この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層

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「ふざけんじゃないわよ、フニャチンの癖して・・・!」
女はいきり立って、料金も受け取らずに部屋を去っていった。バタンというドアの閉まる音の余韻
のあと、部屋には静寂がやってきた。
俺は嘆息を漏らすと、女がおいていったストッキングを返すために
駅前の裏通りにある風俗店へいくことにした。途中、捨ててしまおうという気にもなった。
しかしあの女に謝っておかなければならないとも思う。
店のとば口を抜けると、店内はまっくらだった。
「橋口清美はどちらですか」俺はカウンターの男に聞いた。背の高い、陰険な顔つきの男で、
なんだかハニワを思わせる佇まいだ。
「なんのようだ?家は法律に触れてないよ、帰って下さい」
男は俺を睨んだ。やれやれ。仕方なく俺は金を支払って店内に入ると、
そこで彼女の姿を探した。彼女はマッサージ機のようなイスに座って眠り惚けていた。
ストッキングはしてあった。なぜだ。
よく考えてみるとこれは俺が隣のベランダから先月盗んだストッキングだった。

「拳銃」「いわし」「梅ジュース」