酒は人生を潤すのか?それは分からない。
しかし雨を奪った役人に人々が乾きを訴える声が聞こえる。
今ではみなが天に見切りを付け、井戸を掘って酒を得る。
そしてわれらが地下組織との一大ビジネスが始まったのだ。
1917年、合衆国連邦政府がピューリタリズムの昂揚に屈しある法案が通った。
酒類製造・販売・運搬等禁止法禁酒法いわゆる禁酒法だ。
しかし、この法案は酒を飲む事事体は禁止してない。だから私たちが少し手を汚せば
善良なる市民が笑顔で金を渡してくる。金持ちにはカナダからの密輸品を、
貧乏人には危なっかしい密造酒を。文句を言うのは例の捜査官だけだ。
その日いつものように暗がりの密造所で化学実験めいた調合を指揮していた。
当たりには刺激臭が立ち込め劇薬を作っているといっても過言ではない。
親が子供が手を出さない様、本物の酒を持たせるほどの代物だが欲しがる人間はいる。
突然が部下が耳打ちをした。役人の犬がここを嗅ぎつけ挨拶をしたいと言っていると。
私は入り口に出向き、捜査員の顔を見るとウンザリとした。肉でなつかない方の犬だ。
「だんな。いい加減金を受け取っていい暮らしをされたほうがよろしいんじゃ?」
「寝言はよしてくれ。このとおり薄給でも葉巻は吸える」
奴は葉巻をくわえライターを取り出した。
「チョット、火はまずいのでよしてくださいませんか?」
奴は意に介さず、ぷかぷかしながらほくそえんだ。
「何だ?アルコールでもあるのかね。確かにこの匂いは密造用のメチルアルコール
のきが。まあ今回はないという事をでよろしいか?そろそろ失礼する」
奴が出て行くのを、いささか拍子抜けし手見てた。奴の右手が不意に動く。
何かを店の奥に投げ捨てた捨てた。近寄ってみてみると葉巻だった、
傍らにはアルコール樽の山・・・・「お前ら、逃げろ!、爆発するぞ!」
私の密造所は存在しない事になっている酒により爆発し、組織と資金と信用に傷が付いた。
「顔に泥を塗りおってあの犬ころ、必ずおごり返してやる。
小洒落たウイスキーじゃなく喉が焼け付き頭を冒す密造酒をな!」