結婚の日が近づいてきました。
Kはわたしと本当に結婚するんでしょうか。
わたしは本当にKと結婚するんでしょうか。
わたしは地方の地主の長女として生まれました。
10歳のとき、5人目の妹が生まれ、女ばかりの6人きょうだいと
なったとき、わたしが跡取りになることが決定しました。
Kはそのときからわたしの婚約者となりました。
わたしの地方では、婚約者のことを「縁人」(えんど)といいます。
ENDと同じ発音だということは少し皮肉ですね。
Kは、わたしのはとこに当たります。
Kの家は男ばかりの四人兄弟。Kは三男です。
Kが本家の跡取り娘の「縁人」になることを、Kの両親はとても
喜んだと聞いています。
Kはわたしより四歳年長で、東京の大学を出てそのまま役所に勤めて
います。
わたしが東京の大学に通うのを家族から許されたのも、Kが東京に
いたからです。
わたしは今春大学を卒業しました。
四年間住んだ女子学生会館を出て、今はマンションに一人住まいです。
マンションは親が借りてくれました。
Kのマンションから歩いて10分位の所にあります。
わたしは仕送りをして貰いながらいくつかの習い事をしています。
ウマレテコナケレバ ホントウハ ヨカッタノニ...
そんなこと言うな6。
少しだけ可哀想だろ!
この掲示板のことは先月知りました。
この年代にしては珍しいと思うのですが、わたしは携帯電話も持たず、
学校の授業で使う以外ではパソコンも扱ったことがありませんでした。
今はKのパソコンを使って書き込みをさせてもらっています。
Kは今日明日と出張でいません。
えへへへ。
きゃん。
きゃん。
きゃーん。
>>6 わたしに言ってくださっているのでしょうか。
末の妹がよくそういって母を困らせているので、ドキッとしました。
妹は、親戚から「あんたが男じゃなかったから、男が生まれるのを
本家は諦めて長女(わたし)を跡取にした」と言われて以来、そう
いうことを言うようになってしまいました。
>>7 ありがとうございます。庇ってくださって・・・。
アノコロノボクラガ ワラッテケイベツシタ ハズカシイオトナニ アノトキナッタンダネ...
わたしとKの縁組は、親族会議で決まりました。
10歳のわたしは、「Kちゃんになったんだ。ふーん」と思っただけ
でした。喜びも悲しみもそれから戸惑いもなかったように思います。
ただ、Kの弟のJとのほうが仲が良かったので、「Jちゃんじゃない
んだ」と思ったことも記憶に残ってます。
Jは、先月地元で結婚しました。相手はわたしの同級生でした。
大学何処なの?
>>9 わたしを騙るよりも、できればあなたの名前で語ってください。
>>11 詩?ですか?それとも歌ですか?
もし自作なら11さんは心から迸る何かをお持ちなんですね。
うらやましいような気がします。
わたしは平凡な人間なので・・・。
すぐ下の妹は家族の反対を押し切って、美術の専門学校に行きました。
ものになってもならなくても、自分の中で何かを作り出したいと
いう情熱を持っている人をわたしは羨みます。
>>13 女子大でした。
多くの同級生は就職活動に挑み、戦い、傷つき、疲れ果てていました。
傍観者でしかなかったわたしですが・・・。
ヨワムシノギゼンシャハ ボクノホウダッタヨネ
ソコカラワラエバイイ ダラクシテイクボクヲ...
学生会館を出てわたしがマンションに引っ越した時、Kは自分の
マンションの合鍵をくれました。
どうやら田舎の伯母の進言があったようです。
わたしの家族構成ですが、祖父、祖母、父、母、伯母(父の姉。
離婚経験者)、叔母(父の妹。未婚)、妹5人、そしてわたし、
となっています。
Kに合鍵を渡すように言ったのは、わたしが6歳のときに家に
帰ってきた父の姉でした。
同じ頃、伯母はわたしにも電話を入れてきました。
Kちゃんは忙しい人なのだから、家に帰ってきたときくらいホッと
させてあげなさい、習い事のない日や週末はKちゃん家に行って
家事をしてあげなさい、と伯母は言いました。
わたしはそのとおりにしました。
洗濯をし、掃除をし、食事を作り。
Kは多忙なので、滅多にその日のうちに帰ってくることはありません
が・・・。
習い事のない日や週末は家事をした後、そのままKのマンションに
泊まることがあります。今夜もそうです。
とはいうものの、わたしとKは手をつないだことすらありません。
普通かどうかわかりませんが・・・。
>>16 どうぞ、お好きなように迸る言葉を歌ってください。
わたしはKのマンションでは小さな和室に客用布団を敷いて寝ます。
結婚してからもそんな日びが続くような気がしてしまいます。
「退屈ならパソコンでネットでもやったら?勝手に使っていいよ」
というKのすすめで、わたしはインターネットの楽しさを知りました。
最初は料理のレシピ等を探していたのですが、この掲示板に巡り合い
ました。
衝撃でした。
わたしはこの掲示板にすぐに夢中になりました。
意見が、罵倒が、虚構が、あらあらしく飛び交う中に、たしかに
息づいている「真実」も見えました。
もう眠らなくてはいけません。明日は昼から習い事があります。
ネットを識って、わたしはすっかり夜更かしになりました。
寝るのが怖いのかもしれません。
最近、Sの夢ばかりみます。
Sは、わたしが中学のときに好きになった人です。
やーな女!!!!!
Sが紗和子の体にふれる。
やさしく、やさしく。
「いいわ、してあげるわ」
S「ことわる」
「じゃあして」
S「ことわる」
「どうしたらいいの」
「このスレから去ってくれ」
やっぱりなかなか寝付けず、またここに来てしまいました。
>>26 直接言われたことはありませんが、わたしのことをそう思っていた
人はいるのではないかと思います。
率直に言ってくださって感謝します。
都会で生まれ育った人からすると笑い話なのでしょうが、田舎に
いた頃、わたしは土地の有力者の娘だというだけで、多くの人から
特別な扱いを受けました。
同級生、下級生、上級生はわたしをちやほやし、土地の人はわたし
を誉めそやし、教師さえもが「えこひいき」とでも言えるような
扱いをし、同級生やその親たちからは(表立った)苦情も出ません
でした。
いちばん仲良しだったのはM子という同級生でした。
「さわちゃんは美人」「さわちゃんちはお金持ちでみんな
頭がいい」今思えばいつもそんなことを言ってくれていました。
ふんわりとした笑顔で。
何かとプレゼントや手紙をくれるのには困惑しましたが、わたしは
やさしい笑顔をいつも向けてくれるM子が大好きでした。
でも、それは
今となっては重苦しい思い出になっています。
「舞姫」というのをご存知でしょうか。
わたしの田舎では、秋祭りの「神祭」のときに、神社に奉納する
踊りを踊る娘のことをそう呼びます。
その年12歳になる、たったひとりの娘が選ばれ、踊るのです。
わたしはすんなりと「舞姫」に選ばれました。
>>27 すみません、見落としていました。
官能小説ですか?
わたしの名前を使ってくださって・・・おかしな感じですね。
Sとはそんな会話は当然ありませんでした。
Sとは同級生でした。
小学校も同じだったはずですが、クラスが違ったせいか、彼のことは
記憶にありませんでした。
中学で一番最初に隣の席になりました。
「○○○(わたしの家の屋号です)のお嬢さんの隣!」
とSはニッコリ笑いました。小さな子供みたいな笑顔でした。
現に当時のSは小学校中学年のようで、背たけはわたしの肩くらいで
声も高いままでした。
三年の間に背は追い越され、声も低くなっていましたが、真正面から
屈託なく微笑むことは変わりませんでした。
Sの夢をみたあとは、「困ったなあ」と必ず思ってしまいます。
何が困ったのか、自分でも答えが見つからないのですが・・・。
少し眠くなってきました。
せっかくのチャンスなので眠ります。Sの夢はみませんように・・・。
「舞姫」の話はまた書くことにします。
俺も麻衣ちゃんのことを思うと胸が痛むよ。
彼女は綺麗だった。
今でも夢に出てくる。
や、やりたかった。
この人はこの板で何がしたいんだろう?
カマッテ君の秘蔵ネタ公開とか?物語って事だし。
それともマリッジ・ブルーを含む漠然とした不安の
マジ激白を聞いて欲しいとか?
後者ならメンヘル板に移住した方がイイと思われ。
きっと住民も親身に話を聞いてくれるよ。。
>>32 まあ、そんな事言わずに聞いてあげようよ。松本君とかよりはましです。
「舞姫」の話が聞きたいな。
Kが出張から帰ってきました。
珍しく饒舌でした。
出張といっても金曜日の午後会議に出席しただけで、土日は上司につきあって
あちこち見て回っただけだったようです。
そこで名物だという「だんご汁」を頼んだら、想像していたものとはまるで
違ったものが出てきた(お団子ではなくきしめんを太く短くしたような麺の
ようなものが具沢山のお味噌汁の中に入っていたそうです)、とか、帰りの
飛行機で大学時代の恩師に偶然会ったとか、疲れも見せずKはいろんなこと
を話してくれました。
わたしはそのままKのマンションに泊まってこれを書いています。
今夜もなかなか寝付けません。
>>潤さん
男の人でもそういうことがあるんですね。
どんな夢をみられるのでしょうか。
わたしは、すれ違う夢ばかりみます。
たとえば、上りと下りの電車に乗っていて、わたしがSに気づく。
Sもわたしに気づき、あの屈託ない笑顔を向けてくれる。が、電車は動き出す。
そんな夢です。
>>32 「カマッテ」君というのは、「かまってほしくて仕方がない人」という
解釈でいいですか?
そうですね、「聞き分けが良く、手が掛からない」と言われてきた
わたしですが、心の奥底にはそんな自分がいるのかも知れません。
前述しましたが、わたしは「心の中から迸る何か」を持っている人に憧れて
いました。
わたしにはできないことでしたから。
そんな芸術家や文筆家には到底及びませんが、この掲示板を知り、わたしは
生まれて初めて、「物」を「語」りたいと思ったのです。
ご迷惑かもしれませんが、もう少し綴らせてください。お願いします。
>>一木島姫蔵さん
ありがとうございます。
偶然ですが、わたしの妹の中に「姫」という字を使った名前の子がいます。
四女で今高校一年生なのですが、よく可愛い便箋でわたしに手紙をくれます。
「東京」に強く憧れているようで、受験のときに「東京の高校に行く」と
言い出して一悶着ありました。
彼女は「イナカをにくんでる」んだそうです。
そういえば彼女も他の姉妹同様に12歳のときに「舞姫」に選ばれました。
「姫が姫をやるんだよー」なんて、あのころは無邪気に喜んでいたのに、
今は「イナカのなにもかもが嫌いで嫌いでならない」そうです。
「舞姫」の話の続きを書こうとしていたのですが、Kの目覚ましの音が
聞こえてきました。
出張の報告書を書くので今朝は早く出ると言っていたことを今思い出しました。
朝食を作らなくてはなりません。
続きは後で書きます。
イナカが嫌いかー。
田舎者としては痛いなー、とは思わないな(藁)。
今だとイナカと都会の区別って曖昧になってきているんじゃないかな。
僕は浜松が出身だけど、あんまりイナカと思った事は無いな。まあ、浜
松自体が地方都市って事もあるけど。
続編きぼーん。
あれから朝食を作りKを送り出し、あとかたづけをして
洗濯機を回していたらうとうとしてしまいました。
Sの夢は、みませんでした。
午後から習い事に出かけそのまま自分のマンションに帰って
しまったので続きが書けませんでした。
今日は午前中に買い物をしてここに来ました。
デパートの前に大きなクリスマスツリーが聳えていて、にぎやかで
楽しげなそれを名前に「姫」という字のつく高一の妹に見せて
あげたいな、と思いました。
最近、パソコンが自宅にもあればいいなんて思ってしまいます。
東京生活も残り少ないというのに、Kのパソコンがあるというのに、
贅沢ですね。
夕食の下ごしらえが済んだので、また少し書かせてもらいたいと
思いここに来ました。
>>一木島姫蔵さん
浜松は行ったことありませんが、浜松には祖父の友人がいて、時々
家に訪ねてきてくださることがありました。
その方は大変礼儀正しい(紳士的な)おじ様で、幼いわたしたちにも
素敵で珍しいお土産を持って来てくださることがあり、
わたしはなんとなく「浜松は都会なんだなあ」と思いました。
「舞姫」の話の続きを書きます。
12歳の夏休み、近くの川に妹達を連れて遊びに行き帰宅すると
わたしだけが座敷に呼ばれました。
座敷には、祖父と祖母、父、そして禰宜さん(土地の神社の神主のことを
そう呼んでいました)がいました。
「おお、紗和子、今年の舞姫に決まったぞ」祖父が微笑んでそう言いました。
ピンとこなかったのを憶えています。
襖のそばに正座して祖父たちのやりとりを黙って聞いているうちに
やっと何のことかわかりました。
少し遡りますが、小学四年の秋祭りのころ、M子がとても誇らしげに
わたしに言いました。
「うちのお姉ちゃん、神祭で舞姫をやるんよ」
二歳年上のM子の姉は児童会の副会長を務めていて、とても優秀だと
評判でした。
祭りの日、M子に誘われて神社まで「舞姫」を見に行きました。
装束を身につけ紅を差し舞うM子の姉の姿は、本当に神に仕える
ことを運命づけられた巫女のように凛としていて、とても普通の
12歳の少女に見えませんでした。
わたしは神々しいものをこの目で見れたことに素直に感激していました。
その2年後にまさか自分が同じ役を任じられるなんて夢にも思わずに。
そういえばその時傍らにいたM子が
「あたしも六年生になったら・・・」
と呟いていたような気がしてなりません。
「あの」舞姫に選ばれた・・・ということがようやく理解できた12歳の
わたしは二学期が始まると踊りの練習に追われるようになりました。
夕食の後、公民館まで母に付き添ってもらい(なぜかそういう慣わし
のようでした。その後わたしの5人の妹達もすべて舞姫になったので、
母は都合6回の秋を娘の付き添いとして忙しく過ごしたことになります)
禰宜さんの奥さんと前年の舞姫から指導を受けました。
衣裳合わせや試舞(リハーサル)のときには学校を早退しました。
そんなときM子は「がんばってー」とふんわりと微笑んでくれました。
舞姫に選ばれたことを最初にM子に話したときの記憶はありませんが、
M子は早退したわたしの分のプリントを預かっておいてくれたり、
「さわちゃんは色白で美人だから舞姫のかっこう絶対似合うよー」と
言ってしょっちゅう励ましたりしてくれていたことは憶えています。
蛇足ですが、わたしは確かに肌は白いほうですが、美人ではないと
思います。
神祭の当日、M子は他の同級生たちと連れ立って舞いを見に来てくれました。
わたしは間違えなかったことにほっとしながら踊りを終え、大人たちから
過分な誉め言葉を次々にかけてもらい、少し高揚した気分で母に連れられて
着替えるために境内を出ました。
伯母と叔母が駆け寄ってきて、身内としては恥ずかしいほど手放しでわたしを
誉め、写真を撮り始めました。妹たちもやってきてわたしの衣裳を触ったり、
「お化粧してるー」と不思議そうに顔を見たりしていました。
そこへ同級生の女の子たちも来てくれました。勿論M子もいました。
M子はいつものようにふんわりと微笑み、「すっごくきれいだったー。
写真できたら絶対ちょうだい!」と、言いました。
何度か催促があった後、わたしはM子に写真を渡したような気がします。
渡したことなどすっかり忘れていたのですが・・・。
その年の文化祭の準備が始まった頃、すぐ下の妹が占いの雑誌を
貸して欲しいと頼んできました。
文化祭で妹のクラスでは占い館をすることになったというのです。
当時、わたしたち小学生の女子の多くは「占い」が大好きでした。
「魔法」の存在を信じられる最後の年頃だったのかも知れません。
わたしも少女向けの占い雑誌を定期購読していました。
「カード占いの載ってた号を借りたい」と妹に言われ、その号は
M子に貸していたことを思い出しました。
わたしに頼まれた次の日にM子は雑誌を返してくれました。
家に帰り、妹がまだ帰っていなかったのでわたしは何気なくその
雑誌をめくりました。
開いたページに何か紙の切れ端のようなものが挟まっていました。
わたしはその紙片を手にとりました。
写真の切れ端でした。
石垣と髪の毛のようなもの、そして着物の肩が写っていました。
着物の色柄に見覚えがありました。
舞姫の衣裳でした。
わたしはそれを手にとったままそれが挟まっていたページに
目を落としました。
『のろっちゃえ〜!!にくいライバルをけおとすおまじない!』
という文字がありました。
「にくいライバルをけおとすおまじない」が幾つか紹介されている中に、
「あの子の写真を・・・と唱えながら銀のはさみで切って・・・」というもの
がありました。
わたしは頭は夢をみているようにふわふわしていながらもすっくと
立ち上がり、本棚からアルバムを取り出しました。
伯母たちが撮ってくれたわたしの舞姫の写真とその紙片を見較べました。
この切れ端は自分の写真の切れ端だ、と確認するのに時間はかかりません
でした。
その後卒業するまでM子は変わらずわたしの傍にいてふんわりと微笑んで
くれましたが、わたしはM子がやさしくしてくれればくれるほど、どこか
後ろめたいような気持ちになり続けました。
M子とは中学で別々のクラスになり、徐々に離れていきました。
これが「舞姫」にまつわるわたしの思い出でした。
あのときまで、わたしは人の心の奥まで推し量ることを識りませんでした。
ことばも態度も伝わってくるそのままに受け止めていたちいさな子供でした。
Kは今夜も遅いようなので、先に食事をとることにします。
今夜は天ぷらです。衣はつけてあるので後は揚げるだけです。
Yが「天ぷらとか食いてー」と言っていたので、思いつきました。
Yというのはわたしと同い年の友人です。電機メーカーの子会社に
就職しています。一人暮らしで、いつもきゅうきゅうとしている
ようです。
時々思い出したように電話をくれます。昨日の夜もかけてくれました。
数少ない男友達のひとり、いいえ、唯一の男友達かも知れません。
49 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/13 19:53
男友達というと
50 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/13 23:44
boy friend
51 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/14 04:03
反応あまり良くないけど楽しく読ませてもらってます。
近々郷里に帰られるらしいですけど、何を言われてもめげずに
頑張ってらっしゃるので、最後まで語って頂きたいです。
Mとのその後の人間関係が気になります。
返事送れてすまそ。
怖いなー。こうやって友情は崩れていくのか……。
M子さんはどういう思いでこんな事をしたのか分からんけど
(ひょっとすると、ただの軽はずみだったのかもしれない。
けど、「占いを信じていた最後の年代」って書いてあるとこを
見ると……)、いずれにしてもひびが入った事は事実だよな。
変なホラー小説よりも怖かったりする、この話。
「ボーイフレンド」というのは(「彼氏」のように)親密さを含んだ
呼び名だと思いますが、Yは東京に来て知り合った男の子の友達の中
で構えずに話せる唯一の人だというだけです。
わたしには「縁人」であるKがいますし、もちろんそのことはYも
知っています。
>>51 嬉しいです。ありがとうございます。
M子とは小学校卒業後親しく付き合うことはありませんでしたが
その後中学時代に一度だけ関わることになったことがあるので、
後で書こうと思います。
>>一木島姫蔵さん
軽はずみだったのかも知れませんね。わたしもそう思いたいです。
もしも明るく冗談めかしてM子に尋ねたら「悪ふざけ」として片づく
かも知れないと当時思いましたが、どうしてもどうしてもうまく訊く
自信がわいてきませんでした。
昨夜はKのマンションで天ぷらを一人で食べた後、自分の
マンションに帰りました。
Kは昨夜も帰宅は0時を過ぎたようです。
Kの分も揚げておいた天ぷらは手つかずでした。
きすの天ぷらはマリネにでもしようかなと思います。
昨夜またYから電話がありました。二日連続とは珍しいことです。
所属する課(部、かもしれません)の忘年会の景品を選ぶのを
手伝って欲しいとのことでした。
「12月にはさわちゃんのおめでとう会もしなくちゃな」
と言ってくれました。
『お別れ会』と言われなかったことを嬉しく思いました。
中学一年の冬のことでした。
校内放送で会議室に呼ばれたわたしは、学年主任の教師から
M子と親しいのか、と尋ねられました。
小学生の頃は同じクラスだったので仲良しだったと話すと
教師は、今はさほど親しくないのだなと念押しするかの
ように訊きました。
わたしが訝しく思いながらもハイ、と答えると教師は安堵
したようにため息をつきました。
「M子さんがどうかしたんですか」
わたしはつい尋ねてしまいました。
クラスは別々になりましたが、規模の小さい田舎の中学のこと、
小学生のころとM子の様子が変わっていたことは知っていました。
制服や靴下や髪は明らかに校則に背いていましたし(微妙に
背いてる人は多くいましたが)、廊下で見かけるときはいつも
上の学年の人達と一緒で、大きな声で話したり笑ったりしていました。
遅刻や授業に出てこないことが多い、とM子と同じクラスの人に
聞いたような気もします。
様子は変わりましたが、M子はたまにわたしに気づくと化粧の
下に例のふんわりとした笑顔をつくって先輩たちとの輪の中から
「さわちゃーん」と手を振ってくれました。
わたしも振り返しましたが、いつもそれだけでした。
きすの天ぷらのマリネ……(゚Д゚)ウマソー
中学の時代ってのは、やっぱこういう時代なんだろうな。
今なんか、小学生向けの化粧品もあるとか無いとか言うけど、当時は、今よりも
ずっと厳しかったな。僕は今年二十歳だけど、やっぱり、化粧したとかしないで
生徒指導に呼び出されていた女子生徒がいた。化粧ぐらい、どうって事無いと思
うんだが……
安堵する教師、ってすげえ嫌だな。自分の成績に傷が付きたくないっていう姿勢
が見え見えで(もし、その教師がいつもはいい先生だったりしたらすいません)。
でも、ああいう一件があって、中学になってからは、紗和子さん自身はM子さん
をどう思っていたの? やっぱり、もう離れていこうと思ってたんですか?
週末は自分のマンションに泊まり、土日はKの部屋に来ていたのですが、
昨夜はKがパソコンを使っていたのでここには来れませんでした。
>>一木島姫蔵さん
きすの天ぷらのマリネの味は、まあまあでした。
(セロリがなかったのでいまひとつ味がしまらなかったような気がします・・・)
M子とは小学校卒業までは表面上は変わらずつきあったと思いますが、
わたしは、M子がいつか柔らかい笑顔を拭い取って銀の鋏のような攻撃を
しかけてくるのではないか・・・といつも内心おびえていました。
そして、M子の行為に気づいてしまったことに、M子をもう「優しい友達」
と思えなくなってしまったことに、罪悪感のようなものを持っていました。
小学校卒業まで、ずっと苦しかったです。
卒業するときわたしのサイン帳に「卒業してもずっとずっと親友だよ」と
書いてくれたM子のサイン帳にわたしは何と書いて返したのか憶えていません。
突き放したりあからさまに離れていくようなことをしなくても、中学で
クラスが別れ、別の部活に入ると、お互いの距離は自然に離れていきました。
そしてあのM子への恐怖心や申し訳ないような気持ちを感じる機会もなく
なっていた頃、学年主任に呼び出されたのでした。
M子がどうかしたのか、つい尋ねてしまったわたしに、学年主任の
教師は答えました。
「絶対に他の奴に言うなよ。・・・実は困ったことになった」
教師からM子の話を聞いたわたしは、その日帰宅するとすぐに自分の
部屋に行き、机の引き出しを開けました。
わたしは記憶を辿りながら文房具や雑誌の付録やシールがあれこれ
並んでいる中から、小学生のときにM子が「あげる」と微笑んで
わたしにくれたものだけを選んで取り出しました。
そのときの自分の指先が震えていたことを思い出します。
前述したことがありましたが、M子は小学生のときよくわたしに
「プレゼント」といっては物をくれました。
わたしはその都度誕生日でもないのにもらえないと断りましたが
「親戚の人がくれたから」「お姉ちゃんがくれたから」「親友
だからおそろいで持とうよ」と押し切られ、受け取っていました。
机の上に並べられた「プレゼント」は、とてつもなく高価なものは
ありませんでしたが、鉛筆やシャープペンシル、ノートに紙バッグ、
アイドルの写真、(雑貨屋で売っているような)指輪・・・いろんな
ものがありました。
わたしはその品々から目をそらすと、机の横にあるゴミ箱を
見つめました。
じっとゴミ箱を見つめながら教師の話を思い出していました。
さっきKが起きてきて風邪をひいたようだと言ったので、熱をはかったり
薬を出したりしていていました。
続きは後日書かせていただこうと思います。
うーんなんか分かるな。
「わたしは、M子がいつか柔らかい笑顔を拭い取って銀の鋏のような攻撃をし
かけてくるのではないか・・・といつも内心おびえていました」
俺も友人がいつ裏切るんじゃないか、ってハラハラする時があるな。まあ、友
人が少ないからって事もあるけど。それにしても「銀の鋏」って表現は素晴ら
しいな。俺にはこんな綺麗な表現できないや。続きの方法もうまいなあ。早く
続編が読みたい。
ちなみに、僕は風邪をひいても、一人でパブ論飲みますです……
Kの風邪は幸い小康状態で、今日は午後からお勤めに行けました。
帰ってきてからまた少し咳き込んでいましたが・・・。
>>一木島姫蔵さん
わたしも風邪ひいたときはパブ論飲みます。
Kは縷縷を飲むということを昨日知りました。
中一の冬の話の続きを書きます。
教師は会議室で声をひそめてわたしに言いました。
「M子がな・・・入院した」
わたしの驚きはあまり表情にはあらわれなかったらしく、教師は
「なんだ、知ってたのか。お前の家は情報が早いだろうからな」
となぜか残念そうに言いました。
「知りませんでした」
と答え、入院について訊こうと口を開いたわたしを遮るように教師が
尋ねてきました。
「M子に何かもらったことあるか?」
入院の話とその質問がつながらず、わたしが困惑の表情を浮かべると、
教師は「化粧品とか、ゲームソフトとか・・・」と言いました。
化粧品やゲームソフトを貰ったことはないけれど、小学生のころに
貰ったものは何だったっけ・・・と思い出そうとしていると教師は
「ああ、もらったことがないならいい」
と勝手に判断して話を続けました。
聞かなきゃよかった。そう思いました。
わたしが聞いたところで、どうすることもできない話でした。
教師は、M子が入院したのは頬骨の骨折のためだと言いました。
父親が殴ったのだそうです。
わたしは何度か会ったことのあるM子の父親を思い出していました。
隣町の小学校の教諭で、おとなしそうな人でした。
70 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/20 03:07
詳しくはありませんが、そのころ新しい家庭用ゲーム機(『スーパーファミコン』
だったと思います)がわたしの田舎でも出回り始めていました。
土地で唯一プラモデルやゲーム機などを扱っている店がありました。
M子はそこで家庭用ゲーム機をお金を払わずに持っていこうとして、
店主に捕まったのです。
そんな大きな物をどうやって・・・と思いますが、店主夫人が他の客の対応
をしている隙に商品棚から抱きかかえて持って店を出ようとしていた
ところを、外から店に入ってきた店主に見つかったというのです。
夏休みにもその店でM子はゲームソフトを鞄に入れたところを見つかった
そうです。その時はM子が泣いて平謝りして返したので店主は不問にした
らしいのですが、今回は再犯で商品も高価ということでM子の父が呼ばれ
ました。
田舎のような狭いコミュニティーでは、できるだけ事を荒立てないように
片付けようとする傾向があります。
しかし、今回ばかりは店主も黙ってはいませんでした。
M子の父親に、夏休みのゲームソフトの件ばかりか小学生の頃からM子が
店内で不審な行動を繰りかえしていたことを伝えました。
M子は家でTVゲームをしませんでした。特に興味を持っていたふう
でもなかったようです。
父親に問いただされたM子は口を開きました。
仲良くしている二年生の男の先輩に「プレゼント」したかったのだと。
店主に謝罪しM子を家に連れ帰った父親は、さらにM子を問い詰めました。
そして、M子が玩具店ばかりか文房具店、雑貨店、薬局などでも盗みを
繰りかえしていたことを知ったのでした。
そして、その殆どの品々がM子が親しく付き合っている「先輩たち」に
渡っていたことも。
『先輩に脅かされて万引きをさせられていた』と思い込んだM子の父親は
何人かの「先輩」の家に怒鳴り込みました。
しかし、どの「先輩」も困惑した表情を浮かべ、一様に「M子があげると
いって持ってきたから貰った」と答えたのだそうです。
M子の父親は最後に訪ねた二年生の女子(M子からマニキュアや口紅を
「プレゼント」されていたそうです)から、さらに衝撃的なことを聞か
されました。
そして、家に帰るなりM子を殴ったのです。
M子は、モノばかりでなく自分の身体も男の先輩たちに「プレゼント」していました。
教師がわたしになぜそこまで話したのか今でもわかりません。
その後、その話はあっという間に地域にも学校にも広まりましたが・・・。
わたしは結局、小学生のときにM子から「プレゼント」された物を
ゴミ箱に捨てることはできませんでした。
でも「隔離」でもするように空き箱に入れしっかりと蓋をして・・・
あまり憶えていませんがたしか納戸にしまったはずです。
今もわたしの田舎の家の納戸にあの「プレゼント」の品々はあると思います。
沙和子の方が壺を押さえてて面白いなw
ガ珍コ3流作家みたいな切り方もしないし(プッ
>>77 感想を頂けて、嬉しいです。
よろしければ『ガ珍コ3流作家』の意味、教えてください。
Kの風邪は同じところに停滞しているといった感じで、
咳き込み出すと止まりません。
仕事から帰ってきて雑炊を少ししか食べなかったので
「桃缶の桃、食べる?」
と訊いたら、林檎がいいという答えが返ってきました。
Kの家では風邪の時には林檎が定番だったようです。わたし
の家は桃でした。
十三年も「縁人」ですが、Kが風邪のとき飲む薬も食べる
果物も知りませんでした。
そういえば、好きな食べ物や好きな本のジャンルや好きな音楽の
ジャンル等も知りません。
夜長のつれづれに推測してみました。
Kの好きな食べ物
炊き込みご飯や混ぜご飯のときはたくさん食べてくれるので、
かやくご飯が好き。だと思われる。
Kの好きな本のジャンル
本棚を見る限り、「三国志」「織田信長」「宮本武蔵」などが
並んでいるし、確か小学生の頃豊臣秀吉の偉人伝の読書感想文で賞状
をもらっていたような記憶もあるので、歴史物が好き。だと思われる。
Kの好きな音楽のジャンル
棚に並んでいるCDを見る限り、日本人の歌手のものは「ウルフルズ」
一枚しかなかったので、とても大雑把に言うと外国の音楽が好き。だと
思われる。
あらためて、わたしってKのこと知らないんだなあと思いました。
Kもきっとわたしのこと知らないんだろうな、と思いました。
>>79 俺も歴史物は好きだなあ。
このスレ見てると普通の人にもドラマはあるなあ、って感じる。
変な私小説より面白いよ。
桃、林檎……俺はなんだったろうな。黄桃かな、缶詰の。
今でも無性に食べたくなる事がある。
でも、5000万円を恐喝したような厨房と違って、M子さんにあんまり
怒りは覚えれないなあ。どうしてM子さんはそういう事をし続けたん
だろう?
>>一木島姫蔵さん
わたしもM子に対して怒りのようなものは感じませんでした。
けれどM子の心の中にある他人には計り知れない深い闇や
激しい嵐が中学一年生のわたしにはとても恐ろしく悲しく
感じられました。
田舎でのM子への論調も同情的なものだったように思います。
M子の家は教育者一家で躾に厳しく、優秀だと評判の姉といつも
較べられていたため、他人の関心を惹きつけようとM子はあんな
ことを繰り返した―というように。
罪を犯し身を投げ出してまで関心や情を乞う・・・わたしにもいつか
そこまでせずにはいられない時が来るのでしょうか。
高校一年の妹から手紙が届いていました。
あいかわらず「イナカ大っきらい」なようですが、文化祭の
話は弾んだ調子で書かれていて、学校生活はなかなか楽しい
ようです。
末の中学一年生の妹に彼氏ができたらしいなんて書いてあって
少し驚きました。
帰省するたびにすくすく背が伸びて話すこともずいぶんと生意気
になってきてはいましたが・・・。
冬のお風呂上りに、妹を膝に乗せて炬燵に座るのが好きでした。
赤い小さなはんてんを着てほっぺを真っ赤にした妹の全身は
ほかほかで、少し湿ったさらさらの髪の毛からはいい匂いが
しました。
そういえばわたしがSを好きになったのも中一でした。
わたしのほうは片思いでしたが・・・。
84 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/21 21:44
僕が好きになったのはW子さんで黒初でぽっちゃりしています。
かわゆいです。
SAWAKO〜思い通りに〜SAWAKO〜生きてごらん〜♪
それが悲しい恋いでもいい〜笑い方も忘れたときは〜思い出すまでそばにいるよ〜♪
>>84 W子さんと想いは通じ合ったのでしょうか。
恋をする男の人の文章もとてもかわゆいです、ね。
(可愛いと言われるのが嫌でしたらすみません)
>>85 優しい歌、ありがとうございます。
思い通りに生きられたら・・・。どんなにいいでしょうね。
でも、もしわたしが突然「思い通りに生きてもいいよ」
と言われたら、足元の床がふっと消えてしまったような
気持ちになってしまうかも知れません。
いいなあ。妹や姉がいるってのは。
うちは生意気な弟が一人いるだけだから、いつも喧嘩ばっかし。
一人暮ししているから、最近は滅多に会わないけど。
それに比べると、姉とか妹がいるってのは羨ましく思う。
もっとも、自分勝手な幻想なんだろうけど。
88 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/22 16:11
>>86 なんでこの板でこんなのやるの?
たのしい?
89 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/22 17:31
>>88 「物語」だって沙和子が書いてんだろ。
創作文芸以外のどこでやれってんだよ。
俺は面白い。
オレ達もここに書き込む事によって物語の登場人物になってるんだな。
91 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/23 00:21
紗和子>沙和子?
語り部の配役変更については触れてはいかんのかぃ?
>>一木島姫蔵さん
わたしは男兄弟に憧れました。兄的な存在はKの兄弟が近所にいたので、
特に弟に。楽しそうですが、幻想かな。
(年の近い妹とは小さい頃は喧嘩もしましたが)妹達も本当に可愛いです。
>>88 たのしい・・・のかどうかわかりませんが、心を込めて綴らせていただいている
ので、ここをとても大切に思っているのは確かです。
>>89 ありがとうございます。
「物語」として読んでいただけて、ほっとしています。
>>90 そうですね。この掲示板を識ってわたしは初めて「一期一会」の意味を
身を持って知ったような気がしています。
>>91 お恥ずかしいです。
ここでは「紗」を使おうと決めていたのに、ついつい使い慣れた文字のほうを
入力してしまっていたようです。
これからは「紗和子」で統一します。
「一期一会」を大切にするように、といつもわたしのお茶の
先生がおっしゃっていました。
お茶の大まかな作法は、心得のある伯母からも小さい頃から
教わってはいたのですが、正式に先生について教わったのは
高校生になってからでした。
初めてお稽古に行ったとき、その年代の人にしては背が高くて
凛とした老婦人の先生を前にわたしは『厳しそうな人だ』と
緊張しました。
挨拶を終えると先生はわたしに
「紗和子さんは多少心得がおありなのね。どんな形のお茶碗が
好き?」
と訊かれました。
「輪形(りんなり:ご存知かもしれませんが、丸いお茶碗です)
が好きです」
とわたしが答えると、先生は
「そう。きっとあなたの心もまろやかなのね」
とにこっと微笑んでくださり、わたしはものすごく恐縮しました。
実はそのとき知っていたのは、伯母が愛用していた「輪形」と
「天目」 の二種類だけだったので・・・。
わたしは先生が「一期一会」のお話をしてくださるたびに、
Sのこと を思い出しました。
Sとは中学三年間同じクラスだったので、『一会』と称するには
長すぎるのかも知れませんが、わたしにとってSと同じ場所に
居ることができた日々は、それこそあっという間に過ぎていった
二度と戻らない特別な日々でした。
Sのことは広く解釈した「一期一会」ですが、この掲示板での人との
出会いは、「一生に一度この場所でしか出会えないような不思議な縁」
という意味ではまさに「一期一会」だと思います。
一会一会を大切にしたいです。
「好きな奴、いないのか?」
春のことです。Kが合鍵を渡してくれたときにそう言いました。
何言ってるのーなんてわたしは笑いましたが、Kはどういうつもりで
あんなことを訊いたのでしょうか。
そういえば訊かれたとき、一瞬だけ中学時代のSの姿が頭をよぎった
気がします。ほんの一瞬だけ。
今日はKの同僚という人に会いました。T川さんという人です。
Kは今日、まだ少し咳きこむというのにT川さんとゴルフに行きました。
その帰りにKのマンションに寄って、KとT川さんとわたしで夕食を
とりました。
T川さんは大きな体を揺すって朗らかに笑う人でした。
Kの婚約者だというわたしにずっと会いたかったと言いました。
来訪の30分前にKから連絡が入ったので、大したおもてなしは
できませんでしたが、わたしが作った普通の料理をおいしい
おいしいと食べてくださいました。
「何代も続いた地主の跡取り娘っていうから、カカア天下に
なりそうな気の強そうな人を想像してましたけど、全然違いました!」
とT川さんに言われたとき、『わたし、本当は、とっても気強いんです
けど・・・』と思うよりなにより「カカア天下」という単語がわたしの耳に
残って、『わたしって本当にKと結婚するんだな』と信じられないような
気持ちでいました。
KはT川さんがわたしを誉めてくださるたびに、「まあな」「いやあ」
なんて薄く微笑みながら答えていましたが、内心はわたしと同様に
『俺って本当に紗和子と結婚するんだな』と、浅い眠りの中で辻褄の
合わない夢でもみているような気持ちだったのかも知れません。
>>96 佐和子さん
>>75の文章について何か書こうとしてくださって、途中で
送信してしまわれたんでしょうか。
もしそうなら、もう一度続きを書き込んでいただけると幸いです。
『ミノタウロスの皿』という漫画をご存知でしょうか。
Kの本棚で藤子・F・不二雄さんの短編集を見つけました。
その中の一編です。
「小さいころ 虫歯を抜いたの」
「とってもこわかった 同じことよ」
『死』をそんなふうに喩えたミノア。
『死』と『結婚』は較べものにはなりませんが、そのミノアの
喩えに『結婚』をあてはめて、自分に言い聞かせているわたしが
いました。
結婚も、虫歯を抜くときみたいなもの。大丈夫、大丈夫、と。
『大丈夫』なんて言葉、好きじゃないのに。
>>99 僕はその漫画を読んだ事無いが、巧い喩えだな。
藤子F先生はドラえもんとキテレツ大百科しか読んだ事が無いのに今、
気づいてしまった……。
101 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/26 18:04
サワコさんて、もしかして・・・
102 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/27 04:32
劇画オバQ!おもしろいYO!
103 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/27 05:40
藤子FのSF短編集は文庫本にもなってるけど絶対見たほうがいいよ。
めちゃくちゃ面白い。天才的だね。俺が言うとあれだけど。
手塚治虫と並び尊敬している。
>>100 一木島姫蔵さん
わたしも藤子・F・不二雄さんといえば小さい頃から愛読して
いた『ドラえもん』という印象を持っていました。
『キテレツ大百科』を知ったのはアニメーションで、未だ漫画
では読んだことがありません。
そういえば、妹達とコロ助(表記が間違っていたらすみません)
の喋り方(〜ナリ)を真似ていて伯母に注意されたことがある
のを思い出しました。
6人の女の子が食卓のあちこちで「お漬物はないナリか」
「お醤油とってほしいナリ」といっているのですから、
さぞかしましかったことだと思います。
「ドラえもん」も素晴らしいですが、102さんや103さんの
おっしゃるように、短編集のお話もとってもよかったです。
思わず涙ぐんだものもありました。
機会があったら読まれることをお薦めします。
>>101 「もしかして・・・」の続き、
想像しようにも無数の言葉が浮かんできてしまいます。
>>102 『ミノタウロスの皿』と同じ短編集に掲載されていたので
読みました。
「おもしろうて、やがて・・・」といったお話でしたね。
>>103 偶然にも、昨日文庫本のSF短編集を買ってきて読んでいました。
103さんがおっしゃる通り、「めちゃくちゃ面白」いです。
手塚治虫さんもそうですが、新作はもう出ないんだ、と思うと
残念です。
音のない夢をみました。
眩い中、提灯だけがずらりと紅く灯っていました。
わたしは盆踊りの輪の中にいました。
Sは輪の外の暗がりにいました。
わたしの田舎の盆踊りの踊りは、ゆったりとした単純な動作が
繰り返されるものなのですが、それよりもさらにゆっくりと夢の
踊りの輪は進んでいました。
わたしは踊りながらSを見ていました。
Sも静かな表情でわたしを見ていました。
お盆にお神輿はないはずなのに、Sは秋祭りのときの半被姿
でした。
わたしがSに失恋したときにもSはあの青い半被を着ていました。
「他に楽しいこともないからなんじゃない」と三番目の
妹が言っていたことがありましたが、わたしの田舎は
お祭りが多いような気がします。
初夏から秋の終わりまでにお盆を除いて規模は違いますが
6つほどのお祭りがあります。
中三のとき、わたしが失恋したのは秋祭りでした。
舞姫が踊る『神祭』ではなくて、自然の神々に収穫を
感謝する収穫祭の『天土祭』(てんどさん、と地元の
お年寄り達は呼んでいます)というお祭りのことでした。
hoshigaki
taberu?
中学一年生で最初に隣の席になってから、席換えの度に不思議な
ことによくSのそばの席になりました。
Sは屈託なく笑う男の子で、驚いたり感心したりするときの態度も
とても素直で、その素直さにわたしは最初驚きました。
「さわこって・・・まつげ、長いんだなあ」
自習中に隣の席からしみじみとそう言われたときは、びっくり
しましたが、あまりにも感心したような顔をしていたのでつい
笑ってしまいました。
(因みにわたしの田舎の小学校、中学校では、男子が女子を、
女子が男子を呼び捨てで呼ぶのが普通でした)
わたしはそれまで大げさに誉められるのは好きではなかった
はずなのに、絵や作文で賞をもらったときや成績が良かった
ときにSに「すっげー」「さすが」と屈託なく微笑まれると、
嬉しさを感じました。
「やっぱさわこだろ」
委員に推薦されるのは小学生のころは何となく重荷でしたが、
Sにそう言って推されると、まあいいか、と感じました。
そのころはSのことをちょっと生意気でかわいい(本当は
同級生ですが)年下の男の子みたいに思っていました。
>>107 hoshigaki,sukidesuyo.
小さい頃よく祖母が干していました。
まだ橙色のなまなましいときに口に入れてみたかったけど
勇気がなくて試したことはありませんでした。
Sの背たけがどんどん伸びて、部活でも活躍するようになって、
女子の中でもSのことかっこいいねなんていう子が出てきても
わたしはSへの想いにはっきりと気づいてはいませんでした。
席換えでSと離れたり、Sが学校を休むと物足りないような気持ち
は感じていましたが、そんな自分を不思議に思っていました。
2年生になってクラス換えの名簿が貼り出されたとき、わたしは
自分が祈るような気持ちになっていることに気づきました。
そしてSの名前を自分の名前より先に探していました。
鈍感なことに、Sをそんなふうに特別に感じていても「好き」
という言葉とはなかなか結びつかないまま時は過ぎていきました。
Sの背がわたしより高くなって声が低くなって、下級生の女子
が社会科見学のお土産をSに渡してキャーキャー言っているのを
目にしても、胸はざわつきましたが、恋とは気づきませんでした。
そんなとき、三年生の男子から手紙をもらいました。
あなたは語りながら癒されていくのを感じますか?
感じられるのなら本物です。
免許皆伝を与えましょう。
うーん。ここしばらくワンギリでざわざわしてたけど、
紗和子さんのを見ていると心がほっとしてくるな。
陳腐だけど、続ききぼーん。
そんなことより紗和子よ、、、
オラオラオラオラオラオラオラオラオラ_ー ̄_ ̄)’, ・ ∴.'オラ, .. ∧_∧ ∴.' オラ
オラオラオラオラオラオラ∧ --_- ― = ̄  ̄`:, .∴)' オラオラオ(
>>1 ) オラオラオラ
オラオラオラオラオラオ, -'' ̄ = __――=', ・,‘ r⌒>オラ_/ / ・,‘ オラオラオラ
オラオラオラオラオ/ _-―  ̄=_ )":" . ’ | y'⌒ ⌒i .' ∴.' オラオラオラ
オラオラオラオラ/ ノ  ̄_=_ ` )),∴. ) | / ノ |∴.'∴.' オラオラオラ
オラオラオラオ/ , イ ) _ ) ̄=_) _), ー' /´ヾ_ノ オラオラオラオラ
オラオラオラ/ _, \ )_ _ )= _)オラオ/ , ノオラオ∴.'オラ∴.' オラオラ
オラオラオラ| / \ `、 = _)オラオラ/ / /∴.' ∴.' オラオラオラオラオ
オラオラオラj /オラオヽ |オラオラオラオラオラオラオ/ / ,'オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラ / ノオラオラ{ |オラオラオラオラオラオ/ /| | オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ / /オラオラオラ| (_オラオラオラオラオ!、_/ / 〉オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ `、_〉オラオラオラオー‐‐`オラオラオラオラオラオラオ|_/ オラオラオラオラオラオラオラオラオナラ
姫蔵キショイ
キショクてスマソ。
市外局番がうちの故郷の番号だったから、同窓会かなんかと
思って掛け直してしまった……
「最近よく来てくれるんだな」
とKに言われてドキッとしました。
習い事のある日も、教室が終わってからKの部屋に来ることが
多くなったからです。
もし、わたしがこの掲示板に物語を綴っていると知ったら、
Kはどう思うでしょうか。
>>112 問われてはじめて考えてみましたが、書いていて苦しく
なったり辛くなったりもしますが、それでもここに来て
しまうということは、書くことによってカタルシスの
ようなものを感じさせてもらっているのかも知れません。
>>113 >>116 一木島姫蔵さん
いつもお声を掛けてくださって嬉しいです。
「ワンギリ」って何なんだろう・・・と思って調べてみました。
迷惑なような、気がかりなようなお気持ち、お察しします。
>>114 パンチを繰り出す腕が(あまり読んだことはありませんが)
少年漫画のようですね。
この掲示板を知ったときに、上手に文字で絵を作ってる人が
多かったので感心しました。実はそのときわたしも少し挑戦
しようとしたんですが、難しくて挫折してしまいました。
右のパンチされてるのはわたし?
だったら「
>>1」より「紗和子」のほうがいいのでは・・・。
>>115 わたしも家の電話が一回鳴ってすぐ切れたとしたら気がかりに
なってしまうと思います。キショイ ですか?
ところで、「キショイ」という言葉を初めて知ってから
しばらく、「稀少価値がある」の略で、悪意のようなもの
は感じられたので誉め殺しのときに使うのかと思ってい
ました。お恥ずかしいです。
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∧___∧ ☆
(;´Д` ) ☆ /
~~~~~~ \ /) ∧___∧ コノスレハ ナンダ? ゴラッ!!
\\\\ (( ( ヽ(`∀´ )
___\ / ⊂)
( つ つ\ く ̄
) ) ) \ )
(__)_) し' ミ
>>118 文字ですか?
最後は「ア」で合ってますか?
逝け!逝け!逝け!
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__∧.☆ Λ_Λ___
|Д((⊂(・∀・ )____
⊂ ) ( ⊂)__
| / 〈 〈 \___
|_) (__)__)_
>>117 の文章、長すぎたみたいですね。すみません。
>>119 本当にお上手ですね。感心しきりです。
まず紙に大体のラフを描かれてから作るんですか?
∩_ ∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`)≡⊃ < コテハン追放!!!!!
≡⊃ ≡⊃ \__________
| | |≡⊃ ≡⊃
(__)_)
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| 終了だーーーーーー!
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∨
Λ_Λ ドルルルルルルルルル!!!!!
( `∀´)___。 \从/ _ _ _ _
ミ( つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ‐― ‐ ― _ - ̄ _ ̄ ‐―
人 ヽノ B ̄゛ /W'ヽ
(__(__) B 、、、 ,,,
>>111の続きを書きます。
その三年生からの手紙は、学校で渡されたのではなく郵便で届きました。
飾り気のないグレーの封筒だったと思います。
封筒に差出人の名前はなくて、訝しく思いながら開封しました。
いついつの放課後、体育倉庫の裏まで来て欲しいということと
クラス名、名前が書いてありました。知らない人の名前でした。
わたしは困惑しました。
少女漫画みたいに、同級生の噂話みたいに、「告白」されるんだ
ろうか・・・という思いが一瞬よぎりましたが、まさか、と思いました。
自分にそんなことが起こるなんて思ってもみませんでした。
困惑しました。
どうしたらいいのか。そして、その「どうしたらいいのか」を
決めるのは友達でも家族でもなく、手紙の宛名の本人である
自分自身でしかないということにも。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 終了だーーーーーー!
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Λ_Λ ドルルルルルルルルル!!!!!
( `∀´)___。 \从/ _ _ _ _
ミ( つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ‐― ‐ ― _ - ̄ _ ̄ ‐―
人 ヽノ B ̄゛ /W'ヽ
(__(__) B 、、、 ,,,
127 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/29 01:21
ヽ( ´∀`)ノ みんなで
へノ /
ε ノ
∧ ∧
ヽ(´∀`)ノ 一緒に
| |
ノ ω (
∧ ∧
ヽ(´∀` )ノ 追いだそう!
\ \
/ ∩ \彡シュタ!
手紙で指定された日が近づいてきました。
その前々日か前日のことでした。
中学に入ってから仲良くなった女の子が、掃除の時間にそっと
近寄ってきました。
「さわちゃん・・・O君に告白されたってほんと?」
O君とは、あの手紙に書いてあった名前でした。
されてないよ、と答えたわたしにその友達は
「だってみんな噂してるよー」
と冷やかすような顔をして、でも声は重要な秘密を話して
いるかのように小さくひそめて言いました。
わたしは手紙のことは誰にも言いませんでした。
同室の妹にも見つからないように手紙は鍵つきの引き出しに
しまっていました。
みんなって?と訊いたわたしに
「みんなだよー。わたしは三年の女子の先輩に聞いたけど、
もうクラスの男子も知ってるんじゃない?」
クラスの男子も・・・の言葉に突然Sの顔が浮かび、わたしは
なぜか顔が熱くなりました。
「あ、さわちゃん赤くなったー。やっぱりー」
嬉しそうにはしゃぐ友達の声は遠くにしか思えず、わたしは
この根も葉もない噂を知ったであろうSのことばかりが気がかり
でした。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| コテハンスレは終了だーーーーーー!
\__ ________
∨
Λ_Λ ドルルルルルルルルル!!!!!
( `∀´)___。 \从/ _ _ _ _
ミ( つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ‐― ‐ ― _ - ̄ _ ̄ ‐―
人 ヽノ B ̄゛ /W'ヽ
(__(__) B 、、、 ,,,
\、
ヽ:、
-―==‐_- 、 i !
┌`- ゝ.\ i l
| ヽ、ヽ | }
|/ _ .. ゝ.マ ノ―-- 、 _
//`,.へ‐-->へ、,、 __ ` 丶、
/ / / ./ i ヽ`、、, `ヽ_ .. _
/./ ,. , ' , ;i!.i. l ヽ `` ー‐、/´ ` 丶 、
// .;:' , ' , '〃| !: l : ヽ ヽ:::... `ヽ、
,:';〃, ' .:; ' ,:' 〃:/'''| |i:. !: i `. ヽ , ヽ,
〃/:/ .::〃,:' ;:' /,'.:/ | :!{::. {:. i. l:. 、ヽ 、 / _ .. - "
,' ,'.::/ .::〃/ :i:l ;:/'i_」_ !:| i::. l:: : :l . l::. 、ヽ \ /ヽ.
! !::!i .:::i !::i .::i:| ':!´l_!_ |:i !‐-| . i i i !:. : `,.ヽ ヽ./. ヽ
i ! | :::!i :!l :::|:|::,;ィ≡ミ !i t-_|、`ト:、|i i !:. :}. :i i:!ー-’ __,ヽ
|l !.::|.|::l ! ::|:|〈{ !{:;;'| ゝ.''”;ゞミk;、lヽ | }::. |i: l. l| ,. ' ̄ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:! l:::| !:| :!.::!l}` ゞ-' /.f:';;j,ハ`.|:. |:. |i::.. |.!:i: !ヽ、 |もうここは・・廃れてしまったの。
:!:| :!| !:| { , ヽ‘''ン ,;}l、!:: !:: }:!::. i:| !:|、ヽ``、、 ∠ おねがいしても、無駄なのよ?
'ゝ ! ヾ!ハ. 、.. __ `' !:.|::. !::}:: !:| l:}|ヽヽ ヽ.`ヽ. \_______
{:{|\ '、_ノ , '|::l|::.ノ::l:!::l:l l:}.| `、 ヽ._、\
l:{|-,‐\ . ' ノソl;/;::ノ:l:;'ノ }l | i i、 `ー ゝ
, !{/. ` --┌ ' ´ ノ'´ |'i ||' ,ノ" ,ノ' |__,| l
| l |iー‐-- 、/l!__ ... ‐ ´ !| || \ └ 、l
i !.{|ヽ、__ .. ゝ.ハ.__ .. - '´ノリ リ \ `
|. ` 〉 __..f´}T ー 、、/ ノ \
〉 〈._ .. 二t_j ヽ. \ \
〈 / 〃 ノi !ヽ. \._.ゝ ヽ
| / '' / | \` / ヽ
131 :
名無し物書き@推敲中?:01/11/29 01:27
文字絵を描いてくださっている方は、もしかしておひとりですか?
そうだとしたら、描かれるの早いですね。感心します。
かわいい猫と乱暴な言動のギャップが味ですね!
____
/∵∴∵∴\ /
/∵∴∵∴∵∴\ ―/― /
/∵∴∴,○ ○∴|. / / | | /
└──────-.┘ / / / Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_________ ( ) < クソスレ終了ーーーーーー
|∵∵/ ○ \| ( つ------ \_______
|∵ / 三 | 三 | ノ ノ
|∵ | __|__ | (__)_)
\| \_/ /
\____/
______.ノ (⌒)
//::::::::|-、 ,-/::::::ノ ~.レ-r┐
/ /:::::::::::| /:::::ノ__ | .| ト、
| /:::::::::::::::| 〈 ̄ `-Lλ_レ′
レ::::::::::::::::::|/::: ̄`ー‐---‐′
サルでも ( (
,,.r'' ゛~~` ''ッ,, 立てねーぞ ) )
、 ゛ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ヾ. こんなスレ ,.、 / /
ミ ミ゛,へ.__, ,_ノヽ i. .| |l l ,´
ミ ミ, ( ・) {・フ 〉 ミ. _-、i::| |ニニii '
、,,,,ツi: ミ,`~´ ヽ~〈 .ミ /,‐ヽヽ`、||
、シ`` i: ,ゞ 'n.inヽ. .ミ ( .〉〉/
シ // ミ` l.l ヽ"、 / ノ
ミ/ シ 彡 ,=こ二=.{ ミ,, ,r'´ ,,、'゛
ミi. / / ' ! w、`~^' vwv '、 ミ 〃 .ミ
.ミ / i: / `^^ \ ." 〃 ミ
.ミ.:/ / / i: v ! ,, \ 、 〃 ミ
:i; .i: w !! ミ!: ミ \\( ⌒ヽ
:i; / i: !! .ミ キ , ⌒`、_ ) )
:il .i: ! w! ミ .:i. (_ ( _,ノ ) ,
:il ! i: ! ,〃゛ キ ゞ、 __, ノ ,
.:il ! /~~````` " '''' = ‐- 、ミ _,,,,_ミ, il ` ー ´
:il ´ ―  ̄ - ,,. -‐‐-、、 ヽ. ヾ、 ゞ、 ` 〃
ゝ、wx.mn.!!++ナ'~ ヾ~ヽ、 ヽ、 ,, ~^^}´
彡 〃 〃 }} /〉.〉〉〉i''" 〃
彡、 {{ 〃,__!////l | 〃
X,, 》. ≪.__`‐'.' '´,Uwwvw'、...,,,___
^^^^ !wニこ)こ)二)`) (_,,,..- 、...二⊃_).)
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■■■■■■■■■
■■■■√ === │
■■■■√ 彡 ミ │
■■■√ -=・=- -=・=-\
■■■ ∵ (● ●)∴│
■■■ 丿■■■( │
■■■ ■ 3 ■ │
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┏━━━ / |━━━━━┓
┗┳┳━ |_| ━━━┳┳┛
┃┃ / ヽ ┃┃
┏┻┻ |======| ━━┻┻┓
┗┳┳ ヽ__ ¶_ ノ ━━┳┳┛
┃┃ (/) ┃┃
┃┃ (/) ┃┃
凸┃┃ (/) ┃┃凸
Ш┃┃ (/) ┃┃Ш
.|| ┃┃ (/) ┃┃.||
∧_∧ (/) ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ・∀・) (/)(´∀` ) < クソスレが終わりますように。
(つ つミ (/)(⊃⊂ ) \_____________
|_|_|_I(/)_|_|_|__
/////ノ,,,,,,ヽ ////|
//////////// |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 奉 納
違っていたら失礼ですが、このスピードで文字絵が作れる
というのはコピーですか?
でも、絵自体はオリジナルですよね。技巧が凝らされてて
面白いです。
「クソスレが終わりますように」
猫のお願いは近いうちに叶えられることでしょう。
わたしがここに来られるのも多く見積もってもあと数週間ですから。
わたしのために労力を注いでくださって、文字絵を作ってくださって、
ありがとうございます。
>>128の続きを書きます。
「告白なんか、されてないから」
わたしはもう一度その女の子にそう言うと、掃除の作業に戻り
ました。
「みんなが知ってる」とその子は言っていましたが、その後
誰からも訊かれることも冷やかされることもなかったので、
内心ホッとしていました。
Sの態度もいつもとは変わりませんでした。
そして、手紙で指定された日がやってきました。
体育倉庫の裏には行けない、とその三年生の男子に伝えたかった
のですが伝えるすべもなく、わたしは部活が始まる前に指定の
場所に向かいました。
目立たないように歩いて行ったはずでしたが、Sと同じサッカー
部の男子とグラウンドの端で会いました。
「あれ、なんでここにいるの?」
わたしは吹奏楽部だったので、ごくたまに顧問の気まぐれで筋トレ
をする以外は放課後グラウンドに出ることはありませんでした。
「うん、ちょっと用事」
ちょっとしたことなのに重大な秘密を抱えているようで、わたしは
足早にそこを去りました。
約束の場所に、もうO君は来ていました。
背の高くて大人っぽい、高校生みたいな人でしたが、わたしが
来たのに気づくと、顔がパアッと赤くなりました。
声も上ずっていましたが、わたしが来たことにお礼を言って
くれて、想像していたよりずっと感じのいい人だと思いました。
「好き」とも、「つきあって欲しい」とも言われませんでした。
ただ、次の日曜に隣の市で映画を観ないかと誘われたので、
断りました。
それだけでした。
O君は立ち去り、わたしも少し後にその場を離れようとしました。
その時でした。
遠くからSが走ってこっちにやってくるのを見たのは。
「さわこ」
Sはわたしの名を呼びました。
_.........-ー- _
-:::::::::::::::::`..:::::::::::::::::ー:..
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:.
/::〃:::::::::::::/:::::::::::::::::::-:::::::`:、:::::::::゙:.
从::::/::::::::::ノ:::::::/:::::::::::::::::\:::::`:..,:::::i
. / {::::i::::::::::::l::::::::::l::::::ヽ::、::::::::::ヽ::::::..:ヽl
i |::::!:::::::::::l::::::_〔::l《ヾ、::::ヽヽ::::::ヽ..._::ゝ ____________
l !::l:::::::::::l:::::::r'il^l i'!.^ヽ iー-::::ゝ::::::i /
ヽ Y\ー厂::〕{ ui !i、,y l:::::::;:;ヽ::::::l | もうさ、
` }::}::::lk"" _ "" ゙ノ;:;:;:;l:;:;:;):;:;:;:l < こんなスレはやめようよ。
. ミw::)\ _ /;:;:;::ノ_ノ;:;:;:;:;:;:) | 同じ過ちをくりかえすのはやめよう!
(_:::::::::::i亠一ー−┐;:;:;:; - " \
 ̄ フ _ --‐ー┴::、::(  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
..'::ア  ̄_/:::::::::::::::::::;:;:;:;ヽヘ
/::::::ノ /::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:ヽ.ヽ
/!::::::::ノ''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ゝ
〔 \:(::::::::::;;;;:: -ー''"⌒ ̄ ̄⌒¨''‐ヽ::i、
/゙ \_.ノ′ ̄ ,, - 一..¬‐-、 i::::!、
ヽ l `''::一¬ ア" ̄ ...::::::::::::|^:.、|`i::::!、
バ | ::::::::::::: /゙レ ~'¬ー-、、..,,,, }:i:i:| `i:::::!、
( ノ :::::::::::: ノ_ヽ :::::::::: :::_ つ:i:i:i:l `i::::::!、
!~ L...:::::::::::: K三 ノ ::::::::: ノ:i:i:i:i:i:i:i:l `l::::::l、
/ `ーァー−' / ミ ト、i:i:i:i:i:i:l `l:::::::l、
. / }:::::::::ノ ミ. / ヽ:i:i:/ `l:::::::::l
/ /:::/ / ∨ l::::::::::l
,' レ / l::::::::::::l
. i / /\ |:::::::::::::|
l ./ / \ |:::::::::::::|
| / / ヽ |:::::::::::::|
,,v‐v-/l_ (⌒)
_「/ ̄ く /
lYノノ/_ノl_ヽ))
<イ( l l )l> / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<|)'|l、"(フノ|l < ココ逝っちゃってます!応援おねがいします!
,(ヨリ<>o<>リ'] \______________
|ト‐!]-ム- i']l
ヽ_ノv__l/ /
. ノ[//‐─‐/_/、
( /E|, (フlヨ \
,-| El___lヨ /
└-\`^^^^^^´/
∧∞∧
/⌒ ( ,,´∀`)⌒\
⊂二 ̄⌒\\ /ヽ/⌒ ̄二⊃ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
)\ ヽ| おな │ / /( < みなさんこんなスレが存続してていいのでしょうか?
/__ )| /⌒i ( __\ \_______________
//// / // / | \ \\\\
/// / l | | \ \ヽヽ ヽ
///(/ ト-イ | | \)ヽ ヽヽ
((/ / / ( ∞ \) )
ノ / ヽ、つ
/ ノ
/ /
/ ∞
し'
>>140 お前こそもうやめたれや。
お前の方が創作文芸から逸脱しとるぞ。
荒らしにマジレス。デモ文芸板ダカラ、カコイイ!
コテハンいけないって前に習ったもん……。
AAアラシもいけないんダヨ。
まず最初にコテハンがいるのがいけないんだよ。
>>1HNをよく見て!!!
そのことも含めて削除議論中だから、厨じゃないなら
荒らし正当化する前にギローンしてきな。
どうせ消される運命でも消されるまでヨマセロ!!!
じゃあ削除でしょ!
ていうか寝ようぜィ、バカみたい。
あんまり目障りすぎたもので、ついね。
明日からはさしひかえるよ。
あなたの根気に負けて(W
キレ方からして厨じゃなくて消か・・・。
マジレスしてたオレ、カコワルイ・・・。鬱。
オンナのシットって、コワイんだNE!
せっせと自分の言葉を綴る紗和子にオリジナリティのかけらもないコピペAAとは、あんまりだ。
>>117 最初はびくびくしとりましたが、今となってはどうでもよくなりました。
さすが2chを見てると抗体ができるなあ(藁)。
あと数週間かあ。少し残念だな。僕も最後まで読みたいな。
今夜ここに来て驚きました。
昨夜
>>139を書いた後、文字絵(AAっていうようですね)に
再チャレンジしたくなって、でもやっぱりうまくできなくて
(うまく作れる人って本当にすごいと思います)、眠くなって
きてしまったのでパソコンをOFFにしてしまいました。
(因みにわたしが挑戦したAAは猫がサンタの格好をしてるものでした。
贔屓目に見てもやせたイカにしか見えませんでした・・・)
削除議論、ということはこれは削除される可能性があるということですよね。
よくわかりませんが、これを書いている今にも削除されるのかも知れませんね。
運命に身を任せて生きてきました。
今回も運命に身を任せます。
「小さいころ虫歯を抜いたの とってもこわかった 同じことよ」
ミノアの言葉を励みにして、いつ果てるかもしれないこのスレッドの
命の限り綴るのをわたしは続けます。
たとえこの作業が砂の城のようなものでも。
続きを書き始める前に、いつここが削除となっても心残りがないように
お礼を言わせておいてください。
励ましてくださった方、声を掛けてくださった方、読んでくださった方、
答えてくださった方、ありがとうございました。
たくさんの名無しさん、いつも書き込んで励ましてくださる一木島姫蔵さん、
潤さん、佐和子さん、ありがとうございました。
皆さんにお会いすることができて幸せでした。
拙い文章を綴らせて頂くことができて幸せでした。
わたしは今年いっぱいで故郷に帰ります。
重苦しくいとおしいその場所で、わたしは新しい生活を始めます。
もうここには来ないでしょう。
二度とは戻らない少女時代のわたしを、いっときでもこの場所に
しるすことができて本当に幸せでした。ありがとうございました。
--------------
これで少しは安心して続きを書くことができそうです。
願わくば今までここに来てくださった方にわたしの気持ちが伝わります
ように・・・。
>>139の続きを書きます。
Sは怒っているような顔をしてまっすぐにわたしに駆け寄ってきました。
いつもの屈託ない笑みは、どこにもありませんでした。
その厳しい表情に何事かと驚いたわたしは
「S、何かあったの?」
と訊きました。
「何かって・・・」
Sは怖い目をしたままじっとわたしを見ました。
そのとき、Sの顔が自分の顔のとても近くにあることに気がついた
わたしは、頬が赤らんでくるのが恥ずかしくて一歩退きました。
わたしのその態度を見て、Sは
「やっぱり、そうなのか?」
と強い口調で問うてきました。
なぜだかSがわたしのことで腹を立てている・・・そう思うと声は
震えてしまいましたが、
「何のこと言ってるの」
とわたしは尋ねました。
「3年とつきあってるって」
Sは拗ねたような顔をしてそう言うと、目をそらしてしまいました。
目をそらしたままのSを、暫くわたしは唖然として見ていたような気が
します。
それから我に返って、慌てて否定しました。
どうやら体育倉庫の裏に行くときにすれ違ったサッカー部の男子が
わたしがOと付き合っているという噂を知っていたようで、
様子を伺っていたら体育倉庫の裏からOが出てきた後しばらくして
わたしが出てきたので、噂は本当だったと勘違いし練習に来たSにも
話したようでした。
わたしが懸命に否定する中、でも・・・、けど・・・、と言いながらも
Sは再びわたしに視線を戻してくれ、漸く納得してくれたようでした。
誤解が晴れた途端、Sの陽に焼けた顔が赤くなっていきました。
「わかった。ごめん」
Sが赤くなると、わたしの頬もまた熱くなってきました。
「はやとちりした・・・」
Sは照れたように微笑みました。いつもと違って屈託はあったけど、
わたしはその笑顔を見た瞬間、自分の中のSへの想いに気がつきました。
同時に、Sもわたしのことを少しは気にかけてくれていることもわかり
ました。
嬉しいような気恥ずかしいような思いが押し寄せてきて、わたしは少し
だけ涙ぐみながら微笑み返しました。
「告白」しあったわけでも、何かを約束したわけでもありません。
そのことがあってからも、Sとわたしの間柄は別段変わったわけでは
ありませんでした。
ただ、わたしの胸の中にはいつもSがいました。
Sがいないと寂しく、Sが話し掛けてくると嬉しく、微笑みかけて
くれるともっと嬉しく、SがいないところでもSを思い出し。
はじめての恋でした。
「紗和子はS学園がいいわよ」
中学三年生になり、初めて志望校を問うプリントが配られた日でした。
伯母が食卓で言いました。
伯母は、わたしが6歳の頃に離婚して家に戻ってきました。
伯母が戻ってきた日のことをわたしは鮮明に憶えています。
「不味い!!」
そう言って伯母は汁椀を転がすように倒し、どっ、と味噌汁
が食卓に広がりました。
「うちのお味噌汁はいつからこんな味になったの!?」
食卓が静まり返りました。
6歳のわたしは、信じられないような気持ちでじっと伯母を見ました。
「ただいま、さわちゃん、今日からよろしくね」
さっき疲れた顔に微笑みを作ってわたしの頭をなでてくれた伯母が、
空気を切り裂くような声をあげて、乱暴な振る舞いをする・・・
悪い夢をみているような気持ちになりました。
そして、『おばさん、そんなことしたらおじいちゃんやおとうさんに
叱られる・・・』と思いました。
しかし、家族の反応はわたしの想像とは違っていました。
まず母が、
「すみません、何年経ってもこの家の味が出せなくて・・・」
と謝りながら伯母がこぼした味噌汁を拭き始め、
祖母は、
「ハルコさん(母のことです)、悪いわね、でもこの子も
辛い目に遭ったばかりだから・・・」
と優しい目で伯母を見ながら言いました。
未婚の叔母は、
「たしっかに、ハルコ義姉さんのお味噌汁、辛いときあるよねえ」
と明るい口調で言いながらご飯を食べつづけていました。
そしていつもはとても躾に厳しい祖父や父までもが、もう今日は
ゆっくり休めと伯母を労わるように声をかけました。
それでも伯母は、小さな子供がかんしゃくを起こしたときのように
「誰も私の気持ちなんかわかってないのよ!」
などと言い泣きながら食卓を何度も叩きました。
『なんで・・・誰も怒らないの・・・?』
未婚の叔母も姉である伯母によく似ていてたまにヒステリックに
なることはありましたが、誰かがいい加減にしなさい、と諌め
ました。でも伯母にはそれはありません。わたしは混乱しました。
気がつくと、すぐ下の4歳の妹が、手のひらにじっとりと汗を
かきながらわたしに寄り添ってきていました。
>>159-160 文字通りの修羅場ですね。お母さんが可哀想だな、伯母さんも気の毒だが……
>>154 真摯な創作姿勢には、好感を持っていたのだが・・・
また会えると嬉しいです
今日はウエディングドレスが出来上がったというので、試着に
行ってきました。
旧くからのしきたりに乗っ取って自宅で宴席を設けるものと、
父や叔父の仕事の関係者を招んで隣の市の式場を借りて行うものと
二つの披露宴をするのですが、そのドレスは後に挙げた方で着る
ことになっています。
伯母と叔母の「一生に一度のことだから」という強い勧めにより
オーダーでウエディングドレスを作ることになったのですが、
採寸や仮縫いなどに行きお店の人に「おめでとうございます」と
微笑んで声をかけてもらうたびに、どんな顔で応えたら良いのか
少し困りました。
>>161 一木島姫蔵さん
当時4歳だった妹も憶えていて、「あのときは本物のオニババが伯母
さんの皮を被ってうちに来たのかと思ったよ」と言っていました。
母はその後、曾祖父や曾祖母の介護と見送り、あちこち弱ってきた
祖父や祖母の世話、6人の強い味方の育児を経て、今でこそ家中の
皆が文句なしに頼りにしていますが、当時は相当気性の激しい
小姑たちに苦しめられてたみたいです。
愚痴はあまりこぼさない人ですが、一度しみじみと
「紗和子、婿取りだと気楽にやれるわよお」
と言っていました。
>>162 ありがとうございます。
会えて良かったです。そのときがくるまで心を込めて綴ります。
6歳のあの日以来、伯母は機嫌がいいときはいいのですが、
突然「一点俄かに掻き曇り・・・」とでもいうようにかんしゃくを
起こし、わたしたちを凍りつかせました。
時々わがままを言う程度だった叔母までもが「それはお姉ちゃん
の言うとおり」と加勢して文句を言うこともあり、『姉妹タッグ』
は、祖父や父が強く諌めることも無く最強コンビとなってしまい
ました。
因みに伯母は高校教師、叔母も元中学教師(当時はすでに辞めて
ピアノ教室を開いていました)です。
土地の人たちや生徒の前ではしっかりした教育者、家では誰の
手にも負えないほどのわがまま娘。
わたしは小学校に上がる前から「先生=人格者」ではないという
ことを知ることになりました。
「紗和子は賢い子だけど、愛嬌がない」「かわいげがない」
などと言われるのはそんなに気にはなりませんでしたが、
乳歯が抜けたばかりの妹に
「歯ぬけブタちゃん」
などとからかいつづけて泣かせたり、母に
「ハルコさんのお弁当のおかずって全部味と色が同じなんだけどー」
などと文句を言っているのを見ると腹立たしく思いました。
そんなときわたしが妹や母を庇おうと抗議すると、
「紗和子はこわいわねー。わたしたち追い出されそう」
と言われてしまい、祖父や父に訴えても
「まあまあ・・・」
と言われるだけで、伯母たちはお咎めなし。
すっかり家の雰囲気(わたしが生まれてから知るところの、
なので、物心ついて3、4年のものですが)が変わってしまった
ことに悲しさと憤りを覚えて、わたしは当時まだ存命だった
曾祖父と曾祖母のいる離れへと走った記憶があります。
母屋と家の裏の柿畑を挟んで、曾祖父と曾祖母の離れは建っていました。
「おおじいさん、おおばあさん」
と言って二人の寝室の襖を開けると、いつものように曾祖父が襖側、
曾祖母が窓側の布団に横になっていました。
「さわこか」
曾祖母は眠っていましたが、曾祖父は横になったまま笑顔でわたしの
名前を呼び、わたしのほうに寝返りをうってくれました。
「何だー、そんなにふくれて。お父さんに怒られたのか?」
布団から出ている祖父の痩せた指先に生えている爪が、黄色く
硬そうだったのを憶えています。
わたしは曾祖父に伯母たちの所業と祖父や父の態度への不満を
打ち明けました。
すべてを聞いたあと、曾祖父は口を開きました。
「さわこ」
>>164 小姑って本当に怖いなあ。うちもトンデモ無い祖母がいたから紗和子さんの
気持ちが分かる。
外では人格者、家ではわがまま、という事は伯母さんは二面性を備えていた
って事なんだろうな。
(´-`).。oO(勘違い野郎の
>>166ウザイなぁ。なんで何度も出てくるんだろぅ。)
168 :
名無し物書き@推敲中?:01/12/03 21:30
アナルも好き。
ここ数日のうちにいろんなことがありすぎて、しばらくKの家に
来れませんでした。
今も混乱しています。
ビクビクしているような、ドキドキしているような・・・擬音で表現
してもうまく伝わらないと知りながら、今の心境は擬音でしか表現
できません。
>>166 一木島姫蔵さん
誰もが多少は二面性や多面性を持っているとは思うのですが、
特に当時の伯母たちは家の中で一度かっとなると理性が
働かないというか、歯止めが利かないというか・・・。
わがまま爆発の逸話には枚挙に暇がありません。
伯母には祖父が南向きの6畳の部屋を与えたのですが、ある日突然、
「わたしの部屋は紗和子達(わたしとすぐ下の妹で東南の10畳の部屋
を使っていました)の部屋よりも狭くて日当たりも悪い、辛すぎる」
と家中に響き渡るような声で泣き叫ばれたときには、こっちが泣きたく
なりました・・・。
>>167 わたしはうざくありませんよ。
>>168 「誤爆」(用法合ってますでしょうか?この掲示板で何回か見た表現ですが)
ですか?
>>165の続きを書きます。
曾祖父は言いました。
「お前、まだ小学校にも上がってないのにきちんと筋立てて説明が
できるのか・・・。おおじいはお前のさっきの説明でひとつもわから
なかったとこはなかったぞ」
曾祖父がわたしの話の内容について答えてくれたわけではなかったこと
に焦れた6歳のわたしはちょっと厳しい顔になって言いました。
「おおじいさん、どうしておじいちゃんとおとうさんはおばさんを叱ら
ないの?」
それでも曾祖父は「お前みたいに賢い子なら女でも充分跡取りになれる
のに、皆ハルコに男産めーなんて無理強いして」等としばらくブツブツ
呟いたあと、やっとわたしに答えてくれました。
「そりゃ、じいさんもとうさんも、おばさんたちが可愛いんだ」
「だったら、おかあさんやわたしや妹たちは可愛くないの?おばさんたち
がひどいこと言っても、なんでかばってくれないの?」
すると曾祖父は少し口角を上げて、
「いやいや、ハルコやさわこやとわこ(すぐ下の妹のことです)のこと
もやっぱりかわいいんだ」
と言い、腑に落ちない顔をしているわたしを眺めながら、
「ああ、やっぱりお前しかおらんとおおじいは思うぞ。お前が跡取ったら
この家は潰れん」
と微笑んで
「ああ、おおじいは眠くなった。お休み、さわこ」
と目を閉じて眠ってしまいました。
結局、何の解決法も見出せないまま曾祖父たちの離れを後にしたの
ですが、
『やっぱりお前しかおらん』
6歳のわたしは曾祖父に呪文をかけられたような気がします。
それは、副次的に伯母たちが少しはおとなしくなる呪文でもありましたが。
わたしが9歳のとき、母は末の妹を妊っていました。
そして、まだそのお腹の子の性別が判らないときに
「跡取りはさわこがいい」
と言い遺して、曾祖父は旅立ちました。
駄目押しの呪文は、母のお腹の子を女の子として生まれさせ、家族や
親族に結論を出させ、わたしは10歳で跡取りとなりました。
そして、伯母たちもいずれ当主となることが決まったわたしに、あまり
身勝手な言動はしなくなりました。
とは言うものの、祖父や父は相変わらず伯母たちに甘く、また教育者と
して活躍する伯母たちを誇りに思ってもいたので、家の中での伯母たちの
発言力が弱まったというわけではありませんでした。
伯母たちもただ我儘を言うのではなく、理屈を付けて自分の意見を強く
押し通すようになってゆきました。
そして、わたしが中学三年生のとき伯母は
「紗和子はS学園がいいわよ」
ときっぱりと言いました。
「K高校じゃないのか?」
父が自身の母校である公立高校の名前を挙げました。
「あそこはいい学校だろ」
父は偏差値・進学率が高い学校を『いい』と形容しましたが、
いいかどうかは主観が決めるものなので『良い』『悪い』と
いう言葉は使わずに少し説明します。
わたしの中学からは殆どの人が、公立のK高校、M高校、
商業高校、工業高校に行きます。
私立高校で通える範囲には女子校であるS学園ただ一校しか
ありません。
少し遠いこともあり、わたしの中学からは殆どS学園に進む
人はいませんでした。
偏差値や進学率が高い順番に並べれば、K高校、S学園、
商業高校、工業高校、M高校となります。
(ちなみに伯母は当時M高校の教師でした)
伯母は矢継ぎ早に言いました。
「K高校は頭はいいかも知れないけど、校則がゆるくて
男女交際が盛んだから、紗和子にはダメ。こないだも
妊娠騒ぎがあって大変だったのよ。ウチの学校にも注意
するよう伝達が来たし。跡取りに悪い虫でもついたら
どうすんのよ。その点、S学園は校則の厳しい女子校だし、
紗和子の成績なら受験も楽だし、紗和子は英語が得意だけど
さすが私立〜って感じで英語教育のシステムは万全だし、
多少お金がかかっても跡取り娘なんだもの、いい教育を受け
させないとね。第一、バスが1時間に1、2本だから放課後
学校や市内でダラダラ遊んだりして悪いこともできないし、
ほんと絶対に紗和子向きよお!」
その熱弁が終わったとき、父はもう異論を唱えませんでした。
大人たちは何も言いませんでしたが、すぐ下の妹が口を
開きました。
「おねーちゃんならK高めざしたら入れるはずなのに。
勿体無いよ」
伯母は自分の話を聞いていなかったのかとでもいう
ように妹をじろりと睨んで、
「紗和子はどこか男好きするから気をつけないと
いけないの! まあ、あんたならK高行っても
平気だろうから目指したら?」
と吐き捨てるように言い放ちました。
突然『男好きする』などと言われた屈辱にわたしが
震えていたこともあり、誰も援護してくれる人が
いないのを悟った妹は涙ぐんでその場を去りましたが、
大人たちは気にも止めず「確かに評判もいいみたいだし
S学園にするか」等と話し合い、わたしの進路は決まり
ました。
さっきKの部屋の扉が開いたような気がして、どきっとしました。
今夜はもう眠ります。
考えなくてはならないことがあります。
考えてしまうことがあります。
考えてはいけないことがあります。
やっぱり昨夜もよく眠れませんでした。
中学三年生のときの話の続きを書く前に、少し思い出したことが
あるので書こうと思います。
伯母が離婚した相手―わたしが6歳になるまで伯父だった人のことです。
伯母と伯父は職場結婚でした。伯父は体育教師だったそうです。
歴史のない家出身の伯父との結婚を祖父は猛反対したそうですが、
伯母が持ち前の情熱で押し切って結婚に至ったようです。
離婚の原因はわたしの家側の話では伯父の『ギャンブルと借金と
浮気』だったと聞いています。
伯父は、背が高くてがっしりとしていて眉がきりっとしていて
気さくな感じのする人でした。
伯母と一緒に伯父がわたしの家に来ると、伯父は必ずわたしを
抱き上げてくれて、わたしは目線が高くなって視界が広がるその
動作をいつも楽しみにしていました。
「紗和ちゃんはかわいいなあ」
そう言いながら頬ずりされるとヒゲがちくちくしましたが、嫌な
感じはしませんでした。
「お人形さんみたいにかわいいね」
伯父はわたしの頬にキスをすることもありました。
わたしは家族からそんなことをされたことはなかったので、
最初は恥ずかしいような驚いたような気持ちになりましたが、
伯母も微笑んで見ていたので、あまり気にならなくなりました。
5歳くらいのときだったと思います。
妹と縁側で遊んでいたらリカちゃん人形がないのに気がついたので
少し前に妹が祖母といた座敷へわたしは向かいました。
「あ、紗和ちゃん、こんにちは」
座卓には3客の湯のみがあり、伯父がひとりで座っていました。
「おじいちゃんは電話がかかってきてね、おばさんはおばあちゃん
と蔵に着物をとりにいっててね、おじさんひとりで寂しく待ってた
んだよ」
わたしはにこにこしながらそう言う伯父が不思議で、
「さみしいの?でもわらってるの?」
と訊きました。
伯父は一瞬真顔になったような気がします。記憶違いかも
知れませんが。
そして伯父は笑顔で
「紗和ちゃんはほんとおりこうさんなんだね」
と言い、
「おりこうさんだし、とってもかわいいし・・・どれ、いつもの
抱っこしてあげるよ」
とわたしに手を差し伸べました。
わたしは妹が待ってるので抱っこは後でしてもらおうと思い
「お人形さがしてるの」
と言いましたが、伯父は素早く立ち上がりわたしを高く抱き上げ
ました。
「ほら、高いだろう」
いつもはふんわり優しく抱き上げてくれるのに、その時はなんだか
力が強くて脇にまわされた手がきつくて痛かったので、
「痛い」
と言うと伯父は力を緩め、そして
「ごめん、痛かったかい?」
と言いながらわたしの体を摩りました。
「もう痛くない」
と言っても伯父は摩るのをやめずに、
「紗和ちゃんのほっぺはピカピカしてるね」
とわたしの頬にキスしました。
「お鼻もかわいいね」
鼻にもキスをしました。煙草の匂いがしました。
「おでこは・・・」
伯父はわたしの前髪をかきあげ、そこにもキスしました。
わたしを抱く伯父の腕の力が再び強くなったように感じたので
「おじさん、もうおろして」
とわたしは言いました。
しかし、伯父はそうしませんでした。
伯父はわたしを片手でしっかりと抱き、もう一方の手でわたしの背中
やお尻を撫でました。
「紗和ちゃんは美人になる、なるぞ」
そういいながら執拗に頬ずりをされ、煙草の匂いで息苦しくなった
わたしは
「おろして、おろして」
とまた頼みました。
「おじさん、紗和ちゃんのいったように寂しいけどいつも
笑ってるんだ。ほんとはとっても寂しいんだ」
伯父はわたしの意向など無視してそんなことを言いながら頬ずりを
続け、腕の力は一層強まっていきました。
そのときです。後ろから伯父の名前が呼ばれました。
襖のところに、伯母が立っていました。
伯父の腕の力がすうっと弱まり、わたしは畳の上にすとんと
降ろされました。
おばさんこんにちは、と言おうとしていたわたしのほうは一瞥
もせず伯母は厳しい目をして伯父を見て、
「あんたって、ほんとに見境いないわねっ」
と吐き棄てるように言いました。
当時は訳がわからなかったので、伯母夫婦の険悪な雰囲気だけを
感じて子供心に困ったなと思っただけでしたが、伯父の意図は
ともあれ、伯母は伯父がわたしに性的な意味を含んだ行為をして
いたと思ったんだろうということは今はわかります。
伯父の真意はわかりません。
確かに執拗ではありましたが。
伯母がわたしの異性関係に殊のほか厳しかったのは、自身が教育者
でもありわたしが「大事な跡取り」でもあるというだけではなかった
のかも知れません。
その時の出来事が伯母の中のどこかに残っていて、(そんなこと
はないはずなのに)わたしのことを『男好きする』などと思い
込んでいた原因となっていたように思います。
今は冷静に書いていますが、『紗和子はどこか男好きするから』
といきなり言われた中学三年生のわたしは、言われなき中傷に
屈辱で本当に言葉もないほどに震えました。
今夜も夜更かしをしてしまいました。
今夜は眠れるといいなと思います。
習い事も幾つかは最後の授業を迎えました。
卒業式が近づいてきたような心境です。
今週末にはKの同僚のT川さんが主催で結婚祝賀会を開いて
くれます。
来週にはYたちがお祝い会を開いてくれます。
それまでにしなくてはならないことがあります。
伯母さん夫婦の問題を持ちこまれてもなあ……。
おじさんの意図はわからんが、俺もそんな事されたら退くなあ……
(´-`).。oO(また出たょ。)
(´-`).。oO(上もなかなか粘着だな……。)
(´-`).。oO(ム、なんだか違うスレに紛れ込んだ気分・・・。)
明日は広尾のレストランでKの同僚達が結婚祝賀会を開いてくれます。
広尾なんて上京してきた伯母達と大学時代に2度ほど行ったきりです。
結婚の日取りが決まったときはKも今年一杯で退職し田舎へ帰る
予定だったのですが、仕事の引継ぎの関係でKは来年の3月まで
今の職場に勤めるため東京に留まることになりました。
1月の結婚式の時にはKは田舎に帰ってきますが、それから
約3ヶ月間、わたしとKは別々に暮らします。
>>181 一木島姫蔵さん
伯父とは、伯母との離婚後一度だけ会いました。
(祖父や伯母は『なんで来た』と立腹でしたが)曾祖父のお葬式の
ことでした。
「紗和ちゃん、すっかりお姉ちゃんになって」とわたしの肩や背中
に手を回してきたのを憶えています。
曾祖父は親戚や土地の人たちからは「大往生」と言われましたが、
わたしは涙こそ堪えていましたが大好きな曾祖父が居なくなった
ことにとても打ちひしがれていたので、
「元気だった?」
などと言いながらニコニコと顔を覗き込みわたしの肩を掴んで
離さない伯父が嫌で嫌でなりませんでした。
わたしがなれなれしく触ってくる他人を苦手に思うようになった
一因かも知れません。
>>182-
>>184 (´-`).。oO(この文字列の上下にも線が付けられると、より「フキダシ」らしくなりそうですね)
志望校調査の用紙に私立女子校のS学園と記入したわたしは
担任教師に呼び出されました。
「なんでK高行かん」
「S学園がいいと言われたんで」
「誰に」
「家族です」
「お前は自分自身の進路を家族に決めてもらうのか!」
熱血、と言われていた担任教師は力強くそう言ってわたしの
目を覚ましたかったようでした。
本当は「自分の事を自分で決められない自分」に気がついて
恥じ入らなくてはならなかったのでしょう。
けれどわたしはそうはしませんでした。
「はい」
とても可愛げのない、冷静な顔をしていたと思います。
「『家族の意見に従う』ということを『自分自身で決めて』
いますから」
自分自身の意思……自分の事を自分で決められない自分……
落ちこぼれ野郎だった俺には、これほど無意味な言葉は無いな。
だいたい、うちの地域は意志なんざ関係ねえもんなあ。
成績順にスライド式。
先生共は「自分の意思で進路を決めねばならない」って言ってたけど、
そんなのは嘘八百、結局、内申点だもんなあ。全て左右するのは。
おかげで中学にはいい思い出がありません。
のろったお陰かどうか分からないが、トイレから火が出たりする、今は
市内有数のDQN校になったようだ。(・∀・)アヒャヒャ
今日は昨日でした。
昨日は明日でしょう。
では、明後日は何でしょう?
分かる?
∧_∧
(゚ー゚*)
┌─∪∪──────┐
│ |⌒彡
│ キチガイ警報! |冫、)
| |` /
└―――──――――┘
ヽ(´ー`)ノ
( へ)
く
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
裏
∧_∧
( ,)
┌─――───) ( ─┐
ミ'⌒ー―――――‐' ) |
( ( |
\________ノ |
└―――──――――┘
ヽ( )ノ
( )へ
>
土曜日の結婚祝賀会以来、Kに会っていません。
今はKの部屋に来ていますが、夕食の準備も終わったことだし、
Kが帰って来るまでにわたしのマンションに帰ろうと思います。
Kと少し、気まずくなりました。
気まずくなる必要はないのですが。
>>187 一木島姫蔵さん
担任はああいうことを言っていましたが、わたしの中学でも教師が
生徒の進路を振り分けていたような気がします。
わたしがK高を志望していたら、担任は何も言わなかったことで
しょう。
>>188 暫く考えてみましたが、降参です。
こじつけだらけの出来の悪いとんちのような答えは幾つか
思いつくのですが、とてもなるほど、と思えるようなものは
思いつきません。
答えを教えてください。
>>189 「誤爆」ですか?
「裏」の姿が少しツチノコを髣髴させますね。
T川さん主催の結婚祝賀会は、お料理も美味しく、来てくださったKの
同僚の方たちもとても感じがよくて、滞りなく進んでいきました。
殆ど食事と歓談といった会だったのですが、T川さんがKとわたしに
インタビューするコーナーがありました。
兄弟構成や、出身学部などの質問の後、「なれそめ」を訊かれました。
Kもわたしも一瞬、黙ってしまいました。
「なれそめ」なんて、わたしたちにはありません。
Kが14歳、わたしが10歳、そのときに親族会議で決まった結婚です。
そのことはT川さんだってご存知のはずでした。
ややあって、Kは少しだけ微笑みながら答えました。
「えっと、子供の頃からの許婚なんで「なれそめ」って言える
ほどの・・・」
するとT川さんは皆のほうを振り返ってニコニコと笑いながら
おかしなことを言い始めました。
「じゃあ、K君が紗和子さんを『この人なら』と確信したときの話
を語っていただきま・・・」
Kが遮りました。
「勘弁してくれよ」
声は静かでしたが力強く、顔はもう笑っていませんでした。
T川さんの笑顔も一瞬固まりました。
T川さんはその後笑顔を取り戻し、何やらお祝いの言葉を口に
してくださっていましたが、Kは憮然としたままわたしの隣に
座っていました。
憮然とした様子で。決してわたしのほうを見ようともせず。
Kは「この人なら」なんてわたしのことを思ったことなんてないに
違いありません。
そして、会の最後にKが新人研修の頃から仲がいいというF野さんが
挨拶をしてくださいました。
F野さんは、会の間中も冗談ばかり言って皆を笑わせたりして
賑やかな印象の人でしたが、挨拶のときは真剣な表情で、Kが
職場でいかに重要な仕事をしてきたか、Kがいかに友情に厚い
人かを話してくださいました。
わたしはそれを聞けば聞くほど、笑顔を作っていましたが辛く
苦しい気持ちになっていきました。
わたしとの結婚でKは今まで築き上げてきた大切なものを幾つか
失うことになるのですから。
F野さんの言葉を聞くまでもなく、祝賀会でわたしはKが職場の
人たちから信頼されて仕事してきたことを感じていました。
わたしがテーブルに飾ってある薔薇に視線を落としながら心苦しさ
を感じていると、いつの間にかF野さんの声がさっきまでの明るく
冗談めいたものに変わっていました。
「では最後に、われわれ愛の証人の前で、K君と紗和子さんに
変わらぬ愛を誓っていただくため、くちづけを交わしていただき
ましょーーー!!」
わたしがえ?と思って顔をあげた瞬間、もう拍手と歓声があがって
いました。
Kはわたしにキスしました。
わたしはきっと目を閉じなかったと思います。
Kの怒ったような顔が近づいてきて、唇にひんやりとやわらかい感触が
あり、拍手と歓声が大きくなりました。
思考が停止しました。
後の事はあまり憶えていませんが、ちゃんと来てくださった方たちを
送り出せたようです。
それ以来、Kと話していないような気がします。
生まれて初めてのキスでした。
キスがなんだというのでしょう。
Kとは来月夫婦になるんですから。
なのにあれからKと会わないようにしているなんて、
わたしはおかしいです。
昔の人みたいで痛々しい。
>>197 わたしのことでしょうか。そうですね・・・。自分でも悪い意味で古くさい
人間だと思います。痛々しいかどうかは別として。
今日もKのマンションに来てこれを書いていますが、夕食だけ作って
Kが帰って来るまでに自分のマンションに帰るつもりです。
すぐ下の妹が千葉から泊まりに来るのです。
妹は美術の専門学校を出た後、イラストの仕事とアルバイトをしながら
コンピュータ・グラフィックの学校に通っています。
今日もKの家に留まれない理由ができてほっとしているというのが
正直な気持ちです。
中学三年生のあの日までは、天がわたしにくれた
二度と戻らぬ輝かしい日々だったように思います。
Sはいつもそばにいました。
クラスも同じ、委員も同じ、席も大抵近くなって、
修学旅行のグループも同じになりました。
あの頃のことを思い出そうとすると、やわらかくて甘くて
新鮮な春風が絶えず頬をくすぐっていたような感覚が甦って
きてしまいます。
国語の教科書を音読するよう教師に指されたことがありました。
戯曲の一節で、わたしが女主人公の役、Sが相手役を割り当て
られました。
指されたときから、クラスでも賑やかな男子たちがにやにやと
笑いながらわたしとSを見ているのを感じました。
その一節の女主人公の台詞には、「愛している」という言葉が
含まれていました。
わたしはわざと素っ気無くその台詞を口にしました。
けれど鼓動がうんと早くなっていました。
それに応える相手役の台詞をSが口にした瞬間、冷やかしの声があがりました。
わたしは手に持っていた教科書の位置を高くしてできるだけ赤らんでいるで
あろう顔が他の人たちから見えないようにしました。
少しの間冷やかしの声はやまず、国語教師が注意しはじめました。
そのときです。
Sが再び音読を始めました。
冷やかされた部分の台詞をもう一度読み始めたのです。
さっきより大きな声で、さっきより堂々と。
冷やかしていた男子達も「え?」という感じでSを見て静かになりました。
Sは台詞を読み終えるとわたしのほうを向き、にっこりと笑いました。
「次、さわこの番」
ここに書くのは恥ずかしいのですが、何故だか判りませんが、わたしは
Sに抱きつきたくなりました。
抱きついて、力の限り抱きしめて、好き、と何度も何度も言いたかった。
もちろんそんなことはしませんでしたが。
男の人に触れたいと思ったのは、後にも先にもあのときだけです。
秋祭りのひとつである天土祭の少し前、担任に呼び出され進路についての
話をしました。
「何回も訊いてきたが、本当にS学園でいいんだな?」
私立高校は若干受験日が早いので、これが最後の意思確認になるということ
はよくわかりました。
はい、と言おうとした瞬間、突然Sの姿が頭の中をよぎりました。
隣の市の女子校に進んだらSと一緒に学校生活を過ごすことはもうない
―ということが改めてわたしに迫ってきました。
学年を経るごとに成績を上げていったSがK高校に進むということは容易に
推測がつきました。
もうクラスや席換えのときに祈るような気持ちになることすらできないと
いうことを悟り、その寂しさにわたしは身震いするような思いがしました。
担任の怪訝そうな視線を感じ我に返った途端、家族の顔が浮かびました。
夢から覚めたような気持ちになりました。
わたしは、担任に答えました。
「はい。S学園を受けます」
202 :
名無し物書き@推敲中?:01/12/12 17:47
>>201 今頃の時間にもいるのかー。
なんか一日中いるよなー。
暇なの?
Sはその名前にふさわしくSでした?
ベッドのなかの彼の様子は?
担任との話を終え、廊下に出ると同じクラスの女の子がいました。
わたしと目が合うと少しばつの悪そうな顔をしたので、聞いていた
んだな、と思っていると
「ごめん、さわちゃん、聞こえちゃったー」
と謝ってきました。
わたしがそう、といってその場を立ち去ろうとするとその子はわたしの
横にやってきて興奮したように話し始めました。
「でも意外〜。さわちゃんは成績いいからてっきりK高校行くのかと
思ってたよ。S学園もお嬢様っぽくて制服かわいいし、ガイジンの先生
とかもいっぱいいるらしいし、カッコいいけど」
「うん。受験もまだだし、あんまり人に言わないでね」
「やだでもさわちゃんなら楽勝でしょ?あ、あたしは誰にもいわないけど」
わたしは進路のことも未来のことも考えたくない気持ちでいっぱいだったので
たぶんとても冷ややかに彼女に言ったと思います。
「先生に用だったんでしょ?早く行かないと先生部活に行っちゃうよ」
>>202 前述ですが、習い事だけしか用のない状態ですので。
その習い事もいくつか終了しました。
時間はありますが、時間がありません。
こんな風にここにこれるのはあと僅かです。
暇だと思ってこれを書くことに臨んだことはありません。
>>203 Sとはベッドに入ったことはありませんでしたから。
因みに、私の頭文字もSですが、サドなのかどうかはわかりません。
天土祭は、天の恵み地の恵みに感謝する収穫祭です。
同じ秋祭りである神祭は厳かな雰囲気でしたが、天土祭は賑やかで、
わたしの土地では一番盛り上がるお祭りでした。
中学三年生わたしはその日、近所の友達と山車と神輿を観るために
神社へと向かいました。
もう帰宅しなくてはなりません。妹が来る時間が近づいてきました。
もし明日もここがあるのなら、続きを書かせて頂こうと思います。
もうお別れなのかなあ。続きキボーン。
明日また来る・・・というようなことを書いてからずいぶんと日にちが経って
しまいました。
いちどきにいろいろなことがありすぎて・・・こんなときになって。
「つけ」が回ってきたのかもしれません。
ここ数日に起きたことも後で書きたいと思います。
>>209 一木島姫蔵さん
ありがとうございます。お別れまであと僅かなのに、来れなくて・・・。
今日はあまりいられませんが、田舎に帰るまではできるだけ来ます。
天土祭の話の続きを書きます。
神社はすでに大勢の人で賑わっていました。
お面、わたあめ、りんごあめ・・・様々な露店が、人々の晴れ着が、
男衆の半被が、いつものしんとした神社の落ち着いた色合いに
鮮やかな色彩を与えていました。
皆うきうきとした様子で、それを通り越して興奮気味の男衆からは
ふるまい酒の勢いか怒号のようなものが飛び交ったりもしていましたが、
毎年の事で、わたしたちはうきうきとはしゃぎながら露天を見て回りました。
「あ、クラスの男子」
一緒にいた友達が声をあげました。
人ごみの向こうに半被をまとった少年達が見えました。
わたしの目は真っ先にKを探し当てました。
紗和子、待ってたぞう。
お祭りか……最近行かないなあ。
2chの祭りにはよくちょっかい出してるけど。
>>212 ありがとうございます。
>>213 一木島姫蔵さん
掲示板にもお祭りがあるんですか? すてきですね。
>>211の続きを書きます。
Kは真っ青な半被を着ていました。
『天土祭』は天の恵み、地の恵み、水の恵み、山の恵みに感謝する
お祭りです。
男衆は地区ごとに、天の恵みを現す濃い青の半被と地の恵みを現す
海老朱色の半被、水の恵みを現す薄い水色の半被、そして山の恵み
に感謝する深緑の半被に身を包みます。
天の恵みの半被を着たKの姿は、一緒に歩いていた他の同級生の男
の子たちの半被に海老朱色が多かったせいか、とても目立って見えました。
「ハッピ着るとさー、なーんかかっこよく見えるよね」
友達のしみじみとした声が聞こえてきても、わたしはKから目を離すこと
ができませんでした。
誰かを見ただけで、胸がしめつけられるような、それでいて心地よい
ような、そんな思いをしたことはありませんでした。
わたしと一緒にいた友達の一人が、いきなり男子達に向かって大きな声を
出しました。
「おーい」
数人の男子が気づき、こちらを向きました。
215の文章を訂正します。
Kと書いたのはSのことです。
わかりにくくしてしまったことをお詫びします。
ややこしいのですが、わたしの初恋の人Sの「S」は
彼の苗字のイニシアルです。実は下の名前はわたしの
婚約者と同じ「K」なんです。
どちらも「K」と書いては混乱をまねくと思い、後から書いた
Sのほうは苗字からイニシアルをとったのですが、やっぱり
いつも呼んでいた(そして今も心の中で呼んでいる)下の名前
のほうが馴染みがあるので、つい「K」と書いてしまいました。
これからは間違えずに彼の事はSと表記するように心がけます。
本当にすみませんでした。
>>215の続きを書きます。
「おー」
数人の男の子たちが友達の声に気づいてこちらを向きました。
声をかけた友達と仲のいい男の子が、挨拶するように軽く手をあげました。
「これから俵取りなんでしょー? がんばってねー」
Sもこちらを見ました。
わたしは、自分がSをずっと見ていたことに気づいて、顔が熱く
なりました。
目が合ってしまって逸らすのも気がひけたので、わたしはおそらく
顔を赤く染めたまま微笑みました。そして。
Sはわたしに微笑みを返してくれました。
それだけ、ただそれだけで、わたしの全身は想像もできなかったほどの
幸福感に包まれました。
祭りの世話役の人たちに促され、男子の一団はこれから行われる行事
へと促され移動していきましたが、わたしは人ごみに紛れていくSの
青い背中を見えなくなるまでみつめていました。
幸福な思いはまだわたしの体をほかほかと温めていました。
わたしは幸せでした。
それがSから向けられた最後の微笑みになるとも知らずに。
祭りは『俵取り』と呼ばれる行事が始まろうとしていました。
わたしはその『俵取り』のすぐ後に行われる餅まき(紅白の福餅
が撒かれ、それを拾うのです)でいい場所をとりたいという友達
に促されて、見物人のかたまりの一番前まで行きました。
既に半被を纏った男衆は集まっていて、青、海老朱、緑、水色と
地区ごとに綺麗に分かれざわめいている風景は壮観でした。
これに参加できるのは15歳(14歳でも中学三年生なら良いとされて
いました)からという決まりがあったので、Kたち同級生の男子に
とっては初めて『俵取り』でした。
体の大きな大人の男性がひしめく中、青い半被の集団の中でKを
見つけることは至難の技でした。
「あ、さわちゃんとこのおじいさん」
友達の声に顔を上げると、祖父が禰宜さんや他の世話役の人たちと
一緒に高い石垣の上にやってくるのが見えました。
祖父や世話役の人たちの腕にはそれぞれ小さな俵が抱えられていました。
すみません。
>>218で再度Sのイニシアルを書き違えてしまいました。
どうしてもこのときのことを思い返すと、あの瞬間、何度も彼の名前を
心の中で呼んでいた気持ちそのままになって、下の名前のほうの
イニシアルを書いてしまいそうになります。
綴る者としてこのような表記間違いは最低ですね。
感情のままに心の中で叫ぶならいいでしょうが、わたしはここに
書き込まさせていただいているということをもっと意識しなくては
なりません・・・。
ここで、この掲示板でわたしがここで本来「K」と書くべき婚約者が
当時どうしていたのかを書きます。
わたしより4つ年上のKは既に大学に通うために東京に住んでいました。
中学二年の冬、Kがその有名な大学に合格したと聞きました。
伯母たちが興奮気味で帰宅したわたしに教えてくれたのです。
わたしは来年から大学生になって一人暮らしをするなんて、Kって
ずいぶん大人だったんだなあと奇妙な感じがしただけでしたが、
伯母と叔母はうきうきと話しつづけていました。
「未来の旦那さんが『○大出』なんて、紗和子も鼻が高いねえ」
「あーでもKちゃん東京なんかに行ってちゃんと帰ってきてくれるかしら」
「大丈夫、Kちゃんに限って」
Kも中学、高校時代にはこの祭りに男衆として参加していたはずですし、
わたしも毎年この祭りを見にいっていましたが、なぜかKの半被姿は記憶に
ありません。
Sの姿を見つけられないまま、合図があり、『俵取り』が始まりました。
石垣の上から『福俵』が各地区の男衆たちの中に投げ入れられます。
わたしの祖父は、水色の男達のかたまりに手にしていた俵を投げ入れました。
他の世話役の人たちによって、青、緑、海老朱のかたまりにもそれぞれ
一つずつ俵が投げ入れられました。
場がどおっと地鳴りを起こし、玉砂利から土煙が立ちました。
その瞬間、土ぼこりで煙るむこうにわたしはSの姿を見つけました。
荒々しい男衆が上方から投げ込まれた俵に一斉に向かった刹那、Sが
その塊からしなやかに飛び出すのが目に映りました。
一瞬の事だった筈ですが、わたしにはスローモーションのように
その場面が見えたのを憶えています。
Sは他の大人の誰よりも高く飛び、抱きしめるように俵を掴みました。
わたしの目の奥はなぜか熱くなり、視界が潤みました。
にじんだ視界には、Sが他の男衆に揉みくちゃにされ、Sの姿が
いくつもの青い背中にかき消されていくのが映りました。
土煙と男衆達の怒号にも似た声、見物人の歓声の中、わたしはSの姿が
消えたあたりをじっと見つめていました。
爪の跡が残るほど両手を握り締めながら。
『福俵』は禰宜のお浄めを受けた後に各地区の男衆の中に一つずつ
投げ入れられ、それを獲った男がその年の『豊年造(ほうねんぞ)』
となります。
この天土祭で豊年造となるのは大変な誉れで、父は自分が若いときに
4回も豊年造になったことを時々得意げに話してくれました。
「一瞬俵を掴んだと思ってもすぐに他の奴らに滅茶苦茶やられるんだ
もんなあ。俺ぁ祭りで俵獲るために高校でラグビーやったんだ」
それでも父が初めて俵を獲れたのは20歳のときだったと聞いています。
わたしは父の言葉を思い出しながら男たちに押しつぶされていったSの
ことを案じていました。
見ていなかったので定かではありませんでしたが、海老朱、水色、
深緑の半被を着た地区では決着がついたようで、歓声があがって
いました。
濃い青の半被達だけが、まだぐちゃぐちゃと折り重なっていました。
わたしは心の中でSの名を呼んでいました。
Sは中学三年になるまでにかなり背が伸びたとはいえ、大人の男達
とは体格が違います。
Sが痛み苦しんでいるかもしれない・・・初めて「いてもたっても
いられない」という思いがわたしの総てを占めました。
わたしは目を離しませんでした。
あのあたりにSはいる、そう思いそこを見つめただSの無事を
いのりました。
喧騒の中、青い塊の一番下からするりと人が抜け出すのが
見えました。
身軽な動物のように滑らかに。
Sでした。
見間違えるはずがありません。
「ねえ、さわちゃん、あれ・・・Sじゃない?」
「ちょっと・・・、すごいよ!!」
一緒にいた友達が口々に興奮気味で叫びました。
そして、どおっと歓声があがりました。
半被は着崩れ、鉢巻のない髪はボサボサ、顔は真っ赤でしたが、
晴れやかな笑顔をしたSの腕には高々と『福俵』が掲げられて
いました。
15歳、おそらくそれまでで最年少の『豊年造』となったSは、その日
一番の話題になりました。
天土祭には小さな山車が一台と、(神様が乗っているという)神輿が一台、
そしてそれぞれの地区の豊年造が乗って音頭を執る四台の御輿が出ます。
秋晴れの下、勇壮な掛け声と共に揺すられる御輿の上のSを、わたしは
眩しい気持ちで見つめていました。
屈託ない笑顔のSの背後にはただ青い空が拡がっていて、今もその情景
をわたしは鮮明に思い出すことができます。
陽が沈み、神社の前の広場では踊りの輪が作られていました。
わたしや友人は踊りには参加せず、露店を回ったり、踊りを
見たりして楽しい雰囲気を味わっていました。
うっかりアイスを新しいスカートにこぼしてしまったわたしは
友達と離れて神社の鳥居のそばの遣水のところまで行きました。
新しいスカートを汚してしまっても、依然わたしの心は柔らかく
幸せな気分で包まれていました。
ハンカチを濡らしかたく絞って汚れを拭いていると、誰かがわたしの
名前を呼ぶのがきこえました。
「さわこ」
あたりは薄暗くなっていましたが、人ごみから青い半被が現れるのが
見えました。
Sでした。
まっすぐに走ってくるその姿は、中学二年生のときわたしがOという男の
先輩に呼び出されたときに走ってきた姿と重なりました。
「あ・・・S、今日は大活躍だっ・・・」
わたしはSの表情を見て驚きました。
笑顔はなく、そうまさに中学二年のあのときと同じように怒ったような
顔をしてわたしの目の前まで来たのです。
「S?」
Sはわたしの腕を掴みました。痛い、と感じるほどに。
「さわこ、お前S学園行くってほんとか?」
突然のことだったので、最初何を言われたのかわかりませんでした。
見上げると恐ろしいほど真剣なSの目がありました。
「S学園、行く、って・・・うわさ、聞いて、さっき」
荒いSの息が前髪にかかりました。
「嘘だろ? だってお前成績いいし」
日中、あんなに誇らしげに晴れ晴れと笑っていたのに、全く
笑顔が消えてしまったSの顔をわたしは辛い気持ちで見ました。
自分で決めたことなのに、卒業したらSと離れてしまうのはわかって
いたことなのに、後悔の思いが押し寄せてくるのがわかりました。
「さわこ」
答えを促すSがわたしの腕を掴んだ力は驚くほど強く、わたしは
女子校に行くことにしたということを伝えなくてはと思いながら
もなかなか言葉にすることができませんでした。
本当だと言うよりも、好きと言いたかった。けれどわたしは
「うん。S学園に行く・・・」
と答えました。
Sの顔は見れませんでした。
言った瞬間、涙が出そうになりましたが、涙を堪えるのは得意
でした。きっとSには判らなかったと思います。
Sは目線を地に落とし、絶句しました。
言葉はありませんでしたがわたしの腕を掴む手の力は更に強まりました。
わたしはできるだけ明るい声を作りました。
「SはK高? バスで一緒になるかもね」
Sは答えませんでした。
「なんで・・・」
ボリュームを変えたのか、踊りの音楽が大きくきこえてくる中、
わたしたちは黙っていました。
暫く後、Sが顔をあげました。
「さわこ、俺・・・」
その時でした。
「最年少豊年造ー、やめとけよー」
うしろから冷やかすような男の声がしました。
振り返ると、鳥居のそばの階段にSと同じ青い半被を着た男が
座っていました。振舞い酒が入っているらしい白い湯のみを
手に持っていました。
見覚えがありました。確かKと同級生の人でした。
お酒が入っているせいかすこし呂律の回らない口調でしたが、
小気味よさそうに彼は言いました。
「○○(わたしの家の屋号)の跡取り娘にはちゃんとした縁人が
いるんだ。ちょっかい出すと恥かくぞ」
闇の中に走って消えていったSの青い半被の背中が忘れられません。
ほんとか?と問うような瞳から目線をはずして肯定した瞬間、わたし
の初恋は終わりました。
Sのあの微笑みは二度とわたしに向けられることはありませんでした。
大学時代に友達になったYは、どことなくSに似ています。
屈託ない笑顔に幾度わたしの心も和やかにさせてもらったでしょう。
Yの会社の忘年会の景品を選ぶのを手伝った日、お酒の入った
Yに言われました。
「本当にこのまま結婚して幸せなの?」
それから暫くしてYから電話が掛かってきました。わたしの
マンションの前まで来ていると。
ちらちらと揺れる外灯の下で
「好きだ」
と言われました。
そして先々週末、大学時代の友人たちが設けてくれたわたしの結婚
祝賀会に主催者のひとりだったYはいませんでした。
きのう、クリスマスイブの夜、Yは再びわたしのマンションの前まで
来ました。
「さわちゃんが俺の気持ちに答えてくれたら、家とかしがらみとか
そんなごちゃごちゃしたもんからは俺が絶対守るから」
と、抱きしめられました。
悪夢でも吉夢でもなく、ただ夢の中での出来事のような気持ちです。
こんなときになってこんなことが起こるなんて。
もうマンションの荷物もあらかた田舎に送ってしまったのに。
Kとはキス以来あまり会っていません。
クリスマスイブのきのうも会いませんでした。
年末でとても仕事が忙しいらしく、わたしが夕食を作り自分の
マンションに時間には帰ってこれないのでほとんどすれ違いです。
わたしの荷物の運び出しも千葉から妹に来てもらって手伝って
もらいました。
すぐ下の妹とは暫く疎遠になっていましたが、最近またよく話すよう
になりました。
中、高校時代、何が気に入らないのかわたしや家族に突っかかって
ばかりだったのですが、すっかり大人っぽくなって、自活している
今はわたしよりずっと大人の女の人みたいです。
「今は彼氏とラブラブだし、もう昔のことだから言うけどさあ、
あたし、小っちゃいときKちゃんのこと好きだったんだ」
引越しを手伝ってくれた後、妹は少し照れながらそう言いました。
「お姉ちゃんてよくできて美人でその上Kちゃんとも結婚が決まって・・・
ホント妬けたよお」
知りませんでした。
小さい頃、わたしとすぐ下の妹は、親戚で一番近所に住むKたちはとこ兄弟と
よく遊びました。
もっとも、Kの長兄のTはわたしより8歳年長、次兄Mは6歳年長だった
ので、この二人とは「遊ぶ」というよりは「遊んでもらっている」という
感じでした。
わたしや妹、そしてわたしよりひとつ年上のKの弟Jが危険な遊びをしない
ように見守ってくれていたのが面倒見のいいの長兄Tでした。
わたしが小学校にあがったころ既に中学3年生くらいになっていましたが、
よく根気よく遊びにつきあってくれたものだと思います。
次兄のMは、わたしたちに色々な遊びを教えてくれました。
幼児、児童のわたしたちにとってMは遊びの王様のようなもので、わたし
たちは山や川をMの引率で駆け回りました。
わたしが密かに木登りを得意としているのも(ずいぶんとやっていませんが
今もたぶん登れます)Mのお陰です。
Kの兄弟の末っ子Jは、年こそわたしよりひとつ上ですが、小さい頃はわたし
より背も低く、末っ子のせいかきかん気なくせに泣き虫で、わたしは遊んでいる
間も妹が危険な目に遭っていないか何となく気をつけているようにJのことも
気にかけていました。
Kは、おとなしい男の子でした。
うまく形容できませんが、Kは藤子不二雄さんのキテレツ君のような
少年でした(外見は出木杉君のような『いつもアイロンのかかった
ハンカチを持っているような小学生』のようでした)。
「○○大百科」「○○図鑑」とかそんな本をいつも熱心に読んでいて、
昆虫や植物に詳しかったので、わたしはよく『Kちゃんてファーブル
(ファーブル御自身のことはあまり知らないのですが)みたい』と
思っていました。
わたしたちが庭を駆け回って遊んでいても縁側で図鑑をひろげていたり、
Mが山や林へ連れて行ってくれても木登りはせずに切り株の年輪を数えて
いたり虫を採っていたりしていました。
「Kちゃんはなんで木登りしないの?」
「怖いから」
意地っ張りなわたしは怖いということばをひとつの躊躇もなく口にできる
Kに驚いたのを憶えています。
妹は「Kちゃんの強くて揺るがないとこが好きだった」と言っていました。
Kは喧嘩をしません。強いというのはそういう意味ではないのでしょう。
怖いものを「怖いから」とはっきり言えるようなKを、妹は「強い」と
感じていたのだと思います。
239 :
名無し物書き@推敲中?:01/12/28 12:28
age
そういえば小さい頃のある夏の日、妹がKの大切にしていた図鑑に
ジュースをこぼしてしまったことがありました。
妹はティッシュでさっと拭き取り、Kの兄の部屋へと行ってしまい
ました。
わたしはその図鑑をKがいかに大切にしていたか知っていたので、
妹が立ち去った後もしみが残らないようにとごしごしと拭いて
いました。
「何してる!」
背後から鋭い声が飛んできました。Kでした。
Kはわたしに勢いよく近づいてきて図鑑を奪い取ると、そのうっすらと
残った汚れを見て、顔色を変えました。
「Kちゃん、あのね、それ」
わたしの言葉を遮るようにKは言いました。
「もういいから。・・・・あっち行って」
静かですが、明らかにわたしの弁解を拒絶しているひんやりとした声でした。
それからしばらく、Kに近づくのが怖かったのを憶えています。
今日、仕事納めだったというYに駅前のファストフードで会いました。
わたしは温かい紅茶を、Yはオレンジジュースを飲みました。
家族連れと学生でごった返す店内の窓に向かって並んで座って、
不釣合いなような似合っているような、恋愛の話をしました。
Yは返事が欲しいと言いました。
わたしは答えられず帰省する日を告げました。
断られたと思っていいのかとYに訊かれました。
わたしはYをじっと見ました。
健康的で、陽だまりの匂いのするような人です。
この人ならわたしの背負った物をしりぞけ、曾祖父の呪文を解いて
くれるのかも知れない、とわたしは思いました。
「ずっと好きだった。初めて会った時から」
公共の場です。声を押し殺し息で話すようにYは言いました。
Yは、A美の彼氏の友達です。
A美は、わたしの大学時代からの友人です。彼女は留年したので
今もまだ学生です。
1,2年の頃は同じ教室で学ぶことが多かったのですが、それほど
親しくはありませんでした。
彼女が3年生を2回やることになり、わたしが4年生になったとき
英会話の選択授業で一緒になり、いつの間にか仲良くなりました。
「誰かとトイレに一緒に行き、誰かとお昼ご飯を食べ、誰かと一緒に帰ら
なくてはならない」とは思っていない(わたしの女子大では珍しいこと
でした)A美だけが、卒業後唯一コンタクトを繁くとる友人になりました。
そういえば、東京でできた友達でわたしのことを呼び捨てで呼ぶのはA美
だけです。
1年生の頃、A美に関することでひとつだけ憶えていることがあります。
学籍番号順に座ることになっている授業がありました。
わたしとA美は斜め前後に座っていました。
わたしの後ろに座っている3人の女の子は入学後すぐに仲がよくなった
らしく、授業の前はいつも大きな声で笑い合っていました。
派手でおしゃれな3人組で、最初の頃よく「○○○(わたしの苗字です)
さんて、髪の色変えたらもっと今っぽくになるのに〜」と声を掛けられました。
わたしは高校も女子校だったので、女の子が男っぽい言葉遣いをするのに
慣れてはいるはずでしたが、その3人が「ちっげーよ」「バカじゃん」
「イケてねー」「カネがねえ」等々荒々しい口調で言っているのを聞いて
最初は驚いたのを憶えています(だんだん慣れてきましたが・・・)。
その3人に近寄っては話をしていく女の子がいました。
Iさんと言いました。
Iさんは3人に薦められるがままに髪型やメイクを変え、服や靴を
買っているようでした。
「Iちゃんソレ超にあう」「いい色じゃん」「かわい〜。ねえ、I
ちゃん可愛くなったと思わない?」「おもうおもうー」
とIさんを褒めちぎった後、Iさんがいなくなると3人は手のひら
を返したように悪口を言い始めるのに気づきました。
「なにアレ、ダセ」「冗談でもホメスギ」「誰か止めろよ〜」
聞き耳を立てなくても静かに座っていると耳に入ってきてしまいました。
わたしは、その教室に行くのは始業の時間ぎりぎりにすることにしました。
しかし、その教授は始業時間が過ぎて暫くしてから来るのが常だったので、
やはり3人がIを馬鹿にしているのを耳にすることもありました。
「ねーねーIって、ぜってーやってないよね」
入学して半年ほど過ぎたある日、後ろの席からエナメルの匂いと共に
そんな言葉がきこえてきました。
「高校ん時のカレシとヤッたっていってたよー。嘘だろうけど」
「カレシなんてできるわけないじゃんあのブタに」
「でもヤッたって言い張ってんだよね〜」
「嘘ついてんじゃねえよって感じ」
その時、Iが近づいてきました。いつものように3人に対する憧れを
含んだ目をして。
「ねー、Iちゃん、あたしカレシの事で悩んでるんだけど相談乗ってー」
「あ、あたしも相談したーい」
「あたしも悩んでるんだよね。Iちゃん聞いてよ」
背後での出来事でしたが、Iさんの顔が輝いたように感じました。
アドバイスを請うてばかりいた相手から初めて『相談に乗って』と言われた
のですから。
果たして、3人の『相談』は恐らく男性と性交渉を持ったことがない人なら
解りづらいものだったのだと思います。
3人はIさんに次々と質問を浴びせ掛け、Iさんが答えに窮しながらも何か
言いはじめると「そうだよね。それで?」とわざと相槌を打ちそのまま
Iさんに喋らせ、その後でやっと「そんなのありえないよー。おかしいん
じゃない?」とバッサリと斬りました。
「Iちゃんさー、見栄はんなくてもいいよ。ヤッたことないんでしょ?」
最後に3人のうちでも率先してIの悪口を言っていた人がそう言った後、
Iが立ち去る音が聞こえました。
「やっぱりー」
「I、ウソツキ〜」
「ヤってるわけねえって」
「テメーにできるかっての」
嬉しそうにはしゃいでいる背後の声にわたしの心は凍りました。
しかし、盗み聞くつもりはなくても盗み聞くことになってしまった
後ろめたさがどこかにあり、また他人の友人(とは呼べないと
思いますが)関係に口を出すことにもためらいがあり、ただただ
3人の底意地の悪さに驚きと恐怖を感じながら意気地なくそこに
座っていました。
不意に、斜め前に座って雑誌をめくっていたA美が静かに立ち上がり
ました。そして、くるりと振り返り、にっこりとわたしを通り越し
3人に向かって微笑みました。
「ふーん。セックスするとそんなに偉いんだ。じゃあ小6で処女やめた
あたしは物凄いお偉いさんだね」
A美は日ごろから「モデルみたい」と言われるような美しい人でしたが、
そのときのぞっとするような気高く且つ嫣然とした微笑みは、冷水を
浴びせ掛けたように3人を黙らせてしまいました。
「あのときは柄にもなくでしゃばりすぎた。1年生だったからあたしも
あのこたちも青々してたねえ。でも毎回聞きたくもないのにでっかい声
でカゲグチ聞かされてやだったんだよね」
と後になってA美は述懐していました。
因みに『小6で処女やめた』というのは本当なんだそうです。『愛があった
のでとてもいい思い出』なのだそうです。
A美が彼氏とキャンプに行く時に誘われ、そこでYと会ったのが最初です。
「湘南キャンパスなんて言ってても、海なんかどこにも見えないんすよ〜」
飯盒でご飯を炊いているとき、Yはわたしにそう言いました。
わたしは一緒にキャンプに来ていたA美の彼氏と同じ学校の男の子達の
うち2人から既にその話は聞いていました。
けれどYがそう言ったときだけ、その困ったような笑顔につられてつい
わたしも笑ってしまいました。
Kが起き出してきたようなので、そろそろ切り上げます。
Kは昨日少し様子が変でした。また風邪気味なのかも知れません。
わたしが、Kの帰省に合わせるため年明けまでこっちにいたいので
わたしのマンションの部屋は引き払ってこっちに寝泊りさせて
もらうようにしてもいいか尋ねたときも暫く黙っていました。
「いいよ」とは言ってくれましたが。
久々っす。
YさんはKO出身なんすか?
今日、マンションを退去しました。
一年足らずの住処だったことと既に大きな荷物は運び出した後
だったため、わたしは中くらいの旅行鞄一つで部屋を後にしました。
そして、今、A美の部屋にいます。
KではなくてA美の部屋に泊めてもらい、これを書いています。
>>248 一木島姫蔵さん
お久しぶりです。お会いできて嬉しいです。
Kの言葉にあてはまる学校が幾つあるのかわかりませんが、
Yの大学はKOではありませんでした。
29日の朝のことでした。
この掲示板に来ていたわたしは、Kが起き出してきたようだったので
パソコンの電源を切り、ダイニングへと出て行きました。
Kがカーテンも開けないでダイニングの椅子に座っているのが
見えました。
「おはよう」
わたしが声を掛けるとKはこちらを見ないまま言いました。
「・・・何か音がしたけど、パソコン使ってた?」
パソコンを切るときの音楽がきこえたようでした。
「うん。なんだか早く目が覚めちゃって・・・」
Kは乾いた声でききました。
「パソコンで何してたんだ? ・・・チャットか?」
寝癖のついた頭をして、わたしのほうを見ないまま。
「チャット?・・・ううん」
Kのパソコンを借りておきながら、この掲示板のことはKには
言えません。
わたしは心苦しさを感じながらも嘘をつきました。
「いろいろとホームページ見たりしてて・・・」
Kは黙ってしまいました。
「どうしたの? 気分でも悪いの?」
あんまり様子がおかしいので、わたしは風邪がぶり返したのかも
知れないと思い、Kに近づいていきました。
「紗和子」
Kは椅子に座ったままわたしを見上げました。
初めてわたしを見たその目だけが、カーテンからもれてくる
うす日のせいか光って見えました。
「俺と本当に結婚するのか?」
Kのその目は真剣で、怖いほどで、今度はわたしが目を
逸らしてしまいました。
「何言ってるの」
逸らした先にコーヒーメーカーが見えました。
「もうすぐなのに・・・」
Kの好きな豆が切れていたことを思い出しながらわたしは
そう言いました。
そして、不意に妹が小さい頃Kのことを好きだったと言った
のを思い出しました。
Kは結婚をためらっているのかも知れない。
Kのことを想う人が現れたのかも知れない。
Kもその人のことを好きになったのかも知れない。
そんな考えがわたしの頭に浮かんできました。
「・・・Kちゃん、好きな人ができたの?」
知らない間にその質問が口をついて出ていました。
それはまるで恋人の不貞を詰るかのようで、わたしはそんな
そんな語調で言葉を発した自分に内心驚いていました。
「・・・・・」
Kが何か呟いたようにきこえました。
「え、何」
「好きな人ができたのはお前だろう」
わたしはびっくりしてKの顔を見ました。
Kはわたしを見つめたままでした。
「Kちゃん、何それ・・・」
Kは駅前のファストフードの名前を挙げました。
「あいつが好きなんだろ」
Kもまた恋人の不貞を詰るような口調になっていて、
わたしは困惑しました。
わたしたちは、縁人同士でも、恋人同士ではなかった
はずです。
「ちょっと待って、会ってたのは大学時代からの友達。
Kちゃんにも話したでしょ、この間わたしの結婚を祝
って飲み会をしてくれた友達の一人で・・・」
KはわたしがYと一緒にいたのを見ていたのでしょうか。
そういえばKの帰宅時間はその日いつもより早かったようでしたが。
「手、握ってた」
そうだったかも知れません。Yはわたしに答えをせまりながらわたし
がテーブルに置いた手に自分の手を乗せたような気がします。
それよりも、Kはどうしたというのでしょう。
そしてわたしはどうしたというのでしょう。
必死に『弁明』しようとしていることに自分自身で驚いていました。
「席と席の間が狭いから、手が触れたん・・・」
言い終わらないうちにKは立ち上がり、わたしの視界は陰に覆われ、
気がついたらKの腕の中にいました。
頭に血がのぼるのを感じました。
Kはどちらかというと痩せ型ですが、それからは信じられないくらい
がっしりとして固く熱い体は、わたしの動きを封じました。
もっともあまりに突然で、動くことも言葉を発することをする
余裕もありませんでした。
耳もとでKがわたしの名前を呼ぶ声がしました。
そして、わたしはKに二度目のキスをされました。
Kの唇は驚くほど温かく、でもわたしはただ混乱しながら
Kの体を突き放しました。
期せずしてどっと涙が溢れてきました。
人前で泣くのは嫌いです。けれど止めることはできませんでした。
「・・・好きじゃないくせに!」
大きな声でわたしはそんなことをKに向かって叫んでいました。
「わたしのことなんか好きじゃないくせに!!好きじゃない
くせに!!」
自分が自分じゃないような気がしました。
涙を流しながらきっと物凄い形相をして、金切り声をあげて・・・。
わたしは鞄だけ手に取るとコートも着ないでKのマンションを
出ました。
公道を泣きながら歩いたのは生まれて初めてでした。
自分のマンションに帰っても涙は止まりませんでした。
どうしてあんなに悲しくて腹立たしかったのか今もわかりません。
A美は訳もきかずわたしを泊めてくれました。
明日の夜からお正月の間、彼氏のアパートで過ごすのだそう
です。
「居たいだけ居ていいからね」
A美は合鍵を貸してくれました。わたしは有り難さで胸が
いっぱいになりました。
わたしはどうなるのでしょう。
いいえ、わたしはどうするのでしょう。
考えなくてはいけません。
今日母に電話してお正月は友達の家で過ごす旨を伝えました。
伯母たちだったら「なんでKちゃんと過ごさないの」と言った
のでしょうが、母はただ「ご迷惑をかけないようにしなさいね」
と言っただけでした。
けれど最後に、電話を切ろうとしたわたしを呼び止めるように
して母は言いました。
「さわこ」
「うん?」
「年明けたら、帰ってくるよね?」
どきりとしました。
うんと言って電話を切った後、また少し涙が出ました。
A美の部屋でココアを飲みながら2002年を迎えました。
誰にも明けましておめでとうを言わなかった初めての元旦でした。
そして今日、A美が一度部屋に戻ってきました。
A美の彼氏は押しかけてきた友達と一緒に母校の応援に箱根駅伝を
見に行ったそうです。
「A美は行かなかったの」
「あたしの『母校』でもないのに?」
『母校』という言葉を口にするとき、A美は少し眉を寄せました。
Yも一緒に応援に行ったのかなとぼんやりと思っていると、A美が
初詣でに誘ってくれました。
「神様にお願いするんだよ」
「なにをおねがいするの」
「幸せでありますようにって」
小さい頃、近所の神社で母の見よう見まねをしてお賽銭を
投げ入れた後、そんなやりとりをしました。
「だれが幸せでありますように?」
母は少しだけ考えて
「みんな」
と言いました。
それ以来、23になる今まで、神社でお参りするときには心の中で
「みんな幸せでありますように」
と言っています。
今日もそうしました。
神社の帰り道、わたしたちが追い越した参拝客から声を掛けられました。
「あれ? 紗和子さん?」
声の主は、Kの同僚のT川さんでした。女の人と一緒でした。
A美の携帯電話が鳴り、T川さんの連れの人がお守りを買いに
行ったのでわたしとT川さんは暫くふたりになりました。
こんな大人数の参拝客の中でよりによってこんなときにT川さんに
会うなんて・・・と思いましたが、今日はKと一緒じゃないんですか、
とT川の笑顔を見て、この間のことをKから聞かされていないこと
がわかりました。
「先日は盛大な会を開いてくださってありがとうございました」
とわたしが言うと、いやあ、とT川さんは微笑みました。
「いろいろと悪ノリしてしまってすみませんでした。あんまり
Kが嬉しそうだったんで、つい・・・」
嬉しそう・・・?T川さんは何をおっしゃっているんだろう、そう
思ってぼんやりとしているわたしの耳をT川さんの言葉が駆け
抜けていきました。
「Kって照れ屋だから必死でポーカーフェイスを作ろうとしてる
けど、僕、Kの紗和子さんへの想いは聞いちゃってるから・・・」
T川さんの声が遠いところで聞こえているような、それでいて
人々のざわめきと足音の喧騒の中でそれだけが鮮明なような、
不思議な感覚のままわたしはT川さんの言葉を聞いていました。
「『なれそめ』を話してくださいって言ったときも、Kの奴、照れて
憮然としちゃって・・・」
―だって、わたしとKの『なれそめ』なんて・・・
「あいつのことだからきっと紗和子さん自身にも言ってないんじゃ
ないかなあ。聞いてます?」
―聞くも何も、わたしが10歳、Kが14歳のときに親族会議で『縁人』
と決まっただけで・・・
「あ、やっぱりあいつ言ってないんだなあ」
―祝賀会で『なれそめ』をきかれたときのあの憮然とした態度が照れて
るからなんて・・・
「あいつのことだからこれからも言わないかもなあ。紗和子さん、もうすぐ
結婚式のためにKと田舎帰るんですよねえ」
―Kをあんなふうに突き放してきて結婚式なんて・・・
「僕、言っちゃおうかなあ、餞に。あ、Kには内緒ですよ」
T川さんはにやりと笑ってそう言いました。
T川さんと別れ、A美と別れ、A美のアパートに戻って来てから、
ずっとT川さんが話してくれたことを考えていました。
T川さんはこんなことを話してくれました。
「新人の頃一緒に飲んでて、彼女いるかってKに訊いたら『婚約者なら
いる』て答えが返ってきて、よく聞きゃ10代のときに親が決めて婿養子
になることが決まってるなんて言うんで、今時珍しいなあなんて驚いてね。
でもその時もむっつりしてるから知り合ったばかりだし照れてるなんて
気づかなくてそれ以上は訊けなかったんですよ。
それから何年か一緒に働いてるうちに、あの、紗和子さんにこんなこと
言うと心配になっちゃうかも知れないんですけど、時々同僚とかバイト
の子がKのこと好きになってね、無理もないですよ、あいつは浮ついた
とこがないし、仕事はできるし、適度な心配りはできるし。
あ、もちろん安心してくださいよ、女性の方の片思いです。
Kは言い寄られるとその都度きっぱりと断ってたようなんで。
即答で断られたなんて僕に泣き付いてくる同僚もいましたからね。
かなり一緒に仕事もして気心も知れてきたときに、僕、訊いてみたん
ですよ。親が決めた婚約者だろ?愛情なんて湧くのかって」
「そのとき少し酒が入ってたせいか、Kは珍しく饒舌でしたよ。
中学生のときでしたっけ、決まったときは正直いって気が重かった
そうです。・・・紗和子さんのことはおむつのころから知ってる妹の
ようなものだと思っていたし、紗和子さんのお宅の名前の大きさを
背負うのも大変そうだって思ったようです。
でも、子供すぎて結婚なんて具体的には何もピンと来ないで、まあ
そんなものかというような気持ちで受け止めたらしいです。
でもそれから何年かして、Kは紗和子さんに本当に惚れちゃったん
ですよね」
「紗和子さん、お祭りに神社で踊る・・・えっと、そうだ『舞姫』ですよね?
それに選ばれたことがあったでしょう。たしかその頃Kは高校生になって
ましたよね。
家の人から今年は紗和子さんが踊るって聞いてたはずなのにすっかり
忘れてて、お祭りに行って人だかりの所を覗いたら凄く綺麗な舞姫が
踊ってたんだそうです。
最初、紗和子さんだって判らなかったみたいですよ。
凛としてて、綺麗で、神々しくてそのくせどこか色っぽくて・・・
暫く見惚れていたら、近くで見てた誰かが「さわちゃん本当に綺麗
ねえ」なんて囁いてるのが聞こえてきて初めて紗和子さんだって
気づいて吃驚したそうです。
もう一度よく見て確かに紗和子さんだって気づいた瞬間、あいつ、
『物凄く幸せな気分になった』んだそうです。
失礼かも知れませんが、あいつ、その時まで紗和子さんのことをオムツ
のころと殆ど変わらない認識で見てたみたいなんですよね。
でも舞姫の紗和子さんを見て思ったんだそうです。
『俺はこんな美しい人と結婚できるのか。なんて幸せなんだろ』
で、一人で熱くなって決心までしたらしいですよ。
『俺はこいつを絶対に絶対に大切にし続ける。どんな重い因習が圧し
掛かって来ても守り続ける』・・・て。
あいつに飲ませたお陰で僕もいい話が聞けましたよ。
で、僕はこれがKが紗和子さんに惚れた瞬間ですから、Kから見た本当の
『なれそめ』だと思って、あの祝宴で話して欲しかったんですけどねえ」
俄かには信じられませんでした。
今も書き込みながら心の中で『信じられない』を繰り返してしまいました。
あのKがわたしを女として好きだなんて。
あのKがわたしのことを守り続ける決心をしていたなんて。
あのKが、眩しいような気持ちでわたしが舞うのを見てくれていたなんて。
混乱しています。
そして、涙が出てきます。
田舎へ帰る予定の日が過ぎました。
Kは予定通り遅い冬休みを過ごしているんでしょうか。
昨日、A美がアパートに帰ってきました。
わたしが作った七草粥をふたりで食べました。
都会では七草がセットで売られているんですね。
小さい頃、祖母に七草の名前を教わりました。指折りながら言っていくの
ですが、なかなか最後のひとつが出てこなかったのを憶えています。
けれど、わたしの田舎の家の七草粥はなぜか五草程しか入っていませんでした。
ゆうべのことです。A美がさりげなくYの名前を口にしました。
箱根駅伝が終わった日、A美の彼氏のアパートに来てお酒を飲んでいった
そうです。
「紗和子にふられたって泣いてた」
年末、駅前のファストフードでわたしは結局彼に応えられませんでした。
「Y、ウジウジとやっぱ○大出のエリートには適わないのかなとか言って
たけど、そんなんじゃーないのにね」
A美の最後の言葉が気にかかりました。
「そんなんじゃないって?」
A美は事も無げに言いました。
「だって、紗和子はKさんのこと好きじゃん」
「わたしがKのことを好き?」
A美はどうしてわたしがそんなに驚いた顔をしてるのかわからないと
いうようにちょっと微笑みました。
「どうしてわたしがKのことを好きだなんて思うの?」
「Kさんのこと好きじゃないって言うの?」
「それは・・・」
混乱しているわたしに、またA美はやさしく微笑みました。
「紗和子はKさんのこと尊敬してるじゃない」
わたしは、わたしの心を自分以上にA美が識っているような
気がして、すがりつくようにA美を見つめました。
「どうしてそう思うの?」
「紗和子から最初に親が決めた婚約者がいるって聞いたときは、
それを言ったときの素っ気ない紗和子の態度もあって、内心
婚約者のことを好きじゃないんだな、なんて思ったけど・・・」
それは違っていたとA美はいいました。
「紗和子って自分のことに関して自慢げになることがないじゃない?
成績よくても、何かスポーツしててうまくても、容姿ほめられても。
でも、Kさんのことはほんと、自慢っていうか誇りに思ってるのが
伝わってくるんだよね」
「自慢・・・? 」
そんな態度をしていたのでしょうか。わたしは暫く考え込みました。
「あ、Kさんが○大出てるっていうこととかじゃなくて・・・それは
あたしの彼氏とかが訊いたから紗和子が答えただけで。
紗和子にさ、Kさんの仕事について訊いたことがあったよね。
そしたらさ、紗和子は大まかに仕事の内容について話してくれた後、
『残業も休日出ることも多いけど、人の力になれたって実感できる
仕事らしいの』って言ったんだよ。そのときのね、紗和子の顔がね、
なんていうの、誇りに輝いてて・・・。あたし、それまで紗和子のそんな顔
見たことなかったから」
「それからもKさんのこと話すとき言葉や態度の端々に仕事のこと
だけじゃなくって尊敬が伝わってくることがあったし、紗和子、
卒業してから忙しいKさんの生活のサポートも嬉しそうにやってたし、
ああ、紗和子好きな人と結婚するんだ、よかったなって思ってたよ」
じっくり考えたことはありませんでしたが、確かにわたしはKの
仕事に取り組む姿勢を尊敬していました。
Kがあまり多くではありませんが、仕事のことを話してくれたとき、
Kの顔もまたやってきたことへの誇りで静かに輝いていたように
思います。
そして、K自身も尊敬していたといってもいいのかもしれません。
探究心があること、知識が深いこと、根気があること、それも尊敬
の対象ではありますが、なによりKはわたしには全くないものを
持っていました。
「なんで木登りしないの?」
「こわいから」
こわい、と正直に言える強さをわたしは持ってはいませんでした。
あのとき、その強さに憧れました。
「で、でも尊敬してたら好きだっていうの?」
すがりつくようなわたしの問いにA美はまた事も無げにいいました。
「尊敬イコール、じゃないかもしれないけど、尊敬できない人、
好きにならないでしょう」
A美の顔をじっと見つめるわたしの心の中にA美の言葉が降り
注ぎ、そして静かに沁み込んでいきました。
「尊敬のない恋愛なんて、勘違いかエゴか見栄だと思うけど」
そして、ゆっくりとわたしの苛立ちや怒りの理由が解き明かされて
いくのを感じました。
結婚祝賀会でのキス。年末のKの部屋でのキス。
「わたしのこと好きじゃないくせに」何度も叫んだあの言葉。
わたしは、自分の結婚についてずっと苛立っていました。
わたしは、Kに対してずっと怒りを抱えていました。
「わたしのこと好きじゃないくせに」結婚しようとするK。
「わたしのこと好きじゃないくせに」わたしが来ることを拒まないK。
「わたしのこと好きじゃないくせに」キスしたK。
わたしはKに「わたしのこと好きに」なって欲しいのに。
わたしはKのことが好きだから。
いつからだったのかわかりません。
Kが縁人に決定したとき「ふーん」と思ったのも事実です。
Sのことを好きだと思っていた気持ちも確かです。
でも、あの幼い日、Kの図鑑を汚したのはわたしだと勘違いされ
冷たく突き放されたときの鮮烈な胸の痛みを思い出すと、わたしは
あのころ既にKを好きになっていたのかもしれません。
こわいものをこわいと言えるKを、心のどこかで尊敬しつつ愛し
はじめていたのかも知れません。
一昨日、Kから携帯に電話があったとA美が言いました。
田舎の母にA美の電話番号は伝えてはありましたが、Kは
何と言って教えてもらったのでしょう。
「紗和子に会いたいって。うちに来たいって言ってたけど、
紗和子がいいって言わないとって答えといた」
今日は朝からA美はバイトに出かけていきました。
わたしはずっと考えていました。
考える、というよりはいろいろなことを思い返していました。
Kのこと、A美の言葉、T川さんの言葉、そして家のこと。
わたしは『紗和子を跡取りに』との曾祖父の言葉を「呪文」と
呼んできました。
わたしは運命に身を任せると潔いことを言っておきながら
その運命を呪い自分を不幸せな人間だと思っていました。
不幸せにしていたのは運命ではなく自分自身だと気づかずに。
愛されてもいない相手と結婚する自分の身を嘆くばかりで、
自分の気持ちに蓋をして、自分が傷つくのが怖くて、運命と
いう言葉に逃げて、無駄なプライドばかりを大事にして、
自分を不幸にしていました。
これから、Kに会いに行こうと思います。
T川さんの話は未だに信じられないというのが正直な気持ちですが、
わたしの気持ちだけは伝えようと思います。
Kは怒っているかも知れません。あの図鑑の件のときのように冷たく
突っぱねられるかも知れません。
怖いです。
でももう運命のせいにも誰のせいにもしません。
紗和子は意外と熱い女だったんだなーーー。。。
277 :
(-_-):02/01/23 16:11
ツ、ツヅケテオクレヨ......
紗和子、きっと最後まで書いてくれるよな?
age
280 :
名無し物書き@推敲中?:02/02/17 00:51
いなかかえった?
初めて読んだが、フィクションなのか実体験なのか判断できないな。
乙女の頑なさ
283 :
名無し物書き@推敲中?:02/03/23 00:14
今年の桜はとっても早いですね。
花霞に見惚れてしまいました。
今、東京にいます。
285 :
名無し物書き@推敲中?:02/03/25 20:23
つづけれ
さわこ、かけ。
288 :
名無し物書き@推敲中?:02/04/16 08:57
懐かしい。
ケコンシナカッタテコト?
290 :
名無し物書き@推敲中?:02/04/16 19:32
紗和子age
無粋な上げ方しないでまとうよ。四月で忙しいんだよきっと。
サワコーカムバク
293 :
名無し物書き@推敲中?:02/04/29 17:22
紗和子
さわこ、ごーるでんうぃーくもおわったぞい
梅雨がくるぞいー。
296 :
名無し物書き@推敲中?:02/05/25 20:06
ワールドカップはじまっちゃったぞえ
九州は入梅だべし
299 :
名無し物書き@推敲中?:02/06/14 04:47
ワールドカップみてるかーー?
300ゲット
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!
301 :
名無し物書き@推敲中?:02/06/30 12:07
302 :
名無し物書き@推敲中?:02/07/16 03:22
さわこ、Kにフラレル→ここに戻ってくる ってのはどない?
さわっち…夏休みだよ
304 :
名無し物書き@推敲中?:02/07/22 19:07
さわこストーリー
お盆が来るぞ。
306 :
名無し物書き@推敲中?:02/08/02 01:53
佐和子逝去。
佐じゃなくて紗だろ
でも本名は佐がつくんじゃなかた?
309 :
名無し物書き@推敲中?:02/08/24 04:57
夏が過ぎ〜
かぜあざみー
311 :
名無し物書き@推敲中?:02/08/26 04:02
そっから先がわからないのか?>311 なんとかなんとかさまよう〜 だった気が
313 :
名無し物書き@推敲中?:02/09/12 16:02
314 :
名無し物書き@推敲中?:02/09/20 20:52
sawako
316 :
名無し物書き@推敲中?:02/10/17 14:37
sawako
317 :
名無し物書き@推敲中?:02/11/04 22:54
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