結局輝男は、その後たびたび
「ロッカーの中に墨汁をぶちまけられた」とか「家の郵便物が盗まれている」
とかわけのわからないことを言うようになった。
本当のはなしかどうかは、輝男が普段孤独なやつで、ひとりで帰ることがおおいし
そんなにつきあいの深い奴がいるわけでもないということで誰もしらない。
そもそも知りたがらない。いずれにしても、公然と繰り返される陰口のせいで、輝男が神経質に
なりすぎてるのは確かだった。
そうこうしてるうちに輝男がいつも使ってるというネット上の掲示板に、
赤の教育機関に堕ちた東大を爆破するという匿名の書き込みがついていた。
輝男を中傷するために輝男に疑いを着せようとしてる何者かの仕業なのか、それとも本当に
輝男の仕業なのか俺には分からない。
だがいずれにせよ、このことは皆には黙っておこうと決めた。
輝男イジメに荷担するのは大人げないが、この書き込みを誰かに言えばそいつは
輝男に嫌悪感を持つことになるのではないかと思った。やっかいなことではあるが、
輝男を信じて待つことを選ばなければと自分に言い聞かせた。
あるいはそんなものは、なにもしないでいるための自分に対する言い訳なのかもしれない。
次の日の朝、輝男とおれたちはなにもかわることのないいつものように、くだらない雑誌記事の話題なんかで
雑談していた。なぜか自分だけが、輝男に距離をおいているのを自分でもはっきりとわかった。
なにをしているんだろうと思う。俺は輝男を裏切ったろうか?裏切ってなどいない。むしろ守ったはずだった。
それなのになぜか俺は罪悪感を感じている。輝男を疑ったから?「なに暗いかおしてんだよ嘉男、女にふられたのかよこの野郎」
今日はなんだか皆と同じテンションでいられそうにない。「悪い、おれちょっとパンかってくら」
教室を出ておれは屋上に向かった。なんでそんなことをしているのか、自分が一番わからなかった。
590 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/30 02:25
長。
591 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/30 02:33
お題継続・・?「爆弾」「汗」「赤」
我輩はジゲンバクダンである。名前はまだない。
我輩の体には今は動いていない時計のようなものや赤やら青やらのコードがたくさんついている。
生まれてから我輩はずっと数人のむさくるしい男たちに監視されている。
ある日、初めて我輩は外に出た。
どこにでもいそうな格好をした男と一緒に紙袋の中に入ってのお出かけである。
どこに行くのだろうと思ったのもつかの間、我輩は置いてけぼりを食らった。
そして突然我輩の腹についている時計のようなものが動き出したのである!
遠くではたくさんの人の声が聞こえる。
時々近づいてくる何人かの女の会話では「トウキョウタワー」という言葉をよく耳にする。
それにしてもココは臭い。
しばらくするとあたりが突然騒がしくなり始めた。
「時限爆弾だー!」と我輩を呼ぶ声が聞こえる。
そして我輩は爆弾処理班というらしい男の手によって分解され始めた。
顔中に冷や汗を浮かべたその男は「この赤か青のどちらかを切れば・・・」などとつぶやいた。
そしてその男は赤を切る事にしたらしい。なんでも今日のラッキーカラーだそうだ。
プチッという音とともに我輩の体の赤いコードが切られた。
それと同時に我輩の体は激しく爆発した。その男とともに。
>588-589で完結ならお題継続でOKっすね?
まだ続くんならごめんなさい。次のお題は「受験生」「初恋」「爆発」で。
千秋は良い女だ。なにがどういいのかって言われると、説明に苦しむ。
すべてが終った今、卒業写真をひろげてみても、千秋がそんなにいい女だったのかどうか
わからないくらいだ。千秋の良さは顔にはでてないんだ、と俺は思う。
その独特の声。あの聞いてるとぼんやりと催眠術にかかってしまうような、とぼけた声に
魅力があったのかもしれない。あるいは全然べつのことなのだろうか。
あれは俺達が受験生だったころのことだ。
俺達の高校は県内有数のダメ私立高校で、先生もよくこの学校のことを「動物園のような」と言った。
生徒たちはなにかにつけて感情を爆発させてあばれまわり、
大勢で万引きツアーと称して出かけて言ったり、市内の夜間高校の連中と喧嘩をしては、武勇伝を自慢しあっていた。
俺はといえば、中学のころに陸上部だったおかげで体力はあるが、球技などはいまだにコンプレックスになるほど
へたくそで、運動神経はたいしたもんじゃない。万引きはやったことがあるが
そのときは一人でデカイ哲学書をかくしもせずに本屋からかかえて出てきた。
余談だがつかまらなかったのは挙動不信な振舞がなかったからだろう。なにしろ隠しもしないで堂々と運び出したのだ。
まるで店のアルバイトのような顔をして。
さて、千秋のことについて語ろうと思う。
つーか中止
「殺虫剤」「省エネ」「製紙工場」ヨロ
>>592 「初恋」がねーぞ。
途中でやめるなら御題は継続の方がいいんじゃないか?
ならそういう方向でどうぞ
巷が受験ムードにわきかえると、大学に近いこのあたりもまた
受験シーズン独特の雰囲気にみたされる。
そんなときはいつも、ふとあのころのことを思い出すのだ。
連中はいったい今どこでどうしてるんだろう。俺は同窓会にも顔をだしていない。連中のことは気になっても、
あのころにくらべてすっかり落ちぶれてしまった今の自分を、彼らにはみせられない。
テーブルの引きだしから取り出した卒業アルバムのページをめくっていくと、懐かしい顔ぶれが並んでいる。
そのなかには、初恋の相手だった香織の表情もあった。
初恋といっても、それは片想いにすぎなかった。俺は友人たちと会話してる香織の笑顔をたまたま見て以来、
そんな香織の笑顔をうらやましいと思うようになった。いつしか俺は思い詰めた挙げ句に彼女のロッカーに手紙を潜めた。
「香織から爆弾発言〜!!」クラスの女子が教卓にあがってニヤニヤしてみせたのはその翌日のことだった。
「あの松岡が香織にこんな手紙を書きました。マジキモいよねムカツク〜!!」ゲラゲラと笑われ
俺はみじめな気持と屈辱で一杯になった目で香織を見たが、香織はしらん顔で向こうを向いていた。
俺はこんな奴のことを好きになっちゃいない。あれはウソだ。俺が書いたんじゃない。俺はそう自分に向かって怒鳴り続けていた。
香織とでくわしても無視し、香織の方にはどんな用事があろうと目をむけないと決めた。
そんなこんなで、いつしか3年の月日がながれた。あのとき香織がどういうつもりだったのか俺は今も迷う。
本当に彼女がそんなに残忍だったのだろうか。それとも彼女が手紙のことを相談した相手がたまたま歪んだ嫉妬深い女
だったのだろうか。そんなことを考えながら、香織を疑えないでいる今の自分の盲信と、そうせずにはいられない心の空白、
かなわぬまでも恋心を絶やしたくないという寂しさについて、思わずにはいられなかった
597 :
YAHOOO情報:02/10/30 05:33
「よしこタン…ハアハア」
あきおは顔面に滝のような汗をたらし、息を上げて興奮している。
K女子大では、入学試験の真っ最中であたりは静寂に包まれていた。
あきおはその廊下のロッカーの中に隠れている。
今、試験を受けいてるある一人の女性に、あきおは想いを馳せていた。
初恋だった。あきおはその感情をどう対処したらいいのかわからなかった。
シャツには二次元キャラのロゴが入り、手入れした形跡がない髪型、やや肥満した体系。
そんな負い目を差し引いたとしても、彼はもとより自分は恋愛には興味がないと思っていた。
だが、今は胸が苦しい程、彼女が愛しかった。自分の気持ちを伝えたかった。
「よしこぉぉぉー!」
彼は手製のTNT爆弾を爆発させた。爆音が鳴り、ロッカーはあきおと共に木っ端微塵に砕けた。
校舎内は一時騒然となり、試験は中断された。廊下は肉片で赤く染まり無残な光景と化していた。
後に、この事は受験で頭がおかしくなった生徒の爆破事件として報道され、
あきおは、世間の人々からキモイ人として世に知らしめた。
彼の恋は不発に終わった。
あかん、受験生ってキーワードが未消化になってしまいました。
次は「殺虫剤」「省エネ」「製紙工場」です。
「殺虫剤」「省エネ」「製紙工場」
オレはトラックドライバー。製紙工場から平版の紙を満載してきた。
こいつを印刷屋に納品すれば今日の仕事は終わりだ。
日が落ちると田舎道は虫が凄い。
車のライトを目標に飛んで来るのはいいが、窓にびしびしぶつかって潰れるのは具合が悪い。
頻繁にワイパーを動かさないと潰れた虫が邪魔で前が見えなくなる。
ウィンドウオシャー液みたいにぴゅっと殺虫剤が出る装置でもあれば煩わしい思いをしなくても済むかも知れない。
そうか、ライトか。ライトを消して走ればいいのか。丁度今夜は満月で月明かりがすごい。
ライトを消して走れば多少はバッテリーにとっても省エネだ。
おっ、携帯電話が鳴っている。オレは着信音がする方を見た。
突然景色が一回転してオレの意識は途絶えた。
トラックは横転していた。オレは運転席から何とか這い出した。どうやら側溝に脱輪して横転したらしい。
ガソリンの臭いに気付きトラックから離れた。
その瞬間トラックは炎に包まれた。辺りは昼間の様に明るくなった。
「これじゃライトを消した意味が無いな」オレは炎を見ながら呟いた。
次のお題は「満潮」「空位」「あまがえる」でお願いします。
教授は立ち上がって手をふりかざし
「本論文は,未だ解決されていない三つの空位を持つN×M(≧)平面自動倉庫において任意の位置にある荷台を自
動倉庫の出口まで移動するのに要する最小歩数関数を決定する.」
と言った。
ピーターは煙草をふかしながらどっかりと椅子にもたれてデスクの上に足を組んでいた。
「それでは話がちがうな、おれたちの要求はこれだ」
ピーターはゴミいれのなかに潜んでいたアマガエルにむかってパン屑を投げた。
後ろの席にならんでいる新聞記者どもがどよめいた。
「なああんた、なにをいってるのか!そんなことをすればおまえはどうなるか...」
記者の一人が問いかけた。
「...あぁ!?」ピーターは凄んだ。
「明日の満潮までに片付けておけ...それ以上は...お前たちの努力しだいだ」
ピーターは立ち上がると、わざとらしくゆっくりとした足取りで部屋を出て言った。
「セクシー」「密林」「はにわ」でよろしく
603 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/30 17:27
「セクシー」「密林」「はにわ」
今私の目の前には一体のはにわがある。
顔や色は普通のはにわとなんら変わりは無い。
しかし、唯一つ他と違う点があるのは、そのはにわはやけにセクシーなのだ。
こいつは私が南アメリカを旅した時に、密林の奥で見つけたものだ。
「なぜ、南アメリカにはにわが?」
そんな存在そのものが謎であることよりも、私はこいつのプロポーションのすばらしさにほれてしまった。
ミロのヴィーナスにも劣らぬ完璧な肉体、しかし、顔は目と口の部分に3つの穴があいただけ。
炭素測定によるとこいつは3000年ほど前のものらしい。
いわゆるOパーツである。
しかし、そんなことよりも私は、これを作った人物はどうして肝心な顔の部分をこんな手抜きにしたのだろうかということの方が重大な問題だった。
ある時、私は気晴らしに娘とテーマパークへ行った。
「ねぇ、お父さん。アレで写真とってー」と娘が指差したその先には、顔の部分に穴があいていて、そこから顔を出して記念写真をとるためのハリボテがあった。
私は手に持ったカメラを落とし、大声で叫んだ。「これだ!!」
顔の好みは体のそれよりも個人差が激しい。だから作者はあえて顔だけは創造と妄想で補完できるようにしたんだ!
謎が解けたのもつかの間、こんどはコイツの存在そのものの謎を解くために私は一生を費やす事になろうとはこの時は思いもしなかった。
次のお題は「映画」「学者」「必殺技」でよろしゅー。
山崎教授は今日も講義にあらわれなかった。
連日連日ワイドショーに出演するための準備にあけくれて、どうやら大学の職務は
ほったらかしなのだろうか。まあ、しょうがねえかもしれねえやと思う。
彼はああみえても気真面目で、わざと授業をすっぽかすような人ではないだろう。
達男はそう思った。
達男は講堂をでて自動販売機でコーヒーを買って、飲んだ。
「よおお前、いい映画の企画はいってるよ。来ないか?」
谷口だった。彼はほとんど授業にも顔をださず、映画会社でバイトをしながらコネをつくって
将来の野望を広げてる毎日だと達男は聞いていた。
「なんだそりゃあ、...悪い、おれは遠慮する」達男は言った。
「そりゃねえよ、だっていま人でが足りなくてよ...ちょっとコスプレしてポーズとるだけさ、なあ頼むよ」
谷口は申し訳なさそうに手を合わせた。
「コスプレだって?...冗談きつすぎだろうそりゃねえよ」達男は眉をしかめ、頭をかきむしって、なにが考え込んだ。
そういえば最近、いい車でたらしいという吉田の話を思い出す。GTR-R38か...
「...まあ、ちょっとだけならいいや。いくらなんだ?」達男は思い切って言った。
「タイトルは必殺団地妻ハンター。これは出演料さ」そういって谷口は500円だまを達男に握らせた。
達男は呆然と立ち尽くした。谷口はいつのまにか消え去っていた。
「泥水」「ソーセージ」「はちきれそうな隆起」
606 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/30 17:49
ちょい待て、>604は映画しか入ってないだろ??
おや、イメージが先行して
学者が教授、必殺技が必殺団地妻になってますた
ヨネモト教授は政治学者だ。
珍奇な映画を見て、
生徒たちのまえで「必殺殺し屋マンモス!」といって感動的なポーズを決める。
おれたちはヨネモト教授を信用してるし、女学生からも人気が高かった。
そのヨネモト教授がこんどはあたらしいことをやらかすそうだと聞いて、
おれたちは急いで実験準備室にかけこんだ。
すると教授は竹薮のなかでオナニーしてくれるやつはいないのか、と言った。
教授の社会の窓からピロピロと、オレンジ色のあざやかな玩具のヘビが顔を出して挨拶をした。
訂正
創造 X
想像 ○
610 :
「泥水」「ソーセージ」「はちきれそうな隆起」:02/10/30 21:36
前の夜はずっと雨の音がしていたが、朝になってみると薄暗く曇っているだけで、
雨は降っていなかった。その日はスーパーの広告が入っていて、或商品がかなり
安かった。私はそれを買うためスーパーへ歩いていた。しばらくすると、向こうから
そのスーパーから帰るらしい親子が歩いて来た。母親は両手にはちきれそうな隆起を
したビニール袋を下げて、三歳位の男児を連れていた。その男児は、しきりと母親に
何かを言っていた。
「僕のターボレンジャーウインナー頂戴。ウインナー」
男児は母親の服を引っ張り、今にも啼きそうな顔である。
「うるさいなー。この袋重たいねんから。服引っ張りなさんな」
母親は眉間にしわを寄せている。
「ウインナー。ウインナー。ウインナー。頂戴」
男児はまだまだ叫んでいた。
私も母親がここで静かにさせることを願った。それ程までに、男児の声はうるさかった。
いよいよ私の横を通り過ぎようとするとき、ふいに母親は男児を右手に持った袋で
ぶん殴った。男児は何の抵抗も出来ず、彼の前にあった泥水のたまった所に
真っ直ぐと転んだ。彼はきょとんとしたが、水たまりにすっかり身を浸すと
急に声を上げて泣き始めた。しかし、母親は、
「あんたが、しつこいから、あかんのでしょ。そんなにウインナー欲しいんなら、
これもってずっとそこ居りなさい」
と、ウインナーの袋を男児の方へ投げつけて、じっと睨んでいた。
私はその様子を呆然として見ていた。しかし、私には関係ないと自分に言い聞かせて
スーパーへと急いだ。私の後ろでは、まだ、男児の鳴き声が聞こえる。私は足を速めた。
すんません。初心者に近い者で、忘れていました。
どうか、次の方はこのお題でお願いします。
「犬」「映画」「織田信長」
よく見たら「ウインナー」ではないし、「織田信長」は固有名詞だし、
やっぱり阿呆だ。
逃げます。
「よう山田、こっちむけよオラ」
どこからともなく山本の声が聞こえてハッとした。
おれはネットにかじりついてエロエロ夫人楽園を覗いていたところだった。
はちきれそうな股間の隆起を山本にみつかったかもしれない。
きょろきょろとあたりをみまわして山本の気配を探ったが、
やつはこの部屋に侵入してきた形跡はない...
不安にかられたおれがなにげなく窓をみると、窓の外にとびはねている山本がいた。
山本はニッと笑ってこっちをみながら、窓の外を元気よく飛び跳ねているらしかった。
「頭は大丈夫か、脳味噌の手術でもうけたか」窓超しに俺は彼に問いかけた。
だが彼には聞こえていないように見えた。
「洗濯してくれ、泥だらけだ!ウオー!」山本はドンドンと窓を叩いた。
「やめろ山本...おまえは」言うが早いか、山本は窓をブチ破ってそこからのそのそと部屋のなかに
はいりこんできた。
「これは土産!」山本は笑みをうかべた。これはもしやバイブか!?とおもったらソーセージだった。
泥水が泥だらけになってるので継続ということで
616 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/30 23:59
次のお題「犬」「映画」「織田信長」 でいいのね?
ではどうぞ。
固有名詞はダメ
会社から帰った俺は、ソファにもたれてからずっと部長の言葉を思い出していた。
「そうだ、おれなんて、...どうせ用済みの足でまといに違いねえや...」
頭をかきむしり、俺はコーヒーのパックをゴミバコに投げた。パックはゴミ箱の横の壁にあたって床に転がった。
俺はうつむいてしばらくくだらないことを考えていた。それは昔愛した恋人のことだ。
だが今はいない。なぜいないかなんて、そんなことどうでもいい。ただ無性にいまは誰かにあまえたい気持だった。
「やれやれ...」俺はなにを考えてるんだろうと思った。こんなことぐらいでへこたれてちゃいけねえ。
テレビのリモコンを拾い上げて、チャンネルを変えていると、織田信長の映画がはいっていた。
信長のようになりたいな、とぼんやりと思った。会社の犬なんかに終りたくない。むかしはおれだって、もっと
野望にあふれた男だった...。気がつくと信長に自分をかさねあわせていた。
おれだってやれないことはない。ようは制限をはねのける度胸だけだ。おれと信長の間にある違いはそれだけだ。
テレビを切った俺は、飛び上がるようにしてキッチンにむかって、包丁を握って部屋をでた。
これからは俺の時代だ...
「温泉」「かき氷」「しおせんべえ」
何度みんなお題をちゃんといれないの?
犬も映画も信長もいれましたが何か
じゃなくて次のお題、継続なら継続でいれるべきでは?
って書いたら入ってたスマソ
失礼シマスタ
「かき氷が食いてえよ」
弟は会社の健康診断で急にひっかかり、都内の大学病院で診断を受けた結果、肝臓癌だと診断された。
今弟はこの大学病院の病室に入院している。弟に真実を診察結果をつたえるべきか悩んだすえ、
弟はもう大人なんだからと、診断結果を彼に言った。その語彼はショックで寝たきり状態がつづいていた。
そんな彼がふと言い出した一言におれは胸を打たれた。そして同時に悲しみで一杯になった。
「一杯のかき氷だけなんて、切ないこというな、もっと色々...そうだ温泉にいこう、お前の好きだったしおせんべいだって
いくらでも買って来てやるよ」
弟は小さくうなずいていた。よこたえたままの体は、たくましかった以前よりずっと、弱々しくほそぼそとなっている。
「俺が守ってやるよ、勇二、勇次...」
小さいころ、よく喧嘩をして取っ組み合ってたあの勇二が、いまこうしてここで、力尽きたように衰弱しなければならない。
一体、なんのせいなんだろう。
いい年になって、こんなことを考えて涙をこぼしている自分がいた。
勇二は目を閉じたままで、泣き崩れた私の手をとって握りしめた。
こんな時でも、窓の外は雲ひとつない。窓からは退院していく家族を見送るにこやかな歓声がちいさく聞こえていた。
「密漁」「ベビ」「ジャングル」
露天風呂に入って体を休めていると、いつの間にか、みぞれは雪に変わっていた。
「景色がきれいなのは良いけど、こう寒くっちゃ酒もさめるよ」
私は、湯船に浮いたお盆の上に、お猪口を置いて身震いした。
「もう下げますか? 」
旅館の女中がそう言ってお盆を片付けようと手を伸ばす。
私は慌てて彼女の手を遮ると、「もうちょっと待ってください」と答えた。
女中はニッコリ笑うと、再び湯船を櫂でかき混ぜだした。
真っ白の雲の中にうっすらと輝く太陽を見つけると、
「明日は晴れるかな? 」と私は呟いた。
明日は十三年ぶりに娘と会う。
妻と離婚したのは、娘がまだ七つの時だ。あの日も雪が降っていて、娘はうつむいたまま私の袖を引っ張って離さなかったな。
そんな娘と、今日久しぶりに会える。
私は武者震いをした。
「もう下げますか? 」
女中は髪を書き上げて再び訊いてきた。
「いえ、まだいいです。まだ残っていますので」
私が憮然としながらそう答えると、
女中は「駄目です。もう片付けます」と言って、
さっさとお盆を湯船から上げてしまった。
「何するんですか? まだ飲んでるでしょう? 」
「駄目です。これ以上飲んだら、体に毒ですよ」
「あなたにそんな心配される覚えはない」
下半身をタオルで隠しながら、私は彼女からお盆をひったくった。女中は哀しそうな顔で私を見ると、「お酒は毒です」と呟いた。
何故この女は、こうまで私の世話を焼こうとするのだろうか?
そう言えば、彼女は別れた娘に年恰好が良く似ている。
「まさか、あなたは……」
私は声を詰まらせながら、彼女の手をとった。
「そう、私は……」
女中はゆっくりと立つと、ポケットから袋を出した。
「お酒より、しおせんべいのほうが、お体に良いですよ。こっちのほうを買っていただくと、私にキックバックが
入るんです」
彼女の渡してくれた塩せんべいの味は、人生と同じようにしょっぱかった
>>半角スペース
自分の御題に自分で書き込むのはヤメロ。
15行以内に納めろ。
御題は本文の中に入れろ。
荒らし確定すんぞ。
>>629 荒らし確定。1さん、頼む。コイツアク禁にしてやってくれ…
ホントに作る気が失せる…
暫く離れます。半角スペースがいなくなったらまた…
おれは15行以内におさまってないか?
もしかしてウィンドウズでは改行されまくってるんかね。
おれのリナックスのネスケでは14行
露天風呂に入って体を休めていると、いつの間にか、みぞれは雪に変わっていた。
「温泉があって、景色がきれいなのは良いけど、こう寒くっちゃ酒もさめるよ」
私は、湯船に浮いたお盆の上に、お猪口を置いて身震いした。お猪口に積もった雪は、
まるでかき氷のようである。
「もう下げますか? 」
旅館の女中がそう言ってお盆を片付けようと手を伸ばす。私は慌てて彼女の手を遮ると、「もうちょっと待ってください」と答えた。
女中はニッコリ笑うと、再び湯船を櫂でかき混ぜだした。
真っ白の雲の中にうっすらと輝く太陽を見つけると、
「明日は晴れるかな? 」と私は呟いた。
明日は十三年ぶりに娘と会う。
妻と離婚したのは、娘がまだ七つの時だ。あの日も雪が降っていて、娘はうつむいたまま私の袖を引っ張って離さなかったな。
そんな娘と、今日久しぶりに会える。
私は武者震いをした。
「もう下げますか? 」
女中は髪を書き上げて再び訊いてきた。
「いえ、まだいいです。まだ残っていますので」
私が憮然としながらそう答えると、
女中は「駄目です。もう片付けます」と言って、さっさとお盆を湯船から上げてしまった。
「何するんですか? まだ飲んでるでしょう? 」
「駄目です。これ以上飲んだら、体に毒ですよ」
「あなたにそんな心配される覚えはない」
下半身をタオルで隠しながら、私は彼女からお盆をひったくった。女中は哀しそうな顔で私を見ると、「お酒は毒です」と呟いた。
何故この女は、こうまで私の世話を焼こうとするのだろうか?
そう言えば、彼女は別れた娘に年恰好が良く似ている。
「まさか、あなたは……」
私は声を詰まらせながら、彼女の手をとった。
「そう、私は……」
女中はゆっくりと立つと、ポケットから袋を出した。
「お酒より、しおせんべいのほうが、お体に良いですよ。こっちのほうを買っていただくと、私にキックバックが
入るんです」
彼女の渡してくれた塩せんべいの味は、人生と同じようにしょっぱかった
628はおれではない。
そんなことをいうのは彼に失礼っつーか2分でそんな長文かけねえよ。
勘違いしてるのはお前ひとりだがな
他人の投稿をなんでもかんでも朝日に結びつけて批評し、
お題も入っていない長編の断片を垂れ流すヤシがいるのはこのスレですか?
>>632 え? 俺か?
俺は(628 629 634)は荒らしじゃないぞ
おれは朝日に結び付けて批評されてる方だしな。
なにも読んでない馬鹿がひとりで何役もこなしてひがんでんじゃねえよ。
ほかのやつらは普通にかきこんでるのに空気よめないやつだ