「ねぇねぇ、まー君はさ。夢ってあるの?」
「夢? あるよそりゃ」
「なになに。教えてよ」
「カオリの手料理を食べること」
「もー! あたしが料理できないこと知ってて言うんだから」
「ごめんごめん。冗談だよ。ジョーダン」
「今度、洒落にならないこと言ったらグーで殴るからね!」
「そいつはおっかないな。なにしろ、女ガッツと呼ばれるカオリの拳だから」
「こんどこそ、ホントに殴る!」
「イテテテテ、やったな!」
「んもう! そうやってキスしてごまかすんだから」
「そう言っておきながら、舌を絡ませてきたのはだぁれだ」
「知らないよーだ。それで結局夢ってなによ」
「ん? そーだね。さんまかな」
「へ、さんま? 魚になって何するつもりなのよ」
「魚になって、カオリの海を泳ぎたいってのはどう?」
「毎晩、飽きるまで泳いでるじゃないの。ホントの所なんなの?」
「あれだよ。出っ歯の芸能人の」
「いつの間に芸能人目指してたのよ?どうせそれも違うんでしょ」
「まぁ、そうだね。それ以外のさんまかな」
「それ以外の何よ」
「僕と、カオリと未来の息子の三人で麻雀やるの。さんまやりたいよ」
「……わたし麻雀できないんだけど。誰かと勘違いしてない? もしかして浮気してるんじゃ!」
「気のせい気のせい。今日から、麻雀手取り足取り教えてやるからさ。いつか親子でさんまやろうよ」
「麻雀だけじゃなくて、あっちのほうも教えるつもりのくせに」
「あははは。ばれたか」
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