この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層

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266「猫」「たくあん」「座椅子」
 座椅子に座る男が今年のボジョレ・ヌーヴォを飲んでいる。
 猫がストーブのそばで包まって眠っている。
 ただ牧歌的に平和な夜のさなか、とつぜん電話が鳴りだす。
 酔いどれた男はおぼろげな意識で受話器をとる。
「もしもし」
 沈黙があたりをただよう。無言を装う相手の対応で、予想だにしない空気に男は戸惑う。しばしの沈黙のあと相手の人物は言葉を発する。
「いくつかのたくあんのために、あなたはどのくらいの言葉を選びますか?」
 速攻男は電話を切る。静けさはあいも変わらず滞っている。
 背後にひっそりと潜む不可思議な世界を想い、男はすこし冷たい汗を垂らす。

酔いどれで思いつくまま書いたらこうなったわけで。
たぶん簡素は酷評だろうな。なんて。
次は「いつのまに」「不可解」「緑」で。