきたひとつの雲が覆い隠したが、彼がフケのたまった
皮脂だらけでベトベトした鬱陶しい輝きを持つ髪を何度か掻き揚げるうちに、
再び日の光をその頭に注いだ。
 男は目を細め、桜並木の、日傘代わりに使うにはあまりにも頼りなく見えた
大きな影を目指して肩をゆらしながら進んだ。頬骨に浮かんだ濁ったにおいのする汗が、
一本の桜の木に白い光を奪われた時、臨時に設けられたまま定着している駐車場に降り注いでいたのと
同じ桜の花びらが、男の上にも静かに舞い降り始めた。
 ランダムに彼の体を照らす木漏れ日も、全身の毛穴を自らの脂汗で詰まらせて
しまっているこの男にしてみれば、肌にまとわりつく花びらや、素早く飛び回って
予測不能な動きをする害虫ども同様、決して美しくなどなく、むしろ小さな災いに見舞われていると
感じざるを得ない、嫌なものだった。
 小さな土手に上がり、柔らかい土を踏んで足を埋められながら、
特に太い一本の桜の木に近づいた。その時、向かいの校舎の中で、
窓越しに男の存在に気付いた女子児童が、あわてて教室のカーテンを引いた。
 「お前はどうしてこんなに大きく育ったと思う?」
彼は幹に手を触れながら、独り言のようにかすれた低い声でつぶやいた。
頬の汗が髭の中に垂れ込んだ。
それまで感じていた自らの茶色いにおいに混じって、土と瑞々しい植物の香りが、至極かすかにだが、
彼の鼻の奥を刺激した。
707偽物 ◆wY.7vOSg46 :04/01/28 23:05
不安定な斜面に、倒れるようにひざまずく。幹に合わせていた手のひらが、
木の強靭でざらついた皮でこすれて多少傷ついて熱くなるのを、男は感じただろう。
 そこへ、不審者が入り込んでいるとの連絡を児童から受けた職員が、がっしりとした体格の
用務員と共に、男の元へ駆けつけた。
「ご用でしたら受付へお願いします。でなければ警察を呼びますよ」
男はその言葉に、何秒か遅れて反応した―それまで、ただ桜の木に手のひらを当てて膝をついていた。
「そうしてください」相変わらず、人と話すためにあるのではなさそうな声で、静かに言った。
「この木の下に、私の先生はまだいますか?」
二人は眉を潜め、顔を見合わせた。それを見た男は何度か小さくうなずいて、またつぶやいた。
「そうですか。ならば、彼女に持たせたナイフが私の首を掻く前に、どうぞ通報してください」
 土手の柔らかい土は、その長い年月の間に、思い出やヒステリックな女教師の怒鳴り声と共に
男の過去を含む様々な物を分解し、この、健康な心を持つ人ならば美しいと感じるであろう
桜の木を育ててきた。後に残ったのは、何十年か前は筋肉と血液に囲まれていた炭酸カルシウムと、
プラスチックの柄のついた鋭く薄い鉄板、そして彼の当然背負うべき運命と後悔だった。
 それが土手の中から取り去られた後も、この日の朝と同じように、桜並木を美しいと
感じることのできる子供達の上に、全て散り、消えるまで桜の花びらを降らせ続けるのだった。


次、「バナナの皮が固くて剥けないけど幸せ」みたいのお願いします。
708偽物 ◆wY.7vOSg46 :04/01/28 23:06
(川´_ゝ`) ひえぇ、長くてごめんなさいだよぅ・・・・・・。
709初心モノ:04/01/29 01:09
 バナナはまだ青い時に食べるのが僕の習慣である。
世の中には栄養的にとか健康のためにとか言って、バナナは熟成させて―つまり腐らして―食べる人もいるそうだが
僕はそんな風にして食べることはできない。人にはそれぞれ好みというものがあるのだ。
だいたい僕は健康のことを気にしてバナナを食べたことなんて、一度としてない。
純粋に「ただバナナを食べたいから食べる」それだけなのだ。
まぁ、確かに青いバナナを食べるにあたって苦労することもある。その皮のむき辛さがそれだ。
みかんの皮以上、りんごの皮未満といったところか。
しかしそういった問題もたいしたことではないかもしれない。
というのも、始めに言ったようにバナナを青いときに食べるのは、自分の習慣であり、好みなのだから。

次は「万馬券が当たり、歓喜する人。有り金全て無くしてドン底の人」 お願いします。
710アサピー:04/01/29 02:48
ヤタ!マンバケン アタタヨー!!
グアア・・・ゼンザイサン ウシナタヨー。ウエーンデチ

ツギノオダイ
「テロニ ソウグウシタ チュウボウ」
「ファミコンウォーズ ガ データゾー♪」
「コイツハ ドエライ シミュレーション♪」
「ノメリコメ!!」
「ノメリコメ!!」
「ノメリコ(ry」
ファミコンウォーズ。
幼い頃にCMを見た記憶がうっすらと残っている。
二列に並び、マラソンをする軍隊。
統制の取れた、独特の軍靴のリズム。
そして発せられるかけ声。
「ファミコンウォーズがデッタッゾー」
もの凄いインパクトだ。

次は「遅刻」でお願いします。
「遅刻」
 男は心地の良い脱力感にまどろんでいる。ぬくい布団の中でまどろんで、
意識は回復しているのに目は閉じたままだ。
 と、パッと目を見開いて男は跳ね起きた。それまで彼を包んでいた布団が
勢い余って豚の目覚まし時計にかぶさる。それを剥ぎ取って、男はしばらく
思考を止めた。針が、短針も長針も真上を指している。
 男はすぐさま寝巻きを脱皮し、抜け殻を捨て置いた。かけてあるスーツの
ポケットから携帯電話を出し、まず会社に連絡をと二つ折りの課長を開く。
だが間の悪いことにバッテリー切れだった。
―――とにかく出社しなければ。
 思うが早いか男はいい加減にスーツを着て部屋を出ようとし、しながら
家の鍵をかけるためポケットに手を突っ込んだ。そこで今度は動きを止めた。
 男の二本しかない腕がババッと四本になり、よれよれのスーツの各ポケット
を叩き探る。顔を八方に回しながら男は玄関に背を向けて、部屋を探り始めた。
 豚は十二時六分を指して、布団に転がっている。

# 描写スレ初めてだけど、こんな感じでいいのかな?
次「皇帝」でお願いします。
713ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/02/14 13:34
 熱に浮かされたように頬を上気させ、ピッチを見つめる少年の
目に、彼は時に、縦横無尽に天を駆け巡る悍馬であり、また優雅
に神遊びする踊り手であり、全てを包み込む偉大なる父性であり、
まばゆい光を放つ唯一無二の存在であった。
 彼の一挙手一投足にスタジアムは一個の生き物のように合一し、
轟音を上げながらうねり、きしみ、身悶えする。それはまるで八
万弐千もの群集が彼への愛を叫び、彼とひとつになれない事を怨
じているようで、それは彼と共に歓喜の歌を歌う祝福された球形
へと吸い込まれて、救われるのだ。
 ――皇帝。彼はまさにその時、世界を統べる皇帝であった。


 難しい。精一杯。
次「背中」で。
714偽物 ◆wY.7vOSg46 :04/02/15 22:24
 体が小さく気も小さいシズは、長身でがっしりしたハリーの背中に憧れていた。
たまたま席がハリーの後ろだったので、授業中に彼女の目に映っているのは
主に黒板より、その大きな背中だった。右手に軽く持った鉛筆はノートに字を書く為ではない。
要するに、先生からの余計な指図を逃れる為だった。
 椅子の背もたれで多少隠れているハリーの背中に、癒しの力を持つ彼の笑顔と
さっぱりした優しさがダブって、頬杖にもたれるシズの顔と瞳に輝きがともった。
 中学の頃から男友達ばかりで恋人がいなかったシズにしてみれば、
ハリーの背中は立派な恋の始まりだった。
 彼女は現在、独り身。15歳にして結婚を考え始めた。

(メ´_ゝ`)  ノンフィクションだけど一応描写しましたと言ってみるテスト。
次「無免許運転チェイス」お願いします。
描写しやすいお題を出したほうがよくない?
716名無し物書き@推敲中?:04/03/16 22:26
後悔しても仕切れない過去。若気の至りの一言で済ますには余りにも罪深い。
自分の欲望に素直すぎた日々。

逃げ切れると思っていた。それだけの自信があった。
隣には彼女が居た。彼女は笑っていた。
俺も笑っていた。その場のスリルに酔っていた。

その瞬間、世界は闇に包まれた。
>716
次のお題は?
718どっかのスレのby79@ポエム板:04/03/18 19:20
初挑戦。

「若気の至り」で済ますには余りにも罪深くて。
後悔しても仕切れない過去。

その時、僕は間違いなく酔っていた。
スピードのみがもたらしてくれる独特のスリルに。
彼女は笑っていた。僕も笑っていた。
ルールを破っているという罪悪感なんて全くと言っていいほど無かった。

サイレンが聞こえたような気がした。
そこから先は真っ白。気が付いたら見知らぬ天井を見上げていた。

どう?自信ないなぁw
719どっかのスレのby79@ポエム板:04/03/18 19:21
ちなみに716は俺。推敲してもう一度カキコしてみた。

次のお題は「愛国心」で
だからそんな抽象的なものをどう描写することを期待してるんだか
お題で小噺書くスレじゃねーんだぞ

考えてお題出せよ
戦闘機に乗り込んだ男たちの心の中には、ただひとつの文章が踊っていた。
それは出発前からして既にそこらじゅうに響き渡っていた言葉でもある。
世界から見れば小さいこの日本という国に、彼らは命さえも投げ出すことができる。
(お国のために頑張ります! お国のために!)
仲間の戦闘機が吹き飛び海に落ちていく様を見、それでもなお立ち向かう。
これは決していやいややっているのではない――少なくとも私は、だ。
失うものはもはや何もなかった。
だが、「これで最後」と思うと同時に、ふと脳裏にわが国である日本が浮かぶと、
彼の目から涙があふれ出した。


事足りる。
次「タクシーに乗っている男」
独特の匂いがする閉塞された空間に息苦しさを感じ、男は小さく咳をする。
沈黙を裂くその音に顔を上げた運転手と、その気配を感じて同じように顔を上げた男の視線が、不意にミラーの中で衝突した。
運転手は取り立てて気にもしなかったようだが、男の方は何故か慌てて顔を窓の外へと逸らしてしまった。
一息つく間もなく、ごちゃごちゃと鬱陶しい街の景色が男の意識を占有し始める。
あらゆるものが遠く近く通り過ぎて、中々視点を定められない。
再び訪れた理由の無い息苦しさに耐えかね、男はネクタイを緩めようと右手を持ち上げる。
突然車が速度を落とし、反動が男の上半身を揺らした。
持ち上げた右腕が顎に当たる。
指先にざらついたものを感じ、そのときになって初めて、男は今が夕方であることを思い出した。

初挑戦。自信無いっす。

次「深爪」
風呂上がり、家族全員に聞いても爪切りの在処を知らなかったので、必死に二十分間ほど探しまわり、
結局見つかったのがタンスの下だった。
半月が綺麗に出ている。ただ、空にでなく私の爪にだ。
左手の爪を親指から小指まで全て切り終わり、さあ右手を切ろうと思ったはいいものの、
私は右利きであり、左手で物を持つのは容易な事ではない。
ぷるぷると震える頼りにならない左手で爪切りを固定し、ゆっくりとヤスリの付いている金属製の板に力を入れていく。
爪切りに力が伝わっていき、爪切りに付いている二枚の刃はゆっくりと距離を縮めていた。
その時だった。不意に妹に
「お姉ちゃん」
と呼ばれてうっかり、固定していたならば行き得ない場所で二枚の刃がくっ付いてしまった。
その痛みが神経を通り、脳へ電気信号が伝わるのに時間を要する事は無かった。
「…………………ったぁーっ……。」

次「バナナの皮で滑り、豆腐の角で頭打って死ぬ」
725バナナの皮:04/04/08 22:04
わずか数センチの段差が男の運命を狂わせた。

つま先を襲ったわずかな衝撃とともに、バランスを失った上半身だけが前へと傾ぐ。
己の身に起こった事態を把握する間もなく、男は半ば条件反射のように右足を踏み出した。
が、体勢を整えるはずのその足が地面をとらえることはなかった。

ぐにゃり。
(……あれっ)
靴底を通して伝わる感触が何なのかを確かめる間もなく、どうにか持ち直しかけていた体勢に奇妙な
ひねりが加わった。
予測不能のまったくの不意打ち。
足払いを喰らったように倒れこんだその視界の端に黄色いものが映った次の瞬間。
―――がごっ!
脳天を揺さぶるようなショックとともに男の身体がアスファルトに転がる。
頬を濡らす生温かな感触と、視界に広がるおびただしい赤。
(そっか、あれバナナだったのか……カッコわる)
胸の奥で自嘲しながら、車の荷台から降ろしたばかりのダンボールに書かれた文字を男の目が追う。
遠のく意識の片隅で、男は自分がたった今頭からそこに突っ込んだことを知った。

〜特撰絹ごし豆腐<雅>   (株)シマダ冷凍〜

それが、彼の見た最期の光景だった。
726バナナの皮:04/04/08 22:07
次は「隣人の思いがけない本性」でお願いします。
偶然、本当に偶然だ。
今後もし頼まれるようなことがあっても、私は同じことを繰り返しはしないだろう。
もちろんそれは「何を見たから」でもなく、私自身に対する後ろめたさから、だが。
しかしそれを言い訳にしても、あれの異常さは常軌を逸していたに違いない。

それは、本当に偶然だったのだ。
その日に限って勝手口から我が家へと入っていく私と、
その日に限って裏手の窓を開け放しにしていた隣人と、何の因果関係があるだろう?
そして、そこから垣間見える若い男の後姿へ、興味を示さなかった女がいるだろうか?
ただでさえ彼は、昼下がりの暇な主婦の情事に対する思いを掻き立てる存在だというのに。

好奇心に勝てなかった私は、彼の日常を覗くことで快楽が得られるものだと思い込んでいた。

「ゆーかちゃん!ゆーかちゃん!」

まさかそこにおぞましい光景があると、誰が想像できただろう?
私にできることはただ、もう勝手口を使うまいと決心することだけだった。

----------------------------------------------------------------------

次、「懐メロを聞く女」でお願いします。
728待つ女:04/04/18 04:35
それはまったく偶然、取引先との会合の帰りに先輩の佐伯さんのク
ルマに乗せてもらえたときのこと。
「児島くん、確か同じ方向だよね、途中まで乗っていく?」
アメリカの有名大学でMBAを取り、社内ではバリバリのやり手と恐れ
られている彼女だが、気軽の声をかけてくれた。

「ごらんあれが竜飛岬、北のはずれの・・・」

エンジンをかけたと同時にスピーカーから流れ出した石川さゆり。
「あっ」
彼女は慌ててスイッチをオフにした。驚いたのは私も同じだ。
しばらくして彼女の操作によって、モーツアルトの協奏曲が上質な
オーディオシステムから流れた。取引先や最近のニュースの話題で
会話を続け、小一時間ほどで私鉄駅に着いた。

礼を言って降りようとする私の目をまじめな顔で佐伯さんが見詰め
ている。いたたまれず何か言おうとする私に、ニコッと笑い顔にな
った。会社では見たことの無い笑顔だった。
「ねえ、さっきのナイショネ。」
「あ、ハイ。」
「それじゃあオヤスミ。」
「ありがとうございます。おやすみなさい。」

その日からあの笑顔が目に焼き付いている。そして報われそうも
無い想いが少しづつ膨らんでいるた。
729待つ女:04/04/18 04:43
ミスタイプスマソ。

  気軽「に」声をかけてくれた。
  膨らんでいる。


いろいろな物語のイメージが湧くようなひとコマを切り取ったつもりです。

次のお題は「花粉症の女」
730花粉症の女:04/04/18 17:12
 春になると、彼女の目は真っ赤になる。
 部屋にいても、ベランダにいても。 二人の時も、そしておそらく一人の時も。
「この季節は仕方ないのよ」彼女は泣きながら笑う。「花粉症だから仕方ないじゃない。 鬼の目にも涙よ」そう言って僕の額をこつんとやる。 本当はこつんとして欲しくはないんだけれども、まぁ我慢しよう。 この季節だからね。
 だけど今日は特にひどい。 昨夜からずっと涙が止まらないみたい。 部屋中のくず入れがティッシュで溢れかえっている。 だから今日の彼女は目だけじゃなく鼻まで真っ赤だ。
「やだ、ひどい顔・・」そう呟くと彼女は鏡に向かい、何とか誤魔化そうと努力する。 僕には無駄な努力にしか見えないけれど。 どんなに頑張っても腫れた目の周りは誰が見ても解るって・・ それよりも時間は大丈夫なの? 今日は大切な日でしょう?
731花粉症の女:04/04/18 17:13
 時計が9時を告げると、彼女も気づいて慌てて立ち上がった。
 今日の彼女の服はワンピース。 それもまるで烏の様な色をしている。 僕とお揃いだけど、ちっとも似合ってない。 普段のように綺麗な色のTシャツにジーンズの方がずっと良いと思うけどな。 それに髪もそんな風に束ねない方が似合ってると思うけどね。
「じゃあ・・・行ってくるね、クロ。 お留守番しっかりしててね。」
そう言うと彼女は玄関の方へ歩きかけて、ふと止まった。 そして鏡の前に戻ると4年間ずっとそこに有った眼鏡を取り上げてハンドバックにしまい込んだ。
「じゃあ、行って来ます」
そう言って彼女はわざとバックを振り回しながら部屋を出て行った。 いってらっしゃい。
僕は起きあがって背伸びを一つすると、鏡前に飛び上がった。 鏡の前にはいろんな色の瓶と彼女の長い髪か絡んだ櫛、そしてちいさなフォトスタンドが一つ。
スタンドの中には幸せそうに笑っている彼女と、あの眼鏡をかけた彼の写真。
 君が居なくなってから今日でもう4年。 君は悪い人だ。 彼女を残して逝ってしまうんだから。 あれから彼女はずっと病気だよ。
 今夜もきっと彼女は泣くんだろうね。 で、また僕に言い訳して「こつん」ってやるに違いない。 全く、君のせいで良い迷惑だよ。 おかげで今日は僕のトイレも掃除されてないし、朝御飯ももらってないよ。 全く君のせいで・・・
 でも仕方ないね。 この季節だから。 我慢我慢。
 それにしてもお腹減ったな・・・・

 描画スレ初めてですがこんな物で如何でしょうか?
 なんか激しくスレ違いのような気もしますが(^_^;

 次は「犬の遠吠え」でお願いします。

732犬の遠吠え:04/04/19 02:11
逃げようとする鈍色の月を、行かせまいと君は啼く。
夜の底に囚われた自身はあそこまで翔ける翼を持たないから。
その身を覆う哀傷を、ひたすらに募る恋情を、横たわる闇に滲ませて。
この声がどうか、静寂に搾り取られることなく届くようにと、
ただ願って啼き続けるのだった。


描写……なんでしょうか。むむ。

次は『シャボン玉』でお願いします。
733待つ女:04/04/19 04:50
次に佐伯さんと二人で話したのは、車で送ってもらった日の
二週間ほど後だったかな。午前中に商談がすんで、隅田川を
見下ろす明るいレストランで昼食をとった。眼下には春の
日差しにほころびかけた桜と遊んでいる子供たちが見える。

「児島君の資料がしっかりしていたから、うまくいったわ。」
「そんな・・・、佐伯さんに誉めてもらえるとうれしいです。」
「ホントなの。あなたは営業企画課でできる人よ。この仕事で
児島君を指名したのは私なの。」
「またー。でも、経営企画の佐伯さんにそう言ってもらえると、
なんかうれしいです。」

ふと彼女の視線が窓の外を泳いだ。
視線の先に目をやると、虹色に輝く小さな玉が風に乗って飛んで
いる。レストランの窓辺に迷い込んできた小さな輝きは、頼りな
げに揺れて流れて戻って、止まったかと思うと小さな飛沫に弾けた。
しばらく彼女の視線はもう何も無い空間を見詰めていた。

「シャボン玉ではじけちゃいましたね。」
その言葉で我に返った彼女が、少し間を置いて言った。
「そうね。」
「・・・・・」
「シャボン玉って儚いからキレイなのかなあ。」
「・・・・・」
「ワタシなに言ってるんだろ。さ、行きましょうか。」

水面は輝き、子供たちのはしゃぐ声が聞こえている。
私は彼女のことをもっと知りたくなっている。
734待つ女:04/04/19 04:50
次のお題は、エレベータの二人、でお願いします。
どうでもいいんだけども、テーマで小節書くスレじゃないですよ。
あくまで描写するスレですよ。
真ん中に線が入っている灰色にくすんだ扉がゆっくり左右に割れて
目の前に、正方形の暗い空間が広がる。
気温が低いその中に、最初に足を踏み入れた僕は右側端に立って
階数が表示されたパネルの見据えた一番上に人差し指を伸ばす。
四角いプラスティックを押した柔らかな感触が指の腹に伝わり
8の文字がオレンジ色に灯った。
足の裏から腹に低い振動が伝わり、
二人きりの空間が緩やかに上昇を始めたのが分かる。
反対側に立っている彼女の肩に腕を回そうとして、届かない事に腹を立てた。
「なにもそんなに離れることないのに」
せっかく二人きりなのに、と目の前で点灯を変えていくパネルを睨み
焦燥感と現況に身を堅くしている彼女にため息をついた。


次 学校や職場から家路を辿る最中の風景 でお願いします。
737名無し物書き@推敲中?:04/04/26 10:30
一週間レス無し撲滅age
駅から出ると、そこには見慣れた景色が広がっていた。
都心のように天に向かって居るような高いビルもなく、かといって田んぼや畑が広がっている訳でも無く
しいていえば「住宅街近くの駅前」といったところだろうか。
目の前のロータリーには数十台のタクシーが並んでおり、
バス停には、今の私と同じように自宅へ向かうであろう草臥れたサラリーマンが数人並んでいた。
ただぼんやりと立っている者、家族とだろうか?携帯電話で電話をしている者、仲間同士で会話をしている者。
全く別々のことをしていた人間は、バスが到着するとともにその中へと吸い込まれていく。
そしてその大きな「バス」という名の箱は、排気ガスを吐き出してその場を離れていった。
なんていうこともない、毎日繰り返されていることだ。
私は興味無さげにそれを横目に見ながら、駅に背を向けて歩き出した。
目的地は自宅である。ここから10分もかからずに帰れる距離な為
タクシーやバスを使う必要はない。
ゆっくりと歩き出す私の横を、数人の女子高生が
丈の短いスカートを風に舞わせながら走り去っていった。
見たいテレビでもあったのだろうか?焦るような声と共にすぐにその姿は見えなくなる。
若いねぇ、と酷く年寄り臭い感想をその様子に抱きながら、私は携帯電話を取り出した。
アドレス帳から家の電話番号を探し出すと、通話ボタンを押す。
機械音を耳で聞きながら、私は歩みを進めていった。
耳元で鳴る機械音は直ぐに止み、かわりに愛らしい愛娘の声が聞こえてくる。
もう直ぐ帰るよ、そう私は電話の奥の娘に語りかけると
街頭と家々が放つ光を頼りに暗い夜道を通り過ぎていった。

次のお題、「鳴り続ける携帯電話」でお願いします。
電子音。鳴りやまない。耳に突き刺さるような。
新品買えばついてくるデフォルトの単一音階、とてもじゃないけど
着メロやら着トークなんてしゃれたものではなく、ひたすら甲高い信号音が
一定の間隔をおいてわめきたててるだけ。どうしてこういう気に障る音なんだろ、
誰が望んだわけ、大体こんな音にする必要なんかあるの? 部屋のどこにいても
たちまち耳について、あとは自分で手に取って止めるまで離れてくれない。こっちが
何をしてようと割り込んでくる。せっかくの集中はこなごな、いい感じの会話は途切れる、
思いついたアイディアは忘却の彼方にすっ飛んで、降ってわいた注視の中に残るのは
ひたすら鼓膜をつんざくような電子音。いやわかってる、もともとそういう効果を狙って
設計された音だっていうのは知ってる、別にこの音に限らなくても、洗濯機の終了音とか、
電子炊飯器のビープ音とか、大事だよね、要するにできるだけすばやく、確実に人の注意を
引きつけるための音で、ああでもやっぱり苛々する。鳴り続けてる。耳の底が
びりびり震えている。わざとやってんのって気分になってくる。なんでこう脳ミソの
底のざらついた辺りに残る音を出すわけ。最近じゃ目覚まし時計だってもうちょっと
愛嬌のあるサウンド使ってるっての。あ、なんだか回線の向こうにいる奴の声みたい。
人のことなんか全然考えないでさ。自分のことだけ。ねえ聞いて無視しないで構って構って。
ばーか誰が聞いてやるかっての。そんなことを考えてるうちにも音は鳴りやまず、
目の前に置かれたちっぽけな機械はやっきになってせわしなく明滅している。ずっと。

次は「氷水」でお願いします。
ステンレス製のボールに製氷皿からあるだけの氷を入れた僕は中に水を張る。
沢山の氷とたっぷりの水で重みを増したそれを苦労して流しに置いた。
そのまま椅子に腰掛けてじっと見つめる僕の顔が
奇妙に歪んで写る表面に一つ二つの露が浮かび始める。
見つめ続けると連なった水滴はどんどん増えていく。
一粒一粒が盛り上がり重力に負け滴るほどになってから
ようやく満足した僕は腰を上げて氷水に食塩とビールを突っ込んだ。

次「食欲」でお願いします。
見据える視線の先で、いい匂いの湯気が誘うように立ちのぼる。
鼻孔を刺激する、原始的な快楽の予感。
理性も抑圧も、自己の存在すら介在ない、むさぼるような至福の予兆。
それはすぐそこにある。
知らず知らずのうちに腰が浮きかけている。慌てて座り直す。
口腔いっぱいにじんわりと唾液が溢れてくる。濡れた歯がかちかちと微かな音をたてる。
ああ、もう抑えきれない――
その瞬間、待ち望んだ啓示が高まる欲望を解き放った。

「待て、待て…よし!」
「あー! おかあさん、また食器ひっくりかえしたよぉ」
「…相変わらず食べっぷりいいわねぇ、うちのポチは」


お粗末でした。描写に…なってますでしょうか?
次は「少し緩くなった指輪」をお願いします。
742名無し物書き@推敲中?:04/04/28 14:18
レス増えてきた?age
743名無し物書き@推敲中?:04/04/28 17:09
にごらせ馬茶の女はどうして腰前後に振らんのだろか?
「少し暖かくなった指輪」って何なのだろうか。意味がわからない。
別の題にしないか? きっとこのまま硬直するぞこのスレ。
えーと、ネタだと思うけど、突っ込んどくと、あ、やっぱいいや。
ええと>741の者です。スレ硬直はいやなので、自分で書きます…

・少し緩くなった指輪
 膝の上の左手に、ふと目が行った。
 薬指の付け根に見慣れた銀色が光っている。年月を経て、少しとろりとした
優しいつやを帯びたきらめきである。揺れる吊革を捕まえようとするとき、繰
った書類の端を押さえるとき、喫茶店の伝票に手を伸ばすとき、日々の営みの
折々に、この小さな光が私の傍にあった。
 こうして改めて見るのは何年ぶりになるか。懐かしい日々が甦り、手を持ち
上げてつくづくと眺めた。右手の人差し指でそっとつついてみる。と、微かに
ずれるような手応えがあった。少し緩んできているのだ。
 指先でつまんで動かしてみた。最近とみにたるんできた皮膚に引っ掛かりつ
つ、銀の輪は短い距離を上下する。幼子が大きな木の周りで戯れている絵が、
脈絡もなく脳裏に浮かんだ。長年こすられ、擦られて、暖かみを増した光が指
の間で揺れている。少し力を込めた拍子に外れそうになってしまい、慌てて元
の位置に押し戻した。まだまだこれを手放す気はない。
 車掌の声が駅名を告げ、私は立ち上がった。今日は銀婚式である。

・おまけ 少し暖かくなった指輪
 ハンドバッグを押さえた手に、ふと目がとまった。
 さっきまでコートのポケットに入れていた左手は心地よくぬくもっている。
その薬指の辺りに、ぽっと小さな火のともったような熱を感じた。間近で眺め
てみて、気がついた。指輪だ。小さな輪に身体のぬくもりをとどめ、暖かな重
みとなってことんとそこに嵌っている。ふいに、骨まで沁みとおるような、小
さいけれど確かな暖かさを覚えた。
 この齢で、と苦笑して顔を上げる。ちょうど改札を抜けてきた夫が、私の姿
を見つけて手を振った。


これじゃ描写じゃなくて小咄ですね…出直してきます。
次のお題は簡潔に「木のテーブルの上のワイングラス」で。良くなかったら
次の方が決め直してくださいです。
何かと限定しないほうが良いよ。

ワイングラスならワイングラス、木のテーブルなら木のテーブル
だけの方が描写に幅が出る。理由はわかるよな?

木のテーブルの上のワイングラス、という時点で幅がぐぐっと
狭くなる。ま、木のテーブルの上のワイングラスでもできないことは
ないが、つまらんお題である事は確か。

テーブルがある。上品な黒檀製の。
その上にひとつ、グラスが乗っている。中身のない、ワイングラス。

これで満足かい?
>746
よかったです。
>>747
ハゲ同。

>>748
どうせなら次のお題も出してくれないだろうか。
このままでは完全にスレが硬直してしまう……。
751748:04/05/05 18:07
次のお題は「子供の日」で。風景でも何でも好きにすれ。
752名無し物書き@推敲中?:04/05/14 20:10
だから「子供の日」を描写してもしかたないと思うんですよ。小噺化する
可能性が高い。

独断と偏見でお題変更。

「子供」を描写してください。
>>752
お前に何の権限があるんだ?
独断と偏見なんてものが出てきたらもうどうしようもないな。
小噺化したところで次のお題で修正すりゃいいだろうに。
「子供の日」も「子供」も大して変わらん気がするのは俺だけか?
まあ、実際こどもの日を描写するのは難しいと思うよ。
それをお題に小説を書くのならまだしもさ。
子供ならまだ幅が広いじゃない。
さすがに描写しても意味がないとまでは思わないけど^^;
とりくみやすいのを入れていかなきゃ、スレがどんどん過疎化していくとオモ。

>>753
う〜ん、権限とか言ったらいかんよ。それこそ誰にもないんだから。
『子供を描写する』のと『子供の日を描写する』のでは、全くの別物かと。
じゃ気に入らないお題が出てきたら「独断と偏見」で変更しちゃおうっと
>>755
752はお前が言うように
「(自分にとって)気に入らないお題」だから「独断と偏見」で変更したと思っているのか?
ここはお前が「気に入らないお題だから変更した」といって遊ぶような場所じゃねえんだ。
メモ帳にでも書いてろ。な。
 休日の朝、ドアを叩く音で目を覚ます。
 目覚めとしては最悪だ。
 寝癖頭をかきながら玄関に向かう。
 覗き窓から外を伺うと、厚化粧の見知らぬ女が立っている。
「宗教か?ふざけるな。こっちはたまの休日だというのに。」
 文句の一つも叩きつけてやろうかと、勢いよくドアを開けた。
 瞬間足元の異物に気付き、反射的に身を引いた。
 そこには、一重瞼で上目遣いにこちらを見る小汚い小僧が居た。
 小僧は、口に何か含んでいるかのような、汚れたふくれっ面で俺を見つめた。
「遊園地に行く約束でしょ?」
 見知らぬ女が言った。
 半ズボンから伸びた、小僧の汚い足が右左と一歩ずつ室内に侵入した。
「お父さん」 小僧は言った。

 次のお題「かっこいい女」


このスレであんまりこまごま言っても仕方ない。
本気の奴はちょっと痛いけど、大体は通りすがりの暇つぶしなんだし。
ぶうーん ききー
バイクに乗った不二子ちゃん!カッコイー イェー。
ヤッホー 綺麗な長い髪 髪 神?ドッヒャー。
アイーン 胸元に釘付け ボイーン。
あああん ああん 抱かれてみたいの ホエー ホワホワホワホワ!
言っちゃいやーん 行っちゃいやーん。
つれないそぶりも カワイコぶりぶり。
キュートなヒップが もうもう セクスィー!
OK YES!カモン レツゴー YEAH!トリプル くぅくぅくぅーん。
あぁはぁ ドミナント効果!

次のお題も「かっこいい女」で 世路死苦 吐露非華琉!
>756
「俺は皆のためにお題を修正するんだ!独断と偏見だけど俺には正義がある!」
こっちのがタチ悪いだろ。それこそメモ帳にでも書けや。な。

>757
あんた男だ。カコイイ。
760名無し物書き@推敲中?:04/05/20 05:10
ひたすら描写はそんなに面白くないね。
テーマから連想されるシーンを書く方が面白いような。
描写スレは描写を競うものであって面白さを競うものでもあるまい。
そういうスレは他にも沢山ある。
だが、まあ勝手にしろ。描写と面白さを兼ねることはできる。
面白くても描写が陳腐であればこのスレ的には駄作となる。
何も名作ばっかり揃えなきゃいかんもんでもあるまいに
たまには駄作眺めて何が悪いのか考えりゃいいじゃねぇか
アホだ
正当性ばっか主張して全然面白くも何ともないよりマシ。
崩れるような音をたてて、紙がアスファルトに広がり落ちる。
灰色と白の境界線をみつめながら、彼女はそれをすぐには拾おうとはしなかった。
書類は何かのレポートだろうか。モノクロの画面に、ところどころ引かれている赤のラインが不思議だった。
髪をかきあげながら彼女がかがんだ。
色が削げ落ちた冬の木々から、はらりと木の葉が舞い降りる。
木の葉と同じ色の髪が流れるように落ち、彼女の顔をかくした。
細い指先から紙の擦れる音がし、一拍。
私の視線に気付いた彼女は、視線を紙から空向きに映した。
まじまじとお互い、瞳をみつめる。
なぜか、目を離せなかった。微笑むことさえできなかった。
通り過ぎる風は冷たく、背中へビュウビュウとぶつかっている。
白い紙切れが、空間を切り裂くように一枚飛び立った。
彼女は私の視線をつかまえたまま振り返り、紙の行き先をゆっくりと見つめる。
木の葉が4.5枚彼女を通り越した。長い髪を空にたなびかせながら、彼女がまた私に視線をもどす。
「もっていかれちゃった。」
形のよい唇を、はじめて吊り上げる。
秋風は、決して優しくはなかった。


次 女子高生とオレンジ
ああん、いや、いやなのぉ!
そんなモノ入れないでよぉ・・・・
おちんちんが欲しいの!
オレンジじゃなくて・・・・

次 猫とバイブ
ほれみろ。アフォか。
アホっつうのはアホな書き込みをしたやつに向けられるべき言葉であって、
アホが群がる可能性のあるお題を出したやつに何の罪もあるはずがない。
藻前往生際悪杉
マターリ(;_;)
つかこのスレ誰も感想言ったりしないの?それとも感想とかは言わない雰囲気?
余程切れてる描写が書かれたら感想がつくと思われ。
過去に目撃した。
それ以外は恐らく、いけてなかったということだろうな。
拙いのを指摘する香具師も居たが、実際、拙いのは
本人もわかって書いている恐れがあるので指摘には
及ばないんじゃないか?
スレを荒らしたいと思えば、拙いの書いて、馬鹿みた
いにマジレスする香具師を釣れば簡単に荒れる。
わざと臭い拙文はスルーが一番。
758見たいに、お題変更しない戯れは、スレが荒れる
とまれに出てくる。お茶を一杯的な良心だと思ってる。
逆に766みたいなのは放置に限る。
俺の場合、こんなスタンスだが如何?
772gr:04/05/21 11:12
日曜日の軽い昼食を済ませて部屋に帰った。
今日は特にすることもなく、僕はカーテンを明け放った部屋のベッドに乗っかって、
先週の雑誌をめくりながら、足元のクッションをもてあそんでいる。

とら猫のジローは、さっきから窓ぎわの机の上にまるくなって動かない。
僕が荷物をどかした隙間に、最近ねそべることを彼はおぼえたようだ。

太陽の光がジローの背中にゆがんだ四辺形になってうつる。


僕はいつのまにか、雑誌を額に載せて眠っていた。
太陽はあいかわらず窓を通して差し込む。
机の上の明るい四角は、もうジローの背中からはずいぶんずれた。
ジローはうずくまって、ただしっぽの先だけを時々けだるげに動かす。


何時頃のことか。机の上のケータイが低い音でうなった。
うー、うー、と充電器を揺らして僕を呼んだ。

目をさましたジローは、片目でかたわらのケータイのランプをにらむと、
何やら小さな声を出した。そして、またもとのようにまるくなった。

電話を取るものはない。
僕の顔の上の雑誌もいつかずり落ちてしまった。

窓の外の遠くに宣伝気球が上がった。
風の無い日曜日の昼過ぎ。

#久々に挑戦です。次は「昔の雑誌」とかで。
77319さい:04/05/21 13:35
それは記録であった。
文章を書くことが大の苦手である私は、いまだかつて日記というものを
つけたことがない。目の奥を突くようなフラッシュに苛立ちを感じる私は、
いまだかつて望んで一人で写真に写ったことがない。いやおうなしに写された
卒業写真などは、どこかへいってしまった。自分に興味などない。
 だから、私の部屋において私の存在を示すものは、それのみであった。
年月ごとにそれなりに整頓された雑誌たちの内容はさまざまだ。初期のころは、
ファッション雑誌が6,7冊。それから先はそのファッション雑誌は途切れており、
代わりに料理雑誌が2,3冊。そしてダイエット雑誌、クラシックを扱った
音楽雑誌―。
 これらは、私の軌跡だ。古びた昔の雑誌たちは、文章が苦手で写真が苦手で
自分嫌いな私を、優しく見守り続けるのだろう。

#稚拙すぎてお恥ずかしいです・・。が、練習あるのみですかな、がんばります。
次は、「鏡」でお願いします
十九歳ねえ。へえー。ふうーん。
稚拙以前に描写じゃないが。おもしろい描写以前に描写じゃないが。まあがんがれ……
77519さい:04/05/23 15:23
>>774
貴重なご指摘ありがとうございます。
もともと頭が悪いので。。お目をお汚ししてしまい申し訳ありませんでした。

どなたか、「鏡」という描写お題は無視されて結構ですので、「昔の雑誌」
描写の見本を見せていただけないでしょうか。

やっぱり、文章って、才能が大きいのかもしれません。練習とか努力とかじゃなくって・・
予知なのか……?
>>772と>>773読んでて、かるくパニくった。
77719さい:04/05/23 15:51
予知??
778776:04/05/23 16:17
>>772で鏡が描写されている。
>>773のお題は鏡。
だから予知か、と。

それともこれがサブリミナルってやつで、
無意識に「鏡」を選ばされてしまったのか。
77919さい:04/05/23 16:25
えーっと、頭が悪くてすみません・・
772では鏡が描写されているのでしょうか?
完全に無意識で「鏡」と言ったのですが。
780「昔の雑誌」:04/05/23 16:45
 乾湿を繰り返した表紙は波打つように歪み華美を誇ったであろう表紙は褪色して久しい。
もともとは高額で販売されていたのか金をかけた頑丈な作りだったようで、所々はがれて
いる装丁は、それでも健気に頁を綴る役目を果たしている。
 三〇頁はあるはずなのに、今開くことが出来る頁は十も無い。あることはあるのだが、
頁がくっついてしまっていて、無理に開こうとしても、端から破れてしまう。湿気だけと
は思えないので、何やら強力な接着効果が付与された部分なのかもしれない。
 開いた頁は、三つ編みの女学生然とした妙齢の女性が摩訶不思議な体制でにごやかに笑
いかけている。恐らくこの本の幾人かの見物者の誰もが興味を示さなかったのだろう。も
う一度表紙に目をやると、由美かおると特集いう文字が微かに読めた。なるほど、確かに
そうかもなと思いつつ、私は自分の嗜好に則した頁が残されていた幸運に感謝し、滾る興
奮を静める為に、再度その女学生の頁を開いた。



前から気になってたので挑戦してみましたけど、こんな感じでよろしいかしら?
次は「鏡」と書いておけばいいのかな。
781776:04/05/23 16:46
いや、断言はできないんだよ。

「明るい四角」って出てくるだろう?
猫の背中の上や、机の上を移動していくというのだから、
その大きさはあんまり大きくないだろう。
「猫の背中にうつる」と書いてあるのも、小ささを表しているように思う。
だから、これは窓からの光ではないと思った。
そこで考えたのが、姿見か、時計のガラスの反射光だった。
そういう小さな鏡の反射なら、移動していく描写もぴったりだと思うわけ。
毛皮に歪んでうつるのも、自然になるでしょ。

でも、これは読者としてこう読めたってだけ。
本当に鏡かどうかは、作者さんでないとわかりません。
78219さい:04/05/23 17:09
>>780
本当、「昔の雑誌」を描写されてますね。すばらしいです。
 そういう文章、頭の中からどんどん出てきちゃうのでしょうか。
 780さんおすすめの本ってありますか?もしよろしかったら教えてください。

>>781
 なるほど・・・明るい四角・・が移動してゆく様子は鮮明に頭に描けた
 んですが・・それを鏡ととらえたのですね。
 文章って、奥が深いんですね、改めて。。。

スレ違いのような気もしますので下げます。
気分を害された方がおられたらすみませんでした。
>>782
根本的な読書量が少なそうですので、まずはグインサーガにでもはまってみてください。
1万冊ほど活字本を読めば誰でもある程度の文章は書けるようになるよ
それは昔から廊下の突き当たりにある。
ぼくはそれの前で女の子が髪を整えているのも、
服のチェックをしているのも見たことがない。
曇った表面は光を反射しても輝くことなんてない。
黒い猫の足跡みたいな汚らしい黒い染みや、
不吉なひび割れがはっきり見えるだけだ。
ちょうど夕暮れ時になると廊下は二倍に伸びて、
それはまるで霧の向こうへ続く小道の入り口になる。
暗い世界の向こうで、影が僕をじっと見つめている。

next 横断歩道
最後の行、「僕」ではなく「ぼく」です。
放置が著しいな
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |ちょっと通りますよ
  \___ _______
  Λ_Λ ∨  ___
 ( ´∀`)   |┌─┐\
 (    )   |│ C|   |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ Е|
|旦_________|
―( ◎ )――――( ◎ )―

―――――――――――



―――――――――――
                
―――――――――――
789名無し物書き@推敲中?:04/07/20 00:00
 とおりゃんせが中途半端なところで切れた。
 ギリギリ渡れずに、仕方なくコカコーラの空き缶が置かれた装置のボタンを押した。
 白い横断歩道は春に塗りなおされたばかりで新しかったが、他は古かった。
 歩道と車道の間には、細い隙間があり、タンポポが咲いていた。
 短い横断歩道だったが、国道から一本入ったところにあり、抜け道に使う車が多い。
 セダンがはねたアスファルトのかけらが、タンポポに当たった。
次のお題がないよ。どうすればいいんだ。
じゃ、タンポポで。
黄色い小さな花が集まって、一つの花のように見える。
これ以上ないくらいに明るく、綺麗な笑顔を見せるその花は土手のそばで涼しげに揺れていた。
僕達がよく見るタンポポはセイヨウタンポポという帰化種で、
日本元来のタンポポはこれに取って代わられたらしい。

あっという間にこの島国に大きな根を下ろしたこの花。
僕は小さな頃、タンポポが好きでずっと眺めていた。
だけど、今この花を見つめると、どうしようもなく悔しくなってしまう。
かつて穏やかに揺れていた日本を一瞬にして消し去ってしまった西洋の力強さ。
何も知らない子供達は、外来種のタンポポを愛で、それを編んで作った冠を誇らしげにかぶるのだ。

次は「温度計」
793温度計:04/11/03 00:23:15
 夏は長すぎた。そして今は短すぎ。
 ガラスの中の赤い棒は、いつでも私の願いを裏切り、・・・どこかで期待に応えてくれる。
 くしゃみが一つ。身震い一つ。


 次は『暗がりの気配』
 
794名無し物書き@推敲中?:04/11/17 21:33:06


背中で感じる 背中を感じるのだ 薄い真綿をまとう


次は「冬」
795名無し物書き@推敲中?:04/11/17 22:10:27
指先が冷える。
  
次は「靴下」
796名無し物書き@推敲中?:04/11/17 22:12:11
君の手がかじかんだのは僕のせい
その赤い手をあたためようと
君は誰かと手をつなぐ
愛しあうふたりの吐息は白く交じりあう

幸福の王子は 誰からも愛されることはなかったけれど
きっと笑顔で眠りについたに違いない 僕のように

と思ったら靴下か・・・
797悲しき半魚人:04/11/17 23:40:09
楕円の入り口を潜ると、急に薄暗くなった。
細かい格子のすき間から点状に光が差し込むが、
それも奥に進むにしたがって希薄になっていく。
それと共に異様な臭気が鼻を刺すようになっていく。
さらに光は弱くなり、周りの輪郭もぼやけていく。
足元にはいつの間にか粘液状のものが覆っている。
やがて突き当たりに到達し、異様な臭気もその頂点に達し、私は倒れた。

次は(禿げ頭)
798名無し物書き@推敲中?:04/11/18 13:33:11
禿げ頭は実は脂頭。よく見るとべチョーと皮膚の脂が浮いている頭。
そこに疎らな髪の毛がベターッとこびり付いてる。
ツナ缶の油を塗っていると思ってもいい。
一度触ったら、数日は取れないよ。

次は「僕のパソコン」で
799名無し物書き@推敲中?:04/11/18 13:37:52
SOTEKです
「湯のみ」
800名無し物書き@推敲中?:04/11/18 13:38:55
SOTECでした
「湯のみ」
801名無し物書き@推敲中?:04/11/18 14:02:33
藍色の地に、ごく細い線が、等間隔に二本。ステラの絵に似ている。
が、内側には、山水が描かれており、和洋折衷の湯のみであった。
「爪」
802名無し物書き@推敲中?:04/11/18 14:17:36
若い女性のしなやかな指先に付いた十枚の貝殻。

「空腹に悩む人」
803名無し物書き@推敲中?:04/11/18 14:37:53
恋よりも深い苦渋の洞穴の奥深く、男がいくら叫べども、その声は闇の中に消えていく。
抗えぬという恐怖が、男の魂の根源に生を強く意識させる。

「アンチクリスマス同盟」
804名無し物書き@推敲中?:04/11/18 17:20:14
彼らには不可視の絆がある。妬みと意地の強固な鎖だ。負け組のシンボルたる彼らは、身内の裏切り者を決して許さない。

「黒板を爪でひっかく」
805名無し物書き@推敲中?:04/11/18 19:27:20
かりかりと指先が微かにそれを掠めただけで三半規管にぐるぐるとワイヤーのように巻き付き私を苦しめる。

指先には指先で、そっと触れたにも関わらず全身に細かな震えが走り全体を通し脳に黒板の感触が伝わる。



次「ささくれ」
806名無し物書き@推敲中?:04/11/18 20:33:46
右手の人差し指のわきに小さいささくれができた。
爪で摘めるほどだが、無理に引っ張ると痛い。
でも、そのままではいつまでも気になって仕方がない。
ようし・・・、思い切って一気に真上に持ち上げた。
ささくれと共に皮膚が剥がれて血が吹いた。

「背中が痒いの」
807名無し物書き@推敲中?:04/11/18 22:37:25
届きそうで、届かない。
届いても爪がそれほど長くないので満足するほど掻くことができない。
人に頼んだって同じ、痒いところを掻いてくれない。
酷い、とても残酷、あまりに無情

なんて、本気で考えてたら、バカらしくて痒みなんてどうでもよくなった

次、「ギャンブル」
808名無し物書き@推敲中?:04/11/19 13:00:34
またはずれかよ、丸二年、同じ数字継続で最高4等一回だけ。ロト6。
合計20万の赤字か。3等でいいんだ3等で。オヤジの遺品のかばんには
空クジが一杯はいってた。親子二代にわたってのからくじ人生か。

「皿をほめる」
809名無し物書き@推敲中?:04/11/19 15:09:23
浅からず深からず、淡からず濃からず、派手ではなく地味でもない。
持てば手に吸い付くがごとく女性の柔らかさふくよかさを感じさせると
思えば、一方で男性の激烈さをも併せ持つ、まさに神のような崇高なその姿形。

「肛門」
810名無し物書き@推敲中?:04/11/19 16:26:04
よくも、昼下がりの、時間をかくのごとき、忌まわしい、
事物に、意識を集中させられたものである。そのナリを額の裏に浮かべ続けて
結局これに優る、描写は浮かばなかったすなわち、菊。

「軟性下疳」
811名無し物書き@推敲中?:04/11/26 15:39:03
性器のコブ、リンパの腫れ、潰腫……外国からのお土産
外国で感染して持って帰ってくる人が多い病気です。
コンドームによってかなり防げるといわれていますが、やはりつかわない無頼者も多いのでしょう。
症状としては、性器にできたコブや潰腫やリンパの腫などがあげられます。
アフリカやアジアなど、発展途上国にひろくつたわっている病気です。
逆にいえば、海外出張のサラリーマンなどが持ちはこんでくる病気と考えてよいでしょう。
ヘモフィルス・デュクレイという名前の微生物が体内に入り込むことによって起きる病気です。

見極めのポイントはいくつかあります。
@コブ
 性器にできたコブを見つける方法です。
 コブの周囲はのこぎりのようにギザギザとした不規則な形をしています。
 また、障るとすぐにつぶれて血がでるので、怪しかったらひっかいて相手の反応をさぐりましょう。
A潰瘍
 男性の場合は性器にできます。
 つよくこすったりすると痛みが走ります。もし見つけたらちょっとつよく擦ってみましょう。
 「これ何?」みたいな感じで。
 もし相手が痛がる素振りをみせたり、嫌がったりしたら、病気だと判断してよいでしょう。
 性器ヘルペスの疑いなんかもありますからね。
Bそけい部のリンパの腫れ
 腫れている部分に触れれば痛みがあります。
 放置している人だと膿がたまっているはずなのでかなり痛がるでしょう。

812名無し物書き@推敲中?:04/11/26 15:39:49
コンドームの使用によって、かなり防げる病気です。
もし相手に病気の症状があれば、ヘルスでもピンサロでもコンドームを装着してもらいましょう。
また、症状が睾丸や股に現れている場合は、あまりそこを触れないように注意しましょう。

女の子が感染した場合
症状は男性とほとんど同じです。潰瘍の痛みなどによって判断して病因へ行きましょう。

包茎の男性に注意
包茎の場合、この病気への感染率は3倍だといわれています。

感染後、すぐに症状がでます。一般的には数日から一週間以内といわれています。
場所は男女ともに性器となります。
男性の場合は、包皮、カリ、亀頭、睾丸。女性の場合はほとんどが大陰唇となります。
初めに、小さなコブができます。コブは痛みをともない、ひっかくとすぐにつぶれてしまいます。
一日ぐらいでこのコブはつぶれ、潰瘍となります。
男性の半数は潰瘍がひとつしかできませんが、女性の場合は4つ以上できることがほとんどです。
潰瘍は触れると痛みのあるものなので、すぐに何かの病気だと気づくはずです。
その後、一週間から二週間した後に、股のリンパがはれ上がります。全員が全員腫れるというわけではありませんが、半数ぐらいはこの症状がでます。
潰瘍から綿棒などでサンプルを採取して、診断をくだします。
血液検査などの必要はありません。

もし感染が判明したら、抗生剤の服用を指示されます。大抵は、一週間〜二週間前後の服用で治ります。
ただし、潰瘍がある間は下着やシーツなどを出来るだけこまめに洗いましょう。もちろん、治療中のセックスやお酒は厳禁です。

次「昼下がりの吉牛」
813名無し物書き@推敲中?:04/12/02 03:57:38
混雑していた昼時も過ぎて、店員の立ち回りも落ち着きを取り戻しはじめた。

「味噌汁のわかめの味わい」
814名無し物書き@推敲中?:04/12/05 18:09:28
温かな湯気の上がる赤茶けた液体、
音を立てて啜ると出汁と味噌の香りが口の中へと広がった。
口を動かせば滑らかで薄い物体が歯に当る。
少し薄くて噛みごたえは無いけれど、海の香りが残る。
海と離れた土地でも母なる海を想像させて、つるりと喉を通って行った。

「味噌汁のネギの味わい」
815名無し物書き@推敲中?:04/12/06 20:45:18
味噌汁のネギが最も生きるのは豆腐と油揚げとの組み合わせ。
この場合のネギは長ネギでなくてはならない。
賽の目の豆腐、短冊状の油揚げに笹切りの長ネギと、
これらが赤、白の合わせ味噌の中で会偶して初めて最高の味のハーモニーが生まれる。
これら三種の具材の中で色彩的にも歯応えの点でも食する者にアクセントを与えるのがネギである。
豆腐の柔らかさ、油揚げのバタ臭さに噛み応えのある適度な硬さと少々苦味を伴った
ヌメリを有するネギが口の中で渾然一体となる悦楽に、誰もが病み付きとなるは必定。

「ウンコが硬くて中々出ない」
816名無し物書き@推敲中?:04/12/19 23:33:31
あぁ、あぁぁぁん……

「スーパーマーケット」
8171000ml:04/12/28 15:46:17
スーパーマーケット。

入り口は決まって生鮮食料品。フルーツ売り場から甘い香り。
定番のマスクメロンやパイナップルに加えて、見たことの無いものまで並ぶ。

通りすぎると季節に応じた打ち出しの野菜コーナーへ。
スーパーの花形といっても他言ではない。
ありふれた野菜達とそうでない野菜達、季節を一番感じる売り場だ。

魚介類コーナーの生臭い香りは食欲を減退させはしないだろうか?
だから調理後の姿を思い浮かべて鯖や太刀魚は自らをアピールするのだ。

肉。動物の本能と純粋な欲求は求めずにはいられない。
小奇麗に並べてある物より、より肉塊に近いものを求めはしないか?
壁面一杯に並べられた様々な種類の肉塊を見た瞬間にイメージしている。
焼けた肉の香りと噛み千切る感触を。

惣菜はそれらを巧に加工して調理するのだ。家庭にあるそのままの姿に。

スーパーマーケット。



それは、主婦のしゃこーじょー。



次。「低脂肪牛乳」
818名無し物書き@推敲中?:04/12/28 16:12:04
「低脂肪牛乳」

「牛乳」同様、生乳のみを原料とし、無脂乳固形分8%以上、乳脂肪分0.5%以上、1.5%以下に成分を調整したもの。
牛の母乳。人間の母乳すら、赤子しか飲まないのに、いい年してこれ飲むやつは変態。
卵白と混ぜると、アレっぽい。


「魑魅魍魎」
819魑魅魍魎:05/01/03 23:34:00
 それはどろどろとした流れだった。青白い光の流れ。
 よく見ればネズミがいる。人よりも大きなネズミ。それに狼。猪。鹿。角の生えた馬。
燃え上がる車輪。炎そのもの。人の体をもつ烏。何本も尻尾を持つ猫。狐。一つ目の大男。
角を生やした大男。人の顔をした犬。鎌をもった鼬。漂い従う長い布。蛇の尾をもつ白い虎。
耳まで口の裂けた、包丁を持つ女。長い舌を伸ばすセムシ男。人の顔を持つ大蜘蛛。道路を
埋め尽くすような白い大蛇。長い髭を持った角のある蛇。
 それが、どろどろと流れていく。ひどく静かに流れていく。



 次は、『教室の後ろから眺める、憧れの人』
820名無し物書き@推敲中?:05/01/04 14:12:18
授業中、僕は黒板から目を離してあの子を見ているのを自覚した
そういえば最近いつも彼女を見ているような気がする
何故だろう、彼女をこんなに気にするのは。
恋慕の念?…前にニ、三回あったけど、それとは違う。
理想と言った方が良いかもしれない。
自分のする事に妥協はなく、過剰に友達と馴れ合わず、そして我を通す強さがある。
彼女は僕とは対照的な存在だ。
そして、それは僕の理想とする人間像だ。

↓「田舎に振る雪」
821名無し物書き@推敲中?:05/01/04 23:49:27
誤字?

 田舎に振る→田舎に降る
822名無し物書き@推敲中?:05/01/06 00:37:46
窓の外は一面濃い藍色。不規則に、白い断片が通りすぎる。
遠く夜汽車の汽笛が響いた。
次第に慣れてきた目に、藍の中の稜線。
うす黒く、うす白く、杉山がのっそりと眠る。


「八宝菜」
823名無し物書き@推敲中?:05/01/12 19:04:35
私の胃袋は、エビチリ、麻婆豆腐、小龍包、青椒肉絲と、
たっぷりの中華料理を受け入れてきて、もう限界の筈だった。
しかしその料理は、まず、香りだけで私の胃袋を良い意味で刺激して来た。
次にビジュアルにやられた。
柔らかそうな豚肉、プリッとして見える海老、つややかで色鮮やかな人参、
とろりと繊維までとろけていそうな白菜、
どれをとっても美味しそうに調理されている。
それらが、透明感のある餡で、一つの皿に纏まっている。
私は箸を取り、ごくりと唾を飲み込んだ。

「冬の朝」
824名無し物書き@推敲中?:05/01/12 19:46:30
朝、起きる。
分厚いかけ布団の中で寝返りを打ち、高い所にある掛け時計を見る。
7:00、起きるべきか二度寝すべきか微妙な時間。
(起きよう…)
寝ても20分くらいで母親が起こしにくる。
むくりと起き上がって、かけ布団を剥ぐと、突然部屋の寒さが寝起きの体を襲った。
(さむい…)
やる気が削がれた。
二度寝しよう。
私は再び布団に潜った。

↓口内炎

825名無し物書き@推敲中?:05/01/12 22:00:10
丁度右頬のエクボの裏側あたりに白い出来物ができた。
それを無意味に舌でなぞったり、口をすぼめたりして痛さに顔をしかめる。
口の中を噛む癖を治そうと思ったのはこれで何度目だろう。
これでさらに出来物の皮を破ってしまったら、これから数日間痛み抜くことになるだろう。
舌の先に意識を集中し、口を半ば開いてその小さな水泡をなぞる。
ふと見ると鏡にうっとりとした表情で半目を開き、口の中を嘗め回す自分が写っている。
キスをしているようだと思ってクスリと笑った。

↓ヨーグルト
826名無し物書き@推敲中?:05/01/18 23:10:06
ぼくは冷蔵庫を開けて、何か食べる物がないか探した。
一つ、ちょこんと卵を置く所に置いてあるヨーグルト。
ハンバーガーでもあればよかったけど、この際ヨーグルトでもいいや。
ぼくはヨーグルトのなかにスティックシュガーを一袋開けてスプーンでかき回した。
ヨーグルトの酸味はどうも苦手。砂糖をいれたほうが美味しいと思う。
液体っぽくなってきたので、スプーンを使って一さじすくって口に運んだ。
甘酸っぱい香りが口の中に広がって、とても美味しかった。

ttp://brinco.w-you.org/img-box/img20050118230936.png
827名無し物書き@推敲中?:05/01/18 23:35:13
お題が無いようなので、横からわたくしが。

↓ 「二重まぶた」
828名無し物書き@推敲中?:05/01/19 09:59:34
ねむたげな印象を与える瞳は
どこも見ていないようですべてを見とおしているようで
すこし厚ぼったい瞼の二重の線から
私は目が離せない。

そんな私の視線など気にもとめていないようで
それでいてそれを遮断するように
自分と外界との間に
彼女は音楽の殻を作っている。

↓「てのひらの黒子」
829826:05/01/19 11:40:19
名詞、形容詞、説明文、写真、絵を描写しましょう。
ってあったから画像張ったんだけどだめなんだな。
830名無し物書き@推敲中?:05/01/19 11:58:05
>>826 のお題から。
冬の朝、眠そうにプラットホームに立つ受験生。

次のお題は828の「てのひらの黒子」
831830:05/01/19 11:59:30
>>826
顔だけってのはキツかった。
832名無し物書き@推敲中?:05/01/19 21:45:54
>>830
良い人だね。気分が晴れるよ。
833名無し物書き@推敲中?:05/01/20 04:48:58
とういか、>>828はちゃんと画像について描写してくれてるよ。
誰も言わないなら俺が言おう、>>828GJ!
834名無し物書き@推敲中?:05/01/20 12:30:14
握ったてのひらを開くと、それは確かにあった。
易学で言う生命線を、緩やかな丘陵に例えるとすれば、それは
丘陵の空を舞う一羽の烏のように、ぽつりとある黒く小さな影。
群を成すことなく、歳月と共に擦り切れて、いつか消えて無くなるまで
そこにあり続ける、一羽の烏。

お題 「横断歩道」
835名無し物書き@推敲中?:05/01/21 11:55:03
お題「横断歩道」

その白線は、オフィス街を縦横に刻む、黒い大動脈に
等間隔に焼き付けられており、生業は踏まれることである。
そんな白線の両端に群がる、多くの人、人、人。
くたびれ、呆然と待つ者。
苛立ち、時計を睨む者。
車の行き交いを見定め、足を踏み出そうとする者。
そんな人々の多くが、結局は白線を踏みつけ、対岸に渡っていく。

>>834のお題は>>785で既出……。

次は「できたてのロールキャベツ」
836名無し物書き@推敲中?:05/01/22 04:07:23
「できたてのロールキャベツ」

 白い皿には黄金色のスープが張られ、その中心にそれは赤子のようにちんまりと寝転がっていた。
 外皮は半透明とは云えないぐらいの、まだ張りの残る堅さで、ナイフを入れるとまずつぶれ、
次に内臓物の抵抗感とともに脂の混ざった汁がじわりと垂れてくる。
 外皮にもう一度スープを含ませてから、顎を前に出して、汁を垂らさないように口に運ぶ。

次は「プラトニックラブを夢見るサキュバス」で。
837gr:05/01/22 10:53:19
モーテルのベッドの上に腑抜けのようにうつぶせている青年を見ながら、
少女は泣いていた。
(この人こそは…、この人のことは、本当に好きだったのに)

毛布を青年の方にかけてやって、少女は立ち上がり、姿見の前に立つ。
このいつまでも若く淫美で蠱惑的な妖怪の体がうらめしい。
(私が普通の女の子だったら…、あの人とも一緒にいられたのに)

目をそむけるようにして振り返り、少女は脱ぎ捨てた下着を探す。
それからここへ来たときと同じ服を着る。ジーンズに綿シャツ、野球帽。

最近、少女はできるだけ色気の無い地味な物を着る。
しかしサキュバスの血の持つ邪悪なまでの魅力を覆うには、おそらく
それでも足りるということはなくて。

少女は鏡を見ながら、帽子のつばを深く引きかぶり、自分の荷物を取る。
荷物が心なしか軽くなったように感じるのは、体力があふれているせいだろう。

「バイバイ、ありがとうね」
まだうつぶせたままの青年に声をかける。青年は呆けたように倒れている。
もし精神力が十分なら、やがて廃人程度の生活ならできるようになるだろう。

少女はすこしのあいだ名残惜しそうにして、それからドアを開けて出ていった。

(次に本当に好きになった男の子は…、今度こそぜったい何を言われてもことわろう)
それができないことは知っているのに。
今日だって、結局は少女のほうから誘ったようなものだ。

(そう、いつものことだから。私が好きになった男の子がこうなるのは…、
いつものことだから)
少女はもう泣いてなどいなかった。二時間前に並んで入ったモーテルの廊下を
今は一人で歩きながら、さて、これからどこへ行こう、と考えていた。
838837:05/01/22 10:54:10
次は「破れた受験票」で。
839名無し物書き@推敲中?:05/01/22 13:45:58
描写スレと言いながら物語を書いているじゃないか君。
スレ違いだぞ、あっ、でも>>1が既に物語りになっている。
俺の固定観念を新人類の視点からぶち破るスレだな愛してるぜ。
==「破れた受験票」==
受験会場で鞄から取り出した時、それの小さな破れに気付いた。
大事にクリアーファイルに入れて保管していたので、
それ全体はアイロンを当てたように綺麗で、破れた部分が、
磨かれた玉の一筋の傷のように痛々しく見えた。
わたしはそれを、正面黒板にある指示通り、机の左上端に置いた。
すると、わたしの心細さを表すように、
それの破れた部分が空調でふるふると震えた。
=======
ふむこのお題は素晴らしい。インスピレーションを掻き立てられた。
出題者の才能が伺えるな。ここは、次のお題も素晴らしいものにせねばなるまい。


「ちんこ」


あっ、驚いたな? 素晴らしいお題ってこれかよ! って今驚いただろ?
ふっ、しかし俺の実力はこんなもんじゃねえぜ。今から本当のお題を出す。見てろよ。

「破れた制服」

○| ̄|_
言うな。何も言うな。二番煎じはオリジナルを超えられないとか言うな。
黙ってこのお題で書いてくれ。


次「破れた制服」
840839:05/01/22 14:03:31
>>1 はちゃんと描写になってたスマン○| ̄|_
841名無し物書き@推敲中?:05/01/28 16:43:43
扉を開けて、僕は閉口した。
そこには妹が無残な姿で立っていた。
汚れている、という表現は適さないと思う。
無残。僕にはそう見えた。
妹の学校の制服だという事はすぐに解った。
だけど、その腰元まで破られたスカートと、ボタンが2,3個ぶら下がっているだけの上着。
その下にある土色にそまった白いブラウス。
そして、破られたスカートを、悔しそうに、開いてしまわないように握りしめている妹。
僕には、それから、今朝、いつも通りに家から出て行った妹を見出す事はできなかった。

>>839これで満足ですか?

826に習って
next
ttp://u.skr.jp/512/files/7869.png
842名無し物書き@推敲中?:05/03/08 22:12:36
お題、
海辺のハルキ
843海辺のハルキ:皇紀2665/04/01(金) 20:54:10
 夕焼けの中、砂浜に腰を下ろす少年がいる。足を揃えて膝を立て、その上に顎を乗せて
両手を組んでいる。顔には力がなく、目線は虚ろに漂っていた。
「ハルキ、こんな所にいた」
 背後から少女の呼ぶ声がした。









 次、エロ本を見つけた少年。
844名無し物書き@推敲中?:2005/05/01(日) 12:58:44
表面のがたがたとしたコンクリート
1mに1本落ちているたばこの吸いがら
びゅうんと通りすぎてゆくくろい車、白の軽自動車。
朝の空気はうすいみずいろをしている
ふくらはぎをくすぐるきみどり色の草
それが生い茂ったところのおくに、おんなのひとの裸があった。

きもちわるい。
でもずっと見つめていた。
姿勢をなおし、まわりを見わたす。よしだれもいなかった。
むこうの自動販売機までかけ足をする。
ランドセルの肩ひもを右手でぎゅっとにぎる。まだあのはだかはあたまのなかに残っている。

次、「授業をする先生」でどうぞ
845名無し物書き@推敲中?:2005/05/02(月) 18:15:35
age
846名無し物書き@推敲中?:2005/05/02(月) 20:33:05
しんとした教室に、黒板を移動する硬いチョークの音が響く。
コツコツコツ。
ぼくは広げたノートにシャープペンシルで、わけのわからない
記号をぐるぐる描いている。
いかにも黒板の数式を写しているようなふりをして。
ときどきちらっと顔を上げたりして。
黒板には、ぼくの描いた記号よりももっとわけのわからない数式が
ずらりと並んでいる。
手を伸ばして、黒板の上のほうにまで数字や記号を書き付ける先生の
禿かかったつむじのあたりをぼんやりと眺める。
襟足が少しはねている。
首筋にうっすらと汗が浮かんでいる。
白い半そでのシャツから伸びた、痩せた生白い腕。
スラックスのウエストからはみ出したしわだらけのシャツの裾。
シャツの中に来たランニングシャツが透けて見える。
斉藤先生は今年35歳になる。
ぼくは、35歳になった自分を想像してみた。
けれど、まったく見当もつかなかった。
35歳になる日なんて、本当に来るんだろうか。
そのときに僕は、先生みたいになってしまうんだろうか。

次は「猿」
847名無し物書き@推敲中?:2005/05/03(火) 00:39:55
きゃーきゃっきゃっきゃ
きゃきゃきゃきゃきゃ きゃきゃっ きゃきゃきゃっ
きゃきゃきゃーっ きゃっ

次「最後のお別れをする恋人のいる、花明かりの下」
848名無し物書き@推敲中?:2005/05/04(水) 15:38:59
じゃあ、元気で。
彼はそういうと、右手を差し出した。
こんな場面で、どうしてそんな風に笑顔でいられるの?
私は黙って下を向いた。
その目の前に、白く光るてのひらが近づいてくる。
ほっぺたを撫でられる。
泣いてるの?
私の涙に気づいた彼が言う。
泣いてない。
私は鼻声で言う。
ごらん、夜桜が綺麗だよ。こんな夜は、めったにないよ。君は、満開の夜桜を見るたびに、僕のことを思い出してくれるのかな。
なんて残酷なことを言う人だろうと思った。
849名無し物書き@推敲中?:2005/05/04(水) 15:39:56
次は、「悩みながら小説を書く人」
850 ◆znJHy.L8nY :2005/05/04(水) 19:41:00
w
851名無し物書き@推敲中?:2005/05/05(木) 16:10:28
>>848
(・∀・)イイ!!
852848:2005/05/07(土) 02:48:33
誰も書かないので自分で書きます。

ずっとパソコンの前に座ったままだ。
画面は2ちゃんねる。
マウスの横にはコップがふたつ。
底のほうに溶けた氷が水となって溜まっている。
モニターの脇にはヨーグルトの空きカップ。
ポテトチップスの空き袋も見える。
乱雑に散らかった机の上。
時間だけがただ経過していく。
白い画面はいっこうに埋まらない。
窓の外には青い空。
日差しがブラインドから漏れる。
宝物みたいな一日を、また無駄にして
結局小説は一行も書けていない。
僕はどこに行くんだろう。
僕はどこに行きたいんだろう。
わからない。ただ、パソコンの前にいることで安心する。
853848:2005/05/07(土) 02:49:52
次は神様に会ったアライグマ
854名無し物書き@推敲中?:2005/05/07(土) 13:00:17
なんだろう。
茂みの向こうに何か居る。
僕らとは違い二足で立ち、それでいてヘンテコな格好をしている。
おまけに黒光りする筒のようなものを手に持っている。
変なやつだな、と僕は思った。
今までこんなにも変な奴は見たことがない。

―――ひょっとすると、あれが神様ってやつなのかな?

唐突に僕は思った。
そうだ。きっとそうに違いない。
だってあんなにも変なんだもの。
神様なら僕らと違うに決まってるよね。

神様なんてはじめて見たものだから、僕は嬉しくなってその「神様」に駆け寄っていった。




―――パンッ


次のお題、「カレーライス」
855カレーライス:2005/05/07(土) 13:48:02
「ありがとう」 僕は妻に礼を言った。
今日はカレーライス。平凡な家庭にありきたりの夕食だ。
「さぁ、食べようか」 互いに互いの顔を見て微笑みあう。特別なものがあるわけでもないのに幸せを感じることの出来る瞬間だった。
スプーンでかき混ぜてみると大きめにカットされた具がゴロゴロと現れる。
「少し大きすぎないか?」 僕はいつもの文句を言った。
「こっちの方が食べ応えあるでしょ!」 妻がいつもの文句で返す。
一口分を掬って口の中に入れてみる。いつもの様に僕には辛すぎる味だ。歯と歯をかみ締めながら必死に辛さを耐える僕は、いつもの様に涙目になりながら昔を思い出していた。
離婚する両親が作ってくれた最後の食卓。僕は何も知らずにはしゃいでいた。兄はあの時、既に知っていたのだろうか。
新しい生活は芳しくなかった。僕は生活苦の為に荒れてしまった母に殴られ、兄は継母に殴られた。
壊れてしまった幸せと、大人になって手に入れた幸せ。
僕はこの幸せを忘れないように、あの時の味をリクエストする。
856名無し物書き@推敲中?:2005/05/07(土) 18:09:08
>855
次の人のこと考えてないな。

次は「三角関係」でよろしく
857名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 00:08:56
「さようなら!!」
有触れた別れの言葉を残して私は彼の部屋を出た。
信じていた人に裏切られる有触れた別れの形。
喜ぶことも出来ないのに、見過ごすことも出来ない。
浮気現場を押さえた跡に残ったのは、ただの敗北感だった。
「なんで男なのよ!!」
泣き叫びながら蹴り付けるドアの音に、マンション中の住人たちが顔を覗かせている。

次は「みかん箱」



858名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 02:23:53
四畳半ひと間、風呂もない侘しいアパート。
裸電球の下にぽつんとあるのが、俺の唯一の家財道具といってもいい、みかん箱だった。
あるときは食卓に、あるときは文机に、またあるときはタンスがわりに。エロ本をこっそり隠していたこともあった。
小さくてささくれだっているけれど、可能性は果てしなくある。
この街で、俺はみかん箱みたいに生きていけるだろうか?

次は「風船ガム」
859名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 10:56:11
ポケットから小銭を出し、駅の売店でガムを買った。鳴り響くベルを聞いてから、ホームに駆け下りガラッガラに空いた平日の下り列車に飛び乗る。
3両編成の列車に乗っている乗客はほんの4、5人。
長距離乗るには向いていない、強ばった座席に腰を下ろした。
パッケージを剥がして中からガムを取り出す。銀紙をとると、白い粉をふいた、あまり健康的とは言えない緑色の固形物が顔を出した。
ひとつ口に放り込む。それからふたつ取り出して、まとめて口に放り込んだ。
咀嚼筋を総動員して噛みしだくと、大量のつばが出て青リンゴの味がじゅわっと広がった。鼻から抜けるつんとする匂い。肩の力が不意に抜けた。
向かいの窓ガラスから、田園風景とその先に山並みが見える。風船ガムは大きく膨らませるのが好きだ。めいっぱい、大きく、大きくなれと思いながら移りゆく景色を眺めていた。

次は「埃」
860名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 22:51:34
パンパンパン。私は書斎に永らく積んであった本の埃を払った。
ニーチェ、サルトル、ソクラテス…そのほとんどが哲学書だ。
大学で哲学を専攻し、そのまま大学院に進み、助手、助教授、
教授とステップアップし、いくつも論文を書き上げた。
けど、もう埃をかぶったこれらの本も必要はない。退官するからだ。
本を、私がいくつかに分けて、白いビニール紐で束ねた。
しかし、不器用なのか、すぐにほどけてしまう。見兼ねた妻が、
「まったく、お父さんは勉強以外はまるでダメねえ」とぼやき
ながら、きっちりと縛り直して、本の束を玄関先に並べた。
やがて古本屋のトラックがやってきて、すべての本を引き
取っていった。
がらんどうの書斎に戻ろうとすると、妻が手早く掃除を終えて、
汚れた水の入ったバケツを手に、部屋から出てくるところだった。
「埃は、全部なくなりましたよ」
妻の笑顔はすがすがしかった。
埃はなくなったけれど、妻からは、長年私を支えてきたという
誇りが感じ取れるような表情だった。

次は「旅行代理店」
861名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 23:49:51
私は旅が好きだ。
旅には無限の楽しみ方がある。
見知らぬ土地を散策するときの、ちょっとした緊張感と高揚感。
その土地の人々と交わす、愉快な交流の一時。
旅先で過ごす全ての時間が新鮮で、楽しくて。
時には災難に遭ったりもするが、それもまた旅の醍醐味の一つであろう。

ところで今日は良い天気ですね。
雲一つない、吸い込まれそうになる青空。
あなたもこんな日には、どこかへ出かけたくなりませんか?

「いらっしゃいませ。松永旅行代理店へようこそ。」



次、「黒猫とカラス」
862名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 02:05:14
まだ入梅前だというのに、この三日間まとまった雨にひどく仕事が落ち込んだ。
荷受をして伝票をかくその手にも雫が垂れ落ちインクがにじんでしまう。
濡れぬよう、慎重に荷物を顧客の所へ届けるも階上へあがった頃には雫で染みてしまう。
そう、私は黒猫ヤマトの宅急便のサービスドライバー。そして階上にはカラス。

次、「台湾茶と北京飯店」
863名無し物書き@推敲中?:2005/05/10(火) 22:39:03
二月ともなると、明け方には零下の気温となる。東京とは
違うこの乾燥した寒さに、私はいまだ慣れることができな
いでいる。
コートの上から染みこんでくるような寒さに震えながら、マ
ンションを出て、近場の食堂に入った。揚げパンを温かい
豆乳で流し込んで一息つく。北京の街はすでに目覚めて
おり、頬を赤くした人々がせわしなく道の前を通っていった。
通りの突き当たりにある、首都の名前を冠する一流ホテル
で朝食をとるのが、日本から来ているビジネスマンたちの
ステータスだったけれども、私には無理だった。古くからこ
の街に住む人々に紛れ込んで、食後に一杯の茶をすすっ
ているのが性に合う。
日本円にしてわずか数十円という代金で、これだか温かな
気持ちになれるのだから中国もそう悪くないのかもしれな
い――そんな風に考えていられるのは、また通りに出て寒
風に吹かれるまでのわずか3分の間でしかなかったけれど
も、私にとってこの3分が生命の息吹を吹き込む時間なの
だった。
もう一度茶を口に含み、その香りを味わった。

次、「清流」
864名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 00:33:08
>>863
とてもお上手ですね。
普段どのような本を読んでおられるのですか?
また、描写について参考になる本等あれば、ぜひご教授ください。
865名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 00:47:40
>>864
恥ずかしいので誉めないで……。
読むのは実用書も小説も洋書もなんでも読みますよ。
参考にしてる作家はいませんが(勝手に模倣してるっぽいですね)、
描写がすごいなと思ったのは藤村の千曲川ですかね。
ほんとのフェイバリットは企業秘密ということで……。

うは、なんか偉そうwwwww普段VIPPERなのにwwwww
866名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 01:58:16
殺人的なまでに獰猛に照りつける太陽の光を、清流の上を覆う無数の木の葉が柔らかで優しい光へと変える。
地下を延々と巡り、長い年月の末この清流の上流に沸いた水はどこまでもどこまでも澄んでいる。
川底の岩は素足で歩いても問題ないほど丸まっていて、ふと足元を見ると苔生した岩の間を淡水魚が気持ちよさそうに泳いでいた。

こんなもんか。良かったら感想キボソ

次、「ゲームの筐体」
867清流:2005/05/11(水) 01:58:50
そろそろかな?
僕は耳をそばだてた。
さわさわと草木がこすれる音が聞こえくる。
音の世界に入ろうと、僕は目を閉じた。
まぶた越しに光が差し込み、オレンジ色の世界が見える。
背中では正午の太陽が投げつける光の束を受け止めて、それを漏らすまいと全身の細胞が手を伸ばす。
シンと世界が静まり返る。
遠くで枝葉のざわめく音が聞こえた。
ざわめきが大きくなる。
音が近づくにつれ、木々の揺れる音が聞こえた。
ざわめきがドンドンと大きくなる。
木々のざわめきが迫り、音の洪水が目の前に広がった。
暖かい温もりと、涼やかな流れが全身を包み込む。
気持ちいい・・・
僕を置き去りにして、風という名の清流は過ぎ去った。
僕は振り返り、飽きることなく揺れ動く木々を見続けていた。


次は「睡魔」
868名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 09:55:07
>>866
「殺人的」+「獰猛」、「どこまでも」×2など、言いたいのはわかるが描写にはくどい気もする。
好みの差か。

 タバコの煙のせいで室内がうっすら霧がかったように見える。午前4時。
3日前に買ったソフトが未だクリアできない。
 腕を組んでじっと考えている。考えるべき謎は3つあった。気になって何
度もWebで検索をかけても、まだクリアしたプレイヤーはいないようだった。
50万本は売れたはずだ。
 50万人が3日かかって、まだ解けていない謎。
 いくつか「これは」という答えを導き出したのだけれども、それらはすべて
不正解だった。これはもうデジタルの問題ではなく、アナログの何かが邪
魔しているんじゃないか――そう考えたことも数度あった。プレイ中のゲ
ーム機を持ち上げ揺すったこともあった。プラスチックの筐体をつついて
みたこともあった。いらだちが微増しただけだった。
 室内の空気以上に淀んだ脳みそが重く感じられる。両手で顔をごしごしこ
すると無精髭が手のひらにあたった。
3日、72時間、そろそろニンゲンとしての限界が近い。
 しかし、ここで寝てしまっては誰よりも先にクリアするという目的を達成で
きない。
 新しいタバコに火を点けた。

--
かぶりだったので2つ分。

次は、「ゆるやか」
869名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 12:31:05
推進力を失いつつある紙飛行機。

次、「時報」
870名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 13:00:37
177
871原堤:2005/05/11(水) 13:24:45
872名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 21:44:08
>>871
グロ。
無視。
873名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 21:50:09
午後九時四十五分三十秒をお知らせします。
午後九時四十五分四十秒をお知らせします。
午後九時四十五分よ、五十秒をお知らせします。
午後九時四十六分ちょうどをお知らせします。
午後九時四十六分十秒をお知らせします。
午後九時四十六分二十秒をお知らせします。
午後九時四十六分三十秒をお知らせします。
午後九時四十六分よ、四十秒をお知らせします。
午後九時四十六分ご、ご、五十秒をお知らせします。

次「充電器」
874充電器:2005/05/12(木) 12:32:01
およそ子供の手のひらほどの大きさの、くすんだ墨汁色のプラスチックである。
それほど勢力を誇ったわけでもない地方豪族の古墳のように、
円形と長方形を合体させた格好で控えめに盛り上がっている。
上部は浅く広くえぐられ、なにか別の物体の装着を待っているようだ。
長方形の短い底辺にあたる部分から細く長いコードが延びている。

次、「50m走」
875名無し物書き@推敲中?:2005/05/12(木) 17:44:44
バサッ
勢いよく旗が上げられた。
それと同時に全力で駆けていった目の前の二人。
もう二人の姿は豆粒のように小さくなっている。
次はいよいよ自分の番だ。
この競技は小学生の頃から何度もやっているはずなのに、
毎年スポーツテストで走るたびに同じ緊張感に襲われる。
けれどそれは決して嫌なものじゃない、心地よい緊張感だ。
スタートラインに立ち、走る構えをして、ゴール地点を凝視する。
ここからスタート合図の旗が揚げられるまで、
まるで時間が止まったかのような錯覚に陥るのも毎年のこと。
全身の筋肉が緊張し、鼓動が早くなっていくのがわかる。

―――バサッ

さぁ、今年もまた、この50メートルを駆け抜けよう―――。




次、「斬り合い」
876清流:2005/05/12(木) 23:31:25
緊張のためか汗で掌が濡れていた
刀を向けたまま向き合う二人。
何通りもの剣筋を想像し、何十合と打ち合う末の勝利を模索する。
体は火照る一方で、耳も目も相手を知るため以外には働かないのだ。
そこには真っ白で音の無い二人だけの世界があった。
突如打ち下ろされた刃を刀の腹で受け止める。
甲高い金属音の余韻を残し相手の刃を押し退けた。
弾かれた刀を頭上で握りなおし、袈裟切りにしようと二人の右足が前へ出る。
振り下ろされた剣筋が交叉して刀身が絡み合うと、自らの体で押し飛ばそうとするかのように二人は体を寄せ合った。
荒い息遣いの呼吸が顔に掛かり、玉となった汗が頬をつたう。
興奮の為に、掌は汗で濡れている


次は「占いの本」
877占いの本:2005/05/13(金) 07:44:52
 おびただしい写真と表が不規則に並んでいる。
打ち首の瞬間を蒐集したような、苦悶のバリエーションだ。
 「パンスト占い」。
 買ったわけではない。遠い日、人生の谷底で不思議な男に手渡された。
 パンストをかぶり、てっぺんを持ち上げる。表情の歪みをパーツごとに分類して、
組み合わせる。持ち上げる長さを変えると別の属性を占うことができる。
 そういう本だった。人相占いであるが、奇妙な精密さで体系化されていた。
説明に従って頭頂部の二本足を引っ張り、手鏡を覗くと、不思議な元気が湧いてきた。
生きよう、と思った。いずれ事業も成功し、この本のノウハウを借りた占いも
趣味の域を超え支持を得た。
 人気占い師となった今も、数子のかばんにはパンストが一枚入っている。
もちろんパンストの中には、不思議な男がくれた不思議なあの本が包まれている。


次、「光自身が感じる光の速度」。張り切っていってみよう!
878名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 13:12:28
これ、キツイかな?
879名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 17:27:17
キツイな。
けど、描写をする題材として、選び方は正統な気がする。
880名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 18:53:47
 あがめ奉られるようになって、2年が経過した。群がってくる人が、同じ人間であるはずなのに、僕には
泥人形のように思えた。
 2年前に車に轢かれた老女に遭遇したのがいけなかった。なまじ哀れみを催し、右手が2周ねじれ、左
足の先からとうがらし色の血を垂れ流している老女を僕は抱きかかえてしまった。誰にも言わなかったの
に、僕は人前で23年間内緒にしていた自分の秘密を明かしてしまった。
 僕が右手をかざした老女は、轢かれたときはクワガタよりも細い息だったにもかかわらず、2週間で完
治した。僕の存在を知った医師や、事故現場に居合わせた人々が、僕がまったく望んでいないにもかか
わらず吹聴し、僕はマスメディアに追われるようになった。やがて顔写真が掲載され、記事が書かれ、現
代の「奇跡」などと呼ばれるようになった。
「奇跡」に群がる人は多かった。あの婆さんが死んでいれば、と何千回思ったかしれない。僕は秘密が知
れれば自分の生活がぐちゃぐちゃになることを知っていた。
 毎日毎日右手をかざした。日本だけでなく海外からも難病を抱えた人間がやってきた。僕のマネージャ
ーを名乗る男たちが法外な仲介料を巻き上げていったが、僕は訴追する暇もなく患者に向き合う必要が
あった。目の前に泣きわめく子供が連れられてきて、同伴の老人が、まるで仏像でも見るかのように僕に
手を合わせたりするのだ。今や僕の存在は僕の理解できる範囲を遙かに超えて浸透しているようだった。

次、「不幸」
881名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 18:56:40
うまいなぁ。
882名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 20:08:32
描写を逃げると練習にならないよ
883名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 21:23:46
誰か教えてくれ
描写っていうのは、どう書くのが正しい書き方なんですか?
884:2005/05/13(金) 21:26:47
ポコチンを股にはさんで正座した姿勢で、筆で紙に描写していくのが正しい書き方
885名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 21:39:03
質問が悪かった。
『上手い』描写の書き方はどういったものなんですか?
886名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 21:46:05
猫が寝込んでいる。
887名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 21:52:41
スケッチだからね。
写真のように描き込むも良し、印象派や松林図屏風のような捉え方もアリ。

俺が難しいと思うのは、身体感覚の描写。
トルストイの小説なんか読むと、競走馬に乗ってる感覚とか、
曲のメロディが浮かんでくる感覚とか、一日草を刈ってる感じとか、
いかにも難しそうな材料を描写して、ものすごいイメージ喚起力がある。
三島由紀夫でさえ、戦闘機に同乗したレポートなんか冴えないわけで、
こういうのはホント難しい。
888名無し物書き@推敲中?:2005/05/14(土) 00:50:25
885ですがこんな内容でもいいのでしょうか?

「不幸」

大丈夫かな・・・
光が差し込む窓の外の景色はいつもより早く過ぎ去っていく。
遅刻しているときは「早く進め。もっとスピードを上げろ」と思うのに速すぎる流れに体は強張っていた。
「怖いよママ・・・」
赤いスカートを穿いた女の子が震える声で呟いた。
大丈夫だからと言い聞かせながらも、白いカーティガンを着た女性は不安げな表情のままその子の体を抱き寄せていた。
重苦しい空気が車両の中を包んでいる。
座席に座る人は身を沈め、立っている人は吊り革や荷棚のパイプを握りなおしている。
このまま無事に着いてほしい。そう思いながら私も吊り革を握り締めた。
その時、雷が目の前に落ちたかのような衝撃音と共に乗客全員の体が一方向に向かって跳ね飛ばされた。
私は何が起こったのか解らなかった。
ただ車両の中身がグルグルと回り、何人もの人たちが逆さまに宙を飛んでいる姿が見える。
一瞬のうちに私は床に叩き付けられた。
気づけば薄暗い車両の中に濛々と埃が舞い上がっている。
何が起きたんだ・・・
自分の身に起きた出来事を知るために立ち上がろうとするが激痛で全身が動かない。
痛みに耐えながら首をわずかに動かすと、何人もの人達が窓ガラスの上に横たわっていることに気がついた。
呻き声が微かに聞こえてくるが、ほとんどの人達は倒れたまま一向に動こうとしない。
見回せばガラス片とコンクリートの欠片が散乱し、縦横の配置が入れ替わっている。
列車事故・・・
頭の片隅に言葉がよぎるがそれはスグに消え去った。
死にたくない・・・
朦朧となる意識の中で私はそれだけを考えていた。


次は「Gを体感したパイロット」
889Gを体感したパイロット:2005/05/14(土) 17:39:13
操艦レバーを最大限まで押し倒す。
急激な転舵とは逆方向に向けて重厚な圧力が押しかかった。
弾き飛ばされそうになる体を支えるために操艦レバーを握り締める。
頬の肉は強風でなびく旗のように小刻みに揺れていた。
保温スーツに包まれる四肢も血流の停滞で鳥肌を立てている。
自分が何をしているのか?それすらも解らなくなりかけた時、突如コックピットの中に電子音が鳴り響く。
反射的に体は操艦レバーを引き戻していた。
徐々に水平飛行に入って行く艦を確認した電子頭脳は警告音を止めている。
私は見開いていた瞼を何度も何度も瞬いて、もう一度操艦レバーを握り締めた。

次は「街で本命の彼女を連れている男とバッタリと遭遇して、二股を掛けられていることを知った女」
890信じてた:2005/05/14(土) 18:52:36

お題:「街で本命の彼女を連れている男とバッタリと遭遇して、二股を掛けられていることを知った女」

今日の私の気分はブルー。
ずっと付き合ってる彼氏にデートをドタキャンされたから。
朝、早く起きてオメカシしていると携帯電話が机の上で震えた。
メールが届いていた。中身は「ごめん、今日、大事な用事ができた、デートは今度ね」
せめて電話で声が聞きたかった。でも、彼も仕事で色々忙しいんだろう、そう思った私は
折角オメカシしたんだからということでふらっと街へ出た。
お洒落な喫茶店に入る。静かなジャズがなんだか大人っぽい雰囲気を演出している。
「たまには一人でのんびりお茶、なんてのもいいかも」と思った瞬間だった。
自分の隣の席に座って見知らぬ女と楽しそうに会話する彼。
注文もせずに喫茶店を出た私は携帯電話にあいつの電話番号を入力し、通話ボタンを押した。
もしもしと出た彼に「私、妊娠してるみたいなの。今から親に話してくるね、『結婚する』って。幸せだなー」
といい、電話を切った。
窓越しに見るあいつのあわてた顔を見、ずっとなり続ける着信音を聞きながら街を歩いた。
「出会い、ないかなー♪」

次は「一人だけ明日地球がなくなるとしった中学三年生」
891名無し物書き@推敲中?:2005/05/14(土) 19:00:37
彼を驚かせるために何の連絡も入れずに彼の街に行く。
改札口で待ち続ける私の前を、家路へと急ぐためにスーツ姿の人たちが通り過ぎていく。
そろそろ彼が降りてくる時間。
腕時計から顔を上げ、改札口の向こう側を見つめた。
居た
姿を見つけた喜びで頬が緩む。
気づいてもらおうと小さく手を振った。
あの人は気づいたけど、その手は知らない女性と結ばれていた。
私の笑顔は消えていく。

いつも白い歯を見せながら目を細めて笑ってくれたのに今だけは笑ってくれない。
ただ目を見開いて驚いた顔を見せている。
私も何も言わず見詰めていた。
二人が並んで改札を出てくる。
その人誰・・・
そう聞きたかったけど、彼が説明してくれるのを待った。
友達だよ
そう言ってくれるのを待っていた。
「知ってる人?」
女の人が彼に聞いた。
彼は私の目を見てから、女の人に振り向いた。
「いや、知らない」
冷たい声と言葉を残して私の前を通り過ぎた。
あの人は振り返ることもなく、私の前から消えていった。


描写って難しいな・・・ 
すでに挫けそうだ。
とゆうことで次は「挫折」
892名無し物書き@推敲中?:2005/05/14(土) 19:16:51
「一人だけ明日地球がなくなるとしった中学三年生」

何故、僕だったのかは分からない。
神様は僕ひとりに知らせた。明日、この地球が消えてなくなってしまうと。
そんなこと知らなくてもよかった。
何も知らなければ、こんなことにはならなかったのに。

僕には好きな子がいた。隣の席のその子はいつも僕に優しく接してくれていた。
僕はその子が好きだった。そして、その子も僕を好きなんだと信じていた。
いつか必ず告白してやろう。僕は密かに誓っていた。

この世のすべてが明日には消えてしまう。今しかないと、僕はあの子に告白した。
でも、あの子は僕に恋愛感情を持ってなんかいやしなかった。
あの子は、恋愛感情がなくても、僕に優しくしてくれていたんだ。

あのまま何も知らなければ。
地球が消える最後の瞬間まで、僕はこれまで通り希望を持ち続けていただろう。
あの子との未来を思い描き続けていただろう。

何故、僕だったんだ。僕はあのまま何も知らないほうが幸せだったのに。

神様が教えてくれた時間まであと十時間。僕は静かに首を吊った。
893名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 09:15:15
 部室の、もうとっくにガタがきているパイプ椅子に座り込んだ三瀬を、僕は見下ろしていた。もう5分ぐら
いもそうしていた。着替えた様子もないので、三瀬はジャージの下にユニフォームを着たままのはずだ。
「もう、なぁ……行こう、な?」
 うなだれた三瀬は答えない。小さい窓から射し込む夕日が、徐々に弱くなっていた。
 僕が何を言っても三瀬は返事をしなかった。ほかの部員は三、瀬に一番近かった僕にすべてを任せてい
た。高宮も心配そうな顔で、僕にうなずきかけただけだった。
「待ってるよ。みんな待ってる。来るの」
 いつもの活気ある部室とはほど遠い、陰湿な空気が漂っていた。片づけ忘れられた――あるいは手持
ちぶさたにおもちゃにされた――部のバスケットボールが転がっている。
 三瀬は死んだように見えた。返事がないどころか身動きひとつしない。息すらしているのかわからなかった。
「……高宮が心配してる」
 言ったあと、僕の口の中に苦いものが広がった。
「何か言えよ。言えって」
 高宮は心配してるだろう。そして心配してる高宮を僕は心配している。 
 三瀬は僕よりもはるかに優れたブレイヤーだ。僕は筋力も技術も劣り、おまけに事故でまともに走れな
くもなった。
 ――俺についてこい。お前の分も跳んでやる。
 あれは嘘だったのか? いや、三瀬は確かに僕の分も走って、跳んでくれた。
「負けたのは仕方ないだろ。練習して――」
 練習してもどうしようもない差、というものがあることを僕は知っている。僕は三瀬の背中を追っていたのだ
から誰よりもそのことをよく知っている。
 飛び越せない壁に遭遇した鳥は、激突して、羽を折った。
「……行け」
 三瀬が何かを言った。
「え?」
「もう行け」
 それきり石のように黙りこくった。
 僕は、三瀬に背を向けた。
 部室を出ると陽は落ちていた。三瀬はバカだと思った。バカ野郎と言ってやりたかった。三瀬みたいな男
を好きになる高宮もどうかしていると思った。そして、いまだに高宮を忘れられない僕はもっとバカだった。
 走りたい。切実に思った。
 右膝にくすぶる痛みを抱えながら、部員たちのところへと、僕はひとりで戻っていった。
894名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 09:16:07
文字制限のため、お題はこちらに。
>>893は「挫折」

次は、「雑踏」
895ミカエラ ◆/K9sTWStcc :2005/05/24(火) 01:29:31
【雑踏】

 夜の街は人を興奮したヤギの群れに変える。前も後ろも人に触れスラ

れたことすら気付かない者はそう少なくないだろう。立ち並ぶビルか

ら耳を麻痺させる思いやりのない轟音が途切れず、目が痛くなる光の

渦を作っている。空は雲に覆われ、街は人工的な光に包まれている。

その下で男が独り、コートに身を隠す様にして人を掻き分けている。

目的は暗殺。男の初めての仕事だ。冷や汗で濡れた手で内ポケットの

ナイフを確認する。目指すは前を行く小太りの中年。奴は裏切り者だ

。それ以上の情報を男はもたらされなかったが、金は殺人の理由を全

て埋めてくれる。男は体を小さくした。そして一気に間を詰める。群

れるヤギを押しのけ、中年に接近する。内ポケットからナイフを抜き出す。狙いは胸だ。外したら痛がって騒がれる。一発で仕留める必要がある。男はナイフを握り締めた。刹那一人の中年が微かな呻き声をあげ、群れるヤギの中に倒れた。だが殺された人は痩せていた。
━━失敗には死を
 男はその時、後ろから依頼人の声が聞こえた気がした。ヤギの群れの中へ、また一人倒れた。
夜の街は人を興奮したヤギの群れに変える。

適当に書いたストーリーも含んだ描写練習。
推敲してないので駄文ですが、感想よろ
896ミカエラ ◆/K9sTWStcc :2005/05/24(火) 19:36:07
>>895
済みません、次のお題を出すのを忘れていました。
私の番は【雑踏】だったので、次は【ヤギの群れ】で。
897名無し物書き@推敲中?:2005/05/25(水) 01:02:26
白くはなかった。
白い部分があったが全体としては薄汚れた雑巾を無造作に並べたような、
見る者を不快にさせる出来の悪いパッチワークだった。
どこが堅くてどこが柔らかいのか、一見しただけではわからない、
むやみに不安をかき立てるような、不潔な絨毯がゆっくりとではあるが、
人知を越えた規則性に基づいてざわざわと蠢いていた。
それは青一色に映える草原と対をなした混沌であった。
何も見ていない黄色味を帯びた瞳は軟体動物のそれと非常によく似ていた。
だらしなく、それでいて間断なく、くちゃくちゃさせている口元は
「別に何も言いたいことはありません」という慇懃な態度のなかにも
「描写を要求されているのに小話にこだわっている奴の原稿なんぞこうしてむしゃむしゃ」
食べてしまいそうな無礼な本心をにじませていた。
そんなヤギさんたちがたああああああああああああっくさん、イマシタ。

次のお題は「恋人の鼻毛」
898名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 02:58:43
深夜の三時、僕の部屋のベットで女が寝ている。
「付き合おう」と切り出したのは僕の方だが愛して居た訳ではなかった。
都合よく寝れる女として残しておきたかっただけだ。
それでも彼女は無邪気に二人で暮らす将来の夢を話す。
僕はそれを笑いながら受け止める。
言葉に出さない裏側ではそんな未来は存在しないと思いながら。
そんな彼女の無防備な寝顔の中に長く伸びた鼻毛を見つけた。
お世辞にも可愛いと言えない顔立ちの女だが、僕はなぜだか優しく髪をなで続ける。

次は「眠れない夜」
899名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 03:41:22
鈴虫の鳴き声が聞こえる。
目を開けるとそこには闇に沈んだ天井。消えた電燈の豆電球の形まではっきりと浮かび上がる。
頭が妙に冴えて、身体中の全神経が不必要なほどに鋭く研ぎ澄まされている。今日に限っては、いくら目を閉じても意識が途切れない。まるで眠り方を忘れてしまったようだ。
どこかで犬が鳴いている。少し遠い。半分だけ開けておいた窓から、熱帯夜の風と共に咆哮が反響する。
――勘弁してくれ。
もう一度寝返りを打ち、両耳を手で塞いだ。

次は「満員電車」
900名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 14:09:52
無数の人を乗せた缶詰は、低速で車窓の風景をスクロールさせていく。
僕は周りを見渡した。
髭の剃り残しの後が目立つ中年男性、
老けいく顔をなんとか若く保とうと努力した厚化粧の女、
無表情で参考書を読む、ブレザーを着た高校生たち。
彼らもまた、僕と同じように、一人一人の人生があって、これまでに無数の出来事を通過して、経験して、
その結果、僕と同じこの満員電車の車両に乗り込んだかと思うと、軽いめまいを感じた。

次は、「川を見つめる人」
901名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 14:40:50
ずっと目を見開いたまま身動きせずに、川縁に突っ立っている人がいる。

継続で。
902名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 14:56:20
彼の今晩のおかずは、目の前の川を泳いでいる鯉だ。

継続で。
903名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 15:16:49
泥臭い匂いが揺曳している。よだれが出る余地はない。
生きるか死ぬかの問題だ。食べるという選択肢か残されていない。
まずあいつを捕まえないと。彼は濁った水面を見つめて決意を固めた。
904名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 15:17:30
次は、「痴漢」
905名無し物書き@推敲中?:2005/06/05(日) 21:49:47
それが何かと自分自身に問いかけて、出てきた予測を何度も反芻して、やっと飲み込めたとき。
恐怖とはまた色の少し違う確信に少女の心臓が泡立った。
満員の電車の中で、自分の感覚だけがどくりどくりと生きているような気がする。
自分の尻の間をつうと這う手に意識さえ感じなければよかったのに、気づいてしまったから感覚が一人歩きをした。
理性が暴走している。熱を帯びて、うまく考えがまとまらない。
ただどくりどくりと心臓の内部は次第にアクセルを踏み込んでいく。
指先はわかりやすく自分のものではなく、だんだんと下に、滑らかにすべっていく。
がたんがたんと揺れる電車に鼓動が重なって、すぐに追い越した。
体がうまく動かない。この体は今自分のものではなくて、意識すら放たれて、ただの肉の塊なのだ。
スカートのなかに静かにそれがもぐりこんで下着の淵をずらした時、
もはや自分の物ではない頭の中で火花がはじけた。気づけば、彼女はあられもない悲鳴を響かせていた。


お次、「痺れた指」
906名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 01:58:02
右横に、他人の腕が転がっていた。生気を失ったように収縮して微動だにしない。
左手を軽く握ってみる。開く。また握る。確かな感覚を認識して、隣に転がる腕にそっと触れてみる。
生暖かい体温が伝わってきた。撫でてみると、それが生きていることが実感できる。
右手から伝わってくる感覚はない。今も確かに触れているはずが、左手の感触をどこにも感じない。
身体の片方が切り離されているようだった。今この右手を叩き潰したらどんな感覚に襲われるのだろう。興味が湧く。
左こぶしを振り上げて、やめる。後になって後悔はしたくない。
右腕には今も着実に血液が送られている。

指じゃなくて、腕になってしまった……。
次は「死体」
907名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:32:23
……。返事がない。ただの屍のようだ。

次は「手から金を出す人」
908名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:35:58
うわっ! 俺も滝に打たれたり、火の上歩いたりしたら、できるかな?
一人でできるモン! モンモン! 髪型もモンモンってなかんじでな!
やったるでえ! ほんまやでえ、大阪大阪大阪ラプソディ! イェイッ! ピース!
909名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:36:45
続きまして「ひまわり」よろしく。
910名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:39:55
警察官って、なんていうかな、僕たちにとっては、んー、おまわり?
ま、太陽の光りに向けて顔なんか向けちゃってさ、権力者に上目づかいっていうか、なんて言うか、こまわり?
死刑!!
911名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:40:25
じゃ、次は「村上春樹」おねがいします。
912名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 22:52:25
妙にインテリぶってみたくなった。

次「ブリーフ(男性下着のね)」
913名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 02:58:49
本来はただただ純白だった布も、次第にそのくすみを増していた。
黄色い、という形容はイメージの話で、洗いさえすればそのようなことはない。
そうして白を保つからこそ、布そのものではない、血の満ちた肌は透けて見える。
ラインは肌に合わせて曲線を描くが、端点が現れるのは突然である。
ラインに段差が現れるのは序の口として、続く肉塊も絶望的である。
フレッシュカラーは白に隠されてこそのものだといえるものだ。


次「二枚重ねのティッシュを一枚に剥がす」
914名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 12:48:15
どうして先に確認しておかなかったんだ?
今にも自己主張を始めんとしていた体内物質はギリギリ
そうギリギリで公衆トイレという収まるべき場所に納まったのだ。
しかし最後の締めを飾る「お清めの神器」が存在しない伏魔殿だったと
誰が気づくだろうか。ホルダーはただ申し訳なさげに垂れ下がるばかり。

大きく肩を落とす俺の目の端・・・アレはなんだ?ホルダの隙間のは?
・・・ビニール・・・サラ金の制服・・・ご利用は計画的に・・・!?(0.1マイクロ秒)
神は俺を見捨てなかった−今なら限度額一杯に借りてやってもいい。
しかし最後の試練も同時に与えられたわけで。
今日の俺は非常にサラサラなわけで。少なくとも、本当に最小限でも
2枚は欲しいと思っているわけで。・・・・ん?



次「全速力で駆け抜けるチワワ」
915名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 20:07:17
ツタタッツタタッツタタッ……ハァハァハァハァハァハァハァ……クゥゥィィン……ツタタッツタタッツタタッ

次ちょっと文学っぽく「自慰行為」
916名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 20:39:13
自分が愛しくて
可愛くて
可愛そうで
抱き締めたくて

今日も白濁を跳ばします


次「ベルボーイ」
917ベルボーイ:2005/06/14(火) 23:16:35
背中にヒヤリと届くのは大理石の気配。
そこから生え、柔らかい光を投げるのは花の照明。足元の絨毯は緑に染め抜かれ、今か今かと靴が動くのを待っている。
意志を持つ扉のこちら側は、それらの連続する空間。
ようこそ此方へ。
足音を絨毯に食べさせながら私は言う。
ほんのひととき、あなたの荷物をお預かりしましょう。


初めて挑戦したが難しい。
次は「ぬるい麦茶」お願いします。
918名無し物書き@推敲中?:2005/06/15(水) 00:02:34
朝霧に包まれた裏道に入ってあたりを見回す。自動販売機が目に見えた。
男は備え付けてあるゴミ箱からお茶の缶だけを取り出すと、あぐらを組んでグイっと雫を飲み干した。
カブに乗った新聞配達の青年が彼を見ているようだが、ただの宿無しなのだろう。この町ではめずらしいことではない。

次「蛍」
919名無し物書き@推敲中?:2005/06/15(水) 00:03:00
開いた窓から差し込む光が、テーブルの木目に琥珀色の影を落としている。
ちいさな水たまりの中でたたずむガラスのコップは、まるで水浴びをしてきたあとのようだ。
窓の外では、セミの鳴き声が夏を彩るように、いくつにも重なり合っていく。
涼しげな音を立てながら浮かんでいた氷も、いつの間にかその姿を消してしまっていた。
ほんのわずかに風鈴が揺れ動いて、水滴の鱗が一枚剥がれ落ちた。

「……うぇうぇうぇ!! ぬるっ!!!」

次は、「打ち上げ花火」 個人用でも花火大会でも
920919:2005/06/15(水) 00:04:05
うぇうぇうぇ ス ル ー し て く だ さ い !!

泣かないぞ。
921名無し物書き@推敲中?:2005/06/15(水) 00:15:27
雷鳴が轟いた。
慌てて泣き腫らした窓から音の主を探そうと首を伸ばす。
あぁ、てっきり夕立のあとだから忘れていた。
空には仲が悪いのか大きな光源から我先に離れようと長く尾を引く小さな光で溢れている。
わたしたちと同じね…
部屋の中には昨日から百歩と歩いてない男が寝転んでいる。
窓の外の世間なんてわたしたちの居場所じゃないのよ。と呟き隣に寝転んだ。





ガム
922ガム:2005/06/15(水) 09:09:37
 座席を倒して、ハンドルに片足を落ち着かせ、ようやく安らげる。私の性分なのだ。
 銀紙を手の内に残して、薄く白みを帯びたグリーンのガムを奥歯に投げ込む。いつもそうする、言わば習慣だ。
 黒一色の森林浴。
 舌先から鼻元まで薬品臭い爽快感が広がっていく。不愉快なまでに、一気に。
 残るのは心地よい不快感と歯牙に粘りつくガムの触感、それに冴えた意識だろうか。ある意味でコーヒーにも近いが、こちらは飲食物でないところが異なる。
 あえて言うなれば使い捨ての歯磨きセット一式であって、だからこそガムというものは飲み込むものではない。銀紙に吐き捨てて、ゴミ箱にでも食べて貰うのが正しいものだ。
 さて、もう仕事の時間も近い頃だろうかな――

 次のお題「やや焦げ過ぎたトースト」
923やや焦げ過ぎたトースト:2005/06/15(水) 18:03:30
これには苦みばしった男のコーヒーが良く合う。
トーストを食み、コーヒーを啜る。──うむ、苦い。
私は幼いころ苦い食べ物は苦手だった。世の子はすべてそうだろう。
苦い物が食べれるようになったのは、私がしがない大人になってしまったからか。
──子供の頃がなつかしい。
そう思いながら、キティちゃんの焦げ跡のついたトーストを食べる私であった。

次は「ダイエットコーラ」
924名無し物書き@推敲中?:2005/06/15(水) 18:48:59
ちょっとネタ過ぎない? 不覚にも笑っちゃったけど、何か違う気がするかも
「苦い食べ物」としてトーストを認識してるのは不自然で、「やや焦げ過ぎたトースト」というのは事故or故意でないといけないような…

……と言ってみる。
気を悪くしたらスマソ
925923:2005/06/16(木) 06:50:11
(´・ω・`)
926名無し物書き@推敲中?:2005/06/16(木) 12:22:07
そこで>>924が対抗して描写するわけですよ。
927名無し物書き@推敲中?:2005/06/16(木) 15:40:59
え、俺? ……ガム書いてお題出したのも、俺なんだけどなぁ、うーむ
928名無し物書き@推敲中?:2005/06/16(木) 19:32:48
一人称独白系が多いね
まあ、即興で書きやすいからかな
929ダイエットコーラ:2005/06/20(月) 01:11:25

 田中は学生の頃、ダイエットコーラが大好きだった
 今も何処かで飲んでいるだろう、1.5gペットをラッパで
 
 
 次「お前達も見てないで何か書けよ」
930お前達も見てないで何か書けよ:2005/06/20(月) 10:49:45
 終わらん終わらん終わらんと念仏のように唱えてみても終わるはずはないので
そういった無駄な行為をあきらめたのは今朝未明の2時頃で。それ以来、黙々と
ディスプレイを見つめてバグ修正をかけ、コードを打ち込んでいってはいるが、明
後日のオープンに間に合うような気配すらない。
 OJTと言えば聞こえはいいが、経験不足の新人に案件を任せるほどあのタヌキ
上司が無能であったことに今さら憤りを覚え、自分の仕事に忙しくてことの重大さ
に気づけなかった一週間前の自分自身も俺は呪っていた。よりによって営業の木
内が初めてとってきた仕事だった。これでオープンに間に合わなければ木内のや
つ首でもくくるかもしれない。せめて俺の見えないところでやって欲しいものだが、
寝覚めが悪いのは間違いない。
 新卒入社の連中が、タヌキ上司のところでげらげら笑いながら明日の天皇賞の
予想をしている。もはや怒りすら感じない。「ジャーナリズムは怒りを持つことだ」と
引退した新聞記者が言っていたが、俺にはジャーナリストの才能は毛ほどもない
ということだろう。
 3日間剃っていない無精ヒゲをなで、またコードの羅列を見やる。卓上の電話が
鳴り、死にかけの羊のような声でデバッガのひとりが新たなバグがあると報告して
きた。メールボックスを見るとバグ報告のメールがたっぷり溜まっていた。
「チーフ、当てたら鳥雅で焼き鳥おごってくださいよぉ〜」
 静かに受話器を置いて言葉を忘れた石のつもりで俺はキーボードを打ち始めた。

次、「膿」
931名無し物書き@推敲中?:2005/06/21(火) 05:53:35 BE:143762764-##
932名無し物書き@推敲中?:2005/06/21(火) 11:10:59
2学期が始まると、すぐに運動会の練習が始まった。
砂ぼこりが舞うグラウンドで、5年2組の生徒たちは輪になって座っている。
「先生が踊るから、よーく見ていてね」
生徒たちは、輪の中央に立った松永先生を真摯な面持ちで見つめた。
先生の細い指がラジカセのボタンに触れると、ゆったりとしたリズムの民謡が流れだす。
華奢な首でリズムをとると、先生は音楽に合わせて大きく足を開いた。
スローテンポの曲に合わせて、腰を少しずつ落としていく。
ジャージには、ショーツのラインが浮き上がっている。
「やっだあ。あんな風に踊れないよねえ」
女子生徒が膝を抱えて笑った。
「ほら、そこ笑っていないでちゃんと見てなさい」
中腰のまま怒る顔が、妙に艶かしい。
たくやは、下腹がきゅんとなった。
とっさに足に顔を伏せると、膝頭のかさぶたが頬を撫でた。
隆起した茶色い皮膜の感触が、たくやの妄想を掻き立てる。
先生は「セックス」する時も、あんな風に足を開くのだろうか?
ぶよぶよしたかさぶたの中央を、たくやは指で押した。
黄色い液体が流れ、腐敗臭が鼻をくすぐる。
「はーい、ここまでを次は一緒に踊りますよー」
先生の声をよそに、たくやは溜まった膿を指で掻きだした。

次、ムカデ
933名無し物書き@推敲中?:2005/06/21(火) 11:54:28
○印をクリックしてください。
934名無し物書き@推敲中?:2005/06/21(火) 16:31:10
雨でだらしなく伸びた芝を2時間がかりでやっと刈り終え、一息ついていると
庭隅の紫陽花の陰からカサコソと音がした。
目を凝らすと枯れ落ちた葉の間から、オレンジ色に光る頭が見えた。
続いて黒々とした太い体と、黄色の夥しい数の足が現れる。
ムカデだ。15センチはあるだろう。
グロテスクな頭を持ち上げ、体をふてぶてしく揺らし、
無数の足を北朝鮮の兵隊のように規則正しく動かし、ムカデは庭を練り歩き始めた。
咄嗟に私は後を追い、芝きり鋏を振り下ろしてムカデの胴体を叩き切った。
真ん中から断ち切られた不気味な死がいを、どうしようかと案じていると
ムカデは切断された下半身を省みず、残った体で蜘蛛のように素早く逃げ出した。
私は慌てて後を追い、短くなった胴体を挟み切った。
切断面から汁が流れ出し、芝を紫に染めた。
私は、念の為にもう一度ムカデの体に鋏を入れた。
二度と生き返る事がないように……

次、アウト
935名無し物書き@推敲中?:2005/06/21(火) 21:02:57
九回の裏、最後の決め球は快音をのこすことなくキャッチャーミットに収まった。

次、アパートの階段。
936名無し物書き@推敲中?:2005/06/23(木) 02:57:32
今では少し、きしむ。どこがではなく、全体的に錆びてしまっているからだ。
元々は白いペンキがマットに塗られていて、その刷毛の流れが残っているのが逆にしゃれていたりもしたのだが、いまではあちこち禿げ放題で気にするものすらいなくなった。
無論ここでプリティ・ウーマンのようなロマンスがあったわけもなかった。
(年月を見ても、一回くらいはあってもいいような気もするが、いかんせんリチャード・ギアもジュリア・ロバーツも訪れたことはないし)
あたりまえのように、地面と部屋とをつなぐ通路として、毎日だれかに踏まれ、けられ、たまに酔っ払ったおじさんに嘔吐されたりもした。
気にする人はいなかったし、労わる人もいなかった。
ああ、それでもそこからの眺めを気に入っている人は、何人かいたかもしれない。






次、「はちみつ」
937名無し物書き@推敲中?:2005/06/23(木) 15:21:26
大きく黒い瞳、縄で縛ったようにクビれた腰、
そして激しい痛みと共に、快楽を伝える尻針。
美女には、必ず毒がある。
俺は蜜蜂に夢中だ。
彼女の粘度ある愛液ときたら、どんな名コックでも、
あの味わいを再現することは不可能だ。
俺は今日も、全裸でスミレ畑をのたうつ。
さぁ、黄色・黒ストライプの彼女たち、羽音のリズムを刻みながら
俺を犯しておくれ!

次、「父のチンポ」
938名無し物書き@推敲中?:2005/06/25(土) 23:24:25
おとうさんのちんぽ 
         五年一組 新堂健一

 おとおさんのちんぽは大きい。ぼくより大きい。
いっしょにおふろに入ったときはぶらぶらとしています。
そんなおとうさんのちんぽに早くなりたい。

次「中学二年生」
939名無し物書き@推敲中?:2005/06/29(水) 11:56:19
ぶかぶかだったセーラー服は、ふくらんだ胸でボタンが弾けそうだ。
親指の付け根まであった袖口も、今では手首の位置にそろっている。
この一年で、ひとまわり大きかったセーラー服はすっかりとなじみ、
私は通学電車の車内で頻繁に尻を触られるようになった。

私は今、胸ポケットにカッターナイフをしのばせている。
執拗で下品で節度のない大人には制裁が必要だからだ。
凶器の使用を許される年齢には制限があり、中学2年生の私は滑り込みセーフだ。
来年の誕生日が来るまで、果たして何本の手に傷跡を残せるか、
どのくらい深い傷を負わせることができるか、胸をときめかせながら
私は満員の車内に乗り込んだ。

次、「パソコン 」



940名無し物書き@推敲中?:2005/06/29(水) 19:09:01
白い箱がある。前面には、半透明の黒い面があり、覗き込む私の顔を映しだしている。
箱には管がつながっていて、
それは無数の突起が張りついた板と箱をつなぐ役割をしていた。
突起の一つ一つには、それぞれ文字が書いてある。しかし、一つだけ何も書いていない突起があった。他の突起より細長い。
不思議に思い、触って見ると、気味の良い音を立てて沈み、離すと戻った。

次は田口ランディ
941名無し物書き@推敲中?:2005/06/30(木) 09:22:44
盗作疑惑作家

次は「庭」
942名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 21:54:47
庭で女の子がレイプされていた。
943名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 13:58:06
黒鍵のような垣根を越えると白む空が拡がった。

次は「ロック」
944名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 16:09:45
すでに描写でなくなっている罠
945名無し物書き@推敲中?:2005/08/03(水) 20:11:19
使い古したヘッドフォンを着けた瞬間、鼓膜が音の洪水に襲われた。
暴力的とまで言えるその音達は、たちまちに僕の陰鬱たる気持ちを吹き飛ばしてくれる。
圧倒的。この曲を一言で表すならば、恐らくこの言葉が最も適しているだろう。
だから僕はただ圧倒されていれば良い。何かを考える間など与えられず、
次々に襲ってくる音の波に組み敷かれていればそれで良いのだ。
ロックを聞いている間だけは、僕は僕が在りたい僕でいられた――。

次、「死相」
946名無し物書き@推敲中? :2005/08/10(水) 14:32:03
真っ青だ。
顔色は悪くすでに酷い汗もかいていた。
それをぼんやりと見ながら私は心の中で唱える。
ご愁傷様。
彼女は机から立ち上がると難関な問題に立ち向かっていった。

次「子猫」
947名無し物書き@推敲中?:2005/08/16(火) 00:03:34
コロコロと二つの毛糸玉が転がり、絡み合っている。
放っておけばいつか一つになってしまいそうなそれを目で追いながら、彼女は口を開く。
柔らかなその声音に、片方の毛玉がニャァと答えた。

次「渋滞」
948名無し物書き@推敲中?:2005/08/19(金) 17:22:16
車から下りて駅まで走り出したい衝動に駆られる。これで五度目のことだ。
この五度という回数は、時計を見た回数と等しい。
何度時計を見ようが何の意味もなく、ただ刻々と時間が過ぎ、苛々が募っていくばかりだ。
「チッ」
知らず舌打ちをしていた。これはもう何度目のことかもわからない。

次「熱帯夜」
949名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 12:47:00
お題から連想したポエムばっかじゃねえかよ
950名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 15:49:39
部屋は溺れそうなほどの湿気が部屋に充満していた。
シーツから熱を受け取って火照る体が、じとりと汗ばんでいく。
窓辺にぶら下がる風鈴も、身じろぎひとつしないで、この真夏の夜に耐えているようだ。
少しでもマシになるだろうか、とベッドの中で動き回る。
一カ所にとどまっていても、熱がこもっていくだけだ。
こっちで熱が溜めれば少し移動して、またそこが熱くなれば、別の空間へ逃げ込んで。
はじめのうちは眠るどころではなかったが、それでも動き回っていたせいか、
それともあまりの暑さに気を失っただけなのか、やがて部屋には穏やかな寝息が聞こえはじめていた。

次「雨の中の洗濯物」
951名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 15:50:21
1文目からいきなりミスッてる

最初の「部屋は」を脳内削除してください
952名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 17:06:15
あら……、雨だわ。でも、だいじょうヴぃ。うちの洗濯機は感想機能付の全自動七キログラム。
子供の泥んこ汚れもおとーさんの加齢臭も根こそぎ粉砕。
しかも、洗剤は酵素パワー……、あらやだ、洗剤が切れてたわ。
私は洗剤を求め、横殴りの雨の中、最寄り駅までの道程の中間で営業しているスーパーへと向かう。
すぐ近所のコンビニも洗剤は扱っているけれど、少しお高いのだ。
雨が小降りになった瞬間を見定め、私は自転車を駈る。右手には百均のビニール傘。
ちょっと急いできたからウルトラマンのカラータイマーが変わるよりも早くスーパーに着いた。
――ふふっ、自己新ね。
声には出さなかったが、満足げに私はほくそえんだ。
洗剤コーナーは、たしか左隅……、あった。酵素パワーと書かれた赤い箱を片手にレジへ向かう。
そういえば、トイレの紙も少なかったわね。右に十二ロールの塊を抱えレジに並び直す。
――いやだ、ちょっと本降りになってきたわね。
私は家路を急ぐ。少し焦りつつ。家路最終コーナーを回ったところに小学生の集団。あっ……。

「おばちゃん大丈夫?」
気を掛けてくれた小学生の目は冷淡とも失笑ともとれるものだった。
「大丈夫。ありがとう」
恥ずかしさもあって、一目散に漕ぎ出した。家に着き、鍵を取り出す。……、あれ? ないわ。しかも洗剤も……。
さっきの最終コーナーまで急いで逆走。
あっ……、洗剤は爆発する芸術よろしく道路に貼り付く平面オブジェになっていた。
今日は、道路を洗濯する日だったのよ。うん。そう自分に言い聞かせ天を仰いだ。
雲の切れ間からはお日様が覗いていた。


次 扇風機そろそろ仕舞わなきゃ
953名無し物書き@推敲中?:2005/09/29(木) 03:33:11
団扇を下に向けて扇いでいた、敦子の右手が動きを止める。
彼女の体の下で汗まみれの大介が呻く。
「ちょっと……まって」
敦子は止めない。団扇を放り投げ、大介の髪を鷲摑みにして腰を捻る。
捻る。擦り付け、捻り回す。
大介が声を絞り出す。
「……」

大介の器官が体の中で律動し跳ねながら、力と張りを失ってゆく。
敦子は、しかしそれを抜かず、大介の上に跨ったまま、くっくっと笑う。
臍まで続く大介の濃い陰毛が濡れそぼり、太腿はぬらぬらと滑る。
敦子は思う。自分の体が分泌するこの粘液が、大介が溺れるのに十分な量であればいいのに。
あの行為の果て、白い液を搾り取られたあげくに、女が作り出すあの粘液に溺れて死ぬ。
それって、最高に苦しくて、そして最高に幸せなことでしょう?

「ほんと暑い。汗びっしょり。こんな時にクーラーも扇風機も何で壊れてんだよ全く」
大介は自分では手を動かしもしない。
敦子は、大介の萎んだ器官が抜けないように注意しながら団扇に手を伸ばし、7
取り上げ、大介に向けて扇いでやる。
「扇風機そろそろ仕舞わなきゃ」敦子は呟く。
「先生。もっと扇いで。俺、全然まだ暑いよ」
自分の中で、ぴくり、と大介がまた賦活してくる兆しを感じ、敦子は微笑む。
「あれを頑張ったから、暑いのよ」
「頑張ったから?」
「そうよ」
「勉強も頑張ってね」
「うん」
だがそう言いながらも敦子はにっこり微笑みながら、再び腰を揺すり始める。

954名無し物書き@推敲中?:2005/09/29(木) 03:36:23
忘れるところだった。次の題。

「ちょっと怖いかしらね」
955名無し物書き@推敲中?:2005/10/07(金) 14:49:40
テーマのお題なら書けるけど台詞のお題はやりづらいな、口調決まってるから。
956名無し物書き@推敲中?:2005/10/18(火) 13:22:15
炭酸水が弾けるような音が、耳の中に響く
957名無し物書き@推敲中?:2005/10/18(火) 16:39:38
白鍵と黒鍵の間を彼女の指が高速で移動する。
一心不乱だ。
まるで死に絶える前の蝶のよう。炎の中の蝶だ。
僕が部屋に入ってきたことさえ気づかずに京子は
ショパンを弾き続けている。
彼女の額に一筋の汗が流れ落ちた。
やがて蝶は静かになった。
「ちょっと怖いかしらね」
知らず拍手をしていた僕に向かって京子は笑った。
「ああ怖い」
後ろから抱きしめ彼女の髪に頬をよせる。
「でも僕のことも忘れないで」


次のお題「蜃気楼」
958名無し物書き@推敲中?:2006/01/11(水) 03:24:13
蜃気楼には何が映ると思う? と、彼女がきいてきた。
錯覚だの、光の悪戯だの、難しいことはよく分からない。
だから適当に答えてみる。
「ええと……その人がその時、一番望んでいるものじゃないかな」
砂漠を行く旅人が見るオアシスとか、冬山で遭難した登山家が求めるバーボンとか……。
それで正解だと思うわ、と彼女が言った。
途端、彼女の姿が消えてなくなる。
あ、そうか。もう僕以外には誰もいないんだった。

次のお題「風呂を沸かす」
959名無し物書き@推敲中?:2006/01/11(水) 16:32:21
両足を肩幅より少し開き、両手を腰にあてて、鏡に写る自分と目を合わせる。
下腹部では己のものが隆々と反り立っていた。
おもむろに右手をのばす。
シュ、シュ、シュ、シュ
右手は俺の支配を離れその動きをどんどん加速させていく。
「たかし……」
着替えを置きに来たであろう母と鏡ごしに目が合う。
「…………」
静かに風呂場の戸を開け湯船に飛び込む。
「あひゃい!」
水だった……。

次 コタツとみかん
960名無し物書き@推敲中?:2006/01/11(水) 19:18:30
寒い外から帰ってきて、駆け足で部屋に上がる。
そして飛び込んだ。コタツという楽園へ。
足の芯に熱を感じる。その熱は体の芯へと伝わっていった。
「ふー」
そこでやっと外に出ていたときの緊張がほぐれる。
ふと、こたつの上に置いてある蜜柑を手に取った。
皮を剥くごとに甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる。
一口を口に入れて一言、
「あまうまー」
961960:2006/01/11(水) 19:23:20
次 酸使いと剣使いのバトル
962酸使いと剣使いのバトル:2006/01/12(木) 02:40:23
男は勝利を確信していた。
鎧に身を包んだ女が振るう剣も、自らが創りあげた
この薬の前には無力であるはずだった。
心血を注ぎ込んで今日初めて完成したこの薬。
二つの液を、美しく華麗な憎き女剣士の目の前で混ぜた時、
この「全てを溶かす酸」で女剣士の白い肌も、美しい髪も、
骨に至るまで全て溶かす事を想像し、快感は頂点に達していた。

だがその薬はもう自分の手の中には無い。
「全てを溶かす酸」は混ぜた後、静かにフラスコを溶かし、
気付かぬ間に足元の床の石を濡らしていた。

男の落ちる階下に、「全てを溶かす酸」は溜まりを作って待っていた。


次 火星
963名無し物書き@推敲中?:2006/01/12(木) 17:50:24
降り立ったその星の名は今はあまり知られていない。
宇宙服を着込み外へ出る。大地は赤茶けた砂ぼこりが舞っていた。
地面の色も赤茶色、ここの全てがその$Fに染まっているように思えた。
歩くごとに砂が舞い上がり、視界を遮る。
昔の人類はこの星を火星≠ニ呼んだという。


次 簡単な感情描写(焦りと怒り)
964名無し物書き@推敲中?:2006/01/12(木) 20:36:00
彼の肌から、じわりと汗が吹き出して来る。
しかしその汗が乾く間も無く、彼の顔は徐々に般若の様な様相を呈していた。

次 兄妹間の死闘

965名無し物書き@推敲中?:2006/01/12(木) 20:38:08
の様な様相×
の様相○
966名無し物書き@推敲中?:2006/01/12(木) 20:55:44
俺は妹に馬乗りになると、拳をグーにして頬を殴った。
彼女の柔らかい肌にアザが出来る。
興奮し、更に殴打を続ける。アザは擦り切れ、所々から血が垂れ出していた。
「痛いよ……お兄ちゃん……」
「お前が悪いんだ、お前が俺の気持ちを分かってくれないからっ!!」
そして、最後に強烈な一発を打ち込んだ時だった。
腹部に深々と突き刺さるナイフ。
血がバシャッと音を立てて噴き出した。
ふと地面を見ると、今までいた妹がいない。嫌な汗が額を伝う。
「さようなら、お に い ち ゃ ん=v
銃の劇鉄が下りる音と同時に俺の意識は深い闇の底へ落ちていった。

次 緊張感のあるバトル(一人称感情描写重視で 
967名無し物書き@推敲中?:2006/01/14(土) 03:41:11
「クソッタレ!いい加減しつこいぞ!」
後ろを振り返ってそう叫び、再び操縦桿を捻る。
だが3Gを越えた機動ができない。緩い旋回、低速では
敵戦闘機のいいカモだ。俺は舌打ちしつつスロットルを
少しだけ前に押す。冷や汗がこめかみを伝う。

緩いバレルロール。これじゃ振り切れない。
機体には何一つ問題は無い。ただ俺の腹の調子が悪いだけだ。
勿論、こんな時の為に戦闘機乗りはオムツを履いているが、
物には限度がある。俺のようにたらふく食ってたらふく
腹を壊した奴の事まで、軍は考えてくれちゃいない。
あと一撃で、俺は整備兵に口止め料と掃除料を兼ねてしこたま
奢る破目になる。文字通りのクソッタレ野郎だ。

警戒装置がけたたましく悲鳴を上げる。遂にミサイルロックされた。
俺は覚悟を決めた。スロットルを一番前、そしてさらに奥へと押し込むと、
アフターバーナーの強烈な加速が全身を覆う。操縦桿を左へ倒し、それから
一気に引く。猛烈な旋回Gの中、マスクの中の口元が緩む。

耐えろ、俺の肛門。さもなければ明日から俺の渾名は「戦闘爆撃機」だぞ。


次 一目惚れ
968名無し物書き@推敲中?:2006/01/15(日) 05:26:54
ボクが恋をしたのは三年前だった。秋葉原で出会った彼女。
彼女の肌はマシュマロのように白く柔らかそうだった。
整った、しかし若干幼く見える顔立ち。サラサラと流れるように黒い髪。
オタクの街、秋葉原には縁遠い女の子だな。とボクは思った。
だが彼女を見た瞬間、ボクの胸は熱く、そして苦しくなる。
何なんだろう? この気持ちは。思わず手で彼女の肌を触る。
とても、とても柔らかかった。彼女は黒い瞳でボクを見つめる。
ボクはその視線に釘付けになった。

そして三年後、ボクは彼女と住まいを共にしている。
家族にも友達にも言えない彼女との生活。
そう、ラブドールを持ってるなんて言えるわけがない……。

そしてボクは彼女と今日も肌を重ね合わせた。


次  ツンデレ、素直クールと3Pデート
969名無し物書き@推敲中?:2006/02/06(月) 10:17:17
炭酸水が弾けるような音が、耳の中に響く
970名無し物書き@推敲中?:2006/03/05(日) 23:18:19
保守
971次スレどうするよ。:2006/03/14(火) 18:18:19
門を出るなり、傍らに寄り添った女が声を掛ける。
「どう、書けた」
妹がニヤニヤと口角を吊り上げながら首を傾げると、黒い長い髪が冬の風に揺れた。
「まぁ…まぁまぁ、かな」
今や俺の心臓もすっかり平常通りに戻っていた。
試験会場に入る門を抜ける時の緊張感は…耳の奥で響く心臓の鼓動はもう聞こえない。
耳元を抜ける冷たい風の音だけだ。
「何よ、それ…頼り無い返事」
「心配してくれてんのか」
今度はこっちが逆に意地悪な笑みを浮かべると、妹は俺から目を逸らした。
「…まぁ…兄が頑張ってたのは知ってるし…」
向こうを眺める顔。
滑らかな首筋に黒い長髪が掛かっているが、すぐに風に飛ばされた。
「…二年後はお前の番だぞ。その時はしっかり応援して恩返しするよ」
「べ、別にいらない」
こちらを振り返りかけた首が再びそっぽを向く。
「二人とも」
黒光りする車の中から姉が手を振った。
黒い車体も白い雪がまばらに積もっている。
どうやら長く待たせてしまった様だ。
「どうだった」
「まぁまぁかな」
「そう…」
俺が全く同じ答えを返すと姉はそう呟き、車のハンドルを握った。
「大丈夫、今年落ちてもまた姉さんが教えて貰えば良いじゃん」
「お前」
俺が不機嫌な表情で妹の頭髪を撫でると、姉が急かす様に車のハンドルを回した。
ハンドルを握る腕に太さは無いが、別段たくましく見える。
「外は寒いでしょ。乗りなさい」
俺は悴む指先で車の扉を開けた。

次 「地球最期の日」
972「地球最期の日」 :2006/03/20(月) 18:12:19
 立ち上がることは、とうの昔に諦めた。
 地震計の針が飛ぶような揺れから始まった地球の崩壊は、人類の
全てを貪欲に、且つ塵一つ残さずに飲み干そうとしていた。
 揺れ続ける大地の所業に降参した俺は、頑丈な研究室の床に寝そべり
身体を床に打ち据えられながら、地球の鼓動に耳を傾けていた。

 地響きのノイズの中に時折混ざる、何かが破け、蠢き、弾ける音。
 空を見上げれば、きっと凄いことになっているに違いないと
思ったが、窓の無いここからは見えなかった。
 映画や漫画の地球滅亡モノにあるような、黒や赤や極彩色の空が
広がっているのだろうか、それとも何一つ変わらない青空があるのだろうか。
 どちらにせよ、もう空を見ることはない。

 世界中の硝子を一箇所に集めて、一斉にハンマーで叩き割ったような
破滅的な音が、俺の鼓膜を破いた。部屋にあるもの全てが重力から解き放たれて
全てが中空に向かって投げ出された。俺も投げ出された。
 地響きは聞こえない。いや、何も聞こえない。
 俺は、何も掴むことの無い手を握り締め、悔やんだ。
 もう、あの空を、見ることはないのだ。

次「ステーキ」
973名無し物書き@推敲中?:2006/03/23(木) 21:56:36
現在、へにゃへにゃになっている。
974名無し物書き@推敲中?:2006/04/19(水) 03:51:57
あと26か。ひたすら書き込もうぜ。
975名無し物書き@推敲中?:2006/04/19(水) 14:41:28
そんな未来世界の秩序が今崩れ去ろうとしていた。”インテリジェント・モグラスーツ”が開発されたのだ。
モグラスーツはなんと地底3万メートルまで潜航することができる、驚くべき代物だ。両腕に装備されたモグラ
アームは地中の水分をそのまま吸収することが出来るから、水の価格が暴落してしまった。さらに
モグラアームを使えば地中に埋まった宝物まで発掘できてしまい、次々と発見された埋蔵金により未来世界
に強烈なインフレを巻き起こす。さらに穴ぼこだらけになった地表はまるで地獄の落とし穴と化した。モグラスー
ツを持たぬものは道を歩けば3秒で転落してしまうのだ。まるで密林にしかけられたトラップのようだった。
世界抗議団体SPQは膨大な圧力をS・ボランティ博士にかけた。
そして博士は最後にモグラスーツの致命的欠点を明かしてしまう。それは泳げないことだった。
976名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 10:50:09
 
977名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 10:52:10
  
978名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 10:53:28
 
979名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 10:55:07
  
980名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 10:57:39
  
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