この三語で書け! 即興文ものスレ 第八層

このエントリーをはてなブックマークに追加
308名無し物書き@推察中?
「メロン」「人形」「ハイライト」

崩れかかった屋敷のドアを開けると、山羊髭を生やした執事が出迎えた。
「武田様、ノドカ様でございますね。どうぞこちらへ」
東海地方総少年探偵連盟の武田と、ネットアイドルのノドカは執事の後を歩いた。
説明的な描写が入ったところで、執事は広間の扉を開け、武田は彼らと再会した。
「久し振りだね、武田君」 椅子から立ち上がり声を掛けたのは、埼玉の名探偵ヒロセ。
「この屋敷は僕らにぴったりだ。むしろ僕らのためにあるようなものだ」
握手を交わしながら、武田はそこの面々を確認した。栃木のハル、名古屋の相田、山口のタダシ。
「なかなかの粒揃いだな」 武田の言葉にヒロセはニヤニヤした。「屋敷はもっと素晴らしい」
名古屋の相田が、席を立って広間の奥にある嵌め殺しの窓を叩いて見せた。
栃木のハルは、ピアノの上のフランス人形を持ってきて抱きかかえた。
山口のタダシは、長テーブルの上からメロンをぶら下げてきた。
「なるほど、嵌め殺し、人形、メロンね……って、メロンは関係ないだろ!」
武田精一杯のノリツッコミ。凍りつく広間。駆け巡る殺意。
「ところがね」 ヒロセが口火を切った。「このメロンには恐ろしい因縁があったんだ……」
真面目くさって15年前の殺人事件を説明しだすヒロセを茫然と眺めながら、
武田は、今回のハイライトがメロンの呪いなら僕帰っちゃうよ、とか思った。