414 :
名無しの与一:
私は知っている
もう歩けそうにない日も
真っ暗で怖くて消えてしまいそうな夜も
私は私を立ち上がらせる呪文を知っている
あなたの名前ばかり呼んでいる
あなたの名前しか口に出来ない
私はあなたが生かしているのだと
私はあなたを想う為に生をうけたのだと
そう思ったら呼吸が出来る
人は誰も強くなんてないから きっと
どこかで泣いているから
私はあなたの涙も悲しみも何もかも幻に出来る
仮初めの日々に変えられる呪文を知っているから
あなたの名前ばかり呼んでいる
あなたの名前しか口に出来ない
あなたの名前しか私は知らない