青春の1ページ

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1事実です

 俺は放課後学校へ忘れ物を取りに教室へ戻っていた。橙色の夕焼けが窓から差し込んでいる。
誰も居なくなった教室は、僕の知っている賑やかで皆の声がこだまする学校ではなかった。
僕はさっそく自分の机のところへ行き、忘れ物のお弁当箱を机の中から取り出し鞄へ閉まった。
よかった、さ、家に帰らなきゃ。僕は安心してちょっと周りを見回してみた。
変わらない机の配列、黒板の落書き、乾燥した空気、夕焼けがしんとした教室に並んでいる。
耳を澄ますと校庭からクラブ活動だろうか、生徒達の声が微かに聞こえてくる。バレー部だろうか、ボールの音も聞こえる。
そして僕はなぜかとても強くなった気がした。日中の僕は目立たない生徒で大きな行動は出来ないけれど
今なら何でも出来る気がする。誰にも邪魔されない、僕が王様。ツバだって音を立てて吐ける。
僕は試しに「ぺっ」と床に吐いてみた。ついでにおしっこも教室の隅でしてしまった。

・・・・信じられない。何て気持ち良いんだ。

こんな事出来るのも今だけ。誰にも注意されない。明日になればまたいつものように
学校には何百人という生徒が押し寄せる。僕は少し考えた。何がしたい?何が出来る?
誰にも邪魔されずに、今は学校中が僕のいいなりだぞ。何をしてみよう?
するととっさに頭に入ってきた。前から憧れていた隣のクラスのマドンナ、和歌絵ちゃんだ。

「・・・和歌絵ちゃんも僕の言いなり??」

硬直した僕の足は自然と隣のクラスに移っていた。静かにドアを開けてみると僕の教室よりも少し暗かった。
太陽の角度のせいだろうか。そしてやはり誰も居ない。僕は足を教室へと踏み込んだ。
違う教室というのもあって僕の心臓は少し強く鼓動した。もし僕がここに居るのが見つかれば言い訳のしようが無いのだもの。
でもなぜか僕は逃げ出さなかった。強い欲望が僕を奮い立たしていた。
童貞の僕。そして未知へのねじれた甘い香り。必死に和歌絵ちゃんの席を探した。
 ・・・見つけた。防災頭巾に「山本 和歌絵」とピンク色のマーカーで名前の入った席を見つけた。
僕の緊張は最高点に達していた。形振り構わず机の中を引っ掻き回した。
嗚呼・・憧れの和歌絵ちゃんの机が!!鉛筆が!!お道具箱が!!僕は机に腹ばいにしがみ付き、勃起をしながら表面を舐めていた。
「和歌絵ちゃん・・ハァ・・好き・気づいてよう・・・・こんなに大好き何だようぅ・・」
そして僕の目は机の脇のフックに引っかけてある物に気が付いた。

こ・・これは??・・・リコーダーだ・・・。

駄目だ・・こんな事したら本物の変態だぞ!!これ以上罪を犯すんじゃない!!しかし頭で考えても体はいう事を聞かない。
幼かった僕はその噴き出る衝動を止める事は出来なかった。無造作にリコーダーを奪い取るとズボンの中に隠し込んだ。
そして走った。どこか安全にリコーダーを吹ける場所、、そうだ、あの場所へ!!
僕は屋上へと走っていた。鍵を開け、ピシャリと窓を閉めた。
僕は屋上でも目立ちにくい角へとよろよろと進み、リコーダー入れの中から笛を取り出した。
「嗚呼!!ついに手に入れたんだ!和歌絵ちゃんのリコーダーを!!」
ピィ〜・・ヒョロロロロ・・・乾いた音が鳴る。情けない甘い香りがする気がする。
そしてついに僕はヨダレが滴り落ちている口へ無造作に笛をぶち込んだ。

「フぶぶ、、ちゅぅうぶちゅうちゅぅう・・駄目ェェ。。ワ、和歌絵ちゃんん・・」

べろべろと嘗め回し、笛が自分のツバで臭くなるまで舐めた。そしていつの間にか僕は昇天していた。

「サ、ハァ最低だ・ハァハァ・・僕は・・・なんて、いけない子なんだ・・・」

僕はとてつもない罪悪感に追われながらも、しかしどこかで快感を得ていた。
落ち着きを取り戻すも僕は教室へ戻り、自分の唾でべとべとになった和歌絵ちゃんのリコーダーを
無言で元の場所に戻した。

そして僕はお弁当箱の入った自分の鞄を背負い、眼鏡を中指で上げ、無表情で
日が沈みそうな夕焼けの帰途へと駆け出した。
そうか。
3脱毛博士 ◆85n2MOJA :02/03/14 11:27
逝けない子だな。
4名無し物書き@推敲中?:02/03/14 12:58
タモリのネタ
新スレおめでとうビーム (ノ ^ ▽ ^ )ノ‥‥━━━━━☆ピーー
       

6名無し物書き@推敲中?:02/03/18 23:32
       
7名無し物書き@推敲中?:02/04/09 14:44
8名無し物書き@推敲中?:02/04/09 15:27
青春の2ページ目も教えて
9名無し物書き@推敲中?:02/04/18 19:33
ge
10名無し物書き@推敲中?:02/04/19 00:04
フーン
2、30000ページ書いてくれても構わんさ。
12名無し物書き@推敲中?:02/05/21 21:03
13名無し物書き@推敲中?:02/05/30 14:22
uuiuiuiuiuiuuiui
15名無し物書き@推敲中?:02/06/15 17:55
16名無し物書き@推敲中?:02/06/27 23:41
171:02/06/28 10:25
使い古されたネタだから、もっと工夫しないと。
19名無し物書き@推敲中?:02/07/02 20:29
                       
実際は大して興奮しないよな。リコーダーを口に含んだ瞬間に冷める。
21名無し物書き@推敲中?:02/07/17 15:27
22名無し物書き@推敲中?:02/07/17 16:27
>20 
やったのか。
23名無し物書き@推敲中?:02/07/17 17:36
>>22
するどい突っ込み^^
2420:02/07/17 18:48
やるだろ。
漫画なんかでよく出てくるし、すんげー興奮するんだろうなーと、
消防ながら胸ときめかせてくわえてみたが、なんてことはなかった。
「こんなはずはない!」と心の中で叫んだよ。
でもやっぱ興奮しなかった。リコーダーは乾いたツバの匂いがするし。
「女の子でもリコーダーの口は臭うんだな」と確認して、
静かにケースに戻した。

消防ではフェチは楽しめないんだな、と今になって思う。
2520:02/07/17 19:01
しかしどうにもモヤモヤが晴れず、厨房の頃に再挑戦。懲りてねえし。
だけど結果は同じでした。
むしろリコーダーを口にする前に、
「誰かに見つかるんじゃないか? でも絶対しゃぶりてえ!」
と思いつめていたときの方がギンギンでした。
まあ貴重な体験ということで、その夜は無理矢理おかずにしましたが。

高校の頃はロッカーだったので、さすがに挑戦する気は起こりませんでした。
犯罪(器物損壊)はやりたくなかったので。
じゃあ、女の子が一人、放課後の教室で好きな男の子のリコーダーを突っ込むと言う話は
斬新じゃないか?
どうだ?
この人物が舐める前にすでに、男ど急逝が舐めまわしたあとだったとか、
リコーダー返したら、いきなりど急逝の男がやってきて主人公が慌てて
ロッカー隠れて見てたら、いきなり舐めたしたとか、そんなオチがあると
思ってたのに。

気体はずれでした。

2820:02/07/17 20:19
>>26
凡百のエロ漫画でさんざん出たネタかと……。

>>27
こういうネタは見たことない。さして面白いとは思わないけど。
29名無し物書き@推敲中?:02/07/28 08:43
30名無し物書き@推敲中?:02/07/28 09:05
>>26
リコーダーの口に毛が挟まってて口の中に含んじゃった罠。
31名無し物書き@推敲中?:02/08/07 18:32
32名無し物書き@推敲中?:02/08/07 21:09
>>1
僕、僕、と主語を連発せずに書くように心掛けると、文章は上達します。
あと、なるべく語彙を蓄えて、同じような表現を何度も使わないこと。

>落ち着きを取り戻すも僕は教室へ戻り、(略)無言で元の場所に戻した。

幾ら馬鹿でも、三回も「戻」って使うこたあないだろ。

33名無し物書き@推敲中?:02/08/07 21:14
韻をふんでるんだよ
わからないか?
34>>>>>1:02/08/08 05:07
匂ってこない文章ですね。10点中2点。てにをはレベル。

 
                             角川ネクそト賞
35名無し物書き@推敲中?:02/09/10 03:58
青春
36名無し物書き@推敲中?:02/09/19 00:23
                               
37名無し物書き@推敲中?:02/09/19 02:19
あ1
38名無し物書き@推敲中?:02/10/24 07:23
39名無し物書き@推敲中?:02/12/06 15:02
40山崎渉:03/01/06 16:14
(^^) 
41山崎渉:03/01/19 03:48
(^^)
42名無し物書き@推敲中?:03/02/18 10:41
>>1
>俺は放課後学校へ忘れ物を取りに教室へ

「学校へ」「教室へ」がかぶってる。変な文章。
43山崎渉:03/04/17 14:13
(^^)
44山崎渉:03/04/20 01:47
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
45山崎渉:03/05/22 03:24
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
46山崎渉:03/05/28 10:44
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
47山崎 渉:03/07/12 12:31

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
48山崎 渉:03/07/15 11:46

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
49山崎 渉:03/08/02 01:37
(^^)
50山崎 渉:03/08/15 14:00
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
51名無し物書き@推敲中?:03/09/17 12:40
山崎に50げとをとられた〜
52を取ればいい
良い寂れ具合……むふふ
うふふw
5553:04/04/15 20:04
>54
おのれ何者???
はて面妖な・・・
5654:04/04/15 22:49
ぁゃιぃ者ではぬぁいw
スレほっしゅ!
いてきますぅーw
よたよたと出撃・・・
60名無し物書き@推敲中?:04/05/30 10:27
いってらっしゃい
ねみゅい・・・ねむゅすぎ・・・おやすみなさい☆
『誰かの願いが叶うころ』♪宇多田ヒカル

小さなことで大事なものを失った
冷たい指輪が私に光って見せた
今さえあればいいといったけどそうじゃなかった
あなたへ続くドアが音もなく消えた
あなたの幸せ願うほどわがままが増えてくよ
それでもあなたを引き止めたい、いつだってそう
誰かの願いが叶うころあの子が泣いてるよ
そのまま扉の音は鳴らない

みんなに必要とされる君を癒せる
たった一人になりたくて少し我慢しすぎたな
自分の幸せ願うことわがままではないでしょう
それならあなたを抱き寄せたいできるだけギュッと
私の涙が渇くころあの子が泣いてるよ
このまま僕らの地面は乾かない
あなたの幸せ願うほどわがままが増えてくよ
あなたは私を引き止めないいつだってそう
誰かの願いが叶うころあの子が泣いてるよ
みんなの願いは同時には叶わない

小さな地球がまわるほど優しさ身に付くよ
もう一度あなたを抱きしめたいできるだけそっと

ねむこ落ち ZZZ・・・
会議落ち・・・
『いい日旅立ち・西へ』鬼束ちひろ

遥かなしまなみ 錆色の凪の海
セピアの雲は流れて どこへ行く
影絵のきつねを追いかけたあの頃の
夢を今もふところに 西へ行くああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち ふたたびの風の中
今も聞こえるあの日の歌を道連れに

蛍の光は 遠い日の送り火か
小さく見える景色は 陽炎か
出逢いも別れも夕暮れにあずけたら
自分の影を捜しに 西へ行く
ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 朝焼けの風の中
今も聞こえるあの日の歌を道連れに

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち
憧憬(あこがれ)は風の中
今も聞こえるあの日の歌を道連れに

http://www.yyo.jp/iihitabidachinishiepage.htm

『伽草子』吉田拓郎

雨も降り飽きて 風もやんだようだね
つい今しがたまでドンチャン騒いでた街が
ひっそりかんと膝をただしてさ
静かだね Woo-Woo 
静かだねWoo-Woo
夢でも食べながら も少し起きてよー

君も少しは お酒を飲んだらいいさ
覚えたての歌を 歌ってほしい夜だ
スプーンもお皿も 耳をすましてさ
ああいいねえWoo-Woo 
ああいいねえWoo-Woo
泣き出しそうな声で も少しいきますか

雲が飛ばされて 月がぽっかり独り言
こんな空は昔 ほうきに乗った魔法使いの
ものだったよっと 悲しい顔してさ
君の絵本をWoo-Woo 
閉じてしまおうWoo-Woo
も少し幸せに 幸せになろうよ
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69 ◆IU.1sGgN02 :04/07/11 22:33
あそこは荒れ模様ですので暫く様子を窺っています。
尤もまだ半分くらいしか書けていないのですが……(現在30枚)
UP予定、八月前後。ネーム「岩」か「雲」に変更。
ここに気付いているかどうか分かりませんが中間報告ですた。
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77Rock ◆nT8Fm9wg1Y :04/07/24 22:21
『線香花火』さだまさし

ひとつふたつみっつ 流れ星が落ちる そのたびきみは 胸の前で手を組む
よっついつつむっつ 流れ星が消える きみの願いは さっきからひとつ
きみは線香花火に 息をこらして 虫の音に消えそうな 小さな声で
いつ帰るのと きいた

あれがカシオペア こちらは白鳥座 ぽつりぽつりと 僕が指さす
きみはひととおり うなづくくせに みつめているのは 僕の顔ばかり
きみは線香花火の 煙にむせたと ことりと咳して 涙をぬぐって
送り火のあとは 静かねって

きみの浴衣の帯に ホタルが一匹とまる 露草模様を 信じたんだね
きみへの目かくしみたいに 両手でそっとつつむ くすり指から するりと逃げる
きみの線香花火を 持つ手が震える 揺らしちゃ駄目だよ いってるそばから
火玉がぽとりと落ちて ジュッ

http://www.yooy.jp/senkouhanabi.htm

明日、働いたら連休だーーーーーーーーーい!!
花火でもやるか……
んじゃ、おやすみなさい……☆
78Rock ◆nT8Fm9wg1Y :04/07/25 21:42
『ブルー・ライト・ヨコハマ』上原 多香子

街の灯りが とてもきれいね 
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
あなたと二人 幸せよ 
いつものように 愛のことばを
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
私にください あなたから

歩いても 歩いても
小舟のように わたしはゆれて
ゆれてあなたの 腕の中

足音だけが ついて来るのよ
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
やさしいくちづけ もういちど

歩いても 歩いても
小舟のように わたしはゆれて
ゆれてあなたの 腕の中


あなたの好きな タバコの香り
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
二人の世界 いつまでも

http://www.yyo.jp/bluelightyokohamauehara2.htm

横浜大好きですが何か……☆
Life's but a walking shadow, a poor player.
『残り火』五輪真弓

雨にうたれて 何故か悲しげな 花はかげろう 秋は気まぐれ
街の灯りが 蒼くにじむのは 今はもどらぬ あなたのせいよ
だけどわたしは 今ここにある 愛の残り火で 色あせた枯葉を 
もやしながら 過ぎた日のぬくもり 手さぐりで さがしている
人は季節におどる 迷い子

胸にのこされた 古い傷あとを 抱いて生きづく 恋はたそがれ
そして春を恋う 寒い涙さえ 今はたよれぬ 行きずりの友
だからわたしは 今もう一度 めぐり来る季節の あら波に小舟を 
うかべながら あなたの知らない  誰かに身を寄せ 夢路をたどるの 
あなたを忘れて

だからわたしは 今もう一度 めぐり来る季節の あら波に小舟を
うかべながら あなたの知らない 誰かに身を寄せ 夢路をたどるの 
あなたを忘れて

http://www.yooy.jp/nokoribi.htm

『流星群』鬼束ちひろ

言葉にならない夜は 貴方が上手に伝えて
絡み付いた 生温いだけの蔦を 幻想だと伝えて
心を与えて 貴方の手作りでいい 泣く場所が在るのなら
星など見えなくていい
呼ぶ声はいつだって 悲しみに変わるだけ
こんなにも醜い私を こんなにも証明するだけ でも必要として
貴方が触れない私なら 無いのと同じだから

曖昧なだけの日々も 何処まで私を孤独に
褪せる時は これ以上望むものなど 無い位に繋いで
想いを称えて 微かな振動でさえ 私には目の前で 溢れるものへと響く
奇跡など一瞬で この肌を見捨てるだけ
こんなにも無力な私を こんなにも覚えて行くだけ
でも必要として 貴方に触れない私なら
無いのと同じだから

数えきれない意味を遮っているけれど
美しいかどうかも分からない この場所で 今でも
叫ぶ声はいつだって 悲しみに変わるだけ
こんなにも醜い私を こんなにも証明するだけ
でも必要として 貴方が触れない私なら
無いのと同じだから
http://oya.web.infoseek.co.jp/ryuuseigun.htm
明日は師匠と長谷寺へ……
あれから一年、早いものだ……
去年と今年、どちらが自分にとって幸せなのだろう……
答えは出ない。答えは出ない……
『シングル・アゲイン』竹内まりや

あなたを連れ去る あの女性(ひと)の影に
怯えて暮らした 日々はもう遠い
離れてしまえば 薄れゆく記憶
愛していたのかも 思い出せないほどよ
また独りに返ったと 風の便りに聞いてから
忘れかけた想いが 胸の中でざわめく
私と同じ痛みを あなたも感じてるなら
電話ぐらい くれてもいいのに

変わり続けてく 街並みのように
もとには戻れない 若き日のふたり
彼女を選んだ 理由(わけ)さえ聞けずに
ただ季節は流れ 見失った約束
もし再び出会って 瞳を探り会っても
隔てた時間(とき)を埋める すべは何ひとつない
手放した恋を今 あなたも悔やんでるなら
やっと本当の さよならできる

また独りに返ったと 風の便りに聞いてから
忘れかけた想いが 胸の中でざわめく
手放した恋を今 あなたも悔やんでるなら
やっと本当の さよならできる
やっと本当の さよならできる

http://www.yooy.jp/singleagain.htm
83名無し物書き@推敲中?:04/09/12 22:43:07
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88名無し物書き@推敲中?:04/09/12 22:46:13
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89名無し物書き@推敲中?:04/09/13 22:51:55
a
90名無し物書き@推敲中?:04/09/13 22:52:38
お、串規制解けてたw
91名無し物書き@推敲中?:04/09/20 20:37:57
『わたしはピアノ』

人も恨やむよな仲が いつも自慢の二人だった
あなたとなら どこまでも ゆけるつもりで いたのに
突然の嵐みたいに 音を立ててくずれてく
涙が出ないのはなぜ 教えて欲しいだけさ
あなたから目が離せない ふたりして聞くわ ラリーカールトン
日だまりの中で抱かれ いつしか時の徒然に
思い出に酔うひまもなく 心から好きよと云えた
あの頃がなつかしくて 何もかも
アナタがいなければ 1から10までひとり
言葉もないままに生きてる くりかえすのは ただ lonely play

思いきり感じたままに 見せるしぐさ やさしくて
言葉じゃなくて態度で 解り合えてもいたのに mm--
男の人なら誰でも 細い肩を抱けばわかる
夜が恐いよな女にゃ それでいいのよすべて
おいらを嫌いになったとちゃう mm そんなことないわいな
この先どないせというのジャジ mm そんなこと知るかいな
辛いけど涙みせない 雨の降る夜には ビリー・ジョエル
情けない女になって しまいそうな時にはサンバ
ためいきが出ちゃうよな恋 静かに抱きすくめられて
焼けた素肌が今でも なつかしい
ひとしきり泣いたら 馬鹿げたことねと思う
ピアノに問いかけて みたけど ピアノに問いかけて みたけど
くりかえすのはただ lonely play lonely play

http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/watashiwa_piano.htm
92名無し物書き@推敲中?:04/09/20 20:55:57
『夜空ノムコウ』

あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな
夜空の向こうには 明日がもう待っている
誰かの声に気付き 僕らは身をひそめた
公園のフェンス越しに 夜の風が吹いた
君が何か伝えようと 握り返したその手は
僕の心のやらかい場所を 今でもまだ締め付ける
あれから僕たちは 何かを信じて来れたかなぁ
マドをそっと開けてみる 冬の風の匂いがした
悲しみっていつかは 消えてしまうものなのかなぁ
タメ息は少しだけ 白く残ってすぐ消えた

歩き出す事さえも いちいち ためらうくせに
つまらない常識など 潰せると思ってた
君に話した言葉は どれだけ残っているの?
僕の心の一番奥で  空回りし続ける
あの頃の未来に 僕らは立っているのかなぁ
すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ
このまま どこまでも 日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空が マドの向こうに続いている
あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな
夜空の向こうには もう明日が待っている

http://momo-mid.com/mu_title/yozorano_mukou.htm
93名無し物書き@推敲中?:04/09/27 01:15:59
94名無し物書き@推敲中?:04/09/27 13:57:44
『最初から今まで』

もう戻る事はない 戻るはずもない
「最後だよ」と そっとつぶやく
二度と会えないのなら 本当に忘れたいよ
溢れ出る 想いのすべてを
笑いたい時はいつも 僕を泣かせてしまうから
そして僕の心が 動かなくなる
逢いたいと想うたび 僕はボロボロに傷つく
忘れよう 忘れたい 忘れられない

二度と会えないのなら 本当に忘れたいよ
溢れ出る 想いのすべてを
笑いたい時はいつも 僕を泣かせてしまうから
そして僕の心が 動かなくなる
逢いたいと想うたび 僕はボロボロに傷つく
忘れよう 忘れたい 忘れられない

知らなかったよ 愛する事が
こんなに 苦しいなんて
笑いたい時はいつも 僕を泣かせてしまうから
そして僕の心が 動かなくなる
逢いたいと想うたび 僕はボロボロに傷つく
忘れよう 忘れたい 忘れられない

http://icemilk.moo.jp/hajimekara_imaamde.htm
95名無し物書き@推敲中?:04/10/01 00:19:57
著作権法違反
96名無し物書き@推敲中?:04/10/01 08:49:21
小さな親切 大きなお世話
97名無し物書き@推敲中?:04/10/09 21:53:02
『星空のディスタンス』

激しい風が今心に舞う「サヨナラ」はただ一度の過ちなのか
たとえ500マイル離れても夜が来てまた心は求め合うのさ
星空の下のディスタンス燃え上がれ!愛のレジスタンス
さえぎる夜を乗り越えてこの胸にもう一度・・・Baby, Come back!

カシオペアを見上げ夢を語るあの時の君の瞳忘れはしない
星空の下のディスタンス突き抜けろ!愛のレジスタンス
さえぎる夜を乗り越いは願いはひとつさ・・・Baby, Come back!

Five hundred miles 君に遠すぎて会えない辛さ Ah
耳をかすめるのは 君の声か泣いている 叫んでいる 思いはつのる
Wow Wow Wow 激しく吹く風に向かいあの街へ駆け抜けろ! 
急げこの愛・・・Baby, Come back!

http://www.kakky.org/midi/hosizora1.html
98名無し物書き@推敲中?:04/10/17 19:39:48
『夏をあきらめて』

波音が響けば 雨雲が近づく
二人で思いきり遊ぶはずの On The Beach
きっと誰かが恋に破れ 噂のタネに邪魔する
君の身体も濡れたまま 乾く間もなくて
胸元が揺れたら しずくが砂に舞い
言葉もないままに あきらめの夏
Darlin' Cant you see I'll Try to make it Shine
Darlin' be With me Let's get to be so fine

潮風が騒げばやがて雨の合図
悔しげな彼女とかけこむ Pacific Hotel
うらめしげに ガラスごしに 背中で見てる渚よ
腰のあたりまで切れ込む 水着も見れない
熱めのお茶を飲み 意味シンなシャワーで mm
恋人も泣いてる あきらめの夏
Darlin' Cant you see I'll Try to make it Shine
Darlin' be With me Let's get to be so fine

岩影にまぼろしが見えりゃ虹が出る
江の島が遠くに ボンヤリ寝てる
このまま君と あきらめの夏

http://homepage3.nifty.com/sinbunyadou/midi/room4/natsuwo_b.htm

99名無し物書き@推敲中?:04/10/18 22:55:32
若いな、と言われると例えそれが見てくれの事を指しての事と分かっていても
過剰に反応してしまう昨今だったりする。
「冗談じゃねぞ、この野郎! 若けえとか老けたとかって話をしてんじゃねえんだよ!」
とか言いつつ胴回し回転蹴りとか見舞いたくなる。裏拳とかエンピとかぶちこみたくなる。
わっはっはっ! やはり若いのか…… ショボンヌ
100名無し物書き@推敲中?:04/10/18 22:57:12
で、100Get!
101名無し物書き@推敲中?:04/10/20 22:11:00
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102名無し物書き@推敲中?:04/10/26 20:23:19
『いつのまにか少女は』井上陽水

いつのまにか青い空がのぞいてる
思いつめた黒い雲は逃げてゆく
君はどこで生まれたの、育ってきたの
君は静かに音もたてずに大人になった

白い膚が光に触れまぶしそう
髪の色は青い空に浮きたって
燃える夏の太陽はそこまできてる
君は季節が変るみたいに大人になった

いつのまにか“愛”を使う事を知り
知らず知らず“恋”と遊ぶ人になる
だけど春の短さを誰も知らない
君の笑顔は悲しいくらい大人になった
103名無し物書き@推敲中?:04/10/29 18:58:49
『シェリー』

シェリー 俺は転がり続けて こんなところにたどりついた
シェリー 俺はあせりすぎたのか むやみに何もかも 捨てちまったけれど
シェリー あの頃は夢だった 夢のために生きてきた俺だけど
シェリー おまえの言うとおり 金か夢かわからない暮らしさ
転がり続ける 俺の生きざまを 時には無様なかっこうでささえてる
シェリー 優しく俺をしかってくれ そして強く抱きしめておくれ おまえの愛が すべてを包むから
シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこに行けば 俺はたどりつけるだろう
シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに

シェリー 見知らぬところで 人に出会ったらどうすりゃいいかい
シェリー 俺ははぐれものだから おまえみたいにうまく笑えやしない
シェリー 夢を求゚るならば 孤独すら恐れやしないよね
シェリー ひとりで生きるなら 涙なんか見せちゃいけないよね
転がり続ける 俺の生きざまを 時には涙をこらえてささえてる
シェリー あわれみなど 受けたくはない 俺は負け犬なんかじゃないから 俺は真実へと歩いて行く
シェリー 俺はうまく歌えているか 俺はうまく笑えているか
俺の笑顔は卑屈じゃないかい 俺は誤解されてはいないかい
俺はまだ馬鹿と呼ばれているか 俺はまだまだ恨まれているか
俺に愛される資格はあるか 俺は決してまちがっていないか 俺は真実へと歩いているかい

シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう シェリー どこに行けば 俺はたどりつけるだろう
シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこに行けば 俺はたどりつけるだろう シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに
シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに

http://rei136.hp.infoseek.co.jp/midi/j-pop/sherry.htm
104名無し物書き@推敲中?:04/10/29 21:45:55
『ロッヂで待つクリスマス』

小さなつむじ風が 尾根をかけ降りるたびに 縞模様 広がる
月のゲレンデ 夢を見るように私はガラスにほほよせる
ゲームにはしゃぐ人も 炎見てた人もいつか おもてに出て
熱のある日は部屋に残された 子供の私がよみがえる すわってる
きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアを越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス

キャロルを口ずさめば わけもないなつかしさを 伝えたくなるから
町の誰かにカードを書くけど 素敵な言葉がうかばずに 目を閉じる
きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響き渡る花火の音を
ロッヂで待つクリスマス
  
銀の月の影を 抱きとるように
森も谷も越えて心は滑る
きっとちがう明日が訪れそうな
ロッヂで待つクリスマス
105名無し物書き@推敲中?:04/10/30 23:15:06
「あだし野の露、消ゆる時なく、鳥部山のけぶり、立ち去らでのみ住みはつる習ならば、
いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。命あるものを見るに、人
ばかり久しきはなし。かげろうの夕を待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし」

昨日は伯父の手術立ち会いを伯母に頼まれ、仕事を休み、一路埼玉へ向かう。
命長らえば恥多し、などと言う言葉もあるが現実的に考えた場合、果たしてどうだろう。
残されようとする者に達観などは遠き幻想の様に思われる。
六時間余りに及ぶ手術のために一旦帰された私と伯母だった。
幼い頃に訪れた事のある伯父宅の庭には鉢植えの菊が幾つも置かれている。
「今年の品評会は無理だね。でも来年は」
「きっと優勝ですよ」
伯母の呟きに、返した己の言葉が虚ろに響く。

午後。医師の言葉が冷たいリノリウムの床を這う様に響き渡る。
「進行癌です。リンパ節の転移も認められ、早ければ――」

帰路に就く道すがら泣けて仕方がなかった。伯母はたった一言だけ別れ際に、
「Sちゃんがうちの子だったらね」
と呟いた。
「親父と連絡は取れるんですか?」
尋ねたが伯母は黙っまま咲き誇る菊に視線を流しただけだった。
地元に向かいながら流した涙は、伯父や伯母に対する無念の情だけでなく、親父に対する
情けなさだったのかも知れない。
106名無し物書き@推敲中?:04/11/01 17:49:05
風呂上がり。チーズを摘みながらビールで一杯。
こんな時間から飲んでしまって良いのかしら、などとも思うが、ええい!構わん!明日は
休みだ。と自分に言い聞かせる。
早めに飲んで早めに寝る。それで良いのだ。
伯父もICUを漸く出られたらしいが、まだとても人と面会出来る状態ではないらしい。
腹と背中を切られた上に肋骨一本抜かれたのだから、それも当然の話だ。好きな酒が仇と
なってしまった訳だが、僅かでも体力が回復したら舐める程度で良いから一緒に飲んでみ
たいな。成人式の祝いやら何やら寄り付かない甥にも拘わらず本当に良くして貰ったし。
来週か再来週には嫁さんと娘の顔を見せてやろう。つうか出来れば来春の挙式まで頑張っ
て貰いたい。欲を言えば奇跡的な回復をみせて、後十年でも二十年でも伯母と仲良く暮ら
して貰いたいものである。
107名無し物書き@推敲中?:04/11/01 18:09:34
『学生時代』

蔦のからまる チャペルで 祈りを捧げた日
夢多かりし あのころの思い出をたどれば
なつかしい友の顔が 一人ひとり浮かぶ
重いカバンをかかえて かよったあの道
秋の日の 図書館の ノートとインクの匂い
枯れ葉の散る窓辺 学生時代・・・・・・

賛美歌を歌いながら 清い死を夢見た
何のよそおいもせずに 口数も少なく
胸のなかに秘めていた 恋への憧れは
いつもはかなく破れて 一人書いた日記
本棚に目をやれば あのころ読んだ小説
過ぎし日よ 私の 学生時代・・・・・・・

ロウソクの灯に輝く 十字架を見つめて
白い指を組みながら うつむいていた友
その美しい横顔 姉のように慕い
いつまでも変わらずにと 願った幸せ
テニスコート キャンプファイヤー 
なつかしい日々は帰らず
すばらしいあのころ 学生時代
すばらしいあのころ 学生時代・・・・・・・・・・

http://www.fk.urban.ne.jp/home/kazuaki3/utagoe-77.htm
108名無し物書き@推敲中?:04/11/01 18:10:04
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109名無し物書き@推敲中?:04/11/06 08:23:41
長引いた会議のせいで寝不足顕著。
色々あるけれど、こちらにはこちらの考えもある。
ようやく戦力と育てた若手スタッフを、
「はい、そうですか」
と簡単に手放す訳にはいかない。
巨人の様なやり方はやめて、自前で育てろ!と言いたい。言い張りたい。
110名無し物書き@推敲中?:04/11/08 21:06:42
『どうしてこんなに悲しいんだろう 』吉田拓郎
 
悲しいだろうみんな同じさ 同じ夜を迎えてる
風の中を一人歩けば 枯れ葉が肩で囁くよ
どうしてだろうこの空しさは 誰かに会えば静まるかい
こうして空を見上げていると 生きてることさえ空しいよ
これが自由と言うものかしら 自由になると寂しいのかい
やっと自由になれたからって 涙が出たんじゃ困るのさ
やっぱり僕は人に揉まれて みんなの中で生きるのさ

人の心は温かいのさ 明日はもう一度触れたいな
独り言です気にとめないで 時にはこんなに思うけど
明日になるといつものように 心を閉ざしている僕さ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/5602/column/dousite.html
111名無し物書き@推敲中?:04/11/12 22:11:05
『桜三月散歩道』井上陽水

ねえ、きみ。二人でどこへ行こうと勝手なんだが
川のある土地へ行きたいと思っていたのさ。
街へ行けば花がない。街へ行けば花がない。
今は君だけ、見つめて歩こう。だって君が花びらになるのは、
だって狂った恋いがさくのは3月。

ねえ、きみ。二人でどこへ行こうと勝手なんだが
川のある土地へ行きたいと思っていたのさ。
街へ行けば風に舞う。街へ行けば風に舞う。
今は君だけ、追いかけて風になろう。だって僕が狂いはじめるのは、
だって狂った風が吹くのは3月。

夏の日の夕方、学校から帰ると僕たちはみんな真っ白なシャツを着て
色のはげた貨物船のような倉庫のある細い道に集まり 
それから川のつつみに駆けのぼるんだ みんなで 影をつれてね
夕陽が太い煙突に 吸い込まれるまで影ふみをして遊ぶんだ
影をふもうとすると影は驚いた魚のように逃げたっけ 

ねえ、きみ。二人でどこへ行こうと勝手なんだが
川のある土地へ行きたいと思っていたのさ。
街へ行けば人が死ぬ。街へ行けば人が死ぬ。
今は君だけ、想って生きよう。だって人が狂い始めるのは、
だって狂った桜が散るのは3月。
112「神との再開」:05/01/31 23:43:50
 一月十六日。日曜日。
 時折思い出した様に降る零雨の中、弔問客が次々と訪れ、しかつめらしい顔つきで焼香
を済ませてゆく。
 親族の席の一角に腰を据えた私は、弔問客が辞儀をする度に辞儀を返す親族をよそに一
人ぼんやりと伯父の遺影を見つめていた。
 ――伯父さん、まだ年金も貰っちゃいねえじゃねえか。
 そんな事を胸裡で呟きながら深い溜め息を一つ吐く。
「面倒くさがらず、きちんと挨拶なさい」
 隣に座っていた母が小さな子供にでも言って聞かせる様な声音で囁き、私の腕を肘で小
突いた。仕方なく大儀そうに視線を弔問客達に流すと、その中に見覚えのある顔を見つけ
た。父である。と言っても今では何の関係もない赤の他人だ。順番が回ってきて焼香をす
る段になり、漸く母も彼の姿に気づき、複雑な表情をした。伯母が係の者に椅子を用意さ
せる。親族の末席に腰を下ろした彼は一瞬こちらに視線を流し、その後は何事もなかった
かの様に正面を向き続けていた。
 やがて読経が済むと僧侶の講話やら説経やらが始まり、功徳を積んだ伯父の人柄を偲ん
だエピソードを一つ二つ語り終えたところで肩の凝る通夜の行事は一通り終わった。
 別席で供養の飲食を終え、三々五々帰りゆく弔問客と擦れ違いながら親族用に設けられ
た部屋に移動し始める頃、母は飲み物を用意する近所の方達の手伝いをするために厨房に
消えた。
 私は所在なく部屋の一番奥に歩を進めるとそこに、どっかと胡座を掻いた。不謹慎だと
は思ったが苛々していたので直ぐに煙草に火を付けると、視線を上げた先に父が居た。
 何も俺の前に座らなくとも幾らでも席は空いているだろう、と思ったが、彼は躊躇う事
なく私の正面の席に腰を下ろしながらビールを一本抜いた。
113「神との再会」ですたw:05/01/31 23:44:54
「少しぐらいはいけるんだろう?」
 勧められたので仕方なく伏せてあったコップを手に取った。そして注がれたビールを一
気に飲み干す。そんな姿を見て父は薄らと笑みを浮かべ、手酌で熱燗を飲み始めた。
 ――そして長い沈黙。
 十歳を境に、二十歳頃に街で偶然出会した事を除けば、ただの一度も会った事がないの
だから話す言葉など何も見つからない。それは向こうも同じ様で、やたらと視線を泳がせ
ながら早いピッチで徳利を空にし、二本目の徳利に手を伸ばしたところで唐突に呟いた。
「お前、所帯持ったんだってな」
 私は肯定も否定もせず、ただ黙ったまま、新しい煙草を取り出してチェーンスモークした。
「よく吸うな。体に毒だぞ」
 そんな父の言葉に小さく舌打ちをする。
 ――今更、説教か? ただの一つも親らしい事をしてこねえで。
 そんな言葉が口を衝いて出て来そうになるのを必死に堪えていた。
「子供の頃はお喋りだった癖に、随分寡黙になったんだな? え?」
 からかう様に父が言った。が、私は何の返答もせずに立ち上がり、そのままトイレへゆ
く振りをして廊下で座が埋まるまで時間を潰していた。そして私が座っていた席に誰かが
座るのを見届けると廊下側の末席に腰を下ろした。
 その晩、私と母は伯母宅に泊まったが父の姿はなかった。後から聞いた話では、伯母と
共に寺に泊まり、交代で祭壇の灯明の守をしていたそうだ。
 翌朝、最寄りの駅まで家内を迎えに行った。勿論、赤ん坊は彼女の実家に預けて来てあ
る。風邪でも引かせたら一大事だからだ。同じ関東でも都会と校外では温度差がかなりあ
る。
114「神との再会」:05/01/31 23:46:16
 告別式が始まる前に彼女の方から、お父さんに挨拶がしたい、と請われたので仕方なく
父に会わせた。如才なく父は彼女の容貌や礼儀正しさを褒め、S(私の本名)には勿体な
いお嫁さんだ、などと普通の父親らしく振る舞っていた。
 そんな父の姿に私は複雑な思いが交錯し、二人をそこに置き去りにしたまま中座してし
まった。払拭する事の出来ない過去への反発や苛立ち、その一方で、むず痒い様な喜びを
感じている自分に対する気恥ずかしさだけがあった。
 暫くして、広い境内を散策していた私の許へ彼女がやって来た。
「これ」
 と言って差し出されたのは祝儀袋二つだ。
「結婚祝いと出産祝いだって。遅くなったけど受け取ってくれ、って」
 私は、ふんと鼻を鳴らして、
「告別式の日に縁起でもねえ爺だな」
 そんな事を言いながら、あらぬ方角に視線を振った。
「来月の挙式に招待したい、って言ったんだけどね、残念だけど来られないって。お父さ
ん」
「そうだろ。……昔からそう言う奴だった」
 私は何の感慨もない表情でそう呟き、面倒な父子の間を何とか取り持とうとする彼女の
肩に腕を回した。彼女は何か言いたげに私の顔を見上げる。こういう時の彼女の顔は、四
つも年下の癖に、私の目にはまるで姉か母の様に映る。世間向けに身に纏った鎧の中に隠
れる、脆弱な心を見透かされる様な瞳だ。だから私は視線を逸らし、かっちりとした鎧の
中に再び隠れた。信頼する相手にだって見られたくないものはある。いや、信頼する相手
だからこそ見せたくない弱さがある。
115「神との再会」:05/01/31 23:47:00
 結局、父とはその後何ら会話する事もなく、夕刻には告別式も恙なく終わった。祝儀に
対する礼を素直に告げられなかった事だけが重く心の底に沈殿し、帰路に就く道すがらも
母や彼女のたわいない会話に打ち解ける事が出来ず、終始押し黙っていた様に思う。

 彼は一瞬にして私を憂鬱にさせる。
 彼は一瞬にして私を狂喜させる。
 彼は嘗て私の父で、私の支配者であった。
 子供心にも尊敬し、崇拝していた。
 それは神に対する畏怖とさえ言って良く。
 善い事も悪い事も決めるのはいつも彼で。
 そこに身を委ねて居れば、それだけで安寧な日々が続いた。
 ――だが、神は死んだ。
 ――自ら死んでしまったのだ。


116「神との再会」:05/01/31 23:47:58
 くたくたに疲れ果てて帰宅すると、漸く現世に戻って来た気がした。時間は緩やかに流
れ、目の前にはリビングの見慣れた光景がある。一年前に彼女が持って来たアップライト
のピアノの上には、愛娘を含む私達家族の写真が所狭しと飾られている。
「お父さんが」
 背後で彼女が囁いた。
「Sに謝っておいてくれって。家に着いてから伝えてくれって頼まれたから」
「うん」
「ご祝儀も通夜の晩に直接手渡しかったみたいだよ」
「うん」
 私は何度も頷くとソファーに腰を下ろした。そして隣に座った彼女の顔を横目で窺う。
「式が終わったら、もう一人家族を増やそうか?」
「やっぱり男の子も欲しい?」
「どっちでも良いんだ。出来れば次も女が良いかな。男は……可哀想だ」
「何で?」
「何となく」
 そう答えると、私は曖昧に笑い、
「それじゃ家族作りの予行練習でもしようか?」
 戸惑った表情の彼女の腕を引いた。温もりが必要だった。
 そんな夜があっても良い。

 ――人間は神ではないのだから。


(了)
117名無し物書き@推敲中?
さて、自分の「青春の1ページ 」は、これで終了です。

後は何方かにバトンタッチします。
好き勝手に語っちゃって下さいw 

では……☆