日本ファンタジーノベル大賞スレッド

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932名無し物書き@発酵中?:2005/07/22(金) 18:29:38
訂正
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しのざき堂奇譚        紫野貴希
13歳の漂流民        浅野朱音

WILD SIDE          吉見祐美子

緑色の観念が凶暴に眠る    樺山三英

--------------------------------------------

相すみませんです。 
933名無し物書き@発酵中?:2005/07/22(金) 18:44:33
マタマチガッテルシ……
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しのざき堂奇譚      紫野貴李 
------------------------------------
マジスミマセン。
そろそろ眼鏡つくるか……。
934名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 21:57:56
負け犬の遠吠え、および傷の舐め合いになることをあえて恐れず発言すると…

落ちてても意外とショックはなかったな。
むしろ今回書くことで身についたスキルを誇らしく思う。
人から褒めてもらいたくてやってるわけじゃないもんね。自分がやりたいことやってるからそれでいーもん。
935名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 22:00:21
>>928->>933
936名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 22:58:11
落ちてわかること…

自己と他者の間には限りなく深い断絶があって、
それを乗り越えるには大変な努力が必要ってことかな。
僕にとってはそれがモチベーションを高めるきっかけになっている。
いつか友達に、「くやしいけど、面白かったよ」と言わせてみたい。
「あんま意味わからんかった」じゃちょっとね…
937名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 23:43:13
「後宮小説」はど真ん中ストレートだったのに後のは変化球ばっかし
今さら変化球投げようとは思わないし
これからもスタンダードなファンタジーで勝負しようと思う
つってもハリポタみたいなんじゃなくて
重みも持たせつつ
子供みたいな気分でワクワクしながら読んで元気になれるようなやつ
なんか傾向と対策とか馬鹿馬鹿しくなってきた
938名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 07:59:40
>>933 に感謝!

いや〜それにしても、タイトル羅列するだけで
この賞が明らかに特殊なものだということが分かるなぁ。
>金春屋ゴメス
なんて、どんな話なのか想像すらつかん。
>サイタマフィクション5
は、さいたま市が舞台の「ラッシュライフ」みたいな話かな?
>文壇
てのがあるが、コリャ何かの冗談か?
939名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 08:54:34
で、トーマス・マンはどれ?
940名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 20:24:34
翻訳のがある。ネタ翻訳だろーか。
941名無し物書き@発酵中?:2005/07/24(日) 00:16:03
この賞に応募する人ってみんな「奇譚」とか「異聞」とか大好きだよね。
942名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 08:52:53
ネタ翻訳か。
なんかそういう発想もなかった俺
943名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 09:39:26
とりあえず次回作はタイトルに奇譚をつけてみるか
944名無し物書き@発酵中?:2005/07/24(日) 11:37:55
>942
ネタ翻訳は、正直ちょっとどうかと思うが……

>943
待った! ダメダメ!
毎年一次選考通過作品の中に「奇譚」や「異聞」をたくさん見るけど、
それで受賞した人はまだいないじゃないか。
あ、小野不由美が「東京異聞」で最終候補作に残ったか。でもそれだけだよ。
945名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 21:08:21
オイラ1次に残らせてもらったけど、4位から38位までの何位だったか知りたい。
どーせ入選に漏れた作品なんてゴミ扱いなんだろうけど・・・。
946名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 21:11:04
4位は5位のまちがえ。スマソ
947名無し物書き@発酵中?:2005/07/24(日) 21:13:25
>945
おお、この賞で一次に残ったなら大したものですな。
他の賞は三段階だけど、NFNは一次の次はいきなり最終なんだから。
さしつかえなければタイトルと、どんな作品だったか教えて?
948947:2005/07/24(日) 21:33:34
あ、PNがばれるとさしつかえあるか。スマソ。
じゃあ、よかったらどんな話だったかだけでも。
すっごい興味ある。

むかし、知人がこの賞の一次選考に残ったというので読ませてもらった
んだけど、すげえいい物語で読みながら泣いてしまった。
たしかに新人賞には危険なんじゃないかって要素があったから
その作品が二次に行けなかったというのは納得できるとこもあるけど、
以来、俺は、この賞は二次落選でもすげえイイのが来るんだなーと
あらためてハードルの高さを実感しますただ。
949名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 21:51:03
>>945
おめでとう。
自分の名前を見つけたときの気持ちとか知りたいなあ。
その前後で、自分の中で変わったところとかある?
950名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 23:25:49
まったくなんだいこのへんてこなタイトルのオンパレードは。
せっかくこっちは小説の普遍的な新ジャンルを確立しようと悪戦苦闘したとゆうのに。
脳内で作っただけの幻想の世界なんて結局は人それぞれの好みで分かれるものちゃうんかい。
リアルなものがいいのか突飛なのがいいのかどっちなのかはっきりしろと。
単なるリアルよりも単なる妄想よりもそういった概念を超越した不思議感覚ってものは、人それぞれ
の好みを超えた普遍的なものなのかそれともやっぱり人それぞれなのか、だったら努力する意味があるのか
それともないのかいろいろ考えつつ次のアイデアを練る日々。
本当に好みは人それぞれだったらこんな賞二度と応募するもんかと思うんだが、なんか捨てがたい可能性
のようなものも感じるんだ。でもそんなもの無いような気もするんだ。
951名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 23:30:01
>950
して、あなたの悪戦苦闘の賜物たる
普遍的新ジャンル小説のタイトルやいかに?
952950:2005/07/24(日) 23:45:38
>>951
タイトルは言えんしすでに反省しとるから。
ただ葛藤したことを素直に書いただけだし次にどうすれば今回より上に行けるかすでに考えとるから。
それにしても「普遍的新ジャンル小説」っていい響きやね。
953名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 23:57:08
>>952 がんばってください。
どうすればいいか既に見えているなら何よりですね。

しかし>>937>>902でも言ってるように、
脳内でいろいろ考えて造ったものには俺も疑問を感じ始めた。
この賞の傾向と対策なんかに頭を巡らすことは実は無意味で、
ほんとに自分の書きたいものを信じたままに書くことが全てなのかもしれん
と思うこのごろ……。
まあ、この賞は他とは一癖も二癖もちがうってことだけはたしかですな。
954950:2005/07/25(月) 00:03:55
>>953
レスサンクス
でもここまで書いといてぶっちゃけて言うなら、俺が落とされたのは下手だったからさ。
下手だったから。それがすべて。
上手ければそれこそ脳内だけのものだろうとなんだろうと行くとこまで行くはずだろさ。
955名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 00:08:28
>954
上手い作品が人の心を虜にするとは限らない。
下手な作品が下読みを泣かせることもありますえ。
956950:2005/07/25(月) 00:19:28
>>955
いやいや。上手いものと下手なものとの間にはマリアナ海溝よりも深い見えない隔たりがあるのだよ。
下読みを泣かせることのできた下手な小説が、はたして次の読み手に渡ったときに同じように泣かせることができるだろうか?
それを次の審査に残そうというときに躊躇はないだろうか? 友達に堂々と紹介できるだろうか?
それこそ人それぞれの範疇なんちゃうんかと。
俺が小説の普遍的な新ジャンルと言ったのはつまりそうそういうことなんです。しぶとい小説のことなんです。
どんなに月日が流れてもどこかの誰かが必ず感動してくれて、それを後世に残そうと思ってくれるようなものなんです。
そういう小説はやっぱり上手いものなんだと思う。努力なしにはそんなものはできっこない。
957名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 00:55:17
955は無責任なレスだったと今更ながら反省。
これは半ば以上、技巧に走りがちでなかなか人の心を動かすものが書けない自分に向けたものです。

正直、自分ではまあまあ「巧い」と思ってる。けどあなたの言うところの「上手い」ものはなかなか書けない。

普遍的ってそういう意味だったんだね。「普遍的新ジャンル小説」っていい言葉だね。
958950:2005/07/25(月) 01:12:41
>>957
いやいや。あなたの無責任な(失礼)レスのおかげで俺も「しぶとい小説」なんてものをはじめて
言葉にできたわけで。そんなの今の今まで考えもしなかった。実は俺も技巧の泥沼にはまっていたんだよ。
こういうことがあるからやめようやめようと思いつつも2ちゃんに書き込んでしまうのだよな。
こう考えてみれば、今も残っている漱石とか鴎外とか芥川とか、あのへんの人たちも当時の人たちから見れば
普遍的新ジャンル小説の旗手だったんじゃないかと思ったりするのよね。淘汰されずに残ってるからね。
目標は高く持ちたいよ。傾向と対策で肩こっちゃったから。もううんざり。
959名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 09:49:48
2ちゃんねらーは傾向と対策ばっか考えてる
960名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 23:25:20
この賞を目指すならガルシア=マルケスの「百年の孤独」くらいは読んでおいた方がいいぞ。
あと、押井守の「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」もね。
961名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 23:34:41
バカっぽい
962名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 03:20:21
おっ。
久々に盛り上がってるな!
しかも950たちなかなか良いこと言ってる!
やっぱ良スレ
963名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 19:07:24
予選通過作品の中にも過去の世界が舞台になってるのがいくつかあるようだけど
みなさんは歴史上の世界が舞台になってる作品書くとき資料はどれくらい調べます?
18世紀イギリスとか17世紀末フランスとか書くの資料調べるの死ぬほど大変だと思うんで
次回作なんだけどどうしようか正直迷ってます。
軽くなるけど架空の国・時代が舞台の方が楽だし。独創力はいるだろうけど。
これくらいの長編に応募するためには生半可な資料じゃろくなもん書けないし。
みんなどうしてんだろ。
964名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 19:45:28
>>963
歴史物で受賞作レベルのものにしようとするなら、映画の小道具やセットを作る感覚で資料に取り組んでも
無駄になる恐れがある。
たとえどんなに大量の資料を用意して、考証に気を使っても、それがまだ頭の表面に留まる段階では
力のある小説にはならない。
調べても無駄というわけじゃなくて、調べるだけでなく考えることがもっと大切だと僕は思う。
その時代はどんな時代だったか、人々は何に価値の中心を置いていたか、どのようなものを食べ、どのようなものを
読み、どのような家に住んで、どのような恋をし、どういった会話をしていたのか?
そういうことを考えて考えて、自分の中で当たり前のことにしていく過程が必要だろう。
いざ書き始めるときには資料を全部片付けちゃっても大丈夫なくらいにしておかないと。
架空の国・時代を舞台にした場合、軽くなった時点でアウトだと思う。
むしろ現代劇よりも濃くて重いくらいじゃないとかなり危険。
大事なのは存在感だから。
ファンタジーってフワフワしたもんだけど、それを引き立てるのは重厚な世界観だと思う。
フワフワとズッシリの間が広ければ広いほどいろんなものを詰め込めるわけで。
965564:2005/07/26(火) 20:08:24
この調べる作業にこそ悦びがある!!

18世紀イギリスや17世紀末フランス、その時代を舞台にしたいって
思ったのは、その時代に何らかのときめきを覚えたからでしょう?
俺はその国の地理や生活習慣、建築様式、食べ物、着る物、風俗流行、
徹底的に調べ尽くしてしまうよ。「自分の頭の中に世界が出来るまで」。
そう、頭の中に世界ができあがってしまえばもう無敵。
あとは登場人物が勝手にその世界で動いて喋ってくれるからさ。

俺も西洋歴史小説を書いてるけど、
その時代の世界が自分の頭の中にどんどん出来上がっていく、
この作業を苦痛に感じたことは一度もないよ。
資料の中で見つかった些細な「ときめきポイント」(たとえば
この時代ならではの小道具や慣習)から、どんどん空想が膨らんで、
小説の細部、あるいは重要なエピソードに生きたりするしね。

これが楽しくて、俺は歴史ものがやめられないんだよ。
架空の世界の方が自由度が高いのは確かなんだけど、
一からなにもかもを創造するより、「かつてあった世界」にちりばめられた、
できればまだ自分以外の誰も見付けていないような物語の欠片を集めて
組み上げる方が、ずっと自分の想像力が元気になるような気がするんだ。

ちなみに俺はこの「世界造り」の悦びに夢中になったあまり執筆に着手するのが遅れ、
今年の締め切りには間に合いませんでしたよん。
資料に触っていいのは何月まで、そこからあとは執筆あるのみ、って
決めとかないと、しばしばこーゆーことになる。
966963:2005/07/26(火) 21:22:10
真剣に答えていただいて恐縮っす。
964さんの言うことに共感は持てます、っつーか、その通りだと思う。
俺の場合も歴史を舞台にするときにはその世界のすべてを箱かなんかに納めて
頭の中に放り込んでおかないとろくなもん書けないし、
適当になっちゃうとつまんないから途中で筆が止まる。
でも、それだけに調べ出すと膨大な時間がかかっちまうんで、尻込みしてるわけなんですわ。
うーむ。
以前ナチスネタで300ページくらい書いたこともあったけど、
まぁナチスドイツはまだ得意分野な方だったし、図書館行っても
ナチス関連の資料は西洋関係の本の中でも一番豊富なんで楽といえば楽だったんですが
仕事やりながらなんで、それでも半年くらい土日が潰れましたからね。
できるだけボロが出ないように主人公を日本人にして登場人物を少なくして
行動範囲も極力狭めたのに・・・。
関係ないこともいっぱい調べたんで(ナチスドイツで発刊されている婦人雑誌の種類についてだとか)
調べ方が下手だというのもあるとは思うんですが
次回作はもっと予備知識のない時代だし、主人公はもっと自由に行動させたいし、
どうしようかと思ってしまいましたわ。
でもま、細かいこと調べるのが面倒だから架空の国を舞台にしたってんじゃ
尚更ろくでもない作品になりそうだな。
967965:2005/07/26(火) 21:43:50
ごめん。
964と965は別のひとね。まぎらわしい番号つけちまってスマンカッタ。
ナチスドイツで発刊されてる婦人雑誌についての知識は
役にたたなかったの? 
俺はそういう一見どうでもよさそうなアイテムを深く愛するよ。

とにかくハマッたもん勝ちじゃない?
俺は特定の時代に夢中になったらそれこそ
仕事してるときも飯食ってるときも風呂入ってるときも寝る前も
ずーーーっとあたまの片隅にその世界がある。
そうするとこう、息してる間中ずっとレーダーが回ってて、
ぷらりと本屋とか図書館とかに立ち寄っても、その時代や国にちょっとでも
関係あるものが視界を掠めるとウィンウィン反応しちゃうのよ。
まるでその世界の方が自分に寄り添ってきてくれてるんじゃないかってくらい
いろいろ引っかかる。

こないだ「ベルリンの至宝展」に行ったとき、まさに自分の小説に
出そうと思ってたアイテムの本物(千二百年前の逸物……)に
思いがけず遭遇したときはまじ運命だと思ったわ。

968名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 21:45:07
>>965
おおお、久しぶり。
そうか、間に合わんかったか。おいらも歴史物だったんだが、調べ物を無理やり切り上げて
小説に取り掛かったよ。そうするとポロポロ調べ残しが露呈して、結局イメージしていたものより
スケールが小さくなってしまったわけだが、一応満足だったな。書けた分は身についたんだという前向き思考で。

歴史物をやっていて危険だなあ、と思うことが一つあった。
それは、調べ物に夢中になるあまり、その世界を盲目的に愛するようになってしまったこと。
舞台となる時代を知れば知るほど、なんだかその時代が自分の恋人か何かのように思えてきて、
徹底的に支配したくなる。何もかも知り尽くしたくなる。知らないと不安なんだ。それで、調べることで安心する。
で、そうやってまた知れば知るほど不安が大きくなる。おいらはこんなことも知らないでいたのか、
こんなことを調べ残していたのか、なんて思ってゾッとする。
さらに、この時代はなんて素晴らしいんだ、この人物はなんて素晴らしいんだ、なんて感動してしまって、
そんな素晴らしいものに自分のチンケな想像力を加えようなんておこがましいような気がして、
その世界に縛られてしまった。やっていることは宣伝マンか学者と同じで、こうなるともう小説じゃなくなる。
だから、いざ小説に取り掛かったときに、縛られた想像力を呼び起こすのに苦労したよ。本末転倒だった。

人間は基本的に、自分にかかわりのあることにしか興味を持ったり感動したりしないわけで、
おいらがどんなにその世界に情熱を注ぎ、これはこんなに素晴らしいんだと夢中になって語っても、
フーン、で終わっちゃうんだよね。人それぞれだね、なんつって。
969963:2005/07/26(火) 22:04:20
>967
いやこちらこそ間違えて申し訳ない。
考え方が矛盾してなかったので同じ方かと勘違いをしてしまいました。
失礼をば。
俺も結構ハマりやすいたちなんで調べだしたら止まらなくなってしまいますね。
あんまり時間がかかるんで、俺だけ調べ方間違うとるんとちゃうんか、と
不安も混じりつつ、他の人はどれくらいどんな風に調べてるものかと気になった次第。
しかし、お二人の書き込みは非常に参考になりました。
架空の世界を舞台とする方が自分のテーマを乗せやすいのか
歴史を舞台とする方がよいのかという根本的な迷いは残るのですが。
970965:2005/07/26(火) 22:04:37
>>968
おお、覚えててくれてありがとう。ひさしぶり。
ええと、どなただったかな?

>なんだかその時代が自分の恋人か何かのように思えてきて、
徹底的に支配したくなる。何もかも知り尽くしたくなる。

そうなんだよ! そうなんだよな!!
もうその時代が愛しくてたまらなくなってしまうのさ。
登場人物が実在の人物だったりすると特に、正直時空を超えた
恋をしているような気さえするんだ。
そして知らない部分を想像で補おうとするだろ、しかし調べを勧めて
みれば、自分が補ったエピソードより、新たにわかった真実の方が
ずっと魅力的であったりするのだよ。

>人間は基本的に、自分にかかわりのあることにしか興味を持ったり感動したりしないわけで、
おいらがどんなにその世界に情熱を注ぎ、これはこんなに素晴らしいんだと夢中になって語っても、
フーン、で終わっちゃうんだよね。

それはそうなんだけど、俺の場合はそもそも執筆の動機がここにある。
この時代、この世界は確かに美しい、他の誰も気付いてないけど、確かに
美しいものなんだ、と信じるところから全てが始まっている気がする。
自分が素晴らしいと信じるところのもの、自分にとっては大切な宝物のような
ものを、誰かに見せたくて、知って欲しくて書き始める。
どうしたらフーンで終わらせずに、こっちを向いてもらえるだろう、
結局そこが腕次第なんだよね。
自分だけが見える美しい世界を、いかに他の人にも魅力的に見せるか。
これをずっと追究していかなくちゃいけないと思うんだ。
俺はそのために命をかけてもいいと思ってるよ、マジで。

すまん、感情的になりすぎたわ。同じことを考えてる人に会えたのが嬉しくてね。
971968:2005/07/27(水) 00:10:44
>>967
おいら、リアルでROMしてた者です。えらそうですいません。
どうすれば人に読ませられる小説になるかなということで書くと…
人間は何千年という歴史の中で、同じようなことを繰り返している。
秦の始皇帝もチンギス・ハーンも信長も秀吉もナポレオンもヒトラーも、そんなことをすると絶対破滅するということが
わかりきっていることをわざわざやって、滅んだりしている。
古代日本に大陸から人々が渡ってきた時、ローマ帝国が拡大した時、アメリカ大陸をコロンブスが発見した時、
アフリカがヨーロッパ人の植民地になったとき、そういう、「他者と他者とが出会う時」、そこの文化が大きく変化したり、
悲劇が起こったりする。
なんか、まあ、そういう繰り返されるパターンに目を向けたときに、ふっと、なんかそこまで一つの時代にこだわらなくても
いいんじゃないかという気がした。これはあくまでおいらの意見だけどね。
一つの時代を盲目的にこだわって描くよりも、歴史が繰り返すパターンの中に普遍的なものを見つける方が、もっと小説的ではないか。
972968:2005/07/27(水) 00:13:27
で、思ったんだけど、時代の進歩は人間の成長とも重なるんじゃないかと。
何度も同じ失敗を繰り返す内に、それじゃダメだと気づく人物が現れて、そこで時代が大きく変わる。
拡大路線をやめて国内の充実を図った家康や、争いを戦争でなく法で解決しようとナポレオン法典が生まれたりしたように、
歴史の成長も人間の成長とよく似たようなもので、いろんなことを学んで前に進んでいく。
そう考えると、歴史がもっと身近に、感情移入できるものにできるんじゃないかと思えてきた。
明治の文明開化だって、田舎から都会に出てきた若者がカルチャーショックを受けつつも自我を確立する話と
同じように扱えたりもするわけだし。
ナポレオンがモスクワを占領しつつもロシア皇帝に相手にもされず撤退した話なんかは、恋する女性にふられた男の話になり得る。
つまり歴史を擬人化するわけなんだけど。
それならしらけずに読んでもらえるんじゃないかな、と思った。自分にもかかわりのある話として。
歴史や人間のパターンを把握すると、事実に縛られずに説得力のある小説を書くことができるのかも。
架空の世界でもリアリティを持たせられるだろうし。
そのパターンを極端なくらいに抽出すればファンタジーになるんじゃなかろうか。
揺るぎない現実であるはずの歴史が、その裏に隠れた虚構によって操られているような気がしたりするんだ。
973名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 01:40:48
ファンタジーの方程式を考えたよ。超シンプルなやつ。
人大杉が終わって人が戻ってきたら書き込もうかな。
974969:2005/07/29(金) 16:20:41
人大杉にしびれを切らして「壷」をダウンロードしてしまったさ。
大変便利なのは結構だが、ますます2ちゃんにはまりそうでまずいな……。

>968氏は歴史の奥にある、普遍的なものに目を据えて居るんだね。
人間がなぜか繰り返してしまうことや、それでも少しずつ果たしてきた進歩
みたいなものに。
「歴史の擬人化」は俺も高校世界史とかで歴史の大きな流れを把握する時に
やった記憶があるよ。

>明治の文明開化だって、田舎から都会に出てきた若者がカルチャーショックを
>受けつつも自我を確立する話と同じように扱えたりもするわけだし。
>ナポレオンがモスクワを占領しつつもロシア皇帝に相手にもされず撤退した話なんかは、
>恋する女性にふられた男の話になり得る。
歴史のパターンに着想を得て書かれた小説は、たしかに書きようによっては
面白いものになりそうだ。エンターテイメントに限らず、しっとりと味わい深い
純文学にもなりうるだろうね。身近な世界に舞台を移したほうが読んでもらいやすい
という言にも一理ある。
一理あるが、俺にはこの手法を取ることはやっぱりできない。
俺はやっぱり、「カルチャーショックに悩む現代の若者の物語」よりも
陸蒸気に乗り人力車に乗り、ドレスの貴婦人にフロックコートの紳士が
やれオペラだの舞踏会だのに打ち興じ、書生さんや学者先生たちが
やたらめったら衒学的な会話を交わしながら生きる、
そんな世界で繰り広げられるひとびとの悲喜こもごもを書きたいと思うし、
「恋する女性に振られた男の話」よりも、
革命の熱冷めやらぬ時代、エンパイアスタイルの貴族たちが
笑いさざめく時代をそのまま背景にしたいと思う。
というのは俺は、歴史の真理みたいなものを読みとることにはそれほど
興味がないのかもしれない。俺の書きたいものは人類の歴史の繰り返しや
進歩ではなくて、ある特定の時代の特異な匂いというか、世界観なんだと
思うんだ。

975970:2005/07/29(金) 16:23:08
あ、ごめん。上は969じゃなくて970ね。騙っちまってスマソ。

こどもの頃、『ウォーリーのふしぎなたび』っていう絵本が好きだった。
いろいろな世界でいろいろなことをしている人たちが、ちまちまと細かい
絵で書かれててさ。例えば「ぶきみなものどものしろ」ってところでは、
吸血鬼が幽霊とダンスパーティーを繰り広げていたり、疲れたやつは棺桶で
眠りにつくし、ワインじゃなくて血で乾杯してるし、とそんな絵がちまちまとあってね。
メインはその雑踏の中に小さく紛れてるウォーリーを捜すことなんだけど。
ウォーリーはわりとすぐ見つかるし、それ自体がそんなに面白いわけではないんだけど。
面白いのは、ウォーリーを見付けてしまったひとのために、
巻末にいろいろおまけ課題がついてんの。
それぞれの世界でこんなことをやってるやつがいるから、それをさがせ
っていうね。それが面白くてぼろぼろにページがとれるまで読んだ。
あと安野光雅の「旅の絵本」にもそれと似た面白さがあるよなあ。

つまり俺が愛しているのはそういうものなんだ。これを小説でやりたいんだ、
っていうとちょっと語弊があるか。
ある時代の、その世界に独特の小道具とか慣習とかに激しくときめくわけで、
そんな「今とは違う」世界観をこそ描きたいと思っているわけで、
読みやすさを求めるためにそこから離れることは俺にはできない。
だから歴史を動かしたり、ビッグなことをしでかしたやつらは
あんまりメインとして書かないかな。出てくるのは「今とは違う」世界で
泣いたり笑ったりもがいたり普通に生きてる人。
そんなわけで「舞台が現代じゃないからかな、あんまり入り込めなかった」という
感想をもらった時が一番つらい……。「いや、入り込めなかったのは
時代のせいじゃないって! 俺の技量不足のせいだって!」と信じたい……。
976968:2005/07/29(金) 18:47:35
>>974
専ブラは常識だよ。さっきまでプロ作家スレを覗いていたけど、みんな人大杉でもがしがし書き込んでいたよ。
そろそろ1000行きそうだし、みんなが知らぬ間にこのスレが消滅していたなんてことになったらあんまりだから
手短に話そう。やっと面白い議論になったことだし。

>吸血鬼が幽霊とダンスパーティーを繰り広げていたり、…
>陸蒸気に乗り人力車に乗り、ドレスの貴婦人にフロックコートの紳士が …

こういうところはおいらもわくわくします。ディテールなんていう安っぽい言葉で表すのが嫌になるくらい。たくさんの生命が蠢き、
欲望がスープみたいにぶくぶく泡を立てているような描写は、おいらもやりたいと思うし、小説を書くときにはいつもそれが念頭にある。
ただ、それを小説として人に読ませる場合には、描写をひたすら重ねるだけでは伝えたいことが伝わらないとも思う。
小説には音楽の楽譜と同じで縦軸と横軸があって、横軸はメロディー(ストーリー)、縦軸はハーモニー(世界観)だとおいらは考える。
たとえば君が例に挙げた「ウォーリーを探せ」だって、ウォーリーを探すというストーリーがあるから大勢のキャラが映えるわけで。
この2ちゃんだってそうだけど、それぞれの板やスレに分かれてテーマごとに議論するようになっているから、ここまで
人が増えたのだと思う。「とにかく適当に雑談してください」な掲示板だったら、ここまで口角泡飛ばせない。
おいらが歴史を擬人化すると言ったのは一つの例で、そうすればすっきりとしたストーリーにまとめやすいと思っただけのこと。
便宜上そういったものがあった方がいいというだけのことなの。そうした上で遊べばいいじゃない。
一本太い幹があれば、枝をいっぱいに伸ばして葉をびっしり繁らせることだってできるでしょ?
幹がなかったら、地面にべったりへばりついたコケのようなものにしかならないんじゃないかと思う。
そもそも、大きな世界観を引っ張っていくためには、それ相応のストーリーの力が必要なわけで、
技量不足を改善するなら、描写をこれ以上徹底するよりも、ストーリーの方に目を向けたほうが意外とすんなり進めると思う。
ストーリーが良くなると、今度は世界観も生き生きしてくるから。
977名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 18:55:30
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
978970:2005/07/29(金) 19:25:52
>976
!! ごめん。やっと君の言いたかったことがわかったかもしれない!
つまり>>972はストーリーについて「身近な題材に置き換えて」と言ったもので、
それは決して舞台としての「ある時代」「ある世界」を捨てろということではないわけだ。

>なんか、まあ、そういう繰り返されるパターンに目を向けたときに、ふっと、なんかそこまで一つの時代にこだわらなくても
>いいんじゃないかという気がした。これはあくまでおいらの意見だけどね。
という部分に捕らわれて正しく理解していなかった。
つまり世界観だけでなく物語についても、歴史小説書きならではの筋の組み方が
あるのではないかと、そういう提案だったんだよね? 
たしかに、その意見は大いに容れる余地がある。思えば俺は舞台装置に気をかけるあまり
舞台装置が主人公になってしまってるようなところがあった。
俳優が目の醒めるような演技をしてこそ、みんな舞台を見てくれるのにね。
979名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 21:03:18
前スレコピペ

4 :1 :01/10/20 04:45

第1回 1989年
 〔選考委員〕 荒俣宏、安野光雅、井上ひさし、高橋源一郎、矢川澄子
 大賞 『後宮小説』            酒見賢一    新潮社 89.12
 優秀賞『宇宙のみなもとの滝』       山口泉     新潮社 89.12
 候補作『月のしずく100%ジュース』     岡崎弘明    新潮文庫 90.7
    『星虫 −COSMIC BEETLE−』  岩本隆雄 新潮文庫 90.7
    『三日月銀次郎が行く −イーハトーボの冒険編−』  武良竜彦 新潮文庫 90.7
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第2回 1990年
 〔選考委員〕 荒俣宏、安野光雅、井上ひさし、高橋源一郎、矢川澄子
 大賞  該当作なし
 優秀賞『楽園』              鈴木光司    新潮社 90.12
    『英雄ラファシ伝』         岡崎弘明    新潮社 90.12
 候補作『ラスト・マジック』        村上哲哉    新潮文庫 90.12
    『日輪王伝説』           原あやめ
    『念術小僧』            加藤正和    新潮文庫 90.12
980名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 21:05:34
サーバーおかしいね。
今日で三日目。
なんとかしてよ。
981名無し物書き@推敲中?
あ、まちがってこっちに貼っちゃった。申し訳ない。
この良スレが消えちゃうとやだから、勝手ながら引っ越し準備
進めてみた。
とりあえずここの歴代受賞者のリスト、第8回までは貼ったんだけど、
連投規制にひっかかっちゃった。誰か助けて。