この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層

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>>243は何?「酒場」「体毛」「エレキギターの破壊者」
この星にはギターを弾く男が一人いた。いつも私と一緒だ。
私は時々男に異星の酒場に連れ込まれ、無理矢理かかえこまれる。と言っても抵抗などしようがないのだが。
異様なフェロモンを発するその体毛は、私の音色を狂わせでもするかのように苦しめる。
この男、私の扱い方だけはわかっているようで、私の弦の限界なるまでの音を出す。
どうもこのあたりでは有名なギター引きになっているようだ。
しかし反面私としてはもう少しきれいに引いてもらいたい所存であった。
手入れもされず、毎日が壊れそうに痛い。苦しむ声が聞こえないのか。
私はこの男を、この音色の破壊者めといつも忌み嫌っている。
この男、一つの星の所有者なのであるが、誰にもその地を貸さず、売らずに、
私と共にただ時を過ごしている。この男に私以外何があるのだろうか。
ある時、彼は私を何らかの機械を使って改造するなどとぬかしだした。
私をエレキにすると言うのだ。進んだ技術、大抵の無理は可能なこの世でも、いくら何でも無茶がある。
だが男はその方が盛り上がるだとか何とか言いやがる。。
だが仕方が無い。私はいやおうなしに従う事になった。言ったように反論ができんのだ。
次の日、彼はまたいつものように、いや、誇ったように私を高々と自慢し、
位置に立ち演奏を始めた。その時既に私は壊れていた。
無茶があったのだ。汚された私からはもはや不憫な音しか出ず、
酒場の客から攻め立てられ、頭にきた彼は私を振り回して暴れ回った。もちろん私の姿はボロボロだ。
その後、彼は誰にも相手にされる事無く、星に引きこもった。
ただ、エレキギターの破壊者。そんな名前が残ったぐらいだ。