この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層

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「一卵性双生児」「忍者」「逆ザヤ」「カブリ」「リロード」「確認」

今日も私はいつものようにパソコンを立ち上げて、2ちゃんねるに来ていた。
「あー、もう中間テスト一週間前切ってて、こんなことしてる場合とちゃうんやけどな……。
大体2学期制って、テスト少ない分範囲広すぎるねん。あー、確かにそないな学校選んだのは他ならぬうちやけどさぁ」
独り言をぶつぶつ言いつつも、一日一回、2ちゃんねるに来ない事には気がすまない私。
「あきらめも肝心やんな、うん」
そう自分に言い聞かせる。……ちょっとだけむなしい。
いくつかの板を回った後、ようやく私は創作文芸版の三語スレを開いた。
お題は……「朝霧」「秋の花」「夜の蝉」。うっ、このお題出した人、絶対北村さんファンだ。
私はさっそく、お題を使って文章を練る。
「なんか純和風っぽいなぁ。そんなら、忍者とかの話がいいかもしれへん。
あっ、でも侍も捨てがたいわ……。こう武蔵と小次郎みたいな決闘の話とか。でもありきたりか……。
うーん、やったらほんまはめちゃめちゃ強い主人公が普段は逆ザヤの刀持ってて、弱い振りしてるいうんはどないやろう?あー、でもそれもめっちゃべたな話やなぁ……。何で、うちってこないなべたな話しか思いつかんのやろう……」
四苦八苦しながらも、何とか一本書きあがった。リロードして先客がいないのを確認する。
よし。私は、書き込みをしてから、しばらくはミステリ版のスレを回っていた。
一時間後、私がもう一度三語スレに行くと……。
私のすぐ後に同じお題で書き込んでいる人がいた。
ざっと読むと、一卵性双生児が主人公の話で、なかなかおもしろい。……少なくとも私よりは。
無性に悔しくなった私は「カブリすまそ」と書き込んであるすぐ下に、こう書き込みをした。
「書き込む前はちゃんとリロードして確認しる!!」
私は少しだけ満足しながら、パソコンの電源を切り、ようやく英語のテキストを開いた。
「うーん、今日は3時までには寝れたらええなぁ」

☆決して私小説ではありません。そう決して。
 次のお題は「朝霧」「秋の花」「夜の蝉」でお願いします。