181 :
名無し物書き@推敲中?:
「思う」「はとこ」「死ぬんじゃない」
こいつの口癖なんだっけな?
俺は、ガラス一枚隔てた病室で、全身に管を通されてる、
生きてるのか死んでるのか分からないようなツレの姿を見ながら、そんな事を考えていた。
しばらくはそれについて考えていたが、目の前のそれを、はっきりと頭の中で、
俺のツレだったやつだと認識するうちに、こいつとの思い出が浮かんできた。
どのくらいの時間がたったのか、よくわからない。見舞いに来た俺が戻ってこないのを心配した、
違うな。見舞いに来た俺の容貌をいぶかしんで、患者を心配した看護婦が俺の視界の端に映ったところを見ると、
結構時間がたってる感じだ。
そうだ。「なになにだと思う」それがこいつの口癖だった。
俺のオヤジのいとこだった女の子供、それがこいつだ。つまり、はとこってやつだ。
オヤジのいとこの女の旦那、つまり俺とは血のつながりの無いおっさんが、
「死ぬんじゃない」って叫んでいたのを思い出した。
よう、俺の愛すべきツレよ。お前はそんな姿になっても生きたいのか?
むしろ逝きたいだろ?
そんな洒落にもならないことを考えて、俺はやつにまた来ると言って、その場を後にした。
ひとまず、俺の大事な女をこんな姿にしたバカどもを探して、生まれてきたことを後悔させてやるつもりだ。
お題は、「ガラス」「管」「後悔」