魔道は阿片だ。
現実に適応できなくなったクズどもが、ファンタジックな世界観を教義めかして崇めているに過ぎない。それは甘く芳しい妄想への逃避だ。人を酔わせ、そうと気づかずに堕落させる世界最悪の猛毒なのだ。
あげくにそれは増殖さえする。それは現実に対する汚染といっていいかもしれない。魔術などという非論理的な妄想が、あるはずのない集団幻覚が、確固としたものであるはずの現実を侵食していくのだ。それは世界の崩壊に等しい。
その汚染をばらまくのが魔道師とよばれる輩なのだ。
そうサカXXは思った。
ちなみに彼の名はサカキバラではない。だれかが勝手にそう読んでいるらしいが、たぶんそいつも魔道師に汚染され、現実から魂が遊離しているに違いない。
魔道師は殺せ。ヤツラは世界の癌細胞だ。癌細胞は外科手術で摘出すべきなのだ。
ヤツラはブタだ。ブタは殺してこそ役に立つ。肉はソーセージになるし、骨からはいいダシが取れる。魔道師もミンチ肉にしてスーパーで売ってやる。1g1円セールだ、ブラボー!!
「ハイル、サカXX!! わたしは一生貴方についていきます!!」
赤毛の兵士が叫んだ。その顔が歓喜に満ちていた。彼もまた魔道を信じていなかった。あんなものはペテンにすぎない。ペテン師にはしかるべき処罰をくらわせてやるのだ。
「ジークカイザー、サカXX!!」
「マインカイザーサカXXに栄光アレ!!」
残り二人の兵士も奇声を張りあげた。
「おお、おお」
サカXXは、はらはらと涙をこぼした。
「愛する下僕たちよ、世界の清めの時は近づきつつある。私がなそうとしていることは愛から出ている。我々の清めは地獄の魔道師から人々を救うことであろう。
私は人々の上に稲妻のように降り、私の火によって世界を刷新するであろう。私の愛の霊はあなたたちを愛の中に引き入れることによってあなたたちを贖うであろう!!!
魔道師どもに死を!!!」
「魔道師どもに死を!!!」
四人の絶叫はまざりあい、ひとつのうねりとなって、さながら梵鐘の如く学園に響き渡ったのだった。
カゼひいてチョーシでねえ・・・。
253 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/21 23:39
「イングラこれでも食らえ」
ミレーユの下腹部から出た赤い液体がイングラの顔に浴びせられた。
「ぐわあ、顔が溶ける」
「はははその顔ではもう嫁にもいけまい」
「くそお」イングラはそう言うと、下腹部から粘土状の茶色いものを出し、
ミレーユに投げつけた。ミレーユはそれをオリモノで防いだ。
あたり一面オリモノと排泄物の海と化していた。バラの花が咲き乱れては
大陸から吹いて来る偏西風にその茎をへし折られた。
頭上のプラネタリウム式天井に輝く北斗七星が血塗るられた一族の歴史に
暗い影を投げ落としていた。
その類まれなる跳躍力で白鳥拳の型で中空へ飛び上がったミレーユは
回転ベッドの上に着陸するとスイッチを押した。回転ベッドは七色の
光を輻射状に発しながらゆるやかに回りだした。戦いはこれからだ。