弓道総合スレ二十七立目

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458目曰く好意
引く矢束の射が、右肩等の詰め合い・伸び合いをしていない、もう一つの考察。

テコの原理というより輪軸の働きだが、肩を回転の中心、つまり輪軸の中心と考え、
また、弓手拳や右肘を円盤上の錘を着ける点と考え、同じ重さの錘を円盤上の各点に着けた場合、
円盤を回転させようとする力の大きさは、中心から錘を着けた点までの距離に比例する。・・・決まり@

一般的には右利きの人が多いから、左右の肩の力を比べれば右肩の方が多少力が強いだろう。
しかし、ここでは左右の肩の力がほぼ同等と仮定する。・・・決まりA

決まり@から云える事は、左肩から弓手拳までの長さが、右肩から右肘までの長さの約2倍であり、弓手拳と右肘には等しい弓力がかかっていることから次のことが言える。
つまり、会で左肩には右肩の2倍の大きさの負荷が掛かっている。・・・決まりB

さて、私が映像で見た九州の重鎮は90歳を越えていたが、離れで大きく馬手が的方向へ戻るにも拘らず皆中をしていた。
つまり、狙いを付けた弓手には狂いはほぼ無く、馬手の方だけが弓力に負けていたのである。・・・現象@
また、同様にイギリスの責任者も、会では弓手が安定し、馬手がブルブル・ブレていた。・・・現象A
459目曰く好意:2012/01/20(金) 15:05:45.85 ID:c15zB849
決まり@から導いた決まりBと決まりAから考えれば、加齢などによって体力が落ちた場合、
戻りやブレが起こり易いのは左肩の方であると結論付けられる。・・・結論@
しかし、実際の現象@とAは、1/2の負荷しかない右肩や馬手の方で起こっている。
これらの現象は明らかに、結論@と矛盾している。

先のレスで、右肩の詰め合い・伸び合いをする筋肉群の使い方が、引く矢束の射の右肩の使い方とは相容れぬと述べたが、この事が上記の矛盾を解決する考え方である。

つまり、両肩には同等の力を発動させる能力が有り、左肩の1/2の大きさの負荷しか掛からない右肩の方がその負荷に負けてしまうのは、
詰め合い・伸び合いが充分でないからである。・・・真の結論@
これらの事から考えれば、弓手肩などを詰め合い・伸び合いするのに必要な力に比べて、右肩の詰め合い・伸び合いを行わない場合は、2倍以上の力を要して馬手側の保持が行われている。
それほど、詰め合い・伸び合いとは、会で楽に弓力を支える技術である。・・・真の結論A

弓は力で引くんじゃないよ。
こうして、引く矢束の射は、古来から云われているように、
本物の射ではなく、年老いて、宿命的な破綻を見せる。
460目曰く好意:2012/01/20(金) 15:32:14.90 ID:c15zB849
岡崎さんは、右肩を詰め合い・伸び合いしている。
だから、体力だけじゃなくて、あれだけ・20秒以上も会が持てる。

右肘の位置を固定した大離れだが、右肩の詰め合い・伸び合いをしているから右肘の固定が出来る。
そして、右肘の内側を浮かせて馬手先で引いているから、馬手拳が大きく残身の位置に飛んでいく。

馬手がブルブル・ブレずに会を保てるのは、その間は右肘の内側を詰めているからだろうと思われる。
そして、少なくとも離れの瞬間には、馬手先で弦を引いているから、大離れだ。

非常に、特異な射法に観える。
しかし、精神性の高さを感じさせる射だ。