腕枕では眠れない

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1MIKI
 目覚めた瞬間に始まった頭痛は、
ゆうべ飲みすぎたウォッカのせいでは、ない。
耳元で聞こえる子供のような寝息、反比例する黒く太い腕、
私の頭が、そこに載せられているせいだ。
もちろん、精神的なものなんかじゃあない。たぶん、
酔ってあまりにもぐっすりと眠ってしまったせいで、首が
妙な角度に曲がっていたのだ。
折れ曲がっていた耳たぶも、痛い。

カーテンを閉めることも忘れていた窓から容赦なく射し込む
のー天気な春の休日の太陽。10時頃、かな。
髪が男の腕の上を滑らないようにそっと左手で押えながら体を起し
ベッドに右肘をついて、男の顔を眺める。
こんな顔してたっけ。

月明かりの中で男の顔を見上げた瞬間、誰だっけ?と思ったら
おかしくなって思わず微笑むと、私の笑顔に気付いた男は
一瞬ためらい、そして笑った。
ぐじゃぐじゃになるほど−確かにそれは“ぐじゃぐじゃ”という表現が
ぴったりだった−酔っ払い、飲みすぎたせいで中途半端な快楽の
セックスをまるでアダルトビデオのように真面目に演じている自分たちを
私が笑ったのだと、男はそう思ったのだろう。
我々はお互いに違う理由を抱えたままげらげら笑って、いつまでも
いかないセックスを諦めて眠ったのだ。
2MIKI:01/11/15 02:28
ベッドを揺らさぬように慎重に抜け出した私の配慮など全く関係なく
男はぐっすりと眠っている。
カーテンを静かに閉めながら覗くどこまでも無表情なオフィスビル。
何故だか少し不愉快な気分になる。なぜだろう?
考えることが面倒だったのでわざと音をたててカーテンをぴったりと閉め、
冷蔵庫から出したミネラルウォーターを一息で半分ほど飲み干して
煙草に火をつけた。
二日酔いの朝の水は、まずい。どれだけ飲んでも、喉の渇きはおさまらない。
胃はまるで水分の吸収を拒絶しているようで、軽い吐き気がこみ上げてくる。
これはただの水だから、嫌がらなくてもいい。警戒しなくても、アルコールじゃあ
ないよ。心の中でそう思っても、私の内臓は私の言葉を理解しない。
お互いにお互いを損なおうとする、精神とカラダ。

少しずつ頭の回転が安定してくる頃になると、いろいろな言葉や
途切れ途切れの記憶がフラッシュバックのように浮かんでは消えて、
私は意味もなく立上り、またソファに沈みこみ、煙草を揉み消しては
また火をつける。うさぎ小屋の火事みたいな、ひどい匂いのする煙草。
しかしその不味さも深夜の2時に比べれば、レベル2くらい、かな。
だけれどまだ、携帯の留守電を聞く気には、なれない。
3MIKI:01/11/15 02:30
「おはよう。今何時?」
男が枕から髪の毛数本分ほど頭を持ち上げたまま目を細めて
こちらを見ている。
私はテーブルの上にあった彼のごつごつした腕時計を手にとり
「10時20分だけれど、まだ寝ていて。煙草を喫いに起きただけだから」と
言って顔を上げたのだけれど、男はその言葉をどこまで聞いていたのか、
既に枕に沈み込んで寝息をたてていた。

私はちょっと笑って、枕を抱えている男の黒く太い腕を眺めながら、
さっきまでの焦燥感や嫌悪感、居心地の悪さや、子供を見ていると
その無邪気さに苛つくようなあの感じが、いつのまにかこの部屋から
消えていることに気付いた。
ゆうべまで殆ど無関係だったこの腕は、今はもう気やすく触れることの
できる腕。

この男のことをどう思っているか、と訊かれれば
嫌いではない、と答えるだろう。
私は、よく知らない男と寝るほど愚かでもなければ、
よく知っている男としか寝ないほど賢くもない、そういう女だ。
そう思うと何故だか自分をひどく正直で純粋な生き物のように感じて、
素直な優しい気持になることができた。
そう思うしかないんじゃない?なんて反駁は、聞きたくない。
少なくとも今は、ね。

みき
こんなんばっかかよ
虎穴にアプしれ
コテハンは一人一スレ持たなきゃいけないらしいな……
もう、この際ローカルルールにすれ!
7そういえば:01/11/15 03:40
コテハンスレで成功してるのはシマだけかも・・・・・・・
漏れはマンコもけっこう好きだが…
マンコって(゚∀゚)のこと?
10MIKI:01/11/15 11:18
どこに書きこめばいいのかよくわからなかったので
教えてくれてありがとう。
わるくない
>マンコって(゚∀゚)のこと?
こいつ、こいつ。でも何か書いてんのかな…?
13(゚∀゚):01/11/15 20:36
マンコマンコって(゚∀゚)は女性器じゃないんだ。もっとエレガントに呼べ。(゚∀゚)(゚∀゚)
14(゚∀゚):01/11/15 20:39
わずかだが虎穴にも投稿した事がある。毒にも薬にもならんやつだ。
今は長編書いてる。ヽ(゚∀゚)ノ
15(゚∀゚):01/11/15 20:47
つーかマンコ。(゚∀゚)y-~~
16名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/04 11:12
「マンコ」改め「ムヮムゥクゥォ」
17名無し物書き@推敲中?:01/12/04 11:50
雰囲気が感じられてなかなか良いと思うけど、何気に句読点の打ち所が気になる。
そこが残念。
>1
ちょっといいやんけ、
もうちょい書いて虎穴かまたりに貼りなはれや、
オッオゥマッオマッ、オゥッムァンクゥォゥ……
20名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/06 17:43
腕枕で眠れないときは、腕の位置を工夫しましょう。
つまり、枕・頭・ふとんの間のすき間に、腕を持ってくるようにするのです。
そうすれば、あまり負担も感じることなく、すっきりと眠れます。

ただし、腕枕をする側は、それなりに大変ですが。
21名無し物書き@推敲中?:01/12/06 18:02
枕の高さは良い睡眠をとるための重要な要素のひとつです。
合わない腕枕の持ち主は、枕をしてくれなくてもいいです。
それはお互いのために。
guestguest
23名無し物書き@推敲中?:02/01/19 13:36
24名無し物書き@推敲中?:02/01/29 22:24
25名無し物書き@推敲中?:02/02/10 22:00
26名無し物書き@推敲中?