紗和子物語

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270紗和子:02/01/08 15:13
「紗和子から最初に親が決めた婚約者がいるって聞いたときは、
それを言ったときの素っ気ない紗和子の態度もあって、内心
婚約者のことを好きじゃないんだな、なんて思ったけど・・・」
それは違っていたとA美はいいました。

「紗和子って自分のことに関して自慢げになることがないじゃない?
成績よくても、何かスポーツしててうまくても、容姿ほめられても。
でも、Kさんのことはほんと、自慢っていうか誇りに思ってるのが
伝わってくるんだよね」
「自慢・・・? 」
そんな態度をしていたのでしょうか。わたしは暫く考え込みました。

「あ、Kさんが○大出てるっていうこととかじゃなくて・・・それは
あたしの彼氏とかが訊いたから紗和子が答えただけで。
紗和子にさ、Kさんの仕事について訊いたことがあったよね。
そしたらさ、紗和子は大まかに仕事の内容について話してくれた後、
『残業も休日出ることも多いけど、人の力になれたって実感できる
仕事らしいの』って言ったんだよ。そのときのね、紗和子の顔がね、
なんていうの、誇りに輝いてて・・・。あたし、それまで紗和子のそんな顔
見たことなかったから」
271紗和子:02/01/08 15:38
「それからもKさんのこと話すとき言葉や態度の端々に仕事のこと
だけじゃなくって尊敬が伝わってくることがあったし、紗和子、
卒業してから忙しいKさんの生活のサポートも嬉しそうにやってたし、
ああ、紗和子好きな人と結婚するんだ、よかったなって思ってたよ」

じっくり考えたことはありませんでしたが、確かにわたしはKの
仕事に取り組む姿勢を尊敬していました。
Kがあまり多くではありませんが、仕事のことを話してくれたとき、
Kの顔もまたやってきたことへの誇りで静かに輝いていたように
思います。

そして、K自身も尊敬していたといってもいいのかもしれません。
探究心があること、知識が深いこと、根気があること、それも尊敬
の対象ではありますが、なによりKはわたしには全くないものを
持っていました。
「なんで木登りしないの?」
「こわいから」
こわい、と正直に言える強さをわたしは持ってはいませんでした。
あのとき、その強さに憧れました。
272紗和子:02/01/08 16:01
「で、でも尊敬してたら好きだっていうの?」
すがりつくようなわたしの問いにA美はまた事も無げにいいました。
「尊敬イコール、じゃないかもしれないけど、尊敬できない人、
好きにならないでしょう」

A美の顔をじっと見つめるわたしの心の中にA美の言葉が降り
注ぎ、そして静かに沁み込んでいきました。
「尊敬のない恋愛なんて、勘違いかエゴか見栄だと思うけど」

そして、ゆっくりとわたしの苛立ちや怒りの理由が解き明かされて
いくのを感じました。
結婚祝賀会でのキス。年末のKの部屋でのキス。
「わたしのこと好きじゃないくせに」何度も叫んだあの言葉。

わたしは、自分の結婚についてずっと苛立っていました。
わたしは、Kに対してずっと怒りを抱えていました。
「わたしのこと好きじゃないくせに」結婚しようとするK。
「わたしのこと好きじゃないくせに」わたしが来ることを拒まないK。
「わたしのこと好きじゃないくせに」キスしたK。

わたしはKに「わたしのこと好きに」なって欲しいのに。
わたしはKのことが好きだから。
273紗和子:02/01/08 16:16
いつからだったのかわかりません。
Kが縁人に決定したとき「ふーん」と思ったのも事実です。
Sのことを好きだと思っていた気持ちも確かです。

でも、あの幼い日、Kの図鑑を汚したのはわたしだと勘違いされ
冷たく突き放されたときの鮮烈な胸の痛みを思い出すと、わたしは
あのころ既にKを好きになっていたのかもしれません。
こわいものをこわいと言えるKを、心のどこかで尊敬しつつ愛し
はじめていたのかも知れません。

一昨日、Kから携帯に電話があったとA美が言いました。
田舎の母にA美の電話番号は伝えてはありましたが、Kは
何と言って教えてもらったのでしょう。
「紗和子に会いたいって。うちに来たいって言ってたけど、
紗和子がいいって言わないとって答えといた」
274紗和子:02/01/08 16:32
今日は朝からA美はバイトに出かけていきました。
わたしはずっと考えていました。
考える、というよりはいろいろなことを思い返していました。

Kのこと、A美の言葉、T川さんの言葉、そして家のこと。

わたしは『紗和子を跡取りに』との曾祖父の言葉を「呪文」と
呼んできました。
わたしは運命に身を任せると潔いことを言っておきながら
その運命を呪い自分を不幸せな人間だと思っていました。
不幸せにしていたのは運命ではなく自分自身だと気づかずに。

愛されてもいない相手と結婚する自分の身を嘆くばかりで、
自分の気持ちに蓋をして、自分が傷つくのが怖くて、運命と
いう言葉に逃げて、無駄なプライドばかりを大事にして、
自分を不幸にしていました。
275紗和子:02/01/08 16:39
これから、Kに会いに行こうと思います。

T川さんの話は未だに信じられないというのが正直な気持ちですが、
わたしの気持ちだけは伝えようと思います。

Kは怒っているかも知れません。あの図鑑の件のときのように冷たく
突っぱねられるかも知れません。
怖いです。

でももう運命のせいにも誰のせいにもしません。
紗和子は意外と熱い女だったんだなーーー。。。
277(-_-):02/01/23 16:11
ツ、ツヅケテオクレヨ......
紗和子、きっと最後まで書いてくれるよな?
279age:02/02/04 00:13
age
280名無し物書き@推敲中?:02/02/17 00:51
いなかかえった?
初めて読んだが、フィクションなのか実体験なのか判断できないな。
乙女の頑なさ
283名無し物書き@推敲中?:02/03/23 00:14
284紗和子:02/03/24 05:50
今年の桜はとっても早いですね。
花霞に見惚れてしまいました。

今、東京にいます。
285名無し物書き@推敲中?:02/03/25 20:23
つづけれ
さわこ、かけ。
288名無し物書き@推敲中?:02/04/16 08:57
懐かしい。
ケコンシナカッタテコト?
290名無し物書き@推敲中?:02/04/16 19:32
紗和子age
291やどりぎ:02/04/17 23:12
無粋な上げ方しないでまとうよ。四月で忙しいんだよきっと。
サワコーカムバク
293名無し物書き@推敲中?:02/04/29 17:22
紗和子
さわこ、ごーるでんうぃーくもおわったぞい
梅雨がくるぞいー。
296名無し物書き@推敲中?:02/05/25 20:06
ワールドカップはじまっちゃったぞえ
九州は入梅だべし
299名無し物書き@推敲中?:02/06/14 04:47
ワールドカップみてるかーー?
300ヽ( ´∀`)ノ:02/06/19 22:14
300ゲット
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━(  )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!
301名無し物書き@推敲中?:02/06/30 12:07
302名無し物書き@推敲中?:02/07/16 03:22
さわこ、Kにフラレル→ここに戻ってくる ってのはどない?
さわっち…夏休みだよ
304名無し物書き@推敲中?:02/07/22 19:07
さわこストーリー
お盆が来るぞ。
306名無し物書き@推敲中?:02/08/02 01:53
佐和子逝去。
佐じゃなくて紗だろ
でも本名は佐がつくんじゃなかた?
309名無し物書き@推敲中?:02/08/24 04:57
夏が過ぎ〜
かぜあざみー
311名無し物書き@推敲中?:02/08/26 04:02
そっから先がわからないのか?>311 なんとかなんとかさまよう〜 だった気が
313名無し物書き@推敲中?:02/09/12 16:02
314名無し物書き@推敲中?:02/09/20 20:52
sawako
316名無し物書き@推敲中?:02/10/17 14:37
sawako
317名無し物書き@推敲中?:02/11/04 22:54
318山崎渉:03/01/06 16:18
(^^) 
319山崎渉
(^^)