この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層

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554The プー
 体の丈夫な男がいた。彼は生まれてこの方風邪一つ引いたことが無い。小中高と
すべて皆勤賞を獲得し、健康的な毎日をガシガシとひたすら歩いていた。
 しかし天は二物を与えずとは良く言ったもので頭の方はお世辞にも強いとは言え
なかった。
 だが、男の悩みはそんなちっぽけな事ではない。彼には一つ憧れるものがあった。
 それは「花粉症」春頃になると、マスクを被り、鼻はぐずぐず、悲しい事がある
わけでもなく常に涙を滝のように流し、機関銃のようなくしゃみの連発。
 彼にはそんな花粉症の人々がヒーローに見えてしかたなかった。彼は「是非あの
ような能力を獲得したいものだ」と日々思っていた。
 男は馬鹿だったが、花粉症というのは杉の花粉が人体に入る事により起こされる
アレルギー症状だという事は知っていた。
 そして、男にはその憧れの能力を得るべくある秘策を考えついた。決行は日曜日。
「ようし。みてろよ。俺ももうじきあの英雄達の仲間入りだぜ。」

"日本の東北地方の山林地帯で、次々と木に登り、枝葉を全身にこすりつけては枝
折っている男性(住所不定無職)が地元の森林保護団体の職員の通報により、身柄
を拘束された。事情聴取にあたり男は「俺はヒーローの仲間入りをする」と意味不
明な事を繰り返しており、地元警察では精神鑑定を含め、詳しく男の身元などを調
べる方針だ。【日本 19日 ロイター】"

「みみかき」「黄金」「アイススケート」で。