九回目。『どろろ』(日本・中世・伝奇)風。
現在:節制(逆)
過去:正義(逆) 無実の罪で島流し
未来:力(逆)
援助者:死神 人斬り妖刀
敵対者:審判 蜥蜴 鬼女
結末:女帝
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『叢生谷』
新蔵は人殺しの汚名を着せら、人食い鬼が住むといわれる、深い谷へと流される。(正義(逆))
谷への護送中に一行は鬼女に襲われ、逃げ延びた彼は、偶然大刀が奉られた洞窟を見つける。
腕に縛られた縄を切ろうと刀に手をかけたとき、彼は妖刀に魅せられて身体を乗っ取られる。
追ってきた鬼女を、雄叫びを上げて真っ二つに切った後、気絶する。(節制(逆))
意識を取り戻すと、そこは見知らぬ畳の上。名も知らない双子の姉妹に看病されていた。
だが床に伏せるうちに身体は何かに縛られたかのように、ますます動かなくなる。(力(逆))
――二つに裂かれたはずだった鬼女の身体は、分裂して双子の姿に成りすましていたのだった。
彼は鬼女と化した二人の姉妹に寝込みを襲われる。
妖刀を手にした彼は彼女らを叩き斬ったが、斬れば斬るほど敵は増殖する。(審判)
愚かにも洞窟に逃げ込んでしまい、彼はとうとう鬼女達に囲まれてしまう。
最早これまでかと思ったその時、妖刀の声が聞こえた。『 わたしを奴らの方に投げろ 』
妖刀を敵方に投げると、鬼女の一人がそれを拾う。すると、彼女は辺りの自分の分身達を見境なく斬りまくり、
斬られた者は増殖し、また斬られる。混乱する洞窟内は修羅場と化し、新蔵はそれに乗じて脱出。
洞窟内に油を撒いて、彼らを皆焼き殺した。(死神)
それからしばらくして、新蔵が無実の罪であることが明らかになり、晴れて谷から戻ることになる。
だが、洞窟の焼け跡に繁茂する雑草を見ていると、どうしても彼は背筋が凍るのだった。(女帝)